JP2006203469A - 情報通信装置および物品識別システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で受信信号と加算される不要信号の影響を回避することのできる、タグと通信するRFIDリーダライタなどの情報通信装置を実現する。
【解決手段】RFIDリーダライタ1に信号調整合成部6を設ける。送信信号s1から分配器6aによって分配した信号に対し、減衰器9による減衰および移相器10による位相調整を行う。そして、このようにして得た相殺用信号s4を、合成器6cによってサーキュレータ5の出力信号に合成し、送信回り込み信号s3を打ち消す。
【選択図】図1

Description

本発明は、RFIDリーダライタなどの、タグに情報を書き込んだり、タグから情報を読み取ったりする情報通信装置に関するものである。
物品を識別するために、各物品にタグを取り付け、当該タグにRFID(Radio Frequency Identification)リーダライタから情報を書き込んだり、当該タグから情報を読み取ったりするシステムがある。このタグはRFIDタグと呼ばれるが、非接触IDタグ、無線IDタグ、非接触タグ、無線タグともいわれる。RFIDリーダライタとタグとの通信方式には、電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式、光学方式などがある。電磁結合方式は電磁誘導方式に含まれると見なされる場合もある。
図5に、従来のRFIDリーダライタの一構成例を示す。このような構成は、例えば特許文献1に電磁結合方式の構成例として記載されている。同図のRFIDリーダライタ101は、制御部102、送信部103、受信部104、サーキュレータ105、および、アンテナ106を備えている。
制御部102はRFIDリーダライタ101の送受信を制御するものであり、制御回路102aおよびアナログ−デジタルI/F102bを備えている。制御回路102aは信号の各処理を行い、アナログ−デジタルI/F102bはアナログ信号とデジタル信号との相互の変換を行う。送信部103は図示しないタグへの書き込み用信号あるいは読み出し用信号から構成される送信信号s1を送信するものであり、変調部(図中MOD)103aおよび送信電力増幅器(図中PA)103bを備えている。変調部103aは、タグにプリアンブル信号や各種命令信号、あるいは書き込みデータ等を送信するために、アナログ−デジタルI/F102bから入力されるベースバンド信号によって搬送波を変調する。また、読み出し用搬送波をタグに送信する場合は当該搬送波を無変調とする。送信電力増幅器103bは、変調部103aから入力される送信信号の電力増幅を行う。
受信部104はタグから送信される信号を受信信号s2として受信するものであり、復調部(図中DEM)104aおよび増幅部(図中AMP)104bを備えている。ここで例として、RFIDリーダライタが電磁結合方式である場合の受信信号s2について図12(a)を用いて、また、RFIDリーダライタがマイクロ波方式である場合の受信信号s2について図12(b)を用いて、以下に説明する。電磁結合方式の場合には、受信信号s2は、タグ側で負荷インピーダンスがデジタル信号の2値に応じて2通りに切り替えられることによりタグのアンテナと電磁結合されているアンテナ106の整合状態に変化を生じさせ、そのため送信部103よりアンテナ106へ送出された例えば短波である13.56MHzの搬送波の一部は、アンテナ106の整合状態の変化に応じて反射し、タグのデータで変調された信号として受信部104に送られることによって得られる。また、マイクロ波方式の場合には、受信信号s2は、タグ側で負荷インピーダンスがデジタル信号の2値に応じて2通りに切り替えられることによりタグのアンテナの整合状態に変化を生じさせ、そのためRFIDリーダライタ101から放射された例えばマイクロ波である900MHz帯の搬送波の一部は、タグのアンテナの整合状態の変化に応じて反射し、タグのデータで変調された信号としてタグのアンテナから放射され、RFIDリーダライタ101で受信されることにより得られる。なお、ここではタグを電源を内蔵しないパッシブ型としており、送信信号s1と受信信号s2との周波数は互いに一致している。
受信部104において、復調部104aは受信信号s2をベースバンド信号に復調する。増幅部104bは、復調部104aから入力される復調信号を増幅する。増幅されたベースバンド信号はアナログ−デジタルI/F102bによってデジタル信号に変換され、制御回路102aによって処理される。サーキュレータ105は、送信部103から出力される送信信号をアンテナ106へ導くとともに、アンテナ106から受信したタグからの信号を受信部104へ導く。なお、アンテナは特許文献1ではループアンテナとされているが、これに限らずどのようなタイプのアンテナでも使用可能である。
RFIDリーダライタ101は、上述のように、アンテナ106を送信用と受信用とで共用しており、送信信号s1と受信信号s2とをサーキュレータ105によって分離するようにしている。しかし、サーキュレータ105には内部の信号漏洩があるため、上記のようなRFIDリーダライタ101の構成では、サーキュレータ105に送信部103から受信部104へ送信信号の回り込みが発生する。以下では、この回り込みの信号を図5に示したように送信回り込み信号s3とする。一般にRFIDリーダライタを用いた物品識別システムではRFIDリーダライタとタグとの交信距離が短いため、タグからの受信信号s2の強度は比較的大きい。例えば、マイクロ波方式では交信距離は数m程度であり、類似の出力電力と周波数帯を用いる他の無線機器、例えば数km程度の通信距離を持つ携帯電話等と比較して自由空間基本伝送損失だけをみても数十dBも電波の減衰が小さいため、他の無線機器と比較して受信信号s2の強度は大きい。しかし、サーキュレータ105を介して受信部104に入力される送信回り込み信号s3の強度はそれよりも十分に大きい。従って、受信信号s2自体は受信部104の復調部104aに適正な強度で入力されても、送信部103からの送信回り込み信号s3が受信信号s2に加算されると、加算信号の強度が復調部104aの入力ダイナミックレンジを越え、復調部104aの出力が飽和してしまうという問題がある。
この復調部104aの出力が飽和する現象を、図6ないし図8を用いて説明する。
復調部104aには、構成が簡単である包絡線検波を用いることが可能であるが、ダイナミックレンジの確保や複数の変調方式への対応が容易であるため、DBM(Double Balanced Mixer)等のミキサーを用いることが多い。
ミキサーや増幅器、その他非直線的な特性を持った素子は、あるレベル以上の入力が行われると、図6のようにその出力は飽和して、理想の直線性が得られなくなる。一例として、どの入力レベルまでリニアな直線性が得られるかの指標として、「1dBコンプレッションレベル」がある。この指標は、直線性が1dB低下する入力レベルを示している。通常は、この「1dBコンプレッションレベル」を超えないように素子を使用することで良好な直線性を得ている。前述したRFIDリーダライタ101では、受信信号s2が受信部104の復調部104aにまず入力される構成であったが、RFIDリーダライタとしては、図7のように、受信信号s2がまず受信部104の低雑音アンプ(図中LNA)104cに入力される構成もある。低雑音アンプ104においても上記飽和は問題となる。受信部104の初段に設けられた復調部104aや低雑音アンプ104cへの入力信号は「受信信号s2+送信回り込み信号s3」となる。
ここで、送信回り込み信号s3のレベル>受信信号s2のレベルである場合、受信信号s2のレベルが飽和しない程度のレベルであっても、送信回り込み信号s3のレベルが飽和レベルであれば、本来の受信信号s2も飽和領域で回路を通過することになり、回路出力レベルが低下してしまう。この様子をイメージで説明したものが、図8である。同図は、受信信号s2のレベルを一定とし、送信回り込み信号s3のレベルを1(極小)→2(小)→3(中)→4(大)と大きくしていった場合に、受信信号s2の回路出力レベル(縦の範囲)が小さくなっていくことを表現している。この図より、送信回り込み信号s3のレベルが飽和領域に達すると、全受信信号(受信信号s2+送信回り込み信号s3)の回路出力レベルが直線上の値からどんどん低下していくことが分かる。従って、全受信信号に占める受信信号s2の分の回路出力レベルも低下していく。このように、RFIDリーダライタでは、上記送信回り込み信号s3のレベルが大きいために、飽和が起こりやすい。
この問題を解決するための第1の手段として、図9に示すRFIDリーダライタ111のように、サーキュレータ105とアンテナ106との間に整合回路107を設け、送信信号s1の受信部104への回り込みの影響が最小になるように調整する方法が知られている。同図の構成では、整合回路107による送信信号s1の反射信号s4を生成する。この反射信号s4は送信回り込み信号s3と位相が180度異なり、同一の振幅となるように調整されており、送信回り込み信号s3と互いに打ち消し合うこととなる。従って、受信部104に入力される送信回り込み信号s3を非常に小さくすることができる。
また、上記問題を解決するための第2の手段として、例えば特許文献2に記載された構成がある。図10にこの構成を示す。同図は無線通信機の概略構成を示すものであり、送信波T(f)を送信する送信機201と、アンテナ202および受信波R(f)を受信する受信機203との間に自動制御サーキュレータ装置204が配置されている。
自動制御サーキュレータ装置204は,送信機201から信号(送信波T(f))を入力する入力端子K1、入力端子K1から入力した信号をアンテナ202へ出力すると共にアンテナ202から信号を入力する入出力端子K2および入出力端子K2から入力した信号を受信機203側へ出力する出力端子K3の3つの端子を有したサーキュレータ205と、サーキュレータ205の入出力端子K2とアンテナ202との間に配置された電圧可変整合回路206と、サーキュレータ205の出力端子K3と受信機203との間に配置され、送信機・アンテナ系の送信波がサーキュレータ205の出力端子K3から受信機203側に漏れてきた漏洩信号S(f)を分岐する方向性結合器207と、方向性結合器207で分岐した漏洩信号S(f)の強さをモニタし,漏洩信号S(f)の強さに応じたアナログ信号を出力するモニタ受信機208と、モニタ受信機208から出力されたアナログ信号に基づいて、サーキュレータ205の出力端子K3から受信機203側に漏れてくる漏洩信号S(f)が常に最小となるように電圧可変整合回路206の整合特性の可変制御を行う整合制御回路209とから構成される。
なお,整合制御回路209は,モニタ受信機208から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器209aと,A/D変換器209aからデジタル信号を入力し,該デジタル信号が最小となるように,電圧可変整合回路206に印加する制御電圧値Vc1、Vc2を可変する整合制御マイクロコンピュータ209bと、整合制御マイクロコンピュータ209bから制御電圧値Vc1、Vc2をそれぞれ入力し、アナログ信号に変換して電圧可変整合回路206に印加する2つのD/A変換器209c、209dとから構成される。
上記の構成の自動制御サーキュレータ装置204では、周囲環境の変化に応じて電圧可変整合回路206を電子的に調整しており、これにより、送信波T(f)の受信機203への回り込みを最小に調整することは可能である。
また、RFIDリーダライタでは、図11のRFIDリーダライタ121のように、高周波スイッチ108を用いて複数のアンテナ端子を設けていることが多い。この場合、高周波スイッチをどのポジションに設定した場合でも、高周波スイッチ108と各アンテナ106との間に整合回路107を設けることで、全てのアンテナラインでの送信回り込み信号s3を最小に調整することが可能である。
特開2004−206245号公報(2004年(平成16年)7月22日公開) 特開平9−69799号公報(1997年(平成9年)3月11日公開) 特開平9−69803号公報(1997年(平成9年)3月11日公開)
しかしながら、図9に示したような第1の手段においては、送信回り込み信号s3の影響を最小にするための整合回路107の調整は非常に微妙であり、生産時に手間がかかることが問題となる。
また、図10に示したような第2の手段においては、整合回路は使用時に自動調整されるため、生産時の調整は不要であるが、複数のアンテナ端子を設けたRFIDリーダライタの場合には、アンテナごとに対応した整合回路が必要であるため、このような整合回路を複数挿入する必要があり、回路が大規模・複雑になり不経済である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で受信信号と加算される受信信号以外の不要信号の影響を回避することのできる、タグと通信するRFIDリーダライタなどの情報通信装置、および物品識別システムを実現することにある。
本発明の情報通信装置は、上記課題を解決するために、タグに伝送する送信信号を送信する送信部と、前記送信信号に基づく前記タグからの受信信号を受信する受信部とを備えた情報通信装置において、前記送信信号の分配信号に対して振幅および位相の調整を行って前記受信信号に合成する信号調整合成部を備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、信号調整合成部による分配信号の振幅および位相の調整により、受信信号に加算される不要信号を相殺する信号を生成するようにすれば、不要信号の強度を小さくすることができる。従って、受信部へ入力される信号の強度を出力の飽和しないレベルとすることができる。
これにより、例えばサーキュレータと各アンテナとの間に、調整が微妙であったり構成が複雑であったりする整合回路を設ける必要がない。特に、アンテナが複数備えられる場合には、各アンテナに対応して精密に製造された整合回路が必要であり、アンテナの個数だけ整合回路を必要としたが、本発明ではこれらを全て省略することができるので、回路構成が非常に簡単になる。
以上により、簡単な構成で受信信号と加算される不要信号の影響を回避することのできる、タグと通信する情報通信装置を実現することができるという効果を奏する。
本発明の情報通信装置は、前記信号調整合成部は、前記送信信号の分配を行う分配器と、前記分配器から出力された所定の信号に対して減衰および位相調整を行う信号調整部と、前記信号調整部から出力された信号を前記受信信号に合成する合成器とを備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、送信信号より強度の小さい不要信号に対して、分配器、減衰および位相調整を行う信号調整部、および合成部を用いることにより、相殺するための信号を容易に生成し、不要信号を相殺することができるという効果を奏する。
本発明の情報通信装置は、前記送信信号の送信と前記受信信号の受信とに共用されるアンテナと、前記送信信号を前記送信部から前記アンテナへ導くとともに、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部へ導くサーキュレータとを備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、送信信号と受信信号とはサーキュレータにより分離されるが、サーキュレータの内部漏洩により送信部から受信部に回り込む送信回り込み信号による受信への影響を、信号調整合成部により回避することができるという効果を奏する。
本発明の情報通信装置は、前記送信信号の周波数と前記受信信号の周波数とが等しいことを特徴としている。
上記の発明によれば、送信信号の周波数と受信信号の周波数とが等しい場合には、加算信号から受信信号と送信回り込み信号とを周波数弁別することができないが、このような場合でも、信号調整合成部により、送信回り込み信号の受信への影響を回避することができるという効果を奏する。
本発明の情報通信装置は、前記受信部への信号入力経路上における信号強度を検出する信号強度検出部を備え、前記信号調整部は、前記信号強度検出部によって検出された前記信号強度に応じて前記減衰の減衰比と前記位相調整の調整量との少なくとも一方が可変であることを特徴としている。
上記の発明によれば、信号強度検出部によって検出された信号強度に応じて、前記減衰の減衰比や前記位相調整の調整量とを常に最適な値、すなわち、振幅や位相が変化し得る不要信号を常に最も効果的に相殺することのできる値に自動的に設定することができる。従って、不要信号による受信への影響を常に最小にできるという効果を奏する。
本発明の情報通信装置は、前記信号強度検出部による前記信号強度の検出は、前記受信信号がない状態で行われることを特徴としている。
上記の発明によれば、タグからの受信信号がない状態で信号強度の検出を行うと、不要信号のみを検出することができるので、適切な前記減衰の減衰比と前記位相調整の調整量とを設定しやすいという効果を奏する。
本発明の物品識別システムは、前記情報通信装置と前記タグとを備えており、少なくとも、物品に装着された前記タグに記録された情報を前記情報通信装置によって読み取ることにより前記物品を識別することを特徴としている。
上記の発明によれば、簡単な構成でタグの情報を正確に読み取ることのできる物品識別システムを実現することができるという効果を奏する。
本発明の情報通信装置は、以上のように、信号調整合成部を備えているので、簡単な構成で受信信号と加算される不要信号の影響を回避することのできる、タグと通信する情報通信装置を実現することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明すると以下の通りである。
図1に、本実施の形態に係る情報通信システムであるRFIDリーダライタ1の構成を示す。RFIDリーダライタ1はマイクロ波方式でタグと情報通信を行うものであり、制御部2、送信部3、受信部4、サーキュレータ5、信号調整合成部6、高周波スイッチ7、および、アンテナ8(1)〜8(n)を備えている。
制御部2はRFIDリーダライタ1の送受信を制御するものであり、制御回路2aおよびアナログ−デジタルI/F2bを備えている。制御回路2aは信号の各処理を行い、アナログ−デジタルI/F2bはアナログ信号とデジタル信号との相互の変換を行う。送信部3は図示しないタグへの書き込み用信号あるいは読み出し用信号から構成される送信信号s1を送信するものであり、変調部(図中MOD)3aおよび送信電力増幅器(図中PA)3bを備えている。変調部3aは、タグにプリアンブル信号や各種命令信号、あるいは書き込みデータ等を送信するために、アナログ−デジタルI/F2bから入力されるベースバンド信号によって搬送波を変調する。また、読み出し用搬送波をタグに送信する場合は当該搬送波を無変調とする。送信電力増幅器3bは、変調部3aから入力される送信信号の電力増幅を行う。
受信部4はタグから送信される信号を受信信号s2として受信するものであり、復調部(図中DEM)4aおよび増幅部(図中AMP)4bを備えている。なお、ここではタグを電源を内蔵しないパッシブ型としており、送信信号s1と受信信号s2との周波数は互いに一致している。受信信号s2はASKにより変調されている。受信部4において、復調部4aは受信信号s2をベースバンド信号に復調する。増幅部4bは、復調部4aから入力される復調信号を増幅する。増幅された信号はアナログ−デジタルI/F2bによってデジタル信号に変換され、制御回路2aによって処理される。
信号調整合成部6は、送信信号の分配信号に対して振幅および位相の調整を行うことにより、後述の送信回り込み信号s3を打ち消すための信号を生成し、サーキュレータ5の受信部4側への出力信号に合成する。信号調整合成部6は、分配器6a、信号調整部6b、および、合成器6cを備えている。分配器6aは送信信号s2をある分配比で2分配する。分配された信号の一方は送信に用いられ、他方は送信回り込み信号s3を相殺するために用いられる。信号調整部6bは減衰器(図中ATT)9および移相器10を備えている。減衰器9は、分配器6aから出力される上記他方の信号の減衰を行う。減衰器9としては、例えば3つの抵抗を用いたπ型やT型などの簡単な構成の減衰器を使用することができる。移相器10は、減衰器9から出力される信号の位相を調整する。合成器6cは、移相器10から出力される相殺用信号s4をサーキュレータ5の受信部4側への出力信号に合成する。
サーキュレータ5は、送信部3から出力される送信信号s1、より詳しくは分配器6aから出力される信号をn個のアンテナ8(1)〜8(n)のうちの選択されたものへ導くとともに、アンテナ8(1)〜8(n)のうちの選択されたもので受信したタグからの信号を受信部4へ導く。アンテナ8(1)〜8(n)は、それぞれ送信信号s1の送信と受信信号s2の受信とに共用される。なお、アンテナ8(1)〜8(n)にはどのようなタイプのアンテナでも使用可能である。高周波スイッチ7は、アンテナ8(1)〜8(n)のうちのいずれを使用するかを選択するスイッチであり、時分割で各アンテナをサーキュレータ5に接続する。
上記の構成のRFIDリーダライタ1においては、アンテナ8(1)〜8(n)を送信用と受信用とで共用しており、送信信号s1と受信信号s2とをサーキュレータ5によって分離するようにしている。サーキュレータ5には内部の信号漏洩があるため、サーキュレータ5に送信部3から受信部4へ回り込む送信回り込み信号s3が発生する。本実施の形態では、この送信回り込み信号s3を、信号調整合成部6で生成した相殺用信号s4で極力打ち消すようにしている。そのために、信号調整合成部6において、減衰器9の減衰比は、相殺用信号s4の振幅が送信回り込み信号s3の振幅に極力近くなるように設定され、移相器10の位相調整量は、極力、相殺用信号s4が送信回り込み信号s3の逆相となるように設定される。
サーキュレータ5から受信部4へ向けて出力される信号は受信信号s2と送信回り込み信号s3との加算信号となり、送信回り込み信号s3の強度が大きいとそのままでは受信部4の入力段にある復調部4aの出力が飽和しやすい。しかし、上述のように信号調整合成部6により相殺用信号s4を当該加算信号に合成してから受信部4への信号入力を行うようにすれば、送信回り込み信号s3の強度は小さくなる。
これにより、受信信号s2と送信回り込み信号s3との加算信号は、ほぼ受信信号s2のみとなるため、復調部4aの出力が飽和しない程度の強度に減衰され、復調部4aは入力に比例した正常な検波および出力を行うことができる。そして、ほぼ受信信号s2の強度に応じた信号が復調部4aから抽出されて、増幅部4bに入力される。
なお、送信回り込み信号s3の強度および位相は、回路構成部品のばらつき、周囲温度、周囲湿度、および、設置環境などによりばらつくことが考えられるため、極力正常な受信が行える場合が多くなるように、送信回り込み信号s3の強度および位相の平均値に合わせて減衰器9の減衰比および移相器10の位相調整量を決定しておくのが好ましい。
また、上記RFIDリーダライタ1はアンテナを複数備えるものであったが、アンテナが1つである場合でも、もちろん信号調整合成部6を備える効果が得られる。この場合、図1の高周波スイッチ7は不要になる。
以上のように、本実施の形態によれば、信号調整合成部6により生成した相殺用信号s4で送信回り込み信号s3を相殺する構成とすることにより、前述した図9ないし図11のようにサーキュレータと各アンテナとの間に、調整が微妙であったり構成が複雑であったりする整合回路を設ける必要がない。特に、アンテナが複数備えられる場合には、各アンテナに対応して精密に製造された整合回路が必要であり、図11のようにアンテナの個数だけ整合回路を必要としたが、本実施の形態ではこれらを全て省略することができるので、回路構成が非常に簡単になる。
また、送信回り込み信号s3は送信信号s1より強度が小さいので、分配器6a、減衰および位相調整を行う信号調整部6b、および合成部6cを用いることにより、相殺用信号s4を容易に生成し、送信回り込み信号s3を相殺することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図2および図13に基づいて説明すると以下の通りである。なお、前記実施の形態1で述べた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2に、本実施の形態に係る情報通信システムであるRFIDリーダライタ11の構成を示す。RFIDリーダライタ11はマイクロ波方式でタグと情報通信を行うものであり、実施の形態1におけるRFIDリーダライタ1(図1)の構成において、減衰器9を可変減衰器(図中可変ATT)15に置き換え、さらに信号強度検出部16を追加した構成である。
信号強度検出部16は分配器16aおよび受信強度検出回路16bを備えている。分配器16aは、合成器6cと受信部4との間に設けられており、合成器6cから出力される信号をある分配比で2分配する。分配された一方の信号は受信部4側へ伝達され、他方の信号は受信強度検出回路16bに入力される。受信強度検出回路16bは入力された信号の強度を検出し、これにより合成器6cから出力された信号の強度を検出する。受信強度検出回路16bによる検出結果は制御部2に入力される。
また、可変減衰器15は減衰比が可変の減衰器である。この減衰比は制御部2から設定されるようになっており、制御部2は、前記受信強度検出回路16bから入力される信号強度の検出結果に応じて当該減衰比を制御する。このような構成により、制御部2は、送信回り込み信号s3が最も効果的に相殺されるように可変減衰器15の減衰比を調整して、相殺用信号s4の振幅を調整する。
上記の構成のRFIDリーダライタ11によれば、減衰比を常に最適な値、すなわち、振幅が変化し得る送信回り込み信号s3を常に最も効果的に相殺することのできる値に設定することができる。この構成では、送信回り込み信号s3の振幅が、回路構成部品のばらつき、周囲温度、周囲湿度、および、設置環境などによりばらついても、これに合わせて減衰比を自動的に設定するため、送信回り込み信号s3による受信への影響を常に最小にできる。
なお、可変減衰器15の減衰比の設定は、タグからの受信信号s2がない状態、例えばプリアンブル信号の送信時やタグ未検出時の送信時などに行うと、送信回り込み信号s3のみを検出することができるので、適切な減衰比を設定しやすい。また、上記のような受信信号s2のない状態における信号強度の検出は、従来のRFIDリーダライタの構成でも存在する期間を利用したものであるが、その他に、減衰比を調整するための期間を設け、定期的に減衰比調整用の送信信号を出力してそのときの信号強度を検出するようにしてもよい。
なお、図2の受信部4への信号入力経路上において、分配器16aの位置と、合成器6cの位置とを入れ替えた構成のRFIDリーダライタも可能である。図13に、このような構成のRFIDリーダライタ12を示す。この場合、信号強度検出部16は、送信回り込み信号s3、あるいは受信信号s2と送信回り込み信号s3との加算信号の強度を検出することになるが、これによっても送信回り込み信号s3を打ち消す効果が得られる。すなわち、信号強度検出部16は、受信部4への信号入力経路上における信号強度を検出すればよく、検出位置は任意である。ただし、分配器16aの位置と、合成器6cの位置とを図2のようにすれば、可変減衰器15には、送信回り込み信号s3を相殺用信号s4で打ち消した結果がフィードバックされることになるので、より精度の高い打ち消し処理を行うことができる。
また、上記RFIDリーダライタ11・12はアンテナを複数備えるものであったが、実施の形態1と同様に、アンテナが1つである場合でも、もちろん可変減衰器15を備える効果が得られる。
以上のように、本実施の形態によれば、信号調整合成部6により生成した相殺用信号s4で送信回り込み信号s3を相殺する構成とすることにより、前述した図9ないし図11のようにサーキュレータと各アンテナとの間に、調整が微妙であったり構成が複雑であったりする整合回路を設ける必要がない。特に、アンテナが複数備えられる場合には、各アンテナに対応して精密に製造された整合回路が必要であり、図11のようにアンテナの個数だけ整合回路を必要としたが、本実施の形態ではこれらを全て省略することができるので、回路構成が非常に簡単になる。
また、送信回り込み信号s3は送信信号s1より強度が小さいので、分配器6a、減衰および位相調整を行う信号調整部6b、および合成部6cを用いることにより、相殺用信号s4を容易に生成し、送信回り込み信号s3を相殺することができる。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について図3および図14に基づいて説明すると以下の通りである。なお、前記実施の形態1で述べた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3に、本実施の形態に係る情報通信システムであるRFIDリーダライタ21の構成を示す。RFIDリーダライタ21はマイクロ波方式でタグと情報通信を行うものであり、実施の形態1におけるRFIDリーダライタ1(図1)の構成において、移相器10を可変移相器25に置き換え、さらに信号強度検出部16を追加した構成である。
信号強度検出部16は分配器16aおよび受信強度検出回路16bを備えている。分配器16aは、合成器6cと受信部4との間に設けられており、合成器6cから出力される信号をある分配比で2分配する。分配された一方の信号は受信部4側へ伝達され、他方の信号は受信強度検出回路16bに入力される。受信強度検出回路16bは入力された信号の強度を検出し、これにより合成器6cから出力された信号の強度を検出する。受信強度検出回路16bによる検出結果は制御部2に入力される。
また、可変移相器25は位相調整量が可変の移相器である。この位相調整量は制御部2から設定されるようになっており、制御部2は、前記受信強度検出回路16bから入力される信号強度の検出結果に応じて当該位相調整量を制御する。このような構成により、制御部2は、送信回り込み信号s3が最も効果的に相殺されるように可変移相器25の位相調整量を調整して、相殺用信号s4の位相を調整する。
上記の構成のRFIDリーダライタ21によれば、位相調整量を常に最適な値、すなわち、位相が変化し得る送信回り込み信号s3を常に最も効果的に相殺することのできる値に設定することができる。この構成では、送信回り込み信号s3の位相が、回路構成部品のばらつき、周囲温度、周囲湿度、および、設置環境などによりばらついても、これに合わせて位相調整量を自動的に設定するため、送信回り込み信号s3による受信への影響を常に最小にできる。
なお、可変移相器25の位相調整量の設定は、タグからの受信信号s2がない状態、例えばプリアンブル信号の送信時やタグ未検出時の送信時などに行うと、送信回り込み信号s3のみを検出することができるので、適切な位相調整量を設定しやすい。また、上記のような受信信号s2のない状態における信号強度の検出は、従来のRFIDリーダライタの構成でも存在する期間を利用したものであるが、その他に、位相調整量を調整するための期間を設け、定期的に位相調整量調整用の送信信号を出力してそのときの信号強度を検出するようにしてもよい。
なお、図3の受信部4への信号入力経路上において、分配器16aの位置と、合成器6cの位置とを入れ替えた構成のRFIDリーダライタも可能である。図14に、このような構成のRFIDリーダライタ22を示す。この場合、信号強度検出部16は、送信回り込み信号s3、あるいは受信信号s2と送信回り込み信号s3との加算信号の強度を検出することになるが、これによっても送信回り込み信号s3を打ち消す効果が得られる。すなわち、信号強度検出部16は、受信部4への信号入力経路上における信号強度を検出すればよく、検出位置は任意である。ただし、分配器16aの位置と、合成器6cの位置とを図3のようにすれば、可変移相器25には、送信回り込み信号s3を相殺用信号s4で打ち消した結果がフィードバックされることになるので、より精度の高い打ち消し処理を行うことができる。
また、上記RFIDリーダライタ21・22はアンテナを複数備えるものであったが、実施の形態1と同様に、アンテナが1つである場合でも、もちろん可変移相器25を備える効果が得られる。
以上のように、本実施の形態によれば、信号調整合成部6により生成した相殺用信号s4で送信回り込み信号s3を相殺する構成とすることにより、前述した図9ないし図11のようにサーキュレータと各アンテナとの間に、調整が微妙であったり構成が複雑であったりする整合回路を設ける必要がない。特に、アンテナが複数備えられる場合には、各アンテナに対応して精密に製造された整合回路が必要であり、図11のようにアンテナの個数だけ整合回路を必要としたが、本実施の形態ではこれらを全て省略することができるので、回路構成が非常に簡単になる。
また、送信回り込み信号s3は送信信号s1より強度が小さいので、分配器6a、減衰および位相調整を行う信号調整部6b、および合成部6cを用いることにより、相殺用信号s4を容易に生成し、送信回り込み信号s3を相殺することができる。
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について図4および図15に基づいて説明すると以下の通りである。なお、前記実施の形態1で述べた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4に、本実施の形態に係る情報通信システムであるRFIDリーダライタ31の構成を示す。RFIDリーダライタ31はマイクロ波方式でタグと情報通信を行うものであり、実施の形態1におけるRFIDリーダライタ1(図1)の構成において、減衰器9を可変減衰器(図中可変ATT)15に置き換えるとともに、移相器10を可変移相器25に置き換え、さらに信号強度検出部16を追加した構成である。
信号強度検出部16は分配器16aおよび受信強度検出回路16bを備えている。分配器16aは、合成器6cと受信部4との間に設けられており、合成器6cから出力される信号をある分配比で2分配する。分配された一方の信号は受信部4側へ伝達され、他方の信号は受信強度検出回路16bに入力される。受信強度検出回路16bは入力された信号の強度を検出し、これにより合成器6cから出力された信号の強度を検出する。受信強度検出回路16bによる検出結果は制御部2に入力される。
また、可変減衰器15は減衰比が可変の減衰器であり、可変移相器25は位相調整量が可変の移相器である。この減衰比および位相調整量は制御部2から設定されるようになっており、制御部2は、前記受信強度検出回路16bから入力される信号強度の検出結果に応じて当該減衰比および位相調整量を制御する。このような構成により、制御部2は、送信回り込み信号s3が最も効果的に相殺されるように可変減衰器15の減衰比および可変移相器25の位相調整量を調整して、相殺用信号s4の振幅および位相を調整する。
上記の構成のRFIDリーダライタ31によれば、減衰比および位相調整量を常に最適な値、すなわち、振幅および位相が変化し得る送信回り込み信号s3を常に最も効果的に相殺することのできる値に設定することができる。この構成では、送信回り込み信号s3の振幅および位相が、回路構成部品のばらつき、周囲温度、周囲湿度、および、設置環境などによりばらついても、これに合わせて減衰比および位相調整量を自動的に設定するため、送信回り込み信号s3による受信への影響を常に極小にできる。
なお、可変減衰器15の減衰比および可変移相器25の位相調整量の設定は、タグからの受信信号s2がない状態、例えばプリアンブル信号の送信時やタグ未検出時の送信時などに行うと、送信回り込み信号s3のみを検出することができるので、適切な減衰比および位相調整量を設定しやすい。また、上記のような受信信号s2のない状態における信号強度の検出は、従来のRFIDリーダライタの構成でも存在する期間を利用したものであるが、その他に、減衰比および位相調整量を調整するための期間を設け、定期的に減衰比調整用および位相調整量調整用の送信信号を出力してそのときの信号強度を検出するようにしてもよい。
なお、図4の受信部4への信号入力経路上において、分配器16aの位置と、合成器6cの位置とを入れ替えた構成のRFIDリーダライタも可能である。図15に、このような構成のRFIDリーダライタ32を示す。この場合、信号強度検出部16は、送信回り込み信号s3、あるいは受信信号s2と送信回り込み信号s3との加算信号の強度を検出することになるが、これによっても送信回り込み信号s3を打ち消す効果が得られる。すなわち、信号強度検出部16は、受信部4への信号入力経路上における信号強度を検出すればよく、検出位置は任意である。ただし、分配器16aの位置と、合成器6cの位置とを図4のようにすれば、可変減衰器15および可変移相器25には、送信回り込み信号s3を相殺用信号s4で打ち消した結果がフィードバックされることになるので、より精度の高い打ち消し処理を行うことができる。
また、上記RFIDリーダライタ31・32はアンテナを複数備えるものであったが、実施の形態1と同様に、アンテナが1つである場合でも、もちろん可変減衰器15および可変移相器25を備える効果が得られる。
以上のように、本実施の形態によれば、信号調整合成部6により生成した相殺用信号s4で送信回り込み信号s3を相殺する構成とすることにより、前述した図9ないし図11のようにサーキュレータと各アンテナとの間に、調整が微妙であったり構成が複雑であったりする整合回路を設ける必要がない。特に、アンテナが複数備えられる場合には、各アンテナに対応して精密に製造された整合回路が必要であり、図11のようにアンテナの個数だけ整合回路を必要としたが、本実施の形態ではこれらを全て省略することができるので、回路構成が非常に簡単になる。
また、送信回り込み信号s3は送信信号s1より強度が小さいので、分配器6a、減衰および位相調整を行う信号調整部6b、および合成部6cを用いることにより、相殺用信号s4を容易に生成し、送信回り込み信号s3を相殺することができる。
〔実施の形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について図16に基づいて説明すると以下の通りである。なお、前記実施の形態1で述べた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図16に、本実施の形態に係る情報通信システムであるRFIDリーダライタ41の構成を示す。RFIDリーダライタ41はマイクロ波方式でタグと情報通信を行うものであり、実施の形態1におけるRFIDリーダライタ1(図1)の構成において、送受信共用の複数のアンテナ8の代わりに一組の送信アンテナ8aおよび受信アンテナ8bを備えるようにしてアンテナを送信用と受信用とに分離し、サーキュレータ5および高周波スイッチ7を取り除いた構成である。
すなわち、RFIDリーダライタ41は、サーキュレータ5によるアイソレーションを送信アンテナ8aと受信アンテナ8bとによるアイソレーションに置き換えたものである。送信アンテナ8aと受信アンテナ8bとのアイソレーションが悪いと、送信アンテナ8aから放射された送信信号s1が受信アンテナ8bで受信され、送信回り込み信号s11となる。よって、信号調整合成部6を挿入して相殺用信号s4を生成することで送信回り込み信号s11の影響を低減できる。
以上のように、本実施の形態によれば、信号調整合成部6により生成した相殺用信号s4で送信回り込み信号s11を相殺する構成とすることにより、簡単な構成で、受信部4の復調部4aの出力が飽和することを防止することができる。
また、送信アンテナ8aおよび受信アンテナ8bの組は一つであっても複数であってもよく、前述の図2ないし図4、図13ないし図16の各構成に対しても同様である。
以上、各実施の形態について述べた。
なお、各実施の形態ではマイクロ波方式による通信の例を挙げたが、電磁結合方式や電磁誘導方式など他の通信方式でも、受信部に入力される信号が送信回り込み信号によって過大になる場合があれば、本発明が有効となることは明らかである。
また、各実施の形態で述べたRFIDリーダライタは、タグの情報の読み取りのみを行うものであってもよく、タグの情報の読み取りおよびタグへの情報の書き込みの両方を行うものであってもよい。すなわち、少なくともタグの情報の読み取りが可能なものであればよい。
また、各実施の形態では、送信信号s1と受信信号s2とが同一の周波数である例を挙げたが、電源を内蔵したアクティブ型のタグのように、送信信号s1と受信信号s2とが異なる周波数となる場合でも本発明は有効となる。前記実施の形態では送信回り込み信号s3・s11を相殺用信号s4で打ち消すため、打ち消しがほぼ完全に行われていれば受信部4へ入力される信号はほぼ受信信号s2のみとなるため、前記の構成で特に上記周波数の相違は問題とはならないが、打ち消しの結果、送信回り込み信号s3・s11がある程度残っていても、受信部内でフィルタなどにより周波数の弁別を行えば、送信回り込み信号s3・s11の残りの部分は除去できる。また、送信信号s1の周波数と受信信号s2の周波数とが等しい場合には、加算信号から受信信号s2と送信回り込み信号s3・s11とを周波数弁別することができないが、このような場合でも、信号調整合成部6により、送信回り込み信号s3・s11の受信への影響を回避することができることから、本発明は、送信信号s1の周波数と受信信号s2の周波数とが等しい場合に大きな威力を発揮する。
また、本実施の形態で述べたRFIDリーダライタとタグとを組み合わせ、RFIDリーダライタによって各物品に取り付けたタグに情報を書き込んだり、当該タグから情報を読み取ったりする物品識別システムを構成することができる。これにより、当該物品識別システムは、簡単な構成で情報の正確な読み取りを行うことができるものとなる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、RFIDリーダライタおよびそれを用いた物品識別システムに好適に使用することができる。
本発明の第1の実施形態を示すものであり、RFIDリーダライタの構成を示す回路ブロック図である。 本発明の第2の実施形態を示すものであり、RFIDリーダライタの構成を示す回路ブロック図である。 本発明の第3の実施形態を示すものであり、RFIDリーダライタの構成を示す回路ブロック図である。 本発明の第4の実施形態を示すものであり、RFIDリーダライタの構成を示す回路ブロック図である。 従来技術を示すものであり、第1のRFIDリーダライタの構成を示す回路ブロック図である。 出力の飽和を説明するためのグラフである。 受信部の他の構成を示す回路ブロック図である。 出力の飽和に伴って出力範囲が小さくなることを説明するためのグラフである。 従来技術を示すものであり、第2のRFIDリーダライタの構成を示す回路ブロック図である。 従来技術を示すものであり、第3のRFIDリーダライタの構成を示す回路ブロック図である。 従来技術を示すものであり、第4のRFIDリーダライタの構成を示す回路ブロック図である。 (a)は電磁結合方式のRFIDリーダライタの受信信号を説明する回路ブロック図であり、(b)はマイクロ波方式のRFIDリーダライタの受信信号を説明する回路ブロック図である。 図2の変形例の構成を示す回路ブロック図である。 図3の変形例の構成を示す回路ブロック図である。 図4の変形例の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の第5の実施形態を示すものであり、RFIDリーダライタの構成を示す回路ブロック図である。
符号の説明
1、11、21、31、41
RFIDリーダライタ(情報通信装置)
3 送信部
4 受信部
5 サーキュレータ
6 信号調整合成部
6a 分配器
6b 信号調整部
6c 合成器
8(1)〜8(n)
アンテナ
9 信号強度検出部
s1 送信信号
s2 受信信号
s3 送信回り込み信号
s11 送信回り込み信号

Claims (7)

  1. タグに伝送する送信信号を送信する送信部と、前記送信信号に基づく前記タグからの受信信号を受信する受信部とを備えた情報通信装置において、
    前記送信信号の分配信号に対して振幅および位相の調整を行って前記受信信号に合成する信号調整合成部を備えていることを特徴とする情報通信装置。
  2. 前記信号調整合成部は、
    前記送信信号の分配を行う分配器と、前記分配器から出力された所定の信号に対して減衰および位相調整を行う信号調整部と、前記信号調整部から出力された信号を前記受信信号に合成する合成器とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の情報通信装置。
  3. 前記送信信号の送信と前記受信信号の受信とに共用されるアンテナと、
    前記送信信号を前記送信部から前記アンテナへ導くとともに、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部へ導くサーキュレータとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の情報通信装置。
  4. 前記送信信号の周波数と前記受信信号の周波数とが等しいことを特徴とする請求項3に記載の情報通信装置。
  5. 前記受信部への信号入力経路上における信号強度を検出する信号強度検出部を備え、
    前記信号調整部は、前記信号強度検出部によって検出された前記信号強度に応じて前記減衰の減衰比と前記位相調整の調整量との少なくとも一方が可変であることを特徴とする請求項2に記載の情報通信装置。
  6. 前記信号強度検出部による前記信号強度の検出は、前記受信信号がない状態で行われることを特徴とする請求項5に記載の情報通信装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の情報通信装置と前記タグとを備えており、少なくとも、物品に装着された前記タグに記録された情報を前記情報通信装置によって読み取ることにより前記物品を識別することを特徴とする物品識別システム。
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JP2008187227A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Denso Wave Inc Rfidリーダ
JP2010068379A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Toshiba Tec Corp 無線通信装置
JP7434087B2 (ja) 2020-07-01 2024-02-20 東芝テック株式会社 キャンセル制御装置及び通信装置

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