JP2006215321A - 光学補償シート、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも一つの反応性基を有する重合性コレステリック液晶を含有する組成物を、塗布乾燥後に熱もしくは電離放射線照射することによって硬化させて形成した光学異方性層を有し、該光学異方性層のコレステリックピッチが120nm以下であり、かつ、該光学異方性層の厚みが500nm以上5μm以下であることを特徴とする光学補償シートである。
【選択図】 なし
Description
(1) 少なくとも一種の反応性基を有する重合性コレステリック液晶を含有する組成物を、塗布乾燥後に熱もしくは電離放射線照射することによって硬化させて形成した光学異方性層を有し、該光学異方性層のコレステリックピッチが120nm以下であり、かつ、該光学異方性層の厚みが500nm以上5μm以下であることを特徴とする光学補償シート。
(2) 透明支持体と、その上に高分子層と、その上に少なくとも一種のコレステリック液晶を含む組成物の重合体から形成された光学異方性層とを有する光学補償シートであって、前記光学異方性層のコレステリックピッチが120nm以下であり、厚みが500nm以上5μm以下であり、正面レターデーションが実質上0であり、且つ法線方向に対して40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値が0でないことを特徴とする光学補償シート。
(3) 透明支持体と、その上に高分子層と、その上に少なくとも一種の液晶性化合物を含む組成物の重合体から形成された光学異方性層とを有する光学補償シートであって、前記光学異方性層のコレステリックピッチが120nm以下であり、厚みが500nm以上5μm以下であり、正面レターデーションが0でなく、面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償シートの法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償シートの法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値が実質的に等しいことを特徴とする光学補償シート。
(4) 該光学異方性層のコレステリックピッチが100nm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの光学補償シート。
(5) 該光学異方性層が、前記組成物に偏光紫外線を照射することによって該組成物を硬化させて形成された層であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの光学補償シート。
(6) 正面レターデーション(Re)が0〜70nm、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償シートの法線方向に対して40°傾斜した方向から測定したレターデーションが30〜150nmであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの光学補償シート。
(7) セルロース系またはシクロオレフィン系のポリマーを含む支持体を有する(1)〜(6)のいずれかの光学補償シート。
(8) 一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶性分子からなる液晶層を含み、且つ前記液晶性分子が前記基板に対して略垂直な方向に配向している液晶セルを補償するのに用いられることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかの光学補償シート。
(9) 偏光子と、少なくとも一枚の(1)〜(8)のいずれかの光学補償シートとを有する偏光板。
(10) (1)〜(8)のいずれかの光学補償シートまたは(9)の偏光板を有する液晶表示装置。
(11) 表示モードがVAモードであることを特徴とする(10)の液晶表示装置。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
図1は本発明の光学補償シートの一例の概略断面図である。本発明の光学補償シートは、透明支持体11上に光学異方性層12を有する。透明支持体11と光学異方性層12との間には、光学異方性層12中の液晶性分子の配向を制御するための配向層として機能する高分子層13が配置されている。光学異方性層12は、少なくとも一種の液晶性化合物を含有する組成物に電離放射線を照射することで硬化させて形成された層である。一方、光学異方性層12の配向層として機能する高分子層13は、高分子を含有する溶液を塗布及び乾燥して形成した高分子層である。光学異方性層12は、前記組成物のコレステリック相を固定してなる層であり、そのコレステリックピッチは120nm以下である。また、光学異方性層12の厚みは、500nm以上5μm以下である。本発明では、かかるコレステリック相を固定してなる光学異方層を利用して、液晶セル、好ましくはVAモードの液晶セル、を正確に光学補償している。
図2(a)〜(d)は本発明の光学補償シートを有する偏光板の概略断面図である。偏光板は、一般的には、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行うことによって偏光膜21を得、その両面に保護フィルム22および23を積層して作製することができる。本発明の光学補償シートは、光学異方性層を支持するポリマーフィルム等からなる支持体を有するので、この支持体を保護フィルム22および23の少なくとも一方にそのまま用いることができる。この際、光学異方性層12は偏光層21側に(即ち、光学異方性層12が支持体11より偏光層21により近くに)配置されていても、偏光層21と反対側に(即ち、光学異方性層12が支持体11より偏光層21により遠くに)配置されていてもよいが、図2(a)に示した様に、光学異方性層12は、偏光層21と反対側にあることが好ましい。また、図2(b)のように偏光層21の一方の保護フィルム22の外側に粘着剤等を介して貼合することも可能である。
図3は、本発明の液晶表示装置の一例である。液晶表示装置は、上下の電極基板間にネマチック液晶を挟持してなる液晶セル35、および液晶セルの両側に配置された一対の偏光板36および37を有しており、偏光板の少なくとも一方には図2に示した本発明の偏光板を用いている。本発明の偏光板を用いる際には、光学異方性層が偏光層と液晶セルの電極基板の間になるように配置する。ネマチック液晶分子は、電極基板上に施された配向層およびその表面のラビング処理あるいはリブ等の構造物を設けることによって、所定の配向状態になるように制御されている。
本発明の光学補償シートは、光学異方性層を有し、前記光学異方性層が、液晶表示装置のコントラスト視野角の拡大し、液晶表示装置の画像着色を解消するのに寄与する。本発明の光学補償シートは、前記光学異方性層を支持する支持体を含んでいてもよく、該支持体が偏光板の保護フィルムを兼ねることによって、または前記光学異方性層が偏光板の保護フィルムを兼ねることによって、液晶表示装置の構成部材を減少させることができる。すなわち、かかる態様にすることにより液晶表示装置の薄型化にも寄与する。以下、本態様について、作製に用いられる材料、作製方法等について、詳細に説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。また、他の態様についても、以下の記載及び従来公知の方法を参考にして作製できる。但し、本発明は以下に説明する光学補償シートの態様に限定されるものではない。
本発明の光学補償シートは、少なくとも一種の液晶を含有する組成物を硬化させて形成した光学異方性層を有する。該光学異方性層のコレステリックピッチは120nm以下であり、かつ、該光学異方性層の厚みは500nm以上5μm以下である。前記組成物は、コレステリック液晶を含有するのが好ましく、重合により硬化可能なように、重合性基を有する重合性コレステリック液晶を含有するのがより好ましい。また、前記組成物は全体としてコレステリック相を形成し得ればよく、即ち、コレステリック液晶を含有することは必須ではない。かかる場合は、前記組成物に含有される重合開始剤又はカイラル剤等の液晶以外の添加剤がコレステリック相の形成に寄与する。また、重合性基については、液晶分子が有していることは必須ではなく、カイラル剤や他の添加剤が重合性基を有していてもよく、また1分子中に2以上の重合性基を有する架橋剤を用いてもよい。
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に、重合性基であり、L1、L2、L3およびL4はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表すが、L2およびL3の少なくとも一方は、−O−CO−O−を表す。A1およびA2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜20のスペーサー基を表す。Mはメソゲン基を表す。
一般式(II)で表される基が好ましい。
一般式(II):−(−W1−L5)n−W2−
式中、W1およびW2は各々独立して、二価の環状脂肪族基、二価の芳香族基または二価のヘテロ環基を表し、L5は単結合または連結基を表し、連結基の具体例としては、前記式(I)中、L1〜L4で表される基の具体例、−CH2−O−、および−O−CH2−が挙げられる。nは1、2または3を表す。
等を使用することができる。
また、前記光学異方性層を負のCプレートとする場合は、前記光学異方性層は、正面レターデーションが実質上0であり、且つ法線方向に対して40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値が0でないのが好ましい。かかる光学特性の光学異方性層は、前記した様に、コレステリック液晶を含む組成物をコレステリック相に転移させた後、非偏光照射を行うことによって作製することができる。
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
本発明の光学異方性層は、偏光照射による光配向で面内のレターデーションを発生させることができる。この偏光照射は上記配向固定化における光重合プロセスと同時に行っても良いし、先に偏光照射を行ってから非偏光照射でさらに固定化を行っても良いし、非偏光照射で先に固定化してから偏光照射によって光配向を行っても良い。大きなレターデーションを得るためには偏光照射のみ、もしくは先に偏光照射することが好ましい。偏光照射は、酸素濃度が0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。偏光照射には紫外線偏光照射が好ましく、特に365±10nmにピークを持つ偏光照射が好ましく、365±5nmにピークを持つ偏光照射がさらに好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は20〜1000mW/cm2であることが好ましく、50〜500mW/cm2であることがより好ましく、100〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。偏光照射によって硬化する液晶性化合物の種類については特に制限はないが、反応性基としてエチレン不飽和基を有する液晶性化合物が好ましい。
前記光学異方性層の形成用組成物中に、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物の少なくとも一種を含有させることで、液晶性化合物の分子を実質的に水平配向させることができる。尚、本発明で「水平配向」とは、棒状液晶の場合、分子長軸と透明支持体の水平面が平行であることをいい、円盤状液晶の場合、円盤状液晶性化合物のコアの円盤面と透明支持体の水平面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。傾斜角は0〜5度が好ましく、0〜3度がより好ましく、0〜2度がさらに好ましく、0〜1度が最も好ましい。
以下、下記一般式(1)〜(3)について、順に説明する。
液晶性化合物を配向させるためには所定の高分子層を配向層として用いることが好ましい。配向層は一般に、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログループを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコ酸、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリル酸メチルなど)の累積のような手段で設けることができる。さらに電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により配向機能が生じる配向層も知られている。ラビング処理はポリマー層の表面を紙や布で一定方向に数回こすることにより実施する。
光学異方性層の透明支持体としては、光透過率が80%以上であるポリマーフィルムを用いることが好ましい。透明支持体の厚みは10〜500μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、35〜110μmが最も好ましい。
本発明の液晶表示装置に用いる偏光板は、偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護フィルムとからなる。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が挙げられる。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。保護フィルムの種類は特に限定されず、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル等を用いることができる。透明保護フィルムは、通常、ロール形態で供給され、長尺の偏光膜に対して、長手方向が一致するようにして連続して貼り合わされることが好ましい。ここで、保護フィルムの配向軸(遅相軸)はいずれの方向であってもよい。また、保護フィルムの遅相軸(配向軸)と偏光膜の吸収軸(延伸軸)の角度も特に限定はなく、偏光板の目的に応じて適宜設定できる。
本発明において、液晶セルはVertically Alignedモード(VAモード)であるのが好ましい。VAモードの液晶セルは、対向面がラビング処理された上下基板の間に誘電異方性が負の液晶性分子を封入してなる。例えば、Δn=0.0813、およびΔε=−4.6程度の液晶分子を用い、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆるチルト角が約89°の液晶セルを作製することができる。この時、液晶層の厚さdは3.5μm程度にすることができる。液晶層の厚さd(nm)と、屈折率異方性Δnとの積Δn・dの大きさにより白表示時の明るさが変化する。最大の明るさを得るためには、液晶層の厚さdは2〜5μm(2000〜5000nm)の範囲であるのが好ましく、Δnは、0.060〜0.085の範囲である。
市販のセルロースアセテートフィルムであるフジタックTD80UF(富士写真フイルム(株)製、Re=3nm、Rth=50nm)を透明支持体S−1として用いた。
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、配向層用塗布液AL−1として用いた。変性ポリビニルアルコールは特開平9−152509号公報のものを用いた。
────────────────────────────────────
配向層用塗布液組成(%)
────────────────────────────────────
変性ポリビニルアルコールAL−1−1 4.01
水 72.89
メタノール 22.83
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.20
クエン酸 0.008
クエン酸モノエチルエステル 0.029
クエン酸ジエチルエステル 0.027
クエン酸トリエチルエステル 0.006
────────────────────────────────────
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1として用いた。LC−1−1はEP1388538A1,page 21に記載の方法により合成した。
────────────────────────────────――――
光学異方性層用塗布液組成(%)
────────────────────────────────――――
棒状液晶 26.66
(Paliocolor LC242,BASFジャパン)
カイラル剤 3.10
(Paliocolor LC756,BASFジャパン)
光重合開始剤(LC−1−1) 1.24
メチルエチルケトン 69.00
────────────────────────────────――――
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−2として用いた。
────────────────────────────────――――
光学異方性層用塗布液組成(%)
────────────────────────────────――――
棒状液晶 25.11
(Paliocolor LC242,BASFジャパン)
カイラル剤 4.65
(Paliocolor LC756,BASFジャパン)
光重合開始剤(LC−1−1) 1.24
メチルエチルケトン 69.00
──────────────────────────────────――
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−3として用いた。
────────────────────────────────――――
光学異方性層用塗布液組成(%)
────────────────────────────────――――
棒状液晶 23.56
(Paliocolor LC242,BASFジャパン)
カイラル剤 6.20
(Paliocolor LC756,BASFジャパン)
光重合開始剤(LC−1−1) 1.24
メチルエチルケトン 69.00
────────────────────────────────――――
UV光源として350〜400nmに強い発光スペクトルを有するD−Bulbを搭載したマイクロウェーブ発光方式の紫外線照射装置(Light Hammer 10、240W/cm、Fusion UV Systems社製)を用い、照射面から30mm離れた位置に、ワイヤグリッド偏光フィルタ(ProFlux PPL02(高透過率タイプ)、Moxtek社製)を設置して偏光UV照射装置を作製した。この装置の最大照度は400mW/cm2であった。
セルロースエステルフィルムを温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて14cc/m2で塗布した。そして、110℃に加熱したスチーム式遠赤外線ヒーター((株)ノリタケカンパニー製)の下に10秒滞留させた後に、同じバーコーターを用いて純水を3cc/m2塗布した。この時のフィルム温度は40℃であった。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後、70℃の乾燥ゾーンに2秒滞留させて乾燥した。
────────────────────────────―
アルカリ溶液組成(%)
────────────────────────────―
水酸化カリウム 4.7
水 14.7
イソプロパノール 64.8
プロピレングリコール 14.8
界面活性剤(SF−1) 1.0
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透明支持体S−1の片面を前述の片面けん化処理法を使ってけん化処理した後、その上に配向層用塗布液AL−1を#14のワイヤーバーコーターで塗布し、60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥して厚さ1.0μmの配向層を形成した。続いて、形成した配向層を透明支持体の遅相軸方向に対してラビング処理した後、その上に光学異方性層用塗布液LC−2を#8のワイヤーバーコーターで塗布し、膜面温度が100℃2分間加熱乾燥熟成して均一な液晶相を有する光学異方性層を形成した。さらに熟成後直ちに光学異方性層に対して、酸素濃度0.3%以下の窒素雰囲気下において、POLUV−1を用いて偏光板の透過軸が透明支持体の遅相軸方向となるようにして偏光UVを照射(照度200mW/cm2、照射量200mJ/cm2)して光学異方性層を固定化し、実施例1の光学補償シートを作製した。光学異方性層は固定化後、昇温しても液晶相を示さなかった。光学異方性層の厚みは3.4μmであった。
光学異方性層用塗布液LC−2を、光学異方性層用塗布液LC−3に変えた以外は実施例1と同様にして、実施例2の光学補償シートを作製した。
光学異方性層用塗布液LC−2を、光学異方性層用塗布液LC−1に代えた以外は実施例1と同様にして、比較例1の光学補償シートを作製した。
光学異方性層用塗布液LC−2の塗布に用いるワイヤーバーコーターのバー番手を#4に変更し、また、POLUV−1において、ワイヤグリッド偏光フィルタを外した以外は実施例1と同様にして、実施例3の光学補償シートを作製した。光学異方性層の厚みは1.7μmであった。
光学異方性層用塗布液LC−3の塗布に用いるワイヤーバーコーターのバー番手を#4に変更し、また、POLUV−1において、ワイヤグリッド偏光フィルタを外した以外は実施例2と同様にして、実施例4の光学補償シートを作製した。光学異方性層の厚みは1.7μmであった。
光学異方性層用塗布液LC−1の塗布に用いるワイヤーバーコーターのバー番手を#4に変更し、また、POLUV−1において、ワイヤグリッド偏光フィルタを外した以外は比較例1と同様にして、比較例2の光学補償シートを作製した。光学異方性層の厚みは1.7μmであった。
KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)により、589nmにおける正面レターデーションReおよび遅相軸を回転軸として±40度サンプルを傾斜させたときのレターデーションRe(40)、Re(−40)を測定した。
断面TEM(透過型電子顕微鏡)により、コレステリックピッチを測定した。
本発明の実施例1〜4と比較例1および2の光学補償シート及び市販のフジタックTD80UF(富士写真フイルム(株)製、Re=3nm、Rth=50nm)を、1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。続いて室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。これを再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。この後、水洗、中和処理を行い、この二枚のけん化済フィルムを、偏光板の保護膜として偏光膜の両面にポリビニルアルコール系接着剤を用いてロール・トゥ・ロールで貼り付け、一体型偏光板を作製した。本発明の実施例はいずれも生産性に優れ、光学異方性層は良好な面状を示していた。
(VA−LCD液晶表示装置の作製)
市販のVA−LCD(SyncMaster 173P、サムスン電子社製)の上下の偏光板を剥がし、上側には通常の偏光板を、下側には本発明の実施例1の光学補償シート付偏光板を、光学異方性層が液晶セル基板ガラス面になるように粘着剤で貼合して本発明の液晶表示装置を作製した。作製した液晶表示装置の断面概略図を、各層の光学的軸の角度関係とともに図4(a)に示す。図4(a)中、41は偏光層、42は透明支持体、43は配向層、44は光学異方性層(41〜44で本発明の光学補償シートが構成される)、45は偏光板保護フィルム、46は液晶セル用ガラス基板、47は液晶セル及び48は粘着剤層である。また、偏光層41中の矢印は吸収軸の向きを、光学異方性層44やその支持体44及び保護フィルム45中の矢印は遅相軸の向きを示し、丸印は矢印が紙面に対する法線方向であることを示す。
実施例5において、下側偏光板に本発明の実施例2の光学補償シート付偏光板を用いた以外は実施例5と同様にして、実施例6の液晶表示装置を作製した。
実施例5において、下側偏光板に本発明の比較例1の光学補償シート付偏光板を用いた以外は実施例5と同様にして、比較例3の液晶表示装置を作製した。
(VA−LCD液晶表示装置の作製)
市販のVA−LCD(SyncMaster 173P、サムスン電子社製)の上下の偏光板を剥がし、下側に対して本発明の実施例3の光学補償シート付偏光板を、光学異方性層が液晶セル基板ガラス面になるように粘着剤で貼合し、上側に対して市販の一軸延伸アートン(Re=140nm)からなる光学補償シートを貼合した偏光板を一軸延伸アートンが液晶セル基板のガラス面になるように粘着剤で貼合して本発明の液晶表示装置を作製した。作製した液晶表示装置の断面概略図を、各層の光学的軸の角度関係とともに図4(b)に示す図4(a)中の層と同一の層については、同一の番号を付した。層中の矢印の意味も同義である。図4(b)中、51は一軸延伸光学補償シートである。
実施例7において、下側偏光板に本発明の実施例4の光学補償シート付偏光板を用いた以外は実施例7と同様にして、実施例8の液晶表示装置を作製した。
実施例7において、下側偏光板に本発明の比較例2の光学補償シート付偏光板を用いた以外は実施例7と同様にして、比較例4の液晶表示装置を作製した。
作製した液晶表示装置の視野角特性を視野角測定装置(EZ Contrast 160D、ELDIM社製)で測定した。さらに特に斜め45度方向について目視でも評価した。実施例5のEZ Contrastによるコントラスト特性を図5に、実施例5〜8、比較例1、2のEZ Contrastによる正面コントラスト測定値を表2に示す。
12 液晶性化合物からなる光学異方性層
13 配向層
21 偏光層
22、23 保護フィルム
24 λ/4板、反射防止膜等の機能性層
31 冷陰極管
32 反射シート
33 導光板
34 輝度向上フィルム、拡散フィルム等の調光フィルム
35 液晶セル
36 下側偏光板
37 上側偏光板
41 偏光層
42 透明支持体
43 配向層
44 光学異方性層
45 偏光板保護フィルム
46 液晶セル用ガラス基板
47 液晶セル
48 粘着剤
51 一軸延伸光学補償シート
Claims (11)
- 少なくとも一種の反応性基を有する重合性コレステリック液晶を含有する組成物を、塗布乾燥後に熱もしくは電離放射線照射することによって硬化させて形成した光学異方性層を有し、該光学異方性層のコレステリックピッチが120nm以下であり、かつ、該光学異方性層の厚みが500nm以上5μm以下であることを特徴とする光学補償シート。
- 透明支持体と、その上に高分子層と、その上に少なくとも一種のコレステリック液晶を含む組成物の重合体から形成された光学異方性層とを有する光学補償シートであって、
前記光学異方性層のコレステリックピッチが120nm以下であり、厚みが500nm以上5μm以下であり、正面レターデーションが実質上0であり、且つ法線方向に対して40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値が0でないことを特徴とする光学補償シート。 - 透明支持体と、その上に高分子層と、その上に少なくとも一種の液晶性化合物を含む組成物の重合体から形成された光学異方性層とを有する光学補償シートであって、
前記光学異方性層のコレステリックピッチが120nm以下であり、厚みが500nm以上5μm以下であり、正面レターデーションが0でなく、面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償シートの法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償シートの法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値が実質的に等しいことを特徴とする光学補償シート。 - 該光学異方性層のコレステリックピッチが100nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償シート。
- 該光学異方性層が、前記組成物に偏光紫外線を照射することによって該組成物を硬化させて形成された層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償シート。
- 正面レターデーション(Re)が0〜70nm、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償シートの法線方向に対して40°傾斜した方向から測定したレターデーションが30〜150nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償シート。
- セルロース系またはシクロオレフィン系のポリマーを含む支持体を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償シート。
- 一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶性分子からなる液晶層を含み、且つ前記液晶性分子が前記基板に対して略垂直な方向に配向している液晶セルを補償するのに用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学補償シート。
- 偏光子と、少なくとも一枚の請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学補償シートとを有する偏光板。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学補償シートまたは請求項9に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
- 表示モードがVAモードであることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
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