以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観について図1から図4を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10は、図1から図3に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、基板ユニット400、遊技価値を付与する球払出ユニット500などから構成されている。
上述したガラスドア11は、図3に示すように、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、図1に示すように、開口11aが形成されている。また、この開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。この保護ガラス19は、ガラスドア11が閉鎖された状態で、後述する遊技盤14の前面に対面するように配設されている。特に、この保護ガラス19は、少なくとも遊技領域15の全域と対面するように配設されておればよいが、遊技領域15に該当しない遊技盤14の前面領域16(以降、遊技領域外16と称する)に対面するように配設されてもよい。
また、ガラスドア11は、その開口11aの下方に、コントロールパネル80が配設されている。このコントロールパネル80には、遊技球の貸し出し用操作部82、メニュー画面表示、メニュー選択、決定、取り消しなどのメニュー操作部84、遊技の進行に関する操作などのゲーム操作部88などが含まれている。
上述した皿ユニット21は、図3に示すように、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、図1に示すように、その上方に上皿20が設けられている。また、上皿20の下方には下皿22が設けられている。上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。また、上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、後述する球払出ユニット500に貯留されている遊技球が排出されることとなる。
上述した発射装置130は、図3に示すように、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、図1に示すように、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されている。発射ハンドル26は、回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル26の裏側には、発射モータ(図示せず)、球送りソレノイド(図示せず)などが設けられている。尚、遊技を行う遊技者は、発射ハンドル26等の操作が可能なパチンコ遊技機10の前方側に位置することとなる。つまり、このパチンコ遊技機10は、前方から遊技可能である。
また、この発射ハンドル26の周縁には、タッチセンサ(図示せず)、発射停止スイッチ(図示せず)などが設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。また、発射ハンドル26が回動操作されている場合であっても、この発射停止スイッチが操作されたときには、発射装置130によって遊技球が発射されない。
尚、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル26を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
上述した遊技盤14は、図3に示すように、ガラスドア11における保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。この遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂によって形成されている。この透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。つまり、遊技盤14は、透光性部材により一部又は全部が後方を視認可能に形成されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、図1に示すように、ガイドレール30などに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘(図示せず)が設けられている。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。また、この遊技盤14は、詳しくは後述するが、遊技場の管理者などによって他の遊技盤に交換可能であり、遊技盤を交換することにより、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
この遊技盤14の前面中央には、始動口44、シャッタ40などが設けられている。この始動口44に遊技球が入球したことを条件として、識別情報の可変表示が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、この識別情報の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態、所謂、「大当り」)となる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。また、このような遊技盤14においては、各種の役物が取り付け可能となっている。更には、遊技盤14自体は、詳しく後述するが、遊技盤14b(図5参照)などと取り替え可能である。
上述したように、ガラスドア11、遊技盤14、皿ユニット21、発射装置130が配設されたベースドア13は、図3に示すように、木枠12に軸着されている。ベースドア13の中央には開口13aが形成されている。このため、ベースドア13の後方に配設される液晶表示装置32の表示領域32aが、透過性を有する遊技盤14、保護ガラス19を介して、前方から視認可能となる。また、このベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
また、遊技盤14の中央には、図4に示すように、可変表示手段としての特別図柄表示装置33が背面側から配設されている。この特別図柄表示装置33は、7セグ表示が可能な表示装置であり、特別図柄ゲームにおいて識別情報としての特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置33における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この識別情報としての特別図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“0”から“9”の数字、“−”の絵柄を用いる。
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
また、この特別図柄表示装置33において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様(例えば、“0”から“9”のいずれかが導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様(例えば、“−”が導出表示される態様、所謂「はずれ態様」)になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
また、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、“1”、“3”、“5”、“7”、“9”が導出表示される態様、所謂「確変大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変状態(高確率遊技状態、確率向上遊技状態)に移行することとなる。一方、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特別の表示態様(例えば、“0”、“2”、“4”、“6”、“8”が導出表示される態様、所謂「普通大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、遊技者に相対的に不利な通常遊技状態に移行することとなる。
上述したような確変状態では、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。尚、導出表示された特別図柄が特別の表示態様となった場合に大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行する遊技状態を、確変大当り遊技状態と称する。また、導出表示された特別図柄が非特別の表示態様となった場合に大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態の終了後に通常遊技状態に移行する遊技状態を、普通大当り遊技状態と称する。
また、大当り遊技状態となった後に、確変状態となる特別大当りにおいては、大当り遊技状態中におけるラウンド制御の上限ラウンド数が15ラウンドとなる。つまり、遊技者に相対的に有利な第一の大当り遊技状態に遊技状態が移行されることとなる。一方、大当り遊技状態となった後に、確変状態とならない普通大当りにおいては、大当り遊技状態中におけるラウンド制御の上限ラウンド数が2ラウンドとなる。つまり、遊技者に相対的に有利であるが上述した特別大当り(第一の大当り遊技状態)よりも相対的に不利な第二の大当り遊技状態に遊技状態が移行されることとなる。
上述した液晶表示装置32は、ベースドア13に配設されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この液晶表示装置32は、開口13aを介して、遊技盤14の後方(背面側)に配設されることとなる。また、液晶表示装置32は、表示領域32aが開口13aを介して遊技盤14の全部又は一部と背面側から奥行き方向に重なるように配設されている。この液晶表示装置32における表示領域32aには、詳しくは後述するが、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。つまり、液晶表示装置32は、遊技に関する演出画像を表示する。また、言い換えると、液晶表示装置32は、遊技に関する演出画像を視認可能に表示する表示領域32aを有することとなる。また、言い換えると、液晶表示装置32は、識別情報としての装飾図柄の可変表示を行う。特に、詳しくは後述するが、液晶表示装置32は、所定のデモ演出画像を表示する。尚、本実施形態における液晶表示装置32は、表示手段、可変表示手段、デモ演出実行手段の一例に相当する。
また、この液晶表示装置32には、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示に合わせて、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する装飾図柄が可変表示される。言い換えると、液晶表示装置32は、複数の図柄列(表示列)のそれぞれにおいて識別情報の可変表示を行う。これら複数の図柄列において装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行することとなる。また、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示の結果が確変大当り表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが、特定の組合せのうちの特別の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“1”、“3”、“5”、“7”、“9”のうちいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「確変大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行し、その特定遊技状態が終了した場合に、確変状態に移行することとなる。一方、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示の結果が普通大当り表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが、特定の組合せのうちの特別の組合せではない非特別の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”、“2”、“4”、“6”、“8”のうちいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「普通大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行し、その特定遊技状態が終了した場合に、通常遊技状態に移行することとなる。また、液晶表示装置32には、これらの装飾図柄の他にも、背景画像、演出用の演出画像、普通図柄画像等が表示される。
このように、遊技者によってパチンコ遊技機10の前方から遊技が行われている場合、つまり、ガラスドア11が閉鎖した状態である場合には、透過性を有する遊技盤14の背面側に液晶表示装置32が配設されるとともに、遊技盤14の前面側に透過性を有する保護ガラス19が配設されるので、液晶表示装置32における表示領域32aに表示された画像が、透過性を有する遊技盤14及び保護ガラス19を介して遊技者に対して視認可能となる。
このため、詳しくは後述するが、透過性を有する遊技盤14の背面に液晶表示装置32が配設され、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて各種の演出を行うことによって、従来の遊技機にはなかった斬新な表示演出を提供することができ、興趣の向上を図ることができる。また、従来の遊技機においては、表示領域のサイズを大きくすることによって、遊技領域のサイズが小さくなる可能性があった。また、表示領域のサイズを大きくしないで、各種の画像を表示することは、遊技者にとって視認することが煩雑となるおそれもあった。そこで、後述するような表示演出を実行することによって、液晶表示装置32における表示領域のサイズにとらわれない多種多様な演出を実行でき、興趣の向上を図ることができる。また、遊技盤14と、その遊技盤14の後方に配設される液晶表示装置32との間に隙間を設けたので、障害釘の調整を行う際などにおける衝撃が液晶表示装置32に伝導しにくく、液晶表示装置32を傷つけることを防止し、液晶表示装置32の製品寿命を永らえることができる。尚、液晶表示装置32に、役物、入賞口、球流路、リールの配置等のための穴を設けてもよい。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
上述した木枠12は、木製の枠体であり、図3に示すように、その前方にベースドア13が軸着される。尚、本実施形態においては、木製の木枠12を用いた構成としたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、金属製、樹脂製の枠体を用いた構成としてもよい。また、この木枠12の中央には、開口12aが形成されている。この開口12aには、上述したベースドア13、液晶表示装置32、詳しく後述する基板ユニット400、球払出ユニット500などが配置される。
上述した基板ユニット400は、ベースドア13の後方に軸着されている。基板ユニット400には、パチンコ遊技機10を制御するための回路が形成された各種の基板(図示せず)などが内蔵されており、それらの基板が基板ケース(図示せず)によって覆われている。
特に、基板ユニット400には、図2に示すように、後述する副制御回路200(図7参照)に電気的に接続される設定スイッチ142及び144が設けられている。これら設定スイッチ142及び144は、パチンコ遊技機10が遊技場の島設備に取り付けられた状態において、パチンコ遊技機10のベースドア13などを開放状態とすることによって、操作可能となる手段である。つまり、本実施形態において、これら設定スイッチ142及び144は、遊技場の管理者等によって操作可能な操作手段であるが、操作可能な操作手段であればこれに限らず、例えば、遊技者等によって操作可能なものであってもよい。特に、本実施形態においては、設定スイッチ142の操作状態によって、遊技盤14の交換に伴う各種の設定が可能であり、設定スイッチ144の操作状態によって、所定の待機状態となってからデモ演出が実行されるまでの時間の種類が設定可能である。尚、これら設定スイッチ142及び144は、DIPスイッチ(ディップスイッチ、Dual Inline Package Switch)を用いたが、これに限らず、操作可能となるものであればよい。
上述した球払出ユニット500は、ベースドア13の後方に軸着されている。球払出ユニット500には、遊技球を貯留するための球貯留タンク(図示せず)と、球通路ケース(図示せず)とから構成され、球貯留タンクに貯留されている遊技球を、上述した払出口20a、22aへと導くこととなる。
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が設けられている。各種の役物の一例として図4を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技盤14の遊技領域15内の中央上方には、上述した可変表示手段としての特別図柄表示装置33が設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15内の上方には、球通過検出器54a及び54bが設けられている。この球通過検出器54a及び54bは、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、表示領域32aに普通図柄(図示せず)の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば“○”、“×”等の記号である。この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、後述する始動口44の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)48が閉鎖状態から開放状態となり、始動口44に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口44に遊技球が入りにくくなるようにする。尚、羽根部材48が閉鎖状態である場合においては、始動口44の上方に配設された通過口45を通過した遊技球のみが始動口44に入賞することとなる。
また、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、遊技球の一般入賞口56aから56dが設けられている。また、遊技盤14の遊技領域15の下方には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。上述したように、導出表示された識別情報が特定の表示態様である場合には、遊技状態が大当り遊技状態に移行され、このシャッタ40が遊技球を受け入れやすい開放状態(第一の状態)となるように駆動される。また、この大入賞口には、V・カウントセンサ102(図7参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図7参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ40は、開放状態において大入賞口に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、大入賞口が開放状態のときに受け入れられた遊技球が、大入賞口内に設けられた特定領域を通過したことを条件に、閉鎖状態となった後に再度開放状態にする。尚、このような大入賞口39及びシャッタ40は、遊技領域15に設けられ、遊技球を受け入れ容易な第一の状態と、遊技球を受け入れ難い第二の状態とに変化可能な可変入賞装置の一例である。
また、シャッタ40の上方には、始動入賞球センサ116(図7参照)を有する始動口44が設けられている。この始動口44に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の可変表示開始条件としては、本実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと(始動領域を遊技球が通過したこと)を主な条件とする。つまり、所定の可変表示開始条件が成立したときに(始動領域を遊技球が通過したことを条件に)識別情報の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと等を所定の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。このような始動口44は、液晶表示装置32における表示領域32aと奥行き方向に重なり、遊技盤14における遊技領域15に設けられた始動領域の一例である。
また、特別図柄ゲームにおける識別情報の可変表示中に遊技球が始動口44へ入賞した場合には、可変表示中の識別情報が導出表示されるまで、当該始動口44への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行(開始)が保留される、つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合(所定の可変表示保留条件が成立した場合)には、所定の可変表示開始条件が成立するまで、識別情報の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。識別情報の可変表示の実行が保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示の実行が開始される。また、識別情報が導出表示された場合に実行される識別情報の可変表示の実行は一回分である。例えば、識別情報の可変表示の実行が三回分保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち一回分が実行され、残りの二回分は保留される。
[交換可能な遊技盤]
また、上述したような遊技盤14は、図5に示すような遊技盤14bなどと交換可能である。特に、遊技盤が透過性を有する部材を含み、その遊技盤の後方に液晶表示装置32を備えた構成においては、遊技盤を交換することによって別の遊技性を提供することができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。このような交換可能な遊技盤14bについて図5及び図6を用いて以下に説明する。尚、図5及び図6においては、発明の理解を容易とすべく、それら遊技盤14及び14bにおける構成の説明、図示を省略する場合がある。尚、遊技盤14をタイプAの遊技盤とし、遊技盤14bをタイプBの遊技盤と称する。また、以下の説明において、タイプAの遊技盤14とタイプBの遊技盤14bとの比較を行う場合には、それぞれの遊技盤毎に説明するが、同じような構成、機能を有し、それぞれの比較を行わない場合には、タイプAの遊技盤14が取り付けられた場合を主として説明し、タイプBの遊技盤14bが取り付けられた場合は、説明を省略する。
タイプAの遊技盤14については図4を用いて上述したが、タイプBの遊技盤14bには、図5に示すように、遊技盤14bの略中央に、始動口44bが設けられている。また、遊技盤14bの右側方にも、始動口44cが設けられている。この始動口44cには、羽根部材48bが配設されている。遊技状態に応じて、羽根部材48bの開閉駆動が行われ、遊技球の受け入れが容易となったり難しくなったりする。また、始動口44bの下方には、大入賞口39b、シャッタ40bが設けられている。また、遊技盤14bの両側方には、球通過検出器54c及び54dが設けられている。尚、これら遊技盤14bも、遊技盤14と同じように、その一部又は全部が、透過性を有する透過性部材から構成されている。
また、このタイプBの遊技盤14bにおける各種の役物は、上述したタイプAの遊技盤14における各種の役物と同じような機能である。しかし、これら遊技盤14と遊技盤14bとでは、球通過検出器54bと球通過検出器54dとの配設位置などが異なる。このため、詳しくは後述するが、配設されている遊技盤に対応する設定スイッチ142の操作に応じて、特定の画像を表示させる表示位置が異なることがある。このため、詳しくは後述するが、タイプ毎に特定の画像の表示位置を変更させることがある。
また、上述したような遊技盤14及び14bには、図6に示すように、発光体としてのLED37a01から37a32、37b01から37b32が配設されている。尚、本実施形態においては、遊技盤14及び14bの背面側に、LED37a01から37a32、37b01から37b32を備えた基板が配設されることによって、遊技盤14及び14bにLED37a01から37a32、37b01から37b32が配設されたが、これに限らず、例えば、遊技盤の前面側に配設されてもよい。
尚、本実施形態においては、発光体としてLEDを採用したが、これに限らず、例えば、ランプなど、発光パターンデータに基づいて発光するようなものであればよい。
タイプAの遊技盤14においては、図6(A)に示すように、32個のLED37a01から37a32が設けられている。これらのLED37a01から37a32は、左右対称に設けられており、右側に15個、中央に2個、左側に15個備えている。
一方、タイプBの遊技盤14bにおいては、図6(B)に示すように、32個のLED37b01から37b32が設けられている。これらのLED37b01から37b32は、左右対称には設けられておらず、右側に16個、中央に2個、左側に14個備えている。
このように、配設される遊技盤によっては、各種の役物(例えば、始動口、球通過検出器など)、LEDの配置位置が異なる場合がある。もちろん、LEDの配置個数などが異なる場合もある。
このため、遊技盤の種類によっては液晶表示装置32の表示位置を変更させることがある。この場合においては、後述する画像の表示位置を示す表示位置データなどを変更するために、それらのデータが記憶された記憶媒体を変更するなど、従来は行っていたが、詳しくは後述するが、このような記憶媒体をも変更することなく、設定スイッチ142の操作に応じて、表示位置データなどを変更することができるようにした。
また、遊技盤の種類によってはLEDの発光制御を変更することもある。この場合においては、後述する発光パターンを示す発光パターンデータなどを変更するために、それらのデータが記憶された記憶媒体を変更するなど、従来は行っていたが、詳しくは後述するが、このような記憶媒体をも変更することなく、設定スイッチ142の操作に応じて、発光パターンデータなどを変更することができるようにした。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図7に示す。
パチンコ遊技機10は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段や可変表示制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものである。副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うものである。
主制御回路60は、図7に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、特定領域通過フラグ、高確率フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。高確率フラグは、特定遊技状態である大当り遊技状態に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、導出表示される特別図柄を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、特別図柄及び装飾図柄の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。尚、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。尚、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態における大入賞口39の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口39に入賞し、V・カウントセンサ102又はカウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更には、保留個数を示すデータは、始動口44へ遊技球が入賞したが、識別情報の可変表示が実行できないときに、当該可変表示を保留するが、その保留されている識別情報の可変表示回数を示すものである。
尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。尚、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図7に示すように、特別図柄表示装置33、V・カウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124などが接続されている。
特別図柄表示装置33は、主制御回路60からの信号に応じて、特別図柄ゲームにおける識別情報としての特別図柄の可変表示を行うものである。
V・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域に設けられている。このV・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dに設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114、115は、球通過検出器54a及び54bに設けられている。この通過球センサ114、115は、球通過検出器54a及び54bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
始動入賞球センサ116は、始動口44に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材48に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図1に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソーに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、遊技球が特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。具体的には、払出・発射制御回路126には、その払出・発射制御回路126を制御するためのCPU(図示せず)と、CPUに処理を実行させるためのプログラムが記憶されているROM(図示せず)と、CPUの作業領域であるRAM(図示せず)とが少なくとも備えられている。また、カードユニット150には、貸し出し用操作部82が接続されており、その操作に応じて、カードユニット150に操作信号が供給される。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。尚、払出装置128は、発射(投入)された遊技媒体が所定の領域を通過することにより遊技媒体を払出す払出手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、払出手段の駆動制御を行う払出制御手段の一例として採用されている。
また、発射装置130には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射モータにより遊技盤14に順次発射される。尚、このような発射装置130は、遊技者の操作に応じて遊技媒体を発射する発射手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、発射手段の駆動制御を行う発射制御手段の一例として採用されている。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46(図1においては46L及び46R)から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ(図示せず)などを含むランプ132の制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、表示制御手段、可変表示制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ、上述したLED37a01から37a32、37b01から37b32などを含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、副制御回路200には、メニュー操作部84、ゲーム操作部88、設定スイッチ142及び144などが接続されており、その操作(操作状態)に応じて操作信号が副制御回路200に供給される。尚、本実施形態においては、各種のランプを、主制御回路60から供給される各種のコマンドを受信する副制御回路200において発光制御したが、これに限らず、例えば、主制御回路60において直接的に発光制御してもよい。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
また、プログラムROM208には、演出パターンが複数種類記憶されている。この演出パターンは、演出表示の進行に関するものである。演出表示は、識別情報の可変表示に応じて実行されるものである。言い換えると、可変表示パターン記憶手段としてのプログラムROM208には、複数種類の識別情報の可変表示パターンが記憶されている。特に、このようなプログラムROM208には、詳しくは後述する全回転リーチパターン(例えば、特別全回転リーチパターン、通常全回転リーチパターンを含む)、マルチラインリーチパターン(例えば、特別マルチラインリーチパターン、通常マルチラインリーチパターンなどを含む)なども記憶されている。
また、プログラムROM208には、所定の画像を表示するための複数種類の表示位置データが記憶されている。言い換えると、プログラムROM208には、所定の画像を表示するための複数種類の表示位置データが記憶されている。尚、このようなデータを記憶しているプログラムROM208は、複数種類の表示位置データが記憶された表示位置データ記憶手段の一例に相当する。また、本実施形態においては、プログラムROM208を表示位置データ記憶手段の一例としたが、これに限らず、例えば、表示制御回路250における画像データROMなど、他の記憶媒体であってもよい。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
また、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターン(一又は複数の演出ブロック)を選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータなどから構成されている。尚、表示制御回路250は、表示制御手段、可変表示制御手段の一例に相当する。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。
また、表示制御回路250は、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データ、画像データに基づく画像を表示させる表示位置データを読み出す等、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データなど、液晶表示装置32に表示させるための画像データを生成する。そして、表示制御回路250は、生成した画像データを一時的にフレームバッファに格納する。そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、表示位置データに基づいて、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)などから構成されている。
この音源ICは、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンや、後述するLED発光パターンテーブル(図11及び図12参照)等が記憶されている装飾データROMなどから構成されている。尚、これらのような装飾データROM(ランプ制御回路240)は、複数種類の発光パターンデータが記憶された発光パターンデータ記憶手段の一例に相当する。
[変動パターン選択テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるメインROM68に記憶されている変動パターンテーブルについて図8を用いて説明する。尚、以下に説明する変動パターン選択テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
メインROM68に記憶された変動パターン選択テーブルは、識別情報の可変表示の変動パターンの種類を選択するためのテーブルである。この変動パターン選択テーブルは、図8(A)に示すように、識別情報の可変表示の結果がはずれと決定され、かつ、リーチとならない場合に参照されるはずれ時変動パターン選択テーブルと、図8(B)に示すように、識別情報の可変表示の結果がはずれと決定され、かつ、リーチとなる場合に参照されるはずれリーチ時変動パターン選択テーブルと、図8(C)に示すように、識別情報の可変表示の結果が大当りと決定された場合に参照される大当り時変動パターン選択テーブルとを含んでいる。
具体的には、はずれ時変動パターン選択テーブルにおいては、図8(A)に示すように、通常変動パターンに対して、コマンドとして“00H”、振分率として“100%”が対応付けられている。
また、はずれリーチ時変動パターン選択テーブルにおいては、図8(B)に示すように、ノーマルリーチ変動パターン(はずれ)に対して、コマンドとして“01H”、振分率として“75%”が、大相撲リーチ変動パターン(はずれ)に対して、コマンドとして“02H”、振分率として“20%”が、マルチラインリーチ変動パターン(はずれ)に対して、コマンドとして“03H”、振分率として“5%”が、それぞれ対応付けられている。
また、大当り時変動パターン選択テーブルにおいては、図8(C)に示すように、ノーマルリーチ変動パターン(大当り)に対して、コマンドとして“04H”、振分率として“15%”が、大相撲リーチ変動パターン(大当り)に対して、コマンドとして“05H”、振分率として“40%”が、マルチラインリーチ変動パターン(大当り)1に対して、コマンドとして“06H”、振分率として“10%”が、マルチラインリーチ変動パターン(大当り)2に対して、コマンドとして“07H”、振分率として“10%”が、マルチラインリーチ変動パターン(大当り)3に対して、コマンドとして“09H”、振分率として“10%”が、全回転リーチ変動パターン(大当り)に対して、コマンドとして“0AH”、振分率として“15%”が、それぞれ対応付けられている。
尚、詳しくは後述するが、上述した大相撲リーチパターンにおいては、設定スイッチ142の操作に応じて、特定のキャラクタの表示位置が異なることとなる。また、上述したマルチラインリーチ変動パターンにおいては、マルチラインリーチが行われる。このマルチラインリーチとは、複数のリーチラインが構成されるリーチである。リーチラインとは、最後に停止する表示列(例えば、第三停止列としての中列など)における装飾図柄が未だ停止表示されておらず、その表示列における装飾図柄が停止表示されると、複数の表示列における装飾図柄が特定の表示態様として導出表示される可能性があるラインである。また、上述した全回転リーチ変動パターンにおいては、全回転リーチが行われる。この全回転リーチとは、全ての表示列における装飾図柄が、特定の表示態様を維持しながら同期して可変表示を行う全回転リーチである。
このように決定された変動パターンに基づいて、特別図柄の可変表示、装飾図柄の可変表示が行われることとなる。
[マルチラインリーチ図柄決定テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるプログラムROM208に記憶されているマルチラインリーチ図柄決定テーブルについて図9を用いて説明する。尚、以下に説明するマルチラインリーチ図柄決定テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
プログラムROM208に記憶されたマルチラインリーチ図柄決定テーブルは、マルチラインリーチにおいて停止表示される図柄の種類を決定するためのテーブルである。このマルチラインリーチ図柄決定テーブルには、図9(A)に示すように、特別大当り(確変大当り)となると決定され、かつ、変動パターンがマルチラインリーチ変動パターン1(大当り)である場合に参照される確変大当り時マルチラインリーチ図柄決定テーブル1と、図9(B)に示すように、特別大当り(確変大当り)となると決定され、かつ、変動パターンがマルチラインリーチ変動パターン2(大当り)である場合に参照される確変大当り時マルチラインリーチ図柄決定テーブル2と、図9(C)に示すように、特別大当り(確変大当り)となると決定され、かつ、変動パターンがマルチラインリーチ変動パターン3(大当り)である場合に参照される確変大当り時マルチラインリーチ図柄決定テーブル3と、図9(D)に示すように、はずれとなると決定され、かつ、変動パターンがマルチラインリーチ変動パターン(はずれ)である場合に参照されるはずれ時マルチラインリーチ図柄決定テーブルとが含まれている。
これらのマルチラインリーチ図柄決定テーブルにおいては、停止表示させる装飾図柄と、その振分率とが対応付けられている。これら停止表示させる装飾図柄は、左列、右列のそれぞれに停止表示させる装飾図柄である。また、停止表示させる装飾図柄は、ライン1(図中においてL1と示す)、ライン2(図中においてL2と示す)、ライン3(図中においてL3と示す)にそれぞれ停止表示させる装飾図柄である。つまり、マルチラインリーチ図柄決定テーブルにおいては、左列、右列のライン1からライン3に停止表示させる装飾図柄と、それらの振分率とが対応付けられている。
また、この停止表示させる装飾図柄は、導出表示させる装飾図柄の種類に基づいて算出される。例えば、停止表示させる装飾図柄(左列のライン1)が“+1”であり、導出表示させる装飾図柄が“7”−“7”−“7”である場合には、左列のライン1に“8”が停止表示されることとなる。
尚、ライン1とは、左から右に斜め方向に下るラインであり、ライン2とは、左から右に水平なラインであり、ライン3とは、左から右に斜め方向に上るラインである。このため、左列のライン1は、左列の上側、左列のライン2は、左列の中側、左列のライン3は、左列の下側、右列のライン1は、右列の下側、右列のライン2は、右列の中側、右列のライン3は、右列の上側となる。
具体的に、確変大当り時マルチラインリーチ図柄決定テーブル1においては、ライン1に停止表示させる図柄が“−2”、ライン2に停止表示させる図柄が“−1”、ライン3に停止表示させる図柄が“0”に対して、振分率が“75%”が、ライン1に停止表示させる図柄が“−4”、ライン2に停止表示させる図柄が“−2”、ライン3に停止表示させる図柄が“0”に対して、振分率が“25%”が、それぞれ対応付けられている。
また、確変大当り時マルチラインリーチ図柄決定テーブル2においては、ライン1に停止表示させる図柄が“−1”、ライン2に停止表示させる図柄が“0”、ライン3に停止表示させる図柄が“+1”に対して、振分率が“75%”が、ライン1に停止表示させる図柄が“−2”、ライン2に停止表示させる図柄が“0”、ライン3に停止表示させる図柄が“+2”に対して、振分率が“25%”が、それぞれ対応付けられている。
また、確変大当り時マルチラインリーチ図柄決定テーブル3においては、ライン1に停止表示させる図柄が“0”、ライン2に停止表示させる図柄が“+1”、ライン3に停止表示させる図柄が“+2”に対して、振分率が“75%”が、ライン1に停止表示させる図柄が“0”、ライン2に停止表示させる図柄が“+2”、ライン3に停止表示させる図柄が“+4”に対して、振分率が“25%”が、それぞれ対応付けられている。
このように、これらのテーブルが参照される場合には導出表示させる図柄が特別の表示態様であるため、テーブルの上段に示す停止表示させる図柄には、特別の表示態様と非特別の表示態様とが含まれ、テーブルの下段に示す停止表示させる図柄には、特別の表示態様のみが含まれる、即ち、識別情報の可変表示の結果に基づいて、複数種類の識別情報の可変表示パターンから、全てのリーチラインにおいて、未だ停止表示されていない表示列(例えば、中列など)における識別情報が停止表示すると特別の表示態様となる可能性のある特別複数ラインリーチパターンが選択されることとなる。
また、はずれ時マルチラインリーチ図柄決定テーブルにおいては、ライン1に停止表示させる図柄が“−3”、ライン2に停止表示させる図柄が“−2”、ライン3に停止表示させる図柄が“−1”に対して、振分率が“90%”が、ライン1に停止表示させる図柄が“−6”、ライン2に停止表示させる図柄が“−4”、ライン3に停止表示させる図柄が“−2”に対して、振分率が“10%”が、それぞれ対応付けられている。
このように、導出表示させる図柄が特定の表示態様でない場合であっても、全てのリーチラインにおいて、未だ停止表示されていない表示列(例えば、中列など)における識別情報が停止表示すると特別の表示態様となる可能性のある特別複数ラインリーチパターンが選択されることがある。
従って、決定された識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様であり、複数のリーチラインを構成する複数ラインリーチを実行する複数ラインリーチパターンを実行する場合に、全てのリーチラインにおいて、識別情報が停止表示すると特別の表示態様となる可能性のある特別複数ラインリーチパターンを選択する。このように、特別の表示態様、非特別の表示態様が混在せず、特別の表示態様となる可能性のある組合せのみの特別複数ラインリーチパターンで識別情報の可変表示が行われることによって、識別情報の可変表示の結果が、非特別の表示態様にはならず、特別の表示態様となる可能性があることとなり、遊技者に相対的により一層有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態や、第一の大当り遊技状態など)に移行する期待感を高揚させることによって、大当たりへの期待感をより一層高揚させることができるため、複数ラインリーチを行うことによる演出効果を向上させ、飛躍的に興趣の向上を図ることができる。
尚、普通大当りとなると決定され、かつ、変動パターンがマルチラインリーチ変動パターン(大当り)である場合には、リーチラインのいずれかにおいて、未だ停止表示されていない表示列(例えば、中列など)における識別情報が停止表示しても特別の表示態様にならない普通複数ラインリーチパターンが選択され、特別複数ラインリーチパターンが選択されることがない。
[全回転リーチ決定テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるプログラムROM208に記憶されている全回転リーチ決定テーブルについて図10を用いて説明する。尚、以下に説明する全回転リーチ決定テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
プログラムROM208に記憶された全回転リーチ決定テーブルは、全回転リーチにおける表示態様の種類を決定するためのテーブルである。この全回転リーチ決定テーブルには、図10に示すように、特別大当り(確変大当り)となると決定され、かつ、変動パターンが全回転リーチ変動パターン(大当り)である場合に参照される確変大当り時全回転リーチ決定テーブルが含まれている。また、この全回転リーチ決定テーブルには、全回転リーチの変動パターンの種類と、振分率とが対応付けられている。
具体的に、確変大当り時全回転リーチ決定テーブルにおいては、ノーマル全回転リーチ変動パターンに振分率として“60%”が、スーパー全回転リーチ変動パターンに振分率として“40%”が、それぞれ対応付けられている。
このノーマル全回転リーチ変動パターンは、特別の表示態様(例えば、“1”、“3”、“5”、“7”、“9”など)、非特別の表示態様(例えば、“0”、“2”、“4”、“6”、“8”など)から構成される変動パターン(通常全回転リーチパターン)である。また、スーパー全回転リーチ変動パターンは、特別の表示態様のみから構成される変動パターン(特別全回転リーチパターン)である。
これによって、特別大当り(確変大当り)となると決定され、かつ、変動パターンが全回転リーチ変動パターン(大当り)である場合には、通常全回転リーチパターンとしてのノーマル全回転リーチ変動パターン、特別全回転リーチパターンとしてのスーパー全回転リーチ変動パターンのいずれかが選択されることとなる。
従って、決定された識別情報の可変表示の結果に基づいて、特別の表示態様のみから構成される特定の表示態様を維持しながら同期して可変表示を行う特別全回転リーチパターンを含むパターンのなかからいずれかを選択し、選択された識別情報の可変表示パターンに基づいて識別情報の可変表示の制御を行う。このため、特別全回転リーチパターンに基づいて識別情報の可変表示が行われることによって、遊技者に相対的により一層有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態や、第一の大当り遊技状態など)に移行することが確定することとなり、全回転リーチを行うことによる演出効果を向上させ、飛躍的に興趣の向上を図ることができる。
尚、普通大当りとなると決定され、かつ、変動パターンが全回転リーチ変動パターン(大当り)である場合には、ノーマル全回転リーチ変動パターンが選択され、スーパー全回転リーチ変動パターンが選択されることはない。
[LED発光パターンテーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10における装飾データROMに記憶されているLED発光パターンテーブルについて図11及び図12を用いて説明する。尚、以下に説明するLED発光パターンテーブルが装飾データROMに記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが装飾データROMに記憶されていればよい。
ランプ制御回路240における装飾データROMに記憶されたLED発光パターンテーブルは、各種のLEDを発光させるパターンを示すテーブルである。このLED発光パターンテーブルには、図11に示すLED発光パターンテーブルA、図12に示すLED発光パターンテーブルBなどが含まれている。また、このLED発光パターンテーブルには、LEDの種類と、発光タイミングと、発光させるか否かの情報とが対応付けられている。尚、図11及び図12においては、発光タイミングは、0.1秒毎に、“T01”、“T02”、・・・、“T16”と示すこととし、発光させるか否かの情報は、発光させる情報を丸、発行させない情報を無印と表す。
具体的に、LED発光パターンテーブルAにおいては、“T01”の発光タイミングで、LED16、17を発光させ、“T02”の発光タイミングで、LED15から18を発光させ、“T03”の発光タイミングで、LED14から19を発光させ、“T04”の発光タイミングで、LED13から20を発光させ、“T05”の発光タイミングで、LED12から21を発光させ、“T06”の発光タイミングで、LED11から22を発光させ、“T07”の発光タイミングで、LED10から23を発光させ、“T08”の発光タイミングで、LED09から15、18から24を発光させ、“T09”の発光タイミングで、LED08から14、19から25を発光させ、“T10”の発光タイミングで、LED07から13、20から26を発光させ、“T11”の発光タイミングで、LED06から12、21から27を発光させ、“T12”の発光タイミングで、LED05から11、22から28を発光させ、“T13”の発光タイミングで、LED04から10、23から29を発光させ、“T14”の発光タイミングで、LED03から09、24から30を発光させ、“T15”の発光タイミングで、LED02から08、25から31を発光させ、“T16”の発光タイミングで、LED01から07、26から32を発光させる。尚、上述した発光タイミング以外は、消灯させることとなる。
また、LED発光パターンテーブルBにおいては、“T01”の発光タイミングで、LED16、17を発光させ、“T02”の発光タイミングで、LED16から18を発光させ、“T03”の発光タイミングで、LED16から19を発光させ、“T04”の発光タイミングで、LED15から19を発光させ、“T05”の発光タイミングで、LED15から20を発光させ、“T06”の発光タイミングで、LED15から21を発光させ、“T07”の発光タイミングで、LED15から22を発光させ、“T08”の発光タイミングで、LED13から15、18から22を発光させ、“T09”の発光タイミングで、LED10から15、19から22を発光させ、“T10”の発光タイミングで、LED07から15、20から22を発光させ、“T11”の発光タイミングで、LED05から14、20から23を発光させ、“T12”の発光タイミングで、LED05から14、21から24を発光させ、“T13”の発光タイミングで、LED05から14、21から26を発光させ、“T14”の発光タイミングで、LED04から14、22から28を発光させ、“T15”の発光タイミングで、LED02から14、22から30を発光させ、“T16”の発光タイミングで、LED01から14、23から32を発光させる。尚、上述した発光タイミング以外は、消灯させることとなる。
このように、プログラムROM208には、複数種類の発光パターンデータが記憶されている。尚、これらのLED発光パターンテーブルは、同じ遊技条件が成立した場合(例えば、所定の変動パターン指定コマンドを受信した場合など)にいずれかが選択されるが、設定スイッチ142の操作状態に応じて、複数種類の発光パターンデータからいずれかが選択されることとなる。つまり、言い換えると、プログラムROM208には、同じ遊技条件が成立した場合にいずれかが選択され、設定スイッチ142の操作状態に応じていずれかが選択される複数種類の発光パターンデータが記憶されている。
[LEDの発光態様]
また、このようなテーブルを用いて発光されるLEDの発光態様について図13及び図14を用いて説明する。図4、図6(A)に示すようなタイプAの遊技盤14が配設される場合と、図5、図6(B)に示すようなタイプBの遊技盤14bが配設される場合との両者について以下に説明する。尚、図13及び図14においては、“T11”の発光タイミングから“T16”の発光タイミングまでの発光態様を示し、丸印が発光していることを示す。
図4、図6(A)の遊技盤14が配設される場合においては、設定スイッチ142がタイプAとして設定される。この場合においては、図13に示すように、順に発光されることとなる。
一方、図5、図6(B)の遊技盤14bが配設される場合においては、設定スイッチ142がタイプBとして設定される。この場合においては、図14に示すように、順に発光されることとなる。
このように、遊技盤が異なる場合であっても、設定スイッチ142の操作状態に応じて、複数種類の発光パターンデータのうちいずれかが選択されることとなる。従って、複数種類の発光パターンデータからいずれかを操作に応じて選択し、その選択された発光パターンデータに基づいて遊技盤に設けられた発光体の発光制御を行うので、遊技盤の変更に伴い、操作に応じて発光パターンデータの変更を可能とし、例えばハードウェアの交換などによらず、発光パターンデータの変更を行うことによって、資源の有効利用を図ることができる。
[表示画面の説明]
また、上述した構成において液晶表示装置32に表示される画像について図15を用いて説明する。尚、図15においては、タイプAの遊技盤14が配設された場合の画像と、タイプBの遊技盤14bが配設された場合の画像とを示す。
液晶表示装置32には、図15に示すような画像が表示可能な表示領域32aを有している。この液晶表示装置32における表示領域32aには、具体的に、図15に示すように、液晶表示装置32の左側方には、主人公キャラクタ96と猿キャラクタ97とが表示される。一方、液晶表示装置32の右側方には、対戦相手キャラクタ98が表示される。
また、タイプAの遊技盤14が配設された場合には、図15(A)に示すように画像が表示される。一方、タイプBの遊技盤14bが配設された場合には、図15(B)に示すように画像が表示される。
これらの画像を比較すると、主人公キャラクタ96と猿キャラクタ97との表示位置は、図15(A)に示す遊技盤14が配設された場合と、図15(B)に示す遊技盤14bが配設された場合とで同じ位置である。一方、対戦相手キャラクタ98との表示位置は、図15(A)に示す遊技盤14が配設された場合と、図15(B)に示す遊技盤14bが配設された場合とでは、図中における符号Bだけ左右方向に異なる。これは、遊技盤14における球通過検出器54bと、遊技盤14bにおける球通過検出器54dとの配置が、図中における符号Aだけ左右方向に異なるため、対戦相手キャラクタ98が視認し難くなることを防止している。尚、本実施形態においては、遊技盤を変更することによって球通過検出器の配置が変わるため、特定の画像の表示位置が変更されたが、これに限らず、球通過検出器の配置が変わらなくても、他の役物等の配置が変わるような場合に好適である。
また、これら遊技盤毎の設定は、設定スイッチ142の操作に応じて行われる。このため、遊技盤の変更に伴い、例えば、遊技盤に設けられる各種の部材などの位置が異なる場合であっても、表示制御手段における画像データROMなどを変更することなく、操作に応じて表示位置を変更させることができる。このため、変更された遊技盤に応じて、表示装置の表示領域に表示される画像を遊技者に対して視認し易くすることができるとともに、資源の有効利用を図ることができる。
[特別図柄ゲームの説明]
また、上述した構成によって実行される特別図柄ゲームに関する表示画面について図16から図23を用いて説明する。
特別図柄表示装置33においては、図4に示すように、識別情報としての特別図柄が可変表示される。具体的には、特別図柄の導出表示がされている場合において、所定の可変表示開始条件が成立したときには、特別図柄の可変表示が実行される。そして、停止表示され、その導出表示された特別図柄が、非特定の表示態様(例えば、“0”から“9”などにならない態様、“−”)となったことを条件に、大当り遊技状態に移行せず、通常遊技状態等、現在の遊技状態が維持され、特定の表示態様(例えば、“0”から“9”など)となったことを条件に、遊技状態が大当り遊技状態に移行されることとなる。
また、液晶表示装置32における表示領域32a上では、特別図柄表示装置33における特別図柄を装飾するための識別情報としての複数列の装飾図柄の可変表示が行われる。具体的には、特別図柄が導出表示されている場合には、図16(A)に示すように、装飾図柄も導出表示されている。そして、上述した所定の可変表示開始条件が成立したときには、特別図柄と同じように、図16(B)に示すように、装飾図柄の可変表示も実行される。そして、特別図柄が導出表示され前に、図16(C)に示すように、左列に装飾図柄が停止表示され、その後、右列に装飾図柄が停止表示される。そして、特別図柄が導出表示されるタイミングで、中列の装飾図柄が停止表示され、装飾図柄が導出表示されることとなる。
また、導出表示される装飾図柄は、導出表示される特別図柄と関連性を有する。具体的には、特別図柄が“−”である場合には、装飾図柄は、非特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃わない態様)となり、特別図柄が“0”から“9”である場合には、装飾図柄は、特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となる。つまり、全ての列が停止表示され、その導出表示された複数列の装飾図柄が、図16(D)に示すように、非特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃わない態様)となると、特別図柄が“−”として導出表示され、通常遊技状態等、現在の遊技状態が維持される。一方、複数列の装飾図柄が、図17(A)に示すように、特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となると、特別図柄が“0”から“9”として導出表示され、遊技状態が大当り遊技状態に移行されることとなる。
そして、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様となった場合には、図17(B)に示すように、大当りとなった旨の画像や、上限ラウンド数を示す画像などが表示され、大当り遊技状態に移行される。尚、本実施形態においては、識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様となった場合には、特別大当りとなり、上限ラウンド数が15ラウンドとなる。一方、識別情報の可変表示の結果が、特定の表示態様のうち、非特別の表示態様となった場合には、通常大当りとなり、上限ラウンド数が2ラウンドとなる。
そして、大当り遊技状態中においては、上述したように、シャッタ40が開放状態、閉鎖状態に制御されるラウンド制御がされるが、シャッタ40が開放状態に制御されたときには、図17(C)に示すように、実行しているラウンド数を示す画像(ラウンド制御実行回数画像)が、液晶表示装置32の表示領域32aの略中央に表示される。また、その後、所定の時間が経過したときには、表示されていたラウンド制御実行回数画像が、移動表示され、図17(D)に示すような領域に表示される。
また、上述したように、装飾図柄の可変表示が行われるが、その中でも、マルチラインリーチや全回転リーチなどが実行されることがある。
マルチラインリーチにおいては、図18(A)に示すように、右列の装飾図柄と左列の装飾図柄とが停止表示され、リーチとなった後に、図18(B)に示すように、左列、右列にそれぞれ複数(例えば、3つ)の装飾図柄が停止表示される。このマルチラインリーチとは、複数のリーチラインを有するものである。また、リーチラインとは、複数の表示列(例えば、左列、中列、右列など)のうち1以上の表示列(例えば、中列など)における装飾図柄が未だ停止表示されておらず、その表示列における装飾図柄が停止表示されると複数の表示列における装飾図柄が特定の表示態様として導出表示される可能性があるラインである。具体的には、図18(B)においては、左列、中列、右列など複数列の装飾図柄のうち、中列の装飾図柄が未だ停止表示されておらず、左列の上側の装飾図柄と、右列の下側の装飾図柄とは、“5”−“5”として停止表示され、左列の中側の装飾図柄と、右列の中側の装飾図柄とは、“6”−“6”として停止表示され、左列の下側の装飾図柄と、右列の上側の装飾図柄とは、“7”−“7”として停止表示されている。このため、変動表示中である中列の装飾図柄が“5”から“7”のいずれかで停止表示されることによって、装飾図柄が特定の表示態様として導出表示されることとなる。具体的には、図18(C)に示すように、“7”が停止表示された場合には、図18(D)に示すように、“7”−“7”−“7”として装飾図柄が導出表示されることとなる。
また、特定の表示態様となる可能性のあるリーチラインにおいて、図18においては、特別の表示態様となる可能性のあるリーチラインと、特別の表示態様ではなく非特別の表示態様となる可能性のあるリーチラインとが含まれている。このようなマルチラインリーチを、普通複数ラインリーチと称し、マルチラインリーチを実行するリーチパターンを、普通複数ラインリーチパターンと称する。
一方、図19(A)に示すように、リーチとなった後に、図19(B)に示すように、左列、右列にそれぞれ複数(例えば、3つ)の装飾図柄が、特別の表示態様になる可能性のある図柄として停止表示される。具体的には、図19(B)においては、左列の上側の装飾図柄と、右列の下側の装飾図柄とは、“5”−“5”として停止表示され、左列の中側の装飾図柄と、右列の中側の装飾図柄とは、“7”−“7”として停止表示され、左列の下側の装飾図柄と、右列の上側の装飾図柄とは、“9”−“9”として停止表示されている。このため、変動表示中である中列の装飾図柄が“5”、“7”、“9”のいずれかで停止表示されることによって、装飾図柄が特定の表示態様として導出表示されることとなる。具体的には、図19(C)に示すように、“7”が停止表示された場合には、図19(D)に示すように、“7”−“7”−“7”として装飾図柄が導出表示されることとなる。
つまり、特定の表示態様となる可能性のあるリーチラインにおいて、図19においては、全てのリーチラインには、特別の表示態様となる可能性のあるリーチラインのみが含まれており、特別の表示態様ではなく非特別の表示態様となる可能性のあるリーチラインが含まれていない。このようなマルチラインリーチを、特別複数ラインリーチと称し、マルチラインリーチを実行するリーチパターンを、特別複数ラインリーチパターンと称する。
尚、詳しくは後述するが、識別情報の可変表示の決定結果に基づいて、上述した特別複数ラインリーチパターンが選択されることがある。従って、特別の表示態様、非特別の表示態様が混在せず、特別の表示態様となる可能性のある組合せのみの特別複数ラインリーチパターンで識別情報の可変表示が行われることによって、識別情報の可変表示の結果が、非特別の表示態様にはならず、特別の表示態様となる可能性があることとなり、遊技者に相対的により一層有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態や、第一の大当り遊技状態など)に移行する期待感を高揚させることによって、大当たりへの期待感をより一層高揚させることができるため、複数ラインリーチを行うことによる演出効果を向上させ、飛躍的に興趣の向上を図ることができる。
また、全回転リーチにおいては、図20(A)に示すように、装飾図柄が変動表示を開始した後に、図20(B)及び図20(C)に示すように、複数列(例えば、左列、中列、右列など)のうち全ての装飾図柄が特定の表示態様を維持しながら同期して可変表示を行うこととなる。つまり、この全回転リーチとは、全ての表示列における識別情報が、特定の表示態様を維持しながら同期して可変表示を行うリーチである。具体的には、図20(B)及び図20(C)に示すように、装飾図柄は、“5”−“5”−“5”や、“6”−“6”−“6”、“7”−“7”−“7”などとして可変表示される。そして、図20(D)に示すように、“7”−“7”−“7”として装飾図柄が導出表示されることとなる。
また、図20に示す全回転リーチにおいては、特定の表示態様を維持しているが、特別の表示態様、非特別の表示態様のいずれも含んでいる。このような全回転リーチを、通常全回転リーチと称し、通常全回転リーチを実行するリーチパターンを、通常全回転リーチパターンと称する。
一方、図21(A)に示すように、装飾図柄が変動表示を開始した後に、図21(B)及び図21(C)に示すように、複数列(例えば、左列、中列、右列など)のうち全ての装飾図柄が特別の表示態様を維持しながら同期して可変表示を行うこととなる。具体的には、図21(B)及び図21(C)に示すように、装飾図柄は、“3”−“3”−“3”や、“5”−“5”−“5”、“7”−“7”−“7”などとして可変表示される。そして、図21(D)に示すように、“7”−“7”−“7”として装飾図柄が導出表示されることとなる。
また、図21に示す全回転リーチにおいては、特定の表示態様を維持しているが、特別の表示態様を含み、非特別の表示態様のいずれも含まない。このような全回転リーチを、特別全回転リーチと称し、特別全回転リーチを実行するリーチパターンを、特別全回転リーチパターンと称する。
尚、詳しくは後述するが、識別情報の可変表示の決定結果に基づいて、上述した特別全回転リーチパターンが選択されることがある。従って、特別全回転リーチパターンに基づいて識別情報の可変表示が行われることによって、遊技者に相対的により一層有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態や、第一の大当り遊技状態など)に移行することが確定することとなり、全回転リーチを行うことによる演出効果を向上させ、飛躍的に興趣の向上を図ることができる。
また、電源が投入され、図22(A)に示すように、初期設定が行われることとなるが、初期設定が終了した後に、図22(B)や図22(C)に示すような画像が表示され、所定の待機状態となる。そして、所定の待機状態となってから、識別情報の可変表示が行われずに所定の時間が経過した場合には、図22(D)に示すように、タイトル等を含むデモ演出画像が表示される。特に、設定スイッチ144の設定状態によって、所定の待機状態となってからデモ演出画像が表示されるまでの時間(デモ演出開始時間)が変更可能である。本実施形態においては、設定スイッチ144の設定状態に基づいて、デモ演出開始時間が2分30秒と3分とで切替が可能となる。
このように、識別情報の可変表示が行われていない所定の待機状態となったことが検出されてから、複数種類のデモ演出開始時間のうちから設定されたデモ演出開始時間となったことを検出し、所定のデモ演出を実行するので、遊技機によってはデモ演出開始時間が異なるように設定可能であり、遊技者における遊技意欲を高揚させることができる。
また、電源が投入されたことに基づいて行われる所定の初期設定が終了したことを条件に、所定の待機状態となったことを検出するので、例えば、複数の遊技機に同時に電源が投入され、電源投入後に識別情報の可変表示が行われていない遊技機が複数あった場合であっても、異なるデモ演出開始時間に設定されていることによって、一斉には所定のデモ演出が実行されないことがある。このため、誰にも遊技されていない遊技機であることを容易に認識させないことにより遊技者に敬遠されることを抑制できるので、遊技者における遊技意欲を高揚させることができる。
更には、電源が供給されなくなる電断状態となった後、バックアップ復帰する場合には、図23(A)に示すような画面が表示される。電断状態となる以前に所定の待機状態であった場合には、図23(A)に示すように、待機状態中である旨が表示される。そして、初期設定時と同じように、バックアップ復帰が終了した後には、図23(B)や図23(C)に示すように、所定の待機状態となる。そして、所定の待機状態となってから、識別情報の可変表示が行われずに所定の時間が経過した場合には、図23(D)に示すように、タイトル等を含むデモ演出画像が表示される。この場合においても、設定スイッチ144の設定状態によって、デモ演出開始時間が変更可能である。
このように、電源が遮断されたときに、電源が遮断される前の記憶状態を、電源遮断時においても保持可能であり、保持されている記憶状態に基づいて遊技を再開させる場合において、電源が遮断される前の状態が所定の待機状態であったときには、所定の待機状態となったことを検出する、つまり、例えば、識別情報の可変表示中や大当り遊技状態において電源が遮断された場合等、電源遮断前の状態が所定の待機状態以外の場合には、所定の待機状態であることを検出しないので、処理効率が向上する。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図24から図27、図29から図50に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図27)の状態遷移について図28を用いて説明する。
[メイン処理]
最初に、図24に示すように、バックアップ復帰条件を満たしたか否かを判断する(ステップS10)。この処理において、メインCPU66は、バックアップ復帰条件を満たした場合には、ステップS13に処理を移し、バックアップ復帰条件を満たしていない場合には、ステップS11に処理を移す。尚、このバックアップ復帰条件とは、後述する電断検知フラグがオンである、つまり、電断の発生により、後述するステップS61からステップS64の実行が終了し、各種のデータや状態などのバックアップが取れていることが条件となる。
ステップS13においては、メインCPU66は、バックアップ復帰処理を実行し、電断発生前のアドレスへジャンプすることとなる。つまり、メインCPU66は、所定の復帰条件が成立したときに、後述するメイン電断割込処理(図26参照)によって保持されている記憶状態に基づいて、遊技を再開させることとなる。尚、本実施形態においては、ステップS13を実行するメインCPU66は、初期設定手段の一例に相当する。尚、バックアップ復帰処理において、メインCPU66は、電断復帰コマンドを副制御回路200のサブCPU206に供給する。これによって、副制御回路200においても、主制御回路60で電断復帰した旨が認識可能となる。
一方、ステップS11においては、メインCPU66は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、メインCPU66は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS11を実行するメインCPU66は、初期設定手段の一例に相当する。尚、初期設定処理において、メインCPU66は、初期化コマンドを副制御回路200のサブCPU206に供給する。これによって、副制御回路200においても、主制御回路60で初期化した旨が認識可能となる。
そして、詳しくは図27を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32に表示される識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図25を用いて説明する。
最初に、図25に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、詳しくは図34を用いて後述するが、メインCPU66は、始動口44等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、導出表示される識別情報の種類を示す導出図柄指定コマンド、識別情報の変動表示パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[メイン電断割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理、システムタイマ割込処理を実行している状態であっても、それら処理を中断させ、最優先にメイン電断割込処理を実行することがある。供給電源電圧値を監視し、所定期間中にその値が所定の閾値以下となっていたと検知された場合に、以下のメイン電断割込処理を実行することとなる。このメイン電断割込処理について図26を用いて説明する。
最初に、図26に示すように、メインCPU66は、一時的にデータが格納されているレジスタの値をメインRAM70の所定領域に退避させる(ステップS61)。そして、メインCPU66は、割込み許可/禁止状態を記憶する(ステップS62)。そして、メインCPU66は、実行中のプログラムのアドレスなどを示すスタックポインタをメインRAM70の所定領域に退避させる(ステップS63)。そして、メインCPU66は、作業領域が損傷しているか否かをチェックするための作業領域損傷チェック値を算出し、メインRAM70の所定領域に記憶する(ステップS64)。そして、メインCPU66は、電断検知フラグをメインRAM70の所定領域に記憶する(ステップS65)。このように、メインCPU66やメインRAM70は、電源が遮断されたときに、電源が遮断される前の記憶状態を、電源遮断時においても保持可能な記憶状態保持手段の一例に相当する。そして、メインCPU66は、RAMアクセスを禁止する(ステップS66)。このような処理を行った後には、供給電源電圧値の低下により電断状態となっても、電断状態以前の状態がバックアップされているため、バックアップ復帰が可能となる。
[特別図柄制御処理]
図24のステップS15において実行されるサブルーチンについて図27を用いて説明する。尚、図27において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図27に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図29を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出識別情報、識別情報の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。詳しくは図31を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。つまり、大当りとなる場合には、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様に制御されるため、ステップS74を実行するメインCPU66は、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様となった場合には(所定の遊技状態移行条件が成立すると)、遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。尚、ステップS74を実行するメインCPU66は、遊技状態制御手段の一例である。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。そして、メインCPU66は、ラウンド数を示すデータを含み、大入賞口39が開放中である旨の大入賞口開放中コマンドを示すデータを、メインRAM70の所定領域にセットする。これによって、大入賞口開放中コマンドを示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200においても、ラウンド数や、大入賞口39の状態が認識可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。詳しくは図33を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。そして、メインCPU66は、ラウンド数を示すデータを含み、大入賞口39が開放中である旨の大入賞口開放中コマンドを示すデータを、メインRAM70の所定領域にセットする。これによって、大入賞口開放中コマンドを示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200においても、ラウンド数や、大入賞口39の状態が認識可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。尚、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。詳しくは図32を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
ステップS79においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。そして、メインCPU66は、大当り図柄が確変図柄である場合には、確変状態に移行させる制御を行うとともに、大当り図柄が非確変図柄である場合には、通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。つまり、メインCPU66は、識別情報の可変表示の結果が、複数種類の特定の表示態様のうちの特別の表示態様となった場合に、大当り遊技状態が終了した後に、識別情報の可変表示の結果が複数種類の特定の表示態様のうちのいずれかに相対的になりやすい確変状態に移行させる制御を行うとともに、複数種類の特定の表示態様のうちの非特別の表示態様となった場合に、大当り遊技状態が終了した後に、識別情報の可変表示の結果が複数種類の特定の表示態様のうちのいずれかに相対的になりにくい通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。尚、ステップS79を実行するメインCPU66は、特別遊技状態移行制御手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。また、メインCPU66は、始動記憶情報が“1”減少する旨の始動記憶数指定コマンドを示すデータを、メインRAM70における所定の記憶領域にセットする。これによって、この始動記憶数指定コマンドを示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に始動記憶数指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200においても、始動記憶情報が“1”減少した旨が認識可能となる。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図28に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図27に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図27に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図27に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。尚、特定遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件(特定遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図27に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。尚、この特定遊技終了条件には、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(所謂「パンク」)、又は、大当りラウンド最大継続数(上限ラウンド数、例えば、本実施形態においては2又は15ラウンド)が終了したことを条件として大当り遊技状態を終了することとなる。
このように、ステップS75からステップS77を実行するメインCPU66は、制御状態フラグを制御することによって、大当り遊技状態中において、大入賞口39、シャッタ40を開放状態とし、所定の閉鎖条件の成立により閉鎖状態にするラウンド制御を、所定のラウンド数を上限として繰り返し行うこととなる。尚、このようなメインCPU66は、ラウンド制御手段の一例に相当する。また、ステップS78においては、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタの更新によって、ラウンド制御の実行回数を計数することとなる。尚、このようなメインCPU66は、ラウンド数計数手段の一例に相当する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図27のステップS72において実行されるサブルーチンについて図29を用いて説明する。
最初に、図29に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移す。つまり、ステップS102においては、識別情報の可変表示の結果が導出表示された場合には、後述するステップS273において始動記憶情報が記憶されているか否かを判定することとなる。尚、ステップS102を実行するメインCPU66は、成立情報判定手段の一例に相当する。
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。詳しくは図30を用いて後述するが、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。例えば、通常時における大当り判定テーブルでは、2個の大当り判定値が設定されているが、高確率時における大当り判定テーブルでは、10個の大当り判定値が設定されており、高確率フラグに基づいて大当り判定テーブルを選択することによって、特定遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、高確率フラグが所定の値(例えば“77”)である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、特定遊技状態に移行する確率(識別情報の可変表示の結果を特定の表示態様とする確率)は、通常時よりも向上することとなるのである。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な特定遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。言い換えると、メインCPU66は、所定の大当り移行条件が成立したか否かを判定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、ステップS107に処理を移し、大当りであるとは判別しなかった場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS107においては、大当り図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、識別情報としての特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。特に、メインCPU66は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、上述したステップS79において確変状態に移行させる制御を行うこととなる。また、言い換えると、メインCPU66は、識別情報(特別図柄や装飾図柄)を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定するか、識別情報(特別図柄や装飾図柄)を非特別の表示態様(大当り図柄が非確変図柄となる表示態様)として決定するかによって、後述するステップS134において、上限ラウンド数が15ラウンドである特別大当りに移行させるか、上限ラウンド数が2ラウンドである普通大当りに移行させるかを決定することとなる。このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、識別情報としての特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS108においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄を、識別情報としての特別図柄に決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、識別情報としての特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
つまり、ステップS107やステップS108を実行するメインCPU66は、識別情報の可変表示の結果を決定する可変表示結果決定手段の一例に相当する。
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS107及びステップS108により決定された識別情報に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。メインCPU66は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、識別情報としての特別図柄が、決定した変動パターンで、変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。つまり、このように決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドを送信するステップS47において、メインCPU66は、全回転リーチパターンが選択された場合には、全回転リーチパターンを実行させる全回転リーチパターンコマンドを送信し、複数ラインリーチパターンが選択された場合には、複数ラインリーチパターンを実行させる複数ラインリーチパターンコマンドを送信することとなる。このような処理を実行するメインCPU66(主制御回路60)は、コマンド送信手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
ステップS110においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動時間を示す変動時間テーブルと、に基づいて、変動時間を算出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[デモ表示処理]
図29のステップS103において実行されるサブルーチンについて図30を用いて説明する。
最初に、図30に示すように、メインCPU66は、デモ表示フラグが“1”であるか否かを判断する(ステップS91)。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられたデモ表示フラグを読み出し、“1”であるか否かを判断する。メインCPU66は、デモ表示フラグが“1”であると判別した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU66は、デモ表示フラグが“1”ではないと判別した場合には、ステップS92に処理を移す。尚、このデモ表示フラグは、識別情報の可変表示が行われる際に“1”以外にセットされ、後述するステップS92において“1”とセットされるため、識別情報の可変表示が終了した後に保留個数が“0”となったときなどにおいて、ステップS92に処理を移すこととなる。
ステップS92において、メインCPU66は、デモ表示フラグに“1”をセットし、デモ表示コマンドを示すデータをメインRAM70の所定領域にセットする(ステップS93)。このように、デモ表示コマンドを示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206にデモ表示コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、デモ表示コマンドの受信に応じて、所定の待機状態であると検知することとなる。つまり、ステップS47、ステップS92を実行するメインCPU66は、所定の待機状態となったときに待機コマンドを送信することとなる。尚、このようなメインCPU66は、コマンド送信手段の一例に相当する。また、このようなメインCPU66などを含む主制御回路60(遊技制御手段の一例)は、コマンド送信手段を含む。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図27のステップS74において実行されるサブルーチンについて図31を用いて説明する。
最初に、図31に示すように、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であるか否かの判断(ステップS131)、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判断を行う(ステップS132)。これらの処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値であり、かつ、待ち時間タイマが“0”であると判別した場合には、ステップS133に処理を移す。一方、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値であるとは判別しなかった場合、又は、待ち時間タイマが“0”であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS133においては、大当りか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、図29のステップS106の処理によって大当りであると判別されたか否かを判断する。メインCPU66は、大当りと判別した場合には、ステップS134に処理を移し、大当りとは判別しなかった場合には、ステップS140に処理を移す。
ステップS140においては、メインCPU66は、制御状態フラグとして特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS134においては、メインCPU66は、ステップS107において決定された大当り図柄が確変図柄であるか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、大当り図柄が確変図柄であると判別した場合には、特別大当り開始コマンド(上限ラウンドが15ラウンド)を示すデータを、メインRAM70の所定領域にセットするとともに、メインRAM70の所定領域に位置付けられた大入賞口開放回数最大値に“15”をセットし(ステップS135)、ステップS137に処理を移す。このように記憶された特別大当り開始コマンドを示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別大当り開始コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した特別大当り開始コマンドに応じて、大当り演出を実行することとなる。また、メインCPU66は、後述するステップS164において上限ラウンド(15ラウンド)に至ったか否かを認識可能となる。
一方、メインCPU66は、大当り図柄が確変図柄ではないと判別した場合には、普通大当り開始コマンド(上限ラウンドが2ラウンド)を示すデータを、メインRAM70の所定領域にセットするとともに、メインRAM70の所定領域に位置付けられた大入賞口開放回数最大値に“2”をセットし(ステップS136)、ステップS137に処理を移す。このように記憶された普通大当り開始コマンドを示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に普通大当り開始コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した普通大当り開始コマンドに応じて、大当り演出を実行することとなる。また、メインCPU66は、後述するステップS164において上限ラウンド(2ラウンド)に至ったか否かを認識可能となる。
そして、ステップS137においては、制御状態フラグとして大当り開始インターバル管理を示す値(03)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、大当り開始インターバル管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。このように、メインCPU66は、大当りとなる所定の大当り移行条件が成立すると、遊技者に有利な所定のラウンド遊技を予め決定されたラウンド数を上限として実行する大当り遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。また、メインCPU66は、ステップS107において決定された大当りの種類に対応する上限ラウンド数に基づいて実行される大当り遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。また、言い換えると、メインCPU66は、識別情報の可変表示の結果が、複数種類の特定の表示態様のうち特別の表示態様となったことを条件に、遊技者に相対的に有利な第一の大当り遊技状態(例えば、上限ラウンドが15ラウンドである大当り遊技状態など)に移行させる制御を行うとともに、複数種類の特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特別の表示態様となったことを条件に、遊技者に相対的に有利であるが第一の大当り遊技状態よりも相対的に不利な第二の大当り遊技状態(例えば、上限ラウンドが2ラウンドである大当り遊技状態など)に移行させる制御を行うこととなる。また、言い換えると、メインCPU66は、識別情報の可変表示の結果が、複数種類の特定の表示態様のうちいずれかとなった場合に、遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。尚、本実施形態において、ステップS133からステップS137を実行するメインCPU66は、遊技状態制御手段、大当り遊技状態移行制御手段の一例に相当する。そして、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する(ステップS138)。この処理において、メインCPU66は、大当り遊技状態を開始するまでの所定の時間を読み出す。そして、メインCPU66は、読み出した待ち時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口内残留球監視処理]
図27のステップS78において実行されるサブルーチンについて図32を用いて説明する。
最初に、図32に示すように、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であるか否かの判断(ステップS161)、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判断を行う(ステップS162)。これらの処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値であり、かつ、待ち時間タイマが“0”であると判別した場合には、ステップS163に処理を移す。一方、メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値であるとは判別しなかった場合、又は、待ち時間タイマが“0”であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS163においては、特定領域通過ありか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口が開放してからこの処理が実行されるまでの間にV・カウントセンサ102から供給された所定の検知信号があったか否かを判定し、これに基づいて、特定領域通過ありと判別した場合には、ステップS164に処理を移し、特定領域通過ありとは判別しなかった場合には、ステップS167に処理を移す。
ステップS164においては、大入賞口開放回数が大入賞口開放回数最大値以上であるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口開放回数最大値を読み出し、大入賞口開放回数カウンタから読み出した値が大入賞口開放回数最大値以上であると判別した場合には、ステップS167に処理を移し、大入賞口開放回数が大入賞口開放回数最大値以上であるとは判別しなかった場合には、ステップS165に処理を移す。尚、この大入賞口開放回数最大値は、上述したように、特別大当り時においてはステップS135において“15”がセットされ、普通大当り時においてはステップS136において“2”がセットされる。
ステップS165においては、メインCPU66は、制御状態フラグとして大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)をセットする処理を実行する。そして、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する(ステップS166)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS167においては、メインCPU66は、制御状態フラグとして大当り終了インターバルを示す値(07)をセットする処理を実行する。そして、メインCPU66は、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する(ステップS168)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口再開放待ち時間管理処理]
図27のステップS76において実行されるサブルーチンについて図33を用いて説明する。
最初に、図33に示すように、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であるか否かの判断(ステップS171)、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判断を行う(ステップS172)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値であり、かつ、待ち時間タイマが“0”であると判別した場合には、ステップS173に処理を移す。一方、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値であると判別しなかった場合、又は、待ち時間タイマが“0”であると判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS173の処理においては、大入賞口開放回数カウンタに対して“1”増加する処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタから読み出された値に“1”を加算し、加算した値を大入賞口開放回数カウンタに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS177に処理を移す。
ステップS177の処理においては、大入賞口開放中コマンドをセットする。この処理において、メインCPU66は、実行しているラウンド数が認識可能な大入賞口開放中コマンドを示すデータをメインRAM70の所定領域にセットする。このように、大入賞口開放中コマンドを示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した大入賞口開放中コマンドに基づいて、実行しているラウンド数(ラウンド制御実行回数)を認識可能となる。つまり、ステップS47、ステップS177を実行するメインCPU66は、可変入賞装置における状態が第一の状態となることに関連して、大入賞口開放中コマンドを送信することとなる。尚、ステップS47、ステップS177を実行するメインCPU66は、コマンド送信手段の一例に相当する。また、このようなメインCPU66を備える主制御回路60、即ち、ラウンド制御手段は、コマンド送信手段を有することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS174に処理を移す。
ステップS174の処理においては、大入賞口開放設定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、大入賞口39を開放させる旨のデータをメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図25のステップS46の処理において、このように記憶されたデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、大入賞口ソレノイド120に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。この処理が終了した場合には、ステップS175に処理を移す。
ステップS175においては、メインCPU66は、制御状態フラグとして大入賞口開放中を示す値(04)をセットする処理を実行する。そして、メインCPU66は、大入賞口開放中に対応する時間を大入賞口開放時間タイマにセットする処理を実行する(ステップS176)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[入力検出処理]
図25のステップS43において実行されるサブルーチンについて図34を用いて説明する。
最初に、図34に示すように、メインCPU66は、賞球関連スイッチチェック処理を実行する(ステップS251)。この処理において、メインCPU66は、賞球に関連するスイッチであるV・カウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、始動入賞球センサ116等の各種のセンサより、所定の検知信号が供給されているかを検出する。そして、これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU66は、信号を供給したセンサに応じて、賞球の数を決定し、メインRAM70に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS252に処理を移す。
ステップS252においては、特別図柄関連スイッチ入力処理を実行する。詳しくは図35を用いて後述するが、特別図柄としての識別情報に関連するV・カウントセンサ102、カウントセンサ104、始動入賞球センサ116より所定の信号が供給されているかを検出する。これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU66は、後述するような処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS253に処理を移す。
ステップS253においては、普通図柄関連スイッチ入力処理を実行する。この処理において、通過球センサ114は、所定の検知信号をメインCPU66に供給する。これら所定の信号を受け取ったメインCPU66は、普通図柄の始動記憶等の処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチ入力処理]
図34のステップS252において実行されるサブルーチンについて図35を用いて説明する。
最初に、図35に示すように、カウントスイッチ入力があるか否かの判断を行う(ステップS261)。この処理において、メインCPU66は、カウントセンサ104から供給される所定の信号に応じて、カウントスイッチ入力があると判別した場合には、大入賞口入賞カウンタを“1”増加させるように記憶更新するカウントスイッチ検出時処理を実行する(ステップS262)。一方、メインCPU66は、カウントスイッチ入力があると判別しなかった場合には、ステップS263に処理を移す。
ステップS263においては、V・カウントスイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、V・カウントセンサ102から供給される所定の信号に応じて、V・カウントスイッチ入力があると判別した場合には、特定領域を通過した旨のフラグを成立させるとともに大入賞口入賞カウンタを“1”増加させるように記憶更新するV・カウントスイッチ検出時処理を実行する(ステップS264)。一方、メインCPU66は、V・カウントスイッチ入力があると判別しなかった場合には、ステップS265に処理を移す。
ステップS265においては、始動口スイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、始動入賞球センサ116から供給される所定の信号を受け取ることにより、始動口スイッチ入力があるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、始動口スイッチ入力があると判別した場合には、ステップS266に処理を移し、始動口スイッチ入力があると判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。つまり、本実施形態におけるステップS265を実行するCPU66は、遊技盤14における遊技領域15に設けられた始動口44を通過した遊技球を検出する始動領域検出手段の一例に相当する。
ステップS266においては、始動口検出時処理を実行し、この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。詳しくは図36を用いて説明するが、メインCPU66は、保留個数を示すデータが“4”より小さいと判別した場合には、大当り判定用乱数値、大当り図柄用乱数値を抽出し、メインRAM70の所定領域に記憶する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[始動口検出時処理]
図35のステップS266において実行されるサブルーチンについて図36を用いて説明する。
最初に、図36に示すように、メインCPU66は、始動記憶数カウンタから始動記憶数(所謂、上述した「保留個数を示すデータ」)を読み出し、始動記憶数が“4”以上であるか否かの判断を行う(ステップS271)。この処理において、メインCPU66は、始動記憶数が“4”以上であると判別した場合には、本サブルーチンを終了する。つまり、保留個数が上限数(本実施形態においては、実行中の特別図柄の可変表示ゲームの分も含めて“5”となる)に至っている場合には、始動口44に遊技球が入賞したが、始動記憶情報の記憶を行うことなく、本サブルーチンを終了することとなる。一方、メインCPU66は、始動記憶数が“4”より小さいと判別した場合には、始動記憶数カウンタを“1”増加させ(ステップS272)、ステップS273に処理を移す。
ステップS273においては、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタから大当り判定用乱数値を抽出し、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄用乱数値を抽出する。そして、メインCPU66は、抽出した大当り判定用乱数値、大当り図柄用乱数値をメインRAM70の所定領域に始動記憶情報として記憶する。このように記憶された大当り判定用乱数値、大当り図柄用乱数値を示すデータは、図29のステップS105などの処理においてメインCPU66により読み出され、大当りであるか否かが判断され、導出表示させる識別情報の種類が決定されることとなる。このように、メインCPU66は、始動口44に遊技球が通過したが、識別情報の可変表示中であり、所定の可変表示保留条件が成立した場合、つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合に、所定の可変表示実行条件が成立した始動記憶情報(成立情報)を、所定数を上限として記憶することとなる。尚、この所定の可変表示実行条件とは、始動口44に遊技球が通過したことを主な条件としているが、これに限らない。また、所定の可変表示開始条件とは、識別情報の可変表示が行われていない状態、又は、識別情報の可変表示が終了した状態において、始動口44に遊技球が通過した、又は、始動記憶情報が記憶されていることを主な条件としているが、これに限らない。尚、本実施形態におけるステップS273を実行するメインCPU66、メインRAM70は、成立情報記憶手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS274に処理を移す。
ステップS274においては、メインCPU66は、始動記憶情報を含み、保留個数が“1”増加する旨の始動記憶数指定コマンドを示すデータを、メインRAM70における所定の記憶領域にセットする。これによって、この始動記憶数指定コマンドを示すデータは、図25のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に始動記憶数指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200においても、始動記憶情報が“1”増加した旨が認識可能となる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
尚、本実施形態においては、始動記憶情報の数を液晶表示装置32における表示領域32aに表示するようにしたが、これに限らず、例えば、主制御回路60に保留ランプなどを電気的に接続し、それら保留ランプの点灯、消灯の制御が行われるようにしてもよい。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図37を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。言い換えると、この副制御回路メイン処理は、電源が意図して遮断されたか、意図せず遮断されたかに関わらず(後述する初期設定を行う状態か、所定の復帰条件が成立してバックアップ復帰を行う状態かを問わず)、電源が投入された場合に開始される処理である。
最初に、図37に示すように、スイッチの状態をモニタする(ステップS210)。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたDIP1フラグ、DIP2フラグを読み出すことによって、設定スイッチ142、144の操作状態をモニタする。つまり、サブCPU206は、電源の投入に関連して設定スイッチ142及び144(操作手段)による操作状態を検出することとなる。また、サブCPU206は、電源の投入に関連する所定の時期にのみ設定スイッチ142及び144による操作を受け付けることとなる。これによって、電源の投入に関連する所定の時期にのみ操作手段による操作を受け付ける、つまり、稼働中など電源の投入に関連する時期以外においては、表示位置の設定を規制するので、稼働中に表示位置の設定が変更されることによる制御上の不都合が発生することを防止することができる。また、電源の投入に関連する所定の時期にのみ操作手段による操作を受け付けるので、稼働中など電源の投入に関連する時期以外においては、操作に応じて、発光パターンデータの設定を規制するので、稼働中に表示位置の設定が変更されることによる制御上の不都合が発生することを防止することができる。尚、本実施形態において、ステップS210を実行するサブCPU206は、操作状態検出手段、操作受付手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS209に処理を移す。
ステップS209において、サブCPU206は、パネル設定処理を実行する。詳しくは図38を用いて説明するが、設定スイッチ142及び144の操作状態に応じた設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS200に処理を移す。
そして、ステップS200において、サブCPU206は、バックアップ復帰条件を満たしたか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、バックアップ復帰条件を満たした場合には、ステップS219に処理を移し、バックアップ復帰条件を満たしていない場合には、ステップS201に処理を移す。尚、このバックアップ復帰条件とは、後述する電断検知フラグがオンである、つまり、電断の発生により、後述するステップS291からステップS294の実行が終了し、各種のデータや状態などのバックアップが取れていることが条件となる。
ステップS219において、サブCPU206は、バックアップ復帰処理を実行し、電断発生前のアドレスへジャンプすることとなる。つまり、サブCPU206は、所定の復帰条件が成立したときに、後述するサブ電断割込処理(図42参照)によって保持されている記憶状態に基づいて、遊技を再開させることとなる。尚、本実施形態においては、ステップS219を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。
一方、ステップS201において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。詳しくは図43及び図44を用いて後述するが、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。詳しくは図50を用いて後述するが、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う。
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ132の発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、再度、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
[パネル設定処理]
図37のステップS209において実行されるサブルーチンについて図38を用いて説明する。
最初に、図38に示すように、サブCPU206は、DIP1フラグが“0”であるか否かを判断する(ステップS211)。この処理において、サブCPU206は、ステップS210のモニタ結果に基づいて、DIP1フラグが“0”であるか否かを判断する。サブCPU206は、DIP1フラグが“0”であると判別した場合には、ステップS212に処理を移す。一方、サブCPU206は、DIP1フラグが“0”ではないと判別した場合には、ステップS214に処理を移す。
ステップS212において、サブCPU206は、キャラクタ画像のデフォルト表示位置をタイプB表示位置に設定する(図15(B)参照)。つまり、サブCPU206は、設定スイッチ142による操作に応じて、キャラクタ画像のデフォルト表示位置をタイプB表示位置に設定する。そして、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に、LED発光パターンフラグBをセットする(ステップS213)。つまり、サブCPU206は、設定スイッチ142による操作に応じて、LED発光パターンフラグBをセットすることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS216に処理を移す。
一方、ステップS214において、サブCPU206は、キャラクタ画像のデフォルト表示位置をタイプA表示位置に設定する(図15(A)参照)。つまり、サブCPU206は、設定スイッチ142による操作に応じて、キャラクタ画像のデフォルト表示位置をタイプA表示位置に設定する。そして、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に、LED発光パターンフラグAをセットする(ステップS215)。つまり、サブCPU206は、設定スイッチ142による操作に応じて、LED発光パターンフラグAをセットすることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS216に処理を移す。
ステップS216において、サブCPU206は、DIP2フラグが“0”であるか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS210のモニタ結果に基づいて、DIP2フラグが“0”であるか否かを判断する。サブCPU206は、DIP2フラグが“0”であると判別した場合には、デモ開始時間として2分30秒を示すデータをワークRAM210の所定領域(後述するデモ表示開始時間テーブルなど)にセットし(ステップS217)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、DIP2フラグが“0”ではないと判別した場合には、デモ開始時間として3分を示すデータをワークRAM210の所定領域(後述するデモ表示開始時間テーブルなど)にセットし(ステップS218)、本サブルーチンを終了する。
つまり、ステップS216からステップS218を実行するサブCPU206は、設定スイッチ144(操作手段)の操作に応じて、複数種類のデモ演出開始時間のうちいずれかを設定する。また、ステップS216からステップS218を実行するサブCPU206は、電源の投入に関連する時期にのみデモ演出開始時間を設定可能である。尚、ステップS216からステップS218を実行するサブCPU206は、デモ演出開始時間設定手段の一例に相当する。
このように、操作可能な操作手段の操作に応じてデモ演出開始時間の設定を行うので、操作者の意図する演出開始時間に容易に設定可能となる。また、電源の投入に関連する時期にのみデモ演出開始時間を設定可能である、即ち、稼働中など電源の投入に関連する時期以外においては、デモ演出開始時間の設定を規制するので、稼働中にデモ演出開始時間の設定が変更されることによる制御上の不都合が発生することを防止することができる。
[コマンド割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、コマンドを受信したタイミングなど)によりコマンド割込処理を実行することとなる。このコマンド割込処理について図39を用いて説明する。
最初に、図39に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS221)行い、主制御回路60から受信した各種の受信コマンドを、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファに格納する(ステップS222)。そして、サブCPU206は、ステップS221において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS223)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[VDP割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、表示装置における垂直同期のタイミング(1/60s)など、一定の周期毎など)によりVDP割込処理を実行することとなる。このVDP割込処理について図40を用いて説明する。
最初に、図40に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS231)行い、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたVDPカウンタを“1”増加させて記憶する、つまり、インクリメントする(ステップS232)。このVDPカウンタは、画像を表示させるためのカウンタであり、画像を表示させるタイミングをカウントする。具体的には、垂直同期のタイミング毎に呼び出される本処理を実行する度に、VDPカウンタが“1”増加することとなる。これによって、後述する表示制御処理(図50参照)において、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”増加する毎に、表示制御を行うためのデータを表示制御回路250に供給することとなる。つまり、本処理を実行するサブCPU206は、画像を表示するためのタイミングをカウントしている。そして、サブCPU206は、ステップS231において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS233)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[タイマ割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、2msなど、一定の周期毎など)によりタイマ割込処理を実行することとなる。このタイマ割込処理について図41を用いて説明する。
最初に、図41に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS241)行い、各種タイマの更新処理を実行する(ステップS242)。そして、サブCPU206は、スイッチ入力処理を実行する(ステップS243)。この処理において、サブCPU206は、遊技者の操作に応じた各種の処理を実行することとなる。そして、サブCPU206は、ステップS241において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS244)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[サブ電断割込処理]
また、サブCPU206は、上述した各種の処理を実行している状態であっても、それら処理を中断させ、最優先にサブ電断割込処理を実行することがある。供給電源電圧値を監視し、所定期間中にその値が所定の閾値以下となっていたと検知された場合に、以下のサブ電断割込処理を実行することとなる。このサブ電断割込処理について図42を用いて説明する。
最初に、図42に示すように、サブCPU206は、一時的にデータが格納されているレジスタの値をワークRAM210の所定領域に退避させる(ステップS291)。特に、サブCPU206は、後述する制御状態フラグ等もワークRAM210の所定領域に退避させるため、バックアップ復帰した後であっても、電源が遮断される前が所定の待機状態であったか否かを認識可能となる。そして、サブCPU206は、割込み許可/禁止状態を記憶する(ステップS292)。そして、サブCPU206は、実行中のプログラムのアドレスなどを示すスタックポインタをワークRAM210の所定領域に退避させる(ステップS293)。そして、サブCPU206は、作業領域が損傷しているか否かをチェックするための作業領域損傷チェック値を算出し、ワークRAM210の所定領域に記憶する(ステップS294)。そして、サブCPU206は、電断検知フラグをワークRAM210の所定領域に記憶する(ステップS295)。このように、サブCPU206やワークRAM210は、電源が遮断されたときに、電源が遮断される前の記憶状態を、電源遮断時においても保持可能な記憶状態保持手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、RAMアクセスを禁止する(ステップS296)。このような処理を行った後には、供給電源電圧値の低下により電断状態となっても、電断状態以前の状態がバックアップされているため、バックアップ復帰が可能となる。
[コマンド解析処理]
図37のステップS203において実行されるサブルーチンについて図43及び図44を用いて説明する。
最初に、図43に示すように、サブCPU206は、受信コマンドがあるか否かを判断する(ステップS401)。この処理において、サブCPU206は、コマンド割込処理(図39参照)のステップS222においてコマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、受信コマンドがあるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出し(ステップS402)、ステップS403に処理を移す。一方、サブCPU206は、受信コマンドがないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
つまり、ステップS402を実行するサブCPU206は、主制御回路60によって送信された各種のコマンド(例えば、大入賞口開放中コマンド、デモ表示コマンド、全回転リーチを行う旨の変動パターン指定コマンド(全回転リーチパターンコマンド)、マルチラインリーチを行う旨の変動パターン指定コマンド(複数ラインリーチパターンコマンド)など)を受信することとなる。尚、本実施形態において、ステップS402を実行するサブCPU206は、コマンド受信手段の一例に相当する。
ステップS403において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS404に処理を移す。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS406に処理を移す。
ステップS404において、サブCPU206は、演出パターン決定処理を実行する。詳しくは図45及び図46を用いて説明するが、サブCPU206は、装飾図柄の変動パターンなど、各種の演出パターンを決定する。この処理が終了した場合には、ステップS405に処理を移す。
ステップS405において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた制御状態フラグを、図柄変動中を示すデータにセットする。これによって、サブCPU206は、図柄変動中であるという状態を記憶することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS406において、サブCPU206は、大入賞口開放中コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、大入賞口開放中コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、大入賞口開放中コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS407に処理を移す。一方、サブCPU206は、大入賞口開放中コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS408に処理を移す。
ステップS407において、サブCPU206は、ラウンド数表示データをセットする。この処理において、サブCPU206は、以前のラウンド数表示データをワークRAM210から読み出し、そのラウンド数表示データを“1”増加させるように更新する。そして、サブCPU206は、所定のタイミングで、ラウンド数表示データに基づく演出制御データを、表示制御回路250、音声制御回路230、ランプ制御回路240に対して供給する。これによって、副制御回路200などは、ラウンド数が報知可能となる。
ステップS408において、サブCPU206は、デモ表示コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、デモ表示コマンドを受信したか否かを判断することとなる。また、このデモ表示コマンドは、始動記憶情報が記憶されておらず、識別情報の可変表示が行われていない所定の待機状態となったことを示す待機コマンドである。この処理において、サブCPU206は、デモ表示コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS409に処理を移す。つまり、サブCPU206は、待機コマンドとしてのデモ表示コマンドを受信したことに基づいて、始動記憶情報が記憶されておらず、識別情報の可変表示が行われていない所定の待機状態となったことを検出することとなる。尚、本ステップを実行するサブCPU206は、待機状態検出手段の一例に相当する。一方、サブCPU206は、デモ表示コマンドを受信していないと判別した場合には、図44のステップS411に処理を移す。
ステップS409において、サブCPU206は、デモ表示処理を実行する。詳しくは図47を用いて後述するが、サブCPU206は、デモ演出に関する制御を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図44のステップS411において、サブCPU206は、電断復帰コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、電断復帰コマンドを受信したか否かを判断することとなる。また、この電断復帰コマンドは、主制御回路60などにおいて電源が遮断された後に、バックアップ復帰が行われ、遊技が再開される場合に送信されるコマンドである。この処理において、サブCPU206は、電断復帰コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS412に処理を移す。一方、サブCPU206は、電断復帰コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS413に処理を移す。
ステップS412において、サブCPU206は、電断復帰処理を実行する。詳しくは図48を用いて後述するが、サブCPU206は、電断によるバックアップ復帰後における処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS413において、サブCPU206は、初期化コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、初期化コマンドを受信したか否かを判断することとなる。また、この初期化コマンドは、主制御回路60などにおいて電源が投入された後に、初期化設定が行われ、遊技が開始される場合に送信されるコマンドである。つまり、サブCPU206は、初期化が行われたか否かを判定する。この処理において、サブCPU206は、初期化コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS414に処理を移す。一方、サブCPU206は、初期化コマンドを受信していないと判別した場合には、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし(ステップS415)、本サブルーチンを終了する。つまり、サブCPU206は、初期化コマンドを受信していないと判別した場合には、その他のコマンドを受信したこととなり、その他のコマンドに対応する演出制御データをセットする。具体的な一例としては、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信した場合には、その導出図柄指定コマンドに対応する導出装飾図柄(導出表示させる装飾図柄)を決定し、その導出装飾図柄を示すデータを表示制御回路250などに供給することとなる。これによって、サブCPU206は、装飾図柄の可変表示の結果を決定することとなる。
ステップS414において、サブCPU206は、初期化処理を実行する。詳しくは図49を用いて後述するが、サブCPU206は、初期化された後における処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対して、変動パターン指定コマンド、大入賞口開放中コマンド、デモ表示コマンド、電断復帰コマンド、初期化コマンドなど、各種のコマンドを受信することによって、上述したように、コマンドに対応する処理を実行するようにしたが、これに限らず、別のコマンドを受信した場合に、上述したような処理を実行するようにしてもよい。具体的には、本実施形態においては、サブCPU206は、大入賞口開放中コマンドを受信した場合に、上述したような処理(例えば、ステップS407)を実行していたが、これに限らず、例えば、大入賞口が閉鎖した旨のコマンドを受信してから所定時間が経過した後に、上述したような処理(例えば、ステップS407)を実行するようにしてもよい。もちろん、このようなコマンドに応じることなく、上述したような処理を実行しないようにしてもよい。また、本実施形態において、副制御回路200は主制御回路60よりデモ表示コマンドを受信することによってデモ表示開始時間をタイマにセットし、デモ表示開始時間となったら所定のデモ演出を実行するようにしたが、これに限らず、例えば、特別図柄を確定停止させるときに送信される図柄停止コマンドや、大当り遊技状態が終了したときに送信される大当り終了コマンドを受信したときに上述したような処理を実行するようにしてもよい。
[演出パターン決定処理]
図43のステップS404において実行されるサブルーチンについて図45及び図46を用いて説明する。
最初に、図45に示すように、サブCPU206は、LED発光パターンフラグを参照する(ステップS421)。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶されたデータを読み出し、LED発光パターンフラグを参照する。つまり、サブCPU206は、ステップS212、ステップS214においてセットされたLED発光パターンフラグがLED発光パターンフラグAであるかLED発光パターンフラグBであるかをモニタすることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS422に処理を移す。
また、サブCPU206は、所定のタイミングで、上述したようにワークRAM210の所定領域にセットされたLED発光パターンフラグに基づいて、LED発光パターンフラグに対応するLED発光パターンテーブル(図11及び図12参照)を選択する。つまり、サブCPU206は、複数種類の発光パターンデータからいずれかを設定スイッチ142の操作に応じて選択することとなる。尚、このような処理を実行するサブCPU206は、発光パターンデータ選択手段の一例に相当する。
また、サブCPU206は、このように選択された発光パターンデータと、受信した変動パターン指定コマンドの種類とに基づいて、後述するステップS425、ステップS429、ステップS430、ステップS435、ステップS436などにおける各種の演出パターンに基づく演出パターンデータとして、発光パターンデータをセットする。そして、サブCPU206は、演出パターンデータを各種回路に供給するタイミングで、そのテーブルに対応する発光態様(発光パターンデータに基づく発光パターン)でLED37a01から37a32やLED37b01から37b32などのいずれかを発光させるための発光命令をランプ制御回路240に供給する。ランプ制御回路240は、発光命令を受け取り、LEDなどを含むランプ132を発光させる発光制御を行うこととなる。つまり、このような処理を実行するサブCPU206、ランプ制御回路240は、選択された発光パターンデータに基づいて、図13又は図14に示すように、LEDなどの発光体の発光制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するサブCPU206、ランプ制御回路240は、発光制御手段の一例に相当する。
このように、複数種類の発光パターンデータからいずれかを操作に応じて選択し、その選択された発光パターンデータに基づいて遊技盤に設けられた発光体の発光制御を行うので、遊技盤の変更に伴い、操作に応じて発光パターンデータの変更を可能とし、例えばハードウェアの交換などによらず、発光パターンデータの変更を行うことによって、資源の有効利用を図ることができる。
ステップS422において、サブCPU206は、マルチラインリーチであるか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドを読み出し、マルチラインリーチであるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、マルチラインリーチであると判別した場合には、ステップS423に処理を移す。一方、サブCPU206は、マルチラインリーチではないと判別した場合には、ステップS426に処理を移す。
ステップS423において、サブCPU206は、リーチ図柄決定用乱数値を抽出する。そして、サブCPU206は、リーチ図柄決定処理を実行する(ステップS424)。この処理において、サブCPU206は、受信した導出図柄指定コマンドに対応するマルチラインリーチ図柄決定テーブル(図9参照)を参照し、抽出したリーチ図柄決定用乱数値に基づいて、複数のリーチラインに停止表示させる図柄を決定し、その図柄を示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする。つまり、サブCPU206は、識別情報の可変表示の結果に基づいて、複数種類の識別情報の可変表示パターンからいずれかを選択する。言い換えると、サブCPU206は、識別情報の可変表示の結果に基づいて、所定の確率で、特別マルチラインリーチパターン(特別複数ラインリーチパターン)を選択することとなる。更に言い換えると、サブCPU206は、マルチラインリーチ(複数ラインリーチ)を実行する旨のマルチライン(複数ライン)リーチパターンコマンドが受信された場合に、特別複数ラインリーチパターンと、通常マルチライン(複数ライン)リーチパターンとのいずれかを選択することとなる。尚、このような処理を実行するサブCPU206は、可変表示パターン選択手段、複数ラインリーチパターン選択手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、マルチラインリーチに関するマルチラインリーチ演出パターンデータを、ワークRAM210の所定領域にセットする(ステップS425)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、サブCPU206は、所定のタイミングで、上述したようにワークRAM210の所定領域にセットされたマルチラインリーチ演出パターンに対応するマルチラインリーチ演出データや、そのマルチラインリーチにおける停止図柄などを、表示制御回路250などに供給する。このようなデータを受け取った表示制御回路250は、装飾図柄の可変表示を液晶表示装置32に行わせることとなる。特に、サブCPU206、表示制御回路250は、選択された識別情報の可変表示パターンに基づいて、液晶表示装置32における識別情報の可変表示の制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するサブCPU206、表示制御回路250は、可変表示制御手段の一例に相当する。
このように、決定された識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様であり、複数のリーチラインを構成する複数ラインリーチを実行する複数ラインリーチパターンを実行する場合に、全てのリーチラインにおいて、識別情報が停止表示すると特別の表示態様となる可能性のある特別複数ラインリーチパターンを選択する。このように、特別の表示態様、非特別の表示態様が混在せず、特別の表示態様となる可能性のある組合せのみの特別複数ラインリーチパターンで識別情報の可変表示が行われることによって、識別情報の可変表示の結果が、非特別の表示態様にはならず、特別の表示態様となる可能性があることとなり、遊技者に相対的により一層有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態や、第一の大当り遊技状態など)に移行する期待感を高揚させることによって、大当たりへの期待感をより一層高揚させることができるため、複数ラインリーチを行うことによる演出効果を向上させ、飛躍的に興趣の向上を図ることができる。
また、遊技の制御を行う遊技制御手段は、複数ラインリーチパターンが選択された場合には、複数ラインリーチパターンを実行させる複数ラインリーチパターンコマンドを送信し、識別情報の可変表示の制御を行う可変表示制御手段は、複数ラインリーチパターンコマンドが受信された場合に、特別複数ラインリーチパターンと、いずれかのリーチラインにおいて非特別の表示態様となる可能性のあるリーチラインが含まれる通常複数ラインリーチパターンとのいずれかを選択する。このため、遊技制御手段に制御の負担をかけることなく、興趣の向上を図ることができる。
一方、ステップS426において、サブCPU206は、確変全回転リーチであるか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドを読み出し、確変全回転リーチであるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、確変全回転リーチであると判別した場合には、ステップS427に処理を移す。一方、サブCPU206は、確変全回転リーチではないと判別した場合には、図46のステップS431に処理を移す。
ステップS427において、サブCPU206は、全回転リーチ態様を決定するための全回転リーチ態様決定用乱数値を抽出する。そして、サブCPU206は、確変大当り時全回転パターン決定テーブル(図10参照)を参照し、抽出した全回転リーチ態様決定用乱数値に基づいて、全回転リーチ態様(全回転リーチ変動パターン)を決定(選択)する。この処理が終了した場合には、ステップS428に処理を移す。
ステップS428において、サブCPU206は、特別全回転リーチが実行されるか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS427によって選択された全回転リーチに基づいて、特別全回転リーチが実行されるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、特別全回転リーチが実行されると判別した場合には、ステップS429に処理を移す。一方、サブCPU206は、特別全回転リーチが実行されないと判別した場合には、ステップS430に処理を移す。
ステップS429において、サブCPU206は、特別全回転リーチ演出パターンデータを、ワークRAM210の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS430において、サブCPU206は、通常全回転リーチ演出パターンデータを、ワークRAM210の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
つまり、サブCPU206は、識別情報の可変表示の結果に基づいて、所定の確率で、複数種類の識別情報の可変表示パターンから特別全回転リーチパターンを選択することとなる。言い換えると、サブCPU206は、識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様となると決定されたことを条件に、所定の確率で特別全回転リーチパターンを選択することとなる。更に言い換えると、サブCPU206は、全回転リーチパターンコマンドが受信された場合において、識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様と決定されたときには、通常全回転リーチパターンと特別全回転リーチパターンとのいずれかを選択することとなる。尚、このような処理を実行するサブCPU206は、可変表示パターン選択手段、全回転パターン選択手段の一例に相当する。
また、サブCPU206は、所定のタイミングで、上述したようにワークRAM210の所定領域にセットされた全回転リーチ演出パターンに対応する全回転リーチ演出データや、その全回転リーチにおける変動図柄などを、表示制御回路250などに供給する。このようなデータを受け取った表示制御回路250は、装飾図柄の可変表示を液晶表示装置32に行わせることとなる。特に、サブCPU206、表示制御回路250は、選択された識別情報の可変表示パターンに基づいて、液晶表示装置32における識別情報の可変表示の制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するサブCPU206、表示制御回路250は、可変表示制御手段の一例に相当する。
このように、決定された識別情報の可変表示の結果に基づいて、特別の表示態様のみから構成される特定の表示態様を維持しながら同期して可変表示を行う特別全回転リーチパターンを含む識別情報の可変表示パターンのなかからいずれかを選択し、選択された識別情報の可変表示パターンに基づいて識別情報の可変表示の制御を行う。このため、特別全回転リーチパターンに基づいて識別情報の可変表示が行われることによって、遊技者に相対的により一層有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態や、第一の大当り遊技状態など)に移行することが確定することとなり、全回転リーチを行うことによる演出効果を向上させ、飛躍的に興趣の向上を図ることができる。
また、識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様となると決定されたことを条件に、特別全回転リーチパターンを選択するので、識別情報の可変表示の結果が非特別の表示態様となると決定された場合に特別全回転リーチパターンを選択することがないため、遊技者に対して、演出の進行に違和感を与えることを防止し、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
更には、遊技の制御を行う遊技制御手段は、全回転リーチパターンが選択された場合には、全回転リーチパターンを実行させる全回転リーチパターンコマンドを送信し、識別情報の可変表示の制御を行う可変表示制御手段は、送信された全回転リーチパターンコマンドを受信し、全回転リーチパターンコマンドが受信された場合において、識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様と決定されたときには、通常全回転リーチパターンと、特別全回転リーチパターンとのいずれかを選択する。このため、遊技制御手段に制御の負担をかけることなく、興趣の向上を図ることができる。
次に、図46に示すように、ステップS431において、サブCPU206は、大相撲リーチであるか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドを読み出し、大相撲リーチであるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、大相撲リーチであると判別した場合には、ステップS432に処理を移す。一方、サブCPU206は、大相撲リーチではないと判別した場合には、ステップS436に処理を移す。
ステップS432において、サブCPU206は、デフォルト表示位置がタイプBであるか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶されたデータを読み出し、デフォルト表示位置がタイプBであるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、デフォルト表示位置がタイプBであると判別した場合には、プログラムROM208からタイプBに対応する対戦相手の表示位置(x2,y2)(図15(B)における対戦相手に対応する表示位置)を読み出し、対戦相手の表示位置を(x2,y2)として、ワークRAM210の所定領域にセットし(タイプBにセットし)(ステップS433)、ステップS435に処理を移す。一方、サブCPU206は、デフォルト表示位置がタイプBではないと判別した場合には、プログラムROM208からタイプAに対応する対戦相手の表示位置(x1,y1)(図15(A)における対戦相手に対応する表示位置)を読み出し、対戦相手の表示位置を(x1,y1)として、ワークRAM210の所定領域にセットし(タイプAにセットし)(ステップS434)、ステップS435に処理を移す。
つまり、ステップS432からステップS434を実行するサブCPU206は、大相撲リーチを示す変動パターン指定コマンドを受信した場合には、設定スイッチ142の操作に応じて、複数種類の表示位置データからいずれかを選択することとなる。尚、このような処理を実行するサブCPU206は、表示位置データ選択手段の一例に相当する。
尚、本実施形態においては、予め定められた特定の画像を表示させる大相撲リーチを示す変動パターン指定コマンドを受信した場合に、上述したような処理を実行したが、これに限らず、例えば、大当りとなる場合など、所定の表示条件(任意の表示条件)が成立した場合に、上述したような処理を実行するようにしてもよい。
ステップS435において、サブCPU206は、大相撲リーチ演出パターンデータを、ワークRAM210の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、サブCPU206は、所定のタイミングで、上述したようにワークRAM210の所定領域にセットされた演出パターンに対応する大相撲リーチ演出データや、対戦相手の表示位置を示すデータを表示制御回路250などに供給する。このようなデータを受け取った表示制御回路250は、装飾図柄の可変表示を液晶表示装置32に行わせることとなる。また、表示制御回路250は、液晶表示装置32において、大相撲リーチ演出データに基づく大相撲リーチ演出を実行する。
特に、サブCPU206、表示制御回路250は、大相撲リーチである場合、つまり、対戦相手を表示させる場合に、ステップS433、ステップS434によって選択された表示位置データに基づいて、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うこととなる。言い換えると、サブCPU206、表示制御回路250は、複数種類の画像(例えば、主人公キャラクタ、猿キャラクタ、対戦相手キャラクタなど)のうちの予め定められた特定の画像(例えば、対戦相手キャラクタなど)を表示させる場合に、ステップS433、ステップS434によって選択された表示位置データに基づいて、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うこととなる。つまり、上述したように、設定スイッチ142に応じて、液晶表示装置32における表示領域32に表示される特定の画像(例えば、対戦相手など)の表示位置を、図15(A)に示すようにタイプAとするか、図15(B)に示すようにタイプBとするかが選択されることとなる。尚、このような処理を実行するサブCPU206、表示制御回路250は、表示制御手段の一例に相当する。
これによって、所定の表示条件が成立した場合には、操作可能な操作手段による操作に応じて、複数種類の表示位置データからいずれかを選択し、選択された表示位置データに基づいて画像を表示させる制御を行うので、遊技盤の変更に伴い、例えば、遊技盤に設けられる各種の部材などの位置が異なる場合であっても、表示制御手段における画像データROMなどを変更することなく、操作に応じて表示位置を変更させることができる。このため、変更された遊技盤に応じて、表示装置の表示領域に表示される画像を遊技者に対して視認し易くすることができるとともに、資源の有効利用を図ることができる。
また、複数種類の画像のうちの予め定められた特定の画像を表示させる場合に、選択された表示位置データに基づいて画像を表示させる制御を行うので、例えば、特定の画像以外の他の画像の表示位置を変更させる制御を行うことがなく、特定の画像のみを選択された表示位置データに基づいて画像を表示させることができ、制御負荷を軽減させることができる。
一方、ステップS436において、サブCPU206は、その他の受信した変動パターン指定コマンドに対応する演出データをセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、サブCPU206は、所定のタイミングで、上述したようにワークRAM210の所定領域にセットされた演出パターンに対応する演出データを表示制御回路250などに供給する。このようなデータを受け取った表示制御回路250は、装飾図柄の可変表示を液晶表示装置32に行わせることとなる。
[デモ表示処理]
図43のステップS409において実行されるサブルーチンについて図47を用いて説明する。
最初に、図47に示すように、デモ表示開始時間テーブルを参照する処理を実行する(ステップS441)。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたデモ表示開始時間テーブルを参照する。この表示開始時間テーブルは、ステップS214からステップS216において、電源の投入に関連する時期にのみ設定されるテーブルである。そして、サブCPU206は、参照した結果、該当するデモ表示開始時間をタイマにセットする(ステップS442)。そして、サブCPU206は、デモ演出を実行するためのデモ演出データをセットする(ステップS443)。この処理が終了した場合には、ステップS444に処理を移す。
尚、サブCPU206は、ステップS442においてセットしたデモ表示開始時間が経過したことが検知された場合には、ステップS443においてセットしたデモ演出データを、表示制御回路250などに供給する。つまり、サブCPU206は、デモ表示コマンドを受信した場合にデモ演出が実行されるように、所定の待機状態となったことを検出し、所定の待機状態となったことが検出されてから、ステップS214からステップS216において設定されたデモ演出開始時間となったことを検出したときにデモ演出が実行されるように、デモ演出データを表示制御回路250などに供給する。尚、このような処理を実行するサブCPU206は、デモ演出開始時間検出手段の一例に相当する。
そして、表示制御回路250などは、デモ演出データを受け取り、液晶表示装置32などにデモ画面を表示させるなど、デモ演出を実行させることとなる。つまり、液晶表示装置32などは、サブCPU206によってデモ演出開始時間となったことが検出された場合には所定のデモ演出を実行することとなる。尚、このような液晶表示装置32は、デモ演出実行手段の一例に相当する。もちろん、デモ画像のみならず、デモ音声、デモ電飾であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
このように、識別情報の可変表示が行われていない所定の待機状態となったことが検出されてから、複数種類のデモ演出開始時間のうちから設定されたデモ演出開始時間となったことを検出し、所定のデモ演出を実行するので、遊技機によってはデモ演出開始時間が異なるように設定可能であり、遊技者における遊技意欲を高揚させることができる。
また、例えば、他の遊技機と比べて有利な遊技機(所謂、サービス台)に対して、特定のデモ演出開始時間が設定されているなど、デモ演出開始時間が異なることによる遊技場のサービス報知効果などを向上させることによって、遊技者における遊技意欲を高揚させることができる。もちろん、有利な遊技機に対して、特定のデモ演出開始時間が実際に設定されていない場合であっても、設定されているかもしれないといった意識を遊技者に持たせることができ、遊技者における遊技意欲を高揚させることができる。
また、例えば、遊技場における遊技機の稼働率に応じて、デモ演出開始時間を調節することができる。具体的な一例としては、稼働率の低い遊技機が多い遊技場においては、デモ演出開始時間を短く設定することによって、相対的に頻繁にデモ演出を実行することにより、遊技意欲を高揚させることができる。一方、稼働率の低い遊技機が少ない遊技場においては、デモ演出が頻繁に実行されることによって、反って、遊技者に煩わしく感じさせることがあるため、デモ演出開始時間を長く設定することによって、遊技意欲を高揚させることができる。
また、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合に、所定の可変表示実行条件が成立した成立情報を記憶し、識別情報の可変表示の結果が導出表示された場合に、成立情報が記憶されていないと判定されたことに基づいて所定の待機状態となったことを検出するので、所定の待機状態となったことを検出するために特別な部材を設ける必要がないため、部品点数の低減を図ることができる。
また、遊技の制御を行う遊技制御手段は、所定の待機状態となったときに待機コマンドを送信し、遊技の進行に応じた演出の制御を行う演出制御手段は、送信された待機コマンドを受信するコマンド受信手段などを含み、待機コマンドの受信に基づいて所定の待機状態となったことを検出することとなるので、遊技制御手段に制御の負担をかけることなく、遊技者における遊技意欲を高揚させることができる。
ステップS444において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた制御状態フラグを、所定の待機状態中を示すデータにセットする。これによって、サブCPU206は、所定の待機状態中であるという状態を記憶することとなる。尚、サブCPU206は、その他、大当り開始コマンドなどを受信した場合には、制御状態フラグとして大当り中フラグを示すデータなどをセットすることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[電断復帰処理]
図44のステップS412において実行されるサブルーチンについて図48を用いて説明する。
最初に、図48に示すように、制御状態フラグが待機状態中であるか否かを判断する(ステップS451)。この処理において、サブCPU206は、電源遮断前にワークRAM210の所定領域にセットされた制御状態フラグを読出し、その制御状態フラグに基づいて、待機状態中であるか否かを判断する。つまり、サブCPU206は、電断などによるバックアップ復帰後に、遊技が再開される場合において、電源が遮断される前の状態が、識別情報の可変表示が行われていない所定の待機状態であったか否かを判定(検出)することとなる。その結果、サブCPU206は、上述したように、ステップS219において副制御回路200におけるバックアップ復帰を行った後に、電断復帰コマンドを受信した場合において、電断復帰前における制御状態フラグが所定の待機状態を示すデータであったときには、識別情報の可変表示が行われていない所定の待機状態であった(所定の待機状態となった)と判定(検出)することとなる。尚、本ステップを実行するサブCPU206は、待機状態検出手段の一例に相当する。サブCPU206は、制御状態フラグが待機状態中であると判別した場合には、ステップS452に処理を移す。一方、サブCPU206は、制御状態フラグが待機状態中ではないと判別した場合には、ステップS455に処理を移す。尚、本実施形態において、主制御回路60では、電断復帰時においてデモ表示コマンドが送信されない処理となっているが、これに限らない。
そして、ステップS452において、サブCPU206は、デモ表示開始時間テーブルを参照する処理を実行する。この表示開始時間テーブルは、ステップS214からステップS216において、電源の投入に関連する時期にのみ設定されるテーブルである。そして、サブCPU206は、参照した結果、該当するデモ表示開始時間をタイマにセットする(ステップS453)。そして、サブCPU206は、簡易画面の表示を行った後にデモ表示開始時間経過後にデモ演出を実行するためのデモ演出データをセットする(ステップS454)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
尚、サブCPU206は、簡易画面の表示を行う旨のデータを表示制御回路250などに供給するが、ステップS453においてセットしたデモ表示開始時間が経過したことが検知された場合には、ステップS454においてセットしたデモ演出データに基づいてデモ演出が実行されるように、表示制御回路250などに供給する。つまり、サブCPU206は、所定の待機状態となったことが検出されてから、ステップS214からステップS216において設定されたデモ演出開始時間となったことを検出したときにデモ演出が実行されるように、デモ演出データを表示制御回路250などに供給する。尚、このような処理を実行するサブCPU206は、デモ演出開始時間検出手段の一例に相当する。
そして、表示制御回路250などは、デモ演出データを受け取り、液晶表示装置32などに、簡易画面の表示を行わせた後に、デモ画面を表示させるなど、デモ演出を実行させることとなる。つまり、液晶表示装置32などは、サブCPU206によってデモ演出開始時間となったことが検出された場合には所定のデモ演出を実行することとなる。尚、このような液晶表示装置32は、デモ演出実行手段の一例に相当する。もちろん、デモ画像のみならず、デモ音声、デモ電飾であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
このように、電源が遮断されたときに、電源が遮断される前の記憶状態を、電源遮断時においても保持可能であり、保持されている記憶状態に基づいて遊技を再開させる場合において、電源が遮断される前の状態が所定の待機状態であったときには、所定の待機状態となったことを検出する、つまり、例えば、識別情報の可変表示中や大当り遊技状態において電源が遮断された場合等、電源遮断前の状態が所定の待機状態以外の場合には、所定の待機状態であることを検出しないので、処理効率が向上する。
一方、ステップS455において、サブCPU206は、簡易画面を表示した後に、制御状態フラグに対応する演出を実行するための演出データをセットする。サブCPU206は、簡易画面の表示を行う旨のデータを表示制御回路250などに供給し、所定のタイミングで、制御状態フラグに対応する演出データを供給する。これによって、表示制御回路250などは、演出データを受け取り、液晶表示装置32などに、簡易画面の表示を行わせた後に、制御状態フラグに対応する画面(例えば、装飾図柄の可変表示演出など)を表示させるなど、デモ演出を実行させることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
尚、本実施形態においては、上述したステップS219において、副制御回路200のバックアップ復帰を行い、主制御回路60からの電断復帰コマンドを受信することによって、実際に、復帰させた遊技を再開させていたが、これに限らず、例えば、ステップS219のタイミングでは実際にバックアップ復帰を行わずに、主制御回路60からの電断復帰コマンドを受信することによって、バックアップ復帰を行い、復帰させた遊技を再開させてもよい。つまり、主制御回路60と副制御回路200との間で、遊技を再開させるタイミングが同期されればよい、つまり、同期させるための電断復帰コマンドの受信タイミングによって、遊技を再開させればよく、バックアップ復帰のタイミングは問わない。
[初期化処理]
図44のステップS414において実行されるサブルーチンについて図49を用いて説明する。
最初に、図49に示すように、サブCPU206は、初期化データをセットする(ステップS461)。この処理において、サブCPU206は、例えば、主制御回路60から供給された初期化コマンドに基づく初期化データを、ワークRAM210の所定領域にセットする。これによって、サブCPU206は、ステップS201において副制御回路200における初期化を行うとともに、本ステップにおいて主制御回路60における初期化の状態を認識可能となる。つまり、サブCPU206は、ステップS201が終了した後に、初期化コマンドを受信した場合には、初期設定が終了したと判定することとなる。本処理が終了した場合には、ステップS462に処理を移す。尚、本実施形態において、主制御回路60では、初期化時においてデモ表示コマンドが送信されるが、副制御回路200においては、初期化時におけるデモ表示コマンドは無視されることとなるが、これに限らない。
そして、ステップS462において、サブCPU206は、デモ表示開始時間テーブルを参照する処理を実行する。この表示開始時間テーブルは、ステップS214からステップS216において、電源の投入に関連する時期にのみ設定されるテーブルである。そして、サブCPU206は、参照した結果、該当するデモ表示開始時間をタイマにセットする(ステップS463)。そして、サブCPU206は、デモ演出データをセットする(ステップS464)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
尚、サブCPU206は、ステップS463においてセットしたデモ表示開始時間が経過したことが検知された場合には、ステップS464においてセットしたデモ演出データに基づいてデモ演出が実行されるように、表示制御回路250などに供給する。つまり、サブCPU206は、初期設定が終了したことを条件に、識別情報の可変表示が行われていない所定の待機状態となったことを検出し、所定の待機状態となったことが検出されてから、ステップS214からステップS216において設定されたデモ演出開始時間となったことを検出したときにデモ演出が実行されるように、デモ演出データを表示制御回路250などに供給する。尚、このような処理を実行するサブCPU206は、待機状態検出手段、デモ演出開始時間検出手段の一例に相当する。
そして、表示制御回路250などは、デモ演出データを受け取り、液晶表示装置32などに、デモ画面を表示させるなど、デモ演出を実行させることとなる。つまり、液晶表示装置32などは、サブCPU206によってデモ演出開始時間となったことが検出された場合には所定のデモ演出を実行することとなる。尚、このような液晶表示装置32は、デモ演出実行手段の一例に相当する。もちろん、デモ画像のみならず、デモ音声、デモ電飾であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
このように、電源が投入されたことに基づいて行われる所定の初期設定が終了したことを条件に、所定の待機状態となったことを検出するので、例えば、複数の遊技機に同時に電源が投入され、電源投入後に識別情報の可変表示が行われていない遊技機が複数あった場合であっても、異なるデモ演出開始時間に設定されていることによって、一斉には所定のデモ演出が実行されないことがある。このため、誰にも遊技されていない遊技機であることを容易に認識させないことにより遊技者に敬遠されることを抑制できるので、遊技者における遊技意欲を高揚させることができる。
尚、本実施形態においては、上述したステップS201において、コマンドを受信可能にする処理や、バックアップ復帰を行うためのデータをクリアする処理など、副制御回路200の初期設定を行い、主制御回路60からの初期化コマンドを受信することによって、実際に、遊技を開始させていたが、これに限らず、例えば、ステップS201のタイミングでは、実際には、バックアップ復帰を行うためのデータをクリアする処理を行わず、コマンドを受信可能にする処理などを行い、主制御回路60からの初期化コマンドを受信することによって、バックアップ復帰を行うためのデータをクリアし、遊技を開始させてもよい。つまり、主制御回路60と副制御回路200との間で、遊技を開始させるタイミングが同期されればよい、つまり、同期させるための初期化コマンドの受信タイミングによって、遊技を開始させればよく、バックアップ復帰を行うためのデータをクリアするタイミングは問わない。
[表示制御処理]
図37のステップS204において実行されるサブルーチンについて図50を用いて説明する。
最初に、図50に示すように、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”であるか否かを判断する(ステップS351)。この処理において、サブCPU206は、上述したVDP割込処理(図40参照)のステップS232においてカウントされているVDPカウンタからVDPカウンタ値を読み出し、“2”であるか否かを判断する。つまり、上述したように、VDP割込処理において、1/60s毎にVDPカウンタが“1”増加するため、サブCPU206は、1/30s経過したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”であると判別した場合には、ステップS352に処理を移す。一方、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS352において、サブCPU206は、制御データ出力処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、画像を表示させるための制御データを、表示制御回路250に供給する。例えば、サブCPU206は、画像データを示すデータなど、演出を示す制御データを表示制御回路250に供給することとなる。そして、サブCPU206は、VDPカウンタに“0”をセットする(ステップS353)。そして、サブCPU206は、バンク切替指示を表示制御回路250に供給する(ステップS354)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[その他の実施形態]
尚、本実施形態においては、設定スイッチ142の操作に応じて、特定の画像の表示位置を変更させたが、これに限らず、例えば、設定スイッチ142の操作に応じて、全ての画像の表示位置を変更させてもよい。また、電源の投入に関連する所定の時期にのみ、設定スイッチ142の操作をモニタするようにしたが、これに限らず、例えば、電源の投入に関連する所定の時期以外に、設定スイッチ142の操作をモニタするようにしてもよい。
また、本実施形態においては、待機コマンドを受信したことに基づいて、所定の待機状態となったことを検出するように構成したが、これに限らず、例えば、主制御回路60、副制御回路200など、各種の回路を別々に設けないなど、待機コマンドが受信されなくても、所定の待機状態となったことを検出するように構成してもよい。
また、本実施形態においては、電源の投入に関連する時期にのみデモ演出開始時間を設定可能であるが、これに限らず、例えば、電源の投入に関連する時期以外にも、デモ演出開始時間を設定可能としてもよい。
また、本実施形態においては、操作可能な設定スイッチ144の操作に応じて、デモ演出開始時間の設定を行うように構成したが、これに限らず、例えば、設定スイッチ144などの操作手段の操作に応じることなく、遊技の履歴(例えば、前日の大当り回数など)等、他の条件に基づいて、デモ演出開始時間の設定を行うように構成してもよい。もちろん、これらの組み合わせであってもよい。
また、本実施形態においては、識別情報の可変表示の結果が導出表示された場合に、始動記憶情報(成立情報)が記憶されているか否かを判定し、始動記憶情報が記憶されていないと判定されたことに基づいて所定の待機状態となったことを検出するように構成した。また、本実施形態においては、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行い、その初期設定が終了したことを条件に、所定の待機状態となったことを検出するように構成した。また、本実施形態においては、所定の復帰条件が成立したときに、電源遮断時においても保持されている電源が遮断される前の記憶状態に基づいて、遊技を再開させ、その再開される場合において、電源が遮断される前の状態が所定の待機状態であったときには、所定の待機状態となったことを検出するように構成した。このような構成に限らず、例えば、これらの組み合わせのうちいずれかであってもよい。例えば、識別情報の可変表示の結果が導出表示された場合、電断復帰時においては所定の待機状態となったことが検出されず、初期設定が終了したときにのみ、所定の待機状態となったことを検出するように構成してもよい。また、例えば、識別情報の可変表示の結果が導出表示された場合、初期設定終了時においては所定の待機状態となったことが検出されず、電断復帰が行われ、遊技が再開されたときにのみ、所定の待機状態となったことを検出するように構成してもよい。もちろん、例えば、遊技が再開されたときに、電源が遮断される前の状態が所定の待機状態でない場合も、所定の待機状態となったことを検出するように構成してもよい。また、例えば、初期設定終了時、電断復帰時においては所定の待機状態となったことが検出されず、識別情報の可変表示の結果が導出表示された場合にのみ、所定の待機状態となったことを検出するように構成してもよい。
また、本実施形態においては、複数種類のデモ演出開始時間のうちいずれかを設定し、識別情報の可変表示が行われていない所定の待機状態となったことが検出されてから、設定されたデモ演出開始時間となったことを検出し、デモ演出開始時間となったことが検出された場合には所定のデモ演出を実行するように構成したが、これに限らず、例えば、一種類のデモ演出開始時間に設定されていてもよい。また、例えば、所定の待機状態となったことが検出されてからデモ演出開始時間となったことが検出された場合に所定のデモ演出を実行しないように構成してもよい。
また、本実施形態においては、設定スイッチ142の操作に応じて、発光体の発光パターンや、表示位置を変更させるようにしたが、これに限らず、例えば、遊技盤の種類を識別可能な形状の凸部などが形成され、その凸部を検知することによって、遊技盤の種類を識別し、発光体の発光パターンや、表示位置を変更させるように構成してもよい。
また、本実施形態においては、確変図柄と非確変図柄とを1つおきとして、確変図柄を奇数、非確変図柄を偶数としたが、これに限らず、例えば、1つおきでなくてもよい。具体的には、“1”、“3”、“5”、“6”、“7”、“8”、“9”を確変図柄、それ以外の“0”、“2”、“4”を非確変図柄としてもよい。また、例えば、これら確変図柄と非確変図柄とをランダムとしてもよい。
更にまた、本実施形態においては、識別情報の可変表示の結果が、特別の表示態様となったことを条件に、大当り遊技状態が終了した後に、確変状態に移行させるように構成したが、これに限らず、例えば、識別情報の可変表示の結果が、特別の表示態様となったことを条件に、確変状態ではなく、識別情報の可変表示時間を短くするとともに、始動口への遊技球の入賞の可能性を高める(例えば、羽根部材48を開放しやすくするなど)時短状態に移行させるようにしてもよい。また、識別情報の可変表示の結果が、特別の表示態様となったことを条件に、非特別の表示態様となった場合よりも時短遊技状態などが継続される回数を変更させるようにしてもよい。
更には、本実施形態においては、第一の大当り遊技状態においては上限ラウンド数(大当りラウンド最大継続数)を15ラウンドとし、第二の大当り遊技状態においては上限ラウンド数を2ラウンドとして、大当り遊技状態に有利不利を設定していたが、これに限らず、例えば、第一の大当り遊技状態と第二の大当り遊技状態とで、大当り時のラウンド中に大入賞口に受け入れる遊技球の最大数である大当りラウンド中入賞最大カウント数を異ならせることによって、大当り遊技状態に有利不利を設定してもよい。もちろん、これらの他にも、第一の大当り遊技状態と第二の大当り遊技状態とで、大入賞口を開放する最大時間などを異ならせることによって、大当り遊技状態に有利不利を設定してもよい。
更にまた、本実施形態においては、識別情報の可変表示の結果が、特別の表示態様となった場合に、非特別の表示態様となった場合よりも相対的に有利な第一の大当り遊技状態(特別大当り)に移行させ、その第一の大当り遊技状態が終了した後に、確変状態に移行させるように構成したが、これに限らず、例えば、識別情報の可変表示の結果が、特別の表示態様となった場合に、非特別の表示態様となった場合よりも相対的に有利な第一の大当り遊技状態(特別大当り)に移行させ、その第一の大当り遊技状態が終了した後に、確変状態に移行させない、つまり、確変状態に移行させず、通常遊技状態に移行させるようにしてもよい。もちろん、識別情報の可変表示の結果が、特別の表示態様となった場合に、非特別の表示態様となった場合と同じような大当り遊技状態に移行させ、その大当り遊技状態が終了した後に、確変状態に移行させるようにしてもよい。
更にまた、本実施形態においては、主制御回路60において変動パターンを決定し、その変動パターンを示す変動パターン指定コマンドを受信した副制御回路200において、変動パターンに対応する演出パターン(可変表示パターン)を選択したが、これに限らず、例えば、主制御回路60において、変動パターンを決定し、その変動パターンに対応する演出パターン(可変表示パターン)を選択し、副制御回路200において演出パターンを選択しないようにしてもよい。もちろん、この演出パターン(可変表示パターン)には、全回転リーチパターン(特別全回転リーチパターン、通常全回転リーチパターンを含む)や、マルチラインリーチパターン(特別マルチラインリーチパターン、通常マルチラインリーチパターンを含む)などを含む。
また、本実施形態においては、全回転リーチが、大当りとなることが確定となるリーチとして設定されている、つまり、必ず大当りとなっていたが、これに限らず、例えば、全回転リーチとなってもはずれとなる場合があってもよい。具体的な一例としては、全ての表示列における識別情報が特定の表示態様を維持しながら同期して可変表示を行う全回転リーチが行われた後に、中列のみが1コマ分だけ変動表示され、特定の表示態様として導出表示されないようにしてもよい。
また、本実施形態においては、全回転リーチにおいて、特別全回転リーチと通常全回転リーチとでは、同期して可変表示が行われる図柄の種類が異なるが、これに限らず、例えば、通常全回転リーチにおいては縦変動、特別全回転リーチにおいては横変動というように、特別全回転リーチと通常全回転リーチとで、可変表示態様が異なるようにしてもよい。
また、識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様となると決定されたことを条件に、特別全回転リーチパターンを選択するようにしたが、これに限らず、例えば、普通大当りと決定された場合や、上述したようにはずれと決定された場合であっても、特別全回転リーチパターンを選択するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様となると決定された場合において、マルチラインリーチを実行すると決定されたときに、特別マルチラインリーチと通常マルチラインリーチとのいずれかを選択するようにしたが、これに限らず、特別マルチラインリーチを必ず選択するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、マルチラインリーチにおいて、特別マルチラインリーチと通常マルチラインリーチとでは、リーチを構成し、停止表示させる図柄の種類が異なるが、これに限らず、例えば、通常マルチラインリーチにおいては縦変動、特別マルチラインリーチにおいては横変動というように、特別マルチラインリーチと通常マルチラインリーチとで、可変表示態様が異なるようにしてもよい。また、リーチラインを3ラインとしたが、これに限らず、例えば、2ラインや4ライン以上としてもよい。更には、特別マルチラインリーチにおける3ラインを、1つとびの“3”、“5”、“7”として停止表示させたが、これに限らず、例えば、1つとびでなくともランダムであってもよい。
[遊技盤の構成]
尚、上述した実施形態においては、遊技盤14の全部を、透過性を有する部材によって構成したが、これに限らず、別の態様であってもよい。遊技盤の具体的な構成の例について図51を用いて説明する。尚、図51は、理解を容易とするために、複数の障害釘等を省略したものである。
例えば、遊技盤の一部を、透過性を有さない部材で構成してもよい。具体的には、図51(A)に示すように、遊技盤314を、透過性を有する部材314aと平板状の透過性を有さない部材314b(例えば、木材)とを結合させて構成してもよい。もちろん、図51(A)に示すように、透過性を有する部材314aと、透過性を有さない部材314bとを単に結合させて構成するだけでなく、図51(B)に示すように、透過性を有する部材315aを、透過性を有さない部材315bで囲むように結合させる構成としてもよい。
また、例えば、透過性を有する遊技盤の一部を遮蔽させる加工を施すように構成してもよい。例えば、図51(C)に示すように、透過性を有する遊技盤316の一部316bを、遮光性を有する色で塗装してもよい。これによって、符号316aに示すように、一部に透過性を有する遊技盤316を構成することができる。もちろん、塗装するかわりに、ブラスト加工、サンドペーパによる微細粗面を形成する光散乱加工を施し、可視光線が散乱してあたかも発光するかのように形成してもよい。
つまり、遊技盤は、その一部分が少なくとも透過性を有するものであればよい。言い換えると、遊技領域15の全部又は一部の後方に位置する表示領域32aに、その遊技領域15の全部又は一部の近傍を介して前方から画像が視認可能に表示されるように構成すればよい。
更には、上述した実施形態においては、一部又は全部に透過性を有する遊技盤14を用いたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、透過性を有さない遊技盤を用いてもよい。
[表示装置の構成]
透過性を有さない遊技盤を用いた構成について図52を用いて説明する。
図52に示すように、扉311には、表示装置332が備えられており、各種の演出画像が表示される。この表示装置332は、遊技者により触接された座標位置を検出するタッチパネル351と、保護カバーである透明アクリル板353、355と、それら透明アクリル板353、355の間に透明液晶表示装置から構成される液晶表示装置354と、が積層されている。この表示装置332(液晶表示装置354)は、表示領域に透過性の高い画像を表示可能となる。尚、液晶表示装置354は、表示領域に透過性の高い画像を表示するだけでなく、識別情報の可変表示、普通図柄の可変表示、演出用の演出画像の表示、衝突画像の表示等を行う。
また、この液晶表示装置354の上方及び下方には、液晶表示装置354のバックライトとしての照明装置の役割を果たす液晶バックライト352が設けられている。また、この液晶バックライト352は、電源供給時においては、点灯するように制御されている。このため、液晶バックライト352を常時電源供給時において常時駆動させることにより、液晶表示装置354に表示される画像を遊技者に対して明瞭に視認可能とさせる。この液晶バックライト352は、主として冷陰極管が採用されているが、本発明はこれに限らない。
遊技盤314には障害釘313が打ちこまれている。この遊技盤314と扉311との間に遊技領域315が設けられ、その遊技領域315に発射された遊技球317が転動可能となる。
尚、この表示装置332は、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶表示装置354、液晶バックライト352等を備えているが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶バックライト352等を備えることなく、液晶表示装置354のみを備えるように構成しても問題ない。
このように、液晶表示装置354は、表示領域と、遊技盤314における遊技領域315の全部又は一部とが重なるように遊技盤314の前方に配設され、表示領域に透過性の高い画像を表示可能とするものであるので、遊技領域315の全部又は一部を、液晶表示装置354を介して前方から画像が視認可能に表示されることとなる。言い換えると、液晶表示装置354は、遊技盤314の前方に設けられ、透過して当該遊技盤314を視認可能であり、遊技に関する演出画像を表示する表示領域を有する装置である。
尚、本実施形態においては、主制御回路60と副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、図53に示すように、副制御回路200と主制御回路60とをワンボードに構成してもよい。
尚、上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称される第2種パチンコ遊技機、権利モノと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
尚、本実施形態においては、図1に示すようなパチンコ遊技機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、図54に示すようなパチスロ遊技機410や、図55に示すようなゲーム機501など、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。具体的には、図54に示すように、パチスロ遊技機410には、透過性の高い画像を表示可能な液晶表示装置430と、その液晶表示装置430の後方にリール(図示せず)とを備えている。このため、液晶表示装置430に透過性の高い画像が表示されている場合には、遊技者に対してリールを視認可能な状態となる。また、図55に示すように、ゲーム機501にも、透過性の高い画像を表示可能な液晶表示装置505と、その液晶表示装置505の後方にリール503L、503C、503Rとを備えている。もちろん、このようなスロットゲームが実行されるゲーム機501でなくとも、ビンゴゲームやクジが実行されるゲーム機に本発明を適用してもよい。
また、本実施形態においては、3列の識別情報の可変表示を行ったが、これに限らず、例えば、2列であっても4列以上であってもよい。また、例えば、装飾図柄を一列の図柄列で構成してもよい。
また、本実施形態においては、設定スイッチ142の操作に応じて、発光体の発光パターンを変更させるようにしたが、これに限らず、例えば、設定スイッチ142の操作に応じて、発光体の発光パターンを変更させないようにしてもよい。
また、本実施形態においては、全回転リーチ(例えば、特別全回転リーチ、通常全回転リーチなど)を行うように構成したが、これに限らず、例えば、全回転リーチを行わないように構成してもよい。
また、本実施形態においては、マルチラインリーチ(例えば、特別マルチラインリーチ、通常マルチラインリーチなど)を行うように構成したが、これに限らず、例えば、マルチラインリーチを行わないように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、透光性部材により一部又は全部が後方を視認可能に形成され、遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤の後方に設けられ、当該遊技盤を介して遊技に関する画像を視認可能に表示する表示領域を有する表示手段と、操作可能な操作手段と、前記操作手段による操作を受け付ける操作受付手段と、複数種類の表示位置データが記憶された表示位置データ記憶手段と、所定の表示条件が成立した場合には、前記操作受付手段によって受け付けられた前記操作手段の操作に応じて、前記表示位置データ記憶手段に記憶された複数種類の表示位置データからいずれかを選択する表示位置データ選択手段と、前記表示位置データ選択手段によって選択された表示位置データに基づいて、前記表示手段に画像を表示させる制御を行う表示制御手段とを備えたことを特徴とするものであるが、遊技盤、表示手段、操作手段、操作受付手段、表示位置データ記憶手段、表示位置データ選択手段、表示制御手段、可変表示手段、遊技状態制御手段、デモ演出開始時間設定手段、待機状態検出手段、デモ演出開始時間検出手段、デモ演出実行手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。