JP2006210110A - 液滴供給方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液滴を利用する場合に必要とされる、飛行経路の制御安定化、飛行速度の加速、あるいは溶媒の迅速な除去を可能とすることを目的としている。
【解決手段】 本発明は、液滴を利用する場合に必要とされる、飛行経路の制御安定化、飛行速度の加速、あるいは溶媒の迅速な除去を可能とするために、レーザーあるいは粒子ビームの照射その他の手段で、液滴の一部を、単発的に、多数回間欠的に、あるいは連続的に除去する。2枚の円筒鏡6で繰り返し反射させることで、入射した線状集光ビームを効率よく、液滴流に吸収させる。水液滴2を、液滴生成用ノズル1から発生させ、連続発振CO2レーザー3を、液滴流に線状集光照射する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ノズルから噴出させる液滴の供給方法および装置に関する。
ノズルから噴出させる液滴は、インクジェットその他様々な産業分野で利用が広まっているが、液滴技術は、パルスレーザーで生成されるプラズマを光源とするレーザープラズマ光源のターゲット供給方法としても有用である。本発明では、室温で固体で存在する材料を含め、長時間連続でレーザープラズマの材料を供給する手段としての液滴の供給方法および装置を提供することを目的とする。
短パルスレーザーを照射して生成される高温高密度プラズマはEUV領域からX線領域に亘る輻射を発生する高輝度光源である。輻射されるスペクトルは、レーザー照射条件とプラズマを構成する元素の種類で大きく異なるので、用途によってプラズマ化する材料の選択が必要である。光源の長時間連続運転のためには、プラズマ化することで失われる材料の高速での補充が必要であるが、銅、鉄、アルミニウム、タングステン、などは長尺のテープあるいはワイアにできるので、プラズマの長時間連続生成ができる。
液体は、ノズルから噴射させることで連続ジェットが形成できるので、水、アルコール、Ga(非特許文献1)など、室温近傍で液体になる材料は、高繰り返し連続照射が可能である。融点が室温より高いがそれほどは高くない錫も、液体ジェット化してプラズマ生成実験が行われている(非特許文献2)。
液体化できる材料の場合も、容器内の汚染あるいは圧力上昇を抑制するためには、連続ジェットではなく、不必要な場所に液体がないように、液滴化することが望ましい。連続ジェットは、ノズルからある距離離れた場所で噴霧状になってしまう不都合なこともあり、プラズマ生成用のターゲットとしては、一層、液滴化が望ましい。液体を吹き出すノズルに振動を与えることで、連続ジェットを液滴流に変えることができる(非特許文献3)。安定な液滴流の生成のためには、ノズル直径、液体速度、振動の周波数、振動の振幅に、ある一定の関係が必要なことが分かっている(非特許文献4、非特許文献5)。
長時間連続して高繰り返しのプラズマ光源を生成するためのターゲット供給装置には二つの条件が必要である。一つが、種々の材料の長時間連続供給、もう一つが、大きな供給速度である。
(ターゲットの連続供給)
テープ化あるいはワイア化することで、比較的長時間のターゲット供給が可能であるが、テープ化あるいはワイア化できる材料は、極めて限定される。テープ化あるいはワイア化できる場合でも、その長さは限られている。
テープ化あるいはワイア化ができず、また、液体にもできない元素でも、水などの液体に、その元素を含む微粒子を混入し、液体ジェットにすることで、連続供給できる。テープ化あるいはワイア化できる材料であっても、微粒子化して液体ジェット化することで、実用上無限時間の供給が可能になる。
液滴に微粒子を含有させることで固体材料を連続供給する手法に関しては、特許出願がなされている(特許文献1)。プラズマを生成するためのパルスレーザーを、液体に直接照射すると、溶媒表面の数μm程度のみがプラズマ化され、内部に含まれている微粒子がプラズマ化されない。この問題は、液体を液滴化して供給し、プラズマ化する前に、液滴の溶媒が除去できれば解決できる。しかし、液滴溶媒の除去に関する現実的な手法は、これまでに提示されていない。
(液滴の速度)
プラズマ光源の場合、液滴同士が接近しすぎると、直前の液滴で作られたプラズマのGPaにも達する圧力により、次のショットのための液滴が吹き飛ばされてしまう。プラズマの膨張とともに半径の5乗に反比例して圧力は急激に低下するので、液滴の間隔を広げれば、この問題は解決できる。プラズマ光源の繰り返し率を高くして且つ、液滴の間隔を広げるには、液滴の供給速度を大きくしなければならない。
液滴の全てがプラズマ化する場合を考える。液滴の断面積をS、供給速度をV、液滴間の距離をL、プラズマの膨張速度をv、とおけば、前のショットで生成された膨張するプラズマとの衝突で次のショットの液滴が大きく減速されないためには、本発明者の理論考察に依れば、V/v>> (3/4π) S/L2 が必要である。プラズマの膨張速度はv=5E4m/sec 程度であるから、液滴の直径がd=100μmの場合、もしV=10m/secであれば、L2 >> (3/4) d2 v/V= (6 mm)2 になり、クラスター間の距離はL>>6mmが必要になる。繰り返し率はR=V/Lであるから、繰り返しは1kHz程度が上限、ということになる。
プラズマ光源で大きな変換効率を実現するには、広い領域に一様な密度分布でターゲットを供給することが重要であることを、本発明者が明らかにしている。これを実現するために、多数の微粒子からなるクラスターをプラズマ生成領域に供給し、プラズマ生成直前にクラスターを拡散する手法を、開示している。直径500μmで固体密度の1/5,000の密度のターゲット供給のためには、微粒子クラスターの直径は、30μmになる。微粒子クラスターの供給法として、微粒子を含む液体を液滴にし、溶媒を蒸発させて微粒子を凝集させクラスター化する手法も開示している。上の式から、直径が30μmの微粒子クラスターであれば、必要な間隔はL>>2mmになり、クラスターの飛行速度が10m/secの時、繰り返し率は3kHz程度まで可能ということになるが、EUVリソグラフィーの量産時に必要とされる10kHzの繰り返しは困難である。
L2>> (3/4) d2 v/V => L >> (3 v /4 V) 1/2 d => V/L<< V(4 V/3 v) 1/2 /d であるから、R=V/L << 2V3/2/d(3v)1/2 になるので、供給速度Vを大きくすることで、繰り替し率Rが高くできる。例えば、1E4/sec x 3E-5m x 4E2 (m/sec)1/2 = 120 (m/sec)3/2<< 2V3/2 であるから、V>> 16m/secにできれば、直径d=30μmの微粒子クラスターの、10kHz繰り返しでの供給が可能になる。
射出速度を大きくするには、ノズルから液体を噴出させるときの圧力を大きくすれば良い。押し出す圧力をp、液体の密度をρ、噴出する速度をvと置くと、圧力差が全部運動エネルギーに変換されるならば、p=ρv2/2である。比重が1の水では、10気圧(1MPa)で押し出せば、ノズル内壁での抵抗が無視できれば、44m/secで噴射することになる。実際にはノズル内壁での抵抗があるのでこれより若干遅くなるが、大きな圧力を掛けることで、大きな速度で押し出すことが可能である。
しかし、安定な液滴生成を行うには、液体の流れを層流にしなければならない。層流になるのは、流体の大きさL、粘性v、および速度Uから決まるレイノルズ数Re= UL/vが1,200以下の時である。直径30μmの微粒子クラスターを搬送するための液滴径は0.1mm以上になる。水の粘性vはv= 1E-6 m2/secであるので、直径が0.1mmでは、噴出速度12m/sec以下で層流になる。それ以上の速度では、乱流になり、安定な液滴生成はできない。つまり、液滴の射出速度は、ノズル径100μmで10m/sec程度、200μmで5m/sec程度より大きくはできない。
従って、液滴速度を大きくするには、ノズル噴出後に液滴を加速する必要がある。イオン加速器の類推から、粒子を帯電させて電界加速する手段が考えられる。例えば、非特許文献3には、電界の印加で粒子を選別する手段が記述されている。ノズルから噴出された粒子を帯電させ、選別したい粒子にだけ電界を印加して運動方向を偏向し、ノズルから80 mm程度の場所に設けた小さな穴を通過させる、という手法である。この手法では、偏向する距離は2 mm程度で良く、電界印加で与えられる水平方向の速度は、鉛直方向の速度の1/40程度である。つまり、例えば5m/secで鉛直方向に飛行する質量1μgの水滴(直径約100μm)を選別するには、水平方向に0.1 m/secで運動させれば良く、与える運動エネルギーは10 nJである。
ところが、プラズマ光源を高繰り返しで供給のために行なわなければならない鉛直方向への加速は、例えば20 m/secと、大きい。粒子選別のために行う水平方向への0.1 m/sec程度への加速と比較すると、400倍の大きさであり、運動エネルギーでは40,000倍を与えなければならない。従って、電界加速では、数十μm以上の径の微粒子の加速は極めて困難である。
(蒸発)
溶媒の蒸発に関しては、マイクロ波加熱が考えられるが、以下で示すように、高速で飛行する液滴への適用は困難である。
一般家庭に普及している電子レンジでは、2.45 GHzのマイクロ波の照射により水の電気双極子が振動し、その誘電損失によって冷凍食品の解凍などが行なわれる。文献に依れば、500Wの電子レンジで10 mlの水を加熱すると、30秒で60度の温度上昇があるとされている。加熱時間30秒は食品の解凍に於いては十分に短いが、液滴加熱に於いては長すぎる。後で詳しく議論するように液滴の速度は10m/sec以上が必要なので、加熱中に300 mも飛行することになり、実用的な距離ではない。
2.45 GHzのマイクロ波は波長120mmであり、ミラ-を用いても100 mm以下への集光はできないので、直径1 mm以下の液滴を高密度で加熱するには、マイクロ波電力を大きくすることになる。しかし、以下の考察で分かるように、マイクロ波加熱では、液滴を迅速に蒸発させようとしてパワーを上げると、表面からの穏やかな蒸発ではなく、内部からの突沸が起きる。
液滴の直径は1 mm以下であるので、波長120mmのマイクロ波での加熱では、液滴全体が均一に加熱される。一方、気化熱により、液滴表面が冷却される。中心部は、冷却された液滴表面への熱伝導によって冷却される。液滴全体が吸収するパワーと、液滴表面からの気化熱パワーが釣り合う。この状態は、熱伝導方程式
d2T/dr2+ (2/r) dT/dr + Q0/K =0 ----(1)
で記述される。ここで、Q0は単位体積当たり吸収パワー、Kは溶媒の熱伝導係数である。
これを解くと、図1に示す液滴内の温度分布が求まる。図1は、マイクロ波などによって均一に液滴が熱せられ、液滴表面は気化熱で冷却される場合の、液滴内の温度分布を示している。中心部の温度が高い放物線形状の温度分布をしており、液滴中心と液滴表面との温度差ΔTは、ΔT=(Q0/6K) r0 2 である。r0 は液滴半径である。Q0を、気化速度Znと気化熱Eevapを使って表すと、Q0=3Zn Eevap/r0であるので、ΔT=Zn Eevapr0/2Kになり、液滴径が大きいほど、また気化速度を大きくするほど、内部の温度が高くなる。
水の場合、Eevap=2.2 kJ/g、K =0.7 W/mK程度であるので、半径r0が0.1mmの液滴を10msecで蒸発させる気化速度つまり、Zn =0.1 mm/10 msecの時、ΔT=1600度 になる。摂氏400度で蒸気圧が200気圧であるから、蒸気圧は千気圧を越え、液滴は爆発する。気化速度Znを1/100に小さくすれば、温度上昇は16度になるので、突沸が防げる。しかしそれでは、半径r0=0.1mmの液滴が蒸発するのに1秒も掛かってしまう。速度が10 m/secの場合に10 mも飛行してしまい、実用的装置にはなり難い。
上の事情があるので、一様加熱の場合には、突沸を避けて、実用的に許容されると言える距離1-2 mで加熱を完了するには、液滴の大きさを小さくする必要がある。半径をr0=0.025 mmに小さくすれば、速度が20m/secの場合でも1.25 mで完全蒸発できる計算である。
単純な一様加熱では、液滴の半径が大きく制限を受けることになり、種々の応用で不都合なことが生じることが考えられる。液滴の大きさの制限を緩和する手法が望まれる。さらに、液滴を長距離飛行させると、次に述べるような、安定性の問題が深刻化する。
(液滴の進行方向の安定性)
液滴の射出方向には揺らぎが避けられない。ノズルの形状、液滴発生容器の振動などによって、1%程度の揺らぎが生じることは珍しくない。また、蒸発空間を排気すると、液滴経路が不安定化すること、不安定の大きさは、連続ジェットよりも液滴ジェットが大きいことが、我々の経験から分かっている。これは、排気に伴う気流で、液滴が影響を受けるためと解釈できる。液滴の進行方向に1%の揺らぎがある場合、100mm飛行するとき、通過する場所が1mm変動する。極めて緩やかな蒸発のための1mを越える加熱距離が必要な場合は、液滴で搬送する微粒子の位置は10mmも変動することになる。
非特許文献3には、1.液滴の内60%が、ノズルから80 mmの所で、直径(150-400 μm)の1/10程度以下の変動であったが、残り40%はそれ以上の変動があった、と報告している。また、2.ノズル空間の圧力を下げすぎると、蒸発によってノズルが冷却され、瞬間的に詰まることがあるので、それを避けるために、300-500Paにしていること、3.よりよい真空度を得るために、微小開口を通した差動排気を行うが、ノズル空間と微小開口の下部との圧力差が1E4 Pa以上になると、強い空気の流れにより液滴が粉々になること、4.このためノズル空間の圧力を600-1,000Paに下げているが、液体窒素を用いるクライオポンプの使用で、微小開口の下部の空間の圧力を15 Paに出来たが、液滴の位置は微小開口から150 mmで2.5 mmもの変動がある、と報告している。このように種々の要因で、液滴の進行方向が揺らぐ。
液滴を微粒子搬送の手段として利用する場合には、溶媒の蒸発が必要であるが、液滴搬送する微粒子クラスターの直径は0.03 mm程度であり、微粒子クラスターを照射するレーザーは、効率を考えると、液滴径程度に集光することになるので、安定なプラズマ生成のためには、液滴の位置変動を、液滴径程度に抑える必要がある。液滴の加熱で議論したように、短い飛行距離での蒸発は容易でなく、1mを越える蒸発空間が必要になることもあり得る。その場合でも、液滴の位置変動は30 μm以下であるから、液滴飛行経路の角度安定度は、3E-5程度の精度が必要になる。このような超安定液滴飛行は、外部からの制御無しでは、不可能と考えられる。
特開2004-288517号公報 A.Thoss et al, J.Opt. Soc. Am B20(2003) 224: Kilohertz sources of hard x rays and fast ions with femtosecondlaser plasmas P. A. C. Jansson, et al., Appl. Phys. Lett.84, (2004)2256; Liquid-tin-jetlaser-plasma extreme ultraviolet generation Schwenn and Sigel, J.Phys.E: Sci.Instrum.7 (1974) 715): Continuous droplet source for plasma production withpulse lasers Rayleigh Lord, Proc. R. Soc., 29(1879) 81 吉田照彦、永井伸樹、日本機会学会論文集(B編)第46巻 171 (1980):振動による均一粒径液滴群の生成に関する研究
上述のように、長時間連続高繰り返しでプラズマ生成ための微粒子クラスターを液滴で搬送する手法に於いて求められる、液滴の飛行経路の精度と液滴速度の両方とも、従来技術では、得られない。
本発明は、液滴を利用する場合に必要とされる、飛行経路の制御安定化、飛行速度の加速、あるいは溶媒の迅速な除去を可能とすることを目的としている。
本発明は、液滴を利用する場合に必要とされる、飛行経路の制御安定化、飛行速度の加速、あるいは溶媒の迅速な除去を可能とするために、レーザーあるいは粒子ビームの照射その他の手段で、液滴の一部を、単発的に、多数回間欠的に、あるいは連続的に除去する手段を提供する。
(突沸の抑制)
マイクロ波加熱の場合に、迅速な蒸発を行おうとすると液滴中心部の温度が極めて高くなって突沸する問題は、吸収係数の大きなエネルギー源で溶媒を除去することで解決する。吸収係数αの大きなエネルギー源で液滴表面を均一に加熱する場合の熱伝導方程式は(2)式になる。
d2T/dr2+ (2/r) dT/dr + Q0exp(-α(r0-r))/K=0 ----(2)
この解は、T =(Q02K) {(1-2/αr0) -(1-2/αr) exp(-α(r0-r)}+ T0であり、図2の様になる。図2は、吸収係数の大きな熱源で、液滴表面を一様に加熱する場合の、液滴内の温度分布を示している。吸収係数を大きくすることで、内部の温度上昇が小さくできる。図4及び図7に示すような、液滴中心部を照射しない配置にすることで、内部の温度上昇が、一層小さくできる。
内部の温度上昇 ΔT=Q0/(α2K) = Eevap Zn /αK は、吸収係数αを大きくすることで小さくできる。
吸収係数αは、α=1,000 cm-1以上が必要であるが、電子ビームやイオンビームなどの粒子ビームは、ナノメーターの深さの極く表面で吸収されるので、利用可能である。但し、粒子ビーム、特に電子ビームは、極微量のガスにも吸収散乱されるので、蒸発した液滴分子の排気が重要である。
(局所加熱)
(2)式の結果に、気化速度Zn=0.1 mm /10 msecと、吸収係数α=1,000 cm-1を代入すると、内部の温度上昇ΔT=330となり、吸収係数を大きくすることで温度上昇がかなり軽減される。これは、液滴表面を均一に加熱する場合であるが、飛行経路の制御あるいは加速のために局所的に加熱する場合は、内部の加熱パワーが減るので、内部温度の上昇量がさらに小さくできる。
液滴の大きさは0.1mm程度であり、局所的加熱を行うために、除去用レーザーの波長での吸収係数αは1E3 cm-1程度以上が必要である。このため、本発明では、CO2レーザーを用いる手段を提供する。CO2レーザーの波長10μmでは水の吸収係数は1/(10μm)程度と十分に大きく、局所的加熱が可能である。溶媒そのものの吸収係数は小さくても、吸収係数の大きな色素を溶解することにより、除去用レーザーの吸収が大きくできる。
溶媒による線形吸収係数が小さい場合に、本発明では、極短パルスレーザーを照射する手段を提供する。1E10 W/cm2以上に照射強度を高くすると非線形吸収によってレーザー光が吸収され、液滴表面がアブレーションする。アブレーションによる衝撃が大きすぎると、液滴が分裂してしまうので、アブレーションは、多数回に分けて行う。アブレーションによる液滴全体への衝撃を小さくするには、パルスエネルギーを小さくする。一方で、非線形吸収を大きくするために高いピ-クパワーが必要であり、パルス幅は短くする。場合によってはナノ秒パルスも使用が可能であるが、通常はサブピコ秒以下が望ましい。
(液滴の位置制御と加速)
吸収係数が大きいと、局所的な加熱による局所的な蒸発が可能になり、これを利用した液滴の飛行経路の位置制御および加速が可能になる。
微粒子クラスターの質量がm、それを含む液滴溶媒の質量がMである液滴をターゲット供給手段として利用する場合について言えば、M>>mの場合、図3に示すように、溶媒の極く一部の質量を液滴の側面の一箇所から蒸発させることで、蒸発の反作用で液滴の運動方向が変わる。図示のように、液滴2の表面を、レーザービーム3などで不均一に加熱して不均一に蒸発させることで、液滴2の運動方向を変更させることができる。液滴が射出されるときの速度をv、溶媒分子が液滴を離れる速度をVと置くと、Vは300m/sec程度であり、vは10 m/sec程度であるので、液滴の速度方向を1/100だけ変えることができ、液滴の位置制御が可能である。
図4に示されるように、液滴の、対象な四方向の斜め上方から、連続発振CO2レーザーで照射すれば、液滴下部からの蒸発量が少ないので、飛行速度の加速が行われる。下方からの蒸発量より上方からの蒸発を大きくすることで、蒸発の反作用により、残された液滴の下方への速度が増す。微粒子クラスターを含む液滴の場合、溶媒を全部蒸発させたあとに残される微粒子クラスターの速度を、数百m/secに加速することも可能である。
図4は、微粒子を含む水液滴を、斜め上の四方向からCO2レーザーで照射する図であり、左図は正面から、右図は上から見た図である。飛行軸上のレーザー照射強度を低くすることで、液滴の飛行経路の安定化が図られる。この配置では、液滴の飛行経路の安定化と同時に、下方への加速も行われる。図4の右図に示すように、飛行軸上の強度を低くすれば、液滴が飛行軸から外れると、外れた方向からの蒸発量が多くなり、その反作用で、液滴を飛行軸に戻す力が働き、飛行経路の安定化が行われる。
(線状集光照射)
エネルギーの有効利用のために、直径0.1 mm程度の液滴にレーザービームを集光したい。一方で、液滴は10 m/sec以上の高速で飛行しており、また、突沸を避けるために蒸発時間は数ミリ秒以上が必要であるので、加熱中に数十cmの距離を飛行する。そこで、本発明は、線状の集光を行う手段を提供する。
(透過ビームの再利用)
前述したように、液滴間の距離は、加速により、最終的にはL>>6 mmが必要である。液滴の直径は0.1mm程度であるので、線状集光ビームの1/100以下しか利用されない。ノズルから噴出直後の液滴間隔は、液滴直径の4から8倍であり、線状集光ビームの利用率は、10-20%程度である。
照射レーザーの利用率を高くするために、本発明は、液滴流を透過した線状集光レーザービームを利用する手段を提供する。液滴流に照射される線状集光レーザービームの大半は、透過する。この透過したビームを、反射して、再度液滴流を線状集光する。反射されて再度照射されたビームも、また、大半が透過する。この透過ビームを再度反射して再々利用する。この手段で、利用率が高くでき、加熱レーザーのパワーを下げることができる。
(差動排気)
[背景技術]の(液滴の進行方向の安定性)で述べたように、液滴を噴出する空間の真空度は数百Paに止まる。多くの場合、プラズマ発生領域の真空度をより高くすることが望まれる。非特許文献3にも記述があるが、液滴が通過する微小開口が備わった隔壁により仕切られた空間を設け、差動排気を行うことで、より高い真空度の空間に液滴を導くことが出来る。しかし、低真空空間から差動排気空間に微小開口を通じた気流が流れ、それにより液滴の運動が乱される。非特許文献3の報告に依れば、低真空空間ではノズルから80
mmの所で、直径(150-400μm)の1/10程度以下、つまり0.03 mm程度、の変動であったが、微小開孔通過後の変動は、150 mmで2.5 mmと、極めて大きくなった。
このため本発明は、一つあるいは複数の差動排気空間を設け、液滴噴出空間から隔壁で仕切られた差動排気空間の一つあるいは複数の空間に於いても液滴除去作業を行う手段を提供する。液滴噴出空間で液滴の体積の一定量の除去を行ったのち、隔壁の微小開孔を通過させて差動排気空間に導入する。差動排気空間においても、飛行軸上の強度を低くした液滴除去を行う。液滴が飛行軸から外れる時に外れた方向からの蒸発量を多くし、その反作用で液滴を飛行軸に戻す力を働かせる。これにより、隔壁の微小開孔を通る気流により引き起こされる液滴の軌道の不安定性が制御できる。
隔壁の微小開孔の口径を1 mmにし、排気能力10 l/secの真空ポンプで差動排気することで、差動排気空間の圧力を2桁上げることができる。液滴噴出空間の圧力が1,000Paであれば、差動排気空間の圧力は10 Paになる。1E-3 Pa以上の真空度が必要な場合は、更に2段の差動排気を追加する。初段の佐差動排気空間の圧力は十分低く、追加する差動排気用微小開孔を液滴が通過しても軌道が影響を受けることは殆どない。従って、追加差動排気空間での液滴除去作業を行う必要はない。しかし、必要によっては、追加する差動排気空間においても、軌道安定化のための液滴除去作業を行う。
本発明によれば、プラズマ光源のターゲットとして、室温で固体である材料を用いる場合に、高繰り返し・長時間連続の供給が可能になる。
また、本発明によれば、固体材料を含むあるいは含まない液滴の飛行経路の安定化が安定化できる。
さらに、本発明によれば、液滴の加速が行えるので、液滴間隔が増大され、プラズマの圧力で制限される光源のマルチkHz化が可能になる。
以下、例示に基づき、本発明を説明する。尚、以下では、レーザープラズマ光源のためのターゲット供給としての液滴供給法の説明を行っているが、本発明で提供する手法及び装置は、それ以外の広範な用途へも適用可能である。
図5に、第一の実施形態を示す。図5は、二枚の円筒鏡を用いた、液滴流の連続線状集光光学系を示す図である。図中、1は液滴生成用ノズル、2は微粒子を含む液滴、3は溶媒蒸発用CO2レーザー、4は線状集光用レンズ、5は線状集光されたレーザービーム、6は多重線状集光するための円筒鏡対をそれぞれ示している。2枚の円筒鏡6で繰り返し反射させることで、入射した線状集光ビームを効率よく、液滴流に吸収させることができる。直径0.1 mmの水液滴2を、速度10 m/sec、繰り返し率10 kHz、液滴間隔1mmで、液滴生成用ノズル1から発生させる。出力100 Wの連続発振CO2レーザー3を、長さ10 mm、集光幅0.15 mmで、液滴流に線状集光照射する。
液滴で微粒子を搬送する場合、CO2レーザーは溶媒に選択的に吸収され、また、液滴内の微粒子がレーザーエネルギーを吸収して温度上昇することがあっても、熱伝導により溶媒の温度が上昇し、溶媒の気化により冷却されるので、融解温度が千度程度の微粒子が溶解することはない。
液滴の間隔が1 mmで液滴直径が0.1mmであるから、線状集光ビームの10 %が吸収され、残りの90 %は通過する。この透過ビームを、反対側に置いた円筒鏡で反射して、再度、液滴流に線状集光照射する。このビームも大半が透過するので、再び、今度はビームを入射した側に設置した円筒鏡で反射して、再度線状集光照射する。
図6に上から見た線状集光が示されている。同心の円筒鏡を用いることで、2枚の円筒鏡で反射されたビームは、全て、液滴の飛行軸近傍に集光される。2枚の円筒鏡の曲率中心を同心にさせることで、2枚の円筒鏡で繰り返し反射されたビームの全てがほぼ中心に集光される。このように、入射レーザーのエネルギーが、高い効率で、液滴の加熱に利用できる。
図7に、液滴近傍の拡大図を示す。レーザービームの液滴近傍の経路の拡大図が示されている。中心部の強度を低くして、液滴の飛行経路を安定化する。線状集光ビームは、飛行軸上の強度を低くしており、液滴が飛行軸から外れると、外れた方向からの蒸発量が多くなり、その反作用で、液滴を飛行軸に戻す力が働き、飛行経路の安定化が行われる。
図5に示すように、斜め上方から照射して、液滴上部からの蒸発量が多いので、液滴の飛行速度の加速も行われる。
パワー100 W、長さ10mm、幅0.15 mmの線状ビームの内、約1/200、つまり約0.5 Wが一つの液滴に吸収される。速度10 m/secの液滴が10 mmの距離を飛行する時間は1msecであるが、この間に吸収するエネルギーは0.5 mJであり、これが気化熱で消費され、約230 ngが蒸発する。つまり、表面が均一に蒸発する場合に換算すると、7μmの厚さが蒸発する。蒸気圧7,000 Paに相当し、表面温度は40度C程度になる。
図5では、レーザービームを左側からのみ、入射させているが、対向側からも入射することで、蒸発の対象性が改善できる。
また、円筒鏡対を、図示した方向と直交する方向にも設置することで、液滴の飛行経路の安定性が高められる。角度を4等分ではなく、6等分あるいは8等分等、照射方向の数を増やすことで、飛行経路の安定性が一層高められる。
第二の実施形態では、直径0.1 mm、速度10 m/sec、繰り返し率10 kHz、液滴間隔1 mmで発生させた水液滴の溶媒の除去に、出力40 Wの40 kHz繰り返しの波長800nmのフェムト秒Ti:Sレーザーを用いる。レーザーのパルス幅を1 psにすると、長さ1 mm、集光幅0.15 mmで、液滴流に線状集光照射するとき、1mJ /(1ps x 0.1cm x 1.5E-2cm)=6.6E11 W/cm2となり、非線形吸収により、液滴表面でレーザー光が吸収され、液滴表面がアブレーションされる。
パルスエネルギー1mJ、長さ10 mm、幅0.15 mmの線状集光ビーム(1mJ/(10mm x 0.15mm = 60mJ/cm2)の内、約1/20、つまり約5μJが一つの液滴に吸収される。これが気化熱で消費され、約2 ngが蒸発する。つまり、表面が均一に蒸発する場合に換算すると、
20E-12/ π 1E-4 =6E-8cm = 60 nm
60 nmの厚さが蒸発する。このパルスを1000ショットの照射、つまり25msecで、直径0.1 mmの液滴全部が、除去される計算になる。
第2の実施形態では、一つには、非線形吸収における物質選択性は小さいこと、二つ目には、数μs以下の瞬時にアブレーションが生じるが、その間の熱拡散距離はサブμmであること、のために、微粒子の溶解も生じ得る。液滴内の微粒子の融合を避けるには、照射エネルギー密度を低くする必要がある。
粒子の熱伝導度は水のそれより二桁程度大きいので、直径が0.1μm程度の微粒子の場合、1 ns以下の瞬時に、微粒子全体の温度がほぼ一様になる。融点が摂氏232度の錫の場合、比熱が6.5cal/(mole K)程度であるから、200 x 6.5 cal/(mole K) x 4.2J/cal x (1/2) x (1E-5cm)3 x7/119 = 0.16 pJのエネルギーの吸収で、直径0.1μmの錫微粒子が、室温から融点まで温度上昇する。つまり単位面積、0.16 pJ / (π/4) (1E-5cm)2 = 2 mJ/cm2、以下にしておけば、融点に届かないので、微粒子同士が融着することはない。
照射エネルギー密度が2 mJ/cm2以上でも、融着は容易には起きない。微粒子が液滴表面に露出している場合に、微粒子が加熱されるが、熱伝導度が低いとは言え、数十nsの時間で、微粒子の周りの0.1μmの水は熱せられる。摂氏200度では、水の蒸気圧は3 MPa程度で、気化速度は3.3m/secになるので、微粒子の周りの0.1μmの水は、30 nsで気化することになる。それにより、微粒子から3.4E-6Jの気化熱が奪われる。
(π/2)(1E-5)2x 1E-5 x 2.2kJ = 3.4E-12 J
これは、直径0.1μmの錫微粒子を融点にまで温度上昇させるに必要なエネルギー0.16 pJより大きい。つまり、直径0.1μmの錫微粒子の温度は、錫微粒子を囲む水の気化熱とのバランスで決まる。先の求メーター値の20倍、つまり、40mJ/cm2の照射でも、錫微粒子は融点にならない。
周りの水の気化熱による冷却効果を考慮しない場合でも、微粒子の直径を1μmにすれば、許容できる照射エネルギー密度が一桁大きくなる。また融点が1000度を越える酸化錫微粒子の場合には、さらに一桁高いエネルギー密度の照射が許容される。つまり、酸化錫微粒子を用い、融着を1μmまで許容すれば、0.2 J/cm2の照射が許容される。これにより、溶媒を除去し終わるまでの時間が短縮できる。
溶媒の蒸発が進んで、液滴中の微粒子の密度が高くなるまでは、微粒子が液滴表面に出て直接加熱される確率は低く、その微粒子が他の微粒子と接触している確率は一層低いので、より高いエネルギー密度での照射を行っても、微粒子同士の融着が起きる確率は小さい。従って、実用上は、J/cm2のオーダーの照射を行っても大きな支障はない。
第2の実施形態に於いても、第一の実施形態で示した図5から7の照射配置にすることで、レーザーエネルギーの有効利用、液滴飛行経路の安定化、飛行速度の加速を行う。
第2の実施形態では、物質選択性がないので、溶媒の蒸発が進んで、液滴中の微粒子の密度が高くなったあとは、第1の方法を併用することが良い。特に、微粒子が凝集する程度に密度が高くなると、瞬間的な熱膨張により大きな加速度が発生し、それによる微粒子クラスターの分解が起きる。このクラスターの分解は、20 mJ/cm2程度以上で顕著になる。溶媒の大半が蒸発した段階で照射するCO2レーザーのパワーは非常に小さくて良い。例えば、数Wでも良い。また、CO2レーザーの照射を、必ずしも、線状集光する必要はなく、さらに、2枚の円筒鏡による繰り返し反射をさせる必要もない。
第三の実施形態を図8に示す。ノズル1から噴出される液滴2がCO2レーザー3で除去される空間7と隔壁8で仕切られた空間10を、図示しない真空ポンプで排気する。液滴2は隔壁8に設けられた微小開口9を通じて差動排気空間10に供給される。微小開口9の口径を1
mm程度にすると、空間10を排気する図示しない真空ポンプの排気速度が10 l/secの場合、空間10の真空度を空間7より二桁改善できる。より高い真空度が必要な場合、図8に例示するように、隔壁8―2,8−3で仕切る差動排気空間10―2.10−3を複数設ける。
液滴噴出空間7から差動排気空間10に微小開口9を通して気流が発生し、それにより、微小開口9を通過後の液滴2の軌道がふらつく。液滴2の軌道を安定化するため、差動排気空間10においても、CO2レーザー3を、液滴を導く飛行軸中心での強度を低くした照射による液滴の除去を行う。
マイクロ波などによって均一に液滴が熱せられ、液滴表面は気化熱で冷却される場合の、液滴内の温度分布。 吸収係数の大きな熱源で、液滴表面を一様に加熱する場合の、液滴内の温度分布。吸収係数を大きくすることで、内部の温度上昇が小さくできる。図4及び図7に示すような、液滴中心部を照射しない配置にすることで、内部の温度上昇が、一層小さくできる。 液滴2の表面を、レーザービーム3などで不均一に加熱して不均一に蒸発させることで、液滴2の運動方向を変更させることができる。 下方への加速をしないで、液滴の飛行経路の安定化だけを図る場合の照射配置例。右図は、上から見た図。 二枚の円筒鏡を用いた、液滴流の連続線状集光光学系。2枚の円筒鏡で繰り返し反射させることで、入射した線状集光ビームを効率よく、液滴流に吸収させることができる。 上から見た線状集光。同心の円筒鏡を用いることで、2枚の円筒鏡で反射されたビームは、全て、液滴の飛行軸近傍に集光される。 レーザービームの液滴近傍の経路の拡大図。中心部の強度を低くして、液滴の飛行経路を安定化する。 複数の差動排気空間を設けて、高真空空間に液滴を導く。隔壁に設けた微小開口を通過する際、液滴の飛行が揺らぐので、差動排気空間に於いても、液滴の除去を行い、飛行軌道の安定化を行う。
符号の説明
1 液滴生成用ノズル
2 微粒子を含む液滴
3 溶媒蒸発用CO2レーザー
4 線状集光用レンズ
5 線状集光されたレーザービーム
6 多重線状集光するための円筒鏡対
7 液滴噴出空間
8 差動排気用隔壁
9 液滴通過用微小開口
10 差動排気空間

Claims (18)

  1. ノズルから噴出させる液滴の供給方法において、
    レーザーあるいは粒子ビームの照射手段で、液滴の一部を、単発的に、多数回間欠的に、あるいは連続的に除去すること、
    を特徴とする液滴供給方法。
  2. 液滴を導く飛行軸中心における除去量を小さくし、飛行軸から外れると除去量を増大することを特徴とする請求項1に記載する液滴供給方法。
  3. 液滴の進行の前方方向からよりも後方方向からの除去量を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載する液滴供給方法。
  4. 微粒子を含む溶液が通過する微小開口が備わった隔壁により仕切られた空間を一つあるいは複数設けて差動排気を行い、液滴噴出空間から隔壁で仕切られた差動排気空間の一つあるいは複数の空間に於いても液滴除去作業を行うことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載する液滴供給方法。
  5. 溶媒に対する吸収係数の大きな波長のレーザーを用いること、あるいは、溶液の溶媒に、色素の溶解など、溶媒除去用レーザーの吸収を大きくする手段を施したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載する液滴供給方法。
  6. 極短パルスレーザー照射によるレーザー誘導アブレーションあるいは衝撃により液滴表面を除去することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載する液滴供給方法。
  7. 微粒子を含む溶液を液滴とすることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載する液滴供給方法。
  8. ノズルから噴出させる液滴の供給装置において、
    液滴生成装置と、
    液滴の一部を単発的に多数回間欠的にあるいは連続的に除去するためのレーザーあるいは粒子ビームの照射手段と、
    を備えたことを特徴とする液滴供給装置。
  9. レーザーあるいは粒子ビームの一部を遮蔽するか、あるいは、複数の方向から複数のレーザーあるいは粒子ビームを組み合わせることにより、液滴流を導きたい飛行軸中心での強度を低くした照射ができる機能を備えた、請求項8に記載する液滴供給装置。
  10. 液滴の進行方向の部分の照射強度より後方部分の照射強度を強くしたことを特徴とする請求項8又は9に記載する液滴供給装置。
  11. レーザーあるいは粒子ビームを、液滴の進行方向に長くそれと直交する方向に細い形状の線状集光を行うことを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載する液滴供給装置。
  12. 液滴流を透過した線状集光レーザービームを円筒鏡などを用いて再度液滴流を線状集光すること、あるいは、複数枚の円筒鏡の反射を用いてレーザービームの多数回の線状集光を行うことを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載する液滴供給装置。
  13. 液滴が追跡照射できる複数のレーザーあるいは粒子ビームが、一つあるいは複数の液滴を追跡照射できる機能を備えたことを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載する液滴供給装置。
  14. 微粒子を含む溶液が通過する微小開口が備わった隔壁によって仕切られた一つあるいは複数の空間を設けてそれぞれの空間の差動排気を行い、液滴噴出空間および隔壁で仕切られた空間のなかの、一つあるいは複数の空間が液滴除去機能を備えたことを特徴とする、請求項8から13のいずれかに記載する液滴供給装置。
  15. 溶媒除去用にCO2レーザーを用いることを特徴とする請求項8から14のいずれかに記載する液滴供給装置。
  16. 溶媒除去用に、サブピコ秒極短パルスレーザーを用いることを特徴とする請求項8から15のいずれかに記載する液滴供給装置。
  17. 極短パルスレーザーの繰り返し率は1kHz以上であることを特徴とする請求項16に記載する液滴供給装置。
  18. 微粒子を含む溶液を液滴とすることを特徴とする請求項8から17のいずれかに記載する液滴供給装置。
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