JP2006202511A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高コストなセパレーターやエンドプレートを使用することなく直列接続が可能であり、小型・軽量・安価な燃料電池の提供。
【解決手段】 エンドプレートとしてプリント基板を用いることを特徴とするもので、複数の単位セルを直列接続する際の配線や外部回路との電気接続用端子等の周辺回路を燃料電池本体と一体化するとともに、燃料電池本体の機械的強度と電極との良好な接触の維持を、安価で汎用の材料で実現できる。また、金属メッシュの表面粗度を特定の値に限定することにより、比較的低い押圧の下でも燃料電池電極と良好な接触導電性を持つことを特徴とするものである。これらの結果、高出力でありながら小型・軽量・安価な燃料電池が実現される。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池の構造に関する。
燃料電池は、燃料として気体または液体の燃料を用い、酸化剤として酸素または空気を供給することによって起電力を発生させる装置であり、通常、プロトン伝導性の電解質を、酸化触媒を含有する電極で挟んだ構造を有し、所望の起電力を得ることができるものである。このような燃料電池は、電気自動車や定置型発電への応用が期待されており、実用化に向けて開発が進められているが、かかる用途の他、軽量化や小型化が容易であるという利点を活かして、新たな用途への応用も検討されている。例えば可搬の電気機器において、現状の乾電池や充電式電池に代わる新たな電源としての用途が挙げられる。
可搬の電気機器に使用できる小型軽量な燃料電池については、各方面で研究が進められており、PEMFCと称される水素を燃料とする方式とDMFCと称されるメタノール等の液体燃料を用いる方式のいずれかを選択するのが一般的である。PEMFCでは水素ガスを貯蔵または発生させる機構が必須であり、これらの機構の占める体積・重量・コストが大きいという問題がある。一方DMFCでは、水素ガスの貯蔵や発生させる必要はないが、液体燃料の触媒酸化反応の速度が遅いために出力密度が低いという問題があり、一長一短と言われている。本発明はこの両者どちらにも応用可能なものであるが、DMFCに用いた時に特に好ましい効果が際立つものである。
燃料電池の理論発電電圧は1.23Vであり、一般的な乾電池の実用電圧は1.5Vであるから、燃料電池を乾電池代替用途として用いる場合、複数の単位セルを直列に接続して使用する必要がある。そして通常は、複数の単位セルの間に導電性でなおかつ燃料やガスを拡散させることのできるセパレーターを用いたスタック構造体として用いられることが多い。セパレーターは耐腐食性金属成形体や固形カーボンブロック等の導電性材料で作られ、燃料電池の電極と密着させることによって発生した電流を伝導し外部配線に接続する集電体としての役割と表面に設けた溝等を用いて燃料や酸化剤を流路或い拡散によって触媒電極に供給させる役割を持つ。一般的にセパレーターには高精度・高剛性・耐食性・低抵抗等の要求品質がきわめて高く、それゆえに厚く、重く、さらには燃料電池本体の製造コストの1/3を占めるといわれるほど高コストになるという問題があった。
このようなセパレーターとしては、例えば特開2001−250565号公報(特許文献1)に厚さ4mmのステンレス板を表面処理してなるものが開示されているが、前述のとおり、厚く、重く、高コストなものであった。
特開2001−250565号公報
一方、エンドプレートは、単位セルの両端、または複数の単位セルの間にセパレーターを挟んだスタック構造体の両端に存在するものであり、同構造体に強い押圧力を均等にかけるために、厚い特殊金属板やエンジニアリングプラスチックなどの厚板で非常に剛性が高いものが使われるのが普通であり、加工が難しい上に材料費がかさみ、体積・重量共に大きくなって燃料電池全体のコストと体積を増大させる要因となっていた。
本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたものであり、高コストなセパレーターやエンドプレートを使用することなく直列接続が可能であり、小型・軽量・安価な燃料電池を提供することを目的とするものである。
上述の目的を達成するために、本発明の燃料電池は、エンドプレートとしてプリント基板を用いることを特徴とするもので、複数の単位セルを直列接続する際の配線や外部回路との電気接続用端子等の周辺回路を燃料電池本体と一体化するとともに、燃料電池本体の機械的強度と電極との良好な接触の維持を、安価で汎用の材料で実現できるものである。
本発明はまた、金属メッシュの表面粗度を特定の値に限定することにより、比較的低い押圧の下でも燃料電池電極と良好な接触導電性を持つことを特徴とするものである。これらの結果、高出力でありながら小型・軽量・安価な燃料電池が実現される。
本発明は、燃料電池に適当な表面形態を持った集電体を用いることによって、低い面圧でも接触抵抗は低くなるため、薄いエンドプレートを採用することができ、さらにエンドプレートにプリント基板を用いることによって周辺の回路を燃料電池本体に載せることができるため、小型・軽量・安価・高信頼性を兼ね備えた燃料電池を得ることができるものである。
以下、本発明の燃料電池について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の燃料電池の一例を示すものである。本例では、共通の燃料タンクを真中にして、カソード側を外側に2つの単位セルを向かい合わせに配置したもので、一方のエンドプレートは表面にプリント配線を有するプリント基板であることが特徴である。両端のエンドプレートと中央の燃料タンクの間に挿入されるMEA(触媒層付き電解質膜)にはカソード側、アノード側のそれぞれに集電体が密着され、集電体の端部はエンドプレート上の回路に結合される。
図1は2つの単位セルを組み合わせたものであるが、1つの単位セルのみの電池にすることも可能であり、この場合は燃料タンクより左側の部材(左側のMEAおよびエンドプレート)は必要なくなり、代わりに燃料タンク内の燃料が漏れないような壁が燃料タンク左側に設けられる。2つの単位セルを背中合わせではなく、並行に設置することや3つ以上の単位セルを密着させてスタックにすることももちろん可能であるが、このような場合は図1の構造と異なってカソードが外気開放とならない面が生じるために、カソードに空気あるいは酸素等の酸化性物質を供給するための流路や空隙を設けることが好ましい。
MEAに燃料と酸化剤とを供給する方法として、最も軽量で安価になり得るのは、一般的にパッシブ型と呼ばれる燃料も空気も自然対流によって供給される方式であり、比較的小電力で小型・軽量の燃料電池には好ましい方式である。一方で、燃料と酸化剤の一方あるいは両方を、機械力や圧力によって流通させるアクティブ型と呼ばれる方式にすることも可能である。この場合、機械力を賄うための機器類のコストとエネルギーが余分にかかりかつ大型の燃料電池となるが、カソードを外気開放にする必要が無く、多数の電池セルを密着して重ねて大電力を取り出すことができる。本発明の燃料電池は、これらのいずれの方式でも好ましく用いることができるが、小型・軽量・安価という特徴が活かせると言う意味でパッシブ型の方がより好ましい。
図1に記載の2つの単位セルには各1枚のMEAが組み込まれる。このとき燃料や酸化剤の漏れを防止するために両単位セル間にガスケットやO−リングをはさんだり、あるいは燃料タンクやエンドプレートに段差を設けたりシール剤を塗ったりすることも可能である。
図2では各部材に合計8本のビス孔を開け、全体をビス等の締結材で締め付ける構造を示している。ビスは図1に示すように全体を貫通して両側のエンドプレートを締結するが、このビスで好みの集電体の一端をエンドプレート表面に締結することにより、集電体からエンドプレート表面のプリント配線へと確実な接触を取ることができる。また、図2に示すように表裏2つのセルの任意の集電体同士を同じビスで締結することにより、2つのセルを直列または並列に接続することも可能である。すなわち、ビスは複数の単位セルまたはスタックを締結する機能の他に回路の一部として機能する場合がある。ビスには一般的な金属製の他、絶縁したい場合にはエンジニアリングプラスチックやナイロンなどの樹脂製なども使うことができる。
また、締結にはビスの代わりに接着剤を用いることも可能である。接着剤では、集電体とプリント配線との接触や回路の一部となるという機能は有しないが、適当な接着剤を選択した場合には、漏れ防止の機能を利用することにより、電池の小型・軽量化ができるという利点がある。接着剤は特に限定しないが、エポキシ系およびポリエステル系接着剤が接着力と化学的耐久性が高く、燃料や酸化剤と接触しても長期間安定して用いることから好ましい。
図1に示す燃料タンク枠は燃料を保持あるいは流通させるための部材であり、材質は燃料と干渉せず電気絶縁性のものが使用できる。枠とガスケットは一体であっても別体であっても良い。枠内にはエンドプレートからMEAにかかる圧力に対向するためのタンク内スペーサーを入れることが好ましい。タンク内スペーサーは燃料に耐性のあるものが使用でき、ポリエチレン製ネットや燃料を通す溝を掘り込んだプラスチック製ブロックなどを用いることができる。タンク内スペーサーはタンク枠あるいはガスケット等のいずれとも一体でも別体でもどちらでも良い。
MEAは電解質膜とその両側の触媒層および拡散層で構成される。電解質膜にはプロトン導電性のあるものを用いることができるが、特に好ましいのはデュポン社のナフィオン(登録商標)膜に代表されるパーフルオロオレフィン系のイオン交換膜や多孔質基材の細孔内にイオン交換能を有するポリマーを充填させた方式のイオン交換膜が挙げられ、その他の炭化水素系イオン交換膜や無機系イオン交換膜なども好ましく用いることができる。触媒層や拡散層は一般的に知られた組成で、一般的な方法で作ることができる。
以上のような構成をもつ燃料電池で、本発明の特徴となっているのがエンドプレートと集電体である。エンドプレートについては、前述のとおり従来、カーボンブロックや厚い特殊金属板など、場合によってはポリカーボネートやエンジニアリングプラスチックなどの厚板で非常に剛性が高いものが使われるのが普通であり、加工が難しい上に材料費がかさみ、体積・重量共に大きくなって燃料電池全体のコストと体積を増大させる要因となっていた。
そこで、本発明では、プリント基板をエンドプレートに用いて、少なくとも一方のエンドプレート上にプリント配線を形成することにより、軽量・安価な上に燃料電池の周辺回路を電池本体に内蔵させることができ、信頼性や体積効率も増大させたものである。本発明で使用できるプリント基板は、FR−4(ガラスエポキシ基板)、CEM−3(ガラスコンポジット基板)、FR−3(紙エポキシ基板)、FR−1(紙フェノール基板)等の汎用規格品の他、ポリイミド基板や、PEEK樹脂基板または金属芯入りプリント配線板なども同様に好ましく用いることができる。
プリント配線の形成法としては、従来の銅張積層板などの金属箔張積層板のパターニング方法が好ましく用いることができる。当該基板の表面に銅やアルミ、銀、金、ニッケル、チタンなどの金属配線を形成する。エンドプレート上に形成されたプリント配線にLEDや抵抗器などの電子部品を実装し、燃料の残量や電圧、電流値を表示したり、電圧を昇圧させるコンバーターや出力を制御する安定化電源回路、燃料や酸化剤の供給を制御する補器回路などを形成することも可能である。従来、これらの部品は燃料電池本体とは別の場所に置き、リード線で接続するのが普通だったから、本発明により大幅に部品点数の削減や小型化が可能である。また、基板の多層化や樹脂モールド等の方法により集積化と信頼性をさらに向上させることもできる。
このようにプリント配線付きエンドプレートは利用価値の高いものであるが、汎用品として多量に安価に使われているプリント基板の標準規格品には、従来エンドプレートとしても用いられてきたような4〜100mmという厚い板が存在しないという問題がある。そもそもエンドプレートに厚い板を用いる理由は、燃料電池全体を強い力で締め付けることによってMEAとセパレーターまたは集電体に均一に接触面圧を与え、MEA表面のカーボン層と集電体との間の接触抵抗を下げることにある。
この接触抵抗を下げるためにセパレーター表面に耐食性のある金属コーティングを施す方法が特許文献1に開示されているが、その効果は十分でない。同公報の実施例としては4mmもの厚さを持つステンレス板を使用し、金をプレーティングすることが開示されている。
また、当該文献では耐食性の効果について実証していないが、この方法で示された固体プレーティング法ではピンホールが残るために母材が部分的浸食を受けることは避けられないという問題点は良く知られており、耐食性についても優れた方法とは言い難かった。
本発明はエンドプレートにプリント基板を用いることを第1の特徴とするが、一般に安価に流通するプリント基板の標準規格品は厚さ2mm以下であり、例えば前述の特許文献1に開示されるような厚さ4mmのステンレス板と同等の剛性は持っていないため、この剛性を得るためには特別に厚いプリント基板を作製するか、複数枚のプリント配線基板を重ねるなどの方法が必要となる。
しかし、本発明の第2の特徴として特定の集電体を用いることにより厚さ2mm以下のプリント基板からなるエンドプレートでも十分低い接触抵抗を実現することができる。
従来の一般的な燃料電池の集電体とは、例えば前述の特許文献1に開示されるような表面に流路を彫りこんだ剛体のセパレーターであり、流路以外の面でMEAに接触し、流路には燃料または酸化剤を流通させる方式である。
これに対して、本発明でいうところの特定の集電体は金属メッシュであり、開口面積を大きくできるため、改めて流路を掘りこまなくても、燃料や酸化剤は拡散によって十分な流通が得られるものである。
メッシュ集電体自体は以前から知られてはいたが、MEAとの接触圧力をよほど高くして集電体がMEAに食い込むほどにしないと接触抵抗が高いために、発電された電力を効率よく外部へ取り出せないという事情があり、厚くて剛性の高いエンドプレートが必須であった。
本発明者らは鋭意検討の末、メッシュ状の集電体でMEAとの接触表面を平滑にしたものは、それほど高い接触面圧をかけなくても接触抵抗が低くなることを発見した。具体的にはパンチングメタルやエキスパンドメタル、金網などのメッシュ状の構造を持った集電体で、なおかつMEAとの接触表面の粗度が一定以下のものを用いることである。これらのメッシュ状集電体のうち、パンチングメタルは開口面積に限りがあり、開口部と接触部分のパターンもあまり細かくすることができないために、MEA表面での横方向への拡散や導電性の制約が生じて高出力を得難いという問題があるが、表面に溝を彫ったり、波型成形をしたりといった改良によってより好ましく用いることもできる。
また、金網は織り目があるために接触表面での凹凸が激しく、接触面積を得るためには高い接触圧力が必要となる上、網目と直交する方向の金網内の導電性が良くないと言う問題があるが、織り目を押しつぶしたり溶接したりしてより好ましく用いることもできる。
従って、最も優れているメッシュ状集電体はエキスパンドメタルである。これらメッシュ状集電体の材質は、耐食性とMEAとの接触抵抗が良好なものが使用できる。接触抵抗の低い金や白金が好ましく用いられるが、特にチタンは耐食性があり、軽量安価である一方、接触抵抗が大きいため特に著しい効果が得られるものである。
エキスパンドメタルの規格は板厚、線巾、開口率などで定義される。板厚は薄すぎれば強度が不足し、厚すぎれば重く高価になるため好ましくなく、好ましくは0.01〜1mm、さらに好ましくは0.05〜0.5mmである。線幅についてはあまり細いものは製造困難であり、0.02〜1mmが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.5mmである。開口率は50%以上95%以下が好ましく、さらに好ましくは60%以上90以下である。以上の定義はエキスパンドメタルとしては一般的なものであるが、これに加えて本発明者らはMEAとの接触部分での表面粗度が接触抵抗を左右することを見出し、好ましい表面粗度を明らかにすることによって本発明を完成するに至った。
本発明において好ましい表面粗度は算術平均粗さ(Ra)で10μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。算術平均粗さとは2001年版JIS B0901に定義されるものであり、同じくJIS B0633で設定される基準長さにおける凹凸の大きさの算術平均値として定義される。本発明で問題とする表面とは集電体とMEAとの接触面なので、MEAと接触しない集電体側面の表面粗度等は対象外である。実際の表面の粗度は、原子間力顕微鏡や、レーザー顕微鏡、接触式表面粗さ計等で測定することができる。
集電体の表面粗度によって接触抵抗が影響され、最適値が存在する理由は次のように説明できる。
まず、MEAに金属セパレーターあるいは集電体を接触させて導通を得る場合、接触面圧が一定以下では接触抵抗が著しく高くなることは良く知られた事実であり、前述の特許文献1にも明らかにされている。この理由は、セパレータや集電体などの材料の最表面には肉眼では確認できないほどの微小な凹凸があるため、外形の計算上得られる接触面積に比べて真に接触する面積は限られたものとなるからである。さらにMEAの表面を構成するカーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンペーストなどはいずれも非常に粗度の高いものであるので、両者を単に接触させただけでは真の接触面積は著しく小さいものとなり、接触抵抗が高くなってしまう。そこで一般的に強い面圧で押しつぶすことによって真の接触面積を広くすることが行われているが、本発明によれば集電体の表面平滑性を一定以上に上げてやれば低い面圧でも十分に真の接触面積が得られるために接触抵抗が低くなることを見出したものである。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を実施例として挙げ、これを比較例と対比しながら説明する。
(実施例1)
まず、図2に示す構成の燃料電池を実際に作製してその効果を実証した。図2に示すエンドプレートとしては長辺が66mmの正方形で厚さ2mmのFR−4基板を用いドリル加工によって孔を空けた。ドリル孔は組み立て用に周辺部に直径2.2mmの孔を8個明け、MEAのカソード電極の表面に位置する部分には直径5mmの孔を48個明けて外気流通孔とした。
図2の回路付きエンドプレートとしては縦75mm横66mmの変形長方形で厚さが2mm、外面側に厚さ100μmの銅箔を貼ったFR−4銅張積層板を用い、図3に示す銅箔回路をパターニングしたものを使用した。
図2の燃料タンク枠としては厚さ3mmのアクリル板を枠状に加工したものを使用し、枠内部に厚さ4mmのポリエチレン製ネットを挿入した。
MEAとしては、電解質膜としてポリエチレン製多孔質膜に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびN,N’−メチレンビスアクリルアミドを主成分とする電解質ポリマーを充填した電解質膜を使用し、酸素極用に白金担持カーボンおよび燃料極用に白金ルテニウム合金担持カーボンを含んだ反応層塗料をそれぞれ用い、25cm2の面積にカーボンペーパー上にスクリーン印刷したものを、当該電解質膜の両側に熱圧着してMEAとした。
MEAの両側には厚さ0.1mmのチタン製エキスパンドメタル集電体をのせ、さらにエキスパンドメタル上には面圧を調整するための厚さ0.5mmのポリエチレンネットを乗せてエンドプレートで全体を挟み、8本のM2×12mmのビスで締め付けた。このときの接触面全体の平均面圧は1kg/cm2であった。集電体には厚さ0.05mm、巾8mmのチタン板を溶接し、電池外へ電気を取り出すための導線として、本体の締め付けビス(M2×12mm)によって回路付きエンドプレート上のプリント回路に締結した。
用いたエキスパンドメタルは、0.1mm厚のチタン板をエキスパンド加工した後、表面の凹凸を最適化するためにフラット加工で表面の凹凸を押しつぶしたもので、その表面粗度を原子間力顕微鏡(AFM)で測定したところ、長さ20μmの間で測定してRaが0.08μmであった。なお、測定は端面や明らかな傷は避けてMEAとの接触面でn=5で行った数字の平均値である。
このようにして構成された燃料電池のタンク内に3mol/Lのメタノール水溶液6mlを満たし、酸化剤を空気とした。I−V特性を測定したところ、0.68Aのときに1.2Vを示したので、1単位セル当たり30℃で0.41Wの最高出力が得られた。次に、プリント基板用のソケットを備えた市販の可搬電気機器のソケットに当該燃料電池を差込んだところ良好に作動させることができ、燃料の交換などの時にはソケットから燃料電池本体を外して容易にメンテナンスをすることができた。
(比較例1)
実施例1の集電体のエキスパンドメタルを、材質寸法規格は同じでフラット加工していないものを用い、両側のエンドプレートを両方ともプリント回路の無いものとした他は実施例1と同じ燃料電池を作製した。フラット加工していない集電体の網線はMEAとの接触表面に対してねじれて斜めに接触する形となっているため平面的な接触部分が無く、粗度が高すぎてAFMによる測定ができなかった。そこで表面粗さ計による測定を行った所、長さ4mmの測定をn=5で行って粗度は67.4μmであった。
この燃料電池で、実施例1と同じ方法で単位セル当たりの最高出力を測定したところ、0.13Wと著しく低い値となった。この理由は集電体とMEAとの間の接触抵抗が高いためだと思われる。また、集電体および導線の材質であるチタンにははんだ付けができないため、導線に圧着端子で市販の被覆銅線を圧着して回路を形成し、ソケットを備えない他は実施例1と同じ可搬電気機器に取り付けたが、取り付けが非常に困難であり、燃料交換時には当該可搬電気機器ごと逆さにして使用済み燃料を排出するしかなく、きわめて操作性が悪かった。
本発明の燃料電池は、適当な表面形態を持った集電体を用いることによって、低い面圧でも接触抵抗は低くなるため、薄いエンドプレートを採用することができ、さらにエンドプレートにプリント基板を用いることによって周辺の回路を燃料電池本体に載せてることができるため、小型・軽量・安価・高信頼性を兼ね備えたものである。
上記の特性を生かし、この燃料電池は特に可搬の電気機器における、現状の乾電池や充電式電池に代わる新たな電源としての用途に極めて有用である。
本発明の燃料電池の一例を示す断面図。 図1で示される構造の燃料電池を構成するMEA、エンドプレートおよび燃料タンクの正面図。 図1で示される構造の燃料電池を構成する表面にプリント配線パターン(周辺部の白抜きで表示した箇所)を形成したエンドプレートの正面図。
符号の説明
1 集電体
2 締結ビス
3 エンドプレート
4 ガスケット
5 プリント配線を有するエンドプレート
6 MEA
7 燃料タンク枠
8 タンク内スペーサー
9 配線パターン

Claims (2)

  1. 単位セルおよび集電体からなるユニットまたは複数の単位セルと集電体とからなる積層体を、エンドプレートで支持してなる燃料電池において、当該エンドプレートとして表面にプリント配線を有するプリント基板を用いることを特徴とする燃料電池。
  2. 集電体が、単位セル中の触媒層または拡散層との接触面の表面粗度が算術平均粗さで10μm以下の金属メッシュであることを特徴とする請求項1の燃料電池。
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