JP2006212491A - 廃水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 処理設備の規模を大きくすることなしに、有機物が希薄な廃水を大量に処理でき、有機物を短時間で効率よく除去することのできる廃水処理方法を提供する。
【解決手段】 ナノ濾過膜を用いて廃水中の有機物を濃縮して濃縮水を得る濃縮工程と、この濃縮工程で得られた濃縮水に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて電気分解する電気分解工程を備えた。電気分解工程において、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 ナノ濾過膜を用いて廃水中の有機物を濃縮して濃縮水を得る濃縮工程と、この濃縮工程で得られた濃縮水に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて電気分解する電気分解工程を備えた。電気分解工程において、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、廃水中の有機物を除去するための廃水処理方法に関する。
従来、廃水中の有機物を除去するための廃水処理方法として、活性汚泥法などの生物学的処理法が最も一般的に用いられてきた。
しかし、有機物が希薄な廃水を大量に処理しなければならない場合には、十分な滞留時間を確保する必要があり、有機物が高濃度の廃水においても、大量の水で有機物を希釈してから活性汚泥処理しなければならず、十分な滞留時間を確保する必要があった。無希釈のまま嫌気生物処理で予め有機物を除去し、その後、一般的な活性汚泥法で処理する方法もあるが、この方法においては、さらに嫌気生物処理で滞留時間を長く取る必要があった。
このように、生物処理で有機物を除去するには、十分な滞留時間を確保する必要があり、このため、生物学的処理を行なうための処理設備の規模を大きくしなければならず、広い面積の土地が必要となるという欠点があった。
ところで、河川や湖沼等の水を浄化するための水処理方法として、特許文献1には、河川や湖沼等の原水を固液分離した後、逆浸透膜(RO膜)やナノ濾過膜(NF膜)を用いて透過水と濃縮水とに分離し、得られた透過水を飲料用水,工業用水,農業用水として利用する方法が開示されている。この方法によれば、処理設備の規模を大きくすることなしに、有機物が希薄な廃水を大量に処理できるものと期待される。
しかしながら、上記特許文献1の方法において、分離膜として逆浸透膜を用いた場合には、有機物の濃度が低く、塩分濃度の低い河川や湖沼等の水の処理に利用できても、海水などを含んだ塩分濃度の高い廃水の処理に利用しようとしたときには、浸透圧の影響で濃縮率を高くすることができない、といった問題があった。
また、分離膜としてナノ濾過膜を用いた場合は、ナノ濾過膜は一価の金属塩を透過するので、逆浸透膜を用いた場合と比較して浸透圧の影響が小さく、海水などを含んだ塩分濃度の高い廃水の処理においても濃縮率を高めることが可能であるが、膜分離後の濃縮水の適切な処理方法がないといった問題があった。なお、上記特許文献1には、分離された濃縮水にオゾン処理,紫外線処理,ガンマ線処理,過酸化水素処理,触媒(光触媒)処理などの促進酸化処理を複数組み合わせて施したり、活性炭処理を施したりすることについて開示しているが、濃縮水中の有機物濃度が高い場合には、これらのいずれの方法を用いても有機物を短時間で効率よく除去することはできないという問題があった。
また、廃水中の有機物を電気分解で除去する方法が知られている。例えば、特許文献2には、白金イリジュウムを陽電極、導電性ダイヤモンドを陰電極とした電気分解装置が開示されている。
また、特許文献3には、ニッケル・フェライト陽電極を用い、高い電流密度で電気分解することで、廃液又は排水中に含有される芳香族系化合物、有機塩素化合物、農薬(DDT、PCP、パラチオン、TPN・テトラクロロイソフタロニトリル、トリホリン、MEP・スミチオン、ダイアジノン等)ダイオキシン類、PCB・塩化ビフェニル類、水溶性ポリマー(ポリビニールアルコール、ポリアクリルニトリル、ポリエーテル等)硝酸イオン等広い範囲の難分解性物質を分解する電気分解方法が開示されている。
また、特許文献4には、ハロゲン化合物を用いて電気分解する電気分解処理システムであって、ハロゲン化合物に加えて金属イオンが存在する電気分解装置が開示されている。ここで、金属イオンは、マンガンイオン、銅 イオン、亜鉛イオン、銀イオン、クロムイオンであり、電気分解装置に配設される電極は、交流電源となっている。
また、特許文献5には、鉄、銅 、マンガン、ニッケル 、コバルト及びチタンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属イオンを用いた電気分解処理装置が開示されている。
さらに、特許文献6には、塩化物イオンの存在下で電気分解する電気分解処理方法において、遊離残留塩素の存在下で金属酸化物触媒と接触させ、導電性ダイヤモンド電極を用いて電気分解を行うことが開示されている。なお、この方法は、ニッケル、コバルトの何れか一方又は双方の酸化物、過酸化物の何れか一方又は双方、例えば、過酸化ニッケルや過酸化コバルト系触媒など、を金属酸化物触媒とし、この金属酸化物触媒の充填層に、遊離残留塩素の存在下で電解液を通液するものである。
しかし、これらの電気分解を利用したいずれの方法を用いても、有機物を短時間で効率よく除去するには限界があった。
特開2003−154362号公報
特開2003−236544号公報
特開2003−126860号公報
特開2004−122032号公報
特開2003−145161号公報
特開2003−251357号公報
本発明の目的は、上記問題を解決することであり、処理設備の規模を大きくすることなしに、有機物が希薄な廃水を大量に処理でき、有機物を短時間で効率よく除去することのできる廃水処理方法を提供することを目的とする。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、ナノ濾過膜を用いて廃水中の有機物を濃縮し、濃縮された有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用い、酸化ニッケル(III)水化物と酸化銅(II)を加えて、塩素イオンの存在下、電気分解することにより廃水中の有機物の除去を促進させる方法、又は水酸化ニッケル(II)と水酸化銅(II)と塩素イオンの存在下、電気分解することにより酸化ニッケル(III)水化物と酸化銅(II)を生成させながら廃水中の有機物の除去を促進させる方法によって、有機物が希薄な廃水を大量に処理でき、廃水中の有機物を短時間で効率よく完全に分解することができ、その上電気分解が終了した後の処理水中の残渣分を有機物の電気分解を促進させる薬剤として再利用できることを見出し、本発明に想到した。
本発明の請求項1記載の廃水処理方法は、ナノ濾過膜を用いて廃水中の有機物を濃縮して濃縮水を得る濃縮工程と、この濃縮工程で得られた濃縮水に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて電気分解する電気分解工程を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2記載の廃水処理方法は、請求項1において、前記電気分解工程において、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することを特徴とする。
本発明の請求項3記載の廃水処理方法は、請求項2において、前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)は、水酸化ニッケル(II)と、この水酸化ニッケル(II)に対してモル比が1以下の水酸化銅(II)と、0.1%以上の塩素イオンとを含む水を電気分解して生成させたものであり、前記電気分解工程において、前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)を、前記濃縮水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005〜0.5モルの範囲になるように前記濃縮水に加え、前記濃縮水中の塩素イオンが0.1%以上となるように調整して、中性域で電気分解することを特徴とする。
本発明の請求項4記載の廃水処理方法は、請求項2において、前記電気分解工程において、前記濃縮水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005〜0.5モルの範囲になるように、前記濃縮水に水酸化ニッケル(II)と、この水酸化ニッケル(II)に対してモル比が1以下の水酸化銅(II)を加え、前記濃縮水中の塩素イオンが0.1%以上となるように調整して、中性域で電気分解することを特徴とする。
本発明の請求項5記載の廃水処理方法は、廃水中に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することを特徴とする。
本発明の請求項6記載の廃水処理方法は、請求項5において、前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)は、水酸化ニッケル(II)と、この水酸化ニッケル(II)に対してモル比が1以下の水酸化銅(II)と、0.1%以上の塩素イオンとを含む水を電気分解して生成させたものであり、前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)を、前記廃水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005〜0.5モルの範囲になるように前記廃水に加え、前記排水中の塩素イオンが0.1%以上となるように調整して、中性域で電気分解することを特徴とする。
本発明の請求項7記載の廃水処理方法は、請求項5において、前記廃水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005〜0.5モルの範囲になるように、前記廃水に水酸化ニッケル(II)と、この水酸化ニッケル(II)に対してモル比が1以下の水酸化銅(II)を加え、前記廃水中の塩素イオンが0.1%以上となるように調整して、中性域で電気分解することを特徴とする。
本発明の請求項8記載の廃水処理方法は、前記請求項2〜7のいずれか1項記載の廃水処理方法により得られた処理水から前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)を含む残渣分を分離し、この残渣分を廃水又はナノ濾過膜を用いて廃水中の有機物を濃縮して得られた濃縮水に加え、廃水又は濃縮水に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することを特徴とする。
本発明の請求項9記載の廃水処理方法は、前記請求項2〜7のいずれか1項記載の廃水処理方法により得られた処理水から前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)を含む残渣分を分離し、この残渣分を還元して得られた水酸化ニッケル(II)と水酸化銅(II)を廃水又はナノ濾過膜を用いて廃水中の有機物を濃縮して得られた濃縮水に加え、廃水又は濃縮水に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することを特徴とする。
本発明の請求項1記載の廃水処理方法によれば、有機物が希薄な廃水を大量に処理でき、有機物を短時間で効率よく分解し除去することができる。
本発明の請求項2記載の廃水処理方法によれば、有機物が希薄な廃水を大量に処理でき、有機物分解が促進され、さらに短時間で効率よく完全に有機物を分解し除去することができる。
本発明の請求項3記載の廃水処理方法によれば、有機物が希薄な廃水を大量に処理でき、有機物分解が促進され、さらに短時間で効率よく完全に有機物を分解し除去することができる。
本発明の請求項4記載の廃水処理方法によれば、有機物が希薄な廃水を大量に処理でき、さらに有機物分解が促進されるので短時間で効率よく完全に有機物を分解し除去することができる。
本発明の請求項5記載の廃水処理方法によれば、有機物分解が促進されるので短時間で効率よく完全に有機物を分解し除去することができる。
本発明の請求項6記載の廃水処理方法によれば、有機物分解が促進されるので短時間で効率よく完全に有機物を分解し除去することができる。
本発明の請求項7記載の廃水処理方法によれば、有機物分解が促進されるので短時間で効率よく完全に有機物を分解し除去することができる。
本発明の請求項8記載の廃水処理方法によれば、電気分解終了後の処理水中の残渣分をそのまま再利用できるため経済的に効率よく有機物を分解し除去することができる。
本発明の請求項9記載の廃水処理方法によれば、廃水処理後に発生する残渣分を還元して有機物の分解促進薬剤として再生できるため、さらに経済的に効率よく有機物を分解し除去することができる。
以下、本発明の廃水処理方法の実施形態について説明する。
はじめに、濃縮工程において、ナノ濾過膜(NF膜)を用いて廃水中の有機物を濃縮して濃縮水を得る。
ここで用いるナノ濾過膜としては、ナトリウムイオン,カリウムイオン,塩素イオンなどの一価のイオンを透過し、カルシウムイオン,マグネシウムイオンなどの二価以上のイオンを透過しないものが好ましく用いられる。ナノ濾過膜の種類としては、例えば、ポリアミド膜,ポリビニルアルコールポリアミド膜,ポリピペラジンアミド膜,ポリエステルアミド膜,酢酸セルロース膜,ポリエーテルスルホン膜,スルホン化ポリエーテルスルホン膜,修飾ポリアミド複合膜,その他の複合膜などがあるが、いずれのナノ濾過膜を用いてもよい。
ナノ濾過膜を用いることによって、一価のイオンが透過するので、海水などを含んだ塩分濃度の高い廃水の処理においても浸透圧の影響が小さく、分離操作を高圧で行う必要がない。したがって、設備コストを抑えることができる。さらに、濃縮率を高めることができるので、その後の工程における設備の規模を小さくすることができる。
実際、逆浸透膜(RO膜)を用いて灌水を処理したときの濃縮倍率が2倍程度であったときと同じ膜圧でナノ濾過膜を用いて濃縮した場合には、20倍まで濃縮可能であった。
また、ナノ濾過膜は有機色素成分や多価遷移金属を透過しないので、着色した廃水を無色化することができる。さらに、ダイオキシン類などの有害物を透過しないので、廃水を無害化することができる。
つぎに、電気分解工程において、得られた濃縮水に含まれる有機物を電気分解で除去する。
ここで、有機物を分解する陽電極として、導電性ダイヤモンド系の陽電極,白金系の陽電極,二酸化鉛系の陽電極、フェライト系の陽電極など公知の種々の電極を用いることができるが、その中でも導電性ダイヤモンド陽電極による有機物の電気分解方法は、白金系の陽電極,二酸化鉛系の陽電極、フェライト系の陽電極などによる有機物の電気分解方法と比較して有機物の分解率が迅速且つ著しく高く、効率よく完全に有機物を分解し除去することができる。
ただし、導電性ダイヤモンド電極自体が白金系の電極、二酸化鉛系の電極、フェライト系の電極などと比較してはるかに高価なものであり、また有機物を含む水を電気分解すると劣化しやすいという難点があり、導電性ダイヤモンド電極単独で廃水中の全ての有機物を分解することは経済的ではない。したがって、例えば、白金系の電極など別の陽電極で予め有機物を電気分解した後に被処理水中に残存する有機物に対して導電性ダイヤモンド電極を使用して電気分解すれば、経済的に効率よく有機物を分解し除去することができる。
つぎに、濃縮水に含まれる有機物を電気分解するに際し、濃縮水に含まれる有機物の分解を促進させる方法について記載する。
第一の方法は、濃縮水中に酸化ニッケル(III)水化物と酸化銅(II)を加えて、塩素イオンの存在下、中性域で電気分解することにより有機物の分解を促進させるものである。酸化ニッケル(III)水化物と酸化銅(II)は、水中にニッケルと銅の比率がニッケル1モルに対して銅が0モルから1モルの範囲の水酸化ニッケル(II)と水酸化銅(II)と0.1%以上の塩素イオンを含む水を電気分解することにより黒色の残渣分が生成され、該生成物を水中から分離することにより得られる。その後、濃縮水中に黒色の該生成物を濃縮水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005モルから0.5モルの範囲になるように加え、さらに、濃縮水中に塩素イオンが0.1%以上となるようにして、濃縮水を中性域に維持しながら電気分解すると有機物の分解が促進され、その上、化学酸化に対して難分解な有機物も迅速に分解させることができる。
第二の方法は、有機物を含む濃縮水中に水酸化ニッケル(II)と水酸化銅(II)と塩素イオンの存在下で濃縮水を中性域に維持しながら電気分解することにより、酸化ニッケル(III)水化物と酸化銅(II)を生成させながら濃縮水中に含まれる有機物の分解を促進させ、その上、化学酸化に対して難分解な有機物も迅速に分解させることができるものである。具体的には、濃縮水中にニッケルと銅と塩素イオンが不足している状態で電気分解する場合は、ニッケルと銅と塩素イオンを加える。
加えるニッケルは金属ニッケル、ニッケル塩、水酸化ニッケル、酸化ニッケルなどニッケルを含むものであればよいが、ニッケル(II)塩及び/又は水酸化ニッケル(II)が好ましい。加える銅は金属銅、銅塩、水酸化銅、酸化銅など銅を含むものであればよいが、銅(II)塩及び/又は水酸化銅(II)が好ましい。さらに、加えるニッケルと銅の比率はニッケル1モルに対して銅が0モルから1モルの範囲とし、好ましくは0.1モルから0.5モルの範囲とする。ニッケルと銅を加える量は被処理水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005モルから0.5モルの範囲とし、好ましくは0.02モルから0.2モルの範囲とする。加える塩素イオンは塩酸または塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ニッケル、塩化銅などの塩化物塩であり、被処理水に対して塩素イオンとして0.1%以上となるように加えて被処理水の電気抵抗を小さくすると共にニッケルと銅と塩素イオンを共存させる。
その後、被処理水に必要に応じて、酸剤、アルカリ剤、酸化剤、還元剤などを加えて、ニッケルが水酸化ニッケル(II)、銅が水酸化銅(II)の状態となるように調整した状態から電気分解を開始することにより、被処理水中の有機物を効率よく分解させる。
有機物を含む水を酸化ニッケル(III)水化物と酸化銅(II)と塩素イオンの存在下、中性域で電気分解したときに水中の有機物の分解が促進される反応機構の詳細については不明であるが、電気分解により生成する次亜塩素酸と酸化ニッケル(III)水化物と酸化銅(II)の強力な酸化作用で水中の有機物が酸化分解されているものと考えられる。
有機物の電気分解を促進させる第一の方法又は第二の方法で使用する陽電極としては、公知の種々の電極を用いることができるが、その中でも導電性ダイヤモンド陽電極は、効率よく完全に有機物を分解し除去することができ、その上、前記電気分解を促進させる方法によりさらに有機物の電気分解時間を短縮することができるので、好ましく用いられる。ただし、導電性ダイヤモンド電極自体が前記のとおり高価で、有機物を含む水を電気分解すると劣化し易いという難点があり、導電性ダイヤモンド電極単独で廃水中の全ての有機物を分解することは経済的ではない。したがって、別の陽電極で予め有機物を電気分解した後、被処理水中に残存する有機物に対して導電性ダイヤモンド電極を使用して電気分解することにより、経済的に効率よく有機物を分解し除去することができる。
ここで、二酸化鉛系の電極は被処理水中に塩素イオンを含んだ場合に著しく劣化するという難点があり、被処理水中の塩素イオンが前記有機物電気分解を促進させる方法の必要条件の一つであるので実用的ではない。また、フェライト系の電極は有機物の電気分解時に電流密度を高く設定しないと有機物が分解されにくいという特性があり、やはり経済的ではない。前記有機物の電気分解を促進させる方法に使用する陽電極としては白金系の陽電極が好適である。有機物の電気分解を促進させる第一の方法又は第二の方法で白金系の陽電極を使用して濃縮水を電気分解した場合、分解促進効果により、濃縮水中の有機物を除去する速度が導電性ダイヤモンド電極を使用した場合に匹敵する。したがって、この白金系の陽電極を単独で完全に有機物が分解されるまで継続して使用してもよいし、有機物濃度が希薄になった段階において、途中から導電性ダイヤモンド電極に切り替えて電気分解してもよい。
一連の電気分解工程が終了した後に処理水中に残渣分が生成する。残渣分の主成分は酸化ニッケル(III)水化物と酸化銅(II)であり、生成した残渣分は固液分離性が良くなっており、デカンテーション、フィルタレーションなど種々の常法による分離手段で処理水から分離できる。分離した残渣分は、その状態のまま再び廃水中に戻して有機物の電気分解を促進させることができる。
また、分離した残渣分を再び廃水中に戻して電気分解しても所定の有機物分解促進効果が得られない場合は、残渣分に還元操作を加えニッケル(II)塩と銅(II)塩、及び/又は水酸化ニッケル(II)と水酸化銅(II)の形態に還元し、ニッケルと銅が不足している被処理水中に加えて前記電気分解方法における有機物分解を促進させる薬剤として再利用する。
この還元操作においては、残渣成分である酸化ニッケル(III)水化物と酸化銅(II)が持つ強力な酸化力を利用できる。この分離した残渣分を被処理水中に戻して攪拌すると一部の有機物が酸化されて、ニッケル(II)と銅(II)に還元されるが、常温での反応速度は遅い。常法で迅速に還元できる還元薬剤としては、反応後に水を生成する過酸化水素が好適である。また、塩酸中でも迅速に還元できるが、塩酸中で還元させる場合は塩素イオンが酸化されて塩素ガスを発生するので、その対策が必要となる。また、還元方法としては、これらを単独又は組み合わせて還元する方法でもよく、必要に応じて酸を加えて溶解してもよい。
また、この還元操作のつぎに、残渣分に酸を加えて溶解した後、廃水に添加し、そして、廃水を中和して中和域で電気分解を行ってもよい。この還元、酸への溶解、廃水への添加、中和という一連の操作を行うことにより、残渣分を再利用した場合においても廃水中の有機物の電気分解の効率が極めて高くなる。
なお、この有機物の電気分解を促進させる方法は、ナノ濾過膜(NF膜)を用いて濃縮した濃縮水に含まれる有機物の電気分解に限定されるものではなく、水中の有機物を電気分解させる方法全般に適用できる。
以上、本発明の廃水処理方法について説明してきたがこれに限られず、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
以下、具体的な実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
廃棄物の管理型埋立地浸出水を、炭酸ソーダにて軟水化処理後、塩酸にてpH4に調整し、孔径1ミクロンのカートリッジフィルターに通液させ、ナノ濾過膜を用いて濃縮した。ナノ濾過膜として、OSMONICS社製DK2540F1072を用い、25℃で膜圧を0.5MPaに一定に保ち、透過水を系外へ取り出すことで、濃縮を行った。最終濃縮倍率は20倍とした。
濃縮後の濃縮水中のTOC(有機体炭素)は340ppmで黄褐色の色相を呈していたのに対し、透過水中のTOCは数ppmで無色透明であり、TOCは濃縮水側に保持されることが確認された。また、透過水に含まれる重金属類は<0.1ppmであり、この結果は、二価以上のイオンがナノ濾過膜を透過しないことを示唆するものであった。
また、シリカ濃度を分析したところ、濃縮水では19ppm、透過水では10ppmであり、濃縮水と透過水とでは大差なく、シリカはナノ濾過膜を透過することが分かった。膜分離における通常の実機設計において、シリカ濃度が100ppmを超えないように濃縮倍率を制限するが、上記結果より、シリカ濃度によって設計上制限されることなく濃縮装置を構成できることが確認された。
つぎに、濃縮水に含まれる有機物を電気分解した。電気分解前の濃縮水のpHは4、TOCは340ppm、電気伝導度は15.3mS/cmであった。電極として、陰極に投影面積10cm2の鉄亜鉛合金板、陽極に白金イリジュウム薄膜(チタン基材)とホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド薄膜(チタン基材)を用い、それぞれの電極とも電極間隔3mm、電流密度0.5A/cm2の条件で、200mlの濃縮水を処理した。
電気分解中の電圧は白金イリジュウム電極もホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド電極も10V程度を示した。また、電気分解中にpHの上昇が認められたため、15分ごとに硫酸を用いてpHを中性域に調整しながら電気分解を行った。TOCの測定は30分ごとに行った。また、白金イリジュウム電極を用いた場合、200分経過後はpHの上昇は見られなかった。
図1に電気分解中のTOCの時間経過を示す。陽極にホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド電極を用いた場合(1)は、約110分経過後に、TOCが0ppmとなり、有機物が完全に分解されたことが確認された。また、陽極に白金イリジュウム電極を用いた場合(4)には、300分経過後もTOCが約50ppm残存したが、白金イリジュウム電極を使用して50分後にホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド電極に替えた場合(2)は、電気分解を開始してから約140分後に有機物が完全に分解されたことが確認された。さらに、白金イリジュウム電極を使用して100分後にホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド電極に替えた場合(3)は、電気分解を開始してから約160分後に有機物が完全に分解されたことが確認された。
染色廃水中の有機物を活性汚泥法で除去している事業所の染色廃水をそのまま孔径1ミクロンのカートリッジフィルターに通液させ、ナノ濾過膜を用いて濃縮した。ナノ濾過膜として、OSMONICS社製DK2540F1072を用い、25℃で膜圧を0.5MPaに一定に保ち、透過水を系外へ取り出すことで、濃縮を行った。最終濃縮倍率は20倍とした。濃縮後の濃縮水は暗紫黒褐色を呈したのに対し、透過水は無色透明であった。
電気分解前の濃縮水のpHは7、TOCは1000ppm、電気伝導度は12mS/cmであった。濃縮水に含まれる有機物の電気分解を促進させるため予め作成した酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を濃縮水中に加えた。
酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)の作成においては、水1リットル中に塩化ニッケル(和光純薬製試薬)0.4モルと塩化銅(和光純薬製試薬)0.1モル溶解した水溶液を調整し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10として金属水酸化物スラリーを作成した後、電気分解すると、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)の黒色スラリーが得られる。なお、電解時間は1時間としたがニッケル(II)からニッケル(III)へ酸化させるための電気量以上の時間であればよい。
この黒色スラリーを吸引濾過後、濾過残渣を濃縮水1リットル当たりニッケルと銅の合計が2gとなるように濃縮水中に加えた。さらに、濃縮水中に塩素イオンが不足していたため、塩化ナトリウムを濃縮水1リットル当たり4g加えた。
つぎに、この濃縮水を電気分解した。電極として、陰極に投影面積10cm2の鉄亜鉛合金板、陽極にホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド電極を用い、電極間隔3mm、電流密度0.4A/cm2の条件で、200mlの濃縮水に含まれる有機物を処理した。
電気分解中の電圧は10V程度を示した。また、電気分解中に濃縮水のpHは中性域を維持していた。TOCの測定は60分ごとに行った。
さらに、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を加えたことによる有機物の電気分解促進効果を比較するため、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を加えない以外は全て同一条件で濃縮水を電気分解した。
表1に電気分解中のTOCの時間経過を示す。酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を加えた場合は、電気分解を開始してから約60分後に、TOCが190ppm、約120分後に、TOCが20ppmと有機物の除去率約98%まで除去されたのに対して、加えなかった場合は、電気分解を開始してから約60分後に、TOCが400ppm、約120分後に、TOCが80ppmと有機物の除去率約92%までの除去であった。
陽極にホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド電極を用いた場合、実施例1で示したとおり有機物の分解が迅速に行われる事が確認されたが、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を加えることによって、さらに一層、迅速に有機物が分解促進されることが確認された。また、有機物が完全に分解されたことは、着色していた濃縮水が完全に無色透明になったことからも確認された。
実施例2で示した全操作中、陽電極をホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド電極から白金イリジュウム電極に変更した以外は全て同一の操作で電気分解を行った。
表2に電気分解中のTOCの時間経過を示す。酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を加えた場合は、電気分解を開始してから約120分後に、TOCが130ppm、約180分後に、TOCが80ppm、有機物の除去率約92%まで除去されたのに対して、加えなかった場合は、電気分解を開始してから約120分後に、TOCが550ppm、約180分後でも、TOCが500ppmと有機物の除去率約50%に留まった。
陽極に白金イリジュウム電極を用いた場合、実施例1で示したとおり有機物の分解がホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド電極に比較して有機物の分解が明瞭に遅い事が確認されたが、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を少量加えることによって極めて迅速に有機物が分解促進されることが確認された。
実施例3で示した全操作中、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を濃縮水1リットル当たりニッケルと銅の合計が2gから5gと10gとなるように濃縮水中に加えた以外は全て同一の操作で電気分解を行った。
表3に電気分解中のTOCの時間経過を示す。酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を1リットル当たり2g加えた場合は、前記の通り電気分解を開始してから約120分後に、TOCが130ppm、約180分後に、TOCが80ppm、有機物の除去率約92%まで除去されたのに対して、1リットル当たり5g加えた場合は、電気分解を開始してから約120分後に、TOCが90ppm、約180分後に、TOCが30ppm、有機物の除去率約97%、1リットル当たり10g加えた場合は、電気分解を開始してから約120分後に、TOCが90ppm、約180分後に、TOCが30ppm、有機物の除去率約97%まで除去された。
陽極に白金イリジュウム電極を用い、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を実施例3で示した1リットル当たり2gから5gに増量させると、さらに有機物の電気分解が促進され、ホウ素ドーピング導電性ダイヤモンド電極を用いた場合に近似した迅速さで有機物が分解される事が確認された。しかし、10gまで増量させても5gと同等の有機物分解促進効果であることが確認された。
実施例4で示した全操作中、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を濃縮水1リットル当たりニッケルと銅の合計が10gとなるように加える代わりに有機物分解用として市販されている酸化ニッケル触媒(ズードケミ製NF‐9)10gを加えた以外は全て同一の操作で電気分解を行った。
表4に電気分解中のTOCの時間経過を示す。酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を1リットル当たり10g加えた場合は、前記の通り電気分解を開始してから約120分後に、TOCが90ppm、約180分後に、TOCが30ppm、有機物の除去率約97%まで除去されたのに対して、市販の酸化ニッケル触媒10g加えた場合は、電気分解を開始してから約120分後に、TOCが230ppm、約180分後に、TOCが170ppm、と有機物の除去率約83%に留まった。
陽極に白金イリジュウム電極を用い、市販されている酸化ニッケル触媒を10g/リットル加えても有機物の電気分解が促進されるが、実施例4で示したニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を10g/リットル加えた場合と比較して明瞭に遅い事が確認された。
実施例4で示した全操作中、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)に代えて塩化ニッケル(和光純薬製試薬)と塩化銅(和光純薬製試薬)をニッケル4モルに対して銅1モルの割合で濃縮水1リットル当たりニッケルと銅の合計が5gとなるように濃縮水中に加え、水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬製試薬)でpHを10として水酸化ニッケル(II)と水酸化銅(II)を生成させた以外は全て同一の操作で電気分解を行った。
表5に電気分解中のTOCの時間経過を示す。酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を1リットル当たり5g加えた場合は、前記の通り電気分解を開始してから約120分後に、TOCが90ppm、約180分後に、TOCが30ppm、有機物の除去率約97%まで除去されたのに対して、水酸化ニッケル(II)と水酸化銅(II)を1リットル当たり5g加えた場合は、電気分解を開始してから約120分後に、TOCが80ppm、約180分後に、TOCが20ppm、と有機物の除去率約98%まで除去された。
陽極に白金イリジュウム電極を用い、水酸化ニッケル(II)と水酸化銅(II)から電気分解を開始した場合と、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)から電気分解を開始した場合で比較すると、有機物は近似した迅速さで分解されることが確認された。
実施例4で示した全操作中、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を濃縮水1リットル当たりニッケルと銅の合計が5gとなるように濃縮水中に加えて処理が終了した後の黒色スラリーを吸引濾過後、濾過残渣を繰り返して使用した以外は全て同一の操作で電気分解を行った。
表6に、電気分解を開始してから約120分後のTOC値を示す。酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を1リットル当たり5g加えた場合は、前記の通り電気分解を開始してから約120分後に、TOCが90ppm、と有機物の除去率約91%まで除去されたのに対して、繰り返し第1回目は、TOCが150ppm、で有機物の除去率約85%、繰り返し第2回目は、TOCが320ppm、繰り返し第3回目は、TOCが300ppm、以降8回まで繰り返したがTOCが約300ppm、で有機物の除去率約70%であった。
陽極に白金イリジュウム電極を用い、電気分解が終了した後の酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)を繰り返して使用すると、有機物の分解促進効果は徐々に低下する事が確認された。しかし、数回の繰り返し使用後は、実施例5で示した市販されている酸化ニッケル触媒と同程度の促進能力を保有しながら極めて緩やかに低下することが確認された。
Claims (9)
- ナノ濾過膜を用いて廃水中の有機物を濃縮して濃縮水を得る濃縮工程と、この濃縮工程で得られた濃縮水に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて電気分解する電気分解工程を備えたことを特徴とする廃水処理方法。
- 前記電気分解工程において、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することを特徴とする請求項1記載の廃水処理方法。
- 前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)は、水酸化ニッケル(II)と、この水酸化ニッケル(II)に対してモル比が1以下の水酸化銅(II)と、0.1%以上の塩素イオンとを含む水を電気分解して生成させたものであり、前記電気分解工程において、前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)を、前記濃縮水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005〜0.5モルの範囲になるように前記濃縮水に加え、前記濃縮水中の塩素イオンが0.1%以上となるように調整して、中性域で電気分解することを特徴とする請求項2記載の廃水処理方法。
- 前記電気分解工程において、前記濃縮水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005〜0.5モルの範囲になるように、前記濃縮水に水酸化ニッケル(II)と、この水酸化ニッケル(II)に対してモル比が1以下の水酸化銅(II)を加え、前記濃縮水中の塩素イオンが0.1%以上となるように調整して、中性域で電気分解することを特徴とする請求項2記載の廃水処理方法。
- 廃水中に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することを特徴とする廃水処理方法。
- 前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)は、水酸化ニッケル(II)と、この水酸化ニッケル(II)に対してモル比が1以下の水酸化銅(II)と、0.1%以上の塩素イオンとを含む水を電気分解して生成させたものであり、前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)を、前記廃水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005〜0.5モルの範囲になるように前記廃水に加え、前記排水中の塩素イオンが0.1%以上となるように調整して、中性域で電気分解することを特徴とする請求項5記載の廃水処理方法。
- 前記廃水1リットルに対してニッケルと銅の合計が0.005〜0.5モルの範囲になるように、前記廃水に水酸化ニッケル(II)と、この水酸化ニッケル(II)に対してモル比が1以下の水酸化銅(II)を加え、前記廃水中の塩素イオンが0.1%以上となるように調整して、中性域で電気分解することを特徴とする請求項5記載の廃水処理方法。
- 前記請求項2〜7のいずれか1項記載の廃水処理方法により得られた処理水から前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)を含む残渣分を分離し、この残渣分を廃水又はナノ濾過膜を用いて廃水中の有機物を濃縮して得られた濃縮水に加え、廃水又は濃縮水に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することを特徴とする廃水処理方法。
- 前記請求項2〜7のいずれか1項記載の廃水処理方法により得られた処理水から前記酸化ニッケル(III)水化物と前記酸化銅(II)を含む残渣分を分離し、この残渣分を還元して得られた水酸化ニッケル(II)と水酸化銅(II)を廃水又はナノ濾過膜を用いて廃水中の有機物を濃縮して得られた濃縮水に加え、廃水又は濃縮水に含まれる有機物を陽極に白金系の電極及び/又は導電性ダイヤモンド電極を用いて、酸化ニッケル(III)水化物、酸化銅(II)、塩素イオンの存在下で電気分解することを特徴とする廃水処理方法。
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JP2016185514A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 栗田工業株式会社 | 透過膜の洗浄方法及び洗浄剤 |
JP2022512236A (ja) * | 2018-12-12 | 2022-02-02 | フラマトム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | イオン交換樹脂のコンディショニング方法およびそれを実行するための装置 |
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