JP2006197368A - マルチモード通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 受信回路の低雑音増幅器(LNA)等のデバイスを漏洩電力による破壊から防止し、かつ良好な受信感度を得ることのできるマルチモード通信装置を提供する。
【解決手段】 第1の移動通信システムに対応する第1の送信回路11及び第1の受信回路12と、第2の移動通信システムに対応する第2の送信回路13及び第2の受信回路14とをそれぞれ独立に備えるマルチモード通信装置において、各送信回路11、13の送信出力電力が他方の受信回路14、12へ漏洩するのを抑圧するための遮断周波数可変フィルタ18、17と、各送信回路11、13の送信出力電力に応じた遮断周波数可変フィルタ18、17の遮断周波数を記憶する遮断周波数記憶部22と、送信出力電力に応じて遮断周波数可変フィルタ18、17の遮断周波数を変更制御する遮断周波数制御部23とを備え、使用する周波数帯での減衰量を最低限確保できる程度に遮断周波数を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動通信システム等において複数の通信システムに対応可能なマルチモード通信装置に関する。
近年の移動通信の発達に伴い、移動通信端末の高機能化が進んでいる。特に多様なサービスに対応するためには、1つの移動通信端末で複数の移動通信システムに対応するマルチモードの移動通信端末が求められている。このようなマルチモード移動通信装置として、各々の移動通信システムに対応する送信回路及び受信回路を独立で設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6は従来のマルチモード移動通信装置の構成を示す図である。このマルチモード移動通信装置は、第1の移動通信システムにおける通信時に送信動作を行うための第1の送信回路101、第1の移動通信システムにおける通信時に受信動作を行うための第1の受信回路102、第2の移動通信システムにおける通信時に送信動作を行うための第2の送信回路103、第2の移動通信システムにおける通信時に受信動作を行うための第2の受信回路104、第1の受信回路12における受信信号を増幅するLNA(Low Noise Amplifier :低雑音増幅器)105、第2の受信回路14における受信信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)106、第1の送信回路101と第1の受信回路102とを分離・結合するデュプレクサ109、第2の送信回路103と第2の受信回路104とを分離・結合するデュプレクサ110、第1の移動通信システムが使用する周波数と第2の移動通信システムが使用する周波数とを分離・結合するデュプレクサ111を備える。また、第1の移動通信システムに対応する所望の受信信号のみを通し妨害波成分を抑圧するための第1の受信回路102における帯域制限フィルタ501、第2の移動通信システムに対応する所望の受信信号のみを通し妨害波成分を抑圧するための第2の受信回路104における帯域制限フィルタ502、送受信するデータの処理や各構成部を制御するための演算を行うCPU(Central Processing Unit )503、CPU503の演算に必要なプログラムが格納されるROM(Read Only Memory)504、CPU503が演算を行う上で必要なデータなどが適宜記憶されるRAM(Random Access Memory)、インターフェース114、アンテナ115を備える。
なお、図6の構成では、送信回路と受信回路の高周波信号の分離、結合はすべてデュプレクサ109、110にて行っているが、無線アクセス方式がTDMA(Time Division Multiple Access)である無線通信システムに対応するものでは、一部は高周波スイッチにて選択的に切り替える構成になっているものもある。
上記のような構成のマルチモード移動通信装置における各送信回路101、103の送信出力電力は、基地局への到達電力や通信品質に応じて適応的に変化するように制御がなされている。また各受信回路102、104に備えられた各帯域制限フィルタ501、502は、妨害波レベルに関係なく固定の遮断周波数による通過特性を有するものが一般的である。
上記のような従来のマルチモード移動通信装置において、第1の移動通信システムにおける通信と第2の移動通信システムにおける通信とを同時に行うことを実現する場合、各々の送信回路及び受信回路の相互間干渉による無線特性の劣化が問題となる。特に一方の移動通信システムに対応する送信回路からの送信出力電力が、他方の移動通信システムに対応する受信回路に漏洩し、受信回路を構成する低雑音増幅器(LNA)等のデバイスを破壊するという問題が大きい。このような問題に対しては、例えば各受信回路に備える各帯域制限フィルタ501及び502などに、他方の移動通信システムが使用する送信周波数帯の漏洩電力を抑圧するような特性を持たせることが考えられる。
しかしながら、特に第1の移動通信システムと第2の移動通信システムの周波数離調度が低い場合(例えばW−CDMAシステムとDCS1800システムなど)は、各帯域制限フィルタ501、502に非常に急峻な減衰特性が要求される。一般にこのような急峻な減衰特性を得る帯域制限フィルタは遮断周波数が通過帯域近傍である必要があり、所望の減衰特性を得る場合、遮断周波数と受信周波数の関係から通過帯域の損失が大きくなり、これにより受信感度が劣化してしまうなどの課題があった。
また、前述したように、送信出力電力が適応的に変化するように制御されることから、送信出力電力が高い場合には、受信回路のデバイス破壊を防止するための前記漏洩電力に対する所望減衰量は大きくなり、逆に送信出力電力が低い場合には所望減衰量は小さくなる。ここで、漏洩電力抑圧のための帯域制限フィルタは、想定される最悪環境下における所望減衰量を満足するように固定値で設計がなされるのが一般的であり、このことは送信出力電力が低い場合においては、所望以上の減衰量を得ることになり、通過帯域での損失を増大させることになるため、特に受信感度が劣化することとなる。
特許第3235570号公報(図2)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、複数の通信システムに対応するために複数の送信回路及び受信回路をそれぞれ独立に備えるマルチモード通信装置において、送信回路の送信周波数帯における他の受信回路側への漏洩電力を所定レベルに抑圧し、他の通信システムに対応する受信回路の増幅器等のデバイスを漏洩電力による破壊から保護することができるとともに、受信周波数帯の損失を最低減に抑えることができ、良好な受信感度を得ることが可能なマルチモード通信装置を提供することを目的とする。
本発明のマルチモード通信装置は、複数の送信回路及び受信回路をそれぞれ独立に備え、複数の通信システムに対応可能なマルチモード通信装置であって、第1の通信システムに対応する送信回路の送信出力電力が他の第2の通信システムに対応する受信回路へ漏洩するのを抑圧するための、遮断周波数が可変である帯域制限フィルタと、前記帯域制限フィルタの遮断周波数を、前記送信回路の送信出力電力に応じて制御するフィルタ制御手段と、を備えるものである。
これにより、送信回路の送信周波数帯における他の受信回路側への漏洩電力を所定レベルに抑圧し、他の通信システムに対応する受信回路の増幅器等のデバイスを漏洩電力による破壊から保護することができるとともに、受信周波数帯の損失を最低減に抑えることができ、良好な受信感度を得ることが可能となる。
また、本発明のマルチモード通信装置は、上記のマルチモード通信装置であって、前記帯域制限フィルタは、前記受信回路における低雑音増幅器の前段、または、前記受信回路における低雑音増幅器の前段及び後段に設けられ、前記フィルタ制御手段は、前記低雑音増幅器の前段に設けられた帯域制限フィルタ、または、前記低雑音増幅器の前段及び後段にそれぞれ設けられた帯域制限フィルタのうち少なくとも一つの帯域制限フィルタについて、遮断周波数を前記送信回路の送信出力電力に応じて変更するものである。
これにより、受信回路における低雑音増幅器等のデバイスを漏洩電力による破壊から保護することができるとともに、受信回路の受信周波数帯に対応する通過帯域の損失を最低減に抑えることができ、良好な受信感度を得ることが可能となる。また、帯域制限フィルタの配置に応じて詳細にフィルタの特性を制御することができ、より良好な受信感度を得ることができる。
また、本発明のマルチモード通信装置は、上記のマルチモード通信装置であって、前記帯域制限フィルタは、それぞれの受信回路に設けられるものである。
これにより、それぞれの受信回路において他の通信システムに対応する送信回路からの漏洩電力を適切に遮断することで、受信回路の保護と受信周波数帯の損失の抑制とを両立でき、良好な受信感度を得ることが可能となる。
また、本発明のマルチモード通信装置は、上記いずれかのマルチモード通信装置であって、前記フィルタ制御手段は、前記第1の通信システムで使用する周波数帯での減衰量を送信出力電力に対して最低限確保できる程度に、前記帯域制限フィルタの遮断周波数を設定するものである。
これにより、受信回路における増幅器等のデバイスの漏洩電力による破壊を防止でき、かつ、受信周波数帯に対応する通過帯域の損失を最低限に抑えることが可能であり、良好な受信感度を得ることができる。
また、本発明のマルチモード通信装置は、上記いずれかのマルチモード通信装置であって、前記帯域制限フィルタは低域通過型フィルタであるものである。
これにより、第1の通信システムの使用周波数帯域に対して第2の通信システムの使用周波数帯域が低域側である場合に、通過帯域を第2の通信システムの使用周波数帯域に設定することにより、第1の通信システムに対応する送信回路の送信出力による第2の通信システムに対応する受信回路への漏洩電力を抑圧することができる。
また、本発明のマルチモード通信装置は、上記いずれかのマルチモード通信装置であって、前記帯域制限フィルタは高域通過型フィルタであるものである。
これにより、第1の通信システムの使用周波数帯域に対して第2の通信システムの使用周波数帯域が高域側である場合に、通過帯域を第2の通信システムの使用周波数帯域に設定することにより、第1の通信システムに対応する送信回路の送信出力による第2の通信システムに対応する受信回路への漏洩電力を抑圧することができる。
また、本発明のマルチモード通信装置は、上記いずれかのマルチモード通信装置であって、前記帯域制限フィルタは帯域通過型フィルタであるものである。
これにより、第1の通信システムの使用周波数帯域に対して第2の通信システムの使用周波数帯域が低域側、高域側のいずれの場合であっても、通過帯域を第2の通信システムの使用周波数帯域に設定することにより、第1の通信システムに対応する送信回路の送信出力による第2の通信システムに対応する受信回路への漏洩電力を抑圧することができる。
また、本発明のマルチモード通信装置は、上記いずれかのマルチモード通信装置であって、前記帯域制限フィルタは帯域阻止型フィルタであるものである。
これにより、第1の通信システムの使用周波数帯域に対して第2の通信システムの使用周波数帯域が低域側、高域側のいずれの場合であっても、阻止帯域を第1の通信システムの使用周波数帯域に設定することにより、第1の通信システムに対応する送信回路の送信出力による第2の通信システムに対応する受信回路への漏洩電力を抑圧することができる。
本発明によれば、複数の通信システムに対応するために複数の送信回路及び受信回路をそれぞれ独立に備えるマルチモード通信装置において、送信回路の送信周波数帯における他の受信回路側への漏洩電力を所定レベルに抑圧し、他の通信システムに対応する受信回路の増幅器等のデバイスを漏洩電力による破壊から保護することができるとともに、受信周波数の通過帯域の損失を最低減に抑えることができ、良好な受信感度を得ることができる。
本実施形態では、マルチモード通信装置の一例として、複数の移動通信システムに対応可能なマルチモード移動通信装置(マルチモード移動端末)の構成例を示す。
図1は本発明の実施形態に係るマルチモード移動通信装置の構成を示すブロック図である。本実施形態のマルチモード移動通信装置は、第1の通信システム(第1の移動通信システム)における通信時に送信動作を行うための第1の送信回路11、第1の移動通信システムにおける通信時に受信動作を行うための第1の受信回路12、第2の通信システム(第2の移動通信システム)における通信時に送信動作を行うための第2の送信回路13、第2の移動通信システムにおける通信時に受信動作を行うための第2の受信回路14を備えて構成される。
第1の移動通信システムに対応する受信系には、第1の移動通信システムにおける受信信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)15と、第1の受信回路12において第2の移動通信システムが使用する送信周波数の漏洩電力を抑圧する遮断周波数可変フィルタ17とが設けられる。第2の移動通信システムに対応する受信系には、第2の移動通信システムにおける受信信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)16と、第2の受信回路14において第1の移動通信システムが使用する送信周波数の漏洩電力を抑圧する遮断周波数可変フィルタ18とが設けられる。
また、第1の送信回路11と第1の受信回路12とを分離・結合するデュプレクサ19、第2の送信回路13と第2の受信回路14とを分離・結合するデュプレクサ20、第1の移動通信システムが使用する周波数と第2の移動通信システムが使用する周波数とを分離・結合するデュプレクサ21が設けられ、デュプレクサ21にアンテナ25が接続される。
また、第1の送信回路11、第1の受信回路12、第2の送信回路13、第2の受信回路14はインターフェース24に接続され、このインターフェース24を介して、遮断周波数記憶部22と遮断周波数制御部23とが接続される。遮断周波数記憶部22は、第1の送信回路11における送信出力電力或いは第2の送信回路13における送信出力電力のそれぞれの送信出力電力毎に、遮断周波数可変フィルタ17或いは18に設定する遮断周波数の設定値を対応付けて記憶する。遮断周波数制御部23は、第1の送信回路11における送信出力電力或いは第2の送信回路13における送信出力電力のそれぞれの送信出力電力に応じて、遮断周波数記憶部22に記憶された対応する遮断周波数の設定値を読み出し、それぞれの遮断周波数可変フィルタ17或いは18の遮断周波数制御を行う。
上記遮断周波数記憶部22及び遮断周波数制御部23により、帯域制限フィルタとして機能する遮断周波数可変フィルタ17,18の遮断周波数を送信出力電力に応じて変更するフィルタ制御手段が構成される。なお、遮断周波数記憶部22はROM、RAM等のメモリを用いて構成され、遮断周波数制御部23はCPU等のプロセッサを用いて構成される。
図1の構成では、第1移動通信システムに対応する第1の送信回路11と第1の受信回路12、及び第2移動通信システムに対応する第2の送信回路13と第2の受信回路14のそれぞれの分離・結合は、デュプレクサ19、20によって実現する構成を示したが、これに限るものではない。例えば、対応する移動通信システムの無線アクセス方式がTDMA方式の場合には、高周波スイッチにて経路を選択的に切り替えるように構成しても良い。
図2は遮断周波数記憶部22に送信回路の送信出力電力に対応付けて記憶される遮断周波数可変フィルタ17或いは18に対する遮断周波数の設定例を示す図である。図3は遮断周波数可変フィルタの印加電圧に対する遮断周波数可変特性の一例を示す図である。図4は遮断周波数可変フィルタの設定遮断周波数による通過特性の一例を示す図である。
以下に、本実施形態のマルチモード通信装置における動作を、遮断周波数可変フィルタ17,18による帯域制限フィルタの制御方法を中心に説明する。ここでは、第1の移動通信システムを2GHz帯のW−CDMAシステム、第2の移動通信システムをW−CDMAシステムより低い周波数帯のPDC等の移動通信システムであるとし、この時の第2の移動通信システムに対応する受信系における遮断周波数可変フィルタ18の制御を例に説明する。
まず、第1の移動通信システムであるW−CDMA方式にて通信がなされている最中は、第1の送信回路11から送信される送信信号は、デュプレクサ19、21及びアンテナ24を介して送信される。この際、デュプレクサ20を介して第2の受信回路14側へ送信出力電力が漏洩する。なお、第1の送信回路11より出力する送信出力電力は、基地局への到達電力や通信品質に応じて適応的に変化するように制御がなされている。遮断周波数記憶部22には、各送信出力電力に対応付けられた遮断周波数可変フィルタ18の遮断周波数の設定値が記憶されている。
ここで、遮断周波数制御部23は、送信出力電力に応じて、遮断周波数記憶部22から送信出力電力に対応する遮断周波数可変フィルタ18の遮断周波数の設定値を適宜読み出し、前記設定値に基づき遮断周波数可変フィルタ18の遮断周波数を変更する制御を行う。例えば、第1の送信回路11の送信出力電力が最大出力である+24dBmに制御されているとする。このとき、遮断周波数制御部23は、遮断周波数記憶部22に記憶された図2に示す対応表から+24dBmの出力時の遮断周波数1894MHzを読み出し、この値に基づき遮断周波数可変フィルタ18の遮断周波数が1894MHzになるように制御する。
遮断周波数の具体的な制御方法の例として、遮断周波数可変フィルタ18の特性が図3に示すように印加する電圧によって遮断周波数が可変である構成の場合を示す。この場合、送信出力電力が+24dBmのときには、印加電圧として2.2Vを遮断周波数可変フィルタ18に印加することで、遮断周波数を1894MHzとなるように制御する。同様に、送信出力電力が−16dBmのときには、遮断周波数制御部23は、遮断周波数記憶部22に記憶された図2に示す対応表から−16dBmの出力時の遮断周波数1904MHzを読み出し、この値に基づき、図3に示す印加電圧特性から2.7Vを遮断周波数可変フィルタ18に印加し、遮断周波数を1904MHzに制御する。
各送信出力電力に対応付けられる遮断周波数は、第2の移動通信システムに対応する受信系におけるLNA16等のデバイスを破壊しない程度の減衰量が得られるように決められる。この「デバイスを破壊しない程度の減衰量」としては、実際にはLNAの1dB利得抑圧時入力電力を満足し、受信感度抑圧を起こさないような値を用いる。
ここで、遮断周波数可変フィルタ18の通過特性は、例えば図4に示すような特性を持つものとする。遮断周波数を低く設定すれば、受信周波数よりも高域にある他方の通信システムにて使用する送信周波数帯での減衰量は大きくなるが、受信周波数における通過損失も大きくなる。また逆に、遮断周波数を高く設定すれば、受信周波数よりも高域にある他方の通信システムにて使用する送信周波数帯での減衰量は小さくなるが、受信周波数における通過損失も小さくなる。
一般に、帯域制限フィルタの遮断周波数を通過帯域の近傍に設定することは、通過帯域内での通過損失を増大させ受信感度の劣化を招く。本実施形態では、送信出力電力が高い時には受信回路のLNA等のデバイスを漏洩電力による破壊から防止するために送信周波数帯での減衰量を優先し、逆に送信出力電力が低い時には受信感度を優先するように、送信出力電力に応じて適応的に帯域制限フィルタの遮断周波数を制御する。このとき、帯域制限フィルタにおける他方の通信システムが使用する周波数帯での減衰量として、送信出力電力から求まる所望減衰量を最低限確保できる程度に遮断周波数を制御することで、通過帯域損失を最低限に抑えることができ、良好な受信感度を得ることができる。
例えば、第2の移動通信システムに対応する受信系において、第2の受信回路14に接続されるLNA16の絶対最大定格における耐電力性能を+15dBmとすると、それ以下に漏洩電力を抑圧するように遮断周波数可変フィルタ18を制御する。実際には受信感度抑圧を防止するために、漏洩電力をLNAの1dB利得抑圧時入力電力以下に抑圧しなければならないことから、前記1dB利得抑圧時入力電力を−17dBmとすると、第1移動通信システムに対応する送信系の送信出力電力が最大出力である+24dBmに制御されている場合、前記遮断周波数可変フィルタ18の第1の移動通信システムが使用する周波数帯の所望減衰量は−41dBとなる。
このとき、遮断周波数制御部23は、遮断周波数記憶部22に記憶された図2に示す対応表から+24dBm時の遮断周波数1894MHzを読み出し、この値に基づき遮断周波数可変フィルタ18の遮断周波数が1894MHzになるように制御する。これにより、第1の移動通信システムが使用する周波数帯の減衰量を−44dB確保することができ、漏洩電力の抑圧量として最低限の減衰量を取ることができる。
同様に、送信出力電力が−16dBmの時には、遮断周波数制御部23は遮断周波数記憶部22に記憶された図2に示す対応表から、−16dBm出力時の遮断周波数1904MHzを読み出し、遮断周波数可変フィルタ18の遮断周波数を1904MHzになるように制御する。これにより、第1の移動通信システムが使用する周波数帯の減衰量は−24dBとなり、所望減衰量の−17dBに対して十分マージンを取ることができる。さらに、遮断周波数の受信通過帯域からの離調度を確保することができるため、受信通過帯域の損失を低く抑えられ、良好な受信感度を得ることができる。
なお、上記実施形態では、遮断周波数可変フィルタを受信回路の入力一箇所に配置するようにしたが、これを受信系の複数の個所に配置し、それぞれのフィルタにおいて最低限の所望減衰量を確保するように適当な遮断周波数を設定するように構成しても良い。具体例を図5に示す。図5は本実施形態のマルチモード移動通信装置の変形例の構成を示すブロック図である。この変形例のように、各LNA(低雑音増幅器)15、16の前段及び後段に、それぞれ遮断周波数可変フィルタ17a、17b、18a、18bを配置し、遮断周波数制御部23によってこれらの遮断周波数可変フィルタのうちの少なくとも1つのフィルタの遮断周波数を一方の移動通信システムに対応する送信回路の送信出力電力に応じて変更する構成にする。これにより、一方の移動通信システムが使用する周波数帯での所望減衰量を最低限確保するという点で、詳細にフィルタの特性を制御することができ、より良好な受信感度を得ることができる。
また、上記実施形態では、遮断周波数の制御を行う側の移動通信システムが使用する周波数帯域に対して他方の移動通信システムが使用する周波数帯域を低域側とし、遮断周波数可変フィルタとして低域通過型(LPF型)の遮断周波数可変フィルタを想定したが、対応する複数の移動通信システムが使用する周波数の配置関係を限定するものではない。 例えば、他方の移動通信システムが使用する周波数帯域を高域側とした場合であっても、遮断周波数可変フィルタを例えば高域通過型(HPF型)とすることで、送信出力電力が高い時には遮断周波数を高く、送信出力電力が低い時には遮断周波数を低くすることにより同様の効果を得ることができる。また、遮断周波数可変フィルタ17、18は、帯域通過型(BPF型)或いは帯域阻止型(BEF型)のフィルタを用いてもよい。
上述したように、本実施形態では、複数の移動通信システムに対応するために、複数の送信回路及び複数の受信回路をそれぞれ独立に備えるマルチモード移動通信装置において、一方の移動通信システムに対応する送信回路の送信出力電力が他方の移動通信システムに対応する受信回路へ漏洩するのを抑圧するために遮断周波数が可変である帯域制限フィルタを備え、この帯域制限フィルタの遮断周波数を一方の移動通信システムに対応する送信回路の送信出力電力に応じて変更する構成としている。これによって、送信周波数帯における受信回路側への漏洩電力を所定レベルに抑圧し、他方の移動通信システムに対応する受信回路の低雑音増幅器(LNA)等のデバイスを漏洩電力による破壊から保護して回路の故障を防止することが可能であり、かつ、受信周波数の通過帯域の損失を最低減に抑えることができ、良好な受信感度を得ることが可能となる。さらに、遮断周波数可変フィルタを用いて一方の移動通信システムに対応する送信回路からの送信出力電力を抑圧することにより、低雑音増幅器等のデバイスの部品仕様において、漏洩電力に対する耐電力性能を緩和することができ、より安価なデバイスを使用することができる。このことは商品開発において安価でより簡素化されたシステム構成を採るのに効果的である。
本発明は、複数の通信システムに対応するために複数の送信回路及び受信回路をそれぞれ独立に備えるマルチモード通信装置において、送信回路の送信周波数帯における他の受信回路側への漏洩電力を所定レベルに抑圧し、他の通信システムに対応する受信回路の増幅器等のデバイスを漏洩電力による破壊から保護することができるとともに、受信周波数の通過帯域の損失を最低減に抑えることができ、良好な受信感度を得ることが可能となる効果を有し、移動通信システム等において複数の通信システムに対応可能なマルチモード通信装置等に有用である。
本発明の実施形態に係るマルチモード移動通信装置の構成を示すブロック図 本実施形態のマルチモード移動通信装置における遮断周波数記憶部に送信回路の送信出力電力に対応付けて記憶される遮断周波数可変フィルタに対する遮断周波数の設定例を示す図 本実施形態のマルチモード移動通信装置における遮断周波数可変フィルタの印加電圧に対する遮断周波数可変特性の一例を示す図 本実施形態のマルチモード移動通信装置における遮断周波数可変フィルタの設定遮断周波数による通過特性の一例を示す図 本発明の実施形態に係るマルチモード移動通信装置の変形例の構成を示すブロック図 従来のマルチモード移動通信装置の構成を示す図
符号の説明
11 第1の送信回路
12 第1の受信回路
13 第2の送信回路
14 第2の受信回路
15、16 LNA(低雑音増幅器)
17、18 遮断周波数可変フィルタ
19、20、21 デュプレクサ
22 遮断周波数記憶部
23 遮断周波数制御部
24 インターフェース
25 アンテナ

Claims (8)

  1. 複数の送信回路及び受信回路をそれぞれ独立に備え、複数の通信システムに対応可能なマルチモード通信装置であって、
    第1の通信システムに対応する送信回路の送信出力電力が他の第2の通信システムに対応する受信回路へ漏洩するのを抑圧するための、遮断周波数が可変である帯域制限フィルタと、
    前記帯域制限フィルタの遮断周波数を、前記送信回路の送信出力電力に応じて制御するフィルタ制御手段と、
    を備えるマルチモード通信装置。
  2. 請求項1に記載のマルチモード通信装置であって、
    前記帯域制限フィルタは、前記受信回路における低雑音増幅器の前段、または、前記受信回路における低雑音増幅器の前段及び後段に設けられ、
    前記フィルタ制御手段は、前記低雑音増幅器の前段に設けられた帯域制限フィルタ、または、前記低雑音増幅器の前段及び後段にそれぞれ設けられた帯域制限フィルタのうち少なくとも一つの帯域制限フィルタについて、遮断周波数を前記送信回路の送信出力電力に応じて変更するマルチモード通信装置。
  3. 請求項1に記載のマルチモード通信装置であって、
    前記帯域制限フィルタは、それぞれの受信回路に設けられるマルチモード通信装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のマルチモード通信装置であって、
    前記フィルタ制御手段は、前記第1の通信システムで使用する周波数帯での減衰量を送信出力電力に対して最低限確保できる程度に、前記帯域制限フィルタの遮断周波数を設定するマルチモード通信装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルチモード通信装置であって、
    前記帯域制限フィルタは低域通過型フィルタであるマルチモード通信装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルチモード通信装置であって、
    前記帯域制限フィルタは高域通過型フィルタであるマルチモード通信装置。
  7. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルチモード通信装置であって、
    前記帯域制限フィルタは帯域通過型フィルタであるマルチモード通信装置。
  8. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルチモード通信装置であって、
    前記帯域制限フィルタは帯域阻止型フィルタであるマルチモード通信装置。
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