JP2006213585A - 粉末射出成形用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 脱脂工程中の膨れ及び/又は割れが改善できるため、脱脂工程に要する時間が短縮できる粉末射出成形用組成物を提供する。
【解決手段】 金属粉末及び/又はセラミック粉末と有機バインダーとからなる粉末射出成形用組成物において、有機バインダー中に酸化防止剤として多環式フェノール系酸化防止剤を含むものとする。
【解決手段】 金属粉末及び/又はセラミック粉末と有機バインダーとからなる粉末射出成形用組成物において、有機バインダー中に酸化防止剤として多環式フェノール系酸化防止剤を含むものとする。
Description
本発明は、金属粉末やセラミック粉末から焼結体を製造するための粉末射出成形用組成物に関する。
従来より、金属粉末やセラミック粉末から焼結体を製造する方法としては、金属粉末及び/又はセラミック粉末と有機バインダーとからなる組成物を用いた射出成形法が実施されている。得られた射出成形体に含まれる有機バインダーを除去する方法の一つとして、成形体を加熱して有機バインダーを分解して蒸発させる方法があるが、その加熱脱脂工程において、膨れ及び/又は割れ等の不具合が発生することが問題となっている。その不具合を改善するために、その組成物に2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等の酸化防止剤を添加することが行われているが、それらの単環の酸化防止剤では上記問題の改善効果が充分ではなかった。
特開平3−13505号公報
特開平6−158107号公報
特開平10−317005号公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、脱脂工程中の膨れ及び/又は割れの問題が改善でき、その結果脱脂工程に要する時間が短縮できる粉末射出成形用組成物を提供することを目的とする。
本発明の粉末射出成形用組成物は、金属粉末及び/又はセラミック粉末と有機バインダーとからなる組成物において、上記の課題を解決するために、有機バインダー中に酸化防止剤として多環式フェノール系酸化防止剤を含むものとする(請求項1)。
上記多環式フェノール系酸化防止剤は、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、及び3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンからなる群から選択された1種又は2種以上であることが好ましい(請求項2)。
上記多環式フェノール系酸化防止剤は、有機バインダーの総量中1〜8重量%の割合で含有することが好ましい(請求項3)。
本発明の粉末射出成形用組成物によれば、脱脂工程中の膨れ及び/又は割れの問題が改善でき、従って脱脂工程に要する時間が短縮できる。
本発明で使用する金属粉末、セラミック粉末、有機バインダーは特に限定されず、従来から使用されているものを適宜使用することができるが、その例としては、以下のものが挙げられる。
金属粉末としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、銅、チタン、モリブデン、クロム、タングステン等の金属粉末、これらの金属を2種以上含む合金粉末等が用いられる。セラミック粉末としては、例えば、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、窒化ケイ素粉末、炭化ケイ素粉末等が用いられる。必要に応じて、これら金属粉末及びセラミック粉末の2種以上を適宜混合して用いることもできる。
金属粉末及び/又はセラミック粉末の射出成形用組成物中に占める割合は、通常30〜65体積%、好ましくは約40〜60体積%である。
有機バインダーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン;メタクリル酸エステル(共)重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;水溶性セルロース;ポリアルキレンオキサイドの(共)重合物又はこれらの変性物等のポリアルキレングリコール類;石油ワックス、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類;ステアリン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸;ジステアリルアミン等の高級脂肪族アミン;ステアリン酸アミド等の高級脂肪族アミド及びこれらの2種以上の混合物が用いられる。
本発明で用いる多環式フェノール系酸化防止剤の好ましい例としては、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン(例えば、旭電化工業(株)製アデカスタブ(登録商標、以下同様)AO−20)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(例えば、同社製アデカスタブAO−30)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(例えば、同社製アデカスタブAO−40)、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えば、同社製アデカスタブAO−60、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガノックス(登録商標)1010)、及び3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(例えば、旭電化工業(株)製アデカスタブAO−80)が挙げられる。これらの酸化防止剤は、市販されているものを適宜利用できる。
多環式フェノール系酸化防止剤の含有量は、好ましくは有機バインダーの総量中1〜8重量%の割合であり、より好ましくは3〜6重量%である。1重量%未満であると目的とする効果が充分に得られ難く、8重量%を超えると強度低下により、射出成形時の成形性等に支障をきたす場合がある。
本発明の組成物には上記以外に、可塑剤、カップリング剤等を含有させることもできる。
本発明の組成物を得るには、所定量の金属粉末及び/又はセラミックス粉末と有機バインダーを加熱混合・混練し、公知の方法により適宜粉砕又は粒状(ペレット状)等の射出成形に適した形状にすればよい。
本発明の組成物から焼結体を得る方法も特に限定されるものではないが、例えば、造粒した射出成形用組成物を射出成型機を使用して約150〜200℃で加熱溶融し、精密金型へ射出後、冷却固化することにより成形体が得られる。得られた成形体を大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で、1〜50℃/時間の昇温速度にて500℃程度まで昇温し、脱脂処理を行った後、50〜150℃/時間の昇温速度にて所定の焼結温度まで昇温し、数時間保持した後冷却することにより焼結体が得られる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。
1.射出成形用組成物の製造
セラミックス粉末としての部分安定化ジルコニア粉末(BET値:15mm2/g)100部と表1に示した各成分からなる有機バインダー22部とを加圧混練機を用いて、160℃で加熱混合・混練し、粒状の射出成形用組成物を得た。なお、使用した各成分の詳細は表1の通りである。
セラミックス粉末としての部分安定化ジルコニア粉末(BET値:15mm2/g)100部と表1に示した各成分からなる有機バインダー22部とを加圧混練機を用いて、160℃で加熱混合・混練し、粒状の射出成形用組成物を得た。なお、使用した各成分の詳細は表1の通りである。
2.成形体及び焼結体の製造
造粒した射出成形用組成物をインライン型射出成型機を使用し、180℃で加熱溶融し、射出圧力700kgf/cm2で精密金型へ射出後、冷却固化することにより光通信コネクター用成形体を得た。
造粒した射出成形用組成物をインライン型射出成型機を使用し、180℃で加熱溶融し、射出圧力700kgf/cm2で精密金型へ射出後、冷却固化することにより光通信コネクター用成形体を得た。
得られた成形体を加熱炉に入れ、大気雰囲気中で、表2に示した脱脂時間(昇温速度:5〜50℃/時間)で500℃まで昇温し、脱脂処理を行った。さらに、室温から1350℃まで昇温し(昇温速度:室温から1000℃まで100℃/時間、1000℃から1350℃まで50℃/時間)、2時間保持した後冷却することにより焼結体を得た。
3.割れ又は膨れの発生の評価
上記により得られた焼結体を光学顕微鏡で10〜30倍に拡大して観察し、割れ又は膨れの発生の有無を調べ、割れ又は膨れの発生率を求めた。結果を表2に示す。
上記により得られた焼結体を光学顕微鏡で10〜30倍に拡大して観察し、割れ又は膨れの発生の有無を調べ、割れ又は膨れの発生率を求めた。結果を表2に示す。
表2に参考例として示したように、一般に脱脂時間を長くするほど、割れや膨れ等の不具合の発生率が低くなり、短くすると高くなる傾向があるが、実施例では脱脂時間を35時間という比較的短い時間にしても不具合の発生率を抑えることができた。従って、本発明によれば脱脂時間の短縮が可能となる。
本発明の粉末射出成形用組成物は、各種焼結体の製造に用いられる。
Claims (3)
- 金属粉末及び/又はセラミック粉末と有機バインダーとからなる射出成形用組成物において、有機バインダー中に酸化防止剤として多環式フェノール系酸化防止剤を含むことを特徴とする射出成形用組成物。
- 前記多環式フェノール系酸化防止剤が、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、及び3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンからなる群から選択された1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の射出成形用組成物。
- 前記多環式フェノール系酸化防止剤を有機バインダーの総量中1〜8重量%の割合で含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の射出成形用組成物。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020003901A1 (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-02 | 第一セラモ株式会社 | 3次元プリンタ用組成物 |
JP2020015848A (ja) * | 2018-07-26 | 2020-01-30 | 第一セラモ株式会社 | 3次元プリンタ用組成物及び、当該組成物を用いた大型積層造形物の製造方法 |
DE102021103280A1 (de) | 2020-02-14 | 2021-08-19 | Tdk Corporation | Herstellungsverfahren eines verbundmaterials und damit hergestelltes verbundmaterial |
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2005
- 2005-02-07 JP JP2005031053A patent/JP2006213585A/ja active Pending
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