JP2006199542A - 光学素子の表面加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光学素子の表面に微細構造からなる反射防止構造を低コスト、短時間で形成する光学素子の表面加工方法を提供する。
【解決手段】 光学素子の表面に入射する又は透過する光の反射防止構造を形成する光学素子の表面加工方法において、光学素子1の表面にAl膜2を形成する工程と、Al膜2を陽極酸化して複数の孔3aの形成されたAl陽極酸化膜3を形成する工程と、Al陽極酸化膜3上にCr膜4を形成する工程と、Cr膜4をマスクとして光学素子1の表面をエッチングして、Al陽極酸化膜3に形成された複数の孔3aに対応して光学素子1の表面に円筒状の孔1bを形成する工程とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学素子の表面に反射防止構造を形成するための光学素子の表面加工方法に関するものである。
従来より、ガラス等から成る光学素子においては、表面反射による戻り光を減少させ、且つ透過光を増加させるために、表面処理が行われている。具体的には、その一つとして、光学素子表面上に、複数の誘電体膜から成る反射防止膜を形成することにより、光学素子の反射率をコントロールするのが一般的である。
しかし、誘電体多層膜では光学素子表面の反射率を十分にコントロールできない場合がある。特に、広帯域にわたって反射率を低減する必要があるときには、誘電体膜の層数が非常に多くなり、均一に多層膜を制御良く形成することが困難であり、また多層誘電体膜の成膜に長時間費やすといった欠点がある。
そこで、波長オーダーの微細構造を光学素子表面に形成することにより、反射率をコントロールする提案がなされた。それは、光学素子表面にレジストを塗布し電子線で微細パターンを描画し、この上に所定の金属膜を形成し、次にリフトオフ法により微細金属パターンを形成する。この金属パターンをマスクとして、光学素子表面をエッチングすることにより、光学素子表面に微細構造を形成し、広帯域の光の反射率を低下させるものである(例えば、特許文献1参照。)。
一方、光学素子とは異なり、自ら発光する発光素子として、例えば発光ダイオードが知られており、これは長寿命、省電力等の観点から注目されている。しかしながら、従来の発光ダイオードは光の取り出し効率が低いという欠点があった。
その欠点を改善する目的で、発光面に波長オーダーの規則的な凹凸を形成することが提案されている。それは、発光ダイオードの発光面にレジストを塗布し、電子線を用いて微細パターンを形成する。その後、レジストをマスクとしてエッチングにより発光面を加工し、発光面表面に微細構造を形成し、発光面からの取り出し光を増加させるものである(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−272505公報 特開2003−86835号公報
ところで、光学素子(又は発光素子)の表面に、エッチングにより微細構造を形成するために微細パターンマスクを、従来のように、電子線を用いて描画して形成する方法では、その描画に長時間費やすため、コストアップとなり大面積の加工を精密に行うことも困難であるという問題があった。
そこで本発明は、光学素子の表面に微細構造からなる反射防止構造を低コスト、短時間で形成する光学素子の表面加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段として、表面をナノオーダーの凹凸で加工する光学素子の表面加工方法において、前記光学素子の表面にAl膜を形成した後、前記Al膜のシュウ酸処理を行って陽極酸化して多孔質なAl陽極酸化膜を形成し、次に、前記Al陽極酸化膜上に金属膜を形成し、前記Al陽極酸化膜から露出した前記光学素子のドライエッチングを行い、次に、前記金属膜及び前記Al陽極酸化膜をウェットエッチングして、前記ナノオーダーの凹凸を得ることを特徴とする光学素子の表面加工方法提供する。
本発明によれば、前記光学素子の表面にAl膜を形成した後、前記Al膜のシュウ酸処理を行って陽極酸化して多孔質なAl陽極酸化膜を形成し、次に、前記Al陽極酸化膜上に金属膜を形成し、前記Al陽極酸化膜から露出した前記光学素子のドライエッチングを行い、次に、前記金属膜及び前記Al陽極酸化膜をウェットエッチングすることにより、光学素子の表面に微細構造からなる反射防止構造を低コスト、短時間で形成できる。
以下、本発明の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光学素子の表面加工方法の実施例1により得られる光学素子の断面構成図である。
同図に示すように、本実施例1により得られる光学素子1Aは、一方の面上で光が達する領域に、広帯域の波長の光に対し反射率を低減させる表面構造を有している。すなわち、波長オーダーの所定高さLaを有する円錐形の孔1aが所定ピッチPaでマトリクス状に配置された構造を有する。
光学素子1Aは表面が波長オーダーに加工されているため、光学素子1Aの屈折率と大気の屈折率が連続的に変化する。光の反射は屈折率が急激に変化することによって発生する。よって、光学素子1Aにおいては全波長域において反射が抑えられる。また、光学素子1Aと大気の界面における全反射条件を決定する臨界角も大きくなる。この効果から光学素子1Aの内部における光の閉じ込めが減少され、内部から外部へ少ない損失で光が射出される。
ここで、光学素子1Aは、例えば、レンズ、プリズム、波長板、カバーガラス等をいう。
光学素子1Aは、光学ガラス、石英ガラス、青板ガラス等のガラス、或いは、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックより構成される。
次に、光学素子1Aが有する、広帯域の光に対して反射率を低減させる表面構造の加工方法を、図2により説明する。
図2は、本発明の光学素子の表面加工方法の実施例1の工程図である。
まず、図2の(A)に示すように、光学素子1の一方の平坦な表面上にAl膜2を成膜する。成膜方法としては、蒸着法やスパッタリング法を用いればよく、成膜方法は限定されない。ここでは、例えば、RFマグネトロンスパッタリング装置を使用して、成膜条件として、Ar圧力を略1Paとし、RFパワーを500Wとして、膜厚300nmのAl膜2を形成する。
次に、図2の(B)に示すように、Al膜2を陽極酸化して、Al陽極酸化膜3を得る。この際、Al膜2の表面に、規則的な突起配列を有するモールドを押し付けることにより、理想的な孔3aの配列したポーラスなAl陽極酸化膜3を得ることが出来る。
ここで、陽極酸化条件としては、0.5Mのシュウ酸を電解液とし、浴温20℃で、略2分間、電圧30V印加するものとする。これを一例として、所定の条件での陽極酸化により、Al膜2から、高い規則性を有して孔3aがマトリクス状に配置された多孔質(ポーラス)のAl陽極酸化膜3が得られる。
次に、図2の(C)に示すように、ふっ素系ガスを用いて、光学素子1の表面をドライエッチングする。RIE(Reactive Ion Etching)装置を使用して、エッチングガスとしては、CF3を30SCCM、H2を10SCCM流し、圧力を略4Paに保持して、RFパワーを100W印加して、エッチングする。RIEによるエッチングは、直進性が良好で、上記のエッチング条件では、エッチング速度は光学素子1の方がAl陽極酸化膜3より早く、Al陽極酸化膜3を除去するまでエッチングすることにより、アスペクト比の高い(1より大きい)円錐状の孔1aが所定ピッチPaでマトリクス状に形成された光学素子1Aが得られる。
以上のようにして作製された、複数の微小な円錐状の孔を有する構造はモスアイ構造といわれ、光学素子1Aと空気の界面における反射率を低減させる。
なお、本構造をEL等の発光面とカバーガラスとの界面に設置することで、界面における全反射の臨界角度を大きくして、結果として、光の取り出し効率の向上も達成される。
本実施例では、格子周期(ピッチPa)を略300nm、高さLaを略500nmとするモスアイ構造を光学素子1Aの表面に形成することにより、波長400nm〜800nmの帯域の光の反射率を0.5%以下に抑えることができた。
陽極酸化に要する時間は、電子線によりレジストをパターンニングする時間に比べて極めて短いものであり、また、陽極酸化に要する設備も、電子線のパターンニングに要する設備に対して極めて安価なものであり、本実施例の光学素子の表面加工方法によれば、光学素子の表面に微細構造からなる反射防止構造を低コスト、短時間で形成することが出来る。
図3は、本発明の光学素子の表面加工方法の実施例2により得られる光学素子の断面構成図である。
同図に示すように、本実施例2により得られる光学素子1Bは、一方の面上で光が達する領域に、単一波長の光に対して反射率を低減させる表面構造を有している。すなわち、波長オーダーの所定高さLbを有する円柱形の孔1bが所定ピッチPbでマトリクス状に配置された表面構造を有する。
表面構造が波長オーダーの円柱形の孔1bである場合は、単一波長の光に対し反射率を効率よく低減する効果がある。
なお、本構造をEL等の発光素子とカバーガラスの界面に設置することで、発光素子内部の光(発光光)を完全に外部に放射させるライトコーンと呼ばれる条件が成立し、発光光の高い取り出し効率を実現出来る。
これは面(光学素子の表面)内方向へ進もうとする光の波数ベクトルを周期配列がもつ構造的な波数ベクトルで打ち消すことによって、光を上下方向に向けさせ、空気中に取り出す効果である。円柱の周期、直径、高さ等の構造パラメータを変えることで対象となる光の波長を限定できる。
次に、光学素子1Bが有する、単一波長の光に対して反射率を低減させる表面構造の加工方法を、図4により説明する。
図4は、本発明の光学素子の表面加工方法の実施例2の工程図である。
まず、図4の(A)に示すように、光学素子1の一方の平坦な表面上にAl膜2を、実施例1と同様にして、成膜する。Al膜2の厚さは、略300nmである。
次に、図4の(B)に示すように、Al膜2を、実施例1と同様にして、所定の条件で陽極酸化して、高い規則性を有して孔3aがマトリクス状に配置された多孔質のAl陽極酸化膜3を得る。
次に、図4の(C)に示すように、Al陽極酸化膜4上に、例えばCr等の金属を成膜する。ここでは、Al陽極酸化膜3多孔質によって露出した光学素子1の表面上にCrを付着させることなく、Al陽極酸化膜3上にのみCr膜4を成膜するために、斜め蒸着方を使用した。すなわち、EB斜め蒸着により、20nm厚さのCr膜4をAl陽極酸化膜3上に形成した。
次に、図4の(D)に示すように、ふっ素系ガスを用いて、発光素子1の表面を、実施例1と同様にして、ドライエッチングする。
すなわち、RIE装置を使用して、エッチングガスとしては、CF3を30SCCM、H2を10SCCM流し、圧力を略4Paに保持して、RFパワーを100W印加して、エッチングする。RIEによるエッチングは、直進性が良好であり、上記のエッチング条件では、エッチング速度は光学素子1の方がCr膜4より格段に早く、したがって、Cr膜4をマスクとして、光学素子1の露出した表面をエッチングできる。所定深さまでエッチングした後、エッチングを終了し、次に、ウエットエッチングにより、Cr膜4及びAl陽極酸化膜3を除去する。エッチング液としては、例えば、10wt%の硫酸水又は塩酸水を使用する。
このようにして、アスペクト比の高い(1より大きい)円柱状の孔1bが所定ピッチPbでマトリクス状に表面に形成された光学素子1Bが得られる。
このように、例えばCr膜4のような金属膜を、Al陽極酸化膜3上に、成膜することにより、光学素子1Bの表面の加工形状をコントロールすることが可能になる。これは、Cr膜4は光学素子1よりエッチング速度が遅いためである。また、Cr膜4成膜時に斜め蒸着等の手法を用い細孔3内部への析出を抑えることで、より精密に加工形状をコントロールすることが可能になる。
本実施例2では、格子周期(ピッチPb)を略750nm、円柱直径Dを500nm、アスペクト比8(Lbを4000nmとした)の微小円柱形の孔1b構造を作製することで波長650nmにおける反射率を0.3%にすることが出来た。
以上のようにして作製された円柱形の孔構造は周期や深さに対応する単一波長の光に対して有効に光の取り出し効率を向上させることができる。ところがレジストパターンを用いる製法では、円柱形の孔構造は作るのは困難であるのに対し、本実施例2に示すAl陽極酸化膜3上に形成したCr膜4をマスクとして用いてエッチングすることにより、精密で高アスペクト比な円柱形の孔構造を、低コストで、短時間で形成することができる。
本実施例3は、実施例1の光学素子の表面加工方法を、発光素子、例えば発光ダイオードに適用したものである。
図5は、実施例1の表面加工方法を適用して得られる発光ダイオードの断面構成図である。
同図に示すように、本実施例のダブルヘテロ構造を有する赤色発光ダイオード10Aは、p−Ga0.35Al0.65As基板11上に順次形成したp−Ga0.65Al0.35As層12とn−Ga0.35Al0.65As層13Aより構成されている。さらに、p−Ga0.35Al0.65As基板11の下部とn−Ga0.35Al0.65As層13Aの上部にはAu合金からなる電極14、15がそれぞれ形成されている。
n−Ga0.35Al0.65As層13Aの大気と接する側の表面には、波長オーダーの円錐状の孔13aが所定ピッチPaaでマトリクス状に配置した微細構造が形成されている。
なお、n−Ga0.35Al0.65As層13A上に、この微細構造が表面に形成されてなく、平坦な表面である場合には、半導体層の屈折率と光が取り出される大気の屈折率差が大きいため、発光光の取り出し効率が悪くなる。
発光ダイオード10Aでは、上述したように、発光面が波長オーダーの円錐状の孔13aに加工されているため、n−Ga0.35Al0.65As層13Aの屈折率と発光光が取り出される側の大気の屈折率が連続的に変化する。光の反射は屈折率が急激に変化することによって発生する。よって、発光ダイオード10Aでは、n−Ga0.35Al0.65As層13Aと大気の界面の反射が抑えられ、発光効率が向上される。また、半導体と大気の界面における全反射条件を決定する臨界角も大きくなる。この効果からも発光表面における光の全反射が減少され発光効率が向上する。また、円錐状の孔13aを有する本構造では、高透過を必要とする光の波長に制限が加わらない。すなわち、広い波長帯域に対して効果がある。
次に、本実施例に示す発光ダイオード10Aの製造方法を図6により説明する。
図6は、実施例1の表面加工方法を発光ダイオードに適用した場合の工程図である。
なお、同図においては、表示の簡便のため発光ダイオード10Aを構成するn−Ga0.35Al0.65As層13(13A)のみを表示してある。
まず、図6の(A)に示すように、n−Ga0.35Al0.65As層13の発光面(大気側の面)上に、実施例1と同様にして、Al膜16を形成する。得られるAl膜16の厚さは300nmである。
次に、図6の(B)に示すように、Al膜16を、実施例1と同様にして、陽極酸化して、Al陽極酸化膜17を得る。Al陽極酸化膜17には、高い規則性を有して孔17aがマトリクス状に形成されている。
次に、図6の(C)に示すように、塩素系ガスを用いて発光面をドライエッチングする。エッチングには、ICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング装置を使用して、エッチングガスとして、Cl2を1SCCM、SiCl4を0.5SCCM、Arを5SCCM流して、圧力を0.5Paに保持して、RFパワーを20W、ICPパワーを100Wそれぞれ印加して、基板を50℃に加熱して、行った。
ICPによるエッチングは、直進性が良好で、上記のエッチング条件では、エッチング速度はn−Ga0.35Al0.65As層13の方がAl陽極酸化膜17より早く、Al陽極酸化膜17を除去するまでエッチングすることにより、発光面上に、アスペクト比の高い(1より大きい)円錐状の孔13aが所定ピッチPaaでマトリクス状に形成された光学発光ダイオード10Aが得られる。
以上のようにして作製された、複数の微小な円錐状の孔を有する構造はモスアイ構造といわれ、界面(発光面)における反射率を低減すると共に全反射の臨界角度を大きくする効果がある。結果として、光の取り出し効率向上が達成される。
本実施例では、格子周期(ピッチPaa)を略300nm、高さLaaを略500nmのモスアイ構造を発光ダイオード10Aの発光面に形成することにより、従来比5倍の発光光の取り出し効率が得られた。
ここで、陽極酸化に要する時間は、電子線によりレジストをパターンニングする時間に比べて極めて短いものであり、また、陽極酸化に要する設備も、電子線のパターンニングに要する設備に対して極めて安価なものであり、本実施例に適用した光学素子の表面加工方法によれば、光学素子の表面に微細構造からなる反射防止構造を低コスト、短時間で形成することが出来る。
本実施例4は、実施例2の光学素子の表面加工方法を、発光素子、例えば発光ダイオードに適用したものである。
図7は、実施例2の表面加工方法を適用して得られる発光ダイオードの断面構成図である。
同図に示すように、本実施例のダブルヘテロ構造を有する赤色発光ダイオード10Bは、p−Ga0.35Al0.65As基板11上に順次形成したp−Ga0.65Al0.35As層12とn−Ga0.35Al0.65As層13Bより構成されている。さらに、p−Ga0.35Al0.65As基板11の下部とn−Ga0.35Al0.65As層13Bの上部にはAu合金からなる電極14、15がそれぞれ形成されている。
n−Ga0.35Al0.65As層13Bの大気と接する側の表面(発光面)には、波長オーダーの円柱状の孔13bが所定ピッチPabでマトリクス状に配置した微細構造が形成されている。
発光ダイオード13Bでは発光面を、波長オーダーに周期配列をする円柱状の孔13b構造に加工することで発光ダイオード13Bの発光光を完全に外部に放射させるライトコーンと呼ばれる条件が成立し、発光光の高い取り出し効率を実現出来る。これは、発光ダイオード内部で、発光面面内方向へ進もうとする発光光の波数ベクトルを周期配列がもつ構造的な波数ベクトルで打ち消すことによって光を上下方向にむけさせ、空気中に取り出す効果である。円柱の周期、直径、高さ等の構造パラメータを変えることで対象となる光の波長を限定できる。
次に、本実施例に示す発光ダイオード10Bの製造方法を図8により説明する。
図8は、実施例2の表面加工方法を発光ダイオードに適用した場合の工程図である。
なお、同図においては、表示の簡便のため発光ダイオード10Bを構成するn−Ga0.35Al0.65As層13、13Bのみを表示してある。
まず、図8の(A)に示すように、n−Ga0.35Al0.65As層13の発光面(大気側の面)上に、実施例1と同様にして、Al膜16を形成する。得られるAl膜16の厚さは300nmである。
次に、図8の(B)に示すように、Al膜16を、実施例1と同様にして、陽極酸化して、Al陽極酸化膜17を得る。Al陽極酸化膜17には、高い規則性を有して孔17aがマトリクス状に形成されている。
次に、図8の(C)に示すように、Al陽極酸化膜17上に、例えばCr等の金属を、実施例2と同様にして(図4の(C)参照)成膜する。すなわち、Al陽極酸化膜17多孔質によって露出したn−Ga0.35Al0.65As層13の発光面上にCrを付着させることなく、Al陽極酸化膜17上にのみCr膜18を成膜するために、斜め蒸着方を使用した。すなわち、EB斜め蒸着により、20nm厚さのCr膜18をAl陽極酸化膜17上に形成した。
次に、図8の(D)に示すように、塩素系ガスを用いて発光面を、実施例3と同様にして(図6の(C)参照)、ドライエッチングする。すなわち、エッチングには、ICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング装置を使用して、エッチングガスとして、Cl2を1SCCM、SiCl4を0.5SCCM、Arを5SCCM流して、圧力を0.5Paに保持して、RFパワーを20W、ICPパワーを100Wそれぞれ印加して、基板を50℃に加熱して、行った。
ICPによるエッチングは、直進性が良好であり、上記のエッチング条件では、エッチング速度はn−Ga0.35Al0.65As層13の方がCr膜18より格段に早く、したがって、Cr膜18をマスクとして、n−Ga0.35Al0.65As層13の露出した発光面をエッチングできる。所定深さまでエッチングした後、エッチングを終了し、次に、ウエットエッチングにより、Cr膜18及びAl陽極酸化膜17を除去する。エッチング液としては、例えば、10wt%の硫酸水又は塩酸水を使用する。
このようにして、アスペクト比の高い(1より大きい)円柱状の孔13bが所定ピッチPabでマトリクス状に発光面に形成された発光ダイオード10Bが得られる。
このように、例えばCr膜18のような金属膜を、Al陽極酸化膜17上に、成膜することにより、発光ダイオード10Bの発光面の加工形状をコントロールすることが可能になる。これは、Cr膜18はn−Ga0.35Al0.65As層13よりエッチング速度が遅いためである。また、Cr膜18成膜時に斜め蒸着等の手法を用い細孔13b内部への析出を抑えることで、より精密に加工形状をコントロールすることが可能になる。
本実施例4では、格子周期(ピッチPab)を略750nm、円柱直径Dbを500nm、アスペクト比8(Labを4000nmとした)の微小円柱形の孔13b構造を作製することで、650nmの波長の光を発光する発光ダイオード10Bの発光取り出し効率を従来比で10倍とすることが出来た。
以上のようにして作製された円柱形の孔構造は周期や深さに対応する単一波長の光に対して有効に光の取り出し効率を向上させることができる。ところがレジストパターンを用いる製法では、円柱形の孔構造は作るのは困難であるのに対し、本実施例4に示すAl陽極酸化膜17上に形成したCr膜18をマスクとして用いてエッチングすることにより、精密で高アスペクト比な円柱形の孔構造を、低コストで、短時間で形成することができる。
本発明の光学素子の表面加工方法の実施例1により得られる光学素子の断面構成図である。 本発明の光学素子の表面加工方法の実施例1の工程図である。 本発明の光学素子の表面加工方法の実施例2により得られる光学素子の断面構成図である。 本発明の光学素子の表面加工方法の実施例2の工程図である。 実施例1の表面加工方法を適用して得られる発光ダイオードの断面構成図である。 実施例1の表面加工方法を発光ダイオードに適用した場合の工程図である。 実施例2の表面加工方法を適用して得られる発光ダイオードの断面構成図である。 実施例2の表面加工方法を発光ダイオードに適用した場合の工程図である。
符号の説明
1A、1B 光学素子
1a、1b 孔
2 Al膜
3 Al陽極酸化膜
3a 孔
4 Cr膜
10A、10B 発光ダイオード
11 p−Ga0.35Al0.65As基板
12 p−Ga0.65Al0.35As層
13 n−Ga0.35Al0.65As層
14 Au合金電極
15 Au合金電極
16 Al膜
17 Al陽極酸化膜
17a 孔
18 Cr膜

Claims (1)

  1. 表面をナノオーダーの凹凸で加工する光学素子の表面加工方法において、
    前記光学素子の表面にAl膜を形成した後、前記Al膜のシュウ酸処理を行って陽極酸化して多孔質なAl陽極酸化膜を形成し、
    次に、前記Al陽極酸化膜上に金属膜を形成し、前記Al陽極酸化膜から露出した前記光学素子のドライエッチングを行い、
    次に、前記金属膜及び前記Al陽極酸化膜をウェットエッチングして、前記ナノオーダーの凹凸を得ることを特徴とする光学素子の表面加工方法。

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