JP2006200521A - 尿素水タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】 本体を折曲げ部近傍における面剛性の高い位置で溶接して箱状に成形して
熱歪を小さくするとともに側面に凹部を設けて耐圧性および耐震性を向上した尿素水タン
クを提供することを課題とする。
【解決手段】 タンク本体が正面を狭幅とした直方体形状の板金製箱体であって、側
面には複数の凹部を設け、前記側面の折曲線近傍で両端部を接合し、この接合線の近傍に
少なくとも1つ前記凹部を配置するように構成して、壁面強度を高めるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車用排ガス浄化装置に用いられる尿素水タンクに関するものである。
従来、ディーゼルエンジン用排ガス浄化装置では、排気管のNOx還元触媒配置部の入
口側に尿素水を還元剤として噴霧する型式の浄化装置が開発されている。この浄化装置で
は、エンジンからの排ガスを排気管の途中に組み込まれたNOx触媒コンバータ内に収容
されたNOx還元触媒の入口側又は入口側配管中に、還元剤として尿素水又は尿素水から
生成されたアンモニアガスを噴射し、NOxを選択還元して、最終的に窒素ガスと水とに
分解する(特許文献1〜6)。
このような働きをする浄化装置も細部については、各社各様であり、各社それぞれに工
夫の跡が偲ばれる。例えば、尿素水の供給、保持に関しても、尿素粉末を尿素水タンクに
供給して尿素粉末を水と攪拌混合するようにしたもの(特許文献2)があれば、ガソリン
スタンド等の供給元から燃料タンクの側部に配置された尿素水タンクに尿素水を補充して
もらうようにしたもの(特許文献3)もある。また、尿素水を尿素水タンクや供給配管に
設けられたヒータにより適当な温度範囲に温度管理して供給するもの(特許文献1,6)
があれば、尿素水からアンモニアガスを生成してアンモニアガスタンクに貯蔵し、そのア
ンモニアガスを排気管中に供給するもの(特許文献4)もあり、また複数の触媒を使用し
、そのうちの選択的接触還元触媒の直前に尿素水又はアンモニア水溶液或いは液体アンモ
ニアを噴霧して供給するようにしたもの(特許文献5)もある。
特開2000−027627公報 特開2002−166130公報 特開2003−278532公報 特開2004−108185公報 特開2004−218475公報 特開2004−270609公報
〔従来技術の問題点〕
従来におけるディーゼルエンジン用排ガス浄化装置に用いられる尿素水タンクでは、タ
ンクの仕様は、使用車両に合わせて個別に設計製作されているため、多くの会社の多くの
車種に合わせて設計されるから、多様な仕様の尿素水タンクが設計されることになり、多
様な形態の尿素水タンクの製造が要求されている。そして、多種の仕様に応じるようにす
るため、外部に設けられる装置の影響が大きくなり、取り付けられる配管類の数およびそ
の位置が異なることから、タンクの製造品種がさらに多くなる。
尿素水タンクの本体は、車載上の設置スペースの制約から、可能な限り幅の狭いものが
要求されている。このため本体を形成するには、長い板材を平面形状が略四角形となるよ
うに折り曲げ、端部を合わせて溶接することにより本体側面部を形成し、この部材に上面
を形成する板材と底面を形成する板材とをそれぞれ溶接することによって幅の狭い板金製
箱体を形作っているが、大型車両のタンクでは、容量が大きくなるため、タンク自体が大
きくなり、本体側面部と、その周縁部に合わせて折曲げ成形した上面板、底面板を溶接す
ると、熱影響を受けて上面板と底面板に比較して側面板が大きく歪み、容量の低下、見栄
えの悪化等が生じる。また、タンクの側面は表面積が大きいため面剛性が低いから、製造
時における側面板の溶接を側面中央部で行なうと側面板のひずみが大きくなり、さらに側
面板の内面側にバッフルを溶接してタンク内にバッフルを設けると接合部に高応力が発生
する。
さらに、尿素水に腐食性はないが、加水分解により生じたアンモニアは強い腐食性を有
するため、耐食性を考慮してタンク材質にはステンレス鋼を用いている。このため、通常
の構造用鋼材に比較して線膨張係数が1.5倍高く、溶接による熱影響を受け易い。
本発明は、従来の技術における前記問題点に鑑みて成されたものであり、これを解決す
るため具体的に設定した課題は、本体を折曲げ部近傍における面剛性の高い位置で溶接し
て箱状に成形して熱歪を小さくするとともに側面に凹部を設けて耐圧性および耐震性を向
上した尿素水タンクを提供することにある。
本発明における前記課題が効果的に解決される尿素水タンクを特定するために、必要と
認められる事項の全てを網羅して、具体的に構成された、課題解決手段を以下に示す。
尿素水タンクに係る第1の課題解決手段は、タンク本体が正面を狭幅とした直方体形状
の板金製箱体であって、側面には複数の凹部を設け、前記側面の折曲線近傍で両端部を接
合し、この接合線の近傍に少なくとも1つ前記凹部を配置したことを特徴とするものであ
る。
尿素水タンクに係る第2の課題解決手段は、前記タンク本体の内面側には前記各凹部よ
りもタンク端部寄りの位置に各バッフルプレートを配設したことを特徴とする。
尿素水タンクに係る第3の課題解決手段は、前記タンク本体の正面には上部に突出した
注入口を備え、この注入口の円筒部材の外周に鉤部品を設け、前記円筒部材の開口端に嵌
着する蓋には前記鉤部品から突出した舌片が挿入される舌片係合溝を刻設したことを特徴
とする。
尿素水タンクに係る第4の課題解決手段は、前記タンク本体の上面に着脱自在に取り付
けた蓋パネルと、この蓋パネルにまとめて固着した尿素水供給用配管、尿素水温度管理用
配管、各種測定用配管およびエアー抜き用配管からなる配管組立部材とを備え、前記尿素
水温度管理用配管を前記タンク本体の底部および前記測定用配管の側面近傍に配設すると
ともに前記尿素水温度管理用配管の前記タンクの底部に位置する部分の周辺部に放熱板を
設け、この放熱板により前記尿素水供給用配管の吸引口と前記測定用配管の下端部を包囲
したことを特徴とする。
尿素水タンクに係る第5の課題解決手段は、前記尿素水供給用配管と前記尿素水温度管
理用配管とは前記タンク本体内で熱伝導可能に接合したことを特徴とする。
本発明において、尿素水タンクに係る第1の課題解決手段では、側面には複数の凹部を
設けて面剛性を高め、側面の折曲線近傍の面剛性が高い位置で両端部を接合し、この接合
線の近傍に少なくとも1つ前記凹部を配置して面剛性を高めたことにより、端部の接合に
よる熱歪を少なくすることができる。
さらに、幅広側の側面に複数の縦長の凹部を設けたことにより、タンク壁面の耐圧性お
よび耐振性を向上することができる。
尿素水タンクに係る第2の課題解決手段では、バッフルをタンク本体内に配設し接合し
たことによって、バッフルの接合部に係る応力が低減されるとともに、タンク本体の中央
部に大きな空間を形成でき、配管等を中央部にまとめて収容することができて、配管等の
収容作業を容易にして作業効率を向上するとともに配管等をバッフル同様の防振部材とし
て利用できるようにする。
尿素水タンクに係る第3の課題解決手段では、注入口の円筒部材の外周に鉤部品を設け
、円筒部材の開口端に嵌着する蓋には鉤部品から突出した舌片が挿入される舌片係合溝を
刻設したことにより、鉤部品を操作して舌片を舌片係合溝から抜かない限り、嵌着された
蓋を円筒部材から外すことができなくなり、悪戯あるいは故意に蓋を外されることが防止
でき、不用意に蓋が開いて尿素水に不純物や異物が混合される等の不具合発生要因を除く
ことができる。
尿素水タンクに係る第4の課題解決手段では、蓋パネルに各配管をまとめた配管組立部
材を取り付けたことにより、蓋パネルをタンク本体の上面に取り付けることで、使用され
る配管類がまとめて容易に取り付けられるようになり、尿素水タンクを作業性良く製造す
ることができる。さらに、前記尿素水温度管理用配管をタンク本体の底部および前記測定
用配管の側面近傍に配設するとともに前記尿素水温度管理用配管のタンク本体の底部に位
置する部分の周辺部に放熱板を設け、この放熱板により前記尿素水供給用配管の吸引口と
前記測定用配管の下端部を包囲して、タンク底部に配設された尿素水供給用配管の吸引口
と測定用配管の下端部との周辺部が、解凍又は保温されて、尿素水を好ましい温度範囲で
吸引あるいは測定することができる。
尿素水タンクに係る第5の課題解決手段では、タンク本体内に配置された尿素水供給用
配管と尿素水温度管理用配管とが熱伝導可能に接合されたことにより、接合長さが長いほ
ど熱伝達率が高くなり、効果的に尿素水を解凍または保温することができて、尿素水の供
給が寒冷時においても詰りなどの支障を来たすことなく供給することができる。
以下、本発明における最良の実施形態を具体的に図示説明する。
なお、この実施形態は、発明の主旨をより良く理解できるようにするため具体的に説明
するものであり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
〔構成〕
この実施形態における尿素水タンク10は、図1に示すように、板金製箱体で、燃料タ
ンクの側方に配置できるように側面の大きさを燃料タンクの側面断面の大きさと略同じ程
度にするとともに必要な容積に応じた幅の直方体に形成し、正面10aの上部に円筒部材
11a(図6参照)を貫通させた注入口11を設け、上面10bには各種配管を一括して
挿入可能な開口10c(図6参照)を開設し、この開口10cに被着する蓋パネル12に
配管組立部材としてパイプアセンブリ13をユニット化して取り付け、パイプアセンブリ
13は蓋パネル12を貫通して設ける各種配管を開口10cから装入できるように近接し
てまとめ、各種配管の上端部を蓋パネル12の上側に突出するとともに各種配管の主要部
を蓋パネル12の下側に突出して、外部配管の接続を容易にするとともに尿素水タンク1
0への取り付けを容易にする。
パイプアセンブリ13として組み込まれるのは、識別センサ保護配管14a(図15参
照)を備えてタンク内の尿素水濃度が規定の濃度が維持されているか調べる識別センサ1
4、水位センサ用配管15a(図15参照)を備えて尿素水の水位が規定の範囲にあるか
調べる水位センサ15、尿素水温度管理用配管16a(図15参照)を備えて管内流体の
熱により尿素水を温める解凍及び保温システム16、および尿素水供給用配管17aと尿
素水戻し用配管接続部17bとエアー抜き用配管17cとこのエアー抜き用配管17cの
上端部に接続して溢れた尿素水を外部に放水する溢水放出用ホース17dとを備えた尿素
水系配管17等がある。
図2〜5に示すように、尿素水タンク10の上面10bには、パイプアセンブリ13を
装入するための開口10cを設け、その開口10cの周囲に肉厚部10dを形成してパッ
キン18を介して蓋パネル12を着脱自在に取り付けることができるようにする。また、
下面には、ドレン孔10eを設け、ナット又は中心部に同心的に孔を開けたボルトを溶接
して、その箇所にパッキンを介してボルト又は袋ナットを盲蓋19として螺合し、盲蓋1
9を外すことによって排液可能にする。
さらに、側面板10fには、バッフルプレート配設位置の中間部を略3等分する位置に
、縦長の凹み10g,…,10gを設ける。
尿素水タンク10の内部には、中央部の上下位置に丸孔20a,20aを穿設した各バ
ッフルプレート20,20を、同方向に折り曲げた側端部20b,20bを対向するよう
に配置して、側端縁を側面板10fに溶接して固着する。
側面板10fの前方側の上端部には縦方向に長い液量確認用のレベルゲージ10hを設
け、上面10bを形成する板材の背面側の上端部に横方向に延びる取手10iを設けて、
取付け作業および取外し作業を行なうときにタンクの扱いを容易にする。
尿素水タンク10の板金製箱体を形成する本体は、図1、図6〜8に示すように、側面
板10fの幅広側の側面には複数の縦長の凹み10g,…,10gを設け、側面板10f
の折曲部の近傍で両端部を溶接し、この溶接線10jの近傍に少なくとも1つ凹み10g
を配置する。この凹み10g,…,10gを両側から挟むようにして各バッフルプレート
20,20を凹み10g,…,10gよりも前後の両端側に寄った位置に配置する。
正面10aの上部に注入口11を形成するための円筒部材11aを貫通して上向きに傾
斜した状態で貫通箇所を溶接し、この円筒部材11aの外周面に鉤部品11c(図9参照
)を取付けるためのブラケット11bを設けて、ブラケット11bに固着された鉤部品1
1cにより注入口11の円筒部材11aに嵌め込んだ蓋11d(図9参照)を位置固定で
きるようにする。
尿素水タンク10の上面10bには、パイプアセンブリ13を装入するための開口10
cを設け、その開口10cの周囲に肉厚部10dを形成してパイプアセンブリ13を組み
込んでから蓋パネル12を肉厚部10dに着脱自在に固着できるようにする。
尿素水タンク10の側面板10fには、バッフルプレート配設位置の中間部を縦列に略
3等分する位置に、それぞれ深さが浅く、幅が広めで、縦長の形状になるように内面側へ
凹ませて形成した凹み10g,…,10gを設け、側面板10fに凹凸を形成して剛性を
高める。
尿素水タンク10の内部には、中央部の上下位置に丸孔20a,20aを穿設するとと
もに側端部20b,20bを同方向に折り曲げた各バッフルプレート20,20を、それ
ぞれ折り曲げた側端部20b,20bを対向するように配置し、各バッフルプレート20
,20の側端縁を側面板10fに断続溶接して固着する。
注入口11を構成する部品は、図9に示すように、タンク側に設けた円筒部材11aと
、この円筒部材11aの外周に設けたブラケット11bに固着した鉤部品11cと、円筒
部材11aに嵌め込む蓋11dとからなる。
円筒部材11aは、図9,10に示すように、開口側の端部の円筒内に形成された一部
に幅広部品(係合突起部32、図12参照)を通過させるための溝25aを設けた係止孔
25を設ける。
鉤部品11cは蓋11d側に突出する舌片21aを有するシリンダキー型の鉤部21を
設ける。
蓋11dは、図9,11〜13に示すように、手で扱い易くするため外周に凹凸を形成
し、円筒部材11aとの係合側には円筒部材11aに嵌め込む円筒状又は円柱状の挿入部
31を設け、この挿入部31には先端に円筒部材11aの開口側の端部に形成された円筒
内の係止孔25の平面形状に合わせて挿入部31よりも放射方向に突出するように形成さ
れた係合突起部32を設け、挿入部形成箇所の最奥部には弾性部材からなる漏れ止め用の
シール部材33を嵌着し、係合突起部32を有する挿入部31を係止孔25に通してから
蓋11dを回動することにより係止孔25の縮径部が係合突起部32と係合して抜けなく
なるとともにシール部材33が円筒部材11aの開口端に密着して注入口11から尿素水
が漏れ出るのを防止する。
また、蓋11dには、蓋11d側の係合突起部32が円筒部材11a側の係止孔25の
縮径部と係合して抜けなくなる位置にあるときに、鉤部品11cの舌片21aが突出する
位置に合わせて舌片係合溝34を刻設する。この舌片係合溝34は、舌片21aが突出し
て舌片係合溝34に入る場合に蓋11dが係止孔25の縮径部と突起部との係合を外す位
置まで回動しないように回り止めとして機能する周方向の大きさを有する溝に形成する。
蓋11dが円筒部材11aに嵌め込まれた場合に、鉤部品11cにキーを差し込んで捻
ることにより、組み込まれた舌片21aが外方へ突出して蓋11dに係止するようになり
、蓋11dの抜落ちが避けられる。
パイプアセンブリ13は、図14〜19に示すように、識別センサ14、水位センサ1
5、解凍及び保温システム16及び尿素水系配管17等をまとめてユニット化したもので
、蓋パネル12を貫通して下方へ垂下した各配管14a,15a,16a,17aを、尿
素水温度管理用配管16aの下端部で放熱板となる薄板材41により囲うことにより配管
の一体化を行なう。
薄板材41は、側面板41a,41a,41b,41bと底面板41cとを配管16a
にろう付けして放熱板として利用し、上面板41dはグロメット42,42を介して位置
決めすることにより各配管14a,15aの位置決め用としても利用する。
また、尿素水温度管理用配管16aと尿素水供給用配管17aとは、蓋パネル12の直
下の近傍でも小薄板材41e,41f,41gをろう付けしてタンク上部でも凍結しない
ように配慮する。また、小薄板材41e,41f,41gのろう付け前には、尿素水温度
管理用配管16aと尿素水供給用配管17aとを仮止めするために、小薄板材41gのろ
う付け位置の下側に位置する直線部に小薄板材41hを溶接しておく。
解凍及び保温システム16と尿素水系配管17とのフランジ部下方へ垂下した各配管1
6a,17aは垂下途中の直線部をろう付けする。尿素水温度管理用配管16aは解凍用
ヒータパイプ、尿素水供給用配管17aはタンク内の尿素水を吸引する尿素水供給パイプ
である。この2つの配管16a,17aはろう付けによって一体化されているため、尿素
水温度管理用配管16aからの熱が尿素水供給用配管17aに効率良く伝達されて尿素水
の解凍を速めると共に所定温度に昇温して、尿素水の吸引供給を均一かつ確実に行なえる
ようにする。
識別センサ14と水位センサ15とのフランジ部下方へ垂下した各配管14a,15a
は、側面板41a,41a,41b,41bと上面板41dと底面板41cとからなる薄
板材41の各部に直接接触しないように、上面板41dに嵌め込まれたゴム製のグロメッ
ト42,42を介して位置決めする。
グロメット42は、図17,20〜21に示すように、外周面42aと内周面42bと
が同心円となるように形成し、外周面42aには上面板41dに穿設されたグロメット孔
41iに嵌め込む嵌着溝42cを外周面42aから中心に向けて深くした幅の狭い溝とし
て刻設し、内周側の端部は上面が下面側に向けて下がるほど縮径される逆円錐面を形成し
、最小径の位置(内周面42bの形成位置)からさらに下方に下がるに従い拡径する方向
へ湾曲して厚みが略一定になるように小径側の先端部42dを形成して、上方から円筒状
の配管を貫通し易くし、あるいは引き抜き易くする。
パイプアセンブリ13を含む尿素水タンク10は、原則として、使用材料にはステンレ
ス鋼を用い、配管同士のろう付け又は薄板材及び小薄板材のろう付けにはニッケルろうを
用いるものとする。また、グロメット42の材料は、エチレンプロピレンゴム(EPR)
あるいはエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)を用いる。このうち、EPDM
がより好ましく用いられる。
〔作用効果〕
このように、蓋パネル12にパイプアセンブリ13をユニット化して取り付けたことに
より、タンク上面に形成された開口10cにパイプアセンブリ13の下部を挿入し、開口
10cの周辺に形成された肉厚部10dにねじ又はボルト等の締結部品を用いて蓋パネル
12を固着すると、各配管が所定の位置に配置され尿素水タンク10が組み立てられる。
このため、パイプアセンブリ13を取り付けた蓋パネル12をタンクの上面から開口1
0cに取り付けるだけで、尿素水タンク10を組み立てることができ、個々に配管を取り
付けていた従来の製造方法に比較して、作業性が良くなり、生産性が向上する。
尿素水温度管理用配管16aと尿素水供給用配管17aとをろう付けするとともにして
、尿素水温度管理用配管16aから尿素水供給用配管17aに熱を伝達し、尿素水供給用
配管17aを昇温するとともに周辺の尿素水を温め、尿素水の供給を円滑に行なわせるこ
とができ、低温時に凍結や粘性の増加等の影響により尿素水の供給を妨げ或いは不均質に
することを回避できるようにする。
さらに蓋パネル12の直下の近傍でも、尿素水温度管理用配管16aと尿素水供給用配
管17aとは小薄板材41e,41f,41gをろう付けして、タンク上部でも配管同士
の熱伝達を高め、配管周辺の尿素水に放熱して尿素水が凍結しないようにしたことにより
、尿素水の吸引供給を確実にすることができる。
尿素水温度管理用配管16aのタンク底部に配置される部分に放熱板となる薄板材を取
り付けて、薄板材によりパイプアセンブリ13の下端部を包囲したことによって、各配管
を一体に纏めることができるとともに尿素水吸引口の近傍を温めて尿素水の凍結を防止で
き、尿素水の吸引を支障無く行なえるようにすることができ、さらに各センサの周辺を保
温して測定の信頼性を向上することができる。
識別センサ保護配管14aと水位センサ用配管15aとの下端部はグロメット42を介
して上面板41dに抜き差し可能に嵌め込むことができ、位置固定が容易になるとともに
薄板材41と各配管14a,15aとが直接接触することが避けられ、金属同士の接触を
防止できるとともに振れ止めにもなり、測定装置の耐久性および測定の信頼性を向上する
ことができる。
タンク本体には凹み10gを設けたことにより、側面板10fの剛性が高くなり、耐圧
性および耐振性が向上するとともにバッフルプレート20の接合部にかかる応力が低減で
き、タンクの耐久性が向上する。
注入口11には円筒部材11a側に蓋11dとの係止孔25と鉤部品11cを設け、蓋
11dには係止孔25に係止する係合突起部32と鉤部品11cから突出した舌片21a
を入れる舌片係合溝34を設けて、二種類の係合部を形成しているから、蓋11dの不用
意な外れ又は抜け落ち等が防止できる。
本発明の実施形態における尿素水タンクを示す斜視図である。 同上尿素水タンクを示す正面図である。 同上尿素水タンクを示す側面図である。 同上尿素水タンクを示す平面図である。 図3におけるA部の拡大断面図である。 同上尿素水タンク本体を示す平面図である。 同上尿素水タンク本体を示す側面図である。 図7におけるB−B線で示す拡大断面説明図である。 同上尿素水タンクの注入口を蓋側から見た説明図で、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)は部分断面側面図である。 同上尿素水タンクの注入口の円筒部材を開口側から見た説明図で、(A)は正面図、(B)は底面図である。 同上尿素水タンク本体の注入口の蓋を示す正面図である。 同上尿素水タンク本体の注入口の蓋を示す背面図である。 同上尿素水タンク本体の注入口の蓋を示す縦断面図である。 同上尿素水タンクのパイプアセンブリを示す正面図である。 同上尿素水タンクのパイプアセンブリを示す側面図である。 同上尿素水タンクのパイプアセンブリを示す平面図である。 図15におけるF−F線で示す拡大断面説明図である。 同上尿素水タンクのパイプアセンブリのタンク内上部に位置する配管にろう付けされた小薄板材を示す拡大斜視図である。 同上尿素水タンクのパイプアセンブリの下端部にろう付けされた薄板材を示す拡大斜視図である。 同上尿素水タンクのパイプアセンブリに使用されるグロメットを示す縦断面図である。 同上尿素水タンクのパイプアセンブリに使用されるグロメットを示す底面図である。
符号の説明
10 尿素水タンク
10a 正面
10b 上面
10c 開口
10d 肉厚部
10e ドレン孔
10f 側面板
10g 凹み
10h (液量確認用)レベルゲージ
11 注入口
11a 円筒部材
11b ブラケット
11c 鉤部品
11d (注入口の)蓋
12 蓋パネル
13 パイプアセンブリ(配管組立部材)
14 識別センサ
14a 識別センサ保護配管
15 水位センサ
15a 水位センサ用配管
16 解凍及び保温システム
16a 尿素水温度管理用配管
17 尿素水系配管
17a 尿素水供給用配管
17b 尿素水戻し用配管接続部
17c エアー抜き用配管
17d 溢水放出用ホース
18 パッキン
19 盲蓋
20 バッフルプレート
20a 丸孔
20b 側端部
21 鉤部
21a 舌片
25 係止孔
25a 溝
31 挿入部
32 係合突起部
33 シール部材
34 舌片係合溝
41 薄板材(放熱板)
41a,41b 側面板
41c 底面板
41d 上面板
41e,41f,41g,41h 小薄板材
41i グロメット孔
42 グロメット
42a 外周面
42b 内周面
42c 嵌着溝
42d (小径側の)先端部

Claims (5)

  1. タンク本体が正面を狭幅とした直方体形状の板金製箱体であって、
    側面には複数の縦長の凹部を設け、前記側面の折曲線近傍で両端部を接合し、この接合
    線の近傍に少なくとも1つ前記凹部を配置したことを特徴とする尿素水タンク。
  2. 前記タンク本体の内面側には前記各凹部よりもタンク端部寄りの位置に各バッフルプレ
    ートを配設したことを特徴とする請求項1記載の尿素水タンク。
  3. 前記タンク本体の正面には上部に突出した注入口を備え、この注入口の円筒部材の外周
    に鉤部品を設け、前記円筒部材の開口端に嵌着する蓋には前記鉤部品から突出した舌片が
    挿入される舌片係合溝を刻設したことを特徴とする請求項1記載の尿素水タンク。
  4. 前記タンク本体の上面に着脱自在に取り付けた蓋パネルと、この蓋パネルにまとめて固
    着した尿素水供給用配管、尿素水温度管理用配管、各種測定用配管およびエアー抜き用配
    管からなる配管組立部材とを備え、
    前記尿素水温度管理用配管を前記タンクの底部および前記測定用配管の側面近傍に配設
    するとともに前記尿素水温度管理用配管の前記タンク本体の底部に位置する部分の周辺部
    に放熱板を設け、この放熱板により前記尿素水供給用配管の吸引口と前記測定用配管の下
    端部を包囲したことを特徴とする請求項1記載の尿素水タンク。
  5. 前記尿素水供給用配管と前記尿素水温度管理用配管とは前記タンク本体内で熱伝導可能
    に接合したことを特徴とする請求項4記載の尿素水タンク。
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