(第1実施形態)
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の電力系統監視制御システムの構成を示したブロック図である。
電力系統監視制御システムは、変電所、発電所等の電力系統関連施設が備える例えばインターネット等のネットワーク27に接続可能な管理装置15、20、25、30と、これらの管理装置15、20、25、30内の記憶データの記憶場所であるアドレス情報を管理、記憶している管理サーバ10とから構成される。
管理装置15、20、25、30は、電力系統関連施設に関する情報を系統情報として記憶する記憶手段235と、所定のアプリケーション23Bであるサービス利用手段232および情報交換手段231と、記憶手段に記憶した記憶データの記憶場所の情報をアドレス情報として管理サーバ10に送信するネットワーク通信手段233とを備えている。情報交換手段231は、管理サーバ10から受信したアドレス情報に基づいて、当該アドレス情報に対応する記憶データをネットワーク27を介して受信し、受信した受信データを所定の形式に変換する。
管理サーバ10は、管理装置15、20、25、30から送信されたアドレス情報を受信し、記憶する記憶手段238と、ネットワーク27を介して、例えば管理装置15からアドレス情報の送信を促すリクエスト情報を受信した場合は、リクエスト情報に対応する記憶手段238に記憶されている受信したリクエスト情報に対応したアドレス情報を読み出す処理等を行うサービス管理手段221と、読み出したアドレス情報をリクエスト情報を送信した管理装置15を送信するネットワーク通信手段223とを備えている。
なお、管理サーバ10の記憶手段238には、サービス管理手段10により、登録されているアドレス情報(サービス)がリスト化されており、各サービスは、例えば、
装置名: URL(http://IPアドレス:ポート番号/ディレクトリ):サービス名
というように管理されている。サービス管理手段10は、記憶手段238に記憶されたアドレス情報名(サービス名)をキーとして記憶されたデータベースから検索を行ない、検索結果となる装置名やURLを抽出する。
以上のように構成された電力系統監視制御システムを適用した電力系統監視制御方法およびプログラムについて、図2を参照して説明する。
管理装置15は、ステップ1で、アプリケーション23Bおよび電力系統関連施設に関する情報を系統情報として記憶手段235に記憶する。管理装置15は、ステップS3で、記憶手段235に記憶した系統情報の記憶場所の情報をアドレス情報として管理サーバ10に送信する。所定の系統情報を取得したい場合に、管理装置15は、管理サーバ10に管理サーバ10にリクエスト情報を送信する。リクエスト情報を受信した管理サーバ10は、ステップS7で、受信したリクエスト情報を記憶し、ステップS9で、リクエスト情報に対応する系統情報が記憶されている場所の情報であるアドレス情報を検索し、管理装置15に送信する。管理装置15は、ステップS5で、管理サーバ10から受信したアドレス情報に基づいて、アドレス情報に対応する系統情報が記憶されている管理装置にアクセスし、ネットワーク27を介して所定の系統情報を受信し、受信した系統情報を所定の形式、例えばXMLに変換する。
以下に図1および図2等を参照して、さらに詳しく説明を行う。
管理装置15から管理サーバ10へのアドレス情報の問い合わせの結果、必要な系統情報が管理装置25にあることとなると、管理装置25のサービス定義手段118からサービスを受ける(系統情報を受信する)ための手続きのプロトコルの授受を行う。アプリケーションであるサービス利用手段232は、この手続きに沿って、管理装置25のサービス手段114から系統情報や機能を取得する。この場合の機能とは、データ以外のプログラム等であり、具体的に言うと「エージェント」や「Java(登録商標)アプレット」等である。これらのプログラムなどをコード化してXMLに埋め込んで送受信し、使用者が復元して使うことが可能である。なお、上述したアプリケーションは、例えば、送電線の電流、電圧の値をもとに事故点を標定する送電線事故点標定アプリケーションやセンサーのオンオフ値をもとに警報を検出・発報するような機器監視アプリケーション等を用いる。
また、取得した系統情報に対してカスタマイズが必要な場合は、情報交換手段231において系統情報の変換や処理を行なう。例えば、変換や処理の具体例としては、図3に示すように、処理前のタグ等が入ったデータサンプルである、I=電流 v=電圧を示した。変換するための定義ファイルサンプル(XSLT形式)を参照し、電流(A)と電圧(V)より、電力P(W)、抵抗R(Ω)を算出する。
そして、サービス利用手段232は、変換された系統情報を利用する。例えば、サービス利用手段232は、情報交換手段231において変換された情報(図6では、電力と抵抗)を利用する。利用方法は、例えばXMLファイルをHTMLファイルに変換した後にWebブラウザで電力値と抵抗値を表示する、または、周期的に装置から取得する電力値、抵抗値をデータベースに記憶する、さらに、予め電力の上限値をデータベースに設定しておき取得した電力値がその上限値を越えていたら警報を出す(警報ランプ点灯や警報メール送信など)、等の処理が挙げられる。
さらに、管理装置15で取得した系統情報を他の管理装置で利用することも可能である。管理装置15のサービス利用手段232が利用した情報や機能を、さらに図示しないサービス手段を追加して備えることにより、管理することができる。また、この場合、相互にどんなフォーマットの情報をやりとりするかを定義するサービス定義手段をも備える。なお、管理装置15でサービスを提供するためには、管理装置15に記憶されている系統情報のアドレス情報をサービス管理手段221に登録することが必要である。
管理装置20(管理装置15と同様の構成)のアプリケーションである図示しないサービス利用手段は、必要な系統情報を持つ管理装置の有無をサービス管理手段221に対して問い合わせを行なう(必要な系統情報に対応するアドレス情報が記憶されているか検索する)。この場合ネットワーク越しの要求になるので、ネットワーク通信手段233を介して問い合わせ処理を行なう。問い合わせの結果、必要な系統情報が管理装置15にあることを確認すると、管理装置15からサービスを受けるための手続きを取得する。
サービス定義手段は、相互にどんなフォーマットの情報をやりとりするか(サービスを提供するための手続き)を定義している。これはWSDL(Web Services Description Language)に相当する。
手続きの定義内容としては、例えば、ある時間の電圧が欲しいとリクエストすると、電圧の値がレスポンスされるサービスの手続きを図4に示すように定義している。
このような定義内容を記載した定義情報をサービス利用手段232からサービス定義手段118へ取得要求する。具体的には管理装置15のURLにフラグを付加してリクエストすると定義ファイルが返信される。
管理装置20のサービス利用手段232は、この手続きに沿って、管理装置15のサービス手段114から系統情報や機能を取得する。この場合、ネットワーク27越しの要求になるので、ネットワーク通信手段233を介して問い合わせ処理を行なう。取得した情報に対してカスタマイズが必要な場合は、情報交換手段231において取得した系統情報の変換や処理を行なう。サービス利用手段232ではその情報を利用する。
なお、ネットワーク27を介した管理装置間だけでなく、同じ管理装置内であっても、同様の手続きで上述した処理は実現することができる。
次に、電力系統監視制御システムをさらに具体的に図5を参照して説明する。
管理サーバ10は、図1と同様の構成となっており、管理装置23は、設備管理機能21の中に電力系統関連施設に関する情報を系統情報として記憶する系統情報記憶手段21aと、アプリケーション23Bである系統情報利用手段232aおよび系統情報交換手段231aと、記憶した系統情報の記憶場所の情報をアドレス情報として管理サーバ10に送信するネットワーク通信手段233とを備えている。
また、計測機器11の系統情報取得手段111は、周期的に電力系統設備11−1の系統情報(電力系統設備の各装置から取得した電流・電圧などの情報。カレント情報(現在値))を取得し、取得した時点の時刻情報と共に系統情報記憶手段112に系統情報を記憶する。系統情報記憶手段112では、蓄積情報(系統情報を保存して蓄積した系統情報を蓄積情報とする。)として系統情報、時刻(系統情報を取得した時の時刻)を取得した時点の時刻情報と共に記憶する。逐次的なデータ保存(系統情報の記憶)でデータ容量が増える場合は、保存容量を予め設定してサイクリックに一定期間データを記憶する手段も実施可能である。
系統情報を必要とするアプリケーション23Bとしては、例えば、送電線の電流、電圧の値をもとに事故点を標定する送電線事故点標定アプリケーションなどが挙げられる。
また、電力系統設備11−1に設置されている計測機器11の情報等の機器ID(図6参照)として、例えば、計測機器の識別情報を設定し、識別子を設備管理機能21の記憶領域21aに登録しておく。系統情報利用手段232は、この識別子を設備管理機能21の記憶領域21aから取得する。
管理サーバ10のサービス管理手段221より計測機器11、計測機器11のネットワークアドレスやサービス内容(計測機器11の系統情報サービス手段114で何を提供するかを定めた内容。「系統情報、時刻情報を提供するサービス」であり、「電流」、「電圧」等に該当する)を取得する。計測機器11が系統情報、時刻情報を提供するものであれば、サービス定義手段118よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。例えば、図5のようなフォーマットを用いる。
系統情報利用手段232は、ネットワーク通信手段233を介して計測機器11に要求(リクエスト情報)を送信し、リクエスト情報に対応する系統情報を受信する(サービスを受ける)。サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信したリクエスト情報に基づき系統情報検索手段113により情報の検索を行い、系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。この系統情報はリクエストされた時刻近傍で記憶、保存されている一定期間の系統情報に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。例えば、インタフェース言語としてXML等を用いる。この時のフォーマットは、サービス定義手段118で定義されているフォーマットと同じものとなる。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとしてアプリケーション23Bのネットワーク通信手段233に送信される。
そして、ネットワーク通信手段233を介して系統情報を受信した系統情報交換手段231は、系統情報利用手段232の利用形態に合わせて系統情報を変換する。系統情報利用手段232は、変換された系統情報を用いてアプリケーションを実行する。例えば、取得した電流や電圧値などの系統情報を事故点標定のために電力P(W)や抵抗R(Ω)という利用形態に合わせて算出(変換)した上で、抵抗値やアプリが持っている送電線情報を使って事故点を標定する、等である(図7を用いて後述する)。
また、管理サーバ10のサービス管理手段221には、第3者によって計測機器11の系統情報を利用できる権限(系統情報にアクセス可能なアクセス権)が設定される。図6に示すように、設定内容2211は、計算機のIPアドレスであったり、利用するユーザ名であったり、セキュリティ上認証確認として有効な情報となる。また、計測機器11がサービスを提供できる状態にあるかないかによって、登録内容の1つである情報提供の可否設定を変える。情報適用の可否設定としては、該当サービスが利用できるかできないかの設定である。例えば、普段は情報を提供していないが、機器内で異常があったときのみ「警報提供サービス」を提供可能にする等。この場合、普段は「提供可否」が“否”で、異常時のみ“可”として再登録する。
また、系統情報を必要とするアプリケーション23の系統情報利用手段232は、該当する電力系統設備に設置されている計測機器の機器情報(識別子)を記憶手段21より取得する。アプリケーション23Bは、サービス管理手段221に対して該当計測機器11として計測機器11へのアクセス可否情報(どの計算機がサービスを利用できるかといった情報提供の可否の情報)を要求する。サービス管理手段221では、要求したアプリケーションが稼動している計算機のIPアドレスをチェックし、それぞれの計測機器の系統情報を提供可能であれば、該当計測機器のネットワークアドレスやサービス内容などのアクセス可否情報を送信する。
なお、上述したアクセス権を用いて利用可能者を区分化することにより、電力系統における管轄範囲の概念などを取り込むことができる。
また、アプリケーション23Bは、管理サーバ10から受信して記憶手段238に記憶しているアドレス情報をもとに計測機器11に対して系統情報を要求する。サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求された時刻における系統情報である。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットである例えば、XML等に変換する。この時のフォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと同じものである。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとしてアプリケーション23Bのネットワーク通信手段233に提供される。
また、計測機器11で周期的に系統情報を取得しており、警報監視アプリケーション(図9を用いて後述する)は、計測機器11にサービスを要求する。計測機器11の系統情報の値が変化した時にその警報監視アプリケーションのネットワーク通信手段に対してその時刻での系統情報を送信する。以降、継続的に系統情報の変化を検出し、系統情報を送信する。
次に、図7を用いて、送電線事故点標定を行なう電力系統サービスシステムについて詳しく説明する。
送電線11−2の両端には送電線の電流、電圧などの系統情報を取り込む計測機器11が設置されている。計測機器11は、図5と同様の構成となっている。なお、ネットワーク通信手段等の表示を省略している箇所等もある。また、図5の系統情報利用手段232aは、事故点標定手段232bに相当し、管理装置23は、工務所(の管理装置)501に相当する。
工務所501は、管轄する送電線11−2、計測機器11、管理サーバ10にネットワーク27を介して接続可能である。
計測機器11の系統情報取得手段111は、周期的に系統情報である送電線の電圧、電流を取得し、取得した時点の時刻情報と共に系統情報記憶手段112に電流、電圧値を記憶する。系統情報記憶手段112は、これらの系統情報を順次蓄積し、蓄積情報として電流値、電圧値、時刻情報を記憶する。また、逐次的なデータ保存でデータ容量が増える場合は保存容量を予め設定してサイクリックに一定期間データを記憶する手段も実施可能である。
そして、送電線11−2にて事故の発生を検出すると、送電線事故点標定アプリケーション23Cの事故点標定手段232bは、該当送電線11−2に設置されている計測機器11の機器情報(識別子)を記憶手段21から取得する。管理サーバ10のサービス管理手段221から該当計測機器11として計測機器11のネットワークアドレスやサービス内容を取得する。該当計測機器11が電流、電圧、時刻情報を提供するサービスを行っていれば、サービスされる系統情報等の情報の受信フォーマットを確認する。なお、サービス定義手段における定義は、例えば、図8に示すようになる。
事故点標定手段232bは、ネットワーク通信手段233を介して計測機器11から系統情報等の情報を受信する(サービスを受ける)。サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。この際に、要求するフォーマットとしては、例えば、図9に示すように、事故の発生した時刻を設定する。
また、必要な系統情報は事故発生時近傍で記憶されている一定期間の電圧、電流に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この際に、送信されるフォーマットは、例えば、図10に示すように、事故が発生した前後10秒間に蓄積されている電圧と電流が設定される。
この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして送電線事故点標定アプリケーション23Cのネットワーク通信手段233に送信、提供される。
系統情報交換手段231は、瞬時値や実効値変換などを実施し、さらにインピーダンスへの変換など、事故点標定手段232bの利用形態に合わせて系統情報を変換する。この際の変換定義は、例えば、図11に示すようになる。これにより事故前後10秒間の送電線インピーダンスを得ることができる。また、事故点標定手段232bは変換された系統情報を用いて事故点を標定する。事故時の送電線のインピーダンスから送電線において短絡などが落ちた地点を標定する。
以上、本発明の実施形態によれば、事故点標定に必要な系統情報を常にアプリケーション側で保持する必要がなく、系統情報を必要としたときに計測機器よりサービスを受ければよいため、ネットワーク構成の変動に対する柔軟性が確保できると共に工務所以外の事業所においても該当系統情報を取得することが可能となり、アプリケーションを利用できる範囲(制御所運転員から工務担当、行政など)が広がる。また通信負荷の軽減も実現できる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、発電電力量と受電電力量の同時同量制御を行なう電力系統サービスシステムについて図12を参照して説明する。なお、以下、すべての実施形態では、同様のものには同符号で示し、詳しい説明を省略する。
第2実施形態の構成は、図5の構成と同様であり、管理装置を備えた電気の小売事業者が追加されている。また、電気の需要家507および発電事業者503は、それぞれ計測機器11、12および電力用パルスを備えている。なお、本実施形態で用いるタグデータ等は、上述した第1実施形態において示したタグデータで置き換えたフォーマットを適用するものとする。
電気の需要家507は、受電設備として取引用電力計から受電電力量などの系統情報を取り込む計測機器11を備えている。計測機器11は、系統情報取得手段111、系統情報記憶手段112、サービスする系統情報を抽出する系統情報検索手段113、サービスする系統情報を伝送用にXML形式に変換する系統情報サービス手段114、および系統情報を外部に伝送するネットワーク通信手段115を備えており、系統情報をイントラネット・インターネットを介して提供するサービスを行う。
発電事業者503は、発電設備として取引用電力計から発電電力量などの系統情報を
取り込む計測機器12を備えている。計測機器12は、系統情報取得手段121、系統情報記憶手段122、サービスする系統情報を抽出する系統情報検索手段123、サービスする系統情報を伝送用にXML形式に変換する系統情報サービス手段124、および系統情報を外部に伝送するネットワーク通信手段125を備えており、系統情報をイントラネット・インターネットを介して提供するサービスを行う。また、計測機器12が電力量を提供できること及びインタフェースの内容を定義したサービス定義手段118を備えている。
小売事業者505は、需給制御の対象となる発電事業者情報、需要家の契約関係情報、受発電量情報などを記憶する記憶手段21、発電事業者503、需要家507に備えられている計測機器11、12からの系統情報をもとに需給制御する同時同量制御手段232cをもつ同時同量制御アプリケーション23Dを有している。
計測機器11の系統情報取得手段111は、周期的に取引用電力計から電力用パルスを取得し、取得した時点の時刻情報と共に系統情報記憶手段112にパルス値を記憶する。この時点でパルス値に重み付けを行ない電力量に変換して渡すことも可能である。系統情報記憶手段112は、これらの情報を蓄積し、蓄積情報としてパルス値、時刻情報を記憶する。逐次的なデータ保存でデータ容量が増える場合は保存容量を予め設定してサイクリックに一定期間データを記憶する手段も実施可能である。なお、計測機器12も計測機器11の作用となる。
同時同量制御アプリケーション23Dの同時同量制御手段232cは、記憶手段21から発電元の発電事業者503と受電先の需要家507の対応関係情報及び契約量情報を取得する。サービス管理手段221より需要家507の計測機器11と発電事業者503の計測機器12のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容を取得する。該当計測機器11、12がパルス量情報(または電力量情報)、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118から提供(サービス)される情報の受信フォーマットを確認する。ここではパルス量情報が提供されるとする。同時同量制御手段232cは、ネットワーク通信手段233を介して計測機器11、計測機器12から系統情報を受信する(サービスを受ける)。
サービス管理手段221に対して、情報提供先を限定するため、計測機器11、12の機器情報を登録する際に、パスワードを設定する。サービスの利用者がサービス管理手段221より需要家507の計測機器11と発電事業者503の計測機器のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容を取得する際に指定したパスワードが許可する計測機器の機器情報のみが取得可能となる。
サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は定周期で保存されている一定期間のパルス量に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして同時同量制御アプリケーション23Dのネットワーク通信手段233に提供される。サービスを要求された計測機器12は計測機器11と同様の作用となる。
系統情報交換手段231は、パルス値の電力量値変換などを実施し、同時同量制御手段232cの利用形態に合わせて系統情報を変換する。同時同量制御手段232cは、この系統情報を用いて受電電力量と発電電力量の監視を行ない、発電制御の指令を出し、制御を行う。
本実施形態によれば、取引電力量を検出する計測機器11が提供する系統情報がパルス値であるか電力量であるかを問わず計測機器へのサービス要求時に系統情報の受信フォーマットを決定できるため、取得する系統情報の形式に依らずアプリケーションの構築が行なえる。また、インターネット上に接続された機器であっても使用権限を与えることによりセキュリティを確保できる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、電源盤などに設置された警報ランプなどの電気設備監視を行なう電力系統サービスシステムについて、図13を参照して説明する。
本発明に係る第3実施形態の電気設備監視を行なう電力系統サービスシステムの構成としては、図5とほぼ同様である。警報監視アプリケーション23Eを備えたビル管理室511、故障検出アプリケーション33を備えたメンテナンス会社509、電源盤513、512の警告ランプ1、2、3、4の光を光センサーで感知し、系統情報として取得する計測機器11、12とから構成される。
ビルや工場などの電気設備である電源盤などに備え付けられている警報ランプ1、2、3、4の点灯状態などの系統情報を取り込む計測機器11が設置されている。計測機器11は、図5と同様の構成に加え、系統情報取得手段111は、電源盤513に備えられた警告ランプ1〜3の光を感知する光センサーからの信号を系統情報として取得する。また、系統情報検索手段113は、系統情報を抽出し、系統情報サービス手段114は、サービスする系統情報を伝送用にXML形式に変換する。サービス定義手段118は、計測機器11が電力量を提供できるか否かの情報及びインタフェースの内容情報を定義した定義情報を備える。
また、電気設備を監視する場所、例えばビル管理室511の警報監視アプリケーション23Eは、計測機器11と情報交換を行なうネットワーク通信手段233、監視対象である電源盤513に設置されている計測機器11の光センサーから取得した系統情報を統合、変換する系統情報交換手段231、系統情報をもとに警報を検出する警報監視手段232を備えている。
また、電気設備のメンテナンスを行なう会社メンテナンス会社509の故障検出アプリケーション33は、計測機器11と情報交換を行なうネットワーク通信手段333、監視する電源盤513に設置されている計測機器11の光センサーから取得した系統情報を統合、変換する系統情報交換手段331、系統情報をもとに故障判定を行なう故障判定手段332を備えている。
以上のように構成された本発明の第3実施形態に係る電力系統サービスシステムの処理について説明する。
計測機器11の系統情報取得手段111は、周期的に電源盤513に設置された警報ランプ1〜4の点灯状態(点灯/消灯、色など)を光センサーによりディジタル化した警報情報(系統情報)を取得し、状態が変化した時の変化後状態値とその時点の時刻情報を系統情報記憶手段112に記憶する。系統情報記憶手段112は、これらの記憶された系統情報を蓄積情報として状態値、時刻情報を記憶する。この時、保存容量を予め設定してサイクリックに一定期間データを記憶する手段も実施可能である。
警報監視アプリケーション23Eの警報監視手段232dは、計測機器11から計測機器11のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容情報及び設置場所情報を取得する。該当計測機器11が警報ランプ状態情報、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。警報監視アプリケーション23Eが監視対象としている計測機器11に対してネットワーク通信手段233を通して計測機器11などより系統情報を受信する(サービスを受ける)。
サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求時間内に保存した状態値に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして警報監視アプリケーション23Eのネットワーク通信手段233に提供される。
系統情報交換手段231は、警報監視手段232の利用形態に合わせて系統情報を変換する。警報監視手段232は、変換後の系統情報を用いて警報ランプの監視を行なう。
メンテナンス会社509における故障検出アプリケーション33の故障判定手段332は、管理サーバ10のサービス管理手段221より計測機器11のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容情報及び設置場所情報を取得する。該当計測機器11が警報ランプ状態情報、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。故障検出アプリケーション33が監視対象としている計測機器11に対してネットワーク通信手段333を通して計測機器11などより系統情報を受信する(サービスを受ける)。
サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求時間内に保存した状態値に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして故障検出アプリケーション33のネットワーク通信手段333に提供される。
系統情報交換手段331は、故障判定手段332が対象としている警報ランプの状態のみを抽出し、その利用形態に合わせて系統情報を変換する。故障判定手段332は、変換された系統情報を用いて、予め設定してある判定条件に照らし合わせて電源盤513内の故障検出を行なう。
以上、第3実施形態によれば、電源盤に設置された警報ランプの表示状態を提供するサービスを利用することにより、警報監視アプリケーションと故障検出アプリケーションという異なるアプリケーションからの情報アクセスが統一したインタフェースで実現可能となる。
また、第3実施形態の変形例として、電源盤などに設置された警報ランプなどの電気設備監視を行なう電力系統サービスシステムについて説明する。なお、構成は第3実施形態と同等である。
上述した第3実施形態と同様に、計測機器11で取得した系統情報は、警報監視アプリケーション23Eで利用される。特に計測機器11では、次に示す作用となる。
サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求時間内に保存した状態値に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして警報監視アプリケーション23Eのネットワーク通信手段233に提供される。サービスを要求した警報監視アプリケーション23Eのネットワーク通信手段233に対して以降は状態変化を検出した際に上記作用を行なう。
以上、第3実施形態の変形例によれば、電源盤に設置された警報ランプの表示状態を提供する1つのサービスを利用することにより、警報監視と故障検出という異なるアプリケーションがともに統一したインタフェースを用いてアプリケーションを構築することが可能となる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、電源盤などより得られる電流・電圧などの電力情報を使ったエネルギー監視・解析を行なう電力系統サービスシステムについて、図14を参照して説明する。
本発明に係る第4実施形態の電気設備監視を行なう電力系統サービスシステムは、保安会社517、管理サーバ10、ビル管理室519、監視対象の電源盤521から系統情報を取得する計測機器11とから構成される。
計測機器11は、ビルや工場などの電気設備である電源盤521などから電流・電圧などの電気量を系統情報として取り込む系統情報取得手段111、取り込んだ系統情報を記憶する系統情報記憶手段112、サービスする系統情報を抽出する系統情報検索手段113、サービスする系統情報を伝送用にXML形式に変換する系統情報サービス手段114、系統情報を外部に伝送するネットワーク通信手段115、計測機器11が電力量を提供できること及びインタフェースの内容を定義したサービス定義手段118を備える。
また、電気設備を監視する場所、例えばビル管理室519は、計測機器11と情報交換を行なうネットワーク通信手段233、監視する電源盤に設置されている計測機器11から取得した系統情報を統合、変換する系統情報交換手段231、系統情報をもとに警報を検出する電力監視手段232eを有する電力監視アプリケーション23Fを備える。また、管理サーバ10は、サービス管理手段221を備える。
電気設備の保安業務を担う保安会社517は、計測機器11と情報交換を行なうネットワーク通信手段333、監視する電源盤521に設置されている計測機器11から取得した系統情報を統合、変換する系統情報交換手段331、系統情報をもとにエネルギー解析を行なうデータ解析手段332を有する電力解析アプリケーション33Aを備える。
計測機器11の系統情報取得手段111は、周期的に電源盤521に設置された図示しない変成器(CT,VT)から電気量を系統情報として計測値を取得し、この計測値と取得した時の時刻を系統情報記憶手段112に記憶する。系統情報記憶手段112は、系統情報を蓄積し、蓄積情報として計測値、時刻情報を記憶する。この時、保存容量を予め設定してサイクリックに一定期間データを記憶する手段も実施可能である。
電力監視アプリケーション23Fの電力監視手段232eは、計測機器11のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容情報及び設置場所情報を取得する。電気量情報、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。電力監視アプリケーション23Fが監視対象としている計測機器11に対してネットワーク通信手段233を介して計測機器11などより系統情報を受信する(サービスを受ける)。
サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求時間内に保存した状態値に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして警報監視アプリケーション23のネットワーク通信手段233に提供される。
系統情報交換手段231は、電力監視手段232eの利用形態に合わせて系統情報を変換する。電力監視手段232eは、この系統情報を用いて電力設備の監視を行なう。
電力解析アプリケーション33Aのデータ解析手段332は、計測機器11のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容情報及び設置場所情報を取得する。該当計測機器11が電気量情報、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。電力解析アプリケーション33Aが解析対象としている計測機器11に対してネットワーク通信手段333を通して計測機器11などより系統情報を受信する(サービスを受ける)。
サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求時間内に保存した状態値に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして系統解析アプリケーション33のネットワーク通信手段333に提供される。
系統情報交換手段331は、データ解析手段332が対象としている電気量情報のみを抽出し、その利用形態に合わせて系統情報を変換する。データ解析手段332は、変換された系統情報を用いて電気量のオシロ情報やトレンド情報として運転員に提供する情報を生成したり、しきい値などの設定情報があれば設定値逸脱の期間、回数などの解析を行なう。
以上、第4実施形態によれば、電源盤から取得できる系統情報を提供する1つのサービスを利用することにより、電力監視と電力解析という異なるアプリケーションがともに統一したインタフェースを用いてアプリケーションを構築することが可能となる。また、解析手法においても統一的な情報が取得できるためユーザが必要とする解析ツールに応じた解析が行なえるようになる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、電源盤などより得られる電流・電圧などの電力情報を使ったエネルギー監視・解析を行なう電力系統サービスシステムであって、絶縁監視を行なう電力系統サービスシステムについて、図15を参照して説明する。
本発明に係る第5実施形態の電気設備監視を行なう電力系統サービスシステムは、ビルや工場
・変電所などに設置される図示しない変圧器の漏れ電流を取り込む計測機器11が設置されている。
計測機器11は、系統情報取得手段111と系統情報保存手段112、サービスする系統情報を抽出する系統情報検索手段113、サービスする系統情報を伝送用にXML形式に変換する系統情報サービス手段114、系統情報を外部に伝送するネットワーク通信手段115、計測機器11が漏れ電流の情報を提供できること及びインタフェースの内容を定義したサービス定義手段118を備える。
変電設備を監視する場所、例えば運転室523は、計測機器11と情報交換を行なうネットワーク通信手段233、監視する電源盤525に設置されている計測機器11から取得した系統情報を統合、変換する系統情報交換手段231、変換された系統情報をもとに絶縁状態を判定する絶縁解析手段232fを有する絶縁監視アプリケーション23GGを備える。なお、設置場所により運転室以外の場合もある。管理サーバ10は、変電設備に設置されている計測機器11を管理し、計測機器11のネットワークアドレスとサービス内容を管理するサービス管理手段221を備える。
計測機器11の系統情報取得手段111は、周期的に変圧器に設置された図示しない変成器(CT)から漏れ電流の計測値を取得し、取得した計測値と取得した時の時刻を系統情報記憶手段112に記憶する。系統情報記憶手段112は、蓄積された系統情報を蓄積情報として計測値、時刻情報を記憶する。この時、保存容量を予め設定してサイクリックに一定期間データを保存する手段も実施可能である。
絶縁監視アプリケーション23Gの絶縁解析手段232fは、計測機器11のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容情報及び設置場所情報を取得する。漏れ電流情報、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118及びサービス定義手段128よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。絶縁監視アプリケーション23Gが監視対象としている計測機器11に対してネットワーク通信手段233を介して計測機器11などより系統情報を受信する(サービスを受ける)。
サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求時間内に保存した状態値に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして絶縁監視アプリケーション23Gのネットワーク通信手段233に提供される。
系統情報交換手段231は、絶縁解析手段232fの利用形態に合わせて系統情報を変換する。絶縁解析手段232fは、漏れ電流の状況により該当設備の絶縁状態を解析し、寿命予測などを行なう。
以上、第5実施形態によれば、変電設備の設置場所が人的アクセスの難易に依らず、遠隔地から系統情報を取得することにより設備の寿命予測、運転監視が行なえる。
(第6実施形態)
第6実施形態では、計測機器のパルスカウントによるデマンド監視を行なう電力系統サービスシステムについて、図16を参照して説明する。
本発明に係る第6実施形態の電力系統サービスシステムは、電気の需要家529、需要家529が有する計測機器11を管理する計測機器管理室527、および管理サーバ10とから構成される。
需要家529は、受電設備から受電電力量などの系統情報を取り込む計測機器11が設置されている。計測機器11は、系統情報取得手段111、系統情報記憶手段112、サービスする系統情報を抽出する系統情報検索手段113、サービスする系統情報を伝送用にXML形式に変換する系統情報サービス手段114、系統情報を外部に伝送するネットワーク通信手段115、計測機器11が電力量情報を提供できること及びインタフェースの内容を定義したサービス定義手段118を備える。
計測機器管理室527は、計測機器11と情報交換を行なうネットワーク通信手段233、監視する計測機器11から取得した系統情報を統合、変換する系統情報交換手段231、変換された系統情報をもとに設備の系統情報異常を検出するデマンド監視手段232gを有するデマンド監視アプリケーション23H(設置場所により計測機器管理室527以外の場合もある)、電力用パルスが設置されている計測機器11を管理し、計測機器11のネットワークアドレスとサービス内容を管理するサービス管理手段221を備える。
計測機器11の系統情報取得手段111は、周期的に受電設備から電力用パルスを取得し、取得した時点の時刻情報と共に系統情報記憶手段112にパルス値を記憶する。この時点でパルス値に重み付けを行ない電力量に変換して記憶ことも可能である。系統情報記憶手段112は、蓄積された系統情報を蓄積情報としてパルス値、時刻情報を記憶する。逐次的なデータ保存でデータ容量が増える場合は保存容量を予め設定してサイクリックに一定期間データを記憶する手段も実施可能である。
デマンド監視アプリケーション23Hのデマンド監視手段232gは、管理サーバ10のサービス管理手段221より需要家529の計測機器11のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容情報を取得する。該当計測機器11がパルス量(または電力量)、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。ここではパルス量が提供されるとものとする。デマンド監視手段232gは、ネットワーク通信手段233を介して計測機器11より系統情報を受信する(サービスを受ける)。
系統情報交換手段231は、パルス値の電力量値変換などを実施し、デマンド監視手段232gの利用形態に合わせて系統情報を変換する。デマンド監視手段232gは、変換された系統情報を用いて電力量の監視を行ない、電力デマンド監視を行なう。
以上、第6実施形態によれば、電力量を検出する計測機器11が提供する系統情報をサービス検索するだけで容易に情報を取得できるため、ユーザニーズに合わせてアプリケーションを容易に作成できる。またそれぞれの計測機器間でも情報のやりとりができるのでシステム間の情報共有が容易となり、アプリケーションに柔軟な対応ができる。
(第7実施形態)
第7実施形態では、変圧器の温度や油圧などを監視する電力系統サービスシステムについて、図17を参照して説明する。
本発明に係る第7実施形態の電力系統サービスシステムは、変電設備11a、12a、メンテナンス会社531、管理サーバ10、変電設備管理室533から構成されている。
変電設備11aは、図示しない変圧器などに備え付けられている温度センサー535から系統情報を取り込む系統情報取得手段111、取り込んだ系統情報を記憶する系統情報記憶手段112、サービスする系統情報を抽出する系統情報検索手段113、サービスする系統情報を伝送用にXML形式に変換する系統情報サービス手段114、系統情報を外部に伝送するネットワーク通信手段115、変電設備の温度・油圧を提供できること及びインタフェースの内容を定義したサービス定義手段118を備える。
変電設備管理室533は、変電設備11a、12aと情報交換を行なうネットワーク通信手段233、監視する変電設備から取得した系統情報を統合、変換する系統情報交換手段231、変換された系統情報をもとに設備の系統情報異常を検出する設備監視手段232hを有する設備監視アプリケーション23I(設置場所により管理室以外の場合もある)を有している。また、管理サーバ10は、温度センサーや油圧センサーが設置されている変電設備を管理し、変電設備11a、12aのネットワークアドレスとサービス内容を管理するサービス管理手段221を有している。
また、変電設備11a、12aのメンテナンスを行なうメンテナンス会社531は、変電設備11a、12aと情報交換を行なうネットワーク通信手段333、監視する変電設備から取得した系統情報を統合、変換する系統情報交換手段331、変換された系統情報をもとに故障判定を行なう故障判定手段332をもつ故障検出アプリケーション33Bを有している。
変電設備11の系統情報取得手段111は、周期的に図示しない変圧器などに備え付けられている温度センサー535によりディジタル化した系統情報(温度、圧力)を取得し、状態が変化した時の変化後状態値とその時点の時刻を系統情報記憶手段112に記憶する。系統情報記憶手段112は、蓄積された系統情報を蓄積情報として状態値、時刻情報を記憶する。この時、保存容量を予め設定してサイクリックに一定期間データを記憶する手段も実施可能である。
設備監視アプリケーション23Iの設備監視手段232hは、管理サーバ10のサービス管理手段221より変電設備のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容情報及び設置場所情報を取得する。該当変電設備が温度情報、油圧情報、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118及びサービス定義手段128よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。設備監視アプリケーション23Iが監視対象としている変電設備に対してネットワーク通信手段233を介して変電設備11、変電設備12などより系統情報を受信する(サービスを受ける)。
サービスを要求された変電設備11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求時間内に保存した状態値に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして設備監視アプリケーション23のネットワーク通信手段233に提供される。
系統情報交換手段231は、設備監視手段232hの利用形態に合わせて系統情報を変換する。設備監視手段232hは、変換された系統情報を用いて変電設備の温度、油圧の監視を行なう。
故障検出アプリケーション33Bの故障判定手段332は、管理サーバ10のサービス管理手段221より変電設備のネットワークアドレスや系統情報を提供するサービス内容情報及び設置場所情報を取得する。該当変電設備の温度や油圧の状態、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。故障検出アプリケーション33Bが監視対象としている変電設備に対してネットワーク通信手段333を介して変電設備11a、12aなどより系統情報を受信する(サービスを受ける)。
サービスを要求された変電設備11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求時間内に保存した状態値に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして故障検出アプリケーション33のネットワーク通信手段333に提供される。
系統情報交換手段331は、故障判定手段332が対象としている変電設備の温度、油圧の状態を抽出し、その利用形態に合わせて系統情報を変換する。故障判定手段332は、変換された系統情報を用いて、予め設定してある判定条件に照らし合わせて変電設備内の故障検出を行なう。
以上、第7実施形態によれば、変電設備の温度や油圧といった異なる系統情報でも同じインタフェースのもとで情報を取得することができるため、異なる系統情報を利用してさらに新しいアプリケーションを構築していくことが可能となる。 また、センサーの寿命は変電設備本体に比べて短く、センサーの交換頻度も多くなる。センサー仕様が変更となった場合でも新規に登録するフォーマットを利用することにより、アプリケーションの変更がなく、既存のアプリケーションを利用することが可能となる。
(第8実施形態)
第8実施形態では、複数の電力系統のフェーザ量動揺観測を行なう電力系統サービスシステムについて、図18を参照して説明する。
本発明に係る第8実施形態の電力系統サービスシステムは、100Vコンセントを監視対象とする計測機器11、計測機器11を管理する工務所534、管理サーバ10とから構成される。
計測機器11は、100Vコンセントから交流電気量などの電力系統情報を取り込む系統情報取得手段111、取り込んだ系統情報の演算を行う系統情報演算手段116、演算された系統情報を記憶する系統情報記憶手段112、サービスする系統情報を抽出する系統情報検索手段113、サービスする系統情報を伝送用にXML形式に変換する系統情報サービス手段114、系統情報を外部に伝送するネットワーク通信手段115、計測機器11が電圧位相や振幅情報などを提供できる情報及びインタフェースの内容情報を定義したサービス定義手段118を有している。また、計測機器11は複数個所に設置されており、それぞれの計測機器11は系統情報をイントラネット・インターネットを介してサービスする。
工務所534は、管轄する計測機器11を管理し、各種の情報を記憶する計測機器管理機能21を備える(設置場所により工務所534以外の場合もある)。管理サーバ10は、計測機器11のネットワークアドレスとサービス内容を管理するサービス管理手段221を備える。工務所534は、さらに計測機器11と情報交換を行なうネットワーク通信手段233、計測機器11から取得した系統情報を統合、変換する系統情報交換手段231、変換された系統情報をもとに計測機器のフェーザ量観測を行うフェーザ量動揺観測手段232iを有する多地点フェーザ量動揺観測アプリケーション23Kを備える。
計測機器11の系統情報取得手段111は、周期的に交流電気量を取得し、取得した時点の時刻情報と共に系統情報演算手段116に交流電気量を記憶する。系統情報演算手段116は、取得した交流電気量情報と取得した時点の時刻情報をもとに、例えばフェーザ計測により電圧位相や振幅情報などの情報(これをフェーザ量と称す)を算出し、系統情報記憶手段112に記憶する。系統情報記憶手段112は、蓄積された系統情報を蓄積情報としてフェーザ量情報、時刻情報を記憶する。逐次的なデータ保存でデータ容量が増える場合は保存容量を予め設定してサイクリックに一定期間データを記憶する手段も実施可能である。
多地点フェーザ量動揺観測アプリケーション23Kのフェーザ量動揺観測手段232iは、一定周期で該当計測機器11の機器情報(識別子)を設備管理機能21より取得する。管理サーバ10のサービス管理手段221より該当計測機器11として計測機器11のネットワークアドレスやサービス内容を取得する。該当計測機器11がフェーザ量情報、時刻情報を提供するサービスをもっていれば、サービス定義手段118よりサービスされる情報の受信フォーマットを確認する。フェーザ量動揺観測手段232iはネットワーク通信手段233を介して計測機器11より系統情報を受信する(サービスを受ける)。
サービスを要求された計測機器11は、ネットワーク通信手段115で受信した要求に基づき系統情報検索手段113により系統情報記憶手段112から必要な系統情報を取得する。必要な系統情報は、要求時近傍で保存されている一定期間のフェーザ量情報に時刻情報を付与したものである。取得した系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスを提供するフォーマットに変換される。インタフェース言語としてXMLなどを利用する。この時フォーマットはサービス定義手段118で定義されているフォーマットと一致する。ネットワーク通信手段115を介して送信された系統情報は、サービスとして多地点フェーザ量動揺観測アプリケーション23のネットワーク通信手段233に提供される。
系統情報交換手段231は、多地点フェーザ量を用いて地域間動揺解析や季節別、曜日別、時間別の特性変化解析などを実施し、さらに位相差トレンド表示など、フェーザ量動揺観測手段232iの利用形態に合わせて系統情報を変換する。フェーザ量動揺観測手段232iは、変換された系統情報を用いてフェーザ量の動揺を観測する。
以上、第8実施形態によれば、フェーザ量動揺観測に必要な計測機器をサービス登録することにより、系統情報を必要としたときにサービス検索を行えば系統情報を容易に取得できるため、計測機器11が増大した場合でもシステム間の情報共有は容易であり、系統情報のアプリケーションを容易に構築することができる。
(第9実施形態)
第9実施形態では、広域に分散設置された電源のモニタリング情報を取得、監視する電力系統サービスシステムについて、図19を参照して説明する。
本発明に係る第9実施形態の電力系統サービスシステムは、サービス管理手段221を備えている分散電源監視装置545、複数の情報収集装置11bとから構成されている。
小規模大規模問わず広範囲に分散設置された電源(発電機)547は、システムの状態を監視するための各種情報を集積している。各情報収集装置11bは、それぞれの電源547から例えばシリアル通信やイーサーネット通信などの手段を用いて電源547の電圧、電流当の情報を収集し、サービスとして提供する。情報収集装置11bの内部構成は、前述した計測機器11の内部構成と同様である。
分散電源監視装置545の分散電源監視アプリケーション23Jは、管轄範囲にある電源547の監視を行なう。管轄範囲にある電源547に付随する情報収集装置11bは全て系統情報サービス手段114を備え、サービスの内容はサービス管理手段221に登録されている。
広範囲に分散設置された電源(発電機)547は、システムの状態を監視するための各種情報を集積している。情報収集装置11bは、それぞれの電源547から例えばシリアル通信やイーサーネット通信などの手段を用いて電源547の情報を収集し、系統情報記憶手段112に記憶する。記憶された系統情報は、系統情報サービス手段114によりサービスとして提供される。
分散電源監視装置545の分散電源監視アプリケーション23Jは、管轄範囲にある電源547の監視を行なう。管轄範囲にある電源547に付随する情報収集装置11bは全て系統情報サービス手段114を備え、サービスの内容をサービスディレクトリ機構22のサービス管理手段221に記憶する。
分散電源監視アプリケーション23Jは管轄電源547の現在状態を取得するために、サービス管理手段221から管轄電源の情報をもつ情報収集装置11bを検索する。得られた情報収集装置11bのサービス定義手段118から通信方法を取得し、その方法に沿ってサービスを要求し、結果を系統情報として受信する。
系統情報交換手段231で監視に必要な情報のみをピックアップし、同様にして他の情報収集装置から得られた情報とあわせて監視情報を生成する。
以上、第9実施形態によれば、電源と情報収集装置の間を汎用通信にて情報交換をすることにより、計測対象の諸元(温度、電圧、回転数、出力など)によらないシステム構成を実装することが可能である。また、サービスの提供状況による管轄範囲の管理により電力自由化や家庭用電源の導入などによる系統構成の変動に対してもサービスの登録削除により管轄の変更を実施することができ、オンライン状態でのシステムの変更が可能となる。
(第10実施形態)
第10実施形態では、地域的に分散設置された電源のモニタリング情報を取得、監視する地域分散電源監視装置の情報を用いて広域に電源の需給監視を行なう電力系統サービスシステムについて、図20を参照して説明する。
本発明に係る第10実施形態の電力系統サービスシステムは、ネットワーク27に接続可能な広域需給監視装置1A、サービス管理手段および記憶手段であるサービスディレクトリ機能4、地域分散電源監視装置21A、電源に接続された情報収集装置31とから構成されている。
小規模大規模問わず地域的に分散設置された電源(発電機)は、システムの状態を監視するための各種情報を集積している。それぞれの地域の地域分散電源監視21の構成は第9実施形態の構成と同様である。地域分散電源監視装置21Aの内部構成は、サービス利用手段、サービス手段、サービス定義手段を備える。
地域的に分散設置された電源(発電機)は、システムの状態を監視するための各種情報を集積している。情報収集装置31は、電源から例えばシリアル通信やイーサーネット通信などの手段を用いて第9実施形態と同等の作用により電源の情報を収集、サービスする。
地域分散電源監視装置21Aは、管轄範囲にある電源の監視を行なう。管轄範囲にある電源に付随する情報収集装置31は、サービスの内容をサービスディレクトリ機能4に登録する。
地域分散電源監視装置21Aは管轄電源の現在状態を取得するために、サービスディレクトリ機能4から管轄電源の情報をもつ情報収集装置を検索する。得られた情報収集装置31から通信方法を取得し、その方法に沿ってサービスを要求し、系統情報を結果として受信する。
さらに地域分散電源監視装置21Aは、地域内電源の情報を提供するサービスを備え、サービスの内容をサービスディレクトリ機能4に登録する。
広域需給監視装置1Aは、地域の電源情報を集積して、統括的な監視を行なう。サービスディレクトリ機能4から地域分散電源監視装置21Aを検索する。得られた通信方法を取得し、その方法に沿ってサービスを要求し、結果を系統情報として受信する。各地域分散電源監視装置21Aのサービスにより得られた情報を統合して、新しいサービスとして広域需給監視を提供する。
以上、第10実施形態によれば、地域的、局所的に収集された情報をサービスとして提供することにより、より広範囲は情報の管理を必要とするアプリケーションで適用することができる。その際、同じサービスを統合することで、より多くの情報を提供するサービスを新たに提供することが可能となる。
(第11実施形態)
第11実施形態では、地域的に分散設置された電源のモニタリング情報を取得、監視する分散電源監視装置の情報と電源の電流電圧位相を取得、解析するPMU装置の情報を用いて、広域に電源の電力品質を解析する電力系統サービスシステムについて、図21を参照して説明する。
本発明に係る第11実施形態の電力系統サービスシステムは、ネットワーク27に接続可能な電力品質解析装置1B、サービス管理手段および記憶手段であるサービスディレクトリ機能4、分散電源監視装置21B、PMU装置22B、電源に接続された情報収集装置31とから構成されている。
小規模大規模問わず地域的に分散設置された電源(発電機)は、システムの状態を監視するための各種情報を集積している。それぞれの地域の分散電源監視21Bの構成は第10実施形態の構成と同様である。また、電源の電流、電圧を収集する計測機器32は、第8実施形態の計測機器11と同様の構成である。PMU装置22Bの内部構成は、サービス利用手段、サービス手段、サービス定義手段を備える。
地域的に分散設置された電源(発電機)は、システムの状態を監視するための各種情報を集積している。情報収集装置31は、電源から例えばシリアル通信やイーサーネット通信などの手段を用いて第10実施形態と同等の作用により電源の情報を収集、サービスする。分散電源監視装置21Bは、管轄範囲にある電源の監視を第10実施形態と同様の作用により行なう。
また分散設置された電源の電流、電圧を取得する計測機器32及びこの系統情報を使用するPMU装置22Bは、第8実施形態と同様の作用によりサービスを受ける。さらにPMU装置22Bは、電源の情報を提供するサービスを備え、サービスの内容をサービスディレクトリ機構4に登録する。
電力品質解析装置1Bは、地域の電源情報を集積して、統括的な監視を行ない、さらに各電源の電流位相を解析することにより電力品質の解析を行なう。サービスディレクトリ機構4から分散電源監視装置21Bを検索する。得られた分散電源監視装置21Bから通信方法を取得し、その方法に沿ってサービスを要求し、結果を系統情報として受信する。また、サービスディレクトリ機構4からPMU装置22Bを検索する。得られてPMU装置22Bから通信方法を取得し、その方法に沿ってサービスを要求し、結果を系統情報として受信する。これらの装置からサービスを受けて得られた情報をもとに照合、解析して、新しいサービスとして電力品質の解析結果を提供する。
以上、第11実施形態によれば、電源という同じ対象に対して電源の運転監視と電力品質監視という別々のアプリケーションが存在しているが、これらのアプリケーション(サービス)を連携することにより、運用状態に応じた電力品質の分析を行なう新しいサービスを提供することが可能となる。
(第12実施形態)
第12実施形態では、地域的に分散設置された電源のモニタリング情報を取得、監視する分散電源監視装置の情報と工場や家庭における電力使用量を取得、監視する電力デマンド監視装置の情報を用いて、電力の取引を行なう電力系統サービスシステムについて、図22を参照して説明する。
本発明に係る第12実施形態の電力系統サービスシステムは、ネットワーク27に接続可能な電力取引装置1C、サービス管理手段および記憶手段であるサービスディレクトリ機能4、分散電源監視装置21B、電力デマンド監視装置22C、電源に接続された情報収集装置31、家庭や工場の建家等に設置された計測機器32とから構成されている。
小規模大規模問わず地域的に分散設置された電源(発電機)は、システムの状態を監視するための各種情報を集積している。それぞれの地域の分散電源監視の構成は、第10実施形態の構成と同様である。また、工場や家庭の消費電力量圧を収集する計測機器32は、第6実施形態の計測機器11と同様の構成である。電力デマンド監視装置22Cの内部構成は、サービス利用手段サービス手段114、サービス定義手段118をもつ構成となる。
地域的に分散設置された電源(発電機)は、システムの状態を監視するための各種情報を集積している。情報収集装置31は、電源から例えばシリアル通信やイーサーネット通信などの手段を用いて第10実施形態と同等の作用により電源の情報を収集、サービスする。分散電源監視装置21Bは、管轄範囲にある電源の監視を第10実施形態と同様の作用により行なう。
また工場や家庭の電力消費量を電力量として取得する計測機器32及びその情報を使用する電力デマンド監視装置22Cは、第6実施形態と同様の作用によりサービスを受ける。さらに電力デマンド監視装置22Cでは、電力量情報を提供するサービスを備え、サービスの内容をサービスディレクトリ機構4に登録する。
電力取引装置1Cは電源の発電情報を集積して、統括的な監視を行ない、さらに需要家となる工場や家庭の使用電力を集積し、需給における情報を管理することにより発電取引を行なう。また、サービスディレクトリ機構4から分散電源監視装置21Bを検索する。得られた分散電源監視装置21Bから通信方法を取得し、その方法に沿ってサービスを要求し、結果を系統情報として受信する。また、サービスディレクトリ機構4から電力デマンド監視装置22Cを検索する。得られた通信方法を取得し、その方法に沿ってサービスを要求し、結果を系統情報として受信する。これらの装置からサービスを受けて得られた情報をもとに余剰発電量やコスト、使用電力量などの情報をベースとした新しいサービスとして電力取引の入札情報を提供する。
以上、第12実施形態によれば、対象の異なる別々のサービス(アプリケーション)が存在しているが、これらのサービスを連携することにより、電力の取引という新しいサービスを提供することが可能となる。
以上、本発明により、計測機器の設置情報や系統情報を利用するアプリケーションの使用権限がサービス管理手段で行なえ、且つ情報を送受するインタフェースのフォーマットを対象とする計測機器から取得できるため、計測機器、アプリケーションの設置、構成変更が容易に行なえ、プラグアンドプレイの実装形態が実現可能となる。また、系統情報の利用に際しては情報交換手段による情報の利用形態の変更が行なえるため、システム間の連携が容易に実現可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
15、20、25、30・・・管理装置、27・・・ネットワーク、10・・・管理サーバ、221・・・サービス管理手段、223・・・ネットワーク通信手段、235、238・・・記憶手段、231・・・情報交換手段、232・・・サービス利用手段