JP2006200011A - 治具 - Google Patents

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【課題】被処理物を着脱し易い治具を提供する。
【解決手段】治具10が載置される載置台30に形成された空間30aの上に治具を移動して、この空間30aに錘18の一部(下面及びその近傍部分)を移動させる。載置台30の空間30aに錘18の一部が移動している(入り込んでいる、又は、落ち込んでいる)ときは、固定軸14は移動せずに移動軸16が下がっているので、可動爪20の内周爪20bよりも外周爪20aが下方に(低い位置に)位置している。このため、押え爪20cは外側の上方に向いており、ワークWを装着できる状態(又は、固定されているワークWを解放できる状態)になっている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば焼入れが施される被処理物を着脱自在に固定する治具に関し、例えば、円形の開口がその中央部に形成された被処理物に好適な治具に関する。
高周波焼入れ等の熱処理が施される被処理物に所定の処理を施す際には、一般に、被処理物はその形状に応じた治具に固定される。このような治具に被処理物を装着するに際しては、熱処理中に被処理物が動かないように固定する必要がある。
しかし、被処理物の形状によっては治具に被処理物を固定しにくいことがある。例えば皿状の被処理物をその下面の側から誘導加熱するような場合は、この下面の側に誘導加熱コイルが位置することとなるので、被処理物は空中に保持した状態に固定される。このように固定する場合、被処理物を着脱しにくく手間がかかることがある。
本発明は、上記事情に鑑み、被処理物を着脱し易い治具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の治具は、被処理物を着脱自在に固定する治具において、
(1)下方に向いた開口をもつ凹部が形成された板状のベース台と、
(2)該ベース台の上面に固定された、筒状内部空間が前記凹部に連通した円筒形状の固定軸と、
(3)該固定軸の前記筒状内部空間を移動する移動軸と、
(4)前記凹部の前記開口が塞がれているときには前記凹部に嵌め込まれると共に該凹部の前記開口の下に空間が存在するときにはこの空間に自重で移動する、前記移動軸の下端部に固定された錘と、
(5)前記錘が前記凹部に嵌め込まれているときには前記固定軸の上端部とで被処理物を挟持する一方、前記錘が前記開口の下の前記空間に移動したときには被処理物を解放する可動爪とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、
(6)前記固定軸は、被処理物を載置する載置部分が形成されているものであってもよい。
また、
(7)前記錘は、その下端面の端部に傾斜面が形成されたものであってもよい。
さらに、
(8)前記固定軸は、その上端部の内周壁に環状の内周溝が形成されたものであり、
(9)前記移動軸は、その上端部の外周壁に環状の外周溝が形成されたものであり、
(10)前記可動爪は、前記内周溝に可動自在に嵌め込まれた内周爪と、前記外周溝に可動自在に嵌め込まれた外周爪とを有するものであってもよい。
さらにまた、
(11)前記可動爪は、前記錘が前記凹部に嵌め込まれているときには前記内周爪と前記外周爪がほぼ同じ高さに位置して被処理物を挟持する一方、前記錘が前記開口の下の前記空間に移動したときには前記外周爪が前記内周爪よりも低い位置に移動して被処理物を解放するものであってもよい。
さらにまた、
(12)前記可動爪は、前記移動軸を中心にして放射状に配置された複数個のものであってもよい。
本発明の治具によれば、治具が載置される載置台(即ち、ベース台が載置される台)に、錘の一部が入り込める程度の広さの空間(凹部)を形成しておき、治具に被処理物を装着する際は、載置台の空間の上に治具を移動してこの空間に錘を移動させる(錘の一部を入り込ませる)。載置台の空間に錘が移動しているときは、可動爪は被処理物を解放できる状態になっているので被処理物を容易に装着できる。この状態で、載置台上で空間の無い場所に治具を移動させることにより、錘が載置台の空間から抜け出してベース台の凹部に移動する(嵌まり込む)。この状態では、可動爪が固定軸の上端部とで被処理物を挟持するので、被処理物は治具に装着されることとなる。このようにして治具に装着された被処理物を治具から取り外したいときは、載置台の空間に錘が移動するように治具を移動させる。このように載置台上で治具を移動させるだけで被処理物を容易に着脱できる。
本発明は、円形の開口がその中央部に形成された被加熱物を着脱自在に固定する熱処理用の治具に実現された。
図1から図4までを参照して、本発明の治具の一例を説明する。
図1は、本発明の治具の一例を示す上面図であり、治具の一部は省略されている。図2は、被処理物が固定された治具を示す図1のA―A断面図である。図3は、被処理物が取り外される状態の治具を示す図1のA―A断面図である。図4は、可動爪の斜視図である。
被処理物(ワーク)Wは皿状又はお椀状のものであり、その下面Waの側に誘導加熱コイル2が配置されて下面Waの側からワークWが誘導加熱される。ワークWの中央部には円形の開口Wbが形成されている。治具10は、ワークWの開口Wbの周縁部を固定してワークWを空中に浮いたような状態に固定するものである。
治具10は、図2や図3に示すように、凹部12aが下面に形成された板状のベース台12を備えている。凹部12aはベース台12の中央部に形成されており、凹部12aには、下方に向いた開口12bが形成されている。ベース台12は円形又は矩形であり、ワークWの形状やサイズに応じてベース台12の形状やサイズは適宜に決められる。
ベース台12の上面のうち凹部12aの上方の部分には、上方に(ベース台12に直交する方向に)延びる円筒形状の固定軸14が固定されている。ベース台12と固定軸14とはボルト等(図示せず)によって一体に結合されている。固定軸14には筒状内部空間14aが形成されており、この筒状内部空間14aは凹部12aに連通している(つながっている)。
固定軸14の軸方向(長手方向)中央部よりも下の部分(ベース台12に近い部分)は、ほぼ円筒形であるが、軸方向中央部よりも上の部分(ベース台12から離れた部分)は円錐状に広がっている。固定軸14の軸方向上端部は最も広がっており、軸方向下端に向かうほど狭くなって軸方向中央部につながっている。固定軸14の軸方向上端部の広がりの程度は、ワークWの開口Wbのサイズに応じて決められる。ワークWの開口Wbが広いときは、固定軸14の軸方向上端部の広がりも広くなり、この逆に、ワークWの開口Wbが狭いときは、固定軸14の軸方向上端部の広がりも狭くなる。
固定軸14の軸方向上端部(広がっている部分)の外周壁には、ワークWが載置される載置部分14bが形成されている。載置部分14bは平らになっており、ワークWの開口Wbの周縁部分の下面が載置部分14bに直接に接触して載置される。また、固定軸14の軸方向上端部(広がっている部分)の内周壁には環状の内周溝14cが形成されている。この内周溝14cは載置部分14bの下方に形成されており、内周溝14cには、後述する可動爪20の内周爪20bが可動自在に嵌め込まれる。
固定軸14の筒状内部空間14aには円柱状の移動軸16が嵌め込まれており、移動軸16は筒状内部空間14aを上下方向に移動する。移動軸16の長さは筒状内部空間14aの長さよりも長く、移動軸16の軸方向上端部と軸方向下端部は筒状内部空間14aから飛び出ている。移動軸16の軸方向上端部は、それ以外の部分よりも太い。この軸方向上端部(太い部分)の外周壁には、環状の外周溝16aが形成されており、外周溝16aには、後述する可動爪20の外周爪20aが可動自在に嵌め込まれる。
移動軸16の軸方向下端部には板状の錘18が固定されている。移動軸16と錘18はボルト等(図示せず)などで一体に結合されている。錘18の厚さは、ベース台12の凹部12aの深さとほぼ同じか、やや薄い程度である。このため、移動軸16が上昇している(固定軸14の軸方向上端に向かって移動している)ときは、錘18はベース台12の凹部12aに完全に嵌め込まれており、凹部12aの開口12bから錘18が飛び出ていない。即ち、図2に示すように、載置台30の上にベース台12が載置されて、凹部12aの開口12bが塞がれている状態のときには、錘18の全体が凹部12aに嵌め込まれている。一方、図3に示すように、載置台30の上面に形成された空間(凹部)30aが凹部12aの開口12bの下に存在しているときは、この空間30aに錘18が自重で移動して、錘18の一部(下面18bとその近傍部分)が空間30aに入り込む。この移動の結果、移動軸16も錘18と共に降下して、後述するように治具10からワークWが取り外される状態となる。
錘18は、その下面18bの端部に傾斜面18aが形成されている。治具10が載置台30に載置されている場合、錘18の下面18bは載置台30の上面30bに直接に接触している。治具10が載置台30を移動するときは、錘18の下面18bが載置台30の上面30bに接触しながら移動する。また、治具10を移動させて錘18が載置台30の空間30aに移動したときは、錘18の下面18bは空間30aの底面に接触する。錘18が空間30aに存在している状態から治具10を移動させて錘18を空間30aから出す(脱出させる)場合、錘18の下面18bのうち、治具10の移動方向の端部に傾斜面18a形成されているので、空間30aによって形成された段差30cを錘18は容易に乗り上げることができ、錘18は空間30aから円滑に脱出する。
可動爪20は、図4に示すように、軸方向両端部が凸になって滑らかに湾曲した嵌込部20Aと、断面がL字状の押圧部20Cとからなる。嵌込部20Aと押圧部20Cはボルト等(図示せず)によって一体に結合されている。嵌込部20Aの軸方向一端部には外周爪20aが形成されており、この外周爪20aは、図2や図3に示すように、移動軸16の外周溝16aに可動自在に嵌め込まれる。また、嵌込部20Aの軸方向他端部には内周爪20bが形成されており、この内周爪20bは、図2や図3に示すように、固定軸14の内周溝14cに可動自在に嵌め込まれる。
押圧部20CのうちL字の底辺の先端部分には押え爪20cが形成されており、この押え爪20cは、図2に示すように、ワークWの開口部Wbの周縁部を載置部分14bに押え付けるためのものである。押圧部20CのうちL字の縦辺の外壁には、移動軸16の外周壁16bに当接する規制壁20dが形成されている。ワークWを治具10から取り外す際に、可動爪20の規制壁20dが移動軸16の外周壁16bに当接するので、図3に示すように、可動爪20が固定軸14や移動軸16から外れないように規制される。なお、可動爪20は、図1に示すように、移動軸16の上端面の中心点16cを中心にして放射状に8個配置されている。
治具10にワークWを固定する際には、治具10が載置される載置台30(即ち、ベース台12が載置される台)に形成された空間30aの上に治具を移動して、図3に示すように、この空間30aに錘18の一部(下面及びその近傍部分)を移動させる。載置台30の空間30aに錘18の一部が移動している(入り込んでいる、又は、落ち込んでいる)ときは、図3に示すように、固定軸14は移動せずに移動軸16が下がっているので、可動爪20の内周爪20bよりも外周爪20aが下方に(低い位置に)位置している。このため、押え爪20cは外側の上方に向いており、ワークWを装着できる状態(又は、固定されているワークWを解放できる状態)になっている。
上記のように、治具10の錘18が載置台30の空間30aに落ち込んでいるときは治具10にワークWを容易に装着でき、この装着した状態で、載置台30上で空間30aの無い場所に治具10を移動させることにより、錘18が載置台30の空間30aから抜け出してベース台12の凹部12aに移動する。この状態では、図2に示すように、内周爪20bと外周爪20aがほぼ同じ高さに位置し、可動爪20の押え爪20cが固定軸14の載置部分14bとでワークWの開口Wbの周縁部を挟持するので、ワークWは治具10に固定される。このようにして治具10に装着されたワークWを治具10から取り外したいときは、載置台30の空間30aに錘18が移動するように治具10を移動させる。このように載置台30上で治具10を移動させるだけでワークWを容易に着脱できる。
なお、図2に示すようにワークWが治具10に装着された状態でワークWだけを持ち上げることにより、可動爪20の押え爪20cと内周爪20bが持ち上げられると共にベース台12と固定軸14も持ち上げられるので、移動軸16と錘18が相対的に下がることとなり、図3に示す状態と同様になる。このように、治具10に固定されているワークWを持ち上げても、ワークWを治具10から容易に取り外せる。この場合、ベース台12が持ち上げられるので、載置台30とベース台12の間に空間が形成されることとなる。また、移動軸16をプッシャー(ピストン)等で移動自在に保持しておき、治具10からワークWを着脱する際に移動軸16を動かすように構成してもよい。
本発明の治具の一例を示す上面図である。 被処理物が固定された治具を示す図1のA―A断面図である。 被処理物が取り外される状態の治具を示す図1のA―A断面図である。 可動爪の斜視図である。
符号の説明
10 治具
12 ベース台
12a 凹部
12b 凹部の開口
14 固定軸
14a 筒状内部空間
16 移動軸
18 錘
20 可動爪
20a 外周爪
20b 内周爪
30 載置台

Claims (6)

  1. 被処理物を着脱自在に固定する治具において、
    下方に向いた開口をもつ凹部が形成された板状のベース台と、
    該ベース台の上面に固定された、筒状内部空間が前記凹部に連通した円筒形状の固定軸と、
    該固定軸の前記筒状内部空間を移動する移動軸と、
    前記凹部の前記開口が塞がれているときには前記凹部に嵌め込まれると共に該凹部の前記開口の下に空間が存在するときにはこの空間に自重で移動する、前記移動軸の下端部に固定された錘と、
    前記錘が前記凹部に嵌め込まれているときには前記固定軸の上端部とで被処理物を挟持する一方、前記錘が前記開口の下の前記空間に移動したときには被処理物を解放する可動爪とを備えたことを特徴とする治具。
  2. 前記固定軸は、被処理物を載置する載置部分が形成されているものであることを特徴とする請求項1に記載の治具。
  3. 前記錘は、その下端面の端部に傾斜面が形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の治具。
  4. 前記固定軸は、その上端部の内周壁に環状の内周溝が形成されたものであり、
    前記移動軸は、その上端部の外周壁に環状の外周溝が形成されたものであり、
    前記可動爪は、前記内周溝に可動自在に嵌め込まれた内周爪と、前記外周溝に可動自在に嵌め込まれた外周爪とを有するものであることを特徴とする請求項1,2,又は3に記載の治具。
  5. 前記可動爪は、
    前記錘が前記凹部に嵌め込まれているときには前記内周爪と前記外周爪がほぼ同じ高さに位置して被処理物を挟持する一方、前記錘が前記開口の下の前記空間に移動したときには前記外周爪が前記内周爪よりも低い位置に移動して被処理物を解放するものであることを特徴とする請求項4に記載の治具。
  6. 前記可動爪は、前記移動軸を中心にして放射状に配置された複数個のものであることを特徴とする請求項1から5までのうちのいずれか一項に記載の治具。
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JPH11222621A (ja) * 1998-02-03 1999-08-17 Shigeru Nakamura 円筒状ワークの焼入れ用治具
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