JP2006206521A - 一酸化窒素供与体としてのn−ニトロソアミン化合物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(I)の化合物:
[式中、R1およびR2は、各々独立に、水素原子またはアルキル; R3、R4、R5およびR6は、水素原子、アルキル、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、およびカルバモイル;1位の窒素原子は、アルキル基またはアリール基; X1、X2、X3およびX4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アルキル、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、およびカルバモイルから選択される]またはその医薬的に許容な塩を含む医薬組成物が提供される。
【選択図】なし
Description
R3、R4、R5およびR6は、各々独立に、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイルおよびジC1−6アルキルカルバモイルから選択され;または、R3およびR4、R5およびR6は、それぞれが結合する炭素原子と一緒になって、ピロリジン−2,5−ジオン環を形成してもよく、ここで当該環の1位の窒素原子は、C1−6アルキルまたはアリールにより置換されていてもよく、ここでアリールは、ハロゲン原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびヒドロキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよく;
X1、X2、X3およびX4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイルおよびジC1−6アルキルカルバモイルから選択され、
ここで、上記のC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルバモイルおよびジC1−6アルキルカルバモイルのアルキル部分は、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、アミノC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルコキシ、カルボキシ、シアノおよびハロゲン原子から選択される1以上の置換基により置換されていてもよい]
またはその医薬的に許容な塩を含む医薬組成物が提供される。当該医薬組成物は、特に限定はされないが、例えば、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、勃起不全,動脈硬化症、血栓塞栓症、認知症、気管支喘息、免疫不全、排尿障害から選択される疾患の予防または治療に使用されてもよく、好ましくは狭心症の治療または予防に使用されうる。
が含まれる。ここで好ましくは、Yはフェニルまたはメチルである。
本発明の別の側面によれば、血管平滑筋弛緩作用を有する、上記式(I)の化合物またはその医薬的に許容な塩が提供される。
X11およびX12は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、およびヒドロキシから選択される]
またはその医薬的に許容な塩が提供される。本発明の一つの実施態様において、式(II)のR11、R12、R13およびR14のうち、好ましくはR11およびR12のいずれかがヒドロキシ基であり、他方ならびにR13およびR14は水素原子である。本発明の別の実施態様において、式(II)のR11、R12、R13およびR14のうち、好ましくはR13およびR14がC1−6ハロアルキル(好ましくはトリフルオロメチル)であり、R11およびR12は水素原子である。
a) 式(III)のベンザイン:
および式(IV)のピロール:
を反応させ、式(V)の化合物:
を得る工程;
b) 式(V)の化合物を、式(VI)の化合物:
R23、R24、R25およびR26は、各々独立に、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、およびヒドロキシから選択され、但し、R23、R24、R25およびR26のうちの少なくとの1つはヒドロキシである]
に変換する工程;および
c)式(VI)の化合物のPが保護基の場合は脱保護を行った後に、N−ニトロソ化を行う工程
を含む、上記式(II)の化合物の製造方法が提供される。ここで、式(III)のベンザインは、本発明が属する技術分野の当業者に既知の方法により、反応系中で生成することができ、例えば式(IIIa)のアントラニル酸:
本発明の製造方法において、式(IV)のPとして使用されうる保護基には、例えば、アセチルなどのC1−6アルキルカルボニル、t−ブトキシカルボニルなどのC1−6アルコキシカルボニル、ベンゾイルなどのアリールカルボニル、フェニルアセチルなどのアラルキルカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどのアラルキルオキシカルボニル、t−ブチルジメチルシリルなどのトリC1−6アルキルシリル、ジメチル(フェニル)シリルなどのジC1−6アルキル(アリール)シリル、およびベンジルなどのアラルキルなどが含まれる。
本明細書において「C1−6アルキルアミノ」とは、アルキル部分として既に定義したC1−6アルキル基を有するアルキルアミノ基を意味し、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、s−ブチルアミノ、i−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、3−メチルブチルアミノ、2−メチルブチルアミノ、1−メチルブチルアミノ、1−エチルプロピルアミノ、n−ヘキシルアミノ、4−メチルペンチルアミノ、3−メチルペンチルアミノ、2−メチルペンチルアミノ、1−メチルペンチルアミノ、3−エチルブチルアミノ、2−エチルブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、およびシクロプロピルメチルアミノなどが含まれる。
本明細書において「C1−6ハロアルキル」とは、アルキル部分として既に定義したC1−6アルキル基を有する、1以上のハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のハロアルキル基を意味し、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチルなどが含まれる。好ましいC1−6ハロアルキル基としては、例えば、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられ、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルまたはペンタフルオロエチルなどが特に好ましい。
本明細書における「医薬的に許容な塩」とは、医薬品として使用されうる塩であれば特に限定されない。当該塩は、酸付加塩であってもよく、また置換基の種類によっては塩基との塩を形成する場合もある。かかる塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との酸付加塩が挙げられる。また、塩基と形成する塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基との塩;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基との塩;リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩およびアンモニウム塩が挙げられる。
式(I)の化合物の一部のものは、例えば、有機合成化学協会誌、第61巻、第1号、第45−57頁(2003年)に開示された方法により、または当該方法に準じて合成することができる。また、式(II)の化合物は、例えば、以下のスキームに示す工程により合成することができる。
スキームに示すアントラニル酸誘導体を、塩酸存在下、亜硝酸イソアミル、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸エステルまたは亜硝酸塩と反応させ、対応するジアゾニウム塩に誘導することができる。本工程のジアゾ化は、例えばエタノールなどの低級アルコール、含水アルコール、または水を溶媒として、-5〜30℃、好ましくは0〜5℃の反応温度、および30〜120分、好ましくは60〜120分の反応時間で行うことができる。生成するジアゾニウム塩は単離することもできるが、単離することなく次の工程に使用することもできる。
前記ジアゾニウム塩を分解することにより、求ジエン剤であるベンザインを反応系中で調製することができる。当該ベンザインとピロールによるディールス・アルダー反応により、ベンゼン環が縮合した7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプテン誘導体を得ることができる。ジアゾニウム塩を単離しない場合は、アントラニル酸誘導体の溶液(例えば塩化メチレン溶液またはクロロホルム溶液)、および亜硝酸イソアミル等のニトロソ化試薬の溶液(例えばアセトニトリル溶液)を、N−保護ピロール誘導体(例えばN−t−ブトキシカルボニル(Boc)ピロール誘導体)の溶液(例えばアセトニトリル溶液)に、0〜30℃、好ましくは0℃で同時に10分〜30分で滴下し、徐々に加温して2時間〜3時間還流することにより、目的のベンゼン環が縮合した7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプテン誘導体の7位N−保護誘導体を得ることができる。好ましくは本反応は、アントラニル酸誘導体の溶液およびニトロソ化試薬の溶液の滴下後、冷却をやめ室温まで温度を上げ、その後50℃に加熱して90分反応させさらに70〜80℃に昇温して90分加熱することにより行うことができる。
前記7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプテン誘導体をヒドロホウ素化およびその後の酸化に付すことにより、二重結合にヒドロキシ基を導入することができる。ここでヒドロホウ素化は、ボランメチルスフィド錯体、ボランテトラヒドロフラン錯体および9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(以下、「9−BBN」とも称す)などのホウ素試薬を用いて、THFまたはエーテルなどの溶媒中で、0〜35℃、好ましくは25℃の反応温度、および1〜24時間の反応時間で行うことができる。
脱保護は、当該技術分野の当業者により知られた反応条件により行うことができる。例えば、保護基Pがt−ブトキシカルボニル基である場合は、ギ酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸などの有機酸、または塩酸などの無機酸を使用して、保護基を除去することができる。
上記脱保護により得られる7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体のニトロソ化は、例えば亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を使用して、酢酸、トリフルオロ酢酸などを用い、水を溶媒として使用して、0〜5℃の反応温度、および30〜120分の反応時間で行うことができる。
上記スキームに示すフタルイミド誘導体を、適切な溶媒中(例えば、THF−MeOH混合溶媒、エーテルメタノール混合溶媒)中で、還元剤(たとえば水素化リチウムアルミニウム)を使用して還元することにより、イソインドール誘導体が得られる。当該反応は、-78〜0℃、好ましくは−30〜−25℃の反応温度、および1〜2時間の反応時間で行うことができる。例えば、THF−MeOH混合溶媒を使用する場合、その最終混合比はTHF:MeOH=20:1〜15:1である。
前記イソインドール誘導体とアルキンとのディールス・アルダー反応により、ベンゼン環が縮合した7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプテン誘導体を得ることができる。当該反応は、-78〜0℃、好ましくは−30〜−25℃の反応温度、および2〜6時間の反応時間で行うことができる。ここで得られる7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプテン誘導体を、スキーム1に述べたヒドロホウ素化およびその後の酸化に付すことにより、分子内に水酸基を導入することもできる。
脱保護は、当該技術分野の当業者により知られた反応条件により行うことができる。例えば、保護基Pがt−ブトキシカルボニル基である場合は、ギ酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸などの有機酸、または塩酸などの無機酸を使用して、また保護基がベンジル基の場合は、NBSなどのハロゲン化剤を使用して、保護基を除去することができる。
上記脱保護により得られる7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体のニトロソ化は、例えば亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を使用して、酢酸、トリフルオロ酢酸などを用い、水を溶媒として使用して、0〜5℃の反応温度、および30〜120分の反応時間で行うことができる。
実施例1:N−ニトロソ−6−ニトロベンゾ−9−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エキソ−オール(化合物1)の製造
で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒をエバポレ−ションして、残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:Et2O:n−ヘキサン=1:3、その後1:2)に付して目的物(1−2)を赤褐色の油状物として得た(871mg、収率19%)。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ:7.42−7.17(4H、m)、5.96−5.75(2H、m)、4.26−4.15(1H、m)、2.18−2.10(1H、m)、2.00−1.95(1H、m)、1.79−1.75(1H、m)。
Mp.161−164℃(THF−n−ヘキサンから再結晶);
ハイレゾリューションマススペクトラム(FAB+);計算値(C12H15O3N2)(M+H+):235.1083;測定値:235.111;
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ:6.96−6.87(2H、m)、5.87−5.85(2H、m)、3.89(3H、s)、3.87(3H、s)、2.25−2.17(1H、m)、2.05−1.98(1H、m)、1.56-1.51(1H、m)、1.37−1.33(1H、m)。
[工程3]
ハイレゾリューションマススペクトラム(FAB+);計算値(C12H9O1N2F6)(M+H+):311.0619;測定値:311.0609。
[試験方法]
Wistar系雄性ラットから胸部下行大動脈を摘出し、幅約2ミリメートルの螺旋標本を作製した。静止張力1g重で5ミリリットルの人工栄養液(修正クレブス−ヘンゼライト液)を満たしたマグヌス装置に懸垂し、等尺性収縮を記録した。栄養液には酸素とpHを保つための二酸化炭素を通気するが、灌流はせず、薬物は累積的に投与した。大動脈標本は静止状態では弛緩しているので、検体による弛緩作用を調べる場合には、予め1−10μMのノルエピネフリンで収縮させた状態で添加した。
NaCl 120mM、KCl 4.7mM、CaCl2・2H2O 1.8mM、MgCl2・6H2O 1.2mM、NaH2PO4・2H2O 1.2mM、NaHCO3 25mM、グルコース 11.1mM。
ノルエピネフリン(以下、「NE」とも称す)による血管平滑筋収縮に対して、NNO1は血管弛緩作用を示すことが確認された(図2)。
Claims (9)
- 式(I)の化合物:
R3、R4、R5およびR6は、各々独立に、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノ、シアノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイルおよびジC1−6アルキルカルバモイルから選択され;または、R3およびR4、もしくはR5およびR6は、それぞれが結合する炭素原子と一緒になって、ピロリジン−2,5−ジオン環を形成してもよく、ここで当該環の1位の窒素原子は、C1−6アルキルまたはアリールにより置換されていてもよく、ここでアリールは、ハロゲン原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびヒドロキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよく;
X1、X2、X3およびX4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイルおよびジC1−6アルキルカルバモイルから選択され、
ここで、上記のC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルバモイルおよびジC1−6アルキルカルバモイルのアルキル部分は、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、アミノC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルコキシ、カルボキシ、シアノおよびハロゲン原子から選択される1以上の置換基により置換されていてもよい]
またはその医薬的に許容な塩を含む医薬組成物。 - 血管平滑筋弛緩作用を有する、式(I)の化合物:
またはその医薬的に許容な塩。 - 高血圧症、狭心症、心筋梗塞、勃起不全,動脈硬化症、血栓塞栓症、認知症、気管支喘息、免疫不全、排尿障害から選択される疾患の治療または予防のために使用する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 疾患が狭心症である、請求項3の医薬組成物。
- 式(II)の化合物:
X11およびX12は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、およびヒドロキシから選択される]
またはその医薬的に許容な塩。 - 請求項5に記載の化合物またはその医薬的に許容な塩を含む医薬組成物。
- 高血圧症、狭心症、心筋梗塞、勃起不全,動脈硬化症、血栓塞栓症、認知症、気管支喘息、免疫不全、排尿障害から選択される疾患の治療または予防のために使用する、請求項6に記載の医薬組成物。
- 疾患が狭心症である、請求項7の医薬組成物。
- a) 式(III)のベンザイン:
および式(IV)のピロール:
を反応させ、式(V)の化合物:
を得る工程;
b) 式(V)の化合物を、式(VI)の化合物:
R23、R24、R25およびR26は、各々独立に、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、およびヒドロキシから選択され、但し、R23、R24、R25およびR26のうちの少なくとの1つはヒドロキシである]
に変換する工程;および
c)式(VI)の化合物のPが保護基の場合は脱保護を行った後に、N−ニトロソ化を行う工程
を含む、請求項5に記載の化合物の製造方法。
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