以下、本実施形態に係る活動情報収集装置及び活動情報収集方法について添付の図面を参照して説明するが、本発明は、以下の記載に限定して解釈されない。
図1に本実施形態に係る活動情報収集装置1の構成を示す。活動情報収集装置1は、略直交する少なくとも2軸以上の加速度を検出する加速度センサ2と、加速度センサ2が検出した少なくとも2軸の加速度から生体の姿勢及び生体の活動度を演算する演算部3と、を備える。加速度センサ2と演算部3とは信号線などの情報伝達手段により接続され、加速度センサ2が検出した加速度の情報は演算部3へ伝達され、演算部3は予め記憶している以下に説明する演算式あるいは演算方法に従って加速度センサ2が検出した加速度を演算し、演算結果は図示していない記憶部に記憶され、あるいは図示していない表示部に表示し、あるいは図示してない送信部により外部へ送信される。
図1において、略直交する2軸以上の加速度を検出する加速度センサ2の加速度を検出する第1の軸をA軸4とし、加速度を検出する第2の軸をB軸5とする。図1においては、電源や筐体などの通常の技術により実現される部分は表示していない。
図2は生体10の方向の説明図である。図2において、直立姿勢の生体10を上下に垂直な面で左右に割る矢状面と、直立姿勢の生体10を上下に垂直な面で前後に割る前額面の交差する軸の方向を生体10の上下軸11と定義し、かつ上下軸11の加速度は、頭部から脚部に向かう方向を正の加速度の方向と定義する。
図2において、矢状面と、直立姿勢の生体10を水平な面で上下に割る水平面の交差する軸の方向を生体10の前後軸12と定義し、かつ前後軸12の加速度は、生体10の後頭部から顔面へ向かう生体10の前進歩行時の進行方向を正の加速度の方向と定義する。
本実施形態では、加速度センサ2のいずれか1軸を生体10を上下に垂直な面で前後に割る前額面の交差する軸の方向を生体10の上下軸11に配置し、他の1軸を生体10を水平な面で上下に割る水平面の交差する軸の方向を生体10の前後軸12に配置することが望ましい。加速度センサ2の2つの軸を上下軸11と前後軸12とに配置することによって生体10の最も動きが多い方向の加速度を得ることができ、評価精度が良い生体10の活動情報を得ることができる。本実施形態では、活動情報収集装置1の加速度センサ2の相互に略直交したA軸4およびB軸5のそれぞれを、生体10の上下軸11および前後軸12に合わせて配置した場合について説明する。
加速度センサ2は生体10の頭、首、腕などさまざまな場所に装着できるが、以後の説明においては一例として、側頭部に装着する場合を想定して説明する。
加速度センサ2により検出する加速度の中の静的な加速度、すなわち比較的緩やかに変化する重力の加速度により、生体10の姿勢を判定する方法を説明する。さらに、以下の説明において、加速度センサ2が検出する加速度により、生体10の姿勢を判定する方法に関する記述においては、特にことわらない限り、加速度センサ2により検出する加速度とは、加速度センサ2により検出する加速度の中の比較的緩やかに変化する重力加速度の成分を示す。
生体10が垂直な直立姿勢の場合、加速度センサ2のA軸4は上下軸11方向にあり、重力の加速度を検出し、加速度センサ2のB軸5は前後軸12方向にあり、重力の加速度を検出しない。以下の説明においては重力の加速度をGで表す。
図3により生体10が前後方向へ傾斜した場合の、加速度センサ2の検出する加速度について説明する。図3に生体10が前方向に角度αで傾斜した状態を示し、図4に加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aとB軸5で検出する加速度bを示す。図3において、垂直方向を垂直軸13で示し、水平方向を水平軸14で示しており、図4において重力の方向を重力方向15で示している。
図3に示す加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aは次の数式1で表される。
ここで、生体10が直立姿勢にある場合、加速度aはGであり、生体10が前方へ傾斜するに従って加速度aは減少し生体10が顔面を下にして水平に寝た姿勢になり角度αが90度になった場合加速度aは0となり、さらに生体10が頭を水平軸14より下に下げて傾斜し角度αが90度を越えると加速度aは−となり、生体10が倒立姿勢になり角度αが180度となると加速度aは−Gとなり、さらに生体10が傾斜し角度αが180度を越えると加速度aは増加傾向に転じ、さらに生体10が傾斜し顔面を上にした寝姿勢になり角度αが270度となると加速度aは0となり、さらに生体10が傾斜し起き上がり直立姿勢に近づくと加速度aは増大し、生体10が直立姿勢になった場合、加速度aは再びGとなる。
上記の説明においては、生体10が直立姿勢にある場合について述べているが生体情報収集装置1を頭部など上半身に装着している場合は、立ち姿勢と座り姿勢は全く同様に取り扱えるので、以後の説明においては、直立姿勢は立ち姿勢あるいは座り姿勢を含むとして説明する。
ここで、日常生活における姿勢を考えると、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にある場合、生体10は垂直方向から前後左右方向にある角度で傾斜する場合があるがこの場合、加速度aはGあるいはGに近い値となり、また生体10が顔面を上または下へ向けた寝姿勢にある場合は完全な水平状態から上下方向にある角度で傾斜する場合があるがこの場合、加速度aは0あるいは0に近い値となり、生体10が倒立姿勢にある場合、生体10は垂直方向から前後左右方向にある角度で傾斜する場合があるがこの場合、加速度aは−Gあるいは−Gに近い値となる。
一方、図3に示すB軸5で検出する加速度bは、次の数式2で表される。
ここで、生体10が直立姿勢、すなわち立ち姿勢あるいは座り姿勢にある場合、B軸5方向の加速度bは0であり、生体10が前方へ傾斜するに従って加速度bは増大し生体10が顔面を下にして水平に寝た姿勢になり角度αが90度になった場合、加速度bはGとなり、さらに生体10が頭を下げて傾斜し角度αが90度を越えると加速度bは減少し、生体10が倒立姿勢になり角度αが180度となると加速度bは0となり、さらに生体10が傾斜し角度αが180度を越えると加速度bは−になり、さらに生体10が傾斜し顔面を上にした寝姿勢になり角度αが270度となると加速度bは−Gとなり、さらに生体10が傾斜し起き上がり直立姿勢に近づくと加速度bは増大し、生体10が直立姿勢になった場合、加速度bは再び0となる。
ここで、日常生活における姿勢を考えると、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にある場合、完全な垂直方向から前後左右方向にある角度で傾斜する場合も想定されるが、この場合、加速度bは0あるいは0に近い値となり、また生体10が顔面を上あるいは下へ向けて寝姿勢にある場合は完全な水平状態から上下方向にある角度で傾斜する場合も想定されるが、この場合、加速度bは−Gあるいは−Gに近い値となり、生体10が倒立姿勢にある場合、完全な垂直方向から前後左右方向にある角度で傾斜する場合も想定されるが、この場合、加速度bは0あるいは0に近い値となる。
次に、図5、図6により、生体10が直立姿勢、すなわち立ち姿勢あるいは座り姿勢から左右方向に傾斜した場合の加速度センサ2が検出する加速度を説明する。
図5は生体10が垂直軸13から生体10の左腕方向に角度βで傾斜している様子を示し、図6は加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aと重力方向15との関係を示している。ここで、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aは次の数式3で表される。
ここで、生体10が左右に傾斜した場合は、加速度センサ2のB軸5は重力方向15と略直交しているので、加速度を検出しないので加速度bは0である。
生体10が直立姿勢、すなわち立ち姿勢あるいは座り姿勢にある場合、数式3の角度βが0であり、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aはGであり、生体10が顔面を真横にして水平に寝た姿勢の場合は、数式3の角度βが90度および270度であり、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aは0であり、生体10が倒立姿勢にある場合、数式3の角度βが180度であり、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aは−Gである。
ここで、日常生活における姿勢を考えると、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にある場合、完全な垂直状態から前後左右方向にある角度で傾斜する場合も想定されるがこの場合、A軸4で検出する加速度aはGあるいはGに近い値となり、生体10が横向きの寝姿勢にある場合は完全な水平状態から上下方向にある角度で傾斜する場合があるが、この場合、加速度aは0あるいは0に近い値になり、生体10が倒立姿勢にある場合は完全な垂直状態から前後左右にある角度で傾斜する場合も想定されるが、この場合、加速度aは−Gあるいは−Gに近い値となる。
上記において、生体10が前後方向へ傾斜した場合、および生体10が左右方向へ傾斜した場合について、加速度センサ2のA軸4およびB軸5で検出する加速度について説明したが、生体10の傾斜角度を生体10と垂直軸13とを含む面内において垂直軸13を基準として測定すれば、生体10の傾斜角度とA軸4で検出する加速度aとの関係は生体10が前後方向へ傾斜した場合と左右方向へ傾斜した場合において、全く同一の関係である。
さらに、上記の説明においては、生体10が前後方向に傾斜した場合と左右方向に傾斜した場合について述べているが、生体10が左右斜め方向に傾斜した場合においても、生体10と垂直軸13を含む面内において垂直軸13を基準として生体10の傾斜角度を測定すれば、生体10の傾斜角度と加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aとの関係は生体10が前後方向へ傾斜した場合と左右方向へ傾斜した場合において、全く同一の関係である。
ここで、生体10が寝姿勢にある場合の加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bを整理すると、顔面を上向きにした寝姿勢の場合は加速度aは0であり加速度bは−Gであり、顔面を下にした寝姿勢の場合は、加速度aは0であり加速度bはGであり、顔面を横に右向きにあるいは左向きの寝姿勢の場合は加速度aは0であり加速度bは0である。このように、生体10が寝姿勢にある場合はA軸4で検出する加速度aは常に0であり、B軸5で検出する加速度bは生体10の顔面横向きによりGから−Gまで変化する。
上記の結果をもとにして、日常生活において、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると定義する生体10の垂直軸13を基準とした傾斜角度の範囲を設定し、また生体10が倒立状態にあると定義する生体10の垂直軸13を基準とした傾斜角度の範囲を設定し、さらに、生体10が真上向き又は真下向きまたは横向きなどの寝姿勢にあると定義する生体10の垂直軸13を基準とした傾斜角度の範囲を設定し、このように設定したそれぞれの傾斜角度の範囲に対応するA軸4で検出する加速度aの範囲を数式1により計算して、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にある場合、生体10が寝姿勢にある場合、のそれぞれに対応するA軸4で検出する加速度aの範囲を設定し、これらの設定した範囲を図1に示す演算部3に記憶させる。
ここで、演算部3はA軸4で検出する加速度aの値が、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にある場合、生体10が倒立姿勢にある場合、生体10が寝姿勢にある場合のそれぞれに対応する加速度の範囲内にあるか範囲外にあるかを演算し、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢、あるいは倒立姿勢、あるいは寝姿勢のいずれかにあるかを判定する。
さらに、演算部3が、生体10が寝姿勢にあると判定した状態において、生体10が上向きの寝姿勢にあると定義する場合の顔面の真上方向から左右方向への傾斜角度の範囲、生体10が下向きの寝姿勢にあると定義する場合の顔面の真下方向から左右への傾斜角度の範囲、生体10が左向きの寝姿勢にあると定義する場合の顔面の真左方向から左右方向への傾斜角度の範囲、生体10が右横向きの寝姿勢にあると定義する場合の顔面真右方向からの傾斜角度の範囲のそれぞれを生体10の上下軸11に平行で、生体10の中心を貫く軸を中心に設定し、このように設定されたそれぞれの傾斜角度の範囲に対応する加速度センサ2のB軸5で検出する加速度の範囲を数式2により計算して、生体10が上向きの寝姿勢にある場合、生体10が下向きの寝姿勢にある場合、生体10が左横向きの寝姿勢にある場合、生体10が右横向きの寝姿勢にある場合のそれぞれに対応するB軸5で検出する加速度bの範囲を設定し、これらの設定した範囲を演算部3に記憶させる。
ここで、演算部3は加速度センサ2のB軸5で検出する加速度bの値が、生体10が上向きの寝姿勢にある場合、生体10が下向きの寝姿勢にある場合、生体10が左横向きの寝姿勢にある場合、生体10が右横向きの寝姿勢にある場合のそれぞれに対応する加速度の範囲内にあるか範囲外にあるかを演算することにより、生体10が上向きの寝姿勢、下向きの寝姿勢、左横向きの寝姿勢、右横向きの寝姿勢のいずれかにあるかを判断する。
さらに、生体10が倒立状態あるいは倒立状態に近い場合、加速度aは約−Gあるいは−Gに近い値であり、加速度bは0あるいは0に近い値である。
従って、日常生活において、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢と定義する角度αの範囲を規定し、また倒立状態と定義する角度αの範囲を規定し、さらに、真上または真下向きで寝ている姿勢と定義する角度αの範囲を規定し、さらに横向きで寝ていると定義する角度βの範囲を規定し、これらの規定した角度αの範囲および角度βの範囲に対応するA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bのそれぞれの加速度の範囲を数式1、数式2及び数式3により算出し、A軸4で検出する加速度a及びB軸5で検出する加速度bのそれぞれの加速度が範囲内にあるか範囲外にあるかを判定することにより、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢、倒立姿勢、寝姿勢のいずれにあるかを判定できる。
次に、図1に示す加速度センサ2のA軸4およびB軸5で検出する加速度の中の動的な、すなわち比較的変化の大きい加速度により、生体10の運動を評価する方法を説明する。
加速度センサ2のA軸4およびB軸5は歩行や走行により比較的早く変化する加速度や生体10の傾斜などの緩やかに変化する加速度など各種の加速度を検出する。
これらの加速度の中から、全身的な活動による加速度を検出するために、静的なあるいは緩やかに変化する加速度を除いて、生体10の全身的な活動に起因する加速度を評価するために、次の数式4により活動度Mを定義し、演算部3に記憶させる。数式4において、記号の意味は以下の通りである。a(i)は、加速度センサ2のA軸4が時刻iに検出する加速度である。a0は、加速度a(i)の単位時間の平均値である。b(i)は、加速度センサ2のB軸5が時刻iに検出する加速度である。b0は、加速度b(i)の単位時間の平均値。Δtは、加速度の測定時間間隔である。
数式4は静的な加速度あるいは緩やかに変化する加速度を除いているので、全身運動による活動の程度を評価する指標になる。ここで、図14に、A軸で計測する加速度aの時間変化を示したグラフの1例を示す。図14において、横軸は時間tを示し、縦軸は加速度を示している。また、図14において、実線はA軸方向の加速度を示し、破線はA軸方向の加速度の単位時間の平均値を示す。なお、図14で説明する事項は、「A軸」との記載を「B軸」に換えて、B軸についても全く同様に説明できる。
例えば、加速度検出開始点61からA軸の加速度の検出を開始して活動度算出点60で活動度Mを算出する場合を想定する。時刻iでの加速度a(i)と加速度の単位時間の平均値a0との差分に測定時間間隔Δtを掛け合わせる。そして、さらに2乗する計算を、加速度検出開始点61から活動度算出点60まで逐次行う。時刻(i−1)までの差分の2乗値の総和に、時刻iで算出した差分の2乗値を足し合わせる。iについて活動度算出点60までの一定時間62だけ繰り返し足し合わせると、数式4の右辺第1項を算出することができる。ここで、時刻iでの単位時間の平均値a0は、例えば、時間軸上に所定の計算更新間隔τを設定し、検出したA軸の加速度値を計算更新間隔τの分だけ時刻iまで足し合わせ、加速度検出開始点61から時刻iまでの計算更新間隔τで除算した値とすることができる。
ここで、測定時間間隔Δt及び計算更新間隔τは、時刻iを基準に長くも短くもできる。測定時間間隔Δtを短くしていくと、A軸の加速度aは連続的に検出されることになることから、活動度Mの評価精度は高くなっていく。一方で、計算回数が増えるため、活動度Mの計算時間が長くなる。そのため、測定時間間隔Δtの大きさは、活動度Mの計算時間と評価精度とを考慮したうえで適宜設定することとする。また、計算更新間隔τを長くした場合、加速度aの高周波成分が除去され、単位時間の平均値a0は、図14の破線が示すように緩やかな曲線となる。この緩やかな曲線で表される単位時間の平均値a0を用いて活動度Mを算出すると、加速度センサの姿勢とは無関係に、活動度Mの値を運動成分のみ考慮した値とすることができる。一方、計算更新間隔τを短くした場合、単位時間の平均値a0は、図14に示す実線のグラフに近づいていく。そのため、計算更新間隔τは、加速度aからの高周波成分の除去具合を考慮したうえで適宜設定することとする。測定時間間隔Δt及び計算更新間隔τの大きさは、例えば、(Δt,τ)=(0.5s,60s)とすることができる。
図1に示す演算部3は、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bを、数式4により演算し、生体10の活動度を算出する。
ここで、生体10の活動度Mは、数式4により評価する方法もあるが、活動度Mを例えば大、中、小などの段階別に分けて定義して、健康管理に役立てる方法も有効である。
以上の説明においては加速度センサ2のA軸4およびB軸5を、それぞれ図2に示す生体10の上下軸11と前後軸12に配置する場合を説明したが、加速度センサ2のA軸4およびB軸5のそれぞれが生体10の上下軸11と前後軸12に配置されていない場合の生体10の姿勢の判定と活動度の算出法について、次に説明する。
図1に示す加速度センサ2のA軸4およびB軸5のそれぞれが図2に示す生体10の上下軸11と前後軸12に配置されていない場合、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bは生体10の姿勢によりさまざまに変化する。
そこで、日常生活において、加速度センサ2が数時間に渡り動的な加速度を検出した場合を生体10が活動的な状態にあると判断して、この状態においては、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると定義する。
上記のように生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると定義した状態における加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bのそれぞれの中で重力によると推定される平均的な加速度が変化する範囲を、それぞれ生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると判定するA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bの判定範囲として設定し、演算部3に記憶する。そこで、演算部3は、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bの中で重力によると推定される平均的な加速度のそれぞれが設定された判定範囲内にある場合に生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると判定する。
また、加速度センサ2による生体10の動的な加速度の検出結果から数時間に渡り活動の少ない安静な状態を寝姿勢にあると定義する。
上記のように生体10が寝姿勢にあると定義した状態における加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bのそれぞれの中で重力によると推定される平均的な加速度が変化する範囲を、それぞれ生体10が寝姿勢にあると判定するA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bの判定範囲として設定し、演算部3に記憶する。そこで、演算部3は加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bの中で重力によると推定される平均的な加速度のそれぞれが設定された判定範囲内にある場合に生体10が寝姿勢にあると判定する。ここで、A軸4およびB軸5で検出する平均的な加速度は、所定時間内の加速度の平均値とする。所定時間内の平均値とは、加速度センサ2が所定時間内に逐次検出した加速度の平均値としてもよい。また、加速度センサ2が所定時間内に逐次検出した加速度を足し合わせ、足し合わせた結果を検出回数で除算した平均値としてもよい。いずれも、A軸4およびB軸5で検出する平均的な加速度として有効な指標となる。また、動的な加速度の判定範囲が安静な加速度の判定範囲を含む場合は、最初に検出した加速度が安静な加速度の判定範囲内にあるか否かを判定し、検出した加速度が安静な加速度の判定範囲内でないときに動的な加速度の判定範囲内にあるか否かを判定することとする。
また、加速度センサ2のA軸4およびB軸5が生体10へ配置される方向によっては、A軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bによって生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあるか、あるいは寝姿勢にあるかを一意的に判定できない場合が生じる可能性がある。
このような場合は、加速度センサ2が数時間に渡り動的な加速度を検出した状態を生体10が活動的な状態、すなわち立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると判定する基準を設定し演算部3に記憶させ、また、加速度センサ2が数時間に渡り動的な加速度を検出しない状態を生体10が安静な状態、すなわち寝姿勢にあると判定する基準を設定し、演算部3に記憶させる。ここで、数時間に渡り動的な状態または安静な状態は、例えば、一定時間に加速度センサ2が検出する加速度の最大値と最小値とが所定の範囲内にあるか否かで判定することができる。一定時間に加速度センサ2が検出する加速度の最大値と最小値とが所定の範囲内にあれば動的な状態とし、所定の範囲外であれば安静な状態とすることができる。加速度の最大値と最小値は、加速度センサ2が検出する加速度の値を時間軸で逐次記憶しておき、減少または増加傾向にある加速度の値が折り返した点を極値として、一定時間内で存在する極値の値を比較することで求めることができる。
演算部3は、A軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bが設定された前記の判定する基準内にあるか、設定された前記の判定する基準外にあるかを演算して、その演算結果により、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあるか、あるいは寝姿勢にあるかを判定する。
また、演算部3が記憶する数式4により定義した活動度Mは、加速度センサ2のA軸4およびB軸5のそれぞれが生体10の上下軸11と前後軸12に配置されていない場合においても、加速度センサ2のA軸4およびB軸5のそれぞれが生体10の上下軸11と前後軸12に配置された場合と同様に生体10の活動度を評価することができる。
上記のように本実施形態に係る活動情報収集装置1は略直交する2軸以上の加速度を検出する加速度センサ2と、加速度センサ2の検出した加速度から生体10の姿勢及び生体10の活動度を演算する演算部3と、を備える活動情報収集装置であり、演算部3において上記のように生体10の姿勢を判定し、生体10の活動度Mを算出できる。
また、本実施形態に係る活動情報収集装置1は、演算部3に加速度センサ2が検出する加速度の値を補正する補正手段を有することが望ましい。図1に示す加速度センサ2を生体10に装着する場合、装着具合によりA軸4とB軸5とが図2に示す上下軸11、前後軸12からずれることがある。この場合、活動情報収集装置1を作動させる前に、加速度センサ2が検出する加速度の値を補正する。補正方法は、例えば、活動情報収集装置1の装着後、加速度センサが作動していることを確認して、まっすぐ前を向く。まずこのときの加速度センサか検出する加速度の値を演算部3に記憶させ、次に体を90°前に傾けてお辞儀をする。このときに加速度センサが検出する加速度の値を再び演算部3に記憶させる。まっすぐ前を向いたときに検出した加速度の値とお辞儀をしたときに検出した加速度の値から、上下軸11および前後軸12の加速度の値を90°の範囲で換算することができる。加速度センサ2をある軸を中心として回転させると、加速度センサ2が検出する加速度は、360°単位で周期的に変化することから、加速度センサ2の補正値を算出することができる。具体的には、加速度センサ2の姿勢角度に対する検出加速度値の位相のずれを算出する。この位相のずれが補正値となる。その後、加速度センサ2が検出した加速度から、生体10の角度α、βを数式1から数式3によって逆算し、補正値を基に正しい値に補正する。また、加速度センサ2が検出した加速度を補正値を基に正しい値に補正して、数式4によって活動度Mを計算する。なお、お辞儀の他に、例えば体を真横に傾けても同様にして前後軸12のみの補正が可能となる。また、お辞儀、真横に傾けることを両方とも行うことによって、さらに精度のよい補正が可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集装置1は構成が簡単で、生体10の姿勢を判定し、生体10の活動度Mを算出する活動情報収集装置を提供できる。
本実施形態に係る活動情報収集方法は、図1に示す加速度センサ2が略直交する2軸以上の加速度を検出する加速度検出手順と、演算部3が前記検出した1軸の加速度が所定の値の範囲内にあるか範囲外にあるかを演算し、かつ、前記加速度センサの他の1軸で検出した加速度が他の所定の値の範囲内にあるか範囲外にあるかを演算する加速度演算手順と、演算部3が加速度演算手順において演算した結果から生体10の姿勢を判定する姿勢判定手順と、を含む活動情報収集方法である。
本実施形態に係る活動情報収集方法について、まず、図1に示す加速度センサ2のA軸4が図2に示す生体10の上下軸11に配置し、B軸5が前後軸12に配置した場合を説明する。
本実施形態に係る活動情報収集方法は、前述の活動情報収集装置1と同様に、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると定義する状態においてA軸4で検出する加速度aが変化する範囲を立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると判定する判定範囲と設定し、さらに生体10が倒立姿勢にあると定義する状態においてA軸4で検出する加速度aが変化する範囲を倒立姿勢にあると判定する判定範囲と設定し、さらに生体10が寝姿勢にあると定義する状態においてA軸4で検出する加速度aが変化する範囲を寝姿勢にあると判定する判定範囲を設定する。
そこで、A軸4で検出する加速度aの値が、立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると判定する判定範囲、倒立姿勢にあると判定する判定範囲、寝姿勢にあると判定する判定範囲のそれぞれの範囲内にあるか範囲外にあるかを演算し、加速度aの値が判定範囲のいずれかの範囲内にある場合、加速度aの値を範囲内に含む判定範囲に対応する姿勢が生体10の姿勢であると判定する。
次に、生体10が寝姿勢にあると判定した状態において、前述の活動情報収集装置1と同様に、生体10が真上を向いた寝姿勢にあると定義する状態においてB軸5で検出する加速度bが変化する範囲を真上を向いた寝姿勢にあると判定する判定範囲と設定し、さらに生体10が真下を向いた寝姿勢にあると定義する状態においてB軸5で検出する加速度bが変化する範囲を真下を向いた寝姿勢にあると判定する判定範囲と設定し、さらに生体10が左向きの寝姿勢にあると定義する状態においてB軸5で検出する加速度bの変化する範囲を左向きの寝姿勢にあると判定する判定範囲と設定し、さらに生体10が右向きの寝姿勢にあると定義する状態においてB軸5で検出する加速度bが変化する範囲を右向きの寝姿勢にあると判定する判定範囲と設定する。
そこで、B軸5で検出する加速度bの値が、真上を向いた寝姿勢にあると判定する判定範囲、真下を向いた寝姿勢にあると判定する判定範囲、左向きの寝姿勢にあると判定する判定範囲、右向きの寝姿勢にあると判定する判定範囲のそれぞれの範囲内にあるか範囲外にあるかを演算し、加速度bの値がいずれかの判定範囲の範囲内にある場合、加速度bを範囲内に含む判定範囲に対応する姿勢が生体10の姿勢であると判定する。
次に、図1に示す加速度センサ2のA軸4およびB軸5がそれぞれ生体10の上下軸11および前後軸12に配置されていない場合について説明する。
日常生活において、加速度センサ2が数時間に渡り動的な加速度を検出した場合、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると定義し、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bのそれぞれの中で重力によると推定される平均的な加速度の範囲をそれぞれ立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると判定する判定範囲として設定し、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bのそれぞれの中で重力によると推定される平均的な加速度のそれぞれがこの判定範囲にある場合に生体10は立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると判定する。
また日常生活において、加速度センサ2が数時間に渡り活動の少ない安静な状態を示す加速度を検出した場合、生体10は寝姿勢にあると定義し、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bのそれぞれの中の重力によると推定される平均的な加速度の範囲をそれぞれ寝姿勢にあると判定する判定範囲として設定し、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bの中の重力によると推定される平均的な加速度のそれぞれがこの判定範囲にある場合に生体10は寝姿勢にあると判定する。ここで、A軸4およびB軸5で検出する平均的な加速度は、所定時間内の加速度の平均値とする。所定時間内の平均値とは、加速度センサ2が所定時間内に逐次検出した加速度の平均値としてもよい。また、加速度センサ2が所定時間内に逐次検出した加速度を足し合わせ、足し合わせた結果を検出回数で除算した平均値としてもよい。いずれも、A軸4およびB軸5で検出する平均的な加速度として有効な指標となる。また、動的な加速度の判定範囲が安静な加速度の判定範囲を含む場合は、最初に検出した加速度が安静な加速度の判定範囲内にあるか否かを判定し、検出した加速度が安静な加速度の判定範囲内でないときに動的な加速度の判定範囲内にあるか否かを判定することとする。
さらに、上記のように加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aおよびB軸5で検出する加速度bにより、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢、あるいは寝姿勢にあるかが一意的に判定できない場合は、加速度センサ2が数時間に渡り動的な加速度を検出した場合、生体10が立ち姿勢あるいは座り姿勢にあると判定し、加速度センサ2が数時間に渡り活動の少ない安静な状態を示す加速度を検出した場合、生体10は寝姿勢にあると判定する。ここで、数時間に渡り動的な状態または安静な状態は、例えば、一定時間に加速度センサ2が検出する加速度の最大値と最小値とが所定の範囲内にあるか否かで判定することができる。一定時間に加速度センサ2が検出する加速度の最大値と最小値とが所定の範囲内にあれば動的な状態とし、所定の範囲外であれば安静な状態とすることができる。加速度の最大値と最小値は、加速度センサ2が検出する加速度の値を時間軸で逐次記憶しておき、減少または増加傾向にある加速度の値が折り返した点を極値として、一定時間内で存在する極値の値を比較することで求めることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集方法は簡便に、正確に生体10の姿勢を判定する活動情報収集方法を提供できる。
また、図1に示す活動情報収集装置1は、少なくとも加速度センサ2の1軸が図2に示す生体10の前額面と矢状面との交差する軸に、他の1軸が水平面と矢状面との交差する軸に配置された活動情報収集装置とすることもできる。
本実施形態に係る活動情報収集方法は、前述の活動情報収集装置1において加速度センサ2のA軸4が生体10の上下軸11に配置され、加速度センサ2のB軸5が生体10の前後軸12に配置された場合に相当し、前述のように演算部3において加速度センサ2のA軸4およびB軸5で検出する加速度から、生体10の姿勢を判定し、さらに演算部3において加速度センサ2のA軸4およびB軸5で検出する加速度から、前述の活動情報収集装置1と同様に生体10の活動度M(数式4)を算出する。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集装置1は構成が簡単で、正確に生体10の姿勢を判定し、生体10の活動度を算出する活動情報収集装置を提供できる。
本実施形態に係る活動情報収集方法は前述の加速度検出手順において、図1に示す加速度センサ2の少なくとも1軸は図2に示す生体10の前額面と矢状面との交差する軸方向の加速度を検出し、加速度センサ2の少なくとも他の1軸は生体10の水平面と矢状面との交差する軸方向の加速度を検出する活動情報収集方法である。
本実施形態に係る活動情報収集方法は、前述の活動情報収集装置1において、加速度センサ2のA軸4が生体10の上下軸11に配置され、B軸5が前後軸12に配置された場合に相当し、前述の活動情報収集方法と同様の手順で、生体10の姿勢を判定する。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集方法は、簡便に、正確に生体10の姿勢を判定できる活動情報収集方法を提供できる。
本実施形態に係る活動情報収集装置1の演算部3は、少なくとも1軸が前額面と矢状面との交差する軸に、他の1軸が水平面と矢状面との交差する軸に配置された加速度センサ2が検出する加速度から、生体10が立位(「座位」を含む)」、「仰臥位」、「伏臥位」、「側臥位」、又は「倒立位」のいずれにあるかを判定する機能を有する活動情報収集装置とすることができる。
本実施形態に係る活動情報収集装置1について添付の図を参照して説明する。
図7及び図8により本実施形態に係る活動情報収集装置1により判定する生体10の姿勢を定義する。
図7は生体10の足の接地面を中心に、生体10を矢状面内において前後方向に回転させた状態を示す。
図7に示す生体10が直立姿勢および直立姿勢の前後方向に所定の角度範囲内で傾斜した姿勢、および図7に示していない座り姿勢および座り姿勢の前後に所定の角度範囲内で傾斜した姿勢を立位(「座位」を含む)21と定義する。
図7に示す生体10が顔面を下に水平面に寝た姿勢および顔面を下に水平に寝た姿勢から水平軸14を中心に所定の角度範囲内で傾斜した姿勢を下寝姿勢27と定義する。
図7に示す生体10が倒立姿勢および倒立姿勢の前後方向に所定の角度範囲内で傾斜した姿勢を倒立位23と定義する。
図7に示す生体10が顔面を上に水平面に寝た姿勢および顔面を上に水平に寝た姿勢から水平軸14を中心に所定の角度範囲内で傾斜した姿勢を上寝姿勢26と定義する。
ここで、顔面を下にした下寝姿勢27と顔面を上にした上寝姿勢26の各々における生体10が水平軸14を中心に傾斜する角度範囲はそれぞれ等しい場合について述べているが、これは必ずしも必要な条件ではなく、それぞれ異なってもよい。
また、説明の煩雑さを避けるために、図7において、立位(「座位」を含む)21、倒立位23、上寝姿勢26および下寝姿勢27の傾斜の角度範囲はそれぞれ互いに接している場合の例を示しているが、これは必ずしも必要な条件ではなく、それぞれ互いに接していない状態でもよい。さらに、図7においては、立位(「座位」を含む)21、顔面を下にした場合の下寝姿勢27および顔面を上にした場合の上寝姿勢26、倒立位23のそれぞれにおける生体10の傾斜の角度範囲は任意に設定できる。
図8に、図7に示す生体10が前方向に一定速度で、立位(「座位」を含む)21、上寝姿勢26、倒立位23、下寝姿勢27の順に回転した場合の加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aの変化を加速度曲線31として示す。
図8において、縦軸は加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aであり、横軸は垂直軸13を基準に測定した生体10が前方向へ傾斜した角度である。
図8において、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aは生体10の傾斜角度に対応して、加速度曲線31で示すように変化する。また、図8において、A軸4で検出する加速度aを示す加速度曲線31は横軸の角度360°の点で再び0°の点と同じ値となる。
また、図8には生体10が図7に示す立位(「座位」を含む)21にある場合に加速度センサ2のA軸4で検出する加速度の範囲を立位(「座位」を含む)の加速度範囲34として示し、生体10が図7に示す上寝姿勢26または下寝姿勢27にある場合に加速度センサ2のA軸4で検出する加速度の範囲を寝姿勢の加速度範囲35として示し、生体10が図7に示す倒立位23にある場合に加速度センサ2のA軸4で検出する加速度の範囲を倒立位の加速度範囲36として示している。
図7および図8においては、生体10が前後方向に傾斜した場合について、立位(「座位」を含む)21、上寝姿勢26、下寝姿勢27、倒立位23を定義し、これに対応して図8に示す立位(「座位」を含む)の加速度範囲34、寝姿勢の加速度範囲35、倒立位の加速度範囲36を設定したが、前述のように、生体10が左右方向、あるいは左右斜め方向へ傾斜した場合も、生体10と垂直軸13とを含む面内において、垂直軸13を基準として生体10の傾斜角度を測定すれば、図8に示す加速度曲線31、および立位(「座位」を含む)の加速度範囲34、寝姿勢の加速度範囲35、倒立位の加速度範囲36の各々は生体10が前後方向へ傾斜した場合と全く同様となる。
図1に示す活動情報収集装置1の演算部3に上記の立位(「座位」を含む)の加速度範囲34、寝姿勢の加速度範囲35、倒立位の加速度範囲36を記憶させ、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aの値が立位(「座位」を含む)の加速度範囲34、寝姿勢の加速度範囲35、倒立位の加速度範囲36の範囲内にあるか範囲外にあるかを演算する。演算の結果、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aの値が立位(「座位」を含む)の加速度範囲34、寝姿勢の加速度範囲35、倒立位の加速度範囲36のいずれかの範囲内にある場合記加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aの値が含まれる加速度の範囲に対応する姿勢が生体10の姿勢であると判定する。
ここで、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aの値が図8に示す立位(「座位」を含む)の加速度範囲34、寝姿勢の加速度範囲35、倒立位の加速度範囲36の境界線上にある場合に、生体10がいずれの範囲にあると判定するかは本実施形態に係る活動情報収集装置1の使用目的に応じて定義できる。
上記のように、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aから、生体10が立位(「座位」を含む)21、上寝姿勢26または下寝姿勢27いずれかの寝姿勢、倒立位28のいずれにあるかを判定できる。
次に、生体10が寝姿勢にあり、特に水平に寝た姿勢にある場合について、寝姿勢を生体10の顔面の方向により分類して、姿勢を定義する。
図9は生体10が水平に寝ている姿勢を、頭部の頂点方向から見た図であり、ここで生体10の寝姿勢を顔面の方向により以下のように分類して、姿勢を定義する。また、図9には水平面を水平軸17として示している。
図9(1)に示すように生体10が顔面を真上にして寝た姿勢および顔面を真上にして寝た姿勢から生体10の上下軸11に平行でかつ生体10の中心を貫く軸を中心に左右に所定の角度範囲内で傾斜した姿勢を仰臥位24と定義し、図9(2)に示すように生体10が顔面を真下にして寝た姿勢および顔面を真下にして寝た姿勢から生体10の上下軸11に平行でかつ生体10の中心を貫く軸を中心に左右に所定の角度範囲内で傾斜した姿勢を伏臥位22と定義し、図9(3)あるいは(4)に示すように生体10が真右あるいは真左方向へ向いて寝た姿勢および真右あるいは真左方向へ向いて寝た姿勢から生体10の上下軸11に平行でかつ生体10の中心を貫く軸を中心に左右へ所定の角度範囲内で傾斜した姿勢を右側臥位25、左側臥位28と定義する。
ここでは説明の煩雑さをさけるために、仰臥位24と右向きの右側臥位25の傾斜の角度範囲は接し、伏臥位22と左向きの左側臥位28の傾斜の角度範囲はそれぞれ互いに接するものとしているが、これは必須の条件ではなく、それぞれ互いに接していない状態で、仰臥位24、右側臥位25、左側臥位28、伏臥位22を定義してもよく、さらに、仰臥位24、右側臥位25、左側臥位28、伏臥位22の傾斜角度の範囲は任意に設定できる。
次に、図10に寝姿勢において、生体10が上下軸11に平行でかつ生体10の中心を貫く軸を中心として回転した場合の加速度センサ2が検出する加速度の変化を示す。
図10において、縦軸は加速度センサ2のB軸5で検出する加速度であり、横軸は生体10が真上を見て水平に寝た状態を基準にして、生体10が上下軸11に平行でかつ生体10の中心を貫く軸を中心に生体10の左右方向へ傾斜した場合の傾斜角度である。
図10において、生体10が水平に上向きに寝た姿勢の仰臥位24から、上下軸11に平行で、かつ生体10の中心を貫く軸を中心に左右方向へ、右向きの右側臥位25、伏臥位22、左向きの左側臥位28の順に一定速度で回転した場合の加速度センサ2のB軸5で検出する加速度の変化を加速度曲線32として示している。
また、図10には生体10が伏臥位22にある場合の加速度センサ2のB軸5で検出する加速度の範囲を伏臥位の加速度範囲37として示し、生体10が右側臥位25または左側臥位28にある場合の加速度センサ2のB軸5で検出する加速度の範囲を側臥位の加速度範囲38として示し、生体10が仰臥位24にある場合の加速度センサ2のB軸5で検出する加速度の範囲を仰臥位の加速度範囲39として示している。
ここで、伏臥位の加速度範囲37、側臥位の加速度範囲38、仰臥位の加速度範囲39のそれぞれを図1に示す活動情報収集装置1の演算部3に記憶させ、加速度センサ2のB軸が検出する加速度bの値が伏臥位の加速度範囲37、側臥位の加速度範囲38、仰臥位の加速度範囲39のそれぞれの範囲内にあるか範囲外にあるか演算する。演算の結果、加速度センサ2のB軸5で検出する加速度bの値が伏臥位の加速度の範囲37、側臥位の加速度の範囲38、仰臥位の加速度の範囲39のいずれかの範囲内にある場合、加速度センサ2のB軸5で検出する加速度bの値を含む加速度の範囲に対応する姿勢が生体10の姿勢であると判定する。
また、加速度センサ2のB軸5で検出する加速度bの値が、伏臥位の加速度範囲37、側臥位の加速度範囲38、仰臥位の加速度範囲39の各々の範囲の境界線上にある場合は、生体10がいずれの範囲にあると判定するかは本実施形態に係る活動情報収集装置1に使用目的に応じて定義できる。
上記のように、活動情報収集装置1の演算部3は加速度センサ2のB軸5で検出する加速度から、生体10が伏臥位22、仰臥位24、左または右の側臥位のいずれかにあるかを判定する。
上記のように、活動情報収集装置1の演算部3は加速度センサ2のA軸4で検出する加速度により、生体10が立位(「座位」を含む)21、上または下の寝姿勢、倒立位23のいずれにあるかを判定し、ここで、生体10が上または下の寝姿勢にある場合は、さらに加速度センサ2のB軸5で検出する加速度により、生体10が伏臥位22、仰臥位24、左または右の側臥位のいずれにあるか判定する。
上記のように、本実施形態に係る活動情報収集装置1は、1軸が前額面と矢状面との交差する軸に配置された加速度センサ2が検出する加速度から、生体10が「立位(「座位」を含む)」、「仰臥位」あるいは「伏臥位」あるいは「側臥位」、又は「倒立位」のいずれにあるかを判定し、生体10が「仰臥位」、「伏臥位」、又は「側臥位」のいずれかにある場合、1軸が水平面と矢状面との交差する軸に配置された加速度センサ2が検出する加速度から、生体10が「仰臥位」、「伏臥位」、又は「側臥位」のいずれにあるかを判定する。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集装置1は生体10が「立位(「座位」を含む)」、「仰臥位」、「伏臥位」、「側臥位」、「倒立位」のいずれにあるか判定できるので、各種生体情報測定において重要な姿勢情報を簡易に、正確に測定できる活動情報収集装置を提供できる。
本実施形態に係る活動情報収集方法は、姿勢判定手順において生体の前額面と矢状面との交差する軸方向の加速度が重力の加速度GまたはGを含む第一の範囲にある場合は、生体10は「立位(「座位」を含む)」であると判定し、生体10の前額面と矢状面との交差する軸方向の加速度が重力の加速度−Gまたは−Gを含む第二の範囲にある場合は、生体10は「倒立位」であると判定し、生体10の前額面と矢状面との交差する軸方向の加速度が0を含む第三の範囲にあり、かつ生体10の水平面と矢状面との交差する軸方向の加速度が重力の加速度GまたはGを含む第四の範囲にある場合は、生体10は「伏臥位」であると判定し、生体10の前額面と矢状面との交差する軸方向の加速度が0を含む第二の範囲にあり、かつ生体10の水平面と矢状面との交差する軸方向の加速度が−GまたはGを含む第五の範囲にある場合は、生体10は「仰臥位」にあると判定し、生体10の前額面と矢状面との交差する軸方向の加速度が0を含む第二の範囲にあり、かつ生体10の水平面と矢状面との交差する軸方向の加速度が0を含む第六の範囲にある場合、生体10は、「側臥位」にあると判定する活動情報収集方法とすることもできる。
本実施形態に係る活動情報収集方法においては、前述の活動情報収集装置1の動作において、図8に示す立位(「座位」を含む)の加速度範囲34を第一の範囲とし、倒立位にある加速度範囲36を第二の範囲とし、寝姿勢の加速度範囲35を第三の範囲とし、さらに、図10に示す伏臥位の加速度範囲37を第四の範囲とし、仰臥位の加速度範囲39を第五の範囲とし、側臥位の加速度範囲38を第六の範囲とする。
そこで、図1に示す加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aの値が第一の範囲にある場合、生体10は立位(「座位」を含む)にあると判定し、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aの値が第二の範囲にある場合、生体10は倒立位にあると判定し、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aの値が第三の範囲にあり、かつ加速度センサ2のB軸5で検出する加速度bの値が第四の範囲にある場合、生体10は伏臥位22にあると判定し、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aが第三の範囲にあり、かつ加速度センサ2のB軸5で検出する加速度bの値が第五の範囲にある場合、生体10は仰臥位24にあると判定し、加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aの値が第三の範囲にあり、かつ加速度センサ2のB軸5で検出する加速度bの値が第六の範囲にある場合、生体10は側臥位25にあると判定する。
上記のように、本実施形態に係る活動情報収集方法においては加速度センサ2のA軸4で検出する加速度aにより、生体10が「立位(「座位」を含む)」、「倒立位」、「伏臥位」、「仰臥位」、「側臥位」のいずれにあるかを判定する。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集方法は各種生体情報測定において重要な生体の姿勢を、簡易に、正確に判定できる活動情報収集方法を提供できる。
図1に示す活動情報収集装置1の演算部3は、加速度センサ2の検出する加速度の2乗和の平均値を演算して、演算値が一定値を超えたときに、生体10の全身運動による活動状態と判定する演算部3とすることもできる。
本実施形態に係る活動情報収集装置1は前述のように、数式4により生体10の活動度Mを算出するが、例えば、加速度センサ2を装着した頭部を左右方向へ傾斜した場合に大きな活動度を算出する場合があり、このような全身運動とは異なる要因による活動度の算出の誤差を除去する必要がある。
例えば、加速度センサ2を装着した頭部が左右へ傾斜している場合は、A軸4で検出する加速度は、直立状態においてA軸4で検出する加速度より減少する。
一例として、図11に加速度センサ2を装着した頭部を直立状態として歩行した状態と、加速度センサ2を装着した頭部が傾斜した状態の加速度センサ2のA軸4およびB軸5で検出する加速度の2乗和の平均値を示す。図11の縦軸は加速度を重力の加速度Gとの比で示し、横軸は時間を秒で示している。
図11において実線は、生体10の頭部に加速度センサ2を装着して直立状態で歩行した場合のA軸4およびB軸5で検出する加速度の2乗和とその平均値であり、破線は、加速度センサ2を装着した頭部が傾斜した状態の加速度センサ2のA軸4およびB軸5で検出する加速度の2乗和とその平均値である。
図11において、実線で示す歩行時のA軸4およびB軸5で検出する加速度の2乗和の平均値は1Gであり、破線で示す頭部傾斜時のA軸4およびB軸5で検出する加速度の2乗和の平均値は約0.8Gである。
上記のように、加速度センサ2を装着した頭部などの傾斜した状態は、加速度センサ2のA軸4およびB軸5の検出する加速度の2乗和の平均値がある一定値以下になる状態により判定できる。ここで、図15に、A軸4およびB軸5で計測する加速度の2乗和の時間変化を示したグラフの1例を示す。図15において、横軸は時間tを示し、縦軸は加速度の2乗和を示している。また、図15において、実線はA軸4およびB軸5で計測する加速度の2乗和を示し、破線はA軸4およびB軸5で計測する加速度の2乗和の平均値を示す。加速度センサ2のA軸4およびB軸5の検出する加速度の2乗和の平均値a0は、例えば、時間軸上に所定の計算更新間隔τを設定し、検出したA軸4およびB軸5の加速度の2乗和を計算更新間隔τの分だけ時刻iまで足し合わせ、加速度検出開始点64から時刻iまでの計算更新間隔τで除算した値とすることができる。
ここで、測定時間間隔Δt及び計算更新間隔τは、時刻iを基準に長くも短くもできる。測定時間間隔Δtを短くしていくと、2乗和の平均値a0は連続的に検出されることになることから、2乗和の平均値a0の評価精度は高くなっていく。一方で、計算回数が増えるため、計算時間が長くなる。そのため、測定時間間隔Δtの大きさは、2乗和の平均値a0の計算時間と評価精度とを考慮したうえで適宜設定することとする。また、計算更新間隔τを長くした場合、加速度aの高周波成分が除去され、2乗和の平均値a0は、図15の破線が示すように緩やかな曲線となる。この緩やかな曲線で表される2乗和の平均値a0は、加速度センサの姿勢とは無関係に、運動成分のみ考慮した値とすることができる。一方、計算更新間隔τを短くした場合、2乗和の平均値a0は、図15に示す実線のグラフに近づいていく。そのため、計算更新間隔τは、加速度の2乗和からの高周波成分の除去具合を考慮したうえで適宜設定することとする。測定時間間隔Δt及び計算更新間隔τの大きさは、例えば、(Δt,τ)=(0.5s,60s)とすることができる。なお、図11に示す場合では、(Δt,τ)=(8s,8s)とした。
そこで、図11に示すように、加速度センサ2のA軸4およびB軸5で検出する加速度の2乗和の平均値に所定の閾値40を設定し、活動情報収集装置1の演算部3に記憶させる。
次に、演算部3は加速度センサ2のA軸4およびB軸5で検出する加速度の2乗和の平均値を計算し、計算した結果を閾値40と比較し、閾値40を超えたときに、生体10の加速度センサ2を装着した頭部などの傾斜した状態ではなく、全身運動による活動状態にあると判定する。ここで、加速度センサ2のA軸4およびB軸5の検出する加速度の2乗和の平均値に設定する所定の閾値40は本実施形態に係る活動情報収集装置1の実用上の条件によって決定できる。
上記のように、本実施形態に係る活動情報収集装置1の演算部3は、加速度センサ2が検出する加速度の2乗和の平均値を演算して、演算値が一定値を超えたときに、生体10の全身運動による活動状態と判定する。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集装置2は加速度センサ2を装着した部位の傾斜などを除いた全身運動による活動状態を簡易に、正確に判定できる活動情報収集装置を提供できる。
本実施形態に係る活動情報収集方法は、演算部3が加速度検出手順により加速度センサ2の各々の軸で検出する加速度から加速度の値の2乗和の平均値を算出し、平均値が所定の値を超えたときに、生体10の全身運動による活動状態と判定する活動判定手順を、さらに含む活動情報収集方法とすることができる。
本実施形態に係る活動情報収集方法は、前述の活動情報収集装置1の動作と同様に、加速度センサ2の各々の軸が検出する加速度の値の2乗和の平均値を算出する。さらに、加速度センサ2の各々の軸が検出する加速度の値の2乗和の平均値を算出した結果と予め設定している所定の閾値を比較し、算出した加速度センサ2の各々の軸が検出する加速度の値の2乗和の平均値が予め設定している所定の閾値を超えたときに、生体10は全身運動による活動状態と判定する。
以上のように本実施形態に係る活動情報収集方法は加速度センサ2を装着した部位の傾斜などを除いた全身運動による活動状態を判定する。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集方法は加速度センサ2を装着した部位の傾斜などを除いた全身運動による活動状態を、簡易に、正確に判定できる活動情報収集方法を提供できる。
図1に示す活動情報収集装置1の演算部3は、一定時間における加速度センサ2が検出する加速度の平均値と加速度センサ2が検出する加速度との差分に計測間隔時間をかけたものの2乗値を、加速度センサ2の加速度を検出する各軸について演算して足し合わせ、これらを一定時間分累積した値を活動度として出力する機能を有する活動情報収集装置とすることもできる。
本実施形態に係る活動情報収集装置1の演算部3は、前述の活動情報収集装置1の演算部3と同様に、生体10の全身運動による活動状態を判定し、生体10が全身運動による活動状態にあると判定した状態において、演算部3は予め記憶している数式4により、一定時間における加速度センサ2が検出する加速度の平均値と加速度センサ2が検出する加速度との差分に計測間隔時間をかけたものの2乗値を、加速度センサ2のA軸4およびB軸5において演算して足し合わせ、これらを一定時間分累積した値を活動度Mとして出力する。
以上のように、本実施形態に係る活動情報収集装置1は生体10が全身運動状態にあると判定した状態において、一定時間における加速度センサ2が検出する加速度の平均値と加速度センサ2が検出する加速度との差分に計測間隔時間をかけたものの2乗値を、加速度センサ2の加速度を検出する各軸において演算して足し合わせ、これらを一定時間分累積した値を活動度として出力する。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集装置1は生体10の活動状態の評価に有用な指標となる活動度を容易に、正確に出力できる活動情報収集装置を提供できる。
本実施形態に係る活動情報収集方法は一定時間における加速度センサ2の各々の軸が検出する加速度の値の平均値と加速度センサ2の各々の軸が検出する加速度の値との差分に計測間隔時間をかけたものの2乗値を演算して足し合わせ、足し合わせた結果を一定時間分累積した値を活動度として出力する活動度演算手順を、さらに含む活動情報収集方法とすることもできる。
本実施形態に係る活動情報収集方法は、前述の活動情報収集装置1の動作と同様に、一定時間において、加速度センサ2の各々の軸が検出する加速度の値の平均値と加速度センサ2の対応する各々の軸が検出する加速度の値との差分を演算する。
次に、演算した各々の結果に計測間隔時間をかけたものの2乗値をさらに演算し、演算した各々の結果を一定時間分累積した値をさらに演算して足し合わせ、演算した結果を活動度として出力する活動情報収集方法である。
また、本実施形態に係る活動情報収集方法は、前述の加速度検出手順の前に、演算部3が加速度センサ2の検出する加速度の値を補正する補正値を算出する補正値算出手順と、演算部3が加速度検出手順と前述の姿勢判定手順との間に加速度検出手順により検出した加速度を補正値算出手順により算出した補正値で補正する補正手順と、をさらに含むことが望ましい。図1に示す加速度センサ2を生体10に装着する場合、装着具合によりA軸4とB軸5とが図2に示す上下軸11、前後軸12からずれることがあるため、前述の活動情報収集装置1の動作と同様に予め補正値を算出する。そして、加速度センサ2が検出した加速度から数式1から数式3によって計算した値をこの補正値を基に補正することにより、生体10の姿勢を正しく判定することができる。また、補正手順は、加速度検出手順と前述の活動判定手順との間でも行うことが望ましい。加速度の2乗和及び数式4を計算して生体10の活動状態を評価する場合にも、前述の活動情報収集装置1の動作と同様に予め補正値を算出する。そして、加速度センサ2が検出した加速度から、加速度の2乗和及び数式4を計算した値をこの補正値を基に補正することにより、生体10の活動状態を正しく評価することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集方法は生体10の活動度を容易に、正確に出力できる活動情報収集方法を提供できる。
本実施形態に係る活動情報収集装置1は、さらに、生体10の耳介への装着機構を備えることができる。
本実施形態に係る活動情報収集装置1の生体10への装着機構を図12、図13により説明する。
図12は活動情報収集装置1の生体10の耳介50への装着状態を示しており、活動情報収集装置1は耳介50に接して装着されており、装着機構は支持機構6により構成され、支持機構6は活動情報収集装置1を耳介50へ装着する場合の取っ手と活動情報収集装置1の信号線などの取り付け部分とを兼ねている。また図12には、加速度センサ2の加速度を検出するA軸4とB軸5のそれぞれの配置の方向の例が示されている。
図13は図12に示す活動情報収集装置1の装着機構として、さらにイヤーフック7を活動情報収集装置1に取り付けた状態であり、イヤーフック7は耳介50の側頭部側へ回り込んで、活動情報収集装置1を耳介50へ装着する機能を持っている。
以上説明したように、本実施形態に係る活動情報収集装置1はさらに、生体10の耳介50への装着機構を備え、生体10へ、より安定に装着できるので、生体10の活動度をより快適に、容易に、且つ正確に測定できる健康管理上有用な活動情報収集装置を提供できる。