JP2006207249A - 骨格殻体、およびそれによる簡易建屋 - Google Patents

骨格殻体、およびそれによる簡易建屋 Download PDF

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Abstract

【課題】 軽量且つ丈夫で取扱いがし易く、しかも部材点数も最小限に抑えて組み立て作業効率も秀れていて、高い収納効率を実現でき、しかも積雪や隣接する建築物等からの落氷および落雪に対しても充分に耐えることができる新たな建屋を提供する。
【解決手段】 一対の左右アーチ面材部3,3からなり、それら左右アーチ面材部3,3は、夫々全体が極力薄肉厚とした繊維強化樹脂製であって、補強用溝が前後方向に複数本平行するよう配され、補強兼連結用リブ32が、上下および前後各端全周縁に渡って連続、形成されてなるものとした骨格殻体2の適宜複数個同士を連結してアーチ形内部空間を形成してなる簡易建屋1である。
【選択図】 図5

Description

この発明は、繊維強化樹脂(以下、FRPという。)製で組立式となる建屋に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであって、簡易建屋を製造する分野は勿論のこと、その製造に必要とする設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野、その他現時点で想定することのできない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着眼点)
一般に屋外に設置される車庫や倉庫等の建屋には、極簡易的なものとして亜鉛鍍金鋼管製の複数本のアーチ型湾曲パイプを、適宜間隔置き毎、棟方向に配列された門形に立設してビニールシートでトンネル状に覆ったものが広く普及しているが、使用素材の性質上数年でビニールシートが劣化し始め、その後、鉄パイプにも地中打込み部分付近から錆が発生してしまい、凡そ3ないし5年で廃棄、交換時期を迎えてしまうことから、比較的短期間のみの使用目的に制限され、また、他の組立型建屋として合成樹脂塗装を施した亜鉛鍍金鋼板製の外壁および屋根を組み合わせ、ボルト・ナットで連結するようにした金属製ガレージも多く見受けられるが、このタイプのものでは長期の使用によって塗装や鍍金の劣化が起こって通常10年弱程度の期間で錆が発生してしまい、再塗装や錆発生部分の交換あるいは建替え等の必要に迫られてしまうという欠点をもち、特に沿岸部の潮水の影響を受け易い地域ではさらにその耐久年数を縮めてしまう上、主や近くに隣接、設置した場合、その形状、構造に由来して落雪による屋根や側壁の変形、破損を避け得ない等、設置場所にも制限を受けるものであった。
(従来の技術)
こうした金属製材料やビニールシートを利用した車庫や倉庫等の建屋が持つ欠点を解消する技術には、これまでにも、例えば特開平10―121752号公報に開示された「組み立て式簡易バンガロー」発明のように、4分の1球殻を2個組み合わせて半球状の屋根とした2個のFRP製の屋根部材と円筒体を縦2分割して適宜開閉扉部材等を付設した2個のFRP製の壁部材とを組み合わせ、外側全体を雪付着分材である網体で被覆し、積雪によってかまくら状態となるようにした事例や、特開2000‐120171号公報「簡易組立円形住宅」発明に見られる、複数に分割されたFRP製の分体を円形に敷設した固定台の上に、分体相互の下部を連結板で、また上部の最上部固定縁を支持枠で連結固定してなる本体と、この支持枠を2本の支柱によって支え、昇降杆の上杆に固定された天井ドームを前記最上部固定縁に被せ、支柱に配設した取付部材に昇降杆の下杆を上下動可能に取り付けた採光、換気、排煙を調節する手段とからなるようにしたもの、あるいは特開2000−120227号公報に掲載された「FRP製屋根構造体」発明のように、間隔をもって対向配置されたFRP層と、両FRP層と一体的に接合されたリブとを有し、且つ単位幅当りの曲げ剛性を5×107Kg・mm2以上としたものや、実開昭60−164501号公報「組立式モノコック屋根」考案にある、建物方形屋根の頂点を境に分割した複数枚のFRP製三角形板同士を、各三角形板の外縁に沿って上方に突設した連結用リブ間に合成樹脂系の接着剤を塗布し、接合させたリブを複数本のボルト・ナットで連結、組み立て可能としたもの等が相次いで開発されている。
これら従前から提案されているものの多くは、屋根材など外郭体として何れも高い強度と錆びない性質とをもつFRP製を使用することによって耐候性の向上や耐久寿命の延長等を達成しようとしたものとなっているが、バンガローや住宅等を対象とするものが多く、車庫や倉庫等に実際に応用しようとすると形状や構造が適用できないものが殆どであり、前記した例の中、特開2000‐120227号公報に見た「FRP製屋根構造体」の場合、水平な棟を有するようにして車庫や倉庫用の建屋に好都合な形状の屋根となっているものの、隣接する建築物からの落氷や落雪を受けた際に平板状のFRP板で受け止めることとなる結果、肉厚寸法をそれなりに大きく設定しなければ充分な弾性強度を確保するのが困難となるだけではなく、耐積雪荷重上からも必ずしも望ましい形状のものとする訳にはいかないものであり、その他のものも含め、どれもその構造上から構成部材荷重が重くならざるを得なく、組み立ての際の取扱いだけではなく、搬送、保管上からも不利になる上、何よりも比較的高価につくFRP使用量が嵩み、商品単価として不利なものとならざるを得ないものであった。
(1)特開平10―121752号公報 (2)特開2000‐120171号公報 (3)特開2000‐120227号公報 (4)実開昭60‐164501号公報
(問題意識)
この発明は、以上のように従前までのFRP製の簡易的建築物がバンガローや住宅等を対象とするものばかりで、車庫や倉庫のような簡易な構造で収納効率を求めるようにしたものとしては殆ど提供されておらず、有ったとしても車両の出入りや荷物の出し入れ、および収納性をも考慮してなのか、平面形状のFRP製構成部材の組み合わせによるものであり、積雪による荷重や隣接する建築物からの落氷や落雪等にも耐える強度を有するものとするには不利であり、それを解消しようとすると、それでなくても比較的高価なFRP製のものが更に高価についてしまうという問題があり、それに何よりも取扱い性に劣るという点も避けられないことから、それら問題もなく、しかも少人数、精々二人も居れば簡単に組み立てることができ、海岸に近くて塩害を受け易いところや降雪地帯での使用でも耐候性、耐久強度上で有利な素材であるFRPを使った車庫あるいは倉庫等に適した建屋の開発、実用化が、特に自らが所在する環境の周辺で切望されている。
(発明の目的)
そこで、上述のような問題意識に立脚するこの発明は、高い耐久強度を有して錆びない素材であるFRPを使って高い収納効率を実現でき、しかも、積雪や隣接する建築物等からの落氷および落雪に対しても充分に耐え得るだけの形状、構造とした新たな建屋を提供することはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の左右一対の骨格殻体、およびそれによる新規な構造の簡易建屋を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の骨格殻体は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法とした一対の左右アーチ面材部からなり、それら左右各アーチ面材部は、夫々全体が極力薄肉厚とした繊維強化樹脂製であって、上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した補強用溝が、前後方向に複数本平行するよう配された形状のものとすることにより、それら正面形および背面形とも、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものにすると共に、それら何れの上下および前後各端縁には、元のアーチ形の一部として同じ姿勢に維持した状態において真下または真横方向で内向きになるようにした所定巾の補強兼連結用リブが、全周に渡って一体成形されてなるものとした構成を要旨とする簡易建屋組立用の左右一対の骨格殻体である。
この基本的な構成によるものをより具体的なものとして示せば、 所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法とした一対の左右アーチ面材部からなり、それら左右各アーチ面材部は、夫々全体が2ないし3mm程度の肉厚とした繊維強化樹脂製であって、上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した補強用溝が、前後方向に複数本平行するよう配された形状のものとすることにより、それら正面形および背面形とも、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものにすると共に、それら何れの上下および前後各端縁には、元のアーチ形の一部として同じ姿勢に維持した状態において真下または真横方向で内向きになるようにした30ないし100mm巾とした補強兼連結用リブが、全周に渡って一体成形されてなる簡易建屋組立用の左右一対の骨格殻体ということができる。
(関連する発明)
上記した簡易建屋組立用の左右一対の骨格殻体に関連し、この発明には、それらの複数個を適宜組み合わせてなる簡易建屋も包含しており、その構成は基本的に次の通りである。
即ち、所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法とした一対の左右アーチ面材部からなり、それら左右各アーチ面材部は、夫々全体が極力薄肉厚とした繊維強化樹脂製であって、上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した補強用溝が、前後方向に複数本平行するよう配された形状のものとすることにより、それら正面形および背面形とも、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものにすると共に、それら何れの上下および前後各端縁には、元のアーチ形の一部として同じ姿勢に維持した状態において真下または真横方向で内向きになるようにした所定巾の補強兼連結用リブが、全周に渡って一体成形されてなるものとした左右一対の骨格殻体の複数組を、夫々が元のアーチ形となるように組み合わせたまま前後方向に並置させ、対峙する補強兼連結用リブ相互で連結して所定奥行のアーチ状空間を形成した上、一方端開口を出入り口とし、他方端全開口に背面壁を装着、封鎖してなる、上述した左右一対の骨格殻体による簡易建屋である。
より具体的には、所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法とした一対の左右アーチ面材部からなり、それら左右各アーチ面材部は、夫々全体が極力薄肉厚とした繊維強化樹脂製であって、上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した補強用溝が、前後方向に複数本平行するよう配された形状のものとすることにより、それら正面形および背面形とも、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものにすると共に、それら何れの上下および前後各端縁には、元のアーチ形の一部として同じ姿勢に維持した状態において真下または真横方向で内向きになるようにした所定巾の補強兼連結用リブが、全周に渡って一体成形されてなるものとした左右一対の骨格殻体の複数組を、夫々が元のアーチ形となるように組み合わせたまま前後方向に並置させ、対峙する補強兼連結用リブ相互で連結して所定奥行のアーチ状空間を形成した上、一方端開口の適宜上側範囲だけを妻梁様破風板で閉鎖状に装着、連結してその下側を出入口とし、他方端全開口には背面壁を装着、封鎖してなるものとした簡易建屋ということが可能である。
以上のとおり、この発明の骨格殻体によれば、左右共通の半裁アーチ断面形に形成した一対の左右アーチ面材部からなり、それらは、何れも上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した補強用溝が、前後方向に複数本平行するよう配されていて、それら正面形および背面形とも、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものとして、各部のFRP素材厚みは各部とも可能な限りに薄肉厚としても、アーチ面材部全体の構造強度が、恰も材そのものの肉厚を下方から上方に向うに従って厚みを暫減させてなるものと同じよう機能する構造とした上、それら何れの上下および前後各端縁には、元のアーチ形の一部として同じ姿勢に維持した状態において真下または真横方向で内向きになるようにした所定巾の補強兼連結用リブを全周に設けてあって、元のアーチ形のものに組み立て、しかも所要の奥行のアーチ構造物になるよう連結、一体化したときには、それら連結して一体化した補強兼連結用リブ、特にその肉厚方向中心に補強芯を配してなるものにおいては尚更のこと、当該アーチ構造物における梁骨格材部として機能するようにしてあり、それら左右一対の骨格殻体の上端同士をアーチ状に突き合わせて連結したものを基本として前後に適数組を連結して形成することができ、極めて軽量化すると共に単純化した構成部材となって比較的安価なもので取り扱いも少人数で簡単に済ませながら、十分な耐久強度を有する簡易建屋が短時間の中に実現可能とするものになり、勿論それに伴って簡易建屋用として必要な骨格殻体一式の搬送、保管にも極めて都合の良いものとなることから、従前までのような問題を一挙に解決できるものになるという秀れた特徴を発揮する。
そして、上記のように秀れた特徴を有するこの発明の骨格殻体によって実現する簡易建屋は、上記したとおりの一対の骨格殻体同士を組み合わせてなるものを基本に、その複数組を順次前後に連ねるように連結、一体化してアーチ状空間を形成して簡易建屋とするようにしたことから、その奥行寸法は採用骨格殻体組数によって簡単に増減調整ができる上、従来型の倉庫や車庫等のような骨組みや屋根用部品等の装着作業を一切必要とせず、極めて軽量化した一対の骨格殻体だけを継ぎ足す作業で少なくとも建屋主体の組み立てをすることができ、したがって、少人数による作業であっても迅速且つ簡便に組み立てることが可能となり、しかも組立て後の構造上理想的な形状のアーチ型に連続する外郭形状によって、海、山から直接吹きつける強風や雨雪、積雪による荷重、および近隣の建築物等からの落雪、落氷等による衝撃力などあらゆる外力を、個々の骨格殻体の形状、構造の特徴で負担し得るだけではなく、連結されて一体化された補強兼連結用リブは梁骨格材部として機能することなって同時に外力を建屋全体に分散させ、局所への外力の集中を阻止して高い耐久強度を得るものとなるという大きな効果を奏するものである。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
骨格殻体は、対象とするアーチ状空間の建屋を組み立てていく上で基本となる構成部材で、当該建屋における所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法としたものであり、全体をFRP(fiber reinforced plastics)製とし、後述するような構造に形成した左右一対のアーチ面材部とそれら個々の全周縁に一体形成される所定巾の補強兼連結用リブとからなり、この左右一対の骨格殻体を左右対称に配置し、その上端で対峙する補強兼連結用リブ同士を連結、一体化して元のアーチ形状のものとした単位構成材としたとき、それらによって形成されるアーチ状構造は、骨格殻体を構成するアーチ面材部と補強兼連結用リブとが必要最小限の薄肉厚のものに設定されて取扱い性や単価上のことを配慮したものとしていても、その構成素材であるFRPの材質もさることながら、アーチ面材部の後述する所定の形状、構造と補強兼連結用リブの一体的配置とにより、何等他の部材なくしてその構造強度が保持できるようになっていて、それらアーチ状構造としたものを、建屋としての奥行に必要とする組数だけ前後に連結すれば、両妻側を除く建屋主体を実現する機能を果たすことになるものである。
左右一対のアーチ面材部は、上記骨格殻体の主要部をなす部分、つまり対象とするアーチ状空間の建屋におけるアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面で所定単位奥行寸法のものに設定され、アーチ形建屋の外郭として風雨に曝される面として機能すると共に、取扱い性、経済性の配慮からそれ自体極力薄肉厚のFRP製としても建屋に組み立てたときの構造強度が確保できるよう、上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制して設定した補強用溝(換言すれば、それら補強用溝の間に位置する凸条部)が、前後方向(即ち奥行方向)に複数本平行するよう配された形状のものとし、元のアーチ形状を形成するような姿勢としたときの正面形および背面形ともに、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものに形成されていなければならない。
その際の補強用溝の断面形状は、後述する実施例で採用しているような箱型に代表されるが、その他台形型や三角型、彎曲型などであっても略同様の機能を期待するものとして実現でき、下方から上方に向うに従って深さを暫減させる形状の溝とする際の最下端の断面形状のサイズ、およびそれからの暫減率は、半裁アーチ断面全体の大きさ、および構成素材であるFRP厚や素材種別によって適宜最適なものに設定されるようにしなければならなず、それらの要素の中、軽量化と経済性とを考慮してFRP素材からくる所定強度を得るための最低肉厚、例えば2ないし3mm程度の肉厚とすることを最優先とし、それに応じた溝の形状、サイズを最適なものに設定するようにするのが望ましく、そのFRP素材も、例えばGFRP(ガラス繊維強化樹脂)、CFRP(カーボン繊維強化樹脂)、KFRP(ケプラ繊維強化樹脂)等の中から目的用途、それに応じた材質強度、及び材料単価などを吟味、勘案して最適なものを選択、採用するか、場合によってはFRPに換えてアルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金等の軽合金製としても用途によってはその目的を達成することが可能となる。
なお、建屋平面形を矩形状以外の、例えば玄関先のシェルター用の建屋などとするため、一部曲った平面形とするような場合の曲り部分に適用する左右一対のアーチ面材部については左右同形とする訳にはいかず、曲る方に位置することとなるアーチ面材部が当然小さい寸法のものに設定されなければならいことは言うまでもないことである。
そして、骨格殻体のもう一つの構成要素である補強兼連結用リブは、上記したとおりの構成に形成された左右一対のアーチ面材部の全周、つまり上下端縁および前後端縁に渡って所定巾のものに設定された上で一体的に形成され、左右一対のアーチ面材部同士を各上端で一体化して棟相当部に形成し、各下端は土台または土台相当部へ固定するという夫々連結機能を果たすと共に、前後端縁では、それらアーチ形に組み立てられたこの骨格殻体を前後に繰り返して繋いでいくという同様の連結機能を果たすことになり、極力薄肉厚のものに形成するという制約の下に形成されなければならないアーチ面材部を、自らの溝断面形状による補強に加え、周辺部に連続、一体形成することによって更に補強するという機能を分担する一方、簡易建屋に組み立てられた後においては、相互に連結された補強兼連結用リブは二倍の厚みを有する梁骨格材部となって、軽量化と製品単価との兼ね合いから極力薄肉厚のものに形成する骨格殻体の組合せで、簡易建屋全体としても材質状では薄膜状のものとなって不安定化してしまう状態を、所定間隔置きに形成されることになるそれら梁骨格材部で構造上安定させるという重要な機能を果たすものである。
したがって、この補強兼連結用リブは、アーチ面材部の前後端縁と同上端縁とにおいては、左右一対のアーチ面材部を元のアーチ形の一部に維持した姿勢において、それら各端縁から垂直方向内向きに、同下端縁では水平方向内向きになるようにし、巾寸法を3ないし10cm程度(アーチ面材部の大きさや肉厚、簡易建屋の用途、立地条件など各種条件によって変わる。)のものとし、その肉厚は、少なくとも当該アーチ面材部の肉厚と同等かそれ以上、望ましくは、上記した機能を確実に達成し、安全な簡易建屋を提供し得るようにするため、コアマット(商品名。硬化ウレタンフォームやポリ塩化ビニルフォーム、アクリルフォーム、バルサ、ラワン材などを適宜組み合わせて5mm厚程度としたもの。)などの補強材を芯材に採用してその両面をFRP加工処理を施したものとするようにし、したがって肉厚も7ないし10mm程度のものと当該アーチ面材部の肉厚よりも相当肉厚に設定するようにした上、全周に渡ってそれらが連続するものとして一体形成されるようにする外、アーチ面材部の全周縁に連続、一体形成する補強兼連結用リブの中、上端縁から一体形成するものだけを、その端縁から形成するものよりも大きい巾に設定したもの(頭の上に位置することから大きい寸法のものに設定しても邪魔になる可能性が少ないため。)とし、建屋に組み立てたときに棟木相当部位を補強し得るようにしたものとすることもできる。
なお、当該補強兼連結用リブの巾寸法については、必ずしも等巾である必要はなく、アーチ面材部の補強構造である溝形状のように下方から上方に向うに従って深さを暫減させるようにしたり、アーチ面材部の曲率が大きくなる箇所だけ巾広となるようにしたりとすることも可能であるが、切欠き部分のような応力集中を招き易い形状となるのは避けるべきであり、必要に応じて連結用のボルト・ナット用装着孔を適宜間隔置き毎に予め穿孔したり、連結の際に当接する面にシール剤やシール兼用接着剤の充填、定着を有利にする小溝や凹凸粗面等を形成処理して連結し得るようにしたものとすることも適宜必要に応じて採用できる。
左右一対の骨格殻体をアーチ形にしたものを基本にして目的の簡易建屋を組み立てていく際、各骨格殻体の上端および前後各端に設けられている補強兼連結用リブ相互を直接当接するか、望ましくはその当接面間にシール剤かシール兼用接着剤を塗布、充填するようにしたり、補強兼連結用リブに合わせて成形したゴム等の弾性材を介在するようにして当接箇所からの漏水を阻止する構造にした上、適宜間隔置き毎にリブ肉厚方向にボルト・ナットもしくはビスを貫通させると共に、各骨格殻体の下端の補強兼連結用リブは、土台または土台相当部と直接か、必要に応じてその間にシール剤かシール兼用接着剤を塗布、充填した上で、複数本のアンカーボルトその他金具で適宜間隔置き毎に固定した作業を前後奥行方向に所定組数分だけ繰り替えし、組み合わせることによって所望する奥行寸法としたアーチ形の簡易建屋主要部とすることができもので、この貴発明が包含するアーチ形としては、所謂一般にアーチ形と称されている半円形、尖頭形、馬蹄形の外、棟部分をキールを有する船底を上下転倒させたように水平な尾根状に隆起させたものを含むと共に、左右側壁部分も上方側が内側に傾斜したものの外に鉛直状に立ち上がった形状のものとすることもできる。
簡易建屋は、上記したとおりこの発明の基本である左右一対の骨格殻体の数組を順次アーチ形に組み立てていってアーチ状空間とした所謂トンネル状の建屋としただけのものでその目的の主要な部分を達成しており、このままの構造で車庫や物置きの用をなし、また玄関先の通路上に設置すれば雨除け用のフードか、特に豪雪地帯に適用すれば雪除け無しに通路を確保する簡易な雪除けシェルターとして活用できるものとなるが、車庫や物置きとして更に充実したものにしようとすれば、前後方向に開放されたままの一方を閉鎖し他方を出入り口にするようにしたものとすることもできる。
その際の出入り口は、収納物品の出し入れ、および必要に応じて人の出入りを可能とするだけの確保するようにして常時開放されたものとする外、適宜大きさの開閉扉や開閉シャッター等を固定的または脱着自在に装着して開閉可能なものとし、さらに施解錠可能なものとすることも可能であり、場合によっては、後述の実施例に採用しているように、補強と風雨除け用、意匠効果とを兼用するようにした妻梁様破風板を、出入り口とする開放部分の上側所定範囲に装着するようにし、その妻梁様破風板の下側に出入り口を確保するようにしたものとすることが可能である。
一方、上記出入り口とした開放部分とは反対の簡易建屋開放部分は、適宜手段(例えばこの発明の実施例のような手段)で閉鎖して一端封鎖型のアーチ状内部空間を形成したものとすれば、外界との関係を遮断して車庫や倉庫としての機能をより充実させ得るものとすることができ、その際の閉鎖手段としては、骨格殻体開放部分の開口形状に略合致した形状のものとなるよう、骨格殻体と同じようにFRP製か、それ以外のテントシートやベニア板製など適宜素材によるもので一枚板状かそれを複数に分割したものの平板状や曲面膨出状、箱型枠状構造のもの等とする外、通気性を有する格子型としたり、上側適所に換気口や換気扇等を設けたもの、あるいは壁面の適所に補強用の凹凸形状溝や突条部等を形成したものとすることもでき、必要に応じて裏口としてのドアを解施錠可能に設けたものとしてもよい。
以下では、図面に示すこの発明を代表する一実施例と共にその構造について詳述することとする。
図1の組立て作業中にある骨格殻体の斜視図、図2の妻梁様破風板および背面板を装着する簡易建屋の斜視図、図3の左右骨格殻体の上端結合部分の断面図、図4の骨格殻体下端接地部分の断面図、図5の簡易建屋の斜視図、図6の簡易建屋の正面図、および図7の簡易建屋の背面図に示される事例は、所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法とした一対の左右アーチ面材部3,3からなり、それら左右アーチ面材部3,3は、夫々が上端から下端に掛けて次第に曲げ強度、座屈強度を高めた水平断面形に形成されると共に、元のアーチ形の一部として同じ姿勢にした状態において垂直方向で内向きになる所定巾の補強兼連結用リブ32が、上下および前後各端全周縁に渡って連続、形成されてなるものとした骨格殻体2の、左右一対を連結してアーチ状内部空間を形成した上、それらの複数組を前後方向に連結するようにして所望奥行寸法のトンネル状となる建屋主体となし、一方端開口を出入り口42、他方端開口に背面壁5を装着、閉鎖状にしてなるものとした、この発明を代表する簡易建屋の一実施例を示すものである。
この例における簡易建屋1は、その基本構造が左右一対の骨格殻体2,2を元のアーチ形に連結したものを前後方向に合計3組組み合わせによって形成されるようにしたものであり、各骨格殻体2,2は、互いに同一の寸法、形状で夫々がアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士のものとして形成され、各アーチ面材部3は、図1中に示すように、極力薄肉となるよう2ないし3mm程度の厚み寸法に規制したGFRP(ガラス繊維強化樹脂)一体成型品であって、その奥行き寸法(前後方向寸法)は、所望する簡易建屋1を普通乗用車用車庫として奥行き寸法を約6mに想定し、その1/3である約2m、高さを約3mとすると共に、下端から約1.5m程度の範囲までを略垂直状に立上げ、それより上端側を正面弓なり状に湾曲させて当該簡易建屋1間口寸法を約4mに想定し、その1/2である約2mの左右巾寸法としたものである。
そして、この骨格殻体2は、奥行き方向40cm置き毎に20cm巾の水平断面半裁矩形状の溝を形成してそれら溝間に凸条部31,31,……を略上下端間に渡って平行状に外向き突設させたものとし、各凸条部31,31,……は、下端側付近で最大突出寸法30mm程度とした上、上方に向かうに従ってその突出高さが暫減していき、上端付近で突出寸法が略無くなるよう設定されたものとし、またその上下端縁と奥行き方向前後端縁の全周には、巾75mm程度とした補強兼連結用リブ32,32,……を、組立て後に簡易建屋1内側面となる方向であって、アーチ状に組み立てたときに上端縁、前後端縁では垂直姿勢となり、下端縁のものでは水平方向となるよう屈曲形成したものとし、しかもそれらが寸断することなく一体枠状に連続形成したものとしている。
この実施例で目的の簡易建屋1を完成するために、左右一対の骨格殻体2,2を3組の外に、図2中に示すようなGFRP(ガラス繊維強化樹脂)製の妻梁様破風板4および背面壁5が必要であり、妻梁様破風板4は、左右一対の骨格殻体2,2を門型に組み合わせてアーチ型の基本形のものを形成し、それら3組を前後に順次廉潔、一体化してなる建屋主体とした上、該建屋主体の一方の開放部分である開口の上端側所定範囲を閉鎖、連結可能な概略三角平板状のものに形成され、下端縁付近に補強用の凸条部41が左右横断状に形成されたものとしてあり、また、背面壁5は、当該建屋主体の他方の開放部分である開口範囲の全てを閉鎖可能な平板形状のものとし、骨格殻体2の補強兼結合用リブ32,32に連結される外周縁付近を除く中央寄りの範囲には、上下に渡って複数の補強用水平状凸条部51,51,……を形成してある。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の左右一対の骨格殻体2,2は、それら3組と共に、役ものとしての妻梁様破風板4と背面壁5との組み合わせによって車庫用としてのこの発明の簡易建屋1を組み立て可能とするものであり、その組立て手順に従って当該簡易建屋1の構造について、以下に説明を加えることとする。
設置対象敷地に、図1中に示すような、左右4m奥行き6mの範囲に間口部分を除く平面コ字型であって75mm程度の補強兼連結用リブ32の巾寸法に略一致するかあるいはそれよりも僅かに大きな巾寸法のコンクリート基礎6を形成し、該コンクリート基礎6の巾寸法略中央には鉛直状下孔61,61,……を穿孔しておき、2人の作業員の手によって3組の左右一対の骨格殻体2,2と妻梁様破風板4、背面壁5を設置対象敷地内に順次搬入する。
それらの中、左右一対の骨格殻体2,2上端の補強兼連結用リブ32,32間に、図3中に示すように、シール剤7を充填した上、予め穿孔しておいた(あるいは接合後に穿孔した)約10cm間隔置き毎配置の装着孔33,33,……を、夫々対応するもの同士が同心状の配置となるよう合致させ、予め付属品として用意してあるボルト・ナット8,8,……を、座金を介して装着、締め付け操作して一体のものに連結、固定し、外観上アーチ状門型に組み立てる。
これらアーチ形に組み立てた左右一対の骨格殻体2,2のものをきほんとするものであり、それら3組の夫々の骨格殻体2,2の各下端補強兼連結用リブ32,32に、図4中に示すように、工場生産工程中においてか、あるいは設置現場での電動工具などによるボーリング加工によってかの何れかにより、コンクリート基礎6の鉛直状下孔61,61,……に対応するよう中央肉厚方向に貫通する装着孔33,33,……を穿孔し、図1および図2中に示すように、先ず出入り口側となるアーチ状とした骨格殻体2,2をコンクリート基礎6の左右間に掛け渡してしまい、鉛直状下孔61,61,……の夫々に装着孔33,33,……を同心状に対応させた上で、図4中に示すように、アンカーボルト9,9,……を打ち込み、夫々のナット91,91,……を座金を介して締め付け、確実に固定する。各骨格殻体2下端の補強兼連結用リブ32とコンクリート基礎6上面との間には特にシール構造を施すものとしていないが、必要に応じてシール剤7の充填や目地材の挟み込み等によって防水構造のものとすることも可能である。
次に、これらアーチ形として固定した骨格殻体2,2の奥行き方向後端に位置する補強兼連結用リブ32,32と同様に、中間配置とする骨格殻体2,2の奥行き方向前後端の補強兼連結用リブ32,32,……、および後側配置となる骨格殻体2,2の奥行き方向前端の補強兼連結用リブ32,32,……にも同一間隔、寸法の装着孔33,33,……を、上記したとおり何れかの段階で穿孔した上、図3中に示した結合構造と同様にして対峙して当接する補強兼連結用リブ32,32間にシール剤7を充填した上、ボルト・ナット8,8,……を挿着、締め付けして連結、固定するようにし、また中間配置および後側配置となる1組の骨格殻体2,2左右各下端の補強兼連結用リブ32,32,……にも、上記した補強兼連結用リブ32,32,……の場合と同様にして製造、組み立ての何れかの段階でコンクリート基礎6鉛直状下孔61,61,……に対応する装着孔33,33,……を穿孔してしまい、アンカーボルト9,9,……によってコンクリート基礎6上面に固定、設置する。
後側配置骨格殻体2の奥行き方向後端補強兼連結用リブ32,32には、図2および図7中に示すように、背面壁5の外周縁を図示しないシール剤を充填し、挟み込むように重ね合わせて装着し、簡易建屋1内側から補強兼連結用リブ32を貫通して背面壁5外周縁の肉厚中に達するビスを、適宜間隔置き毎に打ち込み、螺合させて確りと固定、一体化させるようにし、さらに、前側配置とした骨格殻体2の所定高さとなる屋根相当範囲の前端補強兼連結用リブ32,32には、図2、図5および図6中に示すように、妻梁様破風板4をその外周縁部分が、図示しないシール剤を充填し挟み込むようにして重ね合わされ、その外周縁部の重ね合わせ範囲に渡る内側から、図示しない複数本のビスによって締め付け、連結してなるものとし、該妻梁様破風板4より下側に縦約2m、間口巾約4m程度の出入り口42を開口させたものとしている。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例の骨格殻体2は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、耐候性や耐衝撃性ならびに防錆に秀れる上、軽量なGFRP(ガラス繊維強化樹脂)製とし、なお且つその肉厚を極力薄くして約2mm程度のものとし、しかもアーチ面材部3の略全面に渡って上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した溝を形成し、その間に補強構造の凸条部31,31,……を形成すると共に、全周に75mmもの補強兼連結用リブ32,32を形成してアーチ形とし,それら補強兼連結用リブ32,32をボルト・ナット8,8,……によって連結するようにしたことから、それらアーチ面材部3,3の断面構造と補強兼連結用リブ32,32、および合わせられた補強兼連結用リブ32,32が一体となって梁骨格材として機能するものとなり、従前までの亜鉛鍍金鋼板製の倉庫や車庫に比較にならない程の軽量化したものでありながら、十分過ぎる程の強度を確保できるものとなる上、しかも積雪を円滑に滑落、排除させることができ、さらに隣接する建築物等から落下してくる落雪や落氷等による衝撃力も瞬時に分散して局所に集中させないものとして破損を免れることができ、さらにアーチ形とした一組の骨格殻体2,2を前後に連結していく際に連結部分となる補強兼連結用リブ32,32間にシール剤7を充填、介在するようにして防水効果を確保することができるものとなっている。
そして、3組のアーチ形の骨格殻体2,2を順次組み合わせるようにして形成するこの発明の簡易建屋1は、トンネル状の主体の一方の開放部分である後側開口に背面壁5を閉鎖状となるように連結し、奥行き方向の前側開口上方に妻梁様破風板4を連結、組み込んで同前側開口にだけに出入り口42を形成したことから、簡易建屋1全体を、図5中に示すように、概略開口部分を地上面に伏せた器形状に形成したものとなり、全体として高い剛性を確保したものとなる。
また、前記実施例中、左右一対の骨格殻体2,2の各補強兼連結用リブ32,32,……同士の連結にボルト・ナット8,8,……を使用しているが、これらのボルト・ナット8,8,……を、図示しないビスに置き換えることもでき、その場合には各補強兼連結用リブ32,32,……への装着孔33,33,……のボーリング加工を必要としないものとなり、適宜間隔置き毎にビスを直接現場で打ち込み処理して螺合、連結することが可能となり、左右一対の骨格殻体2,2の製造工数を削減してより高い生産性を確保することができることとなる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の骨格殻体、およびそれによる簡易建屋は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、部品点数の削減と大幅な軽量化とを実現し、少人数の手による搬送、管理が容易な上、設置作業における組立て作業工数を格段に減少させることができるものとなり、しかも簡易建屋の基本構造の殆どをアーチ面材部同士の組み合わせによって製造可能なので規格化された部品として大量生産することができる上、その構造も簡素で製造も容易なことから、従前からの倉庫や車庫等簡易建屋やシェルターなどに比較し、高い製造効率と組立て作業性とを実現して遥かに経済的なものとなり、建築業界や住宅設備業界、ホームセンター、エクステリア業界等提供する側は固よりのこと、塩害や降雪、強風等に悩まされている一般消費者からも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の骨格殻体、およびそれによる簡易建屋の技術的思想を具現化した代表的な実施例を示すものである。
組立て作業中の簡易建屋を概念的に示す斜視図である。 妻梁様破風板および背面壁を装着する簡易建屋を示す斜視図である。 図2中の鎖線円Aに示す部分の断面構造を示す正面図である。 図2中の鎖線円Bに示す部分の断面構造を示す正面図である。 簡易建屋を示す斜視図である。 簡易建屋の正面部分を示す正面図である。 簡易縦屋の背面部分を示す背面図である。
符号の説明
1 簡易建屋
2 骨格殻体
3 アーチ面材部
31 同 凸条部
32 同 補強兼連結用リブ
33 同 装着孔
4 妻梁様破風板
41 同 凸条部
42 同 出入り口
5 背面壁
51 同 凸条部
6 コンクリート基礎
61 同 鉛直状下孔
7 シール剤
8 ボルト・ナット
9 アンカーボルト
91 同 ナット

Claims (8)

  1. 所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法とした一対の左右アーチ面材部からなり、それら左右各アーチ面材部は、夫々全体が極力薄肉厚とした繊維強化樹脂製であって、上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した補強用溝が、前後方向に複数本平行するよう配された形状のものとすることにより、それら正面形および背面形とも、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものにすると共に、それら何れの上下および前後各端縁には、元のアーチ形の一部として同じ姿勢に維持した状態において真下または真横方向で内向きになるようにした所定巾の補強兼連結用リブが、全周に渡って一体成形されてなるものとしたことを特徴とする簡易建屋組立用の左右一対の骨格殻体。
  2. 所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法とした一対の左右アーチ面材部からなり、それら左右各アーチ面材部は、夫々全体が2ないし3mm程度の肉厚とした繊維強化樹脂製であって、上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した補強用溝が、前後方向に複数本平行するよう配された形状のものとすることにより、それら正面形および背面形とも、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものにすると共に、それら何れの上下および前後各端縁には、元のアーチ形の一部として同じ姿勢に維持した状態において真下または真横方向で内向きになるようにした30ないし100mm巾とした補強兼連結用リブが、全周に渡って一体成形されてなるものとしたことを特徴とする簡易建屋組立用の左右一対の骨格殻体。
  3. 補強兼連結用リブが、厚み方向中心に補強材を配し、その外周面に繊維強化樹脂層を積層、一体化してなるものとした、請求項1または2何れか一記載の簡易建屋組立用の左右一対の骨格殻体。
  4. アーチ面材部の全周縁に連続、一体形成する補強兼連結用リブの中、上端縁から一体形成するものだけを、その他の端縁から形成するものよりも大きい巾に設定してなるものとした、請求項1ないし3何れか一記載の簡易建屋組立用の左右一対の骨格殻体。
  5. 所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法とした一対の左右アーチ面材部からなり、それら左右各アーチ面材部は、夫々全体が極力薄肉厚とした繊維強化樹脂製であって、上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した補強用溝が、前後方向に複数本平行するよう配された形状のものとすることにより、それら正面形および背面形とも、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものにすると共に、それら何れの上下および前後各端縁には、元のアーチ形の一部として同じ姿勢に維持した状態において真下または真横方向で内向きになるようにした所定巾の補強兼連結用リブが、全周に渡って一体成形されてなるものとした左右一対の骨格殻体の複数組を、夫々が元のアーチ形となるように組み合わせたまま前後方向に並置させ、対峙する補強兼連結用リブ相互で連結して所定奥行のアーチ状空間を形成した上、一方端開口を出入り口とし、他方端全開口に背面壁を装着、封鎖してなるものとした、請求項1ないし4何れか一記載の骨格殻体による簡易建屋。
  6. 所定の間口寸法と高さ寸法とに設定されたアーチ形を半裁して得られる左右対称形の半裁アーチ断面同士で、夫々所定同一奥行き寸法とした一対の左右アーチ面材部からなり、それら左右各アーチ面材部は、夫々全体が極力薄肉厚とした繊維強化樹脂製であって、上下方向に連通し、下方から上方に向うに従って深さを暫減させるよう規制した補強用溝が、前後方向に複数本平行するよう配された形状のものとすることにより、それら正面形および背面形とも、その外形輪郭が下方から上方に渡って見掛厚みを暫減させるようにした形状のものにすると共に、それら何れの上下および前後各端縁には、元のアーチ形の一部として同じ姿勢に維持した状態において真下または真横方向で内向きになるようにした所定巾の補強兼連結用リブが、全周に渡って一体成形されてなるものとした左右一対の骨格殻体の複数組を、夫々が元のアーチ形となるように組み合わせたまま前後方向に並置させ、対峙する補強兼連結用リブ相互で連結して所定奥行のアーチ状空間を形成した上、一方端開口の適宜上側範囲だけを妻梁様破風板で閉鎖状に装着、連結してその下側を出入口とし、他方端全開口には背面壁を装着、封鎖してなるものとした、請求項1ないし4何れか一記載の骨格殻体による簡易建屋。
  7. 骨格殻体は、何れもアーチ面材部の全周縁に連続、一体形成する補強兼連結用リブの中、上端縁から一体形成するものだけを、その端縁から形成するものよりも大きい巾に設定したものを採用し、組み立てたときに棟木相当部位を補強してなるものとした、請求項4記載の骨格殻体による簡易建屋。
  8. 骨格殻体は、左右一対として組み合わせ、さらにそれらを一組として前後方向に組み合わせ、連結するとき、各アーチ面材部の上端および前後各端で対峙する補強兼連結用リブ間にシール剤を充填し、適宜間隔置き毎のリブ厚み方向にボルト・ナットもしくはビスを貫通させて連結、一体化する一方、同下端の補強兼連結用リブと土台または同等の部位との間にも必要に応じてシール剤を充填し、複数本のアンカーボルトまたは同等の部材で適宜間隔置き毎に固定状とするようにした、請求項5ないし7何れか一記載の簡易建屋。
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