JP2006204320A - 血圧測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来技術で長時間収集した生体の血圧値及び脈波であっても外気温度の変化や被験者の姿勢又は活動状態等の外乱が多く、精度に課題があった。そこで、本願発明は、従来例における上記の課題を解決するため、常時装着して血圧測定ができるとともに、外気温度に影響されにくい核心温の温度変化に追従して常時モニタでき、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集できる血圧測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本願の発明に係る血圧測定装置は、血圧計、温度センサ及び加速度センサを備えることで、常時装着して外耳の一部で血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響されにくく、核心温の温度変化の追従性が優れる外耳道内の温度を常時検出することができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、装着が容易な外耳の一部で血圧値、脈波、外耳道内の温度等の生体情報を検出する血圧測定装置に関するものである。
近年、生活習慣に深く関連する成人病と呼ばれる健康障害や、高齢者の健康維持への関心が高まり、各種の診断法および予防対策が検討されている。特に、日常生活における血圧、体温、脈拍などの生体情報を連続的に測定することは、健康維持上重要なデータとなることが認識され、生体情報を常時測定する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載されている血圧記録装置は血圧測定と同時に体温測定を行うものである。
一方、血圧は測定部位の位置(高さ)と心臓の位置(高さ)との差により測定値に誤差を生ずることが知られている。また、被検体の運動、就寝等の活動によっても血圧や体温は大きく変化する。従って、常時生体情報を測定する場合は、被験者の姿勢又は活動状態の情報も同時に収集することが望まれる。人体の姿勢及び活動状態の情報を収集する装置として、2軸検出の加速度センサの2軸が水平面と平行となるように配置した装置を腹部中央にベルトによって装着する装置がある。前記装置では、加速度センサが検出する2軸が水平面と平行となっているために、立位以外の姿勢の時にはこの2軸を含む面と重力加速度方向が垂直でなくなることを利用して姿勢を検出している。また、加速度センサの2軸を含む平面が重力方向と垂直方向であるときには立位であると判定し、このときの各軸が検出する加速度の大きさによって、立位静止、歩行、走行の判定をしている。この技術を応用し、被験者の姿勢変化を捉え自動的に血圧測定を行う血圧測定装置も開発されている(例えば、特許文献2参照。)。
なお、本願では、耳介の名称は非特許文献1に、耳介の軟骨の名称は非特許文献2による。
特開平03−231629号公報 特開2004−195070号公報 Sobotta 図説人体解剖学第1巻(監訳者:岡本道雄)、p.126、(株)医学書院、1996年10月1日発行 Sobotta 図説人体解剖学第1巻(監訳者:岡本道雄)、p.127、(株)医学書院、1996年10月1日発行
被験者を正確に診断し、疾患予防方法を立案するためには被験者の体温を精度良く測定する必要がある。しかし、血圧計と一体化した温度センサで体温測定を行う場合、例えば血圧測定用のカフを上腕に装着すれば、測定した温度は皮膚の表面の皮膚温であるため外気温度に影響されやすく、また、カフの装着位置によって測定結果が変わりやすいという課題があった。
また、血圧計と一体化した加速度センサで被験者の姿勢又は活動状態の情報も収集する場合、例えば血圧測定用のカフを上腕に装着すれば、加速度センサは腕の動きを捉えることになるため被験者の姿勢又は活動状態を判断するデータを収集したことにはならない。
そこで、本願発明は、従来例における上記の課題を解決するため、常時装着して最高血圧及び最低血圧の血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集できる血圧測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願の発明に係る血圧測定装置は、血圧計、温度センサ及び加速度センサを備え、血圧の判定に必要な血圧値及び脈波や外耳道内の温度や被験者の姿勢又は活動状態の判定に必要な加速度を検出することとした。
具体的には、本願の発明は、外耳道で外耳道内の温度を検出する温度センサと、外耳の一部で血圧値及び脈波を検出する血圧計と、少なくとも二軸以上の加速度を検出する加速度センサと、を備える血圧測定装置である。
前記血圧計を外耳の一部に装着することで被検体の生活に影響及ぼすことなく常時血圧測定をすることができる。また、外耳道内の温度、すなわち外耳道の表面温度は上腕などの皮膚温に比べ、外気温度の影響を受け難い核心温の温度変化の追従性に優れている。従って、前記温度センサにより外耳道内の温度を常時検出することで、被験者の核心温の温度変化を常時モニタすることができる。
また、少なくとも二軸以上の加速度センサを備えることで、被験者の前後方向及び上下方向の加速度を検出でき、被験者の姿勢又は活動状態を把握することができる。
従って、本願の発明に係る血圧測定装置は常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。
本願の発明に係る血圧測定装置において、前記温度センサ、前記血圧計及び前記加速度センサを外耳の一部に装着する装着部をさらに備えてもよい。
前記装着部を備えることで本願の発明に係る血圧測定装置を外耳の一部に確実に装着できる。従って、同一箇所の血圧値、脈波及び同一箇所の外耳道内の温度を検出できるため精度良く血圧測定及び外耳道内の温度測定をすることができる。
また、頭部は作業や運動をしても他の部位に比べ動きは少ない。本願発明に係る血圧測定装置を頭部にある外耳の一部に固定することで、被験者の作業や運動等の外乱の影響が少なくなり、精度良く加速度を検出することができ、被験者の姿勢又は活動状態を正確に判断することができる。
従って、本願の発明に係る血圧測定装置は常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定が精度良くできるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化を精度よく常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の正確な情報を収集することができる。
本願の発明の血圧測定装置において、前記温度センサの検出した外耳道内の温度、前記血圧計の検出した脈波及び前記加速度センサの検出した加速度のうち少なくとも一つと前記血圧計の検出した血圧値を関連付けて記憶する記憶手段をさらに備えてもよい。
前記記憶手段を本願の発明の血圧測定装置に備えることで、前記温度センサの検出した外耳道内の温度、前記血圧計の検出した脈波及び前記加速度センサの検出した加速度のうち少なくとも一つと前記血圧計の検出した血圧値を関連付けて生体情報データとして記憶することができる。
従って、本願の発明に係る血圧測定装置は長期にわたって常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定が精度良くできるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化を精度よく常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の正確な情報を収集することができる。
本願の発明の血圧測定装置において、前記加速度センサの検出した加速度を演算して被験者の姿勢又は活動状態を判断する演算部をさらに備えてもよい。
前記演算部を本願の発明の血圧測定装置に備えることで、前記加速度センサの検出した加速度から被験者の姿勢又は活動状態を判断し、被験者の姿勢に対する血圧値の補正をすることができる。また、被験者の活動状態に対する血圧値、脈波及び外耳道内の温度変化をモニタすることができる。
さらに、前記記憶手段は、前記演算部の判断した前記被験者の姿勢又は活動状態を記憶してもよい。
前記演算部の判断した前記被験者の姿勢又は活動状態の情報量は前記加速度の情報量より少ない。そのため、前記演算部の判断した前記被験者の姿勢又は活動状態を前記記憶手段に記憶させることで前記記憶手段の記憶する情報量を少なくすることができる。
従って、本願の発明に係る血圧測定装置は常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定が精度良くできるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。また、被験者の姿勢又は活動状態の情報を前記記憶手段に記憶させておけば、少ない情報量を記憶するだけで足りる。
本願の発明の血圧測定装置において、前記加速度センサの少なくとも一軸は人体の正中線と平行であり、かつ他の一軸は人体の水平面と矢状面との交線と平行であることが好ましい。
被験者の動きには、歩行、走行、飛び跳ね等、前後方向及び上下方向の運動が多い。前記加速度センサの一軸を人体の上下方向の加速度を検出するように人体の正中線と平行に、他の一軸を人体の前後方向の加速度を検出するように人体の水平面と矢状面との交線と平行に配置することで、被験者の姿勢又は活動状態を正確に判断することができる。
従って、本願の発明に係る血圧測定装置は常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の正確な情報を収集することができる。
本願の発明に係る血圧測定装置において、前記血圧計は外耳の一部を圧迫するカフを有することが好ましい。
前記カフを備えることにより、本願の発明に係る血圧測定装置は、血圧測定時に外耳の一部を圧迫する圧力を制御することができ、精度良く血圧測定をすることができる。
従って、本願の発明に係る血圧測定装置は常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定が精度良くできるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。
本願の発明に係る血圧測定装置において、前記温度センサはサーミスタであり、前記カフの圧迫面に装備されていることが好ましい。
サーミスタは熱を電気抵抗値の値として出力するため、温度センサとしてサーミスタを備えることで前記生体情報データとして処理しやすい。また、小型のサーミスタを前記カフの圧迫面に装備することで血圧測定時にカフが外耳道を圧迫するため前記サーミスタは外耳道の内壁に密着することになり、血圧測定と同時に外耳道内の温度を正確に検出することができる。
従って、本願の発明に係る血圧測定装置は常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化を精度よく常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の正確な情報を収集することができる。
本願の発明の血圧測定装置において、前記装着部の一部は外耳道に配置され、前記温度センサは赤外線センサであり、外耳道に配置される前記装着部の一部の先端に装備されていてもよい。
赤外線センサは生体表面から放射される赤外線を受光し電気信号として出力するため、温度センサとして赤外線センサを使用することで前記生体情報データとして処理しやすい。また、応答速度が速いため測定時間の短縮化を図ることができる。さらに、外耳道の深部の外耳道の表面あるいは鼓膜の温度も検出できるため、精度良く核心温の温度変化をモニタすることができる。
従って、本願の発明に係る血圧測定装置は常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化が精度よく常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。
本願の発明に係る血圧測定装置は常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。
添付の図面を参照して本願発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本願発明の構成の例であり、本願発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
(実施の形態1)
本願の実施形態に係る血圧測定装置は、外耳道で外耳道内の温度を検出する温度センサと、外耳の一部で血圧値及び脈波を検出する血圧計と、少なくとも二軸以上の加速度を検出する加速度センサと、を備える。
図1(A)は、本願の発明の一の実施形態に係る血圧測定装置111を示す概略図である。血圧測定装置111は図1(A)に示すように一本の棒状のアーム10、温度センサ11、血圧計12、加速度センサ13を備える。図1(A)において、温度センサ11、血圧計12、加速度センサ13はアーム10上に配置される。なお、図1および以下の図においては、血圧測定装置111に関連する表示部、電源部、その他の通常の技術により実現できる部分は表示していない。
温度センサ11は測定対象物の表面の温度を検出して、温度情報を電気信号として出力するセンサである。温度センサとしてプローブ部を直接測定対象物の表面に接触させ、接触型のセンサ、例えば、その温度による電気抵抗の変動を測定するサーミスタを使用することができる。また、測定対象物の表面に接触しない非接触型のセンサ、例えば、測定対象物の表面から放射される赤外線を検出し熱起電力として出力する赤外線センサも使用することができる。
血圧計12は、生体内の血流の脈動状態から最高血圧と最低血圧の血圧値及び脈波を検出する。図1(A)に示す血圧測定装置111の血圧計12は圧力を印加するカフを含む血圧センサの場合を想定して示しているが、圧力を印加するカフを含む血圧センサによる血圧の測定法については後述する。
加速度センサ13は血圧測定装置111に加わる重力加速度Gと被験者の姿勢及び活動に伴う加速度を少なくとも二軸で検出し、電気信号として出力するセンサである。
加速度センサとしては、円筒形容器に封入された導電性のある金属球の位置、水銀や電解液の位置が加速度により変動することを利用した一軸加速度センサを二つ以上備えることもできるが、小型で軽量であり、複数の軸の加速度を測定できるマイクロマシンの加速度センサを使用することが望ましい。マイクロマシンの加速度センサとは、例えば、チップの中央にシリコンとガラスを接合したおもりを配置し、前記おもりを複数のはりで支える構造をしている。各はりには、ピエゾ抵抗素子が歪みゲージとして形成されていおり、加速度がかかると、おもりの位置が変位し、はりがたわむ。このときの各はりに設けられたピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化量を測定することによって、加速度を定量的に検出することができる。
図1(B)に血圧測定装置111の装着例を示す。血圧測定装置111は温度センサ11が配置されている一端を外耳道9に挿入し、血圧計12を外耳の一部、例えば耳珠1の内側に接触させるように装着する。図1(B)において、アーム10の一部、温度センサ11及び血圧計12は外耳道9の内側にあるので破線で示している。
温度センサ11は外耳道9内に配置されるため、外耳道9表面の皮膚温度(以下、外耳道9表面の皮膚温度を「外耳道温度」とする。)を検出することができる。外耳道温度は外気の影響を受け難い核心温の温度変化の追従性に優れる。そのため、温度センサ11により外耳道温度を検出することで、被験者の核心温の温度変化をモニタすることができる。
加速度センサ13で測定した人体の正中線方向の加速度の大きさと人体の水平面と矢状面との交線方向(以下、人体の水平面と矢状面との交線方向を「矢状線方向」とする。)の加速度の大きさを検出することで被験者の姿勢又は活動状態を判断することができる。例えば、日常生活における姿勢を考えると、被験者が立ち姿勢あるいは座り姿勢にある場合、加速度センサ13は人体の正中線方向(頭部から下肢方向)のみに重力加速度Gを検出することになる。一方、被験者が立ち姿勢あるいは座り姿勢から前後左右方向にある角度で傾斜する場合、加速度センサ13は重力加速度Gを人体の正中線方向の加速度と矢状線方向の加速度として検出することになる。また、被験者が顔面を上または下へ向けた寝姿勢にある場合、加速度センサ13は人体の矢状線方向のみに重力加速度Gを検出することになる。さらに、被験者が倒立姿勢にある場合、加速度センサ13は人体の正中線方向(下肢から頭部方向)のみに重力加速度Gを検出することになる。
また、日常生活において歩行している場合、加速度センサ13が測定する人体の正中線方向の加速度は一定間隔で重力加速度Gを中心に増減を繰り返すことになる。さらに、走行している場合、加速度センサ13が測定する人体の正中線方向の加速度は歩行時の間隔より短い一定の間隔で重力加速度Gを中心に大きく増減を繰り返すことになる。
なお、加速度センサ13が加速度の絶対値を正確に測定できれば、一軸であっても被検者の姿勢及び活動に伴う加速度を検出することができる。加速度センサ13に加わる重力加速度Gの前記軸方向への分力から被験者の姿勢及び活動に伴う加速度を検出可能であるためである。加速度センサ13を二軸とすることで上下、前後及び左右のうち2方向の加速度を検出することができ、被検者の詳細な姿勢や複雑な活動状態が判断可能となる。
加速度センサ13を備えた血圧測定装置111を外耳の一部に装着することにより、被験者の姿勢又は活動状態を判断できる加速度を常時検出できるようになる。被験者の血圧値や外耳道温度は測定時の被験者の姿勢及び測定直前の活動状態で大きく変動するため、加速度は常時検出することが望ましい。
従って、血圧測定装置111を外耳の一部に装着することにより、被検体の行動を制約することなく常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。そのため、血圧測定装置111によって正しい診断及び疾患予防方法立案のための正確な生体情報データを提供することができる。
なお、本願の実施形態では、加速度センサ13の少なくとも一軸は人体の正中線と平行であり、かつ他の一軸は人体の水平面と矢状面との交線と平行であることが好ましい。血圧測定装置111を外耳道9に挿入したときに加速度センサ13の少なくとも一軸を人体の正中線と平行に、他の一軸を人体の水平面と矢状面との交線と平行に配置することによって、加速度センサ13は被験者の動きが最も多い方向の加速度を検出することができ、血圧測定装置111は正確な被験者の姿勢又は活動状態を判断できる生体情報データを得ることができる。以下で説明する実施形態においても加速度センサ13を同様に配置することが好ましい。
(実施の形態2)
本願の実施形態に係る血圧測定装置は、前記温度センサ、前記血圧計及び前記加速度センサを外耳の一部に装着する装着部をさらに備える。
図2(A)は、本願の発明の他の実施形態に係る血圧測定装置112の側面を示す概略図である。図2(A)において図1で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。
血圧測定装置112は図2(A)に示すように、温度センサ11、血圧計12、加速度センサ13、第一のアーム21、第二のアーム22、支軸25、接触部27及び距離可変機構40を備える。図2(A)において、温度センサ11と血圧計12は第一のアーム21に、加速度センサ13は支軸25に配置される。
図2(A)の血圧測定装置112において装着部20は第一のアーム21、第二のアーム22及び支軸25で構成され、第一のアーム21、第二のアーム22の各々の一方の一端が支軸25に接続されている。
図2(A)に示す血圧測定装置112の構成例においては、第一のアーム21と第二のアーム22が互いに対向する面の距離を可変する可変機構として、支軸25と第一のアーム21の接続部分に距離可変機構40を備えている。距離可変機構40は支軸25と第一のアーム21の角度を変化させて図2(A)に示す角度αを変化させることにより、第一のアーム21と第二のアーム22が互いに対向する面の間隔を調整する機能を有する。
ここで、距離可変機構40の角度を可変にする機構としては、支軸25と第一のアーム21の角度をネジにより調整する機構、あるいはフリクションとネジ固定を併用する機構などのいずれでもよい。
図2(A)の血圧測定装置112において、温度センサ11と血圧計12は第一のアーム21に、加速度センサ13は支軸25に配置される。また、第二のアーム22には第一のアーム21上の血圧計12に対向する位置に血圧測定部位と接触する接触部27を配置している。なお、第一のアーム21に接触部27を、第二のアーム22に血圧計12を備えてもよい。図2(A)に示す血圧測定装置112の血圧計12は圧力を印加するカフを含む血圧センサの場合を想定して示しているが、圧力を印加するカフを含む血圧センサによる血圧の測定法については後述する。
図2(B)に血圧測定装置112の装着例を示す。図2(B)は血圧測定装置112を外耳の一部に装着した図であり、血圧測定装置112について上面から見た図である。血圧測定装置112は温度センサ11と血圧計12が配置されている第一のアーム21の支軸25と接続していない一端を外耳道9に挿入し、血圧計12を外耳の一部、例えば耳珠1の内側に接触させるように装着する。さらに、第二のアーム22の接触部27を耳珠1の外側に接触させ、血圧計12と接触部27で挟むように装着する。ここで、血圧計12と接触部27との間隔は距離可変機構40により、適切な接触状態に調整することができる。図2(B)において、第一のアーム21の一部及び血圧計12は外耳道9の内側にあるので破線で示している。また、温度センサ11は外耳道9の内部にあるため同様に破線で示している。
装着部20を備えることで、血圧測定装置112を外耳の一部に確実に装着できる。従って、被験者の姿勢又は活動状態に関わらず、血圧計12は同一箇所の血圧値、脈波を及び温度センサ11は同一箇所の外耳道温度を検出できるため精度良く血圧測定及び外耳道の温度測定をすることができる。
また、頭部は作業や運動をしても他の部位に比べ動きが少ない。血圧測定装置112を頭部にある耳に固定することで、被験者の作業や運動等の外乱の影響が少なくなり、精度良く加速度を検出することができ、被験者の姿勢又は活動状態を正確に判断することができる。
従って、血圧測定装置112は常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定が精度良くできるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化を精度よく常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の正確な情報を収集することができる。そのため、正しい診断及び疾患予防方法立案のための正確な生体情報データを提供することができる。
(実施の形態3)
本願の実施形態に係る血圧測定装置は、前記温度センサの検出した外耳道内の温度、前記血圧計の検出した脈波及び前記加速度センサの検出した加速度のうち少なくとも一つと前記血圧計の検出した血圧値を関連付けて記憶する記憶手段をさらに備える。
図3は、本願の発明の他の実施形態に係る血圧測定装置113の側面を示す概略図である。図3において図1及び図2で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。図3の血圧測定装置113は図2の血圧測定装置112に、温度センサ11の検出した外耳道温度、血圧計12の検出した脈波及び加速度センサ13の検出した加速度のうち少なくとも一つと血圧計12の検出した血圧値とを記憶する記憶手段35をさらに備えたものである。図3の血圧測定装置113では記憶手段35は第二のアーム22に配置されているが、配置する箇所は特には限定されない。なお、図3に示す血圧測定装置113の血圧計12は圧力を印加するカフを含む血圧センサの場合を想定して示しているが、圧力を印加するカフを含む血圧センサによる血圧の測定法については後述する。
血圧測定装置113は血圧測定装置112と同様に外耳の一部に装着でき、血圧測定装置112と同様に血圧値、脈波、外耳道温度及び加速度を検出することができる。
記憶手段35は温度センサ11、血圧計12、加速度センサ13と図示しない信号線で接続される。前記信号線を介し、記憶手段35に温度センサ11からは検出した外耳道温度、血圧計12からは検出した血圧値及び脈波、加速度センサ13からは検出した少なくとも二軸の加速度が送られる。記憶手段35は外耳道温度、脈波及び加速度のうち少なくとも一つと血圧値を関連付けて生体情報データとして記憶していく。さらに、記憶手段35は血圧値、外耳道温度及び加速度を検出した時刻も関連付けて記憶しても良い。
図9に記憶手段35が記憶する生体情報データの例を示す。図9において、例えば、データ91は血圧測定装置113が2004年11月19日19時25分に測定した結果であって、最高血圧は126mmHg、最低血圧は76mmHg、外耳道温度は36.8℃、加速度は正中線方向に重力加速度1Gを検出している。なお、図9は検出時刻、血圧値、外耳道温度及び加速度を記憶している例を示したが、記憶する生体情報データの項目は、例えば血圧値と外耳道温度あるいは血圧値と加速度のように任意の組み合わせとして記憶しても良い。
また、記憶手段35には図示しない外部出力端子があり、定期的に外部のコンピュータ等の解析システムに記憶したデータを出力してもよい。
記憶手段35を備えることで、被験者は測定の度に血圧測定装置113が検出した血圧値、脈波、外耳道温度及び加速度を記録する必要がなく、被験者の行動の制約は少なくなる。そのため、長期間血圧測定装置113を装着することができ、長期間の生体情報データを収集することができる。従って、血圧測定装置113を外耳の一部に装着することにより、被験者の行動を制約することなく常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態を判断できる加速度を長期にわたって収集できる。そのため、血圧測定装置113によって正しい診断及び疾患予防方法立案のための正確な生体情報データを提供することができる。
(実施の形態4)
本願の実施形態に係る血圧測定装置は、前記加速度データを演算して被験者の姿勢又は活動状態を判断する演算部をさらに備える。
また、前記記憶手段は、前記演算部の判断した前記被験者の姿勢又は活動状態を記憶してもよい。
図4は、本願の発明の他の実施形態に係る血圧測定装置114の側面を示す概略図である。図4において図1、図2及び図3で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。なお、図4に示す血圧測定装置114の血圧計12は圧力を印加するカフを含む血圧センサの場合を想定して示しているが、圧力を印加するカフを含む血圧センサによる血圧の測定法については後述する。図4の血圧測定装置114は図3の血圧測定装置113に、前記加速度センサが検出した加速度を演算して被験者の姿勢又は静止、歩行、走行等の被験者の活動状態を判断する演算部46をさらに備えたものである。図4の血圧測定装置114では演算部46は第二のアーム22に配置されているが、配置する箇所は特には限定されない。演算部46は温度センサ11、血圧計12、加速度センサ13及び記憶手段35と図示しない信号線で接続される。演算部46は、検出され又は記憶された加速度を演算し、被験者の姿勢又は活動状態の情報を得ることができる。
例えば、二軸方向の加速度において、人体の正中線方向(頭部から下肢方向を正方向とする。)の加速度を加速度y、人体の矢状線方向(背から腹方向を正方向とする。)の加速度を加速度xとすれば、次式で被験者の姿勢の正中線からの傾斜角度fを計算できる。
Figure 2006204320
例えば、図9のデータ95の場合、f=0.347radとなり、被験者が20°程度前傾した状態で測定していたことが判断できる。
被験者の姿勢により外耳の高さと心臓の高さとの差が変わるため、外耳の一部で測定した血圧値は被験者の姿勢により誤差を生ずる。従って、予め入力した被験者の外耳の高さと心臓の高さとの差及び演算部46で演算した傾斜角度fにより、被験者の姿勢による血圧値の誤差を補正することができる。
また、演算部46は加速度xと加速度yの測定結果から静止、歩行、走行等の被験者の活動状態を判断することができる。図10に加速度センサ13が測定した加速度xと加速度yの時間波形の一例を示す。例えば、演算部46は以下のように被験者の活動状態を判断する。t〜tの時間において加速度xは0、加速度yはGであるため被験者の活動状態は直立であると判断する。同様にt〜tの時間、t〜tの時間も直立であると判断する。また、t〜tの時間において加速度yが0.5〜1.0sec間隔で重力加速度Gを中心に増減を繰り返しているため、被験者の活動状態は歩行であると判断する。さらに、t〜tの時間において加速度yが0.1〜0.5sec間隔で重力加速度Gを中心に増減を繰り返し、かつ歩行状態の場合より振幅が大きいため被験者の活動状態は走行であると判断する。一方、t〜tの時間は加速度xが−Gであり、加速度yが0であるため、被験者の活動状態は仰向けあると判断する。
血圧測定装置114は血圧測定装置112と同様に外耳の一部に装着でき、血圧測定装置112と同様に血圧値、脈波、外耳道温度及び加速度を検出することができる。さらに被験者の姿勢による血圧値の補正をすることができ、また、被験者の活動状態に対する血圧値、脈波及び外耳道温度の推移を監視することもできる。
従って、血圧測定装置114を外耳の一部に装着することにより、被験者の行動を制約することなく常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定が精度良くできるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態を判断できる加速度を同時に収集できる。そのため、血圧測定装置114によって正しい診断及び疾患予防方法立案のための正確な生体情報データを提供することができる。
また、演算部46の判断した被験者の姿勢又は活動状態の情報量は前記加速度の情報量より少ない。そのため、前記加速度ではなく、演算部46の判断した被験者の姿勢又は活動状態を記憶手段35に記憶させることで記憶手段35の記憶する情報量を少なくすることができ、後に生体情報データを解析する場合に解析時間を短くすることができる。
さらに、演算部46では被験者の立位静止、歩行、走行の歩数も計測することができるため、血圧測定装置114を健康管理及びカロリー消費計算のための歩数計測器としても使用できる。
(実施の形態5)
本願の実施形態に係る血圧測定装置において、前記血圧計は外耳の一部を圧迫するカフを有する。
図5は、本願の発明の他の実施形態に係る血圧測定装置115の側面を示す概略図である。図5において図1、図2、図3及び図4で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。
血圧測定装置115は図5に示すように、温度センサ11、カフ12a、空気パイプ12b、空気供給排気部12c、空気圧センサ12d、加速度センサ13、第一のアーム21、第二のアーム22、支軸25、接触部27及び距離可変機構40を備える。
血圧測定装置115において血圧計12はカフ12a、空気パイプ12b、空気供給排気部12c及び空気圧センサ12dから構成される。
図5に示すカフ12aは空気により伸縮する部材で構成される。また、カフ12aは接触部27に対向するように第一のアーム21に配置される。
図5に示す血圧測定装置115の例においては、カフ12aに空気パイプ12bが接続され、空気パイプ12bは第二のアーム22の中を通り、支軸25が接続する端において外部に引き出される。空気パイプ12bは空気供給排気部12cと空気圧センサ12dに接続される。空気供給排気部12cからの空気によりカフ12aは膨張し、カフ12aと接触部27との間に挟まれる耳珠1を圧迫する。空気圧センサ12dは耳珠1を圧迫する圧力としてカフ12aの内圧を測定する。なお、第一のアーム21に接触部27を、第二のアーム22にカフ12aを備えてもよい。また、接触部27を備えずに第一のアーム21と第二のアーム22の両方にカフ12aを備え、両方のカフ12aで被検体を圧迫してもよい。カフ12aは空気供給により膨張して耳珠1を圧迫するとして説明したが、他の方法で耳珠1を圧迫してもよい。なお、実施の形態1〜4で説明した血圧測定装置111〜114の血圧計12も血圧測定装置115の血圧計12と同様に構成され動作する。
図5(B)に血圧測定装置115の装着例を示す。図5(B)は血圧測定装置115を外耳の一部に装着した図であり、血圧測定装置115については上面から見た図である。
血圧測定装置115は図2で説明した血圧測定装置112と同様に外耳の一部に装着される。
外耳の一部に装着された血圧測定装置115の血圧計12は、以下のように動作する。カフ12aは空気圧センサ12dが所定の値になるまで空気供給排気部12cから空気パイプ12bにより空気の供給を受ける。供給された空気によりカフ12aが膨らみ、耳珠1を圧迫し、耳珠1内部の血流を停止する状態にする。その後、空気供給排気部12cは空気パイプ12bからカフ12aの内部の空気を徐々に排気して、耳珠1を圧迫する圧力を減少させる。耳珠1を圧迫する圧力の減少に伴い、耳珠1内の血流が流れ始め、カフ12aの圧迫による前記血流の脈動が始まる。前記血流の脈動はカフ12aの圧力変動として空気パイプ12bを介して空気圧センサ12dで脈波として検出することができる。カフ12a内の空気がさらに排気されると、耳珠1を圧迫する圧力が弱くなり、前記血流の脈動が消滅し空気圧センサ12dは脈波を検出できなくなる。例えば、前記血流の脈動が始まったときの空気圧センサ12dの圧力を最高血圧、前記血流の脈動を検出できなくなったときの空気圧センサ12dの圧力を最低血圧とすることができる。また、空気圧センサ12dの検出した脈波の周波数を脈拍とすることができる。カフ12a内に供給した空気が排気され、カフ12aが耳珠1を圧迫しなくなった時点で血圧測定装置115の血圧計12は血圧測定を終了する。従って、血圧測定装置115の血圧計12は血圧値と脈波を検出することができる。
血圧測定装置115は血圧測定装置112と同様に外耳の一部に装着でき、血圧測定装置112と同様に血圧値、脈波、外耳道温度及び加速度を検出することができる。
従って、血圧測定装置115を外耳の一部に装着することにより、被験者の行動を制約することなく常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定が精度良くできるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。そのため、血圧測定装置115によって正しい診断及び疾患予防方法立案のための正確な生体情報データを提供することができる。
なお、図5における血圧測定装置115のカフ12aは空気圧により膨らみ、耳珠1を圧迫する構成であるが、カフ12aをアクチュエータとして耳珠1を圧迫する構成としてもよい。
血圧測定装置115において、温度センサ11はサーミスタであり、カフ12aの圧迫面に装備されていることが好ましい。
サーミスタは接触型温度センサであり、正確な温度測定をするためには被測定物の表面に確実に接触することが求められる。サーミスタをカフ12aの圧迫面に装備することで、血圧測定時にサーミスタは外耳道9表面に確実に接触することになる。従って、血圧測定と同時に外耳道温度を正確に検出することができる。
(実施の形態6)
本願の実施形態に係る血圧測定装置の血圧計は血圧測定部位を圧迫する圧力を感圧導電ゴムで測定してもよい。
図6は、本願の発明の他の実施形態に係る血圧測定装置116の側面を示す概略図である。図6において図5で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。血圧測定装置116と血圧測定装置115との違いは空気圧センサ12dを備えず、感圧導電ゴム61及び電気抵抗測定器62を備えたことである。血圧測定装置116において血圧計12はカフ12a、空気パイプ12b、空気供給排気部12c、感圧導電ゴム61及び電気抵抗測定器62から構成される。図6において、感圧導電ゴム61及び電気抵抗測定器62の駆動回路、信号受信回路、表示回路、電源回路などの通常の技術により実現できる回路および信号線は図示していない。
感圧導電ゴム61は、印加する圧力により形状が変化し電気抵抗値が変わる特性を有する。感圧導電ゴムは絶縁性のゴム材料中に炭素、金属等の導電性粒子がほぼ均等に分散された状態で成形されており、圧力を印加しない場合、前記導電性粒子は互いに接触しておらず40MΩ程度の高い電気抵抗値を示している。一方、感圧導電ゴムに圧力を印加すると、前記導電性粒子が接触し始め、ゴム内に導電経路が形成され、圧力に応じ導電経路が増えて電気抵抗値が5Ω程度と低くなる。つまり、感圧導電ゴム61は圧力を印加すると電気抵抗値が低くなり、圧力電気抵抗値が高くなる性質を有する。
電気抵抗測定器62は感圧導電ゴム61の電気抵抗値を測定する測定器である。
感圧導電ゴム61は温度センサ11と接触しないようにカフ12aの表面に配置される。図6の血圧測定装置116では感圧導電ゴム61はカフ12aの表面に配置されているが、接触部27の表面に配置しても良い。
電気抵抗測定器62は第一のアーム21に配置され、図示しない信号線により感圧導電ゴム61と接続される。図6の血圧測定装置116では、電気抵抗測定器62は第一のアーム21に配置されるが、配置される箇所は特に限定されない。
外耳の一部に装着された血圧測定装置116の血圧計12は、血圧測定装置115で説明したように動作する。
血圧測定装置116の血圧計12では血圧測定装置115の血圧計12の空気圧センサ12dが測定していたカフ12aの耳珠1を圧迫する圧力を感圧導電ゴム61が測定することになる。また、感圧導電ゴム61は血管の脈動を感知し、電気抵抗値の時間波形に前記脈動に応じた波形(以下、電気抵抗値の時間波形に前記脈動応じた波形を「脈動波形」とする。)を発生させる。
カフ12aが耳珠1を圧迫し、徐々に耳珠1を圧迫する圧力を減少させた時の血管の脈動状態から血圧値を測定することができる。例えば、前記脈動波形が発生した時の感圧導電ゴム61の電気抵抗値から特定される圧力を最高血圧とし、前記脈動波形が消滅した時の感圧導電ゴム61の電気抵抗値から特定される圧力を最低血圧とすることができる。また、前記脈動波形の周波数から脈拍を測定することもできる。
感圧導電ゴム61はカフ12aが耳珠1を圧迫する圧力を直接測定するため、耳珠1が圧迫される圧力を正確に検出することができる。従って、血圧測定装置116の血圧計12は正確な血圧値と脈波を検出することができる。
血圧測定装置116は血圧測定装置115と同様、血圧測定と同時に温度センサ11で外耳道温度を検出することができ、加速度センサ13により加速度を検出できる。
従って、血圧測定装置116を外耳の一部に装着することにより、被験者の行動を制約することなく常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定が精度良くできるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。そのため、血圧測定装置116によって正しい診断及び疾患予防方法立案のための正確な生体情報データを提供することができる。
(実施の形態7)
本願の実施形態に係る血圧測定装置の血圧計は出力光を血圧測定部位の組織に入射させる発光素子と、前記組織からの散乱光を受光する受光素子とを含んでもよい。
図7(A)は、本願の発明の他の実施形態に係る血圧測定装置117の側面を示す概略図である。図7(A)において図5で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。血圧測定装置117と血圧測定装置115との違いは、カフ12a内を備えず、カフ72a、発光素子76及び受光素子77を備えたことである。血圧測定装置117において、血圧計12はカフ72a、空気パイプ12b、空気供給排気部12c、空気圧センサ12d、発光素子76及び受光素子77から構成される。図7(A)および以下の図において、発光素子76および受光素子77の駆動回路、信号受信回路、表示回路、電源回路などの通常の技術により実現できる回路および信号線は図示していない。
カフ72aは空気により伸縮する部材で構成され、圧迫部の一部が光透過性のある材料で形成された光透過部を有する。
発光素子76は血液中のヘモグロビンに吸収されやすい波長の照射光Aを耳珠1に向けて照射する素子である。
受光素子77は、照射光Aが被検体の血管の脈動に伴う血液中のヘモグロビン量の増減によって吸収及び散乱して生じた散乱光Bを受光し光電気変換する素子である。血圧測定装置117の血圧計12は受光素子77から出力される信号を図示しない信号受信回路で処理することにより、血管の脈動に対応する脈波を検出することができる。
図7(A)は、例えば、カフ72a内部に発光素子76と受光素子77が設置され、発光素子76の発光する照射光Aを耳珠1に照射し、照射光Aが耳珠1内で散乱された散乱光Bを受光素子77で受光する状態を示している。ここで、受光素子77は、発光素子76から耳珠1へ照射した照射光Aが耳珠1内で散乱された散乱光Bを受光する位置に設置されている。
外耳の一部に装着された血圧測定装置117は、図5の血圧測定装置115で説明したように動作する。
カフ72aが耳珠1を圧迫し、徐々に耳珠1を圧迫する圧力を減少させた時の血管の脈動状態から血圧値を検出することができる。例えば、前記脈動が発生した時の空気圧センサ12dの測定する圧力を最高血圧とし、前記脈動が消滅した時の空気圧センサ12dの測定する圧力を最低血圧とすることができる。また、前記検出した脈波の周波数から脈拍を検出することもできる。従って、血圧測定装置117の血圧計12は血圧値と脈波を検出することができる。
血圧測定装置117は血圧測定装置115と同様、血圧測定と同時に温度センサ11で外耳道温度を正確に検出することができ、加速度センサ13により加速度を検出できる。
従って、血圧測定装置117を外耳の一部に装着することにより、被験者の行動を制約することなく常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定が精度良くできるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度良く被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。そのため、血圧測定装置117によって正しい診断及び疾患予防方法立案のための正確な生体情報データを提供することができる。
なお、血圧測定装置117は図7(B)のようにカフ72aに発光素子76、接触部27に受光素子77を配置、図7(C)のようにカフ72aに受光素子77、接触部27に発光素子76、図7(D)のように接触部27に発光素子76及び受光素子77を配置しても良い。
(実施の形態8)
本願の実施形態に係る血圧測定装置において、前記装着部の一部は外耳道に配置され、前記温度センサは赤外線センサであり、外耳道に配置された前記装着部の一部の先端に配置されている。
図8(A)は、本願の発明の他の実施形態に係る血圧測定装置118の側面を示す概略図である。図8(A)において図1及び図2で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。
血圧測定装置118は図8(A)に示すように、温度センサ11、血圧計12、加速度センサ13、第一のアーム21、第二のアーム22、支軸25、接触部27及び距離可変機構40を備える。
血圧測定装置118において温度センサ11は赤外線センサであり、第二のアーム22の支軸25が接続しない端の先端に配置される。赤外線センサは生体表面から放射される赤外線を受光し電気信号として出力する温度センサである。熱型センサ又は量子型センサを使用することができるが、設置が容易で安価な熱型センサのサーモパイルを使用することが好ましい。
血圧測定装置118は血圧測定装置112と同様に装着する。図6(B)は血圧測定装置118を外耳の一部に装着した例を示した図であり、血圧測定装置118については上面から見た図である。
血圧測定装置118は血圧測定装置112と同様に血圧計12により血圧測定を行い、加速度センサ13により加速度を検出することができる。また、温度センサ11である赤外線センサは第一のアーム21の先端に配置されるため、第一のアーム21が届かない外耳道9の深部の外耳道温度あるいは鼓膜の温度も検出できる。なお、図8では図示していないが、血圧計12は実施の形態5で説明した血圧測定装置115の血圧計12と同様の構成であり、同様に動作をする。
また、赤外線センサは応答速度が速いため測定時間の短縮化を図ることができる。
従って、血圧測定装置118を外耳の一部に装着することにより、被験者の行動を制約することなく常時装着して血圧値及び脈波を検出する血圧測定ができるとともに、外気温度に影響され難い核心温の温度変化に追従して常時モニタすることができ、かつ精度よく被験者の姿勢又は活動状態の情報を収集することができる。そのため、血圧測定装置118によって正しい診断及び疾患予防方法立案のための正確な生体情報データを提供することができる。
本願発明の血圧測定装置は、健康保持や健康診断のための生体情報を検出する健康器具に適用することができる。
本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の構成を示す図であり、(A)は血圧測定装置111の一形態を示した図であり、(B)は血圧測定装置111の装着例を示した図である。 本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の構成を示す図であり、(A)は血圧測定装置112の一形態を示した図であり、(B)は血圧測定装置112の装着例を示した図である。 本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の構成を示す図であり、血圧測定装置113の一形態を示した図である。 本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の構成を示す図であり、血圧測定装置114の一形態を示した図である。 本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の構成を示す図であり、(A)は血圧測定装置115の一形態を示した図であり、(B)は血圧測定装置115の装着例を示した図である。 本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の構成を示す図であり、血圧測定装置116の一形態を示した図である。 本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の構成を示す図であり、(A)、(B)、(C)及び(D)はそれぞれ血圧測定装置117の一形態を示した図である。 本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の構成を示す図であり、(A)は血圧測定装置118の一形態を示した図であり、(B)は血圧測定装置118の装着例を示した図である。 本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の記憶手段が記憶する生体情報データの例を示した図である。 本願発明に係る実施形態の血圧測定装置の加速度センサが測定した加速度xと加速度yの時間波形の一例を示した図である。
符号の説明
111、112、113、114、115、116、117、118 血圧測定装置
1 耳珠
9 外耳道
10 アーム
11 温度センサ
12 血圧計
12a カフ
12b 空気パイプ
12c 空気供給排気部
12d 空気圧センサ
13 加速度センサ
21 第一のアーム
22 第二のアーム
25 支軸
27 接触部
35 記憶手段
40 距離可変機構
46 演算部
61 感圧導電ゴム
62 電気抵抗測定器
72a カフ
76 発光素子
77 受光素子
91、92、93、94、95、96 データ
A 照射光
B 散乱光
G 重力加速度
、t、t、t、t、t 時刻

Claims (9)

  1. 外耳道で外耳道内の温度を検出する温度センサと、
    外耳の一部で血圧値及び脈波を検出する血圧計と、
    少なくとも二軸以上の加速度を検出する加速度センサと、
    を備える血圧測定装置。
  2. 前記温度センサ、前記血圧計及び前記加速度センサを外耳の一部に装着する装着部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の血圧測定装置。
  3. 前記温度センサの検出した外耳道内の温度、前記血圧計の検出した脈波及び前記加速度センサの検出した加速度のうち少なくとも一つと前記血圧計の検出した血圧値を関連付けて記憶する記憶手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の血圧測定装置。
  4. 前記加速度センサの検出した加速度を演算して被験者の姿勢又は活動状態を判断する演算部をさらに備えることを特徴とする請求項1から3に記載のいずれかの血圧測定装置。
  5. 前記記憶手段は、前記演算部の判断した前記被験者の姿勢又は活動状態を記憶することを特徴とする請求項4に記載の血圧測定装置。
  6. 前記加速度センサの少なくとも一軸は人体の正中線と平行であり、かつ他の一軸は人体の水平面と矢状面との交線と平行であることを特徴とする請求項1から5に記載のいずれかの血圧測定装置。
  7. 前記血圧計は外耳の一部を圧迫するカフを有することを特徴とする請求項1から6に記載のいずれかの血圧測定装置。
  8. 前記温度センサはサーミスタであり、前記カフの圧迫面に装備されていることを特徴とする請求項7に記載の血圧測定装置。
  9. 前記装着部の一部は外耳道に配置され、前記温度センサは赤外線センサであり、外耳道に配置される前記装着部の一部の先端に装備されていることを特徴とする請求項2から7に記載のいずれかの血圧測定装置。


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