JP2006203459A - ハウリング除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回路規模を大きくすることなく、十分にハウリング周波数を除去できるようにすることを目的とする。
【解決手段】入力周波数を複数の周波数帯域に分割し、複数の各分割周波数帯域毎にハウリングを起こす周波数を検出する周波数分析手段と、この周波数分析手段によって検出されたハウリング周波数を除去する複数個の帯域除去フィルタより成る帯域除去手段とを有するハウリング除去装置において、この複数の分割周波数帯域の隣接する周波数帯域でハウリング周波数を検出したときには、この複数個の帯域除去フィルタの対応する1つの帯域除去フィルタの帯域幅を広げて、この隣接する周波数帯域のハウリング周波数を除去するようにしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】入力周波数を複数の周波数帯域に分割し、複数の各分割周波数帯域毎にハウリングを起こす周波数を検出する周波数分析手段と、この周波数分析手段によって検出されたハウリング周波数を除去する複数個の帯域除去フィルタより成る帯域除去手段とを有するハウリング除去装置において、この複数の分割周波数帯域の隣接する周波数帯域でハウリング周波数を検出したときには、この複数個の帯域除去フィルタの対応する1つの帯域除去フィルタの帯域幅を広げて、この隣接する周波数帯域のハウリング周波数を除去するようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ホール等において、音声や楽器の演奏をマイクで収音し、収音した信号をスピーカを使用して再生する場合に、このマイクとスピーカとの間で生ずるハウリングを除去するようにしたハウリング除去装置に関する。
一般に、ホール等において、音声や楽器の演奏をマイクで収音し、収音した信号をスピーカを使用して再生する場合に、このマイクとスピーカとの間でハウリングが生ずることがある。
このハウリングが発生したときに、このハウリングを除去するには、予めハウリングが起きる周波数を検出し、そのハウリング周波数の帯域を減衰させるような手段を拡声システム内に設ける必要がある。この拡声システム内に取り入れられたこのような手段は通常ハウリング除去装置と呼ばれる。
従来、このハウリング除去装置の例として特許文献1に開示されるようなものが提案されている。この特許文献1に開示するものは、図3に示す如く、その全体は拡声システムを構成し、マイク12で収音された信号は前置増幅器14を介してA/Dコンバータ16に供給されてデジタル信号に変換された後、可変増幅器18を介して複数個の帯域除去フィルタ(複数個のバンド)20a,20b・・・20jより成る帯域除去フィルタ群20に供給される。帯域除去フィルタ群20はハウリングを起こす周波数を急峻に減衰させるために設けられたものである。
ハウリング周波数が減衰されたデジタル信号はD/Aコンバータ22で元のアナログ信号に戻された後電力増幅器24を介して場内スピーカ26により放音される。
可変増幅器18及び帯域除去フィルタ群20は何れもマイクロコンピュータで構成された制御手段30からの制御信号に基づいてそのゲインや帯域特性などが制御される。可変増幅器18の出力の一部は周波数分析手段を構成する帯域通過フィルタ群32に供給され、そのフィルタ出力が制御手段30に供給されてハウリング周波数が検出される。検出されたハウリング周波数はその帯域を特定し、その帯域をハウリング帯域番号としてRAMなどのメモリ手段34に格納される。
上述した可変増幅器18,帯域除去フィルタ群20及び帯域通過フィルタ群32は何れもDSP(digital signal processor)が使用され、マイクロコンピュータ30からの制御信号によってそのゲイン、フィルタ特性などが制御(設定)される。この例ではIIR(infinite impulse response)型のデジタルフィルタ(無限インパルス応答フィルタ)が使用されている。
図4は帯域通過フィルタ群32の例を示すもので、この例ではハウリング周波数を検出するため、特に伝送品質の劣化を起こさない周波数帯域は検出帯域から省いている。
一般には20Hzから20KHzまでの周波数帯域をハウリング検出帯域として選んでいる。この伝送周波数のうち100Hz以下及び10KHz以上の周波数成分は、伝送品質に影響を与えない周波数成分である(図5参照)。そのため、帯域通過フィルタ群では伝送周波数成分の低域及び高域を除去し、残った帯域でハウリング周波数が検出される。
このように伝送品質の劣化を起こさない周波数帯域を予め除去することは、取りも直さずハウリング検出用帯域通過フィルタの数を減らし、処理時間(ハウリング検出時間)を短縮できることにつながる。例えば、全伝送帯域を100の帯域に分割して処理(ハウリング検出)する場合、拡声には必要ではない帯域として、低域及び高域を各10帯域ずつ予め除去できるようになるので、80の帯域について処理を行えばよく、回路規模及び処理時間を夫々20%短縮できることになる。
図5の例では説明の便宜上、通過帯域Fを10の帯域F1〜F10に分割した例であるので、帯域通過フィルタ群32は図4に示すように10個の帯域通過フィルタ32a〜32jで構成され、夫々のフィルタ出力がマイクロコンピュータ30に供給される。
この帯域通過フィルタ32a〜32jの通過帯域幅として2種類の帯域幅に設定される。最初には粗いハウリング検出を実現するため広帯域特性とし、その中からハウリングが発生している帯域を検出する。その後、ハウリングが発生していると想われる通過帯域をさらに10の帯域に細分化する。そのため今度は10個の帯域通過フィルタ32a〜32jを狭帯域特性として用いる。
具体的に説明すると、図5のように広帯域化された帯域F1〜F10がある。帯域の分割は周波数的な均等割りではなく、この例では対数的な均等割りを行った場合である。その具体的数値の一例を図5に示す。
その夫々の分割帯域内でハウリングの発生が検出される。仮に、帯域F6(通過帯域幅は1001Hz〜1600Hz)にハウリングが発生しているものとすれば、今度は、この帯域F6が10の狭帯域F6a〜F6j(図6参照)に細分化される。そしてその夫々の帯域内でハウリングの発生が検出される。
以上の処理は、ハウリング検出処理手順の高速化とハウリング検出の精密処理とを同時に達成できる。
ここで、DSPを用いたデジタルフィルタにより構成される帯域通過フィルタ群32は、分割された帯域通過フィルタ32a〜32jのフィルタ係数をマイクロコンピュータ30で設定することによって分析すべき帯域幅を広帯域にも、狭帯域にも変更することができる。
したがって、最初に広帯域のフィルタとして動作するようにマイクロコンピュータ30から広帯域用フィルタ係数Wk1〜Wk10を帯域通過フィルタ32a〜32jに送ってフィルタ係数を設定する。次にマイクロコンピュータ30はハウリング周波数を含むと判断した周波数帯域を狭帯域化するため、マイクロコンピュータ30から狭帯域用フィルタ係数Nk1〜Nk10を帯域通過フィルタ32a〜32jに送ってフィルタ係数を設定する。
このように同一の帯域通過フィルタを広帯域用と狭帯域用に使い分ければ、それだけハード構成を簡略化できることに加え、伝送周波数帯域を10に分割した広域の帯域通過フィルタでの周波数成分を取り込み処理して、ハウリング周波数を含むと判断した周波数帯域を、10に分割した狭帯域の帯域通過フィルタで周波数成分を分析処理することにより、100の周波数帯域を20の周波数帯域の処理で済むことになるから、100の周波数帯域を処理する場合よりも処理速度が5倍速くなり、ハウリング検出処理の高速化を達成できる。
ここで、ハウリングの発生の有無は次のようにして判断する。このハウリングの検出に相対レベル差を用いる。そのためマイクロコンピュータ30では各分割帯域内での周波数成分の平均値と最大値を比較し、その値の差が予め決められた差分(例えば6dB)よりも大きければ、最大値のデータがハウリング周波数を含むとして処理する。このような判断を採用すると、拡声システムが置かれた環境の暗騒音が大きいような場合でも、この暗騒音をハウリング音として検出するような誤った検出を回避できる。また誤った検出を避けながら検出精度を上げるための検出レベル調整作業が不要になるなどの効果も得られる。
ハウリング周波数が検出されると、その周波数がRAM34にメモリされると共に、その周波数を急峻に減衰させるため帯域除去フィルタ群20に対するフィルタ係数の設定が行われる。
この帯域除去フィルタ群20は1つのDSP単体で構成でき、複数個の帯域除去フィルタが縦続接続されて構成される。図7の例では10個の帯域除去フィルタ20a〜20jで構成される。それぞれのカットオフ特性は1/12オクターブとなるように設定される。これでハウリング周波数のみを効果的に減衰させることができる。
ハウリングは単一周波数で発生するが、その発生は複数の周波数に亘って起こる場合があるので、複数の単一周波数でハウリングが発生しているときは、まず第1の帯域除去フィルタ20aでは第1のハウリング周波数(最も低い周波数)を減衰させるような減衰特性に設定される。そのような減衰特性が得られるようなフィルタ係数kaがマイクロコンピュータ30から出力される。
以下同様に第2のハウリング周波数を減衰させるため、第2の帯域フィルタ20bの帯域減衰特性がフィルタ係数kbによって設定される。この例では10個の帯域除去フィルタで帯域除去フィルタ群20が構成されているため、最大で10個のハウリング周波数を減衰させることができる。残ったフィルタの周波数特性はフラットとなるように対応するフィルタ係数が設定されるのはもちろんである。
このようにハウリング周波数を検出し、検出されたハウリング周波数を急峻減衰させることによって、伝送品質を劣化させることなくハウリングの発生を防止できる。
さて、ハウリングを検出するためには、図3に示す可変増幅器14のゲイン(増幅度)次第に高めればよい。このゲイン調整は手動でもよいが、マイクロコンピュータ30を使用して自動化することもできる。その手順の一例を次に説明する。
マイクロコンピュータ30はDSPを使用した可変増幅器18の増幅度(レベル)を徐々に上げながら、帯域通過フィルタ群32からの広帯域信号出力WB1〜WB10を読み、どの帯域内でハウリングが発生しているかを検出し、その周波数を特定する。
マイクロコンピュータ30は特定した周波数成分を帯域除去フィルタ群20で減衰させてハウリングを除去する。
このような処理は、規定の増幅度(レベル)に達するまで、若しくは帯域除去フィルタ群20の帯域除去フィルタ20a〜20j(10バンド分)を使い切るまで繰り返し行われる。その後は増幅度を初期値に戻してハウリング除去のための設定処理が終了する。
特開平11−127496号公報
然しながら、従来の特許文献1に記載されたものは、周波数分析手段でハウリング周波数を検出ときには、この検出されたハウリング周波数に対応して帯域除去フィルタ群20のうちの1個の帯域除去フィルタ例えば20aを割り当て、このハウリング周波数を減衰するように設定するので、この帯域除去フィルタ群20が例えば10個の帯域除去フィルタ20a,20b・・・20jで構成されているときには、最大で10個のハウリング周波数しか減衰することができない不都合がある。
また、この特許文献1に記載のハウリング除去装置では1つのハウリング周波数に対して、1つの帯域除去フィルタを割り当てるので十分にハウリング周波数を除去するためには多くの帯域除去フィルタを必要とし、回路規模が大きくなる不都合があった。
本発明は、斯かる点に鑑み、回路規模を大きくすることなく、十分にハウリング周波数を除去することを目的とする。
本発明ハウリング除去装置は、入力周波数を複数の周波数帯域に分割し、複数の各分割周波数帯域毎にハウリングを起こす周波数を検出する周波数分析手段と、この周波数分析手段によって検出されたハウリング周波数を除去する複数個の帯域除去フィルタより成る帯域除去手段とを有するハウリング除去装置において、この複数の分割周波数帯域の隣接する周波数帯域でハウリング周波数を検出したときには、この複数個の帯域除去フィルタの対応する1つの帯域除去フィルタの帯域幅を広げて、この隣接する周波数帯域のハウリング周波数を除去するようにしたものである。
本発明によれば、周波数分析手段の複数の分割周波数帯域の隣接する周波数帯域でハウリング周波数を検出したときは、複数個の帯域除去フィルタの対応する1つの帯域除去フィルタの帯域幅を広げて、この隣接する周波数帯域のハウリング周波数を除去するようにしたので、回路規模を大きくすることなく、十分にハウリング周波数を除去することができる。
以下、図面を参照して本発明ハウリング除去装置を実施するための最良の形態の例につき説明に供する。
本例によるハウリング除去装置を含む拡声システムは特許文献1に記載のものと、同様に構成する。
即ち、図3に示す如く、マイク12で収音された信号は前置増幅器14を介してA/Dコンバータ16に供給されてデジタル信号に変換された後、可変増幅器18を介して複数個の帯域除去フィルタ(複数個のバンド)20a,20b・・・20jより成る帯域除去フィルタ群20に供給される。帯域除去フィルタ群20はハウリングを起こす周波数を急峻に減衰させるために設けられたものである。
即ち、図3に示す如く、マイク12で収音された信号は前置増幅器14を介してA/Dコンバータ16に供給されてデジタル信号に変換された後、可変増幅器18を介して複数個の帯域除去フィルタ(複数個のバンド)20a,20b・・・20jより成る帯域除去フィルタ群20に供給される。帯域除去フィルタ群20はハウリングを起こす周波数を急峻に減衰させるために設けられたものである。
ハウリング周波数が減衰されたデジタル信号はD/Aコンバータ22で元のアナログ信号に戻された後電力増幅器24を介して場内スピーカ26により放音される。
可変増幅器18及び帯域除去フィルタ群20は何れもマイクロコンピュータで構成された制御手段30からの制御信号に基づいてそのゲインや帯域特性などが制御される。可変増幅器18の出力の一部は周波数分析手段を構成する帯域通過フィルタ群32に供給され、そのフィルタ出力が制御手段30に供給されてハウリング周波数が検出される。検出されたハウリング周波数はその帯域を特定し、その帯域をハウリング帯域番号としてRAMなどのメモリ手段34に格納される。
上述した可変増幅器18,帯域除去フィルタ群20及び帯域通過フィルタ群32は何れもDSP(digital signal processor)が使用され、マイクロコンピュータ30からの制御信号によってそのゲイン、フィルタ特性などが制御(設定)される。この例ではIIR(infinite impulse response)型のデジタルフィルタ(無限インパルス応答フィルタ)が使用されている。
図4は帯域通過フィルタ群32の例を示すもので、この例ではハウリング周波数を検出するため、特に伝送品質の劣化を起こさない周波数帯域は検出帯域から省いている。
一般には20Hzから20KHzまでの周波数帯域をハウリング検出帯域として選んでいる。この伝送周波数のうち100Hz以下及び10KHz以上の周波数成分は、伝送品質に影響を与えない周波数成分である(図5参照)。そのため、帯域通過フィルタ群では伝送周波数成分の低域及び高域を除去し、残った帯域でハウリング周波数が検出される。
このように伝送品質の劣化を起こさない周波数帯域を予め除去することは、取りも直さずハウリング検出用帯域通過フィルタの数を減らし、処理時間(ハウリング検出時間)を短縮できることにつながる。例えば、全伝送帯域を100の帯域に分割して処理(ハウリング検出)する場合、拡声には必要ではない帯域として、低域及び高域を各10帯域ずつ予め除去できるようになるので、80の帯域について処理を行えばよく、回路規模及び処理時間を夫々20%短縮できることになる。
図5の例では説明の便宜上、通過帯域Fを10の帯域F1〜F10に分割した例であるので、帯域通過フィルタ群32は図4に示すように10個の帯域通過フィルタ32a〜32jで構成され、夫々のフィルタ出力がマイクロコンピュータ30に供給される。
この帯域通過フィルタ32a〜32jの通過帯域幅として2種類の帯域幅に設定される。最初には粗いハウリング検出を実現するため広帯域特性とし、その中からハウリングが発生している帯域を検出する。その後、ハウリングが発生していると想われる通過帯域をさらに10の帯域に細分化する。そのため今度は10個の帯域通過フィルタ32a〜32jを狭帯域特性として用いる。
具体的に説明すると、図5のように広帯域化された帯域F1〜F10がある。帯域の分割は周波数的な均等割りではなく、この例では対数的な均等割りを行った場合である。その具体的数値の一例を図5に示す。
その夫々の分割帯域内でハウリングの発生が検出される。仮に、帯域F6(通過帯域幅は1001Hz〜1600Hz)にハウリングが発生しているものとすれば、今度は、この帯域F6が10の狭帯域F6a〜F6j(図6参照)に細分化される。そしてその夫々の帯域内でハウリングの発生が検出される。
以上の処理は、ハウリング検出処理手順の高速化とハウリング検出の精密処理とを同時に達成できる。
ここで、DSPを用いたデジタルフィルタにより構成される帯域通過フィルタ群32は、分割された帯域通過フィルタ32a〜32jのフィルタ係数をマイクロコンピュータ30で設定することによって分析すべき帯域幅を広帯域にも、狭帯域にも変更することができる。
したがって、最初に広帯域のフィルタとして動作するようにマイクロコンピュータ30から広帯域用フィルタ係数Wk1〜Wk10を帯域通過フィルタ32a〜32jに送ってフィルタ係数を設定する。次にマイクロコンピュータ30はハウリング周波数を含むと判断した周波数帯域を狭帯域化するため、マイクロコンピュータ30から狭帯域用フィルタ係数Nk1〜Nk10を帯域通過フィルタ32a〜32jに送ってフィルタ係数を設定する。
このように同一の帯域通過フィルタを広帯域用と狭帯域用に使い分ければ、それだけハード構成を簡略化できることに加え、伝送周波数帯域を10に分割した広域の帯域通過フィルタでの周波数成分を取り込み処理して、ハウリング周波数を含むと判断した周波数帯域を、10に分割した狭帯域の帯域通過フィルタで周波数成分を分析処理することにより、100の周波数帯域を20の周波数帯域の処理で済むことになるから、100の周波数帯域を処理する場合よりも処理速度が5倍速くなり、ハウリング検出処理の高速化を達成できる。
ここで、ハウリングの発生の有無は次のようにして判断する。このハウリングの検出に相対レベル差を用いる。そのためマイクロコンピュータ30では各分割帯域内での周波数成分の平均値と最大値を比較し、その値の差が予め決められた差分(例えば6dB)よりも大きければ、最大値のデータがハウリング周波数を含むとして処理する。このような判断を採用すると、拡声システムが置かれた環境の暗騒音が大きいような場合でも、この暗騒音をハウリング音として検出するような誤った検出を回避できる。また誤った検出を避けながら検出精度を上げるための検出レベル調整作業が不要になるなどの効果も得られる。
ハウリング周波数が検出されると、その周波数の帯域の帯域番号がRAM34にメモリされると共に、その周波数を急峻に減衰させるため帯域除去フィルタ群20に対するフィルタ係数の設定が行われる。
この帯域除去フィルタ群20は1つのDSP単体で構成でき、複数個の帯域除去フィルタが縦続接続されて構成される。図7の例では10個の帯域除去フィルタ20a〜20jで構成される。それぞれのカットオフ特性は1/12オクターブとなるように設定される。これでハウリング周波数のみを効果的に減衰させることができる。
本例においては、例えば図6に示す如く、細分化された複数例えば10の分割周波数帯域F6a,F6b・・・F6jにて検出した複数のハウリング周波数f1,f2,f3・・・とこのハウリング周波数f1,f2,f3・・・を減衰する帯域除去フィルタ群20の帯域除去フィルタ20a,20b・・・20jとの関係をマイクロコンピュータ30が図1に示すフローチャートに示す如く制御するようにする。
まず、可変増幅器18が規定の増幅度に達しているかを判断し(ステップS1)、この可変増幅器18が規定の増幅度に達しているときには、この可変増幅器18の増幅度を初期値に戻して(ステップS2)、終了する。
ステップS1で可変増幅器18の増幅度が規定値に達していないときは、この可変増幅器18の増幅度を一段階高め(ステップS3)、その後、ハウリングが発生しているかを判断する(ステップS4)。このステップS4でハウリングが発生していないときはステップS1に戻り、またこのステップS4でハウリングが発生しているときには、事前に区分された帯域例えば分割周波数帯域F6a,F6b・・・F6jの内でハウリングを発生している帯域例えば分割周波数帯域F6を特定する(ステップS5)。
このハウリング周波数f3が発生している帯域例えば分割周波数帯域F6cの帯域番号例えば“3”をハウリング帯域番号としてRAM34に保存する(ステップS6)。
次に帯域除去フィルタ群20例えば10個の帯域除去フィルタ20a,20b・・・20jの中に、既にハウリング帯域番号例えば“3”の周波数帯域F6cのハウリング周波数F3を減衰する如くマイクロコンピュータ30により帯域減衰特性が設定されている帯域除去フィルタがあるかどうかを判断する(ステップS7)。
このステップS7で既に分割周波数帯域例えばF6cのハウリング周波数f3を減衰する帯域除去フィルタ例えば帯域番号“3”があるときは、その帯域番号“3”の例えば帯域除去フィルタ20bの減衰量を増やし(ステップS8)、ステップS4に戻る。
このステップS7で分割周波数帯域例えばF6cのハウリング周波数を減衰する帯域除去フィルタが無いときには、ステップS9に移行し、帯域除去フィルタ群20の例えば10個の帯域除去フィルタ(バンド)20a,20b・・・20jの中にハウリング帯域番号例えば“3”との差が“1”違うハウリング帯域番号例えば“2”又は“4”の周波数帯域F6cと隣接する周波数帯域F6b又はF6dのハウリング周波数を減衰する如くマイクロコンピュータ30により帯域減衰特性が設定されている帯域除去フィルタがあるかどうかを判断する。
このステップS9において、例えば周波数帯域F6cと隣接するハウリング帯域番号“3”と“1”違う隣接する周波数帯域F6bのハウリング周波数f2を減衰する如くマイクロコンピュータ30により帯域減衰特性が設定された帯域除去フィルタがあるときには、その帯域除去フィルタの減衰帯域幅を図2Aに示す如くハウリング周波数f2及びf3の2つのハウジング周波数を減衰できるごとく広げ(ステップS10)、ステップS4に戻る。
また、ステップS9で、ハウリング帯域番号例えば“3” と“1”違うハウリング帯域番号“2”又は“4” の周波数帯域F6cと隣接する周波数帯域F6b又はF6dのハウリング周波数を減衰する如くマイクロコンピュータ30により帯域減衰特性が設定されている帯域除去フィルタがないときは、ステップS11に移行する。
このステップS11において、帯域除去フィルタ群20の例えば10個の帯域除去フィルタ(バンド)20a,20b・・・20jの中にハウリング帯域番号例えば“3”との差が“2”違うハウリング帯域番号“1”又は“5”の周波数帯域F6cと隣接する周波数帯域F6a又はF6eのハウリング周波数を減衰する如くマイクロコンピュータ30により帯域減衰特性が設定されている帯域除去フィルタがあるどうかを判断する。
このステップS11において、例えば周波数帯域F6cのハウリング帯域番号“3”と“2”違う隣接する周波数帯域F6aのハウリング周波数f1を減衰する如くマイクロコンピュータ30により帯域減衰特性が設定された帯域除去フィルタがあるときには、その帯域除去フィルタのフィルタ帯域番号を、このハウリング帯域番号例えば“3”との平均値で変更する(ステップS12)。
その後、この帯域除去フィルタの減衰帯域幅を図2Bに示す如く、ハウリング周波数f1及びf3の2つのハウジング周波数を減衰できる如く広げ(ステップS13)、ステップS4に戻る。
また、ステップS11で、ハウリング帯域番号例えば“3”との差が“2”違うハウリング帯域番号“1”又は“5”の周波数帯域F6cと隣接する周波数帯域F6a又はF6eのハウリング周波数を減衰する如くマイクロコンピュータ30により帯域減衰特性が設定されている帯域除去フィルタがないときはステップS14に移行する。
このステップS14においては、この帯域除去フィルタ群20の複数個例えば10個の帯域除去フィルタ(バンド)20a,20b・・・20jをハウリング周波数の除去のために使い切った判断する。使い切っているときには、可変増幅器18の増幅度を初期値に戻し(ステップS15)、その後終了する。
このステップS14で、この帯域除去フィルタ群20の複数個例えば10個の帯域除去フィルタ(バンド)20a,20b・・・20jをハウリング周波数の除去のために使い切っていないときには、新しい帯域除去フィルタのフィルタ帯域番号に、ハウリング帯域番号を代入し(ステップS16)、その帯域除去フィルタの減衰量を増やし(ステップS17)、ステップS4に戻る。
上述処理を可変増幅器18が規定の増幅度(レベル)に達するまで、若しくは帯域除去フィルタ群20の例えば10個の帯域除去フィルタ(10バンド分)20a,20b・・・20jをハウリング周波数の除去のために使い切るまで、繰り返し行われる。その後可変増幅器18の増幅度を初期値に戻してハウリング除去のための設定処理を終了する。
このようにハウリング周波数を検出し、検出されたハウリング周波数を急峻減衰させることによって、伝送品質を劣化させることなくハウリングの発生を防止できる。
本例によれば、周波数分析手段を構成する帯域通過フィルタ郡32の複数例えば10個の分割周波数帯域F6a,F6b・・・F6jの隣接する周波数帯域でハウリング周波数を検出したときは、複数個例えば10個の帯域除去フィルタ20a,20b・・・20jの対応する1つの帯域除去フィルタの帯域幅を広げて、この隣接する周波数帯域のハウリング周波数を除去するようにしたので、従来に比較して、同じ帯域除去フィルタ(バンド)数でも、多くのハウリング周波数を除去することができ、回路規模を大きくすることなく、十分にハウリング周波数を除去することができる。
また、本例によれば、1つの帯域除去フィルタで複数のハウリング周波数を除去することができ、従来に比較して少ない帯域除去フィルタ(バンド)数でハウリング周波数を除去することができ、コストダウンすることができる。
尚、本発明は上述例に限ることなく、本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得ることは勿論である。
12…マイク、18…可変増幅器、20…帯域除去フィルタ群、20a,20b・・・20j…帯域除去フィルタ、26…スピーカ、30…マイクロコンピュータ、32…帯域通過フィルタ群、32a,32b・・・32j…帯域通過フィルタ
Claims (2)
- 入力周波数を複数の周波数帯域に分割し、複数の各分割周波数帯域毎にハウリングを起こす周波数を検出する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段によって検出されたハウリング周波数を除去する複数個の帯域除去フィルタより成る帯域除去手段とを有するハウリング除去装置において、
前記複数の分割周波数帯域の隣接する周波数帯域でハウリング周波数を検出したときには、前記複数個の帯域除去フィルタの対応する1つの帯域除去フィルタの帯域幅を広げて、前記隣接する周波数帯域のハウリング周波数を除去するようにしたことを特徴とするハウリング除去装置。 - 請求項1記載のハウリング除去装置において、
前記帯域除去フィルタはDSPであることを特徴とするハウリング除去装置。
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---|---|---|---|
JP2005011885A JP2006203459A (ja) | 2005-01-19 | 2005-01-19 | ハウリング除去装置 |
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