JP2006207443A - 頂面回転式ピストン - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡素な構造で燃焼室内に気流を発生させる頂面回転式ピストンを提供する。
【解決手段】 ピストン本体2と頂面回転体1とに2分割し、頂面回転体1を、軸受3を介してピストン本体2と接続した頂面回転式ピストン100であって、頂面回転式ピストン100を収容するシリンダ4内へ吸気する吸気ポートが、吸気の際に気流を生じさせる吸気ポート5a及び吸気ポート5bであり、頂面回転体1の頂面に、羽根1bを形成する。これにより、吸気行程で頂面回転体1に回転力が発生し、頂面回転体1は回転する。そして、吸気行程終了後も、慣性力によって頂面回転体1は回転し続ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 ピストン本体2と頂面回転体1とに2分割し、頂面回転体1を、軸受3を介してピストン本体2と接続した頂面回転式ピストン100であって、頂面回転式ピストン100を収容するシリンダ4内へ吸気する吸気ポートが、吸気の際に気流を生じさせる吸気ポート5a及び吸気ポート5bであり、頂面回転体1の頂面に、羽根1bを形成する。これにより、吸気行程で頂面回転体1に回転力が発生し、頂面回転体1は回転する。そして、吸気行程終了後も、慣性力によって頂面回転体1は回転し続ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関の燃焼室内に気流を発生させる頂面回転式ピストンに関する。
従来、内燃機関においては、燃焼速度向上を目的として、燃焼室に空気を吸入する吸気ポートを螺旋状に形成したヘリカルポートや、コントロールバルブを備えた可変吸気ポートが提案されている。これらの吸気ポートにより吸気すると、燃焼室内にはスワール(横渦)やタンブル(縦渦)といった気流が発生する。このような気流は、燃焼室内の空気と燃料との混合及び燃焼を促進する。
このような吸気ポートを採用した場合には、燃焼室内に充分な気流を発生させることができる。その一方、内燃機関の吸気行程で気流を発生させているため、圧縮行程では、発生させた気流が相当減衰してしまう。そのため、特許文献1では、以下のような技術が提案されている。特許文献1によると、油圧を動力源として、ピストン上部に備えられた有底円筒体の側面にオイルを噴射して、この円筒体を回転させる。この円筒体の円筒内周面には、フィンが設けられており、回転により燃焼室内に旋回空気流を発生させる。また、非特許文献1によれば、ピストン内に備えられた羽根車にオイルを噴射することにより、ピストン頂面に設けられて、羽根車と連結した回転体を回転させる。この回転体上面にフィンを備えることにより、回転時に燃焼室内に旋回空気流を発生させることが可能である。
特開平6−2614号公報
公技番号2003−503377号公報
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1の技術では、ピストン上部に備えられた回転体を、油圧機構を用いて回転させている。そのため、構造が複雑で高コスト化を招く。
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、簡素な構造で内燃機関の燃焼室内に気流を発生させる頂面回転式ピストンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ピストン本体と頂面回転体とに2分割し、該頂面回転体を、軸受を介して前記ピストン本体と接続した頂面回転式ピストンであって、前記頂面回転式ピストンを収容するシリンダ内へ、吸気の際に気流を生じさせる吸気ポートを連通し、前記頂面回転体の頂面に、羽根状の構造を備えることを特徴とする。
本発明では、吸気行程で発生した気流が、頂面回転体の頂面に備えられた羽根状の構造に当たる。これにより、頂面回転体に回転力が発生する。そして、吸気行程終了後も、慣性力によって頂面回転体は回転し続ける。この結果、内燃機関の圧縮行程においても、燃焼室内に気流を発生させることができる。
本発明によれば、内燃機関のとりわけ圧縮行程において、簡素な構造で燃焼室内に気流を発生させる頂面回転式ピストンを提供可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は、本発明に係る頂面回転式ピストンの構成を示す図である。本ピストンは、例えば自動車等の内燃機関で使用される。図1(a)は、頂面回転式ピストン100の断面図であり、図1(b)は、頂面回転式ピストン100の上面図である。図1(a)に示すように、頂面回転式ピストン100は、頂面回転体1、ピストン本体2、軸受3により構成される。頂面回転体1は、段部を有する略円盤状の部材であり、略円盤状の軸受圧入部1aが、頂面回転体1の円盤中心と略同心になるよう形成されている。ピストン本体2は、有底円筒状の部材であり、円筒内部には図示しないピストンピンを支持するためのピストンボス2bが設けられている。また、ピストン本体2の上面には、有底円筒状の軸受保持部2aが、ピストン本体2の円筒中心と略同心に形成されている。軸受3は、頂面回転体1の軸受圧入部1aに圧入により固定されている。さらに、軸受3の外周部をピストン本体2の軸受保持部2aの内周部と嵌合し、軸受3をピストン本体2に圧入する。これにより、頂面回転体1は、ピストン本体2に対し、軸受3を介して回転自在に保持される。また、頂面回転体1の頂面には、図1(b)に示すように、放射線状に複数の羽根1bを形成する。
図2は、吸気ポートが吸気の際に気流を生じさせることによる、頂面回転体1の回転動作を示す図である。また、図2は、頂面回転式ピストン100を上面から見た図でもある。シリンダ4が形成されている図示しないシリンダブロック上には、図示しないシリンダヘッドが組み付けられている。シリンダヘッド、シリンダ4内面及び頂面回転式ピストン100の頂面によって、図示しない燃焼室が形成される。シリンダヘッドには、この燃焼室に通じる第1排気ポート6a及び第2排気ポート6bが形成されており、排気行程ではこれらの排気ポートからシリンダ内の気体を排気する。また、シリンダヘッドには、同様に燃焼室に通じる第1吸気ポート5a及び第2排気ポート5bが形成されている。第1吸気ポート5aには、第1吸気ポート5aの流路を遮断可能なSCV(スワールコントロールバルブ)7が備えられている。このような吸気ポートは、可変吸気ポートと呼ばれる。
この構成で、吸気行程において、SCV7を制御し第1吸気ポート5aの流路を遮断すると、燃焼室への吸気は、第2吸気ポート5bからの吸気のみになる。これによって、燃焼室内には、スワール(横渦)8と呼ばれる気流が発生する。このスワール8は、燃焼室内を周方向に旋回する気流である。そして、このスワール8は、頂面回転体1に形成された羽根1bに当たる。これにより、頂面回転体1に回転力が発生し、頂面回転体1は、回転方向9の方向へ回転する。そして、吸気行程終了後も、慣性力によって頂面回転体1は回転し続ける。これによって、内燃機関の圧縮行程においても、燃焼室内に気流を発生させることができる。以上により、内燃機関のとりわけ圧縮行程において、簡素な構造で燃焼室内に気流を発生させる頂面回転式ピストンを実現可能である。
なお、吸気ポートは可変吸気ポートでなくてもよく、燃焼室内に気流、とりわけスワールを発生させることが可能な吸気ポートであればよい。例えば、可変吸気ポートの代わりに、吸気ポートを螺旋状に形成したヘルカルポートを適用してもよい。また、羽根1bに限らず、頂面回転体1の頂面には、頂面回転体1の回転により気流を発生させることができる構造を適用可能である。また、羽根1bを形成する手段は、鍛造加工や機械加工等、形成するにあたっての適宜の手段で構わない。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
1 頂面回転体
1a 軸受圧入部
1b 羽根
2 ピストン本体
2a 軸受保持部
2b ピストンボス
3 軸受
4 シリンダ
5a 第1吸気ポート
5b 第2吸気ポート
6a 第1排気ポート
6b 第2排気ポート
7 SCV(スワールコントロールバルブ)
8 スワール
9 回転方向
1a 軸受圧入部
1b 羽根
2 ピストン本体
2a 軸受保持部
2b ピストンボス
3 軸受
4 シリンダ
5a 第1吸気ポート
5b 第2吸気ポート
6a 第1排気ポート
6b 第2排気ポート
7 SCV(スワールコントロールバルブ)
8 スワール
9 回転方向
Claims (1)
- ピストン本体と頂面回転体とに2分割し、該頂面回転体を、軸受を介して前記ピストン本体と接続した頂面回転式ピストンであって、
前記頂面回転式ピストンを収容するシリンダ内へ、吸気の際に気流を生じさせる吸気ポートを連通し、
前記頂面回転体の頂面に、羽根状の構造を備えることを特徴とする頂面回転式ピストン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005019347A JP2006207443A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 頂面回転式ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005019347A JP2006207443A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 頂面回転式ピストン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006207443A true JP2006207443A (ja) | 2006-08-10 |
Family
ID=36964579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005019347A Pending JP2006207443A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 頂面回転式ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006207443A (ja) |
-
2005
- 2005-01-27 JP JP2005019347A patent/JP2006207443A/ja active Pending
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