JP2006197350A - 超広帯域無線信号受信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 実装あるいは演算の複雑性を改善した超広帯域無線信号受信機を提案する。
【解決手段】 マルチパスの影響を抑制するために、閾値を設けて信号を選択し、レイク合成に要するフィンガー数や遅延素子数を削減し、ビタビ等化器で考慮する状態数を削減することでメトリック計算量の削減をはかる。受信信号の逆拡散を行うパルス相関器と、その出力を受けて、信号を選択し、選択情報を出力するチャネル推定器と、その出力を受けて、マルチパスで分散した信号エネルギーを回収するレイク合成器と、その出力と通信に用いるシンボルとの相関をとる符号相関器と、その出力に含まれるエラーを抑制するためのビタビ等化器と、その出力を復号して出力する多元陪直交化キーイング復号器と、を備え、上記のチャネル推定器は、予め決められた閾値以上の強度の信号を選択する。
【選択図】 図2
【解決手段】 マルチパスの影響を抑制するために、閾値を設けて信号を選択し、レイク合成に要するフィンガー数や遅延素子数を削減し、ビタビ等化器で考慮する状態数を削減することでメトリック計算量の削減をはかる。受信信号の逆拡散を行うパルス相関器と、その出力を受けて、信号を選択し、選択情報を出力するチャネル推定器と、その出力を受けて、マルチパスで分散した信号エネルギーを回収するレイク合成器と、その出力と通信に用いるシンボルとの相関をとる符号相関器と、その出力に含まれるエラーを抑制するためのビタビ等化器と、その出力を復号して出力する多元陪直交化キーイング復号器と、を備え、上記のチャネル推定器は、予め決められた閾値以上の強度の信号を選択する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、実装あるいは演算の複雑性を改善した超広帯域(Ultra Wide Bandwidth :UWB)無線信号受信機に関している。
超広帯域(Ultra Wide Bandwidth:UWB)無線通信は、近距離における低消費電力かつ高速データ伝送が可能な無線通信として注目を集めている。このようなUWB信号を用いた無線通信には、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)の高速データ伝送向けPHY(物理層)がある。例えば、ルートレイズドコサイン(Root-raised cosine)パルス信号を用いた直接系列UWB(Direct-Sequence UWB:DS−UWB)方式や、マルチバンド型直交周波数分割多重(Multi-Band Orthogonal Frequency Division Multiplex:MB−OFDM)方式などが知られている。
DS−UWB方式は、簡素な構成で1Gbps超までの高速データ伝送を行える方式として注目されているが、マルチパスによる影響を受け易いという欠点もある。例えば、通常用いられるDS−UWB方式では、約1nsec間隔で連続したUWBパルス信号を送信するために、数10nsecにも広がるマルチパスの影響を大きく受けることになる。よって受信側でのパルス間干渉除去技術の採用が不可欠となり、このためには、判定帰還等化器(Decision Feedback Equalizer:DFE)などが用いられている。
この問題に対する解決手法として、レイク受信と等化技術を併用することが考えられる。レイク受信としては、これまでに選択レイク(s−rake)と部分レイク(p−rake)が提案されている。選択レイクは、パルス間の干渉を補償するに充分なエネルギーを回収できるが、実装に際して、非常に多数の遅延デバイスが必要となる。一方、p−レイクは充分なエネルギーを回収できないが、実装における複雑度は低いものとなる。これらは実装複雑度と性能とのトレードオフとなるため、両者の中間となるようなレイク受信手段が必要となる。また、等化技術としては、最尤系列推定(MLSE)に基づくビタビ等化器は有効であると考えられる。なぜなら、判定帰還等化では誤り伝播を引き起こすため、受信信号対雑音電力が低い場合には効果的な等化にならないためである。しかしながら、MBOK DS−UWBシステムにおいて、受信側でビタビ等化を行う事は計算処理が多くなるために困難である。よって、MBOK DS−UWBシステムにビタビ等化を適用するためには、何らかの計算量削減手法が必要になる。
この発明では、MBOK DS−UWBシステム用の複雑度の低いレイク受信とビタビ等化技術を示す。提案するレイク受信機は実装が複雑でなく、また提案するビタビ等化はブランチメトリック計算の複雑度を大幅に緩和することが可能になる。
上記の様に、多元陪直交化キーイング(MBOK)を用いたDS−UWB方式は、高速なデータ伝送を行う際にも拡散利得を保つことができるが、マルチコード化することにより受信側で用いる等化器の複雑度が増加してしまう。
本発明では、マルチパスの影響を抑制するために、閾値を設けて信号を選択し、レイク合成に要するフィンガー数や遅延素子数を削減し、ビタビ等化器で考慮する状態数を削減することでメトリック計算量の削減をはかる。
MBOK DS−UWBシステムに、複雑度の低い組み合わせであるレイク受信とビタビ等化を適用し、遅延素子あるいは記憶素子の数を限定したcs−レイク受信により、レイク合成の複雑度を抑制した。シミュレーション結果は、cs−レイクは、最適受信であるs−レイクと同程度のエネルギーを回収できることを示している。また、MBOK DS−UWBシステムのビタビ等化器にRS−DDFSEを適用すると、シミュレーション閣下よりMLSEと同程度の誤り率特性を示すことが分かる。しかし、RS−DDFSEを用いた場合の計算量は、MLSEを用いた場合の4分の1に削減することができる。
本発明の超広帯域無線信号受信機は、データ変調信号による帯域幅よりも大きな拡散変調による帯域幅を持った超広帯域無線信号を用いる多元陪直交化キーイング(MBOK)方式の通信装置の受信機であって、
受信した信号の逆拡散を行うためのパルス相関器と、
前記パルス相関器の出力を受けて、信号を選択し、選択情報を出力するチャネル推定器と、
前記チャネル推定器の出力を受けて、マルチパスで分散した信号エネルギーを回収するレイク合成器と、
前記レイク合成器の出力と通信に用いるシンボルとの相関をとる符号相関器と、
符号相関器の出力に含まれるエラーを抑制するためのビタビ等化器と、
ビタビ等化器の出力を復号して出力する多元陪直交化キーイング復号器と、
を備え、
上記のチャネル推定器からの選択情報を用いてレイク合成とビタビ等化を行うことを特徴としている。
受信した信号の逆拡散を行うためのパルス相関器と、
前記パルス相関器の出力を受けて、信号を選択し、選択情報を出力するチャネル推定器と、
前記チャネル推定器の出力を受けて、マルチパスで分散した信号エネルギーを回収するレイク合成器と、
前記レイク合成器の出力と通信に用いるシンボルとの相関をとる符号相関器と、
符号相関器の出力に含まれるエラーを抑制するためのビタビ等化器と、
ビタビ等化器の出力を復号して出力する多元陪直交化キーイング復号器と、
を備え、
上記のチャネル推定器からの選択情報を用いてレイク合成とビタビ等化を行うことを特徴としている。
また、上記の超広帯域無線信号受信機では、上記のチャネル推定器は、予め決められた閾値以上の強度の信号を選択する。
また、上記の超広帯域無線信号受信機では、上記のチャネル推定器は、保持する信号の絶対値の最大強度をVmとし、予め与えられた1以下の正の定数をαとするとき、絶対値がαVm以上の信号を選択する。
図1にMBOK DS‐UWBの情報マッピング方法を示す。MBOKでは、K=1og2Mビットの情報を、長さLcの陪直交拡散系列の選択およびその正負符号にマッピングする。この陪直交拡散系列の集合をCとすると、その要素の半分が直交拡散系列、残りのその相補系列で構成される。
MBOKパルスマッパーは、i番目のKビット情報を次に示す拡散系列にマッピングする。
この選択された拡散系列ci trの各チップは、時間幅Tpを持つインパルス信号p(t)によって次式のように置換されて超広帯域信号となる。
ここで、Tcはチップ時間を表している。ここでは、チップ時間Tcは、インパルス幅Tpと等しいと仮定する。シンボル数がNsであるとすると、送信信号x(t)は次のようになる。
ここで、Ts はシンボル間隔を示しており、LcTcに等しい値とする。
マルチパス通信路では、インパルス応答は、次の式で与えられる。
マルチパス通信路では、インパルス応答は、次の式で与えられる。
ここでLはパス数、αlとτl はパスlのパス利得と遅延時間を表している。このモデルでは、受信信号は次のように与えられる。
n(t)は、平均0、分散σ2のガウスノイズである。
図2にレイク合成器とビタビ等化器をもったMBOK DS‐UWB受信機のブロック図を示す。この受信機では、まず受信信号r(t)とインパルス信号p(t)との相関を取る。i番目のシンボルのj番目のチップに対応する信号において、その相関出力は次のようになる。
ここで、パルス相関処理においては、ジッタは無いものと仮定している。このzi、jがレイク合成器に入力され、マルチパスによって分散されたエネルギーを回収する。レイク合成出力は次のように与えられる。
ここでNfは、フィンガー数であり、αfとτfは、f番目のフィンガーにおける合成重みと遅延量を表す。このαfはチャネルの推定器によって決定される。レイク合成出力zr i、jは、集合Cに含まれる各拡散系列cmとの相関をとる。拡散系列相関器の出力は、次の式で与えられる。
ここで、IPIは、InterPulseInterference、すなわちパルス間干渉を表す項である。ビタビ等化器は、チャネルの推定器からの情報を用いて、このIPI項を取り除くために用いられる。
[複雑度の低いレイク受信と等化]
DS−UWBシステムは高速データ転送においては、処理を短時間で行うために複雑度の低いレイク受信と等化技術が必要である。本発明では、MBOK DS−USBシステムにおいて、実装の際の複雑度を削減できるレイク受信技術およびビタビ等化器アルゴリズムを提案する。
DS−UWBシステムは高速データ転送においては、処理を短時間で行うために複雑度の低いレイク受信と等化技術が必要である。本発明では、MBOK DS−USBシステムにおいて、実装の際の複雑度を削減できるレイク受信技術およびビタビ等化器アルゴリズムを提案する。
[低複雑度のレイク受信]
DS−UWBシステムでは、レイク受信はマルチパスによって分散したエネルギーを捕捉するために用いられる。これまでに、図3に示す様な2種類のレイク受信技術が提案されている。一つは、選択的レイク受信(s−レイク)で、これは、最大のNfパスを、合成電力が最大となる最大比合成法(maximum ratio combining (MRC))によって合成する。他は、部分的レイク(p−レイク)と呼ばれ、MRCを用いて、初期Nfパスを合成する。図7に示した様に、s−レイク受信では、p−レイク受信の場合よりも大きな捕捉エネルギーを提供することができるが、p−レイクよりも多数の遅延素子数や記憶素子数Ndが必要になる。Ndの増加は実装時の複雑度増加を招く。
DS−UWBシステムでは、レイク受信はマルチパスによって分散したエネルギーを捕捉するために用いられる。これまでに、図3に示す様な2種類のレイク受信技術が提案されている。一つは、選択的レイク受信(s−レイク)で、これは、最大のNfパスを、合成電力が最大となる最大比合成法(maximum ratio combining (MRC))によって合成する。他は、部分的レイク(p−レイク)と呼ばれ、MRCを用いて、初期Nfパスを合成する。図7に示した様に、s−レイク受信では、p−レイク受信の場合よりも大きな捕捉エネルギーを提供することができるが、p−レイクよりも多数の遅延素子数や記憶素子数Ndが必要になる。Ndの増加は実装時の複雑度増加を招く。
我々の提案は、Ndの数を限定した上でのs−レイク受信である。これを制限したs−レイク受信(constricted s-rake : cs-rake)と呼ぶ。図4に示す様に、本発明でのcs−レイクは、限定されたNdパスのうち、閾値以上の強度を持つNfパスを合成する。このための閾値Vt(あるいは−Vt)は、チャネル推定器から得られた値を用いる。
また、閾値は、合成するマルチパス数Nfによって決定される。この閾値処理は、チャネル評価器6が次のように行う。
1)絶対値での最大値を見出し、
2)絶対値の大きさがNf番目となるマルチパスを見出し、
3)1)の値を2)の値で除算した値を閾値とする。
4)この閾値に基づいて、Nf個のマルチパスを選択する。
1)絶対値での最大値を見出し、
2)絶対値の大きさがNf番目となるマルチパスを見出し、
3)1)の値を2)の値で除算した値を閾値とする。
4)この閾値に基づいて、Nf個のマルチパスを選択する。
この選択によって、微弱なマルチパス成分は棄却され、レイク合成を短時間で処理できるようになる。また、チャネル推定器6からの出力には、選択に関する情報が、ビタビ等化器にも送られ、等化処理を短時間で済ませることができるようになる。レイク合成器においては、Nf個のパスに対応するようにNf個の合成フィンガーが用いられる。
上記のようにNf個のフィンガーを用いる場合には、そのレイク合成においては、状況に応じて数の変わるNf個のフィンガーを合成することも可能であるが、例えば、Nd個のフィンガーがあり、Nf個を除いて、他の信号強度は全てゼロであるとしてレイク合成を進めてもよい。また、この場合のビタビ等化器での処理では、信号強度がゼロの状態へのパスは無いものとして、取り扱うことができる。
我々の提案は、Ndが限られた上でのs−レイク受信である。これを制限したs−レイク受信(constricted s-rake : cs-rake)と呼ぶ。図4に示す様に、cs−レイクは、Ndパスから、信号強度が大きい上位Nfパスを合成する。Ndを限定することにより、cs−レイクにより実装時の複雑度が抑制される。
[低複雑度のビタビ等化]
次に、MBOK DS−UWBシステム用のビタビ等化の計算における複雑度を抑制する方法を提案する。まず、MLSEの代わりに、遅延判定帰還系列推定(DDFSE)を、等化の複雑度を低下させるために、系列推定アルゴリズムとして用いる。DDFSEは、最尤系列推定(MLSE)と判定帰還推定(DFE)のハイブリッド系列推定である。図5に示す様に、DDFSEでは、ステップごとのブランチメトリック計算回数を削減することができる。この理由で、DDFSEが現在の無線通信システムに用いられている。DDFSEを用いることによって、ブランチメトリック計算の回数は、Mη・MからMμ・Mに減少する。通常は、μはηよりも小さくとられるため、計算量の削減に繋がる。
次に、MBOK DS−UWBシステム用のビタビ等化の計算における複雑度を抑制する方法を提案する。まず、MLSEの代わりに、遅延判定帰還系列推定(DDFSE)を、等化の複雑度を低下させるために、系列推定アルゴリズムとして用いる。DDFSEは、最尤系列推定(MLSE)と判定帰還推定(DFE)のハイブリッド系列推定である。図5に示す様に、DDFSEでは、ステップごとのブランチメトリック計算回数を削減することができる。この理由で、DDFSEが現在の無線通信システムに用いられている。DDFSEを用いることによって、ブランチメトリック計算の回数は、Mη・MからMμ・Mに減少する。通常は、μはηよりも小さくとられるため、計算量の削減に繋がる。
MBOKマッピングの性質を考慮することによって、さらに状態数を削減する方法を発明した。上記で説明したように、拡散系列の半分はMBOKのマッピングで他の拡散系列の相補的な拡散系列である。トレリス線図における各状態遷移において、拡散系列の正負極性決定を導入することで、トレリスで考慮すべき状態数を半減することができる。
相補的な拡散系列Cmと−Cmとの距離は、異種拡散系列であるCmと±Cn≠m間の距離より大きいため、この判定を導入することによる誤り率の劣化は少ないと考えられる。この概念を導入した状態数削減DDFSE(RS−DDFSE)のトレリス線図は、図6に示されるようなものになる。このトレリス線図例では、考慮される遅延シンボル数μは2に設定している。この値は、図5に示したMLSEとDDFSEの場合と同じである。RS−DDFSEトレリスでは、パラレルブランチがMBOK拡散系列の極性決定を表現するために使われる。RS−DDFSEを導入することで、状態数はDDFSEと比較してさらに半分に削減することができる。ステップごとのブランチメトリックの計算回数の総計は、(M/2)μ・Mとなる。例えば、4BOK DS−UWBの場合には、RS−DDFSEのブランチメトリックの計算回数は、MLSEと比べて1/8となる。
[パフォーマンス評価]
以下に提案したレイク受信とビタビ等化法との評価について説明する。ここで用いたシミュレーションパラメータを表1に示す。用いたパルス信号は、ピークレベルから−10dBにおいて約1.5GHzの帯域を持つ。シミュレーションでは、チャネル推定器は完全な通信路情報を出力するものと仮定した。
以下に提案したレイク受信とビタビ等化法との評価について説明する。ここで用いたシミュレーションパラメータを表1に示す。用いたパルス信号は、ピークレベルから−10dBにおいて約1.5GHzの帯域を持つ。シミュレーションでは、チャネル推定器は完全な通信路情報を出力するものと仮定した。
用いたパルス信号は、ピークのレベルから−10dBで約1.5GHzの帯域を持つ。シミュレーションでは、チャネル評価器からの情報に関して、完全なチャネル情報が利用可能であるとした。
[cs−レイク受信]
図7は、4マルチパスフェージングチャネルモデルで16フィンガーのレイク受信によって捕捉される規格化された平均エネルギーを示す。本発明のcs−レイク受信では、予め決められた合成に必要な遅延素子数Ndおよび合成パス数Nfに対して、チャネル推定器からの出力をもとにして閾値条件を設定するものであるが、ここではNdを横軸にとり、Nf=16に固定した。この図では、cs−レイク受信のNdを32、48、64に設定した。結果より、s−レイクはすべてのチャンネルモデルにおいて最大のエネルギーを捕捉できることを示している。しかし、図中に示した合成に必要な遅延素子数Ndによって示されるように、s−レイクは最も多くの遅延素子数が必要となる。これはすなわち実装における複雑度が高いことを示している。特にCM4 の場合には、 s−rake が、Nd=140を超える必要がある。これは、Nd=64としたcs−レイク受信の2倍の値である。p−rake 受信は3つの受信方法では最も低い複雑度ではあるが、最もパフォーマンスが悪い。
図7は、4マルチパスフェージングチャネルモデルで16フィンガーのレイク受信によって捕捉される規格化された平均エネルギーを示す。本発明のcs−レイク受信では、予め決められた合成に必要な遅延素子数Ndおよび合成パス数Nfに対して、チャネル推定器からの出力をもとにして閾値条件を設定するものであるが、ここではNdを横軸にとり、Nf=16に固定した。この図では、cs−レイク受信のNdを32、48、64に設定した。結果より、s−レイクはすべてのチャンネルモデルにおいて最大のエネルギーを捕捉できることを示している。しかし、図中に示した合成に必要な遅延素子数Ndによって示されるように、s−レイクは最も多くの遅延素子数が必要となる。これはすなわち実装における複雑度が高いことを示している。特にCM4 の場合には、 s−rake が、Nd=140を超える必要がある。これは、Nd=64としたcs−レイク受信の2倍の値である。p−rake 受信は3つの受信方法では最も低い複雑度ではあるが、最もパフォーマンスが悪い。
図8は、以上で示した3つのレイク受信を使った MBOK DS−UWB システムのビット誤り率特性を示す。CM1、CM2、及びCM3の場合、Nd=48としたときのcs−レイクのビット誤り率は、s−レイクに近い値を示すことがわかる。CM4の場合は、cs−rakeの10-5のビット誤り率におけるEb/Noの損失は、s−レイク受信と比較して2デシベル以下である。この損失は、レイク合成の違いによる損失は図7より0.26デシベル程度であることから、その多くはマルチパスによって引き起こされた拡散系列間の干渉によるものであることがわかる。この劣化を補償するために等化技術を用いることが必要になる。
[RS−DDFSE に基づいたビタビ等化]
図9は、RS−DDFSEに基づいたビタビ等化後のMBOK DS−UWBのビット誤り率特性を示す。ビタビ等化を用いることで、マルチパスフェージングによるパルス間干渉による影響が抑制される。CM1、CM2、及びCM3の場合には、η=2でパルス間干渉は充分緩和される。
図9は、RS−DDFSEに基づいたビタビ等化後のMBOK DS−UWBのビット誤り率特性を示す。ビタビ等化を用いることで、マルチパスフェージングによるパルス間干渉による影響が抑制される。CM1、CM2、及びCM3の場合には、η=2でパルス間干渉は充分緩和される。
図10には、MLSE型ビタビ等化器とRS−DDFSE型ビタビ等化器のビット誤り率特性の比較を示す。この結果から分かるように、MLSEとRS−DDFSEアルゴリズム間にはビット誤り率特性上の差は殆ど無い。つまり、上記で提案したRS−DDFSEは、MBOK DS−UWBシステムにおいて、マルチパスによって生じたパルス間干渉を首尾よく補償することができることを示している。表2には、等化における演算上の複雑性を示すために、1状態遷移あたりに必要なブランチメトリック計算回数を示す。
この比較では、RS−DDFSEのμ値は1としている。4BOKの場合、RS−DDFSEでη=2とすると、MLSEの場合に比べて複雑度は、4分の1になる。η値を大きくした場合やMBOK多値数を大きくした場合には、その削減効果はさらに大きくなることがわかる。これは、RS−DDFSEのMLSE部分はμ値によって固定されているのに対して、MLSEではMのη乗で計算量が増加するためである。
図11には、cs-レイクとRS−DDFSE型ビタビ等化器を組み合わせた受信機構成と、s-レイクとMLSEとの最適組み合わせ受信機との比較を示す。CM1、CM2、及びCM3の場合には、相互に顕著な差は見られない。よって、提案する低複雑度受信機でも、最適組み合わせ受信機と同程度の誤り率特性を示せることがわかる。CM4の場合には、Eb/Noでの差は、10-5のビット誤り率で見た場合に、η=2、η=3のどちらの場合も1デシベル以下である。図8との比較では、s-レイクとcs-レイクとでは、損失が2デシベル以上であったが、ビタビ等化を用いることにより1デシベル以下になった。これは、等化器を用いることで、マルチパスフェージングによる拡散系列間の干渉を補償できていることを示している。
この発明では、MBOK DS−UWBシステムに適用可能な、低複雑度のレイク受信とビタビ等化の各技術を提案している。レイク受信技術としては、限定した数の遅延素子を持つcs−レイク受信により、レイク合成の複雑度が抑制される。シミュレーション結果から、cs−レイクは、最適受信であるs−レイクと同様のエネルギーを回収できることを示した。さらに、MBOK DS−UWBシステムのビタビ等化技術として、RS−DDFSEを発明した。RS−DDFSEは、DDFSEにおけるMLSE部で考慮すべき状態数の削減を拡散系列の極性判定を導入することで行った。これにより遷移あたりのブランチメトリック計算回数を削減することができ、等化器としての複雑度を抑制することが可能になる。シミュレーション結果より、RS−DDFSEは、MLSEと比較して計算量を大幅に削減でき、かつ同等のビット誤り率特性を示すことがわかった。
本発明は、データ変調信号による帯域幅よりも大きな拡散変調による帯域幅を持った超広帯域無線信号を用いる多元陪直交化キーイング(MBOK)方式の通信装置の受信機を想定しているが、拡散変調の式から明らかなように、拡散系列を用いることによる帯域幅は本質的なものではなく、拡散変調を用いた多元陪直交化キーイング(MBOK)方式の通信装置の受信機であれば適用することができる。
1 パルス相関器
2 レイク合成器
3 拡散系列相関器
4 ビタビ等化器
5 MBOK復号器
6 チャネル推定器
2 レイク合成器
3 拡散系列相関器
4 ビタビ等化器
5 MBOK復号器
6 チャネル推定器
Claims (3)
- データ変調信号による帯域幅よりも大きな拡散変調による帯域幅を持った超広帯域無線信号を用いる多元陪直交化キーイング(MBOK)方式の通信装置の受信機であって、
受信した信号の逆拡散を行うためのパルス相関器と、
前記パルス相関器の出力を受けて、信号を選択し、選択情報を出力するチャネル推定器と、
前記チャネル推定器の出力を受けて、マルチパスで分散した信号エネルギーを回収するレイク合成器と、
前記レイク合成器の出力と通信に用いるシンボルとの相関をとる符号相関器と、
符号相関器の出力に含まれるエラーを抑制するためのビタビ等化器と、
ビタビ等化器の出力を復号して出力する多元陪直交化キーイング復号器と、
を備え、
上記のチャネル推定器からの選択情報を用いてレイク合成とビタビ等化を行うことを特徴とする超広帯域無線信号受信機。 - 上記のチャネル推定器は、予め決められた閾値以上の強度の信号を選択することを特長とする請求項1に記載の超広帯域無線信号受信機。
- 上記のチャネル推定器は、保持する信号の絶対値の最大強度をVmとし、予め与えられた正の定数をαとするとき、絶対値がαVm以上の信号を選択することを特長とする請求項1に記載の超広帯域無線信号受信機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005007773A JP2006197350A (ja) | 2005-01-14 | 2005-01-14 | 超広帯域無線信号受信機 |
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- 2005-01-14 JP JP2005007773A patent/JP2006197350A/ja active Pending
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