JP2006200168A - ダム堆砂除去方法およびダム堆砂除去システム - Google Patents

ダム堆砂除去方法およびダム堆砂除去システム Download PDF

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Abstract

【課題】 大きな粒径の堆砂も除去可能であるとともに、ダム堤体下流の河川の河床が上昇し難いダム堆砂除去方法およびダム堆砂除去システムを提供する。
【解決手段】 ダム堆砂除去システム1は、河川Rに建設されたダムDのダム貯水池Lに堆積した土砂(堆砂T)を除去するシステムであり、堆砂Tを採取する堆砂採取手段たる浚渫船2と、浚渫船2から堆砂Tを搬送する堆砂搬送装置3と、堆砂Tを粉砕する堆砂粉砕手段たる堆砂粉砕プラント4と、この堆砂粉砕プラント4からダムDの直上流に設けた計画堆砂領域Aに細砂Sを搬送する細砂搬送装置5と、を備えて構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダム堆砂除去方法およびダム堆砂除去システム、すなわちダムの上流に堆積した土砂(以下、「堆砂」という。)を除去する方法およびそのシステムに関する。
従来のダム堆砂除去方法としては、ダム貯水池に浮かぶ作業基地と、作業基地に取り付けられた吸い込み管と、ダム堤体下流に設置された放水部と、吸い込み管と放水部とを練通する排砂管と、排砂管を浮かせるためのフロートと、水中ポンプとを備える堆積土排出装置を用いて、サイフォンの原理によってダム貯水池内の堆砂を吸い上げ、それをダム堤体下流に放流する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、ダムの堤体に排砂ゲートを設け、ダム貯水池の水位を低下させた後、当該排砂ゲートを開放することにより、水流の力によって堆砂を排出することが行われている(例えば特許文献2参照)。
また、川をダムでせき止めて造った貯水池の上流に堰を設け、堰の上流とダムの下流とをバイパス水路トンネル(「排砂バイパストンネル」ともいう。)で連通させ、上流からの流送土砂をダムを迂回してダム下流に放流する貯水池の排砂方法が開示されている(例えば特許文献3参照)。かかる方法では、堰内およびその上流域に土砂を一時的にためてバイパス水路トンネルに徐々に流入してダムの下流へ放流するようになっている。
特開平9−21127号公報(段落0015−0024、図1) 特開2003−261924号公報(段落0011−0012、図1) 特開2001−73349号公報(段落0005、図1)
しかしながら、サイフォンの原理によってダム貯水池内の堆砂を吸い上げ、ダム堤体下流に放流する方法では、粒径の大きな堆砂(砂礫)を吸い上げて下流に放流することができず、ダム貯水池内に粒径の大きな堆砂が残ってしてしまうことがあった。また、仮に、大規模な設備を製造して粒径の大きな堆砂をダムの下流に放流すると、粒径の大きな堆砂は流下し難いことから、ダム堤体下流の河川の河床が上昇し、洪水の危険性が増大してしまうという問題があった。
一方、排砂ゲートによる堆砂の放流は、堆砂を除去できる範囲がダム堤体の直上流付近に限定されているため、特許文献2に記載されているような特殊な方法を用いなければ、ダム貯水池の上流端に堆積する堆砂(砂礫)を排出することができず、粒径の大きな堆砂を除去することが困難であった。
また、バイパス水路トンネルを用いた方法では、貯水池の上流に設けた堰で粒径の大きい土砂を沈降させ、粒径の小さい土砂だけを放流するため、粒径の大きい土砂を排出することができなかった。
本発明はこれらの問題に鑑みて創案されたものであり、大きな粒径の堆砂も除去可能であるとともに、ダム堤体下流の河川の河床が上昇し難いダム堆砂除去方法およびダム堆砂除去システムを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、ダム貯水池内の堆砂を採取する堆砂採取工程と、採取した堆砂を粉砕して細砂を生成する堆砂粉砕工程と、前記細砂を河川に放流する細砂放流工程と、を含むダム堆砂除去方法である。
かかる方法によれば、採取した堆砂を粉砕して細砂にしてから河川に放流することから、ダム貯水池に溜まった大きな粒径の堆砂を除去することができる。また、粒径が小さくなるので河川を流下しやすくなり、ダム堤体下流の河川の河床が上昇しにくい。なお、「細砂」は、土の粒径区分でいうところの細砂(粒径75μm〜425μm)を意味するものではなく、ここでは単に細かく砕いた堆砂を意味する。
また、「河川」とは、主にダム堤体下流の河川であるが、例えばダムに排砂ゲートが設けられている場合には、排砂ゲート近くのダム貯水池内に細砂を放流してもよい。かかる場合には、ダム貯水池も「河川」の一部に含まれる。また、ダムに排砂バイパストンネルが設けられている場合には、当該ダム貯水池内に設けられた排砂バイパストンネルの呑口に細砂を放流してもよい。すなわち、これらの場合には、ダム堤体に設けられた排砂ゲートやダム上流に設けられた排砂バイパストンネル等の排砂設備を介して細砂が河川に放流されることとなる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のダム堆砂除去方法であって、前記堆砂粉砕工程は、前記河川の河口に到達可能、かつ、河口付近の海岸部に堆積可能な粒径に、前記堆砂を粉砕することを特徴とする。
ここで、「河川の河口に到達可能、かつ、河口付近の海岸部に堆積可能な粒径」とは、例えば河口付近の海岸部に堆積している土砂の粒度を測定することにより求めることができる。
かかる方法によれば、採取した堆砂を、河川の河口に到達可能、かつ、河口付近の海岸部に堆積可能な粒径に粉砕するため、粒径の大きな堆砂でも処理することができる。そのため、ダム貯水池内の粒径の大きな堆砂の除去が可能となる。また、採取した堆砂を、河川の河口に到達可能、かつ、河口付近の海岸部に堆積可能な粒径に粉砕するため、かかる細砂をダム堤体下流の河川に放流しても河床に堆積せずに速やかに流下する。そのため、ダム堤体下流の河川の河床が上昇し難くなる。
さらに、河口から海に到達した細砂は、沿岸流や波浪によって海岸に漂着して堆積する。そのため、砂浜に養浜材として砂が供給されることとなり、海岸の浸食の抑制あるいは海岸の回復を図ることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のダム堆砂除去方法であって、前記堆砂粉砕工程は、粒径0.2mm以上の堆砂を、粒径0.1mm〜0.2mmの範囲に粉砕することを特徴とする。
発明者らの研究によれば、細砂の粒径を0.1mm〜0.2mm程度にすると、多くの河川で河口に到達可能、かつ、河口付近の海岸部に堆積可能となることが確認された。
したがって、堆砂に含まれる粒径0.1mm〜0.2mmの範囲の土砂を増加させることにより、河床に堆積する土砂を減らすことができる。また、海岸部に堆積する土砂を増加させることができる。そのため、粒径の大きな堆砂を処理することができるとともに、ダム堤体下流の河床を上昇し難くすることができる。さらには、海岸の浸食の抑制あるいは海岸の回復を図ることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載のダム堆砂除去方法であって、前記堆砂粉砕工程は、前記ダムが構築されている河川の河口付近の海岸部に堆積している土砂の粒度分布と前記細砂の粒度分布とが近似するように、前記堆砂を粉砕することを特徴とする。
かかる方法によれば、堆砂を粉砕して生成した細砂の粒度分布を、前記ダムが構築されている河川の河口付近の海岸部に堆積している土砂の粒度分布に近似させることから、河川に放流された細砂は、河口まで流下するとともに河口付近の海岸に堆積することとなる。そのため、河床が上昇することがなく、また、海岸の浸食の抑制あるいは海岸の回復を図ることができる。
ここで、「河口に堆積している土砂の粒度分布と細砂の粒度分布とが近似する」とは、粒度分布図を描いたときにそれぞれの粒径加積曲線の形状が近似することをいう。近似するか否かの判断は、例えば、それぞれの粒径加積曲線の通過率50%に対応する粒径D50を計算し、この値の差が所定範囲内に収まるか否かによって行うこと等が考えられる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のダム堆砂除去方法であって、前記ダムが構築されている河川の河口付近の海岸部に堆積している土砂の粒度分布を測定する粒度分布測定工程をさらに含むことを特徴とする。
かかる方法によれば、ダムが構築されている河川の河口付近の海岸部に堆積している土砂の粒度分布を測定し、堆砂を粉砕して生成した細砂の粒度分布が当該粒度分布に近似するように、採取した堆砂を粉砕することから、細砂を河川に放流しても河床が上昇し難い。また、当該細砂は、河川を流下し易いうえに海岸に堆積し易い粒径であることから、海岸の浸食の抑制あるいは海岸の回復を図ることができる。
請求項6に記載のダム堆砂除去システムは、ダム貯水池内の堆砂を採取する堆砂採取手段と、採取した堆砂を粉砕して細砂を生成する堆砂粉砕手段と、堆砂採取手段から堆砂粉砕手段に堆砂を搬送する堆砂搬送手段と、この堆砂粉砕手段から河川に細砂を搬送する細砂搬送手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記ダム堆砂除去システムは、細砂の粒度を調節する粒度調節手段をさらに備えるのが好適である。これにより、例えば細砂の粒度を、ダムが構築されている河川の河口付近の海岸部に堆積している土砂の粒度分布に近似するように調節することができる。
本発明によれば、大きな粒径の堆砂も除去可能であるとともに、ダム堤体下流の河川の河床が上昇し難いダム堆砂除去方法を提供することができる。これにより、ダムの堆砂問題が解消され、ダムの機能(貯水機能や洪水調節機能)を長期間維持することができる。また、ダムの堆砂による海岸の浸食を抑制することができ、さらには海岸の回復を図ることもできる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係るダム堆砂除去システムを示した概略構成図である。また、図2は、本実施形態に係るダム堆砂除去システムが適用されたダムと河川の平面図である。
本実施形態に係るダム堆砂除去システム1は、図1、図2に示すように、河川Rに建設されたダムDのダム貯水池Lに堆積した土砂(堆砂T)を除去するシステムであり、堆砂Tを採取する堆砂採取手段たる浚渫船2と、浚渫船2から堆砂Tを搬送する堆砂搬送手段たる堆砂搬送装置3と、堆砂Tを粉砕する堆砂粉砕手段たる堆砂粉砕プラント4と、この堆砂粉砕プラント4から河川Rの一部であるダム貯水池L内に細砂Sを搬送する細砂搬送手段たる細砂搬送装置5と、を備えて構成されている。
また、本実施形態のダムDは、ダム貯水池Lの堆砂Tをダム堤体下流に排出する排砂ゲートDaを備えている。すなわち、ダムDは、排砂ゲートDaを開門することにより、ダムDの直上流付近(図1の計画堆砂領域付近)に堆積している堆砂Tを、水流とともにダムDの下流の河川Rに放流できるようになっている。
浚渫船2は、ダム貯水池L内の堆砂Tを採取するものであり、例えばクラムシェルバケットを備えた揚重機などからなる掘削装置2aを備えている。浚渫船2はダム貯水池Lの水面を移動可能になっている。よって、ダム貯水池Lの上流付近に堆積しがちな粒径の大きい堆砂Tを採取することができる。採取された堆砂Tは浚渫船2の上に仮置きされる。浚渫船2には、堆砂搬送装置3が接続されており、堆砂粉砕プラント4に堆砂Tを搬出できるようになっている。
堆砂搬送装置3は、浚渫船2が採取した堆砂Tを堆砂粉砕プラント4に搬送する手段であり、例えば加水装置と圧送ポンプ(共に図示省略)と排出管3aとから構成されており、加水された堆砂Tを圧送ポンプで圧送できるようになっている。加水装置と圧送ポンプは、浚渫船2に設置されている。排出管3aにはフロートが取り付けられており、ダム貯水池Lの水面に浮かぶようになっている。浚渫船2が移動した場合には、排出管3aを継ぎ足したり取り外したりして長さを適宜調節するようになっている。
なお、堆砂搬送装置3の構成はこれに限られるものではなく、たとえば運搬台船やベルトコンベアあるいはこれらの組合せなどで構成してもよい。
堆砂粉砕プラント4は、粒径の大きな堆砂Tを所望の粒径に粉砕する手段であり、ダム貯水池Lの周囲の陸地に建設されている。堆砂粉砕プラント4は、例えばボールミルやロッドミルやローラミルなどの粉砕設備を備えている。本実施形態では、堆砂粉砕プラント4は、複数のボールミル、ロッドミル及びローラミルを備えており、搬入された堆砂Tのうち、粒径の大きいものが段階的に粉砕されて、粒径0.1mm〜0.2mm程度になるように調整されている。
粉砕設備の規模は、堆砂Tの必要粉砕量(例えば堆砂Tに含まれる粒径0.2mm以上のものの量)や、設備の設置位置、一日の作業量等によって選定される。また、粉砕設備の周囲には、風雨防寒対策、粉塵飛散防止、および騒音対策として囲いが設けられている。
なお、ダム貯水池Lの周囲の陸地に堆砂粉砕プラント4を建設できる適当な土地がない場合には台船を製造してその上に建設してもよい。台船の上に堆砂粉砕プラント4を建設すれば、浚渫船2から堆砂粉砕プラント4までの距離を短くすることができる。そのため、大きな粒径の堆砂Tでも容易に運搬することができる。また、堆砂Tを粉砕したのちに目的地へ搬送できるので、ポンプ圧送による場合でも長い距離を搬送することができる。
細砂搬送装置5は、堆砂粉砕プラント4で生成された細砂Sを河川Rに搬送する手段である。本実施形態では、細砂搬送装置5は、ダムDの堤体の直上流に設けた計画堆砂領域Aに細砂Sを搬送している。細砂搬送装置5は、例えば前記した堆砂搬送装置3のように、加水装置と圧送ポンプと排出管とから構成してもよいし、ベルトコンベアなどで構成してもよい。
ここで、計画堆砂領域Aとは、ダムDに設けた排砂設備(排砂ゲートDa)によって堆砂Tを排出可能な領域である。かかる計画堆砂領域Aに細砂Sを堆積させておき、例えば降雨などによる増水時に排砂ゲートDaを開放することで、当該排砂ゲートDaを介して細砂Sが河川Rに放流されることとなる。排砂ゲートDaから排出された細砂Sは、堆砂粉砕プラント4で粉砕されて生成された粒径0.1mm〜0.2mmのものを多く含有しているので、河床Raに堆積することなく河川Rに沿って河口Rbまで流下し、海岸Rcに堆積することとなる。
つづいて、ダム堆砂除去システム1の動作、すなわちダム堆砂除去方法について図1、図2を参照して説明する。
(堆砂採取工程)
はじめに、浚渫船2の掘削装置2aを用いてダム貯水池L内の堆砂Tを掘削し、堆砂Tを採取する。採取した堆砂Tは、浚渫船2の船上に仮置きする。粒径の大きい堆砂Tも、堆砂粉砕プラント4で粉砕して処理されるため、粒径の大きい堆砂Tも採取することができる。そのため、ダム貯水池L内に粒径の大きい堆砂Tが残存することがなく、ダムDの堆砂Tを効率的に除去することができる。
(堆砂搬送工程)
浚渫船2の上に仮置きした堆砂Tを、堆砂搬送装置3を用いて堆砂粉砕プラント4へ搬送する。例えば、加水装置で堆砂Tに加水した後、圧送ポンプで圧送する。圧送された堆砂Tは、排出管3aを通って堆砂粉砕プラント4に搬入される。
(堆砂粉砕工程)
堆砂粉砕プラント4に堆砂Tが搬入されると、堆砂Tは、粉砕設備によって粉砕され、細砂Sが生成される。粉砕設備は、堆砂Tのうち、粒径が大きいものを粒径0.1mm〜0.2mm程度に粉砕する。
(細砂搬送工程)
生成された細砂Sは、細砂搬送装置5によってダムDの直上流に設けた計画堆砂領域Aに搬送され、排砂ゲートDaを介して河川Rに放流される。細砂Sは、粉砕装置によって粒径0.1mm〜0.2mmのものを多く含むように粉砕されているので、河川Rの流れに沿って流下し、河口付近の海岸Rcに堆積する(図2参照)。
このように、細砂Sの粒径は、0.1mm〜0.2mm程度に調整されていることから、河川Rの河床Raに細砂Sが堆積しにくく、河床Raが上昇して洪水の危険を招くことがない。また、海岸Rcに細砂Sが堆積するので、海岸Rcの侵食を抑制、あるいは海岸Rcを回復させることができる。
以上、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、堆砂Tを、その粒径が0.1mm〜0.2mmとなるように粉砕したが、これに限られるものではなく、河口Rbまたは海岸Rcに堆積した土砂の粒度分布を測定し、細砂Sの粒度分布がこれに近似するように、堆砂Tを粉砕するようにしてもよい。
具体的には、はじめに、河川Rの河口付近の海岸Rcに堆積している土砂を採取してその粒度分布を測定し(粒度分布測定工程)、かかる粒度分布に基づいて堆砂粉砕プラント4の粉砕設備を調整するのが望ましい。粒度分布の測定は、粒径75μm以上のものについては篩い分け試験により、それ以下の粒径についてはハイドロメータなどを用いることにより分析する。
また、堆砂粉砕プラント4に、生成した細砂Sの粒度を調整する粒度調整設備を備えるようにしてもよい。すなわち、粒度調整設備は、粉砕設備で生成した細砂Sを粒度ごとに分類し、予め測定しておいた河口付近の海岸Rcに堆積している土砂の粒度分布にあわせて、分類した細砂Sを再度混合するものである。これにより、ダムDが構築されている河川Rの河口付近の海岸Rcに堆積している土砂の粒度分布に近似した粒度分布を有する細砂Sを得ることができる。
また、本実施形態においては、細砂SをダムDの堤体の直上流に設けた計画堆砂領域Aに放流したが、これに限られるものではない。
例えば、図3に示すように、ダムDが排砂バイパストンネルBを備えている場合には、ダム貯水池Lの上流に設けた排砂バイパストンネルBの呑口Ba付近に細砂Sを放置してもよい。
排砂バイパストンネルBは、ダム堤体の上流と下流とを連通するトンネルであり、ダムDの側方の地山を掘削して構築されている。排砂バイパストンネルBの呑口Baは、図3に示すように、例えばダム貯水池Lの上流に設けられた堰Eのさらに上流に設けられている。また、排砂バイパストンネルBの吐口Bbは、ダムDの堤体の下流に設けられている。堰Eは、洪水時などにダム貯水池Lに流入する土砂をせき止め、一定以上の水および土砂を当該排砂バイパストンネルBの呑口Baに導く設備である。
このような排砂設備がダムDに備えられている場合には、排砂バイパストンネルBの呑口Ba付近に細砂Sを放置することにより、排砂バイパストンネルBを介して、ダム堤体下流に設けた吐口Bbから河川Rに細砂Sが放流されることとなる。
なお、ダムDが排砂ゲートDaや排砂バイパストンネルBなどの排砂設備を備えていない場合には、トラックなどの搬送車両を用いてダム堤体下流の河川Rの河床Raに細砂Sを運搬して放置してもよい。かかる場合には、洪水時にのみ浸水する場所に細砂Sを放置する等の方法で、河川Rの水質に大きな影響を与えないよう配慮するのが好適である。
また、本実施形態においては、掘削装置2aとしてクラムシェルバケットを備えた揚重機を例にとって説明したが、これに限られるものではなく、たとえば圧送ポンプと吸込み管とを用いて堆砂Tを吸い上げてもよい。その他、ダム貯水池Lの水位が低下したときには、バックホーなどの重機を用いて細砂Tを掘削し、ダンプトラックなどに積み込んで、堆砂粉砕プラント4に搬送することも可能である。
本実施形態に係るダム堆砂除去システムを示した概略構成図である。 本実施形態に係るダム堆砂除去システムが適用されたダムと河川の平面図である。 本発明に係る堆砂除去システムを、排砂バイパストンネルを備えるダムに適用した場合を示した図である。
符号の説明
1 ダム堆砂除去システム
2 浚渫船
3 堆砂搬送装置
4 堆砂粉砕プラント
5 細砂搬送装置
D ダム
Da 排砂ゲート
L ダム貯水池
R 河川
S 細砂
T 堆砂

Claims (7)

  1. ダム貯水池内の堆砂を採取する堆砂採取工程と、
    採取した堆砂を粉砕して細砂を生成する堆砂粉砕工程と、
    前記細砂を河川に放流する細砂放流工程と、を含むダム堆砂除去方法。
  2. 前記堆砂粉砕工程は、前記河川の河口に到達可能、かつ、河口付近の海岸部に堆積可能な粒径に、前記堆砂を粉砕することを特徴とする請求項1に記載のダム堆砂除去方法。
  3. 前記堆砂粉砕工程は、粒径0.2mm以上の堆砂を、粒径0.1mm〜0.2mmの範囲に粉砕することを特徴とする請求項1に記載のダム堆砂除去方法。
  4. 前記堆砂粉砕工程は、前記ダムが構築されている河川の河口付近の海岸部に堆積している土砂の粒度分布と前記細砂の粒度分布とが近似するように、前記堆砂を粉砕することを特徴とする請求項1に記載のダム堆砂除去方法。
  5. 前記ダムが構築されている河川の河口付近の海岸部に堆積している土砂の粒度分布を測定する粒度分布測定工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のダム堆砂除去方法。
  6. ダム貯水池内の堆砂を採取する堆砂採取手段と、
    採取した堆砂を粉砕して細砂を生成する堆砂粉砕手段と、
    前記堆砂採取手段から前記堆砂粉砕手段に堆砂を搬送する堆砂搬送手段と、
    前記堆砂粉砕手段から河川に細砂を搬送する細砂搬送手段と、を備えるダム堆砂除去システム。
  7. 前記細砂の粒度を調節する粒度調節手段をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のダム堆砂除去システム。
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