JP2006211389A - 通信経路設定方法、通信経路決定装置、通信システム及び通信経路決定プログラム - Google Patents

通信経路設定方法、通信経路決定装置、通信システム及び通信経路決定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 マルチホップ無線ネットワークにおいて、将来の電力消費を考慮して効率的な通信経路の設定を行えるようにする。
【解決手段】 基地局サーバ20の経路算出手段26は、各無線ノード10の残存エネルギーの加重和を最大化するための目的関数を作成する。また、経路算出手段26は、作成した目的関数が最大となるように、無線ノード10毎に親ノード及び送信割合を決定する。また、経路算出手段26は、決定した親ノード及び送信割合を含む経路情報を無線ノード10毎に生成する。また、情報送信手段27は、生成した経路情報を、基地局装置30を介して各無線ノード10に送信する。そして、各無線ノード10は、受信した経路情報にもとづいて、親ノードを選択し各親ノードへの送信割合を設定することによって、通信経路を設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、マルチホップネットワークにおいて、各ノードの通信経路を設定する通信経路設定方法、通信経路決定装置及び通信経路決定プログラムに関する。また、本発明は、通信経路決定装置を用いた通信システムに関する。また、本発明は、マルチホップネットワークに含まれるノードに関する。
無線通信技術の進歩に伴い、センサネットワークに代表されるマルチホップ無線ネットワークの利用が増えている。このマルチホップ無線ネットワークは、無線信号を送受信する複数の無線装置(以下、ノードという)を含む。また、マルチホップ無線ネットワークでは、各ノードが電源として電池を使用している。
マルチホップ無線ネットワークにおいて、ノードが備える電池が切れると、そのノードの電池を交換したり充電したりしなければならない。しかし、ノードが遠隔地にある場合や作業性の悪い場所にある場合等の地理的環境の条件によって、電池の交換や充電を容易に行えないことがある。そのため、ノードの電池を交換したり充電したりするための作業負担が大きくコストがかかる。
また、各ノードの電力消費は、主として信号の送受信に伴うものが大きい。マルチホップ無線ネットワークでは、各ノードは、そのノード自身が扱う情報を発信するだけでなく、他のノードからの情報を中継しなければならない。そのため、マルチホップ無線ネットワーク内の送信経路の設定の仕方によって、各ノードが中継しなければならない情報量が異なり、各ノードの送受信負荷が異なることになる。また、各ノードの送受信負荷が異なると各ノードの電力消費量が異なるので、各ノードの電池を均等に長持ちさせることができない。
更に、地理的条件(例えば、ノードがある場所)等の複雑な要因によって、ノード間で通信を行う場合の無線条件(例えば、通信エラーや通信距離)が不均一となることが多い。例えば、センサネットワークでは、各ノード(センサノード)が一般に不均一な位置に配置されるので、ノード間で通信を行う場合の無線条件が不均一となる。無線条件が良くない場合(例えば、通信距離が長い場合)、ノード間で通信を行う場合の送信エラーが大きくなる可能性がある。この場合、送信エラーが発生すると、ノードは、信号を送信先のノードに再送しなければならない。従って、無線条件が悪いと、送受信ノードにおいて再送に伴う送受信の負担が増加し、電力消費が増加する。
一方、良い無線条件で情報を送受信するために、近距離にあるノードを中継ノードとして選択し情報送信することが考えれる。しかし、近距離にあるノードを中継ノードとして選択していくと、送信元のノードから基地局までのホップ数が増加することになる。そのため、中継のホップ数の増加に伴い、各ノードの中継負担が増加し電力消費が増加してしまう。そこで、各ノードの電池を長持ちさせるため、各ノードの電力消費(信号の送受信や中継による消費)が均等になるように、バランスよく送信経路設定を行えるようにすることが望ましい。
マルチホップ無線ネットワークの経路設定を行うシステムとして、例えば、特許文献1には、各無線制御局の通信チャネルの使用状態に応じて通信経路を設定できるマルチホップ通信システムが記載されている。また、例えば、特許文献2には、経路を設定する際に端末の残余電力を考慮し、残余電力の多い端末を優先的に中継する経路を構築できる無線通信システムが記載されている。
特開2004−254237号公報(段落0033−0036、図1−3) 特開2004−260465号公報(段落0035−0040、図2−4)
一般に、マルチホップ無線ネットワークにおいて、設定しうる通信経路の数は膨大である。例えば、無線ノード数をnとし基地局数を1とした場合、ノードからの送信先(親ノード)がそれぞれ唯一1つのノードに定まる(各ノードがそれぞれ親ノードを1つだけもつ)とすると、通信経路の数は最大でn通りになる。また、各ノードからの送信先ノードが複数存在し、各送信先ノードへの振り分け割合も異なるとすると、更に多くの設定可能な通信経路が存在する。従って、設定しうる全ての通信経路について電力消費の状況を求め、それらの通信経路の中から最適な通信経路を選択して設定することは難しい。すなわち、設定しうる全ての通信経路について電力消費の状況を求める処理を行うと、処理負担が大きくコストがかかる。
特許文献1に記載されたマルチホップ通信システムによれば、通信チャネルの使用状況にもとづいて通信可能なノードを選択して経路設定を行うことができる。また、複数の中継局候補が存在する場合、送信電力の情報にもとづいて適切な中継局を選択することができる。しかし、マルチホップ通信システムの各ノードの電力消費を考慮して経路設定を行うことはできない。
また、特許文献2に記載された無線通信システムをマルチホップ通信システムに用いれば、各ノードの現在の残余電力を考慮して経路設定を行うことができる。しかし、各ノードの将来の電力消費の状況を予測して経路設定を行うことはできない。そのため、特許文献2に記載された無線通信システムを用いたとしても、適切に経路設定を行えないことがある。例えば、ノード間に通信エラー率や通信距離など通信条件の差がある場合には、現在の電力消費の状況だけを考慮するだけでは適切な経路設定を行えないことがある。
そこで、本発明は、マルチホップネットワークにおいて、将来の電力消費を考慮して効率的な通信経路の設定を行える通信経路設定方法、通信経路決定装置、ノード、通信システム及び通信経路決定プログラムを提供することを目的とする。
本発明による通信経路設定方法は、マルチホップネットワークに含まれる各ノードの通信経路を設定する通信経路設定方法であって、各ノードの所定時間後の電力の消費状況を予測する電力状況予測ステップと、予測した各ノードの電力の消費状況にもとづいて、ノード毎に親ノードを決定し、各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合を決定することによって、各ノードの通信経路を決定する経路決定ステップと、ノード毎に、決定した親ノード及び送信割合に従って通信経路を設定する経路設定ステップとを含むことを特徴とする。
また、通信経路設定方法は、電力状況予測ステップで、各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測するための予測モデル(例えば、目的関数)を作成し、経路決定ステップで、作成した予測モデルにもとづいて、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、所定の予測モデルにもとづいて容易に各ノードの電力の残存量を予測し、経路を決定することができる。
また、通信経路設定方法は、電力状況予測ステップで、予測モデルとして所定の目的関数を作成し、経路決定ステップで、作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、所定の目的関数を用いて、容易に各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測することができる。
また、通信経路設定方法は、電力状況予測ステップで、各ノードの所定時間後の電力の残存量の和を最大化するための目的関数を作成し、経路決定ステップで、作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、各ノードの所定時間後の電力の残存量の和が最大になるようにすることによって、各ノードの電力消費を考慮して効率的に経路決定を行うことができる。
また、通信経路設定方法は、電力状況予測ステップで、ノード毎に所定の重み付けを行い、各ノードの所定時間後の電力の残存量の加重和を最大化するための目的関数を作成し、経路決定ステップで、作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、所定の重要要素(例えば、電力の残存量や電池取り替えコスト)に従って、いずれかのノードを優先的に考慮して通信経路を決定することができる。
また、通信経路設定方法は、電力状況予測ステップで、現在の電力の残存量が小さくなるに従って重みが大きくなるように、各ノードの重み付けを行うものであってもよい。そのような構成によれば、電池の残存量が少ないノードを優先考慮して、通信経路を決定することができる。
また、通信経路設定方法は、電力状況予測ステップで、各ノードの現在の電力の残存量及び所定単位あたりの消費電力量を用いて、各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を求め、求めた各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を用いて、目的関数として送信割合を変数とする線形関数を作成するものであってもよい。そのような構成によれば、各ノードの現在の電力の残存量及び所定単位あたりの消費電力量を用いて、容易に目的関数を作成することができる。また、目的関数として線形関数を作成することによって、線形計画問題として容易に親ノード及び送信割合を求めることができる。
また、通信経路設定方法は、経路決定ステップで、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合に対応する係数のうち、値が最小となる係数を選択し、選択した係数に対応するノードを、処理対象のノードの親ノードとして決定するものであってもよい。
また、通信経路設定方法は、経路決定ステップで、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合の係数のうち、値が最小となる係数に対応する送信割合を1に決定し、値が最小となる係数以外の係数に対応する送信割合を0に決定するものであってもよい。そのような構成によれば、簡易な計算方法で各ノードの親ノード及び送信割合を決定することができ、各ノードの通信経路を容易に決定することができる。
また、通信経路設定方法は、経路決定ステップで、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合の係数のうち値が最小となる係数が複数ある場合、値が最小となる係数に対応する各送信割合の値が均等になるように、各送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、ノードに対する親ノードを複数決定する場合であっても、各親ノードへの送信割合をバランスよく決定することができ、マルチホップ無線ネットワーク全体での電力消費を考慮した効率的な通信経路を決定することができる。
また、通信経路設定方法は、所定の条件に従って各ノードに予め順位を付与する順位付与ステップと、処理対象のノードよりも順位が上であるノードを、処理対象のノードの親ノードの候補として選択する候補選択ステップとを含み、電力状況予測ステップで、候補として選択したノードにもとづいて目的関数を作成するものであってもよい。そのような構成によれば、所定の条件に合致するノードだけを選択し処理を行うことができ、親ノード及び送信割合を決定する際の処理負担を軽減することができる。
また、通信経路設定方法は、順位付与ステップで、通信エラーが発生する確率が小さい順に、各ノードに順位を付与するものであってもよい。そのような構成によれば、通信エラーが発生する確率が小さいノードだけを選択し処理を行うことができ、親ノード及び送信割合を決定する際の処理負担を軽減することができる。
また、通信経路設定方法は、処理対象のノードの親ノード及び送信割合を決定すると、決定した送信割合にもとづいて、処理対象のノードに対応する目的関数と、各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値とを更新し、処理対象のノードの次の順位のノードを、新たな処理対象のノードとして選択し、更新した目的関数及び各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を用いて、選択した新たな処理対象のノードに対応する目的関数を作成し、作成した目的関数にもとづいて、新たな処理対象のノードの親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、部分最適化問題解決手段を用いて、各ノードの通信経路を逐次的に決定できる。従って、部分最適化問題解決手段を用いることによって、簡易な方法で通信経路決定装置を実現することができる。また、部分最適化問題解決手段を用いて効率的に経路決定を行えるので、経路決定における処理負担や計算コストを軽減することができる。
また、通信経路設定方法は、経路決定ステップで、線形計画法を用いて、電力状況予測ステップで作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、線形計画法を用いて容易に各ノードの親ノード及び送信割合を決定することができる。
また、通信経路設定方法は、各ノードは、無線信号を送受信する無線ノードであるものであってもよい。
本発明による通信経路決定装置は、マルチホップネットワークに含まれる各ノードの通信経路を決定する通信経路決定装置(例えば、基地局サーバ20)であって、各ノードの所定時間後の電力の消費状況を予測する電力状況予測手段(例えば、経路算出手段26によって実現される)と、電力状況予測手段が予測した各ノードの電力の消費状況にもとづいて、各ノードの通信経路を決定する経路決定手段(例えば、経路算出手段26によって実現される)とを備え、経路決定手段は、ノード毎に親ノードを決定し、各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合を決定することによって、各ノードの通信経路を決定することを特徴とする。
また、通信経路決定装置は、経路決定手段が決定した通信経路を示す経路情報を生成する経路情報生成手段(例えば、経路算出手段26によって実現される)と、経路情報生成手段が生成した経路情報を各ノードに送信する経路情報送信手段(例えば、情報送信手段27によって実現される)とを備えたものであってもよい。そのような構成によれば、通信経路決定装置は、経路情報を各ノードに送信することによって、各ノードに経路設定を指示することができる。
また、通信経路決定装置において、電力状況予測手段は、各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測するための予測モデルを作成し、経路決定手段は、電力状況予測手段が作成した予測モデルにもとづいて、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、所定の予測モデルにもとづいて容易に各ノードの電力の残存量を予測し、経路を決定することができる。
また、通信経路決定装置において、電力状況予測手段は、予測モデルとして所定の目的関数を作成し、経路決定手段は、電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、所定の目的関数を用いて、容易に各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測することができる。
また、通信経路決定装置において、電力状況予測手段は、各ノードの所定時間後の電力の残存量の和を最大化するための目的関数を作成し、経路決定手段は、電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、各ノードの所定時間後の電力の残存量の和が最大になるようにすることによって、各ノードの電力消費を考慮して効率的に経路決定を行うことができる。
また、通信経路決定装置において、電力状況予測手段は、ノード毎に所定の重み付けを行い、各ノードの所定時間後の電力の残存量の加重和を最大化するための目的関数を作成し、経路決定手段は、電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、所定の重要要素(例えば、電力の残存量や電池取り替えコスト)に従って、いずれかのノードを優先的に考慮して通信経路を決定することができる。
また、通信経路決定装置において、電力状況予測手段は、現在の電力の残存量が小さくなるに従って重みが大きくなるように、各ノードの重み付けを行うものであってもよい。そのような構成によれば、電池の残存量が少ないノードを優先考慮して、通信経路を決定することができる。
また、通信経路決定装置において、電力状況予測手段は、各ノードの現在の電力の残存量及び所定単位あたりの消費電力量を用いて、各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を求め、求めた各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を用いて、目的関数として送信割合を変数とする線形関数を作成するものであってもよい。そのような構成によれば、各ノードの現在の電力の残存量及び所定単位あたりの消費電力量を用いて、容易に目的関数を作成することができる。また、目的関数として線形関数を作成することによって、線形計画問題として容易に親ノード及び送信割合を求めることができる。
また、通信経路決定装置において、経路決定手段は、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合に対応する係数のうち、値が最小となる係数を選択し、選択した係数に対応するノードを、処理対象のノードの親ノードとして決定するものであってもよい。
また、通信経路決定装置において、経路決定手段は、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合の係数のうち、値が最小となる係数に対応する送信割合を1に決定し、値が最小となる係数以外の係数に対応する送信割合を0に決定するものであってもよい。そのような構成によれば、簡易な計算方法で各ノードの親ノード及び送信割合を決定することができ、各ノードの通信経路を容易に決定することができる。
また、通信経路決定装置において、経路決定手段は、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合の係数のうち値が最小となる係数が複数ある場合、値が最小となる係数に対応する各送信割合の値が均等になるように、各送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、ノードに対する親ノードを複数決定する場合であっても、各親ノードへの送信割合をバランスよく決定することができ、マルチホップ無線ネットワーク全体での電力消費を考慮した効率的な通信経路を決定することができる。
また、通信経路決定装置において、所定の条件に従って各ノードに予め順位を付与する順位付与手段と、処理対象のノードよりも順位が上であるノードを、処理対象のノードの親ノードの候補として選択する候補選択手段とを備え、電力状況予測手段は、候補選択手段が候補として選択したノードにもとづいて目的関数を作成するものであってもよい。そのような構成によれば、所定の条件に合致するノードだけを選択し処理を行うことができ、親ノード及び送信割合を決定する際の処理負担を軽減することができる。
また、通信経路決定装置において、順位付与手段は、通信エラーが発生する確率が小さい順に、各ノードに順位を付与するものであってもよい。そのような構成によれば、通信エラーが発生する確率が小さいノードだけを選択し処理を行うことができ、親ノード及び送信割合を決定する際の処理負担を軽減することができる。
また、通信経路決定装置は、処理対象のノードの親ノード及び送信割合を決定すると、決定した送信割合にもとづいて、処理対象のノードに対応する目的関数と、各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値とを更新し、処理対象のノードの次の順位のノードを、新たな処理対象のノードとして選択し、更新した目的関数及び各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を用いて、選択した新たな処理対象のノードに対応する目的関数を作成し、作成した目的関数にもとづいて、新たな処理対象のノードの親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、部分最適化問題解決手段を用いて、各ノードの通信経路を逐次的に決定できる。従って、部分最適化問題解決手段を用いることによって、簡易な方法で通信経路決定装置を実現することができる。また、部分最適化問題解決手段を用いて効率的に経路決定を行えるので、経路決定における処理負担や計算コストを軽減することができる。
また、通信経路決定装置において、経路決定手段は、線形計画法を用いて、電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、線形計画法を用いて容易に各ノードの親ノード及び送信割合を決定することができる。
また、通信経路決定装置は、ノードとして、無線信号を送受信する無線ノードの通信経路を決定するものであってもよい。
本発明によるノードは、マルチホップネットワークに含まれるノード(例えば、無線ノード10)であって、ノードの通信経路を決定する通信経路決定装置から、親ノードと各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合とを含む経路情報を受信する経路情報受信手段(例えば、送受信部19によって実現される)と、経路情報受信手段が受信した経路情報に示される親ノード及び送信割合にもとづいて、通信経路を設定する経路設定手段とを備えたことを特徴とする。
また、ノードは、通信エラーが発生する確率である通信エラー確率を測定するエラー確率測定手段と、現在の電力の残存量を測定する電力残存量測定手段と、エラー確率測定手段が測定した通信エラー確率、及び電力残存量測定手段が測定した電力の残存量を、通信経路決定装置に送信する送信手段とを備えたものであってもよい。
本発明による通信システムは、マルチホップネットワークを用いた通信システムであって、複数のノードと、各ノードの通信経路を決定する通信経路決定装置とを備え、通信経路決定装置は、各ノードの所定時間後の電力の消費状況を予測する電力状況予測手段と、電力状況予測手段が予測した各ノードの電力の消費状況にもとづいて、各ノードの通信経路を決定する経路決定手段とを含み、経路決定手段は、ノード毎に親ノードを決定し、各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合を決定することによって、各ノードの通信経路を決定することを特徴とする。
また、通信システムにおいて、通信経路決定装置は、経路決定手段が決定した通信経路を示す経路情報を生成する経路情報生成手段と、経路情報生成手段が生成した経路情報を各ノードに送信する経路情報送信手段とを含み、各ノードは、通信経路決定装置から受信した経路情報にもとづいて、通信経路を設定するものであってもよい。そのような構成によれば、各ノードは、通信経路決定装置から受信した経路情報にもとづいて、容易に経路設定を行うことができる。
また、通信システムにおいて、電力状況予測手段は、所定の目的関数を作成し、経路決定手段は、電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定するものであってもよい。そのような構成によれば、所定の目的関数を用いて、容易に各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測することができる。
本発明による通信経路決定プログラムは、マルチホップネットワークに含まれる各ノードの通信経路を決定するための通信経路決定プログラムであって、コンピュータに、各ノードの所定時間後の電力の消費状況を予測する電力状況予測処理と、予測した各ノードの電力の消費状況にもとづいて、ノード毎に親ノードを決定し、各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合を決定することによって、各ノードの通信経路を決定する経路決定処理と、決定した通信経路を示す経路情報を生成する経路情報生成処理と、生成した経路情報を各ノードに送信する経路情報送信処理とを実行させることを特徴とする。
また、通信経路決定プログラムは、コンピュータに、電力状況予測処理で、所定の目的関数を作成する処理と、経路決定処理で、電力状況予測処理で作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する処理とを実行させるものであってもよい。そのような構成によれば、所定の目的関数を用いて、容易に各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測することができる。
また、通信経路決定プログラムは、コンピュータに、所定の条件に従って各ノードに予め順位を付与する順位付与処理と、処理対象のノードよりも順位が上であるノードを、処理対象のノードの親ノードの候補として選択する候補選択処理と、電力状況予測処理で、候補として選択したノードにもとづいて目的関数を作成する処理とを実行させるものであってもよい。そのような構成によれば、所定の条件に合致するノードだけを選択し処理を行うことができ、親ノード及び送信割合を決定する際の処理負担を軽減することができる。
また、通信経路決定プログラムは、コンピュータに、順位付与処理で、通信エラーが発生する確率が小さい順に、各ノードに順位を付与する処理を実行させるものであってもよい。そのような構成によれば、通信エラーが発生する確率が小さいノードだけを選択し処理を行うことができ、親ノード及び送信割合を決定する際の処理負担を軽減することができる。
本発明によれば、マルチホップネットワークにおいて、各ノードの所定時間後の電力消費の状況を考慮して、親ノード及び各親ノードへの送信割合を決定する。従って、マルチホップネットワークにおいて、将来の電力消費を考慮して効率的な通信経路の設定を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による通信経路決定装置を用いたマルチホップ無線ネットワークの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、マルチホップ無線ネットワークは、無線基地局1と、複数の無線ノード10とを含む。また、図1に示すように、無線基地局1は、基地局サーバ20と基地局装置30とを含む。なお、本実施の形態において、通信経路決定装置は、基地局サーバ20によって実現される。
本実施の形態では、マルチホップ無線ネットワークとして、任意に配置した複数の小型センサを含むセンサネットワークに、通信経路決定装置を用いる場合を説明する。例えば、通信経路決定装置は、センサネットワークとして、複数の防犯センサを含む防犯監視システムに用いられる。また、例えば、通信経路決定装置は、センサネットワークとして、複数の温度センサや湿度センサを含む環境モニタリングシステムや、倉庫の貯蔵環境を監視するシステムに用いられる。
また、本実施の形態では、通信経路決定装置は、送受信されるデータのトラフィックがある程度予測できるセンサネットワークに適用される。例えば、通信経路決定装置は、各センサから所定時間毎にデータを収集するセンサネットワークに適用される。また、本実施の形態では、通信経路決定装置は、センサネットワークの通信帯域を圧迫しない程度の通信量(通信帯域の許容範囲内の通信量)のシステムに適用される。
本実施の形態では、各無線ノード10は、防犯センサや温度センサ、湿度センサ等の各種センサを備える。各無線ノード10は、センサを用いて各種検出データを採取し、採取した検出データを無線基地局に送る。この場合、各無線ノード10は、無線基地局までの通信条件が良い場合(通信距離が短い場合や通信エラー確率が小さい場合)、検出データを無線信号として直接無線基地局に送信する。また、各無線ノード10は、無線基地局までの通信条件が良くない場合(通信距離が長い場合や通信エラー確率が大きい場合)、自分以外の無線ノード10を中継ノードとして選択し、選択した中継ノードを介して検出データを無線基地局に送信する。
無線基地局は、各無線ノード10から各種検出データを受信し収集する。そして、無線基地局は、基地局サーバ20を用いて、収集した各種検出データを処理する。例えば、無線基地局は、収集した各種検出データを集計したり分析したりする。
図2は、無線基地局の構成の一例を示すブロック図である。基地局サーバ20は、具体的には、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。基地局サーバ20は、無線基地局が各無線ノード10から収集した各種検出データを処理する機能を備える。また、基地局サーバ20は、マルチホップ無線ネットワークに含まれる各無線ノード10の通信経路(無線ノード10から無線基地局までの経路)を決定する機能を備える。
図2に示すように、基地局サーバ20は、情報受信手段21、採取データ処理手段22、エラー確率データベース23、残存電力データベース24、消費電力データベース25、経路算出手段26及び情報送信手段27を含む。
情報受信手段21は、具体的には、基地局サーバ20のCPU及び入出力インタフェース部によって実現される。情報受信手段21は、基地局装置30を介して、各無線ノード10から各種データを受信する機能を備える。本実施の形態では、情報受信手段21は、各無線ノード10がセンサを用いて採取したデータ(以下、採取データともいう)を基地局装置30を介して受信し、採取データ処理手段22に出力する。また、情報受信手段21は、各無線ノード10が測定した通信エラー確率を基地局装置30を介して受信し、エラー確率データベース23に記憶させる。また、情報受信手段21は、各無線ノード10が備える電池の電力の残存量(以下、残存電力量ともいう)を基地局装置30を介して受信し、残存電力データベース24に記憶させる。
採取データ処理手段22は、具体的には、基地局サーバ20のCPUによって実現される。採取データ処理手段22は、各無線ノード10から収集した採取データを処理する機能を備える。例えば、採取データ処理手段22は、各無線ノード10からの採取データを集計したり採取データを分析したりする。また、採取データ処理手段22は、処理した採取データをディスプレイ装置等の表示装置に表示させる。
エラー確率データベース23は、具体的には、磁気ディスク装置等のデータベース装置によって実現される。エラー確率データベース23は、各無線ノード10間の通信エラー確率、及び無線基地局と各無線ノード10との間の通信エラー確率を蓄積する。図3は、エラー確率データベース23が記憶する通信エラー確率の例を示す説明図である。図3に示すように、エラー確率データベース23は、各無線ノード10間の通信エラー確率、及び無線ノード10と各無線基地局との間の通信エラー確率を、無線ノード10に対応付けて蓄積する。
例えば、図3に示す例では、i番目の無線ノード10がj番目の無線ノード10に無線信号を送信した場合の通信エラー確率がeijパーセントであることが分かる。また、i番目の無線ノード10が無線基地局に無線信号を送信した場合の通信エラー確率がei0パーセントであることが分かる。
なお、通信エラー確率は、例えば、各無線ノード10を設置した際に各無線ノード10によって測定され、各無線ノード10から無線基地局に送信される。そして、エラー確率データベース23は、無線基地局が各無線ノード10から受信した通信エラー確率を蓄積する。
また、一般に、2つの無線ノード10間で、いずれか一方のノードから他方のノードに無線信号を送信した場合と、その逆方向に無線信号を送信した場合とでは、通信条件が同じであり通信エラー確率が同じになる。そのため、エラー確率データベース23は、2つの無線ノード10間について、いずれか一方向に信号送信した場合の通信エラー確率だけを蓄積する。
図3に示す例では、例えば、2番目の無線ノード10から1番目の無線ノード10に送信する場合と、1番目の無線ノード10から2番目の無線ノード10に送信する場合とでは、送信距離等の通信条件が同じである。そのため、一般に、2番目の無線ノード10から1番目の無線ノード10に送信する場合の通信エラー確率e21と、1番目の無線ノード10から2番目の無線ノード10に送信する場合の通信エラー確率e12とは同じになる。そのため、図3に示すように、エラー確率データベース23は、1番目及び2番目の無線ノード10間について、2番目の無線ノード10から1番目の無線ノード10に信号送信した場合の通信エラー確率e21だけを蓄積する。そのようにすれば、各無線ノード10が通信エラー確率を測定する処理負担を軽減することができ、基地局サーバ20のエラー確率データベース23が蓄積するデータ量を軽減することができる。
残存電力データベース24は、具体的には、磁気ディスク装置等のデータベース装置によって実現される。残存電力データベース24は、各無線ノード10が備える電池の残存電力量を蓄積する。図4は、残存電力データベース24が記憶する残存電力量の例を示す説明図である。図4に示すように、残存電力データベース24は、残存電力量を無線ノード10に対応付けて蓄積する。
なお、残存電力量は、例えば、各無線ノード10によって管理され、各無線ノード10から無線基地局に送信される。そして、残存電力データベース24は、無線基地局が各無線ノード10から受信した残存電力量を蓄積する。また、各無線ノード10は、各無線ノード10の通信経路の設定を行う毎に、無線基地局からの要求に応じて現在の残存電力量を無線基地局に送信する。そして、基地局サーバ20は、各無線ノード10の通信経路の設定を行う毎に、各無線ノード10から受信した現在の残存電力量にもとづいて、残存電力データベース24が蓄積する残存電力量を更新する。
消費電力データベース25は、具体的には、磁気ディスク装置等のデータベース装置によって実現される。消費電力データベース25は、各無線ノード10が所定単位あたりに消費する電力量を予め蓄積する。
図5は、消費電力データベース25が記憶する消費電力量の例を示す説明図である。本実施の形態では、図5に示すように、消費電力データベース25は、単位送信量あたりの消費電力、単位受信量あたりの消費電力及び単位時間消費電力を、無線ノード10に対応付けて蓄積する。単位送信量あたりの消費電力(以下、単位送信消費電力ともいう)は、無線ノード10がデータを送信する際に、所定の送信量あたりに無線ノード10が消費する電力量である。また、単位受信量あたりの消費電力(以下、単位受信消費電力ともいう)は、無線ノード10がデータを受信する際に、所定の受信量あたりに無線ノード10が消費する電力量である。
単位時間消費電力は、データ送受信以外の処理を行うために、無線ノード10が所定時間あたりに消費する電力量である。例えば、消費電力データベース25は、単位時間消費電力として、無線ノード10がチャネル監視を行ったりセンサを用いてデータ採取を行ったりする際に、所定時間あたりに消費する電力量を蓄積する。また、消費電力データベース25は、無線ノード10がセンサを用いて所定時間あたりに採取するデータ量(以下、採取データ量ともいう)を、無線ノード10に対応付けて蓄積する。
なお、各無線ノード10がそれぞれ同じ機種(同様の構成及び機能を備えたもの)である場合、各採取データ量(λ〜λ)、各単位送信消費電力量(u〜u)、各単位受信消費電力量(v〜v)及び各単位時間消費電力量(w〜w)は、それぞれ同じ値であってもよい。
経路算出手段26は、具体的には、基地局サーバ20のCPUによって実現される。経路算出手段26は、無線ノード10の所定時間後の電力の残存量を予測するための予測モデルを作成し、各無線ノード10の所定時間後の電池の残存電力量を予測する機能を備える。また、経路算出手段26は、作成した予測モデルにもとづいて、各無線ノード10の通信経路を決定する機能を備える。本実施の形態では、経路算出手段26は、予測モデルにもとづいて、無線ノード10の所定時間後の電池の残存電力量が最大となるように、各無線ノード10の通信経路を決定する。また、経路算出手段26は、決定した通信経路を示す経路情報を生成する機能を備える。
本実施の形態では、経路算出手段26は、予測モデルにもとづいて各無線ノード10の親ノードを決定することによって、通信経路を決定する。本実施の形態において、「親ノード」とは、無線ノード10がデータを送信する送信先のノードである。例えば、無線ノード10が中継ノードを介して無線基地局にデータを送信する場合、中継ノードがその無線ノード10の親ノードとなる。また、無線ノード10が直接無線基地局にデータを送信する場合、無線基地局がその無線ノード10の親ノードとなる。
また、本実施の形態では、経路算出手段26は、1つの無線ノード10について1つの親ノードを決定する場合に限らず、1つの無線ノード10について1つ又は複数の親ノードを決定する。複数の親ノードを決定する場合、経路算出手段26は、予測モデルにもとづいて、複数の親ノードを決定するとともに、各親ノードに送信するデータ量の割合(以下、単に送信割合ともいう)を決定することによって、通信経路を決定する。
本実施の形態では、経路算出手段26は、各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測するための予測モデルとして、無線ノード10の所定時間後の残存エネルギーを予測するための目的関数を作成する。例えば、経路算出手段26は、残存電力データベース24及び消費電力データベース25が記憶する情報にもとづいて、各無線ノード10の所定時間後の電池の残存電力量の予測値を求める。また、経路算出手段26は、求めた残存電力量の予測値を用いて、無線ノード10の残存電力量の和を最大化するための目的関数を作成する。そして、経路算出手段26は、作成した目的関数にもとづいて、無線ノード10の残存電力量の和が最大となるように通信経路を決定する。
また、経路算出手段26は、予測モデルとして、無線ノード10毎に所定の重み付けを行った目的関数を作成してもよい。この場合、経路算出手段26は、無線ノード10毎に所定の重み付けを行い、無線ノード10の残存電力量の加重和を最大化するための目的関数を作成する。そして、経路算出手段26は、作成した目的関数にもとづいて、残存電力量の加重和が最大となるように通信経路を決定する。例えば、経路算出手段26は、現在の残存電力量が小さいノードのウエイトを大きく重み付けして(残存電力量の小さいノードを優先考慮して)、残存電力量の加重和を最大化するための目的関数を求める。
なお、経路算出手段26は、例えば、線形計画法を用いて、目的関数が最大となるように、各無線ノード10の親ノードを決定し各親ノードへの送信割合を決定する。そして、経路算出手段26は、決定した親ノード及び送信割合を含む経路情報を無線ノード10毎に生成する。
情報送信手段27は、具体的には、基地局サーバ20のCPU及び入出力インタフェース部によって実現される。情報送信手段27は、経路算出手段26が生成した経路情報を、基地局装置30を介して各無線ノード10に送信する機能を備える。
基地局装置30は、各無線ノード10と無線信号を送受信する機能を備える。本実施の形態では、基地局装置30は、各無線ノード10から無線信号として受信した各種データを基地局サーバ20に出力する。また、基地局装置30は、基地局サーバ20から入力したデータを無線信号として各無線ノード10に送信する。
図6は、無線ノード10の構成の一例を示すブロック図である。無線ノード10は、センサを用いて各種検出データを採取し、採取データを無線信号として親ノードに送信する機能を備える。また、無線ノード10は、自分以外の無線ノード(子ノード)10から親ノードとして選択されている場合、その子ノードが無線基地局に送る採取データを中継する機能を備える。
図6に示すように、無線ノード10は、センサ11、データ採取手段12、経路設定手段13、残存電力管理手段14、電池15、エラー確率測定手段16、エラー確率集計手段17、エラー確率記憶手段18及び送受信部19を含む。
センサ11は、例えば、防犯センサや温度センサ、湿度センサ等である。センサ11は、例えば、侵入者やドアの開閉の有無等を検出する機能を備える。また、センサ11は、例えば、温度や湿度を検出する機能を備える。
データ採取手段12は、具体的には、無線ノード10の制御部によって実現される。データ採取手段12は、センサ11が検出した各種検出データを入力し、センサ11からデータを採取する機能を備える。例えば、データ採取手段12は、侵入者やドアの開閉の有無を示す検出データをセンサ11から入力する。また、例えば、データ採取手段12は、温度や湿度の値を示す検出データをセンサ11から入力する。
経路設定手段13は、具体的には、無線ノード10の制御部によって実現される。経路設定手段13は、無線基地局からの経路情報にもとづいて通信経路を設定する機能を備える。本実施の形態では、経路設定手段13は、経路情報にもとづいて自分以外の無線ノード10や無線基地局を親ノードとして選択する。また、経路設定手段13は、選択した1又は複数の親ノードにデータを送信するように送受信部19を制御する。また、経路設定手段13は、経路情報にもとづいて各親ノードへの送信割合を設定する。そして、経路設定手段13は、設定した送信割合に従って各親ノードにデータを送信するように送受信部19を制御する。
残存電力管理手段14は、具体的には、無線ノード10の制御部によって実現される。残存電力管理手段14は、無線ノード10が備える電池15の残存電力量を管理する機能を備える。本実施の形態では、残存電力管理手段14は、無線基地局からの要求に応じて電池15の残存電力量を求める。
エラー確率測定手段16は、具体的には、無線ノード10の制御部によって実現される。エラー確率測定手段16は、各無線ノード10との間の通信エラー確率、及び無線基地局との間の通信エラー確率を求める機能を備える。例えば、エラー確率測定手段16は、信号強度と通信エラー確率とを対応付けた対応テーブルを予め記憶部(図示せず)に記憶する。この場合、エラー確率測定手段16は、自分以外の各無線ノード10又は無線基地局から受信した無線信号の信号強度を測定する。そして、エラー確率測定手段16は、予め記憶する対応テーブルから測定した信号強度に対応する通信エラー確率を抽出することによって、各無線ノードとの間の通信エラー確率や無線基地局との間の通信エラー確率を求める。
エラー確率集計手段17は、具体的には、無線ノード10の制御部によって実現される。エラー確率集計手段17は、エラー確率測定手段16が求めた通信エラー確率を集計し、集計した通信エラー確率をエラー確率記憶手段18に一時記憶させる機能を備える。また、エラー確率集計手段17は、一時記憶させた各通信エラー確率をエラー確率記憶手段18から抽出し、抽出した各通信エラー確率を無線基地局に送信するように送受信部19に指示する。例えば、エラー確率測定手段16が自分以外の全ての無線ノード10及び無線基地局に対する通信エラー確率を算出すると、エラー確率集計手段17は、集計した各通信エラー確率を送受信部19に送信させる。
エラー確率記憶手段18は、具体的には、メモリ等の記憶装置である。エラー確率記憶手段18は、エラー確率集計手段17の指示に従って、エラー確率測定手段16が求めた通信エラー確率を一時記憶する。
送受信部19は、各無線ノード10や無線基地局と無線信号を送受信する機能を備える。本実施の形態では、送受信部19は、データ採取手段12がセンサ11から採取した検出データを、無線信号として親ノード(無線基地局又は無線ノード10)に送信する。また、送受信部19は、子ノードからの中継データを、無線信号として親ノードに送信する。
また、送受信部19は、残存電力管理手段14が求めた電池15の残存電力量を、無線信号として無線基地局又は無線ノード10に送信する。また、送受信部19は、エラー確率集計手段17が集計した各通信エラー確率を、無線信号として無線基地局又は無線ノード10に送信する。また、送受信部19は、無線基地局又は無線ノード10から経路情報を無線信号として受信し、経路設定手段13に出力する。
なお、本実施の形態において、基地局サーバ20の記憶装置は、各無線ノード10の通信経路を決定する処理を実行するための各種プログラムを記憶している。例えば、基地局サーバ20の記憶装置は、コンピュータに、コンピュータに、各ノードの所定時間後の電力の消費状況を予測する電力状況予測処理と、予測した各ノードの電力の消費状況にもとづいて、ノード毎に親ノードを決定し、各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合を決定することによって、各ノードの通信経路を決定する経路決定処理と、決定した通信経路を示す経路情報を生成する経路情報生成処理と、生成した経路情報を各ノードに送信する経路情報送信処理とを実行させるための通信経路決定プログラムを記憶している。
次に、動作について説明する。本実施の形態において、基地局サーバ20は、マルチホップ無線ネットワークに含まれる各無線ノード10の採取データ量、単位送信消費電力量、単位受信消費電力量及び単位時間消費電力量を、予め消費電力データベース25に蓄積している。
また、本実施の形態では、各無線ノード10を設置した際に、予め各無線ノード10間及び無線基地局と各無線ノード10との間の通信エラー確率を測定している。本実施の形態では、各無線ノード10を設置した際に、基地局サーバ20は、基地局装置30を介して、通信エラー確率を測定する旨の指示情報を各無線ノード10に送信する。この場合、通信条件が良くない無線ノード10については、無線基地局は、他の無線ノード10を中継ノードとして用いて指示情報を送信する。無線基地局から指示情報を受信すると、各無線ノード10のエラー確率測定手段16は、各無線ノード10との間の通信エラー確率及び無線基地局との間の通信エラー確率を測定する。
エラー確率集計手段17は、エラー確率測定手段16が測定する各通信エラー確率をエラー確率記憶手段18に一時記憶させる。また、自分以外の全ての無線ノード10との間の通信エラー確率及び無線基地局との間の通信エラー確率を測定しエラー確率記憶手段18に一時記憶させると、エラー確率集計手段17は、エラー確率記憶手段18から各通信エラー確率を抽出し送受信部19に出力する。すると、送受信部19は、各通信エラー確率を無線信号として無線基地局に送信する。
基地局サーバ20の情報受信手段21は、基地局装置30を介して各無線ノード10から通信エラー確率を受信する。そして、情報受信手段21は、受信した各通信エラー確率をエラー確率データベース23に記憶させる。以上の処理を実行することによって、各無線ノード10を設置した際に、各無線ノード10間及び無線基地局と各無線ノード10との間の通信エラー確率がそれぞれ測定され、基地局サーバ20に蓄積される。
また、各無線ノード10を設置した際に、マルチホップ無線ネットワークは、各無線ノード10の通信経路を設定する。また、各無線ノード10の設置後、マルチホップ無線ネットワークは、予め定めた時間(以下、経路設定周期ともいう)毎に、各無線ノード10から無線基地局までの通信経路を繰り返し設定しなおす。
図7は、マルチホップ無線ネットワークにおいて、各無線ノード10の通信経路を設定する処理の一例を示す流れ図である。基地局サーバ20は、各無線ノード10を設置した際に通信経路の設定処理を開始すると、基地局装置30を介して、現在の電池の残存電力量を測定する旨の指示情報を各無線ノード10に送信する。なお、通信条件が良くない無線ノード10については、無線基地局は、他の無線ノード10を中継ノードとして用いて指示情報を送信する。
無線基地局から指示情報を受信すると、各無線ノード10の残存電力管理手段14は、電池15の現在の残存電力量を求める(ステップS11)。そして、無線ノード10の送受信部19は、残存電力管理手段14が求めた残存電力量を、無線信号として無線基地局に送信する。なお、通信条件が良くない場合、送受信部19は、他の無線ノード10を中継ノードして用いて残存電力量を無線基地局に送信する。
基地局サーバ20の情報受信手段21は、基地局装置30を介して、各無線ノード10から残存電力量を受信する。そして、情報受信手段21は、受信した各残存電力量を残存電力データベース24に記憶させる(ステップS12)。
また、経路算出手段26は、各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測するための予測モデルを作成して各無線ノード10の所定時間後の残存電力量を予測し、各無線ノード10の通信経路を決定する。そして、経路算出手段26は、決定した通信経路を示す経路情報を生成する(ステップS13)。
図8は、図7に示すステップS13において、基地局サーバ20が各無線ノード10の所定時間後の残存電力量を予測し、各無線ノード10の通信経路を決定する処理の一例を示す流れ図である。本実施の形態では、基地局サーバ20は、通信条件が良い順番に、予めマルチホップ無線ネットワークに含まれる各無線ノード10に番号を付与する。
例えば、基地局サーバ20は、無線ノード10と無線基地局との間の通信エラー確率(E10〜En0)が小さい順番に、各無線ノード10に番号を付与する。この場合、通信エラー確率が同じである無線ノード10が複数あるとき、基地局サーバ20は、通信エラー確率が同じである無線ノード10については、無線基地局との通信距離が小さい順に無線ノード10に番号を付与する。例えば、通信エラー確率が100パーセントである(すなわち、通信不能である)無線ノード10が複数ある場合、基地局サーバ20は、通信距離が小さい順に無線ノード10に番号を付与する。
まず、1番目の無線ノード10(通信条件が最も良いノード)の通信経路を決定する場合を説明する。基地局サーバ20の経路算出手段26は、1番目の無線ノード10の親ノードを無線基地局に決定する(ステップS131)。すなわち、1番目の無線ノード10よりも通信条件が良い無線ノード10がないので、経路算出手段26は、1番目の無線ノード10の通信経路を、無線基地局に直接送信する経路だけに決定する。
次に、2番目以降の無線ノード10の通信経路を決定する場合を説明する。経路算出手段26は、マルチホップ無線ネットワークに含まれる複数の無線ノード10の中から、処理対象の無線ノード10の親ノードの候補を選択する(ステップS132)。本実施の形態では、経路算出手段26は、複数の無線ノード10のうち、処理対象の無線ノード10よりノード番号が小さい(通信条件が良い)全てのノードを親ノード候補として選択する。また、経路算出手段26は、ノード番号が小さいノードに加えて、無線基地局を親ノード候補として選択する。
また、経路算出手段26は、各無線ノード10の所定周期τ後の残存電力量を予測するための予測モデルを作成する。本実施の形態では、経路算出手段26は、各無線ノード10の所定周期τ後の残存電力量の予測値を求める(ステップS133)。この場合、経路算出手段は、消費電力データベース25が記憶する採取データ量、単位送信消費電力量、単位受信消費電力量及び単位時間消費電力量を用いて、残存電力量の予測値を求める。
また、経路算出手段26は、求めた残存電力量の予測値を用いて、各無線ノード10の残存電力量を予測するための目的関数を作成する。例えば、経路算出手段26は、各無線ノード10の予測残存電力量の和を最大化するための目的関数を作成する。また、例えば、経路算出手段26は、無線ノード10毎に所定の重み付けを行い、各無線ノード10の予測残存電力量の加重和を最大化するための目的関数を求める。
経路算出手段26は、作成した予測モデルを用いて、各無線ノード10の親ノード、及び親ノード毎の送信割合を決定する(ステップS134)。本実施の形態では、経路算出手段26は、作成した目的関数が最大となるように、各無線ノード10の親ノード及び各親ノードへの送信割合を決定する。この場合、経路算出手段26は、目的関数が最大となるように、選択した親ノード候補の中から1又は複数のノードを選択し、選択したノードを親ノードとして決定する。また、経路算出手段26は、決定した各親ノードへの送信割合を決定する。例えば、経路算出手段26は、線形計画法を用いて、各無線ノードの親ノード及び各親ノードへの送信割合を求める。
例えば、2番目の無線ノード10の通信経路を決定する場合、経路算出手段26は、無線基地局及びノード番号1の無線ノード10を親ノード候補として選択する。そして、経路算出手段26は、所定の目的関数を作成し、作成した目的関数が最大となるように、無線基地局と1番目の無線ノード10のうちのいずれか又は両方を親ノードとして決定する。また、経路算出手段26は、決定した各親ノードへの送信割合を決定する。例えば、1番目の無線ノード10だけを親ノードとして決定した場合、経路算出手段26は、1番目の無線ノード10への送信割合を100パーセントと決定する。また、無線基地局及び1番目の無線ノード10の両方を親ノードとして決定した場合、経路算出手段26は、無線基地局及び1番目の無線ノード10への送信割合をそれぞれ50パーセントと決定する。
経路算出手段26は、マルチホップ無線ネットワークに含まれる全ての無線ノード10について、通信経路を決定したか否かを判断する(ステップS135)。通信経路を決定していない無線ノード10があると判断した場合、経路算出手段26は、ステップS132の処理に戻り、全ての無線ノード10の通信経路を決定するまで、ステップS132からステップS135までの処理を繰り返し実行する。なお、経路算出手段26は、予め付与したノード番号の順に、各無線ノード10についてステップS132からステップS135までの処理を実行する。
ステップS135で全ての無線ノード10について通信経路を決定したと判断すると、経路算出手段26は、決定した親ノード及び各親ノードへの送信割合を含む経路情報を、無線ノード10毎に生成する(ステップS136)。
以上のように、経路算出手段26は、ステップS131からステップS136までの処理を実行することによって、予め付与したノード番号の順に、各無線ノード10の通信経路(本例では、親ノード及び各親ノード毎の送信割合)を逐次的に決定し、経路情報を生成する。
各経路情報を生成すると、情報送信手段27は、経路算出手段26が生成した各経路情報を、基地局装置30を介してそれぞれ各無線ノード10に送信する(ステップS14)。なお、通信条件が良くない無線ノード10については、無線基地局は、他の無線ノード10を中継ノードとして用いて経路情報を送信する。
経路情報を受信すると、各無線ノード10の経路設定手段13は、受信した経路情報にもとづいて通信経路を設定する(ステップS15)。本実施の形態では、経路設定手段13は、経路情報にもとづいて親ノードを選択し、選択した1又は複数の親ノードにデータを送信するように送受信部19を制御する。また、経路設定手段13は、経路情報にもとづいて親ノード毎に送信割合を設定し、設定した送信割合に従って各親ノードにデータを送信するように送受信部19を制御する。
なお、各無線ノード10は、例えば、送信割合にもとづいてデータを分割し、分割したデータを各親ノードに分配して送信することによって、設定した送信割合に従って各親ノードにデータを送信する。また、各無線ノード10は、データを分割するのでなく、例えば、複数のデータを送信割合に従って確率的に各親ノードに割り振ることによって、設定した送信割合に従って各親ノードにデータを送信してもよい。
以上のように、ステップS11からステップS15までの処理が実行されることによって、マルチホップ無線ネットワークに含まれる各無線ノード10の通信経路が設定される。
通信経路を設定すると、基地局サーバ20は、通信経路を設定してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS16)。すなわち、基地局サーバ20は、最後に通信経路を設定してから、次の経路設定周期τが経過したか否かを判断する。経路設定周期τを経過したと判断すると、無線基地局は、再び残存電力量測定の指示情報を各無線ノード10に送信する。そして、ステップS11からステップS15までの処理が繰り返し実行される。すなわち、経路設定周期τ毎に、各無線ノード10の通信経路が繰り返し設定される。
以上のように、本実施の形態によれば、基地局サーバ20は、各無線ノード10の電力消費の各要素にもとづいて、各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測するための予測モデルを作成する。そして、基地局サーバ20は、作成した予測モデルにもとづいて、各無線ノード10の送受信負荷及び所定時間後の残余エネルギーを求め通信経路を決定する。例えば、基地局サーバ20は、各無線ノード10の所定時間後の電力の残存量を予測するための目的関数を作成し、作成した目的関数が最大となるように、無線ノード10毎に親ノード及び送信割合を決定する。そのため、各ノードの所定時間後の電力消費の状況を考慮して、親ノード及び各親ノードへの送信割合を決定することができる。従って、マルチホップ無線ネットワークにおいて、将来の電力消費を考慮して効率的な通信経路の設定を行うことができる。
なお、各無線ノード10を設置し通信経路を設定した後、マルチホップ無線ネットワークに含まれる無線ノード10のうち、データ送受信の負荷が他の無線ノード10より著しく大きいノードがある場合、負荷の大きい無線ノード10の周辺に無線ノード10を追加して負荷分散を行ってもよい。例えば、無線基地局に近いノードが他のノードより著しくデータ中継量が大きい場合、そのノードの周辺に無線ノード10を追加して通信経路を再設定してもよい。そのようにすれば、特定のノードの電池の電力量が著しく消耗することを防止することができ、マルチホップ無線ネットワークに含まれる各ノードの電池を均等に長持ちさせることができる。また、負荷が大きいノードの周辺に中継専用のノードを追加して、通信経路を再設定するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、現在の残存電力量が小さいノードのウエイトを大きく重み付けして目的関数を作成する例を説明したが、経路決定のために作成する目的関数は、本実施の形態で示したものに限られない。例えば、無線ノード10の残存電力量以外に重要要素がある場合、経路算出手段26は、その重要要素に応じた重み付けを行って目的関数を作成してもよい。例えば、各無線ノード10の地理的な設置条件によって電池取り替えのためのコストがノード毎に異なる場合、経路算出手段26は、コストの高いノードのウエイトを大きく重み付けして目的関数を作成してもよい。そのようにすれば、電池取り替えのコストが大きいノードを優先的に考慮して、通信経路の設定を行うことができる。
次に、本発明の具体的な実施例を説明する。なお、本実施例では、マルチホップ無線ネットワークがセンサネットワークである場合を説明する。本実施例において、センサネットワークは、任意に配置した複数の小型センサを含む。また、センサを備えた各ノードは、センサを用いてデータを採取し、直接又は他の中継ノードを用いて採取データを無線基地局に送る。無線基地局は、無線信号として各センサからのデータを収集し、基地局サーバ(データ処理装置)20に有線でデータを転送する。
まず、本実施例におけるセンサネットワークの設計思想の概念を説明する。本実施例において、センサを備えた各ノードの送信パワーは一定であるとする。また、センサを備えた各ノードの送信の際の消費電力は送信量に比例し、受信の際の消費電力は受信量に比例するとする。また、データ採取やチャネル監視等の送受信以外の要素による消費電力は、稼働時間のみに比例する(単位時間あたり一定)とする。無線送信失敗確率(通信エラー確率)は、送信距離や遮蔽物等の無線条件により異なり、予め各無線ノード10で計測され基地局サーバ20に蓄積される。
なお、本実施例では、データ送信に失敗した場合、各無線ノード10や無線基地局は、成功するまでデータを再送する。また、本実施例では、無線信号の検出(carrier sensor)方式(例えば、CSMA/CA+ACK)によって、送信衝突確率が無視できる(トラヒック密度が小さい)ものとする。
本実施例において、基地局サーバ20は、各ノードの送信先(親ノード)を決定する。決定した送信先が複数である場合、基地局サーバ20は、各親ノードへの振り分け割合(送信割合)を決定する。そのようにすることによって、基地局サーバ20がシステム全体の送信経路を決定し、各無線ノード10の通信経路が設定される。
親ノードを選択する際に考慮すべき重要な要素は、各ノードの送受信量である。無線基地局を親ノードに選択し(中継不要)、又はできるだけ無線基地局に近いノード(処理対象のノード自身から遠いノード)を親ノード(中継ノード)として選択するというポリシに従って経路設定する場合、システム全体のホップ数を削減でき中継トラヒックを軽減することができる。しかし、一方で送信距離が増大することによってエラー率が増加し、再送トラヒックが増加する。このように、無線基地局や無線基地局に近いノードを親ノードに選択すると、中継トラヒックを軽減できる反面、再送トラヒックが増加するというトレードオフ関係がある。そのため、一般的に、センサネットワークにおいて、最適な送信経路を設定することは容易にできない。
本実施例では、一定の目的関数を条件として用いて、効率的な送信経路設定手順を示す。本実施例では、一例として、一定期間後の各ノードの予測残存エネルギーの加重和を最大化するための関数を、送信経路設定の目的関数として用いる。なお、一定期間後に送信経路の再設定が可能であれば、通信経路の設定を周期的に(例えば、24時間毎に)実施することによって、更に各無線ノード10の電池寿命を延ばすことができる。
本実施例では、経路設定の周期τを予め定める。例えば、24時間毎に各無線ノード10の経路設定を行うように、予め経路設定周期τを定める。また、予め無線基地局を含む各ノード間送信の場合の無線条件を調査しておく。本実施例では、各ノード設置時に、各無線ノード10は、一回のみエラー率を計測する。そして、基地局サーバ20は、各無線ノード10が計測したエラー率を蓄積する。
また、基地局サーバ20は、無線基地局(BS)向け送信エラー率が小さい順に、予めセンサノード(無線ノード)10に番号1,2,...,nを付与する。なお、本実施例では、無線基地局(BS)のノード番号を0とする。また、送信エラー率が100パーセントである(すなわち、直接送信できない)等エラー率が同一の場合、基地局サーバ20は、無線基地局からの距離が小さい順に番号を付与する。
経路設定を行う場合、各センサノードは、初期残存エネルギーレベル(現在の電池の残存電力量)E0を調査(計測)する。そして、基地局サーバ20は、各無線ノード10が計測した初期残存エネルギーレベルを蓄積する。なお、E0は、ノードiの初期残存エネルギーレベルを示す。
また、基地局サーバ20は、各無線ノード10の採取データ量λ、単位送信消費電力u、単位受信消費電力v及び単位時間消費電力wを予め蓄積している。なお、λは、ノードiが単位時間に採取し、親ノードに送信すべきデータ量である。また、uは、ノードiが単位送信量あたりに消費するエネルギー(電力量)である。また、vは、ノードiが単位受信量あたりに消費するエネルギーである。また、wは、ノードiが送受信以外の処理を行うために、単位時間あたりに消費するエネルギーである。
また、基地局サーバ20は、各無線ノード10設置の際に、各無線ノード10が計測した通信エラー確率eijを蓄積する。なお、eijは、ノードiからノードjにデータを送信する場合のエラー確率である。
本実施例では、基地局サーバ20は、所定周期τ後の各ノードの残存エネルギー(残存電力量)を式(1)を用いて評価する(求める)。
E1=E0−τ(u+v+w) 式(1)
式(1)において、E1は、ノードiの設定見直し周期τ後の予測残存エネルギーレベルである。式(1)において、各消費電力は、送受信量にそれぞれ比例するものとする。また、xは、ノードiが単位時間に送信するデータ量(再送や中継を含む)である。また、yは、ノードiが単位時間に受信するデータ量(再送や中継を含む)である。
また、基地局サーバ20は、各ノードの予測残存エネルギーの加重和を最大化するための目的関数を、式(2)を用いて作成する。
ΣE1 式(2)
ただし、式(2)において、予測残存エネルギー{E1}は、送信割合{αij}の関数である。また、αijは、送信データ量xのうち、ノードiがノードjに送信するデータの割合である。なお、各送信データ量xは、ノード毎に異なる量であってもよく同一の量であってもよい。また、本実施例では、基地局サーバ20が予めノード設置の際に各ノードの送信データ量xを蓄積する場合を説明するが、基地局サーバ20は、所定期間τ毎に、各ノードから送信データ量xを受信するようにしてもよい。また、基地局サーバ20は、非定期に各ノードから送信データ量xを受信するようにしてもよい。
本実施例では、基地局サーバ20は、式(3)に示す制約条件に従って、式(4)に示すように、最適化問題として目的関数を最大化するように送信割合αijを決定する。すなわち、基地局サーバ20は、各ノードの予測残存エネルギーの加重和が最大になるように、送信割合αijを決定する。
αij≧0,Σαij=1 式(3)
maximize{ΣE1} 式(4)
式(2)において、cは、目的関数の各ノード予測残存エネルギーレベル加重和におけるノードiのウェイトである。本実施例では、基地局サーバ20は、基本的に現在の残余エネルギーE0の小さいノードが大きなウェイトになるように、ウエイトcの値を決定する。すなわち、基地局サーバ20は、電池の残余電力量の小さいノードを優先考慮してウエイトcの値を決定する。例えば、基地局サーバ20は、式(5)を用いてウエイトcの値を決定する。
=1/(E0 式(5)
式(5)において、mの値を大きくする程、基地局サーバ20は、E0の小さいノードのウェイトが重くなるようにウエイトcの値を決定することができる。
しかし、ノードの数が多い場合、式(3)及び式(4)で定義される最適化問題を解くことは難しい。そこで、本実施例では、部分最適化問題解決手段を用いて、各ノードの親ノードと送信割合とを逐次的に決定していくことによって、簡易に経路設定を実現できる経路設定手順を示す。
以上に示す設計思想に従って、基地局サーバ20は、各無線ノード10の通信経路を決定する処理を行う。以下、具体的に、基地局サーバ20が各無線ノード10の通信経路を決定する動作を説明する。まず、各無線ノード10の設置の際に、基地局サーバ20が初期化を行う動作を説明する。図9は、基地局サーバ20が行う初期化の処理の一例を示す流れ図である。
各無線ノード10の設置の際、基地局サーバ20は、各無線ノード10の採取データ量λ等の情報を、予め消費電力データベース25に蓄積する(ステップS21)。この場合、基地局サーバ20は、例えば、ユーザ(例えば、センサネットワークの管理者)の操作に従って、各無線ノード10の採取データ量λや、単位送信消費電力量u、単位受信消費電力量v、単位時間消費電力量wを入力し、消費電力データベース25に蓄積する。
基地局サーバ20は、通信エラー確率eijの測定を指示する指示情報を、基地局装置30を介して各無線ノード10に送信する。また、基地局サーバ20は、各無線ノードが測定した通信エラー確率eijを、無線基地局装置30を介して受信する。そして、基地局サーバ20は、受信した各通信エラー確率eijをエラー確率データベース23に蓄積する(ステップS22)。
また、基地局サーバ20は、各無線ノード10から通信エラー確率eijを受信すると、受信した通信エラー確率eijにもとづいて、各ノードに順位を付与する。本実施例では、基地局サーバ20は、受信した通信エラー確率eijが小さい順に、各ノードに番号を付ける(ステップS23)。例えば、基地局サーバ20は、無線基地局との通信エラー確率ei0が小さい順に各ノードに番号を付ける。本実施例では、基地局サーバ20は、通信エラー確率eijが小さい順に、ノード1、ノード2・・・ノードnと番号を付与する。また、基地局サーバ20は、無線基地局自身にノード0と番号を付与する。
次に、基地局サーバ20が各無線ノード10の通信経路を決定する動作を説明する。図10は、基地局サーバ20が各無線ノード10の通信経路を決定する処理の具体例を示す流れ図である。基地局サーバ20は、各ノードの周期τ後の暫定予測残余電力E1の初期値及び所定のパラメータを設定する(ステップS31)。本実施例では、基地局サーバ20は、パラメータとして、各ノードから無線基地局までの単位時間及び単位送信量あたりの目的関数に対する送信コストfを用いて、通信経路決定の処理を行う。この場合、無線基地局については送信コストを考慮する必要がないので、ステップS31において、基地局サーバ20は、無線基地局に対する送信コストfを0と設定する。
基地局サーバ20は、まず、ノード番号をカウントするためのカウンタiを1に設定し、ノード1の通信経路を決定する。この場合、基地局サーバ20は、無線基地局より通信エラー確率が小さいノードが他に存在しないので、ノード1の親ノードとしてノード0(すなわち、無線基地局)を選択する。また、基地局サーバ20は、送信割合α10を1に決定し、ノード1の送信コストfとノード1から無線基地局までの単位時間及び単位送信量あたりの消費電力gとを評価する。また、基地局サーバ20は、ノード1のデータ送信のみを考慮した目的関数Gを求め、周期τ後のノード1の暫定予測残余電力E1を更新する(ステップS32)。
次に、基地局サーバ20は、ノード2以降の通信経路を、所定のアルゴリズムに従って決定する。基地局サーバ20は、カウンタiの値を1加算する(ステップS33)。すなわち、基地局サーバ20は、順位(ノード番号)が次の無線ノード10を新たな処理対象のノードとして選択する。また、基地局サーバ20は、カウンタiを更新すると、更新後のカウンタiの値が無線ノード数nより大きいか否かを判断する(ステップS34)。すなわち、基地局サーバ20は、センサネットワークに含まれる全てのノードについて、通信経路を決定したか否かを判断する。カウンタiの値がnより大きい(すなわち、全てのノードについて通信経路を決定した)と判断すると、基地局サーバ20は、通信経路決定の処理を終了する。
カウンタiの値がnより大きくない(すなわち、未処理のノードが存在する)と判断すると、基地局サーバ20は、カウンタiの現在の値に対応する番号のノードiの通信経路を決定する処理を行う。ここで、ノード(i−1)までの送信割合αを決定済みであるとし、基地局サーバ20がノードiの親ノード及び送信割合αを決定する手順を説明する。この場合、基地局サーバ20は、目的関数Gi−1及び暫定予測残余電力E1,・・・,E1i−1も更新済みであり、各パラメータ(送信コストf及び後述するg(j<i),hkj(j<k<i))も計算済みであるとする。
基地局サーバ20は、ノードiの親ノード候補として、無線基地局(ノード0)、ノード1、ノード2、・・・及びノード(i−1)を選択する(ステップS35)。また、基地局サーバ20は、ノード2の親ノード候補である無線基地局、ノード1、ノード2、・・・及びノード(i−1)への送信割合を、それぞれαi0,・・・,αi, i-1とする。
基地局サーバ20は、ノードiからのデータ送信によって発生する周期τ間におけるノード1、ノード2、・・・及びノード(i−1)の新たな消費電力(ノードiの中継のための消費電力)を、それぞれ式(6)を用いて求める。また、基地局サーバ20は、ノードiからのデータ送信によって発生する周期τ間におけるノードi自身の消費電力を、式(7)を用いて求める。
τλαij[g+v/(1−eij)]+τλΣj<k<iαikkj
(ノードj,j<i) 式(6)
τλΣj<iαij/(1−eij
(ノードi) 式(7)
また、基地局サーバ20は、求めた各消費電力にもとづいて、ノード1、・・・及びノード(i−1)からの送信のみを考慮した目的関数Gを、式(8)を用いて求める。
=Gi−1−τλΣ0<j<i{αij[g+v/(1−eij)]
+Σj<k<iαikkj}+cE1−cτλΣj<iαij/(1−eij
=Gi−1+cE1
−[c/(1−ei0)]τλαi0
−Σ0<j<i{c/(1−eij)+c[g+v/(1−eij
+Σj<k<iαikkj]}τλαij
=Gi−1+cE1−qi0τλαi0−Σ0<j<i(f+qij)τλαij
式(8)
ただし、式(8)において、qi0及びqijは、それぞれ式(9)及び式(10)を用いて表される。
i0=c/(1−ei0) 式(9)
ij=(c+c)/(1−eij) 式(10)
式(8)に示すように、目的関数Gは、送信割合{αij}の線形関数(αijを変数とする線形関数)となる。この場合、基地局サーバ20は、目的関数Gを最大にするために、送信割合{αij}の係数を比較し、その係数の絶対値が最小となる送信割合αを1にし他のαを0にすることによって、ノードiの親ノード及び送信割合を決定する。また、基地局サーバ20は、係数の絶対値が最小になる送信割合αが複数ある場合、それらの送信割合αに対応するノードへのデータ送信の割合が均等になるように、送信割合αを決定する(ステップS36)。
ステップS36において、基地局サーバ20は、目的関数Gにおける係数の絶対値(f+qij)が最大となるノードを、ノードiの親ノードとして決定する。この場合、例えば、ノードjを親ノードとして決定した場合、基地局サーバ20は、ノードjへの送信割合をαij*=1と決定する。また、基地局サーバ20は、ノードj以外の親ノード候補への送信割合をαij=0と決定する。なお、ノードiに対してs個(複数個)の親ノードを決定した場合、基地局サーバ20は、親ノードとして決定したノードjへの送信割合をαij*=1/sと決定する。
送信割合{αij}を決定すると、基地局サーバ20は、ノードiの送信コスト係数fを、式(11)を用いて求める。
=qi0αi0+Σ0<j<i(f+qij)αij 式(11)
また、基地局サーバ20は、目的関数Gを、送信コスト係数fを用いて式(12)に示すように書き直す(更新する)。
=Gi−1+cE1−τλ 式(12)
また、基地局サーバ20は、周期τ後のノード1、ノード2、・・・及びノードiの暫定予測残余電力を、それぞれ式(13)及び式(14)を用いて更新する(ステップS37)。
E1=E1−τλij
(ノードj,j<i) 式(13)
E1=E1−τλ
(ノードi) 式(14)
ただし、式(13)において、hij=αij[g+v/(1−eij)]+Σj<k<iαikkjは、ノードiの単位時間及び単位送信量あたりのノードjの中継消費電力である。また、式(14)において、g=Σj<iαij/(1−eij)は、ノードiからの単位時間及び単位送信量あたりの消費電力である。
基地局サーバ20は、ステップS33からステップS37までの処理を、ノード2からノードnまでの全てのノードについて繰り返し実行し、各ノードの通信経路を逐次的に決定する。そして、全てのノードについて通信経路を決定すると、基地局サーバ20は、通信経路決定の処理を終了する。すなわち、ステップS34において、カウンタiの値がnより大きいと判断すると、基地局サーバ20は、通信経路決定の処理を終了する。
次に、基地局サーバ20が行う通信経路決定の動作を、図10のフローチャートに示す手順に従って具体的に説明する。まず、基地局サーバ20は、図10に示すステップS31において、各ノードの周期τ後の暫定予測残余電力E1を、式(15)を用いてそれぞれ求める。
E1=E0−τw 式(15)
また、基地局サーバ20は、図10に示すステップS32において、ノード1の親ノードを無線基地局(BS)だけに決定する。すなわち、基地局サーバ20は、送信割合α10=1と決定する。また、基地局サーバ20は、ノード1からのデータ送信によって発生する周期τ間におけるノード1の消費電力を、式(16)を用いて求める。
τλ/(1−e10) 式(16)
また、基地局サーバ20は、f=c/(1−e10)とし、ノード1のデータ送信のみを考慮した目的関数Gを、式(17)を用いて求める。
=c[E1−(τλ/(1−e10))]
=cE1−τλ 式(17)
ここで、λはノード1からのデータ送信量であるので、fはノード1から無線基地局までの単位時間及び単位送信量あたりの目的関数に対する送信コストに相当する。
また、基地局サーバ20は、周期τ後のノード1の暫定予測残余電力E1を、式(18)を用いて更新する。
E1=E1−τλ 式(18)
ただし、式(18)において、g=u/(1−e10)は、ノード1からの単位時間及び単位送信量あたりの消費電力である。
次に、基地局サーバ20は、図10に示すステップS33からステップS37までの処理に従って、ノード2以降の通信経路を逐次決定する。まず、ノード2の通信経路を決定する手順を説明する。基地局サーバ20は、ノード2の親ノード候補として、無線基地局(ノード0)及びノード1を選択する。また、基地局サーバ20は、ノード2の親ノード候補である無線基地局及びノード1への送信割合を、それぞれα20及びα21とする。
基地局サーバ20は、ノード2からのデータ送信によって発生する周期τ間におけるノード1の新たな消費電力(ノード2の中継のための消費電力)を、式(6)を用いて求める。この場合、基地局サーバ20は、ノード1の新たな消費電力を式(19)に示すように求める。
τλα21[u/(1−e10)+v/(1−e21)] 式(19)
また、基地局サーバ20は、ノード2からのデータ送信によって発生する周期τ間におけるノード2自身の消費電力を、式(7)を用いて求める。この場合、基地局サーバ20は、ノード2自身の消費電力を式(20)に示すように求める。
τλα20/(1−e20)+τλα21/(1−e21) 式(20)
また、基地局サーバ20は、求めた各消費電力にもとづいて、ノード1及びノード2からの送信のみを考慮した目的関数Gを、式(8)を用いて求める。この場合、基地局サーバ20は、目的関数Gを式(21)に示すように求める。
=G−cτλα21[u/(1−e10)+v/(1−e21)]+cE1
−c[τλα20/(1−e20)+τλα21/(1−e21)]
=G+cE1
−[c/(1−e20)]τλα20
−{c[u/(1−e10)+v/(1−e21)]
+c[u/(1−e21)]}τλα21
=G+cE1−q20τλα20−(f+q21)τλα21 式(21)
ただし、式(21)において、q20及びq21は、それぞれ式(9)及び式(10)を用いて、式(22)及び式(23)に示すように表される。
20=c/(1−e20) 式(22)
21=(c+c)/(1−e21) 式(23)
式(21)に示すように、目的関数Gは、送信割合α20及びα21の線形関数となる。この場合、基地局サーバ20は、目的関数Gを最大にするために、送信割合α20及びα21の係数を比較し、その係数の絶対値が大きい方の送信割合αを最小にすることによって、ノード2の親ノード及び送信割合を決定する。
本実施例では、基地局サーバ20は、送信割合α20の係数q20と、α21の係数f+q21とを比較する。例えば、送信割合α20の係数がα21の係数より大きい場合、基地局サーバ20は、ノード1をノード2の唯一の親ノードとして決定する。すなわち、基地局サーバ20は、q20>f+q21である場合、送信割合α20=0及びα21=1と決定する。
また、送信割合α20の係数がα21の係数より小さい場合、基地局サーバ20は、ノード0(すなわち、無線基地局)をノード2の唯一の親ノードとして決定する。すなわち、基地局サーバ20は、q20<f+q21である場合、送信割合α20=1及びα21=0と決定する。
また、送信割合α20の係数とα21の係数とが等しい場合、基地局サーバ20は、ノード0(すなわち、無線基地局)及びノード1の両方を、ノード2の親ノードとして決定する。また、基地局サーバ20は、無線基地局及びノード1へのデータの送信量の割合が均等になるように(すなわち、それぞれ割合が50パーセントになるように)、各送信割合α20及びα21を決定する。すなわち、基地局サーバ20は、q20=f+q21である場合、送信割合α20=0.5及びα21=0.5と決定する。
なお、比較対照の送信割合の係数が等しい場合、目的関数Gの値は送信割合によらない。そのため、本実施例では、基地局サーバ20は、ノード1とノード2とのバランスを考慮して、無線基地局への送信割合α20とノード1への送信割合α21とが均等になるように、その割合を決定する。
送信割合α20及びα21を決定すると、基地局サーバ20は、ノード2の送信コスト係数fを、式(11)を用いて求める。この場合、基地局サーバ20は、送信コスト係数fを式(25)に示すように求める。
=q20α20+(f+q21)α21 式(25)
式(25)に示す送信コスト係数fは、送信割合α20及びα21を決定すると値が定まり定数となる。また、送信コスト係数fは、ノード2から無線基地局までの単位時間及び単位送信量あたりの目的関数に対する送信コストを示す。
また、基地局サーバ20は、目的関数Gを、送信コスト係数fを式(12)に適用して、式(26)に示すように書き直す(更新する)。
=G+cE1−τλ 式(26)
また、基地局サーバ20は、周期τ後のノード1及びノード2の暫定予測残余電力E1,E1を、それぞれ式(13)及び式(14)を用いて更新する。この場合、基地局サーバ20は、暫定残余電力E1,E1をそれぞれ式(27)及び式(28)に示すように更新する。
E1=E1−τλ21 式(27)
E1=E1−τλ 式(28)
ただし、式(27)において、h21=α21[g+v/(1−e21)]は、ノード2の単位時間及び単位送信量あたりのノード1の中継消費電力である。また、式(28)において、g=α20/(1−e20)+α21(1−e21)は、ノード2からの単位時間及び単位送信量あたりの消費電力である。
次に、ノード3の通信経路を決定する手順を説明する。基地局サーバ20は、ノード3の親ノード候補として、無線基地局(ノード0)、ノード1及びノード2を選択する。また、基地局サーバ20は、ノード2の親ノード候補である無線基地局、ノード1及びノード2への送信割合を、それぞれα30、α31及びα32とする。
基地局サーバ20は、ノード3からのデータ送信によって発生する周期τ間におけるノード1及びノード2の新たな消費電力(ノード3の中継のための消費電力)を、式(6)を用いて求める。この場合、基地局サーバ20は、ノード1の新たな消費電力を式(29)及び式(30)に示すように求める。
τλα31[u/(1−e10)+v/(1−e31)]
+τλα32α21[u/(1−e10)+v/(1−e21)] 式(29)
τλα32[v/(1−e32)+α20/(1−e20
+α21/(1−e21)] 式(30)
また、基地局サーバ20は、ノード3からのデータ送信によって発生する周期τ間におけるノード3自身の消費電力を、式(7)を用いて求める。この場合、基地局サーバ20は、ノード2自身の消費電力を式(31)に示すように求める。
τλ[α30/(1−e30)+α31/(1−e31
+α32/(1−e32)] 式(31)
また、基地局サーバ20は、求めた各消費電力にもとづいて、ノード1、ノード2及びノード3からの送信のみを考慮した目的関数Gを、式(8)を用いて求める。この場合、基地局サーバ20は、目的関数Gを式(32)に示すように求める。
=G−cτλ{α31[u/(1−e10)+v/(1−e31
+α32α21[u/(1−e10)+v/(1−e21)]}
−cτλα32[v/(1−e32)+α20/(1−e20
+α21/(1−e21)]
+cE1−cτλ[α30/(1−e30
+α31/(1−e31)+α32/(1−e32)]
=G+cE1
−[c/(1−e30)]τλα30
−{c[u/(1−e10)+v/(1−e31)]
+c/(1−e31)}τλα31
−{c[v/(1−e32)+α20/(1−e20
+α21/(1−e21)]+cα21[u/(1−e10
+v/(1−e21)]+c/(1−e32)}τλα32
=G+cE1−q30τλα30
−(f+q31)τλα31−(f+q32)τλα32 式(32)
ただし、式(32)において、q30、q31及びq32は、それぞれ式(9)及び式(10)を用いて、式(33)、式(34)及び式(35)に示すように表される。
30=c/(1−e30) 式(33)
31=(c+c)/(1−e31) 式(34)
32=(c+c)/(1−e32) 式(35)
式(32)に示すように、目的関数Gは、送信割合α30、α31及びα32の線形関数となる。この場合、基地局サーバ20は、目的関数Gを最大にするために、送信割合α30、α31及びα32の係数を比較し、その係数の絶対値が最小となる送信割合αを1にし他のαを0にすることによって、ノード3の親ノード及び送信割合を決定する。また、基地局サーバ20は、係数の絶対値が最小になる送信割合αが複数ある場合、それらの送信割合αに対応するノードへのデータ送信の割合が均等になるように、送信割合αを決定する。
送信割合α30、α31及びα32を決定すると、基地局サーバ20は、ノード3の送信コスト係数fを、式(11)を用いて求める。この場合、基地局サーバ20は、送信コスト係数fを式(36)に示すように求める。
=q30α30+(f+q31)α31+(f+q32)α32 式(36)
また、基地局サーバ20は、目的関数Gを、送信コスト係数fを式(12)に適用して、式(37)に示すように書き直す(更新する)。
=G+cE1−τλ 式(37)
また、基地局サーバ20は、周期τ後のノード1、ノード2及びノード3の暫定予測残余電力E1,E1,E1を、それぞれ式(13)及び式(14)を用いて更新する。この場合、基地局サーバ20は、暫定残余電力E1,E1,E1をそれぞれ式(38)、式(39)及び式(40)に示すように更新する。
E1=E1−τλ31 式(38)
E1=E1−τλ32 式(39)
E1=E1−τλ 式(40)
ただし、式(38)において、h31=α31[g+v/(1−e31)]+α3221は、ノード3の単位時間及び単位送信量あたりのノード1の中継消費電力である。また、式(39)において、h32=α32[g+v/(1−e21)]は、ノード3の単位時間及び単位送信量あたりのノード2の中継消費電力である。また、式(40)において、g=α30/(1−e30)+α31/(1−e31)+α32/(1−e32)は、ノード3からの単位時間及び単位送信量あたりの消費電力である。
基地局サーバ20は、以上に示したプロセスを繰り返し実行し、ノード2からノードnまでの親ノード及び送信割合を決定する。また、基地局サーバ20は、センサネットワークに含まれる全てのノードの親ノード及び送信割合が決定すると、決定した親ノード及び送信割合を含む経路情報を生成する。
以上のように、本実施例によれば、基地局サーバ20は、部分最適化問題解決手段を用いて、ノード2からノードnまでの通信経路を逐次的に決定する。従って、部分最適化問題解決手段を用いることによって、簡易な方法で通信経路決定装置を実現することができる。また、部分最適化問題解決手段を用いて効率的に経路決定を行えるので、経路決定における処理負担や計算コストを軽減することができる。
なお、本実施例では、ノードiの親ノード候補を選択する際にノードiよりも無線基地局に近い全てのノードを親ノード候補として選択する場合を説明したが、基地局サーバ20は、ノードiよりも無線基地局に近いノードのうち、所定の条件に従って1又は複数のノードを親ノード候補として選択してもよい。例えば、基地局サーバ20は、ノードiよりも無線基地局に近いノードjのうち、ノードiとの通信エラー確率eijが、ノードiと無線基地局との間の通信エラー確率ei0より小さいノード(すなわち、eij<ei0であるノード)を、親ノード候補として選択してもよい。また、例えば、基地局サーバ20は、ノードiよりも無線基地局に近いノードjのうち、ノードiとの通信エラー確率eijが100パーセントより小さいノード(すなわち、eij<100%であり、ノードiと通信可能であるノード)を、親ノード候補として選択してもよい。
また、本実施例では、部分最適化問題解決手段を用いて送信割合αの係数を比較する場合を説明したが、基地局サーバ20は、係数比較以外の線形計画問題の手法を用いて、親ノード及び送信割合を決定してもよい。例えば、基地局サーバ20は、シンプレックス法等の線形計画法を用いて、所定の制約条件に従って目的関数が最大となるように、各無線ノード10の親ノード及び送信割合を決定してもよい。
本発明は、マルチホップ無線ネットワークにおいて、各無線ノードの通信経路設定を行う用途に適用できる。例えば、センサシステムにおいて、センサを備えた各無線ノードの無線通信経路を設定する用途に適用できる。
本発明による通信経路決定装置を用いたマルチホップ無線ネットワークの構成の一例を示すブロック図である。 無線基地局の構成の一例を示すブロック図である。 エラー確率データベース23が記憶する通信エラー確率の例を示す説明図である。 残存電力データベース24が記憶する残存電力量の例を示す説明図である。 消費電力データベース25が記憶する消費電力量の例を示す説明図である。 無線ノード10の構成の一例を示すブロック図である。 マルチホップ無線ネットワークにおいて、各無線ノード10の通信経路を設定する処理の一例を示す流れ図である。 基地局サーバ20が各無線ノード10の所定時間後の残存電力量を予測し、各無線ノード10の通信経路を決定する処理の一例を示す流れ図である。 基地局サーバ20が行う初期化の処理の一例を示す流れ図である。 基地局サーバ20が各無線ノード10の通信経路を決定する処理の具体例を示す流れ図である。
符号の説明
10 無線ノード
11 センサ
12 データ採取手段
13 経路設定手段
14 残存電力管理手段
15 電池
16 エラー確率測定手段
17 エラー確率集計手段
18 エラー確率記憶手段
19 送受信部
20 基地局サーバ
21 情報受信手段
22 採取データ処理手段
23 エラー確率データベース
24 残存電力データベース
25 消費電力データベース
26 経路算出手段
27 情報送信手段
30 基地局装置

Claims (40)

  1. マルチホップネットワークに含まれる各ノードの通信経路を設定する通信経路設定方法であって、
    前記各ノードの所定時間後の電力の消費状況を予測する電力状況予測ステップと、
    前記予測した各ノードの電力の消費状況にもとづいて、ノード毎に親ノードを決定し、各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合を決定することによって、各ノードの通信経路を決定する経路決定ステップと、
    ノード毎に、前記決定した親ノード及び送信割合に従って通信経路を設定する経路設定ステップとを含む
    ことを特徴とする通信経路設定方法。
  2. 電力状況予測ステップで、各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測するための予測モデルを作成し、
    経路決定ステップで、前記作成した予測モデルにもとづいて、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する
    請求項1記載の通信経路設定方法。
  3. 電力状況予測ステップで、予測モデルとして所定の目的関数を作成し、
    経路決定ステップで、前記作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する
    請求項2記載の通信経路設定方法。
  4. 電力状況予測ステップで、各ノードの所定時間後の電力の残存量の和を最大化するための目的関数を作成し、
    経路決定ステップで、前記作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する
    請求項3記載の通信経路設定方法。
  5. 電力状況予測ステップで、ノード毎に所定の重み付けを行い、各ノードの所定時間後の電力の残存量の加重和を最大化するための目的関数を作成し、
    経路決定ステップで、前記作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する
    請求項3記載の通信経路設定方法。
  6. 電力状況予測ステップで、現在の電力の残存量が小さくなるに従って重みが大きくなるように、各ノードの重み付けを行う請求項5記載の通信経路設定方法。
  7. 電力状況予測ステップで、
    各ノードの現在の電力の残存量及び所定単位あたりの消費電力量を用いて、各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を求め、
    前記求めた各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を用いて、目的関数として送信割合を変数とする線形関数を作成する
    請求項3から請求項6のうちのいずれか1項に記載の通信経路設定方法。
  8. 経路決定ステップで、
    線形関数である目的関数に含まれる各送信割合に対応する係数のうち、値が最小となる係数を選択し、
    前記選択した係数に対応するノードを、処理対象のノードの親ノードとして決定する
    請求項7記載の通信経路設定方法。
  9. 経路決定ステップで、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合の係数のうち、値が最小となる係数に対応する送信割合を1に決定し、値が最小となる係数以外の係数に対応する送信割合を0に決定する請求項7又は請求項8記載の通信経路設定方法。
  10. 経路決定ステップで、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合の係数のうち値が最小となる係数が複数ある場合、前記値が最小となる係数に対応する各送信割合の値が均等になるように、前記各送信割合を決定する請求項9記載の通信経路設定方法。
  11. 所定の条件に従って各ノードに予め順位を付与する順位付与ステップと、
    処理対象のノードよりも順位が上であるノードを、処理対象のノードの親ノードの候補として選択する候補選択ステップとを含み、
    電力状況予測ステップで、前記候補として選択したノードにもとづいて目的関数を作成する
    請求項7から請求項10のうちのいずれか1項に記載の通信経路設定方法。
  12. 順位付与ステップで、通信エラーが発生する確率が小さい順に、各ノードに順位を付与する請求項11記載の通信経路設定方法。
  13. 処理対象のノードの親ノード及び送信割合を決定すると、決定した送信割合にもとづいて、処理対象のノードに対応する目的関数と、各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値とを更新し、
    処理対象のノードの次の順位のノードを、新たな処理対象のノードとして選択し、
    前記更新した目的関数及び各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を用いて、前記選択した新たな処理対象のノードに対応する目的関数を作成し、
    前記作成した目的関数にもとづいて、新たな処理対象のノードの親ノード及び送信割合を決定する
    請求項11又は請求項12記載の通信経路設定方法。
  14. 経路決定ステップで、線形計画法を用いて、電力状況予測ステップで作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する請求項3から請求項13のうちのいずれか1項に記載の通信経路設定方法。
  15. 各ノードは、無線信号を送受信する無線ノードである請求項1から請求項14のうちのいずれか1項に記載の通信経路設定方法。
  16. マルチホップネットワークに含まれる各ノードの通信経路を決定する通信経路決定装置であって、
    前記各ノードの所定時間後の電力の消費状況を予測する電力状況予測手段と、
    前記電力状況予測手段が予測した各ノードの電力の消費状況にもとづいて、各ノードの通信経路を決定する経路決定手段とを備え、
    前記経路決定手段は、ノード毎に親ノードを決定し、各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合を決定することによって、各ノードの通信経路を決定する
    ことを特徴とする通信経路決定装置。
  17. 経路決定手段が決定した通信経路を示す経路情報を生成する経路情報生成手段と、
    前記経路情報生成手段が生成した経路情報を各ノードに送信する経路情報送信手段とを備えた
    請求項16記載の通信経路決定装置。
  18. 電力状況予測手段は、各ノードの所定時間後の電力の残存量を予測するための予測モデルを作成し、
    経路決定手段は、前記電力状況予測手段が作成した予測モデルにもとづいて、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する
    請求項16又は請求項17記載の通信経路決定装置。
  19. 電力状況予測手段は、予測モデルとして所定の目的関数を作成し、
    経路決定手段は、前記電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する
    請求項16から請求項18のうちのいずれか1項に記載の通信経路決定装置。
  20. 電力状況予測手段は、各ノードの所定時間後の電力の残存量の和を最大化するための目的関数を作成し、
    経路決定手段は、前記電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する
    請求項19記載の通信経路決定装置。
  21. 電力状況予測手段は、ノード毎に所定の重み付けを行い、各ノードの所定時間後の電力の残存量の加重和を最大化するための目的関数を作成し、
    経路決定手段は、前記電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する
    請求項19記載の通信経路決定装置。
  22. 電力状況予測手段は、現在の電力の残存量が小さくなるに従って重みが大きくなるように、各ノードの重み付けを行う請求項21記載の通信経路決定装置。
  23. 電力状況予測手段は、
    各ノードの現在の電力の残存量及び所定単位あたりの消費電力量を用いて、各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を求め、
    前記求めた各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を用いて、目的関数として送信割合を変数とする線形関数を作成する
    請求項19から請求項22のうちのいずれか1項に記載の通信経路決定装置。
  24. 経路決定手段は、
    線形関数である目的関数に含まれる各送信割合に対応する係数のうち、値が最小となる係数を選択し、
    前記選択した係数に対応するノードを、処理対象のノードの親ノードとして決定する
    請求項23記載の通信経路決定装置。
  25. 経路決定手段は、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合の係数のうち、値が最小となる係数に対応する送信割合を1に決定し、値が最小となる係数以外の係数に対応する送信割合を0に決定する請求項23又は請求項24記載の通信経路決定装置。
  26. 経路決定手段は、線形関数である目的関数に含まれる各送信割合の係数のうち値が最小となる係数が複数ある場合、前記値が最小となる係数に対応する各送信割合の値が均等になるように、前記各送信割合を決定する請求項25記載の通信経路決定装置。
  27. 所定の条件に従って各ノードに予め順位を付与する順位付与手段と、
    処理対象のノードよりも順位が上であるノードを、処理対象のノードの親ノードの候補として選択する候補選択手段とを備え、
    電力状況予測手段は、前記候補選択手段が候補として選択したノードにもとづいて目的関数を作成する
    請求項23から請求項26のうちのいずれか1項に記載の通信経路決定装置。
  28. 順位付与手段は、通信エラーが発生する確率が小さい順に、各ノードに順位を付与する請求項27記載の通信経路決定装置。
  29. 処理対象のノードの親ノード及び送信割合を決定すると、決定した送信割合にもとづいて、処理対象のノードに対応する目的関数と、各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値とを更新し、
    処理対象のノードの次の順位のノードを、新たな処理対象のノードとして選択し、
    前記更新した目的関数及び各ノードの所定時間後の電力の残存量の予測値を用いて、前記選択した新たな処理対象のノードに対応する目的関数を作成し、
    前記作成した目的関数にもとづいて、新たな処理対象のノードの親ノード及び送信割合を決定する
    請求項27又は請求項28記載の通信経路決定装置。
  30. 経路決定手段は、線形計画法を用いて、電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する請求項19から請求項29のうちのいずれか1項に記載の通信経路決定装置。
  31. ノードとして、無線信号を送受信する無線ノードの通信経路を決定する請求項16から請求項30のうちのいずれか1項に記載の通信経路決定装置。
  32. マルチホップネットワークに含まれるノードであって、
    ノードの通信経路を決定する通信経路決定装置から、親ノードと各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合とを含む経路情報を受信する経路情報受信手段と、
    前記経路情報受信手段が受信した経路情報に示される親ノード及び送信割合にもとづいて、通信経路を設定する経路設定手段とを備えた
    ことを特徴とするノード。
  33. 通信エラーが発生する確率である通信エラー確率を測定するエラー確率測定手段と、
    現在の電力の残存量を測定する電力残存量測定手段と、
    前記エラー確率測定手段が測定した通信エラー確率、及び前記電力残存量測定手段が測定した電力の残存量を、通信経路決定装置に送信する送信手段とを備えた
    請求項32記載のノード。
  34. マルチホップネットワークを用いた通信システムであって、
    複数のノードと、
    前記各ノードの通信経路を決定する通信経路決定装置とを備え、
    前記通信経路決定装置は、
    前記各ノードの所定時間後の電力の消費状況を予測する電力状況予測手段と、
    前記電力状況予測手段が予測した各ノードの電力の消費状況にもとづいて、各ノードの通信経路を決定する経路決定手段とを含み、
    前記経路決定手段は、ノード毎に親ノードを決定し、各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合を決定することによって、各ノードの通信経路を決定する
    ことを特徴とする通信システム。
  35. 通信経路決定装置は、
    経路決定手段が決定した通信経路を示す経路情報を生成する経路情報生成手段と、
    前記経路情報生成手段が生成した経路情報を各ノードに送信する経路情報送信手段とを含み、
    各ノードは、前記通信経路決定装置から受信した経路情報にもとづいて、通信経路を設定する
    請求項34記載の通信システム。
  36. 電力状況予測手段は、所定の目的関数を作成し、
    経路決定手段は、前記電力状況予測手段が作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する
    請求項34又は請求項35記載の通信システム。
  37. マルチホップネットワークに含まれる各ノードの通信経路を決定するための通信経路決定プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記各ノードの所定時間後の電力の消費状況を予測する電力状況予測処理と、
    前記予測した各ノードの電力の消費状況にもとづいて、ノード毎に親ノードを決定し、各親ノードに送信するデータ量の割合である送信割合を決定することによって、各ノードの通信経路を決定する経路決定処理と、
    前記決定した通信経路を示す経路情報を生成する経路情報生成処理と、
    前記生成した経路情報を各ノードに送信する経路情報送信処理とを
    実行させるための通信経路決定プログラム。
  38. コンピュータに、
    電力状況予測処理で、所定の目的関数を作成する処理と、
    経路決定処理で、前記電力状況予測処理で作成した目的関数が最大となるように、ノード毎に親ノード及び送信割合を決定する処理とを実行させる
    請求項37記載の通信経路決定プログラム。
  39. コンピュータに、
    所定の条件に従って各ノードに予め順位を付与する順位付与処理と、
    処理対象のノードよりも順位が上であるノードを、処理対象のノードの親ノードの候補として選択する候補選択処理と、
    電力状況予測処理で、前記候補として選択したノードにもとづいて目的関数を作成する処理とを実行させる
    請求項38記載の通信経路決定プログラム。
  40. コンピュータに、
    順位付与処理で、通信エラーが発生する確率が小さい順に、各ノードに順位を付与する処理を実行させる
    請求項39記載の通信経路決定プログラム。
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