JP2006196569A - 発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い外部取出効率で、明るい光を供給することが可能な発光素子を提供すること。
【解決手段】光を供給する発光部12と、発光部12からの光を透過させ、出射面S1から出射させる光学部であるプリズム体15と、n型半導体層11と、p型半導体層13と、基板14と、を有し、単独のプリズム体15は、プリズム体15の内部で放射する発光部12からの光の放射角度分布と、出射面S1の傾斜角度分布とが略一致するように形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】光を供給する発光部12と、発光部12からの光を透過させ、出射面S1から出射させる光学部であるプリズム体15と、n型半導体層11と、p型半導体層13と、基板14と、を有し、単独のプリズム体15は、プリズム体15の内部で放射する発光部12からの光の放射角度分布と、出射面S1の傾斜角度分布とが略一致するように形成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発光素子、特に、発光ダイオード素子(以下、適宜「LED」という。)等の固体発光素子の技術に関する。
従来、発光素子として、例えば、基板に半導体層を積層した構成の発光素子が用いられている。発光部からの光は、基板を透過した後、発光素子の外部へ出射する。基板と発光部とを単に積層した発光素子は、基板と空気との界面、発光部と基板との界面等、屈折率が異なる層同士の界面において光が全反射することにより、発光素子の外部取出効率が低下する場合がある。このような全反射によって発光素子の内部に光が取り込まれることにより、発光素子の外部取出効率は、例えば約8%にまで減少してしまう。明るい光を供給可能とし、さらに消費電力を低減するためには、発光素子の外部取出効率を向上させる必要がある。発光素子の外部取出効率を向上させるために、例えば、半球型レンズで発光素子を覆う手法が用いられている。発光素子より大型の半球型レンズを用いることで、発光素子と空気との界面における全反射を低減することが可能となる。
発光素子より大型の半球型レンズを用いる場合、発光素子の虚像面積が大きくなる。例えば、発光素子とレンズ系とを組み合わせて光を供給する構成では、発光素子の虚像面積が大きくなるに従い、レンズ系で取り込める光が減少する場合がある。また、複数の発光素子を集積する場合も、発光素子ごとに半球型レンズを設けることにより、発光素子を高い密度で配置することが困難になる。発光素子を広い領域に配置することにより、さらにレンズ系で集光不可能な光が増加することが考えられる。このように、半球型レンズを用いる場合、効率的な光学系を実現することが困難な場合がある。発光素子の虚像面積を大きくさせずに発光素子の外部取出効率を向上させる技術として、例えば、特許文献1に提案されているものがある。
特許文献1に開示されている構成では、発光部の表面で光を散乱させることにより、発光部や基板の界面における全反射の低減を図っている。しかしながら、特許文献1の技術では、発光部の表面を粗面化する度合いに限界があるために、発光素子の外部取出効率は、発光部の表面を鏡面とする場合と比較して10%程度向上するにとどまる。従来の技術では、発光素子の外部取出効率の更なる向上を図ることが困難であるため、発光素子を用いて効率良く明るい光を供給可能な構成を実現する上で問題を生じる。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、高い外部取出効率で、明るい光を供給可能な発光素子を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、光を供給する発光部と、発光部からの光を透過させ、出射面から出射させる光学部と、を有し、光学部は、光学部の内部で放射する発光部からの光の放射角度分布と、出射面の傾斜角度分布とが略一致するように形成されることを特徴とする発光素子を提供することができる。
本発明において放射角度分布とは、発光部から光学部へ入射し、光学部の内部で放射した光のうちある放射角度の光が存在する確率の分布をいうものとする。放射角度は、発光素子の基準面の法線と、光とがなす角度である。また、傾斜角度分布とは、出射面においてある傾斜角度の部分が存在する確率の分布をいう。傾斜角度は、出射面と基準面とがなす角度である。ある放射角度で光学部の内部を進行する光は、かかる放射角度と略同一の傾斜角度で設けられた出射面を通過させることにより、全反射や屈折の影響が最も少ない状態で出射する。光学部の内部における光の放射角度分布と、出射面の傾斜角度分布とを略一致させることにより、発光素子の全体について、発光部からの光を効率良く出射可能な構成とすることができる。発光部からの光の放射角度分布と、出射面の傾斜角度分布とが略一致するように形成された光学部を設けることにより、略平坦な平行基板から光を出射する場合と比較して、外部取出効率を例えば1.6倍に増加することが可能である。また、発光部と略同じ大きさの光学部を設けることが可能であることから、発光素子の虚像面積を増加させること無く外部取出効率を向上させることができる。これにより、高い外部取出効率で、明るい光を供給可能な発光素子を得られる。
さらに、本発明によれば、光を供給する発光部と、発光部からの光を透過させ、出射面から出射させる光学部と、を有し、光学部は、光学部の内部で放射する発光部からの光の放射角度分布において最も確率が高い放射角度と、出射面の傾斜角度とが略一致するように形成されることを特徴とする発光素子を提供することができる。ある放射角度で光学部の内部を進行する光は、かかる放射角度と略同一の傾斜角度で設けられた出射面から効率良く出射する。光学部の内部における光の放射角度分布において最も確率が高い放射角度と、出射面の傾斜角度とを略一定させることにより、発光素子の全体について、発光部からの光を効率良く出射可能な構成とすることができる。これにより、高い外部取出効率で、明るい光を供給可能な発光素子を得られる。
また、本発明の好ましい態様によれば、光学部は、単独のプリズム体により構成されることが望ましい。光学部の内部における光の放射角度分布と、出射面の傾斜角度分布とを略一致させるような単独のプリズム体を形成することができる。光学部を単独のプリズム体で構成することで、光学部を簡易な構成とすることができる。これにより、簡易、かつ外部取出効率が高い構成にできる。また、単独のプリズム体を設ける構成とする場合、一度プリズム体から出射した光が再び発光素子に取り込まれるケースを低減できるという利点がある。
また、本発明の好ましい態様としては、光学部は、複数のプリズム体をアレイ状に配置することにより構成されることが望ましい。光学部の内部における光の放射角度分布と、出射面の傾斜角度分布とを略一致させるような複数のプリズム体をアレイ状に配置することができる。複数のプリズム体を設ける構成とする場合、発光部に近接させて他の光学素子を配置することが可能となる。発光素子からの光が広い範囲に広がる前に他の光学素子へ光を入射可能な構成にできることから、小型な光学素子を用いて、発光素子から出射する光を容易に制御することができる。これにより、光の進行方向を容易に制御でき、かつ外部取出効率が高い構成にできる。
また、本発明の好ましい態様としては、光学部は、出射面のうち傾斜角度を異ならせた部分を非周期的に配置するように形成されることが望ましい。光学部の内部における光の放射角度分布と、出射面の傾斜角度分布とを略一致させ、かつ出射面の傾斜角度が非周期的である光学部を形成することができる。出射面の傾斜角度が非周期的である光学部により、一度光学部から出射した光が再び発光素子に取り込まれるケースを低減でき、かつ、発光部に近接させて他の光学素子を配置することができる。これにより、外部取出効率が高い構成とすることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、発光部の出射側に設けられた半導体層と、半導体層の出射側に設けられた基板と、を有し、光学部は、半導体層と基板との間、及び基板の出射側の少なくとも一方に設けられることが望ましい。半導体層と基板との間に光学部を設ける場合、光学部は、半導体層から光学部へ入射した光の放射角度分布と、光学部の出射面の傾斜角度分布とが略一致するように形成する。基板の出射側に光学部を設ける場合、光学部は、基板から光学部へ入射した光の放射角度分布と、光学部の出射面の傾斜角度分布とが略一致するように形成する。これにより、外部取出効率が高い構成とすることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、出射面に設けられ、発光部からの光の反射を防止する反射防止部を有することが望ましい。反射防止部を設けることにより、出射面から発光部の方向へ反射する光を低減することができる。これにより、外部取出効率が高い構成とすることができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る発光素子であるLED10の要部断面構成を示す。LED10は、n型半導体層11、発光部12、p型半導体層13を有する。発光部12は、光を供給することにより発光する活性層である。n型半導体層11、発光部12、及びp型半導体層13は、例えば窒化ガリウム系化合物半導体を用いて形成することができる。p型半導体層13は、基板14に積層することにより形成される。基板14は、例えばサファイア部材により構成されている。LED10は、出射側に基板14を設け、出射側とは反対側に不図示の電極を配置してLEDチップを実装する、いわゆるフリップチップ構造をなしている。
基板14の出射側には、単独のプリズム体15が設けられている。プリズム体15は、発光部12からの光を透過させ、出射面S1から出射させる光学部である。プリズム体15の入射面は、基板14の出射面と略一致する矩形形状を有する。プリズム体15は、透明部材、例えば硝子部材、樹脂部材、シリコン部材のいずれかを用いて形成することができる。発光部12から基板14の方向へ供給された光は、基板14、及びプリズム体15を透過した後LED10から出射する。
なお、n型半導体層11の下面には、高反射性の部材で構成された電極を配置することとしても良い。この場合、発光部12から基板14とは反対の方向へ供給された光は、電極で反射することにより、基板14の方向へ進行する。基板14の方向へ反射した光は、発光部12から基板14の方向へ供給された光と同様に振る舞う。このようにして、高反射性の電極を用いることにより、基板14とは反対の方向へ供給された光を出射側へ進行させることができる。また、LED10は、n型半導体層11と、発光部12と、p型半導体層13とを順次積層する構成に限らず、例えば、n型半導体層とp型半導体層とが入れ替わった構成や、他の部材で構成された層を設けることとしても良い。
次に、図2〜図5を用いて、プリズム体15の形状について説明する。図2は、プリズム体15の内部で放射する発光部12からの光の放射角度分布と、プリズム体15の出射面S1の傾斜角度とを説明するものである。放射角度分布は、発光部12からプリズム体15へ入射し、プリズム体15の内部で放射した光のうちある放射角度の光が存在する確率の分布である。放射角度は、LED10の基準面の法線Nと、光とがなす角度である。
まず、発光部12からの光がプリズム体15を構成する部材と同一の部材で構成された透明層25で放射していると考える。例えば、透明層25で放射する光のうち放射角度θ1で進行する光Lが、矢印の長さで示す確率で存在しているとする。ここでは、矢印の長さが長い方向の光ほど高い確率で存在しているものとする。透明層25における発光部12からの光の放射角度分布Dは、光の存在確率を示す矢印の先端位置を各放射角度の光についてプロットすることで示している。放射角度分布Dは、例えば、LED10の基準面の法線Nに関して回転対称な放物面で表すことができる。
放射角度θ1の光Lは、光Lの進行方向に対して透明層25の出射面S3が略垂直である場合、全反射や屈折の影響が最も少ない状態で透明層25から出射する。従って、プリズム体15の出射面S3の傾斜角度θ2が、光Lの放射角度θ1と略同一である場合、光Lは、出射面S3から最も効率良く出射する。出射面S3の傾斜角度θ2は、LED10の基準面に平行な面S2と出射面S3とがなす角度である。光学部であるプリズム体15は、プリズム体15の内部で放射する発光部12からの光の放射角度分布Dと、出射面S3の傾斜角度分布とが略一致するように形成される。
図3は、透明層25における発光部12からの光の放射角度分布の例を示す。図3は、縦軸に存在確率、横軸に放射角度をとり、放射角度分布を曲線で表している。また、図3に示す放射角度分布は、p型半導体層13、基板14、透明層25の屈折率がそれぞれ2.29、1.77、1.516である場合のものである。図3に示す放射角度分布によると、透明層25の内部には、放射角度がおよそ67度である光が最も高い確率で存在している。なお、図3に示す放射角度分布では、発光部12からの光が等方的に放射するものと仮定している。
図4は、透明層25における発光部12からの光の放射角度分布に基づいて決定された、プリズム体15の出射面S1(図1参照)の傾斜角度分布45を説明するものである。傾斜角度分布は、出射面S1においてある傾斜角度の部分が存在する確率の分布をいう。傾斜角度分布45は、出射面S1の傾斜角度ごとにエリアを分割して表している。傾斜角度分布45は、法線Nを中心とする矩形の外縁部分に沿って同一の傾斜角度の部分を配置するように決定される。また、傾斜角度分布45は、法線Nから離れるに従って傾斜角度が大きくなるように決定される。説明のために、図4に示す傾斜角度分布45は、傾斜角度を10度ごとに区切って示している。
例えば、透明層25において放射する光のうち、放射角度が0度である光が30%、放射角度が30度である光が70%存在しているとする。この場合、傾斜角度が0度である部分が出射面S1の全体の30%、傾斜角度が30度である部分が同様に70%を占めるように、プリズム体15の傾斜角度分布45を決定する。このようにしてプリズム体15の形状を決定することで、プリズム体15から最も効率良く光を出射させることが可能となる。
これと同様に、透明層25において放射する各放射角度の光について、各放射角度の光が存在する確率と、その放射角度と略同一の傾斜角度の部分が存在する確率とが略一致するように、傾斜角度分布45を決定する。プリズム体15の内部における光の放射角度分布と、出射面S1の傾斜角度分布とを略一致させることにより、LED10の全体について、発光部12からの光を効率良く出射可能な構成とすることができる。
図5は、図3に示す放射角度分布に基づいて設計されたプリズム体15の斜視構成を示す。出射面S1は、傾斜角度分布45に基づいて設計することによって、傾斜角度が連続的に変化するような4つの自由曲面を有する形状をなす。プリズム体15全体としては、底辺dが1.0mm、高さhが1.6mmである四角錐形状を基に、底面以外の4つの側面を膨らませるように変形した形状を有する。また、法線Nから離れるに従って傾斜角度が大きくなるように傾斜角度分布45(図4参照)を決定していることから、プリズム体15は単独の構造体として構成される。光学部を単独のプリズム体15で構成することで、光学部を簡易な構成とすることができる。
ここで、従来のLEDの光量と、本発明のLED10の光量とを比較して説明する。従来のLEDとして、図6に示すLED60と、図7に示すLED70とを説明に用いる。LED60のプリズム体65は、頂角が略90度の通常の四角錐形状を有する。プリズム体65の出射面S4は、4つの略平坦な平面で構成される。LED70のプリズム体75は、球面形状の出射面S5を有する。プリズム体75は、本発明のLED10との比較のために、球面形状を、基板14と略同一の矩形状に切り出した形状としている。
各LEDは、n型半導体層11(図1参照)の下面における反射率が0%であって、かつ発光部12からプリズム体15の方向以外の側面方向へも光を透過させる構成であるとする。また、光量の測定は、発光源に対して十分に遠い位置に配置した測定器によって、±90度の範囲に出射した光を測定することにより行う。LED60は、プリズム体65を設けることにより、基板14から直接光を出射させる場合を基準として、例えば、光量が1.34倍に増加する。LED70は、プリズム体75を設けることにより、基板14から直接光を出射させる場合を基準として、例えば、光量が1.52倍に増加する。
これに対して、本発明のLED10は、プリズム体15を設けることにより、基板14から直接光を出射させる場合を基準として、例えば、光量を1.61倍に増加させることができる。また、各LEDが、発光部12からプリズム体15の方向以外の側面方向へ進行する光を完全に吸収させる構成であるとすると、LED60、70、10の光量は、例えば、それぞれ1.48倍、1.67倍、1.83倍に増加する。このように、本発明のLED10は、従来のLEDより高い外部取出効率で光を供給することができる。
これにより、高い外部取出効率で、明るい光を供給することができるという効果を奏する。なお、LED10の光量は、LED10の構成や各層の屈折率等に応じて変化するものであることから、上記の数値に限られない。LED10のプリズム体15は、傾斜角度が連続的に変化するような出射面S1を備えることから、あらゆる放射角度の光について効率良く出射させることが可能である。このため、一定の傾斜角度をなす出射面を設ける場合と比較して、効率良く光を出射させることが可能であると考えられる。
本発明のLED10は、発光部12と略同じ大きさのプリズム体15を設けることが可能である。LED10は、LED10の虚像面積を増加させること無く外部取出効率を向上させることができる。また、プリズム体15が発光部12と略同じ大きさであることから、複数のLED10を高い密度で容易に配置することができる。このことから、照明光学系にLED10を用いることにより、照明光学系や、その照明光学系の後段における光学系で集光不可能な光を低減することが可能となる。従って、LED10の外部取出効率を向上させることに加えて、光学系全体における光の損失を低減することで、高い光利用効率を実現できる。本発明のLED10は、例えば、プロジェクタの光源として用いる場合に有用である。
図8は、反射防止部87を有するLED80の要部断面構成を示す。LED80は、上記のLED10に反射防止部87を追加した構成を有する。反射防止部87は、プリズム体15の出射面S1を覆うように設けられている。反射防止部87は、発光部12からの光の反射を防止する。反射防止部87を設けることにより、出射面S1における発光部12の方向への反射を低減することができる。これにより、さらに外部取出効率が高い構成とすることができる。
図9は、本発明の実施例2に係る発光素子であるLED90の要部断面構成を示す。上記実施例1のLED10と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施例の発光素子は、複数のプリズム体96を有することを特徴とする。プリズムアレイ95は、X方向及びY方向にプリズム体96を配列して構成されている。プリズムアレイ95は、複数のプリズム体96をアレイ状に配置することにより構成された光学部である。プリズムアレイ95は、上記実施例1のプリズム体15を構成する部材と同様の部材で構成することができる。
プリズムアレイ95は、基板14の出射側に設けられている。各プリズム体96は、いずれも上記実施例1のプリズム体15と略同じ形状を有する。プリズム体15と略同じ形状のプリズム体96を設けることから、プリズムアレイ95は、発光部12からの光の放射角度分布と、出射面の傾斜角度分布とが略一致している。これにより、上記実施例1と同様に、外部取出効率が高い構成にできる。LED90は、上記実施例1のLED10と同様に、LED90の虚像面積を増加させること無く外部取出効率を向上させることができる。なお、プリズムアレイ95の数量及び大きさは、図示するものに限られない。プリズムアレイ95は、X方向に3つ、Y方向に4つのプリズム体96を配置する構成に限らず、1つ以上のプリズム体96を配置する構成であれば良い。
本実施例のLED90は、複数のプリズム体96を設ける構成とすることで、単独のプリズム体を設ける場合と比較して、発光部12に近接させて他の光学素子を配置することが可能である。LED90からの光が広い範囲に広がる前に他の光学素子へ光を入射可能な構成にできることから、小型な光学素子を用いて、LED90から出射する光の進行方向を容易に制御することができる。例えば、光の進行方向を容易に制御可能であると、LED90からの光を所定の照明方向へ進行させる場合に有用である。
プロジェクタの光源としてLED90を用いる場合、空間光変調装置で変調可能な角度範囲の光を効率良く供給可能な構成とすることができる。なお、複数のプリズム体を設ける場合、一度プリズム体から出射した光が再び隣接するプリズム体に入射することによる光の取り込みが起きる場合があると考えられる。単独のプリズム体を設ける構成とする場合、一度プリズム体から出射した光が再びLEDに取り込まれるケースを低減できるという利点がある。プリズムアレイ95は、基板14と同じサファイア部材により構成することとしても良い。この場合、基板14の出射側の面を、プリズムアレイ95の形状に形成することにより、プリズムアレイ95を製造することができる。
図10は、本実施例の変形例に係る発光素子であるLED100の要部断面構成を示す。本変形例のLED100は、出射面S6のうち傾斜角度を異ならせた部分を非周期的に配置するようにプリズムアレイ105が形成されていることを特徴とする。プリズムアレイ105は、傾斜角度を異ならせた部分が不規則に配列された出射面S6を有する。図10に示す断面に略垂直な断面においても、プリズムアレイ105の出射面S6は、傾斜角度を異ならせた部分を不規則に配列して構成されている。
プリズムアレイ105は、発光部12からの光の放射角度分布と、出射面の傾斜角度分布とが略一致している。プリズムアレイ105を設けることにより、一度プリズムアレイ105から出射した光が再びLED100に取り込まれるケースを低減でき、かつ、発光部12に近接させて他の光学素子を配置することができる。これにより、上記実施例1と同様に、外部取出効率が高い構成にできる。なお、本変形例のプリズムアレイ105は、傾斜角度を異ならせた部分を不規則に配列して非周期的構造とする場合に限られない。例えば、上記実施例1のプリズム体15と略同一の形状、かつさまざまなサイズのプリズム体をランダムに配置することにより、非周期的構造をとる構成としても良い。
図11は、本発明の実施例3に係る発光素子であるLED110の要部断面構成を示す。上記実施例1のLED10と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。LED110は、p型半導体層113と基板114との間にプリズムアレイ115が設けられていることを特徴とする。プリズムアレイ115は、X方向及びY方向にプリズム体116をアレイ状に配列して構成されている。プリズムアレイ115は、複数のプリズム体116をアレイ状に配置することにより構成された光学部である。基板114は、プリズムアレイ115の出射側に設けられている。
p型半導体層113は、発光部12の出射側に設けられた半導体層である。プリズムアレイ115は、p型半導体層113を構成する部材と同じ部材で構成されている。プリズムアレイ115は、p型半導体層113からプリズムアレイ115へ入射した光の放射角度分布と、プリズムアレイ115の出射面の傾斜角度分布とが略一致するように形成される。なお、プリズム体116は、実施例2のプリズムアレイ95と同様に、いずれも略同一の形状で形成されている。LED110は、発光部12からの光を高い効率で基板114へ入射させることが可能である。これにより、高い効率で光を供給することができる。
LED110の製造手順としては、まず、プリズム体116と交互に咬合う構造体を表面に備えた基板114を形成する。次に、プリズム体116と咬合う構造体を形成した基板114面上に、半導体材料を成長させることで、p型半導体層113を形成する。そして、p型半導体層113を平坦化した後、発光部12及びn型半導体層11を積層することにより、LED110を製造することができる。なお、プリズムアレイ115は、p型半導体層113を構成する部材と同じ部材で構成する場合に限らず、他の部材で構成することとしても良い。
図12は、本実施例の変形例に係る発光素子であるLED120の要部断面構成を示す。本変形例のLED120は、上記のLED110にプリズムアレイ125を追加した構成を有する。プリズムアレイ125は、基板114の出射側に設けられている。プリズムアレイ125は、X方向及びY方向にプリズム体126をアレイ状に配置して構成されている。プリズムアレイ125は、複数のプリズム体126をアレイ状に配置することにより構成された光学部である。プリズムアレイ125は、上記実施例1のプリズム体15を構成する部材と同様の部材で構成することができる。
プリズムアレイ125は、発光部12からプリズムアレイ115、及び基板114を透過した後プリズムアレイ125へ入射した光の放射角度分布と、プリズムアレイ125の出射面の傾斜角度分布とが略一致するように形成される。p型半導体層113と基板114との間に設けたプリズムアレイ115に加えて、基板114の出射側にもプリズムアレイ125を設けることにより、さらに高い効率で光を供給することができる。なお、LED120は、プリズムアレイ115及びプリズムアレイ125のいずれか一方と、従来のプリズムアレイとを組み合わせて用いることとしても良い。
図13は、本発明の実施例4に係る発光素子であるLED130の要部断面構成を示す。上記実施例1のLED10と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。LED130は、四角錐形状のプリズム体135を有する。プリズム体135は、発光部12からの光を透過させ、出射面S7から出射させる光学部である。プリズム体135は、頂角θ4が略46度となるように形成されている。プリズム体135は、上記実施例1のプリズム体15を構成する部材と同様の部材で構成することができる。
図3を用いて説明したように、実施例1のLED10に設けられたプリズム体15の内部には、放射角度がおよそ67度である光が最も高い確率で存在している。放射角度が67度の光は、傾斜角度が67度となるように出射面を形成することにより、最も効率良く出射させることができる。頂角θ4が略46度である本実施例のプリズム体135は、出射面S7が略67度の傾斜角度をなしている。このように、プリズム体135は、プリズム体135の内部で放射する発光部12からの光の放射角度分布において最も存在確率が高い放射角度と、出射面S7の傾斜角度とが略一致するように形成されている。なお、プリズム体135は、頂角θ4を略46度とする構成に限らず、プリズム体135の内部において最も存在確率が高い放射角度に応じて頂角θ4を適宜設定することができる。
プリズム体135の内部における光の放射角度分布において最も確率が高い放射角度と、出射面S7の傾斜角度とを略一定させることにより、LED130の全体について、発光部12からの光を効率良く出射可能な構成とすることができる。ここで、LED130が、発光部12からプリズム体15の方向以外の側面方向へも光を透過させる構成であるとする。上記実施例1と同様の条件でLED130の光量を測定すると、LED130は、プリズム体135を設けることにより、基板14から直接光を出射させる場合を基準として、例えば、光量を1.61倍に増加させることができる。
また、LED130が、発光部12からプリズム体135の方向以外の側面方向へ進行する光を完全に吸収させる構成であるとすると、LED130の光量は、例えば、1.83倍に増加する。これにより、高い外部取出効率で、明るい光を供給することができるという効果を奏する。なお、LED130の光量は、LED130の構成や各層の屈折率等に応じて変化するものであることから、上記の数値に限られない。また、LED130は、上記実施例2のLED90と同様に、プリズム体135と略同一の形状を有するプリズム体をアレイ状に配置したプリズムアレイを用いることとしても良い。
図14は、本実施例の変形例に係る発光素子であるLED140の要部断面構成を示す。本変形例のLED140は、基板114の出射面に設けられたプリズム体145のほかに、p型半導体層113の出射面に設けられたプリズムアレイ115を有する。LED140は、上記実施例3のLED110に、プリズム体145を追加した構成を有する。プリズム体145は、頂角θ5が相違する以外は上記のプリズム体135と同様の構成を有する。
プリズム体145の出射面S8は、プリズムアレイ115、及び基板114を透過した後プリズム体145へ入射した光の放射確率分布において最も存在確率が高い放射角度と略一定する傾斜角度をなしている。プリズム体145の頂角θ5は、出射面S8の傾斜角度に基づいて決定することができる。これにより、さらに高い効率で光を供給することができる。本変形例のLED140は、プリズムアレイ115に代えて、p型半導体層113の出射側において最も存在確率が高い放射角度と、出射面の傾斜角度とを略一致させたプリズム体で構成されたプリズムアレイを用いても良い。なお、本発明は、LED以外の他の固体発光素子、例えば、半導体レーザやEL素子に適用することもできる。
以上のように、本発明に係る発光素子は、高い光利用効率で明るい光を供給する場合に有用であり、特に、レンズ等と組み合わせて構成される照明光学系、例えばプロジェクタの照明光学系に用いる場合に適している。
10 LED、11 n型半導体層、12 発光部、13 p型半導体層、14 基板、15 プリズム体、S1 出射面、25 透明層、θ1 放射角度、θ2 傾斜角度、D 放射角度分布、N 法線、S2、S3 面、45 傾斜角度分布、60 LED、65 プリズム体、θ3 頂角、S4 出射面、70 LED、75 プリズム体、S5 出射面、80 LED、87 反射防止部、90 LED、95 プリズムアレイ、96 プリズム体、100 LED、105 プリズムアレイ、S6 出射面、110 LED、113 p型半導体層、114 基板、115 プリズムアレイ、116 プリズム体、120 LED、125 プリズムアレイ、126 プリズム体、130 LED、135 プリズム体、θ4 頂角、S7 出射面、140 LED、145 プリズム体、θ5 頂角、S8 出射面
Claims (7)
- 光を供給する発光部と、
前記発光部からの光を透過させ、出射面から出射させる光学部と、を有し、
前記光学部は、前記光学部の内部で放射する前記発光部からの光の放射角度分布と、前記出射面の傾斜角度分布とが略一致するように形成されることを特徴とする発光素子。 - 光を供給する発光部と、
前記発光部からの光を透過させ、出射面から出射させる光学部と、を有し、
前記光学部は、前記光学部の内部で放射する前記発光部からの光の放射角度分布において最も存在確率が高い放射角度と、前記出射面の傾斜角度とが略一致するように形成されることを特徴とする発光素子。 - 前記光学部は、単独のプリズム体により構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光素子。
- 前記光学部は、複数のプリズム体をアレイ状に配置することにより構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光素子。
- 前記光学部は、前記出射面のうち傾斜角度を異ならせた部分を非周期的に配置するように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光素子。
- 前記発光部の出射側に設けられた半導体層と、
前記半導体層の出射側に設けられた基板と、を有し、
前記光学部は、前記半導体層と前記基板との間、及び前記基板の出射側の少なくとも一方に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光素子。 - 前記出射面に設けられ、前記発光部からの光の反射を防止する反射防止部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光素子。
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