JP2006195588A - ディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハード・ディスクとディスク・チェンジャ上のディスクを用いてデータ・コンテンツのバックアップや再生動作を効率的に行なう。
【解決手段】 ハード・ディスクと複数枚のリムーバブル・ディスクを備えるディスク・チェンジャで、コンテンツ毎にハード・ディスクとディスク・チェンジャに同じデータを書き込む。圧縮可能なデータの場合、ハード・ディスク上に圧縮データを記録する。ディスクにコンテンツを書き込む際、ディスクの容量、圧縮するか否かの判定、コンテンツ・データに基づくディスクの選定を行なう。コンテンツを読み出す際には、ハード・ディスクをキャッシュとして用いる。
【選択図】 図7
【解決手段】 ハード・ディスクと複数枚のリムーバブル・ディスクを備えるディスク・チェンジャで、コンテンツ毎にハード・ディスクとディスク・チェンジャに同じデータを書き込む。圧縮可能なデータの場合、ハード・ディスク上に圧縮データを記録する。ディスクにコンテンツを書き込む際、ディスクの容量、圧縮するか否かの判定、コンテンツ・データに基づくディスクの選定を行なう。コンテンツを読み出す際には、ハード・ディスクをキャッシュとして用いる。
【選択図】 図7
Description
本発明は、CDやDVDなどのリムーバブル・メディアを扱うディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、複数枚のディスクを装填するディスク・チェンジャ機能を備えたディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、ハード・ディスクとともにディスク・チェンジャを併用するディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、ハード・ディスクとディスク・チェンジャ上のディスクを用いてデータ・コンテンツのバックアップや再生動作を効率的に行なうディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
昨今の技術革新に伴い、さまざまな種類の計算機システムが開発され市販されている。これら計算機システムは、一般に、情報の蓄積、並びに動作プログラムのインストールなどを行なうために、外部記憶システムを備えている。
磁気記録方式のハード・ディスク記憶装置(Hard Disk Drive)は、代表的な記憶装置である。ドライブ・ユニット内には記録媒体である数枚の磁気メディアが固定的に収容され、スピンドル・モータによって高速に回転する。メディアには、ニッケル・リンなどのメッキを施した磁性体が塗布されている。そして、磁気ヘッドを回転するメディア表面上で半径方向にスキャンさせることによって、メディア上にデータに相当する磁化を生じさせて書き込みを行ない、あるいはデータを読み出すことができる。
ハード・ディスクは既に広汎に普及している。例えば、パーソナル・コンピュータ用の標準的な外部記憶装置として、コンピュータを起動するために必要なオペレーティング・システム(OS)やアプリケーションなど、さまざまなソフトウェアをインストールしたり、作成・編集したファイルを保存したりするためにハード・ディスクが利用されている。
また、ハード・ディスクにインストールするための動作プログラムや、データ・コンテンツをシステム間で移動するために、リムーバブルな記録ディスクを着脱自在に装填して情報を再生するタイプの外部記憶装置もある。従来は、フレキシブル・ディスクのような可搬型メディアが主流であったが、最近ではプログラムやデータ・コンテンツの肥大化とも相俟って、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のような大容量のディスク型記録媒体並びにそのデータ再生記録ユニットが広く使用されている。CDなどの光ディスクは、記録面への照射光に対する反射光を受光して得られるRF信号に基づいて情報を再生することができる記録媒体であり、反射層と記録層色素の組合せに応じてメディアのバリエーションができている(例えば、非特許文献1を参照のこと)。パーソナル・コンピュータを始めとするほとんどの計算機システムは、ハード・ディスクとともに、CDドライブやDVDドライブなどの外部記憶装置を装備している。
従来のディスク記録再生装置は、音楽再生のディスクを主に取り扱うが、ディスクを装填するためのスロットをせいぜい5基くらいしか備えておらず、ユーザがディスクを入れ替えて使用することを前提としている。このような場合、装置から取り出した多数のディスクの保存や管理が面倒になる。例えば、撮り貯めたデジタル・カメラなどのデータ管理が難しい。ユーザはディスクにラベルを貼り付けて分類や整理を行なうこともできる。例えば、記録ディスクに所望のラベルを正確に貼付する用具や方法について提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。しかしながら、ラベルの表示データだけでは格納されているデータの内容が分かりにくいという問題がある。また、1枚のディスクにさまざまなデータやコンテンツを記録した場合、ラベルで中身を表現すること自体が難しい。
最近では、多数枚のディスクを装填するディスク・チェンジャ機能を備えたディスク・ドライブが普及しつつある。ディスク・チェンジャのディスク挿入枚数すなわちスロット数を増加することにより、ユーザに広大な記憶領域を提供することができる。例えば、挿入されるメディアがブルーレイの場合は1枚当たりの容量が500GB、これを400枚だけ挿入可能であるとすると、1台のディスク・チェンジャで20TBの巨大な記憶空間となる。
このようなディスク・チェンジャ機能を備えたディスク・システムにおいては、ディスクの入れ替えを必ずしも想定しない使用方法が考えられる。このような場合、ユーザは、ディスクの交換や、取り出したディスクの仕分け、整理といった保管の煩わしさから解放される。
多くの場合、ハード・ディスク装置とディスク・チェンジャが併用して用いられることが想定される。ハード・ディスク装置は、高速なデータ・アクセスが可能であるが、ディスク・チェンジャに比べれば記憶容量は小さい。一方、ディスク・チェンジャは記憶容量が巨大であるが(ディスクの入れ替えを考慮すればほぼ無尽蔵である)、ディスク・アクセスが遅く、データ再生に支障をきたすこともある。アクセスに際しディスクのリロードを伴う場合には、リアルタイムでのデータ再生は不可能である(最長で、数秒のディスク・チェンジ時間と、ディスク解析などで、ファイルを読み込むのに10秒以上の時間を必要とする)。
したがって、ハード・ディスクとディスク・チェンジャを併用するシステムにおいては、ハード・ディスクとディスク・チェンジャ上のディスクを用いてデータ・コンテンツのバックアップやデータ再生動作を効率的に行なうよう、両者の連携関係若しくは連携的な動作が必要であると思料される。
例えば、CDチェンジャの各スロットの内容をハード・ディスクにフォルダのイメージとして格納することにより、ユーザがハード・ディスク内におけるアルバムの管理構造を直感的にイメージできるようにしたサーバ装置及びダビング装置について提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。同装置によれば、HD記録再生装置はCDチェンジャのスロット数に応じたアルバム格納フォルダとプレイリスト格納フォルダを有し、例えばシンクロ録音キーが押されると、CDチェンジャのスロットに装填されたアルバムの音楽データを順次読み出し、HD記録再生装置の各フォルダに順次格納する。しかしながら、この場合、ディスク・チェンジャ上のすべてのデータをハード・ディスク上に取り込むことが前提となるので、上述したようにディスク・チェンジャが巨大な容量を持つ場合には巨大なハード・ディスクを用意する必要があり、現実的ではない。
また、映像データを複合化したバックアップ・データが格納される光磁気ディスク・チェンジャと、この光磁気ディスク・チェンジャに格納されたバックアップ・データがリストアされるHDDと、光磁気ディスク・チェンジャに格納されたバックアップ・データの一部を取り出してHDDにリストアするバックアップ・ユーティリティを備えたデータ・リストア方式について提案がなされている(例えば、特許文献3を参照のこと)。同方式によれば、所望の映像データ・ファイルのリストアか否かの確認を容易に行なうことができるとともに、その際に必要となるHDDの容量を削減することができる。しかしながら、この場合、必要な際にデータがディスクからHDDにリストアされるだけであり、データの再生やバックアップが効率的且つ確実に行なわれているとは言い難い。
また、通信回線を介してデータ・ファイルが配信されるとデータ・ファイルの更新を確実に行なうデータ通信システムについて提案がなされている(例えば、特許文献4を参照のこと)。同システムによれば、ディスク・チェンジャのメモリに記録されているデータ・ファイルのバージョンとHDDに保存されたデータ・ファイルのバージョンを比較して、メモリのデータ・ファイルのバージョンが古い場合にはメモリのデータ・ファイルをHDDのデータ・ファイルで書き換えるようになっている。しかしながら、同システムは単にデータ更新の時期を決定するだけであり、データの再生動作やバックアップ動作などにおけるディスク・チェンジャとHDDとの連携関係やこれらの動作の効率化に関しては言及していない。
本発明の目的は、複数枚のディスクを装填するディスク・チェンジャ機能を備えた、優れたディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、ハード・ディスクとともにディスク・チェンジャを併用する、優れたディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、ハード・ディスクとディスク・チェンジャ上のディスクを用いてデータ・コンテンツのバックアップや再生動作を効率的に行なうことができる、優れたディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数のリムーバブル・ディスクを用いてファイルの保存及び再生を行なうディスク・システムであって、
複数のリムーバブル・ディスクを交換可能に挿入し、そのうちの一部をローディングしてファイルの書き込み及び読み出しを行なうディスク・チェンジャと、
ファイルの書き込み及び読み出しが可能なハード・ディスク装置と、
前記ディスク・チェンジャ及び前記ハード・ディスク装置に対するファイルの操作及びファイルに対するデータ処理を行なう制御部を備え、
前記制御部は、当該システムに書き込まれたファイルについての圧縮ファイルを管理する圧縮ファイル管理部と、当該システムに書き込まれた元のファイルを管理する原ファイル管理部と、当該システムに書き込まれたファイルに関する圧縮ファイル及び原ファイルの格納先となるアドレス情報を管理するアドレス情報管理部を備える、
ことを特徴とするディスク・システムである。
複数のリムーバブル・ディスクを交換可能に挿入し、そのうちの一部をローディングしてファイルの書き込み及び読み出しを行なうディスク・チェンジャと、
ファイルの書き込み及び読み出しが可能なハード・ディスク装置と、
前記ディスク・チェンジャ及び前記ハード・ディスク装置に対するファイルの操作及びファイルに対するデータ処理を行なう制御部を備え、
前記制御部は、当該システムに書き込まれたファイルについての圧縮ファイルを管理する圧縮ファイル管理部と、当該システムに書き込まれた元のファイルを管理する原ファイル管理部と、当該システムに書き込まれたファイルに関する圧縮ファイル及び原ファイルの格納先となるアドレス情報を管理するアドレス情報管理部を備える、
ことを特徴とするディスク・システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下、同様)。
前記ハード・ディスク装置には、前記圧縮ファイル管理部が管理する圧縮ファイルを格納するデータ領域と、前記アドレス情報管理部が管理するアドレス情報を格納するアドレス情報領域と、当該システムに書き込まれたファイルを一時的に保存するキャッシュ領域を設けられている。
前記圧縮ファイル管理部は、前記ディスク・チェンジャへの新規リムーバブル・ディスクの挿入又はその他の手段により当該システムに新規にファイルが書き込まれたことに応答して、その圧縮ファイルを生成し、前記ハード・ディスク装置に保存する。但し、生成した圧縮ファイルを保存する容量が不足する場合には、前記ハード・ディスク装置内の最も古い圧縮ファイルの順又はその他の手法により選ばれたファイルを消去して容量を確保するようにする。
また、前記原ファイル管理部は、前記ディスク・チェンジャへの新規リムーバブル・ディスクの挿入以外の手段により当該システムに新規のファイルが書き込まれたことに応答して、当該新規ファイルを非圧縮のまま、前記ディスク・チェンジャに挿入されているリムーバブル・ディスク上に保存するようにする。
本発明に係るディスク・システムは、ファイル及びフォルダを格納する階層化フォルダ構造によりファイルを管理するファイル・システムを備えている。そして、前記アドレス情報管理部は、当該システムに書き込まれた各ファイルに関し、前記圧縮ファイル管理部により前記ハード・ディスク装置に保存された圧縮ファイルのアドレス情報と、前記原ファイル管理部により前記ディスク・チェンジャ上に保存された元のファイルのアドレス情報と、ファイルを置くフォルダの情報を対応付けて管理する。
また、前記アドレス情報管理部は、前記ディスク・チェンジャに挿入されている各リムーバブル・ファイルに対応するフォルダを、前記ハード・ディスク装置のデータ領域に形成する。この場合、前記圧縮ファイル管理部は、前記ディスク・チェンジャに挿入されたリムーバブル・ディスクに格納されたファイルを圧縮し、当該リムーバブル・ディスクと対応するフォルダに当該圧縮ファイルを保存するようにする。
また、前記アドレス情報管理部は、当該システムに書き込まれた各ファイルの保存先となるフォルダを自動識別し、又は、当該ファイルの解析結果に基づいて決定する。
パーソナル・コンピュータを始めとする計算機システムでは、外部記憶装置として、ハード・ディスク装置とともに、ディスク記録再生装置が併用されている。さらに、多数枚のディスクを収納可能なディスク・チェンジャが普及しつつある。ここで、ハード・ディスク装置は高速なデータ・アクセスが可能であるが記憶容量は小さい。一方のディスク・チェンジャは記憶容量が巨大であるが、ディスク・アクセスが遅く、ディスクのリロードを伴う場合にはアクセス時間はさらに長くなる(最長で、数秒のディスク・チェンジ時間と、ディスク解析などでファイルを読み込むのに10秒以上の時間を必要とする)。
このため、ハード・ディスクとディスク・チェンジャを併用するシステムにおいては、ハード・ディスクとディスク・チェンジャ上のディスクを用いてデータ・コンテンツのバックアップやデータ再生動作を効率的に行なうよう、両者の連携関係若しくは連携的な動作が必要となる。
本発明に係るディスク・システムによれば、外部からファイルが取り込まれると、ハード・ディスク装置に一旦書き込まれ、さらにディスク・チェンジャ内のリムーバブル・ディスクにもファイルの原版すなわちバックアップとして記録される。また、ハード・ディスク装置にファイルを保存すると同時に所定サイズの圧縮を行ない、この圧縮ファイルを残し、元のファイルはハード・ディスク装置から削除する。ハード・ディクス装置には圧縮ファイルのみを残すことにより、ハード・ディスクの空き容量を確保することができる。そして、リムーバブル・ディスク上のファイルは、データ再生時など必要に応じてハード・ディスク装置にリストアされる。
ディスク・チェンジャ内でリムーバブル・ディスクに原版が保存されているファイルは、同時に圧縮ファイルとして、原版の保存先であるリムーバブル・ディスクに対応付けられたフォルダに保存される。このフォルダは、いわば仮想のディスク・ドライブである。このような場合、ユーザにとっては多数のリムーバブル・ディスクからなるディスク・チェンジャがあたかも1枚のディスクであるかのように見える。
また、同フォルダ上で復帰用の操作を行なうと、ファイルの原版がディスク・チェンジャ内の該当ディスクからハード・ディスク装置へ自動的にリストアされるので、ユーザからは、多数のリムーバブル・ディスクからなるディスク・チェンジャがあたかも巨大な1枚のディスクであるかのように見え、一枚一枚のリムーバブル・ディスクを意識する必要はない。例えば、ハード・ディスク装置及びディスク・チェンジャからなる記憶空間は、ネットワーク上では1つのハード・ディスクのように見える。
このように本発明に係るディスク・システムによれば、ハード・ディスクとの連携により、例えば400枚のリムーバブル・ディスクを装填するスロットを備えたディスク・チェンジャをあたかも1枚のディスクであるかのように扱うことができる。また、ディスク・チェンジャが多数のリムーバブル・ディスクを同時に扱うことができるので、ユーザはディスクの分類・整理などの保管作業から解放される。
また、本発明に係るディスク・システムによれば、ハード・ディスクのクラッシュに備えてリムーバブル・ディスクへのバックアップ処理が自動的に行なわれるので、データの安全性が高まる。
システムに書き込まれたファイルは、前記ハード・ディスク装置のキャッシュ領域に一時保存されるとともに、その圧縮ファイルがデータ領域に保存される。しかしながら、著作権保護のかかったファイルやコンテンツに関しては、前記ハード・ディスク装置にすべてをコピーすることはできない。そこで、前記制御部は、当該システムに新規にファイルが書き込まれたときに、当該ファイルを解析して圧縮可能か否かを判別する。そして、前記圧縮ファイル管理部は、圧縮可能と判断されたときには当該ファイルを圧縮して前記ハード・ディスク装置に保存する。圧縮不能と判断されたときには当該ファイルの一部を用いて生成された情報を前記ハード・ディスク装置に保存するようにする。
このような場合、データ再生時には、再生が指示されたファイルに対応する圧縮ファイル又は当該ファイルの一部を前記ハード・ディスク装置から読み出して再生し、次いで前記ディスク・チェンジャから転送された該当ファイルを用いて再生するようにする。そのまま該当するリムーバブル・ディスクからファイルを読み出すだけでは、ディスク・チェンジ並びにローディングなどを伴い、データ再生が可能になるまで長時間かかることがある。これに対し、本発明によれば、ディスク・チェンジャからデータ転送が可能になるまでは、ハード・ディスク装置に格納されているファイルの原版のイメージや圧縮された一部を利用することにより、空白の期間をなくすことができる。このように、ハード・ディスク装置をキャッシュとして利用することで、利便性を高めることができる。
ここで、保存先となる適当なリムーバブル・ディスクの残容量が小さいと、該当するフォルダを次に保存先として指定したときにさらに他のリムーバブル・ディスクにファイルが分散する可能性が高い。また、同じリムーバブル・ディスクを利用する他のフォルダが大きなファイルを扱う傾向にあるとき、ディスク容量が満杯になり易く、ファイルが分散し易くなる。
そこで、本発明では、前記原ファイル管理部は、前記ディスク・チェンジャ内の各リムーバブル・ディスクに保存されているファイルの種類、ファイルの大きさ、フォルダ内のファイルの組み合わせに基づいて、当該システムに書き込まれたファイルの保存先となるリムーバブル・ディスクを決定するようにする。具体的には、新規のフォルダを作成する際に、前記ディスク・チェンジャ側に未使用のリムーバブル・ディスクが存在しない場合には、使用済みのリムーバブル・ディスクの中から、残容量がより大きく、又は既に格納されている個々のファイルのサイズが小さいものを選ぶようにする。このような格納先フォルダの決定方法によれば、ディスクの分散を避けることができてよい。
また、前記制御部は、当該システムに保存されているファイルを読み出して再生処理を行なうデータ再生部をさらに備えている。前記データ再生部は、再生が指示されたファイルに対応する圧縮ファイル又は当該ファイルの一部を前記ハード・ディスク装置から読み出して再生し、次いで前記ディスク・チェンジャから転送された該当ファイルを用いて再生する。リムーバブル・ディスクからファイルを読み出すだけでは、ディスク・チェンジ並びにローディングなどを伴い、データ再生が可能になるまで長時間かかることがある。そこで、ディスク・チェンジャからデータ転送が可能になるまでは、ハード・ディスク装置をキャッシュとして利用することで、ディスク・チェンジャからファイル転送が可能になるまでの空白の期間をなくし、利便性を高めることができる。
前記アドレス情報管理部は、原ファイルとその圧縮ファイルとの対応関係を管理している。前記制御部は、再生可能な各ファイルにつき、圧縮ファイル及び原ファイルをそれぞれ表象するアイコンを多重表示してユーザに提示するファイル提示部をさらに備えていてもよい。そして、前記データ再生部は、圧縮ファイル又は原ファイルのうちアイコン選択された一方を用いてファイルの再生処理を行なうようにすればよい。例えば、デジタル・カメラで撮ったJPEGの写真画像などは、プリントしない限りフルサイズのデータ(すなわち元のファイル)を使用する必要はなく、閲覧程度であれば圧縮ファイルで十分である。
また、前記制御部は、前記ディスク・チェンジャからリムーバブル・ディスクが取り出されたときに、当該リムーバブル・ディスクを消去リストに登録する消去リスト管理部をさらに備えていてもよい。前記ハード・ディスク装置内の容量が不足する場合には、前記消去リスト内で最も古いリムーバブル・ディスク又はその他の手法により選ばれたリムーバブル・ディスクに関する圧縮ファイルを消去することにより、容量を確保することができる。
また、本発明の第2の側面は、交換可能に挿入されている複数のリムーバブル・ディスクの一部をローディングしてファイルの書き込み及び読み出しを行なうディスク・チェンジャと、ファイルの書き込み及び読み出しが可能なハード・ディスク装置とを併用したディスク・システムを用いてファイルの保存及び再生を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
当該システムに書き込まれたファイルについての圧縮ファイルを管理する圧縮ファイル管理ステップと、
当該システムに書き込まれた元のファイルを管理する原ファイル管理ステップと、
当該システムに書き込まれたファイルに関する圧縮ファイル及び原ファイルの格納先となるアドレス情報を管理するアドレス情報管理ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
当該システムに書き込まれたファイルについての圧縮ファイルを管理する圧縮ファイル管理ステップと、
当該システムに書き込まれた元のファイルを管理する原ファイル管理ステップと、
当該システムに書き込まれたファイルに関する圧縮ファイル及び原ファイルの格納先となるアドレス情報を管理するアドレス情報管理ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係るディスク・システムと同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、ハード・ディスクとともにディスク・チェンジャを併用する、優れたディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、ハード・ディスクとディスク・チェンジャ上のディスクを用いてデータ・コンテンツのバックアップや再生動作を効率的に行なうことができる、優れたディスク・システム及びディスク管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明に係るディスク・システムによれば、ハード・ディスクとの連携により、例えば400枚のリムーバブル・ディスクを装填するスロットを備えたディスク・チェンジャをあたかも1枚のディスクであるかのように扱うことができる。また、ディスク・チェンジャが多数のリムーバブル・ディスクを同時に扱うことができるので、ユーザはディスクの分類・整理などの保管作業から解放される。
また、本発明に係るディスク・システムによれば、ハード・ディスクのクラッシュに備えてリムーバブル・ディスクへのバックアップ処理が自動的に行なわれるので、データの安全性が高まる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
A.システム構成
本発明に係るディスク・システムは、CDやDVDなどの多数のリムーバブル・ディスクを挿入するディスク・チェンジャと、計算機システムの外部記憶装置として機能するハード・ディスク装置とを組み合わせて構成される。そして、多数のディスクからなる大記憶容量のディスク・チェンジャと、高速アクセス動作が可能なハード・ディスク装置との連携により、データの再生動作やバックアップ動作などを確実且つ効率的に行なう。
本発明に係るディスク・システムは、CDやDVDなどの多数のリムーバブル・ディスクを挿入するディスク・チェンジャと、計算機システムの外部記憶装置として機能するハード・ディスク装置とを組み合わせて構成される。そして、多数のディスクからなる大記憶容量のディスク・チェンジャと、高速アクセス動作が可能なハード・ディスク装置との連携により、データの再生動作やバックアップ動作などを確実且つ効率的に行なう。
図1には、本発明の一実施形態に係るディスク・システム100の構成を模式的に示している。図示のディスク・システム100は、ディスク・チェンジャ101と、ハード・ディスク装置103と、システム・コントローラ102と、データ再生出力装置104を備えている。
システム・コントローラ102は、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)など、ディスク上のファイル管理を行なうオペレーティング・システム、並びにファイル操作を行なうアプリケーション/ユーティリティを実行する計算機システムで構成される。システム・コントローラ102は、CPUやメモリなどの演算機能とともに、モニタ・ディスプレイやマウス/キーボードなどのユーザ・インターフェースを備えている。
システム・コントローラ102に対し、ディスク・チェンジャ101やハード・ディスク装置103は、システム・バス、若しくはIDE/ATAPI、USB、i−linkなどのケーブルを介して相互接続されている。ディスク・チェンジャ101やハード・ディスク装置103上から読み取られた再生信号は、システム・コントローラ102によって復号され、データ再生出力装置104から映像及び音響出力される。
ディスク・チェンジャ101は、CDやDVDなどのリムーバブル・ディスクを収納する多数のスロットからなるディスク収納ユニットと、トレイに装填された1枚のリムーバブル・ディスクの記録面にアクセスし、データの再生又は記録動作を行なうデータ再生記録ユニットと、ディスク収納ユニットのスロットとデータ再生記録ユニットのトレイの間でリムーバブル・ディスクの入れ替え(すなわち、ディスク・チェンジ)を行なうディスク交換ユニットを備えている。例えば、リムーバブル・ディスクを挿入するスロットを400基だけ持ち、挿入されるメディアがブルーレイの場合は1枚当たりの容量が500GB、これを400枚だけ挿入可能であるとすると、1台のディスク・チェンジャ101で20TBの巨大な記憶空間となり、ディスクの入れ替えはほぼ必要なくなる。
なお、図示しないが、ディスク・システム100は、ネットワークに接続していてもよく、ネットワーク経由で外部ホスト装置からハード・ディスク装置103やディスク・チェンジャ101にファイル・アクセスできるようにしてもよい。この場合、ハード・ディスク装置103及びディスク・チェンジャ101からなる記憶空間は、ネットワーク上では1つのハード・ディスクのように見える。
図2には、ディスク・チェンジャ101内のデータ再生記録ユニットの内部構成を示している。
図示のデータ再生記録ユニットは、CD−ROM(プレスCD)や、CD−R、CD−RWなどいわゆる光ディスク型の記録メディアから、レーザ光を記録面に照射したときのピットの有無に応じて反射光の強度に変化に基づいてデータを読み取ることができる。これらの光ディスクは、最短データ長(最短ピット長)及び最長データ長(最長ピット長)がそれぞれ3T、11Tに規定され、且つDCフリーであるEFM(Eight to Fourteen Moduration)方式により変調されたデータが記録されている。
データ再生記録ユニットは、CPU(Central Processing Unit)1にバス2が接続され、このバス2に作業メモリとしてのRAM(Random Access Memory)3、システム制御用のプログラム・データ4aや制御用のパラメータ・データ4bが不揮発的に書き込まれたROM(Read Only Memory)4、サーボ系信号処理回路5、このサーボ系信号処理回路5を介して光ディスク7を回転させるためのスピンドル・モータ6及び光学ピックアップ8が接続されている。スピンドル・モータ6による装填されたディスク7の回転動作と、光ピックアップ8のディスク半径方向のスキャン動作とを同期的に行なうことで、光ディスク7の記録面上の任意に場所にアクセスすることができる。
また、入出力ポート10を介して、RF信号処理部9からのRF信号を波形等化するイコライザ11、イコライザ11の出力を2値化した後にクロックを再生し、このクロックによりデータを再生するとともに再生したデータに対してエラー訂正処理を施すデジタル信号処理部12、このデジタル信号処理部12からの出力に対しエラー訂正処理などを施すとともに、そのデータを元のデータ列にデコードするデコーダ13、及びホスト・コンピュータ18と通信を行なうためのホスト・インターフェース回路14が接続されて構成される。
ホスト・インターフェース回路14は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やSCSI(Small Computer System Interface)などのインターフェース規格に準拠する。このデータ再生記録ユニットは、ホスト・インターフェース回路14並びに外部バス17を経由して、システム・コントローラ102に接続されている。
サーボ系信号処理回路5は、スピンドル・モータ6の回転駆動と、光学ピックアップ8のディスク半径方向のスキャン動作を同期的に制御し、フォーカッシング及びトラッキング動作を行なう。
データ再生記録ユニットに電源が投入されると、ROM4に記憶されているプログラム・データ4aがCPU1のメイン・メモリにロードされることにより、CPU1は、図中の破線で示すように、RAM制御手段15及びシステム制御手段16としての機能を有する。
データ再生記録ユニットで使用可能な光ディスク7は、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAMなどである。また、データ再生記録ユニットは、ホスト・コンピュータ18からの指令により、通常速での再生若しくはx倍速再生を行なうことが可能である。
イコライザ11は、MTF(Modulation Transfer Function)によるアイパターンの劣化を補正する目的で設けられている。光ディスク7の再生においては、ディスクの成型条件などにより、光学ピックアップ8から出力されるインパルス応答波形の裾部分が広がり、アイパターンの中心が鈍ってしまい、この結果、アイパターンの中心を基準として行なう2値化を安定して行えなくなる。そこで、イコライザ11は、例えば、RF再生波形の高周波数領域レベルを持ち上げることで、デジタル信号処理部12が安定して2値化を行なえるようにし、等価的にMTFの劣化が補正される。
データ再生記録ユニットに光ディスク7が装填されると、スピンドル・モータ6が回転を開始し、光ディスク7が線速度一定で回転される。光ディスク7の回転速度が一定になると、光学ピックアップ8により、レーザ光を記録面に照射するとともにその反射光が読み取られる。記録面ではピットの有無に応じて反射光の強度が変化するので、光ディスク7からデータが読み取られる。
光ピックアップ8により読み取られたデータは、再生RF信号として、RF信号処理部9及びイコライザ11を介してデジタル信号処理部12に供給され、このデジタル信号処理部12においてデジタル・データとして再生される。このデジタル・データは、デコーダ13に供給され、このデコーダ13においてエラー訂正が施され、さらに元のデータ配列に戻される。
ハード・ディスク装置103は、ニッケル・リンなどのメッキを施した磁性体が塗布された1枚又は数枚の磁気ディスクを固定的なメディアとして使用する記憶装置であり、磁気ヘッドを回転するメディア表面上で半径方向にスキャンさせることによって、メディア上にデータに相当する磁化を生じさせて書き込みを行ない、あるいはデータを読み出すことができる。ハード・ディスク装置自体は、パーソナル・コンピュータを始めとする計算機システムの外部記憶装置として定着している。
図3には、ハード・ディスク装置103の内部構成を示している。
同図に示すように、ハード・ディスク装置103は、CPU31と、ROM32と、ディスク・コントローラ33と、バッファRAM34と、データ読み書き制御部35と、サーボ制御部36とを備えている。
CPU31は、ROM32に格納されている制御コードを実行して、当該装置103内の動作を統括的にコントロールする。
ディスク・コントローラ33は、所定のインターフェースを介して接続されるシステム・コントローラ102からコマンドを受け取る。CPU31はこのコマンド処理を行ない、ディスク・コントローラ33はコマンド処理結果に従って、データ読み書き制御部35やサーボ制御部36に対するハードウェア操作を指示する。
システム・コントローラ102から受け取った書き込みデータや、ディスク41から読み取ってホストに渡されるデータは、バッファRAM34に一時的に格納される。
データ読み書き制御部35は、記録メディアとしての磁気ディスク41表面を走査する磁気ヘッド42を介したデータの読み書き動作、並びに、書き込みデータの変調処理、読み出しデータの復調処理を行なう。
サーボ制御部36は、磁気ヘッド42を搭載したアームを移動するボイス・コイル・モータ(VCM)43、及び磁気ディスクを回転させるスピンドル・モータ(SPM)44の同期的駆動させて、磁気ヘッド42が磁気ディスク41上の目的とするトラック上の所定範囲内に到達するように制御する。さらに、磁気ディスク41上のサーボ・パターン(前述)よりヘッド位置を所定の位置にシークさせるための制御を行なう。
磁気ディスク41上には、データを記録するための区画である多数のトラックが同心円状に形成され、ディスク41の最外周から内周に向かって0、1、…という具合にトラック番号が割り振られている。また、各トラックは、さらにセクタ毎に分割されており、このセクタ単位がデータ読み書き動作の可能な最小単位となっている。
セクタ内のデータ量は例えば512バイトで固定である。実際に記録されているセクタには、データ本体に加えて、ヘッダ情報やエラー訂正用コードなどが付加されている。
なお、図示しないが、ドライブ・ユニット内には、数枚の磁気ディスク(プラッタ)が同心円状に重なって構成することもでき、そのとき各磁気ディスクの同じトラック番号は円筒状に配置され(シリンダ)、トラック番号と同じシリンダ番号で指定される。
上述したように、本実施形態に係るディスク・システム100は、ディスク・チェンジャ101とハード・ディスク装置103の組み合わせで構成されている。ディスク・チェンジャ101に収容されるディスク挿入枚数すなわちスロット数を増加することにより、ユーザに広大な記憶領域を提供することができ、ディスクの入れ替えに伴うディスクを保管・整理する手間を省くことができる。ここで、ハード・ディスク装置103は高速なデータ・アクセスが可能であるが記憶容量は小さい。一方のディスク・チェンジャ101は記憶容量が巨大であるが、ディスク・アクセスが遅く、ディスクの交換を伴う場合にはアクセス時間はさらに長くなる。本実施形態では、これらの装置の連携動作により、データの再生動作やバックアップ動作などを確実且つ効率的に行なうようにしている。
本実施形態に係るディスク・システム100に外部からファイルが取り込まれると、ハード・ディスク装置103に一旦書き込まれ、さらにディスク・チェンジャ101内のリムーバブル・ディスクにもファイルの原版すなわちバックアップとして記録される。
また、ハード・ディスク装置103にファイルを保存すると同時に所定サイズの圧縮を行ない、この圧縮ファイルを残し、元のファイルはハード・ディスク装置103から削除する。ハード・ディクス装置103には圧縮ファイルのみを残すことにより、ハード・ディスクの空き容量を確保する。そして、リムーバブル・ディスク上のファイルは、データ再生時など必要に応じてハード・ディスク装置103にリストアされる。
例えば、デジタル・カメラの撮像画像などのファイルがシステム100に取り込まれた場合、ファイルがハード・ディスク装置103に保存され、これと同時に所定のサイズの圧縮を行ない、原版となるファイルをディスク・チェンジャ101に送り、リムーバブル・ディスク上に書き込む。原版となるファイルのディスク・チェンジャ101上の格納場所に関する情報は、ハード・ディスク装置103上で保存される。
ディスク・システム100に保存したファイルを自動若しくは手動で選択し、自動で変換し自動でディスクに書き込むことができる。
勿論、写真データだけでなく、音楽データや映像データなど圧縮可能なその他のデータに関しても、ディスク・システム100上では同様に取り扱うことかできる。この場合、元の音楽データや映像データを圧縮してハード・ディスク装置103に保存する、あるいは元のデータの一部をハード・ディスク装置103に保存しておく。例えば、あるデータの再生がユーザから指示されたとき、ハード・ディスク装置103上にある圧縮データ若しくは元のデータの一部を利用してデータ再生処理を迅速に開始する。これと並行して、元のデータをディスク・チェンジャ101側から転送し、その後は元のデータを利用した再生処理に切り換える。このような場合、ハード・ディスク装置103はディスク・チェンジャ101のいわばキャッシュとして作用する。
図4には、ディスク・チェンジャ101でリムーバブル・ディスクに記録されているファイルの原版と、ハード・ディスク装置103に残された圧縮ファイルの対応関係を示している。ディスク・チェンジャ101は400基のスロットを持ち、各スロットに挿入されているリムーバブル・ディスクをDISC1、DISC2、…、DISC400とする。
図示の例では、DISC1及びDISC2にそれぞれファイル1及びファイル2がフルサイズで記録されている。一方、ハード・ディスク装置103側では、DISC1フォルダ、DISC2フォルダ…と言った具合に、ディスク・チェンジャ101側のリムーバブル・ディスク毎に専用のフォルダが作成され、各フォルダ内には、対応するリムーバブル・ディスクに格納されているファイルの圧縮ファイルと、ファイルの原版の格納場所(すなわちリムーバブル・ディスクのアドレス)が保存されている。
例えば、ハード・ディスク装置103のDISC1フォルダには、ディスク・チェンジャ101側のDISC1に記録されている各ファイルの圧縮ファイルが格納されている。ハード・ディスク装置103側でリムーバブル・ディスク毎に設けられたDISC1フォルダ、DISC2フォルダ…は、ユーザにとってディスク・チェンジャ101上の各リムーバブル・ディスクがあたかも1枚のディスクであるかのように見せかけるための、謂わば「仮想のディスク・ドライブ」である。
このように、ディスク・システム100では、ディスク・チェンジャ101とハード・ディスク装置103の連携により、ファイルの原版の保存と圧縮ファイルの保存が同時に行なわれる。ディスク・チェンジャ101内のリムーバブル・ディスクにはファイルの原版が保存されている。これと同時に、ハード・ディスク装置103側では、その圧縮ファイルが、原版の保存先であるリムーバブル・ディスクに対応付けられた「仮想のディスク・ドライブ」フォルダに保存される。したがって、ユーザにとっては多数のリムーバブル・ディスクからなるディスク・チェンジャ101があたかも1枚のディスクであるかのように見える。また、ファイルの再生時には、ファイルがハード・ディスク装置103又はディスク・チェンジャ101のいずれに所在するかを意識する必要はない。例えば、ハード・ディスク装置及びディスク・チェンジャからなる記憶空間は、ネットワーク上では1つのハード・ディスクのように見える。
パーソナル・コンピュータなどのシステム・コントローラ102からファイルを呼び出した場合、モニタ・ディスプレイ画面上では図5に示すように該当するフォルダ以下のファイルとして現れ、圧縮したファイルを見ることができる。圧縮ファイルは、ディスク・チェンジャ101側のファイルの原版と紐付けされている(前述)。
図示の「仮想のディスク・ドライブ」フォルダ閲覧画面上では、対応するリムーバブル・ディスク上に保存されている原版のファイルに相当するアイコンが表示されることになる。このとき、「仮想のディスク・ドライブ」フォルダに格納されている圧縮データ(若しくは元のデータの一部)を利用してアイコン表示を行なうことにより、ユーザがファイルの内容を確認し易くなる。また、電子ブックなどのファイルの場合には、一枚目や表紙になる部分を切り出してアイコン表示に利用することにより、ユーザが簡単にファイルの中身を確認できるようにすることができる。この場合も、ファイルの本体はリムーバブル・ディスク上に置かれる。
そして、図5に示したフォルダ閲覧画面上で復帰用のチェックを行なうと、ファイルの原版がディスク・チェンジャ101内の該当ディスクからハード・ディスク装置103へ自動的にリストアされる。したがって、多数のリムーバブル・ディスクからなるディスク・チェンジャ101をあたかも1枚のディスクとして扱うことができる。ユーザは、ディスク・チェンジャ101に挿入されている一枚一枚のリムーバブル・ディスクを意識する必要はない。例えば、ハード・ディスク装置及びディスク・チェンジャからなる記憶空間は、ネットワーク上では1つのハード・ディスクのように見える。
ファイルの原版のリストアに際し、ハード・ディスク装置103はディスク・チェンジャ101のキャッシュとして作用する。あるファイルの再生がユーザから指示されたとき、ハード・ディスク装置103上にある圧縮ファイル(若しくは元のファイルの一部のデータ)を利用して再生処理を迅速に開始する。これと並行して、ファイルの原版をディスク・チェンジャ101側から転送し、その後は原版を利用した再生処理に切り換える。
図5に示したフォルダ閲覧画面上で、アイコンにカーソルを当てると、当てたフォルダは圧縮に相当する。このとき、画面上に表示するアイコンを、圧縮ファイルを持つフォルダと非圧縮ファイルを持つフォルダの2つに分離し(図6を参照のこと)、圧縮非圧縮を選び易いようにしてもよい。そして、ユーザが選択した方を起動する。その区別は、単に圧縮・非圧縮を選ぶだけのスイッチの役割になる。フォルダの中身はどちらも同じものになる。例えば、JPEGファイルの場合、非圧縮のフォルダを選んだとしても、個々のファイルを選んだ時点ではサムネイルとして圧縮を用い、その間にディスク・チェンジャ101側ではディスク・チェンジをして、非圧縮のデータをハード・ディスク装置103に転送する。呼び込まれたときに、例えばファイルが点滅して圧縮であることを知らせ、ファイル転送完了後に点滅が常時点灯に切り換わる。
図5に示したような「仮想ディスク」フォルダによる表示方法は、ユーザにディスクの所在を意識させないで済む。これに対し、リムーバブル・ディスクをディスク・チェンジャ101に挿入した際などはディスク番号などが判る方が好ましいこともあるので、ディスク番号順の表示方法を導入してもよい。
ディスク・システム100に取り込まれたファイルはすべて、ハード・ディスク装置103に格納される。このとき、ユーザは、格納先として、既存の「仮想のディスク・ドライブ」フォルダを指定するか、又は新しい「仮想のディスク・ドライブ」フォルダを作成する。
前者の場合、ディスク・チェンジャ101側では、指定されたフォルダに対応するリムーバブル・ディスクにファイルの原版が追加して保存先される。また、後者の場合、ディスク・チェンジャ101側では、新しいフォルダに対応する(空き)リムーバブル・ディスクが選択され、そこがファイルの原版の保存先となる。
新規の「仮想のディスク・ドライブ」フォルダを作成する際に、ディスク・チェンジャ101側に未使用のリムーバブル・ディスクが存在しない場合には、使用済みのリムーバブル・ディスクの中から、残容量がより大きく、また、既に格納されている個々のファイルのサイズが小さいものを選ぶようにすると、ディスクの分散を避けることができてよい。(残容量が小さいと、当該フォルダを次に保存先として指定したときにさらに他のリムーバブル・ディスクにファイルが分散する可能性が高い。また、同じリムーバブル・ディスクを利用する他のフォルダが大きなファイルを扱う傾向にあるとき、ディスク容量が満杯になり易く、ファイルが分散し易くなる。)
また、ハード・ディスク装置103に一時的に保存されているファイルの原版は、例えばディスク・システム100の電源を遮断するときや、ユーザからのアーカイブ指示などに応答して、ディスク・チェンジャ101に転送され、仮想のディスク・ドライブに相当するリムーバブル・ディスクへバックアップされる。
本実施形態に係るディスク・システム100では、基本動作として、システムに投入されたファイルは圧縮されてハード・ディスク装置103に保存される。ところが、ディスク・システム100に投入されたファイルが、著作権保護がかけられたDVDなどにより供給されたデータの場合には、このような基本処理が不能となる。また、米マイクロソフト社のマイクロソフト・オフィスにおける「エクセル」ファイルなどの場合も、圧縮を利用せず、アプリケーション上で選択できるようにする。
また、ディスク・システム100に新たなファイルが投入されたことを感知したときに、圧縮するかしないかをユーザに選択を促す表示をするなどの処理を行なう。勿論、自動モードでユーザの選択を不要とする方法も設定できるようにしてもよい。
また、ディスク・チェンジャ101にリムーバブル・ディスクを挿入する場合(あるいはその他の媒介を通じてディスク・システム100に新規のファイルを投入する場合)、ハード・ディスク装置103上にそのイメージを作らないことを指示する操作ボタンなどを用意するようにしてもよい。例えば、レンタル・ディスクや、インストール・ディスクなどの場合である。
なお、ディスク・チェンジャ101に同時に多数枚のディスクが挿入されることもある。この場合、ユーザが選んだディスク(若しくはディスク再生記録ユニットにローディングされたディスク)から順に処理をしていく。
例えば、リムーバブル・ディスクにRFIDやバーコードなどのディスク情報が付加され、ネットワーク経由でそれらのIDが管理されていることもある。この場合、そこから引き出される情報を表示するようにしてもよい。
一方、ディスクの挿入とは逆に、ディスク・チェンジャ101からディスクを吐き出した際には、ハード・ディスク装置103に対しイジェクトのサインを送り、空きディスクの番号を示す。同時に、ハード・ディスク装置103に残した圧縮ファイルなどのデータを利用できないようにするのかどうか、ユーザの選択を促す。
ディスク・チェンジャ101側でディスクの交換を無制限に繰り返していくと、ハード・ディスク装置103の容量をオーバーするという事態を招来する。この対策として、例えばLRU(Least Recensty Used)などの論理を利用し、現時点から最も古く抜き出されたリムーバブル・ディスクに関連する情報をハード・ディスク装置103から削除してもよいかどうか、ユーザの確認を行なうようにする。ユーザが削除を拒否した場合、若しくはハード・ディスク装置103上の容量が足りない場合、順次古いほうから同じ処理を行なう。オプションとして、現時点から指定した日数以降に使用したファイルに関しては、残すようにしてもよい。
B.ディスク・システムへのファイル取り込み
本実施形態に係るディスク・システム100では、基本動作として、システムに投入されたファイルは圧縮されてハード・ディスク装置103に保存される。図7には、ディスク・システム100にファイルが取り込まれたときの処理の様子を図解している。
本実施形態に係るディスク・システム100では、基本動作として、システムに投入されたファイルは圧縮されてハード・ディスク装置103に保存される。図7には、ディスク・システム100にファイルが取り込まれたときの処理の様子を図解している。
例えばPCなどのシステム・コントローラ102からファイルが書き込まれた場合、ハード・ディスク装置103上にそのまま一時保存されるが、圧縮処理がかけられてハード・ディスク装置103のデータ領域に圧縮データが保存される。また、これと同時に一時保存されているファイルはディスク・チェンジャ101内のリムーバブル・ディスクにも格納される。リムーバブル・ディスクはバックアップすなわち保存用なので、ファイルの原版を非圧縮のまま格納する。
但し、著作権保護がかけられているファイルや、エクセル・ファイルのように圧縮を利用できないファイルが存在する。そこで、ディスク・システム100にファイルが取り込まれた時点でファイル解析をし、ファイルの種類に応じて、ハード・ディスク装置103に保存するものを圧縮又は非圧縮のいずれにするか(若しくは圧縮形式)を決定するようにする。
ハード・ディスク装置103上では、ディスク・システム100上で取り扱う各ファイルについて、圧縮データのハード・ディスク装置103上のアドレスと、非圧縮データ(すなわち原版)のディスク・チェンジャ101上のアドレス(ディスク番号など)と、ディスク・システム100上のファイル位置(フォルダ名若しくはパス名)などの各ファイルに関するアドレス情報が管理されている。
ここで、挿入されたリムーバブル・ディスクにはどんなファイルが書き込まれているのか判らない。また、さまざまに種類のデータが混在しているディスクの場合、ユーザはそれぞれのフォルダに振り分ける作業を行なうのは面倒である。また、いちいち読込先を指定するのも面倒である。システム100の外部(すなわちユーザ)から見た際に、ディスク・チェンジャ101を仮想ドライブのように一枚のハード・ディスクのように見せず、挿入されている各リムーバブル・ディスクの表示とすれば特に操作は必要ではないが、400枚程度の厖大数のディスクはそれぞれ独立しているので、これらの中から探す操作をユーザに強いるのは妥当でない。
そこで、リムーバブル・ディスクがディスク・チェンジャ101に装填された場合、まずデータ再生記録ユニットにこの新規ディスクをローディングして、ディスクのファイル解析を行ない、どのフォルダに投げ込むかをファイルの種類などに基づいて決定するようにしている。ディスク単位でフォルダ(仮想ディスク・フォルダ)を作成するか、あるいは拡張子などから適切なフォルダに自動的に分配する処理を行なうようにしてもよい。
例えば、静止画であれば写真フォルダに、音楽データであれば音楽フォルダに、映画であればMOVIE(映画)フォルダに、それぞれ振り分けて格納される。ディスク・システム100上で利用可能なファイルは、ユーザからは、振り分けられたフォルダ単位で可視化されている。すなわち、「エクスプローラ」などのデスクトップ画面上でのファイルの表示形態は、対をなす圧縮ファイルと非圧縮ファイルが2重表示され(前述)、圧縮ファイルやバックアップ・ファイルの物理的な格納場所とは無関係である。
図8には、ディスク・チェンジャ101にリムーバブル・ディスクを挿入したときにファイル自動振り分けを行なう様子を示している。ディスク収納ユニットに新規に挿入されたリムーバブル・ディスクは、ディスク再生記録ユニットにローディングされ、格納されている各ファイルの解析が行なわれる。そして、解析結果に基づいて、ディスク・システム100上の各フォルダに分配されていくとともに、ハード・ディスク装置103に保存するファイルの圧縮/非圧縮が決定され、データ領域に格納される。
また、図9には、PCなどのシステム・コントローラ102を介してディスク・システム100に書き込まれたファイルの処理を行なう様子を示している。フォルダに書き込まれたファイルの解析が行なわれ、その解析結果に基づいて、ハード・ディスク装置103に保存するファイルの圧縮/非圧縮が決定され、データ領域に格納される。この場合、ファイル書き込み時にユーザによってフォルダが指定されるが、ファイル解析によりフォルダを自動選択するようにしてもよい。また、ハード・ディスク装置103への保存動作と同時に、バックアップ用となるファイルの原版を非圧縮のままリムーバブル・ディスクに格納する。
バックアップ用のファイルの投げ込み先となるリムーバブル・ディスクを決定する際、ディスク・システム100に書き込まれた各ファイルをファイルの種類や拡張子、ファイルの大きさ、フォルダ中のファイルの組み合わせなどにより分類する(図10を参照のこと)。ディスク・チェンジャ101側に未使用のリムーバブル・ディスクが存在しない場合には、使用済みのリムーバブル・ディスクの中から、残容量がより大きく、また、既に格納されている個々のファイルのサイズが小さいものを選ぶようにすると、ディスクの分散を避けることができてよい。(残容量が小さいと、当該フォルダを次に保存先として指定したときにさらに他のリムーバブル・ディスクにファイルが分散する可能性が高い。また、同じリムーバブル・ディスクを利用する他のフォルダが大きなファイルを扱う傾向にあるとき、ディスク容量が満杯になり易く、ファイルが分散し易くなる。)
なお、ここでは説明しないが、ネットワーク経由でディスク・システム100上のフォルダにダウンロードされたファイルに関しても、図9に示した場合と同様に取り扱うことができる。
C.ディスク・システム上でのファイル再生
本実施形態に係るディスク・システム100では、同じファイルが圧縮データとしてハード・ディスク装置103に保存されるとともに、バックアップ用として非圧縮のファイルの原版がリムーバブル・ディスクに置かれる。ファイルの再生処理は、ハード・ディスク装置103上の圧縮データ、あるいはリムーバブル・ディスク上の非圧縮データのいずれを用いても行なうことができる。
本実施形態に係るディスク・システム100では、同じファイルが圧縮データとしてハード・ディスク装置103に保存されるとともに、バックアップ用として非圧縮のファイルの原版がリムーバブル・ディスクに置かれる。ファイルの再生処理は、ハード・ディスク装置103上の圧縮データ、あるいはリムーバブル・ディスク上の非圧縮データのいずれを用いても行なうことができる。
図11には、ハード・ディスク装置103上の圧縮データを用いてファイルの再生を行なう流れを示している。この場合、デスクトップ画面上で圧縮ファイルが選択されると、ハード・ディスク装置103上で管理されているアドレス情報を基に該当する圧縮ファイルを特定し、これをPCなどのシステム・コントローラ102に転送して、データの復号化・再生処理を行なう。
また、図12には、ハード・ディスク装置103上の圧縮データを用いず、リムーバブル・ディスク上の非圧縮ファイルを用いて再生を行なう流れを示している。著作権保護されリムーバブル・ディスク上にしかファイルが存在しない場合や、デスクトップ画面上で非圧縮ファイルが選択される場合がこれに相当する。この場合、ファイルの一部又は圧縮ファイルがハード・ディスク装置103に保存されているとする。まず、ハード・ディスク装置103上で管理されているアドレス情報を基に、該当するファイルの一部又は圧縮ファイルを取り出して再生処理を行なう。これと並行して、該当する非圧縮ファイルを特定し、該当するリムーバブル・ディスクが検出されると、リムーバブル・ディスクからのデータに切り換えられ、復号化・再生処理を行なう。若しくは、ハード・ディスク装置103上のサムネイルをユーザが選択すると、実際には非圧縮データを該当するリムーバブル・ディスクから転送する。
D.リムーバブル・ディスクの交換に伴う処理
ディスク・チェンジャ101からディスクを吐き出した際には、ハード・ディスク装置103に対しイジェクトのサインを送り、空きディスクの番号を示す。システム・コントローラは、贈られてきたディスク番号をイジェクト・リスト又は消去リストに登録する(後述)。同時に、ハード・ディスク装置103に残した圧縮ファイルなどのデータを利用できないようにするのかどうか、ユーザの選択を促す。
ディスク・チェンジャ101からディスクを吐き出した際には、ハード・ディスク装置103に対しイジェクトのサインを送り、空きディスクの番号を示す。システム・コントローラは、贈られてきたディスク番号をイジェクト・リスト又は消去リストに登録する(後述)。同時に、ハード・ディスク装置103に残した圧縮ファイルなどのデータを利用できないようにするのかどうか、ユーザの選択を促す。
リムーバブル・ディスクをディスク・チェンジャ101から抜き取った後も、ハード・ディスク装置103に圧縮ファイルを残すことをユーザが選択した場合には、非圧縮のデータがないことをアイコンの表示などによってユーザに通知する。アイコンを圧縮ファイルと非圧縮ファイルに分離して2重に表示することで、ユーザが選び易いユーザ・インターフェースを構成する点については既に述べた通りである。リムーバブル・ディスクが抜かれて非圧縮ファイルがシステム100で利用できなくなった場合には、例えば非圧縮ファイルのアイコンに代えてディスク・マークを付け、ディスクがないことを表すようにする(図13を参照のこと)。あるいは、非圧縮ファイルのアイコンだけをグレー表示に切り換えるようにしてもよい。
ディスク・チェンジャ102上でリムーバブル・ディスクの交換を行なった際、リムーバブル・ディスクが元の場所に挿入されるとは限らない。そこで、交換したリムーバブル・ディスクをディスク再生記録ユニットにリロードし、ファイル解析を行ない、この結果に基づいてハード・ディスク装置103内のアドレス情報を書き換える。
図14〜図17には、ディスク・チェンジャ102上でのリムーバブル・ディスクの交換に伴うアドレス情報の書き換え処理の様子を示している。但し、アドレス情報は、各ファイルをディスク収納ユニット上でのリムーバブル・ディスクの格納番号とディスク番号で関連付けているものとする。
図14には、ディスク1とナンバリングされたディスクがディスク収納ユニットの5番目のトレイに挿入されている場合のアドレス情報を示している。ここで、ディスク1とナンバリングされたディスクが5番目のトレイから取り出されると、アドレス情報は図15の左側に示すように書き換えられる。さらに8番目のトレイに、5番目とは異なる新しいディスクが挿入された場合、ハード・ディスク装置103の空き容量が不足していると、図15の右側に示すように、5番目のトレイに挿入されていたディスクの内容(圧縮ファイル)が消去される。
図15の左側に示す状態で、さらにあるディスクが挿入され、ディスク1と合致し、ディスクが8番目のトレイに挿入された場合には、アドレス情報は図16に示すように書き換えられる。
また、図15の右側に示す状態で、8番面ディスクに空き番号の1が割り振られると、アドレス情報は図17に示すように書き換えられる。
なお、ディスク・チェンジャ101側でディスクの交換を無制限に繰り返していくと、ハード・ディスク装置103の容量をオーバーするという事態を招来する。この対策として、例えばLRU(Least Recensty Used)などの論理を利用し、現時点から最も古く抜き出されたリムーバブル・ディスクに関連する情報をハード・ディスク装置103から削除してもよいかどうか、ユーザの確認を行なうようにする。
E.ディスク・システムに取り込まれたファイルのフォルダへの自動割り振り
リムーバブル・ディスクを新規に挿入する、あるいはシステム・コントローラ102にファイルを書き込むなどして、ディスク・システム100にファイルが取り込まれると、フォルダへの割り振り処理と、非圧縮ファイルのハード・ディスク装置103への保存、並びにバックアップ・ファイルのリムーバブル・ディスクへの保存(但し、ファイルがシステムに書き込まれた場合)が行なわれる。
リムーバブル・ディスクを新規に挿入する、あるいはシステム・コントローラ102にファイルを書き込むなどして、ディスク・システム100にファイルが取り込まれると、フォルダへの割り振り処理と、非圧縮ファイルのハード・ディスク装置103への保存、並びにバックアップ・ファイルのリムーバブル・ディスクへの保存(但し、ファイルがシステムに書き込まれた場合)が行なわれる。
新規のファイルを解析し、ファイルの種類や拡張子、ファイルの大きさ、フォルダ内のファイルの組み合わせなどに基づいて、格納先のフォルダを決定する。
図18には、ディスク・システム100に取り込まれたファイルの自動割り振りを行なう際の確認表示イメージの構成例を示している。
まず、第1候補となるフォルダ内のファイル構成を一覧表示する。ユーザはこの画面を確認し、新規ファイルの格納先として相応しくないと判断した場合には、例えばマウスの左ボタンで当該フォルダのアイコンをクリックするなどの操作を行なう。これに応答して、第2候補以下のフォルダが一覧表示される。そして、所望のフォルダ・アイコンをクリックしてフォルダ・ウィンドウ開くことにより、第1候補の場合と同様の確認操作が行なわれる。
フォルダ・ウィンドウ内では、フォルダ名をクリックすることでさらに下の階層に入っていくことができる。また、開いているフォルダ・ウィンドウ間でフォルダやファイルの移動操作を行なうことができる。
また、ファイルが取り込まれた時点でファイル解析をし、ファイルの種類に応じて、ハード・ディスク装置103に保存するものを圧縮又は非圧縮のいずれにするか(若しくは圧縮形式)を決定する。
音楽やDVDなど著作権管理されたファイルに関しては圧縮などを作ることで、ハード・ディスク装置103上にはコピーは作らない。また、エクセルやワードなどのアプリケーション・ファイルは圧縮したデータでは作業できなくなるので、圧縮せずリムーバブル・ディスクとハード・ディスク装置103の両方に置く。プロパティで「ハード・ディスク装置103にはサムネイルのみ」を選んだ際にのみ、イメージ・データを作ってハード・ディスク装置103に保存し、元のデータはハード・ディスク装置103上から削除する。
ハード・ディスク装置103上のファイル・システムが破壊すると、その修復は不可能に等しい。そこで、リムーバブル・ディスクを一枚使ってバックアップするか、又は書き込んだリムーバブル・ディスク上にシステム・ファイルとしてハード・ディスク上の管理位置を記録しておく。あるいは、PCなどのシステム・コントローラ102やそのたのホスト装置にバックアップを置くようにしてもよい。
F.システム・オペレーション
この項では、本実施形態に係るディスク・システム100上でファイル操作を行なうときの動作手順について詳解する。以下では、ハード・ディスク装置103は、圧縮ファイル(並びに非圧縮ファイル)を保存するデータ領域と、各ファイルに関するフォルダ及びバックアップ・ファイルの格納先アドレスの対応関係を記述したアドレス情報領域と、リムーバブル・ディスクからファイル読み出し時におけるキャッシュ領域を備えているものとする。
この項では、本実施形態に係るディスク・システム100上でファイル操作を行なうときの動作手順について詳解する。以下では、ハード・ディスク装置103は、圧縮ファイル(並びに非圧縮ファイル)を保存するデータ領域と、各ファイルに関するフォルダ及びバックアップ・ファイルの格納先アドレスの対応関係を記述したアドレス情報領域と、リムーバブル・ディスクからファイル読み出し時におけるキャッシュ領域を備えているものとする。
図19には、ディスク・チェンジャ101に新規のリムーバブル・ディスクを挿入したときの動作を模式的に示している。
(1)まず、ディスク・チェンジャ101内のディスク収納ユニットに新規のリムーバブル・ディスクを挿入すると、このディスクをディスク再生記録ユニットにローディングし、格納されている各ファイルの解析を行なう。その後、すべてのファイルをハード・ディスク装置103のキャッシュ領域にコピーする。但し、挿入されたリムーバブル・ディスクがDVDなど著作権保護されたものである場合は、ハード・ディスク装置103にコピーをとることはできないので、この動作はない。
(2)PCなどのシステム・コントローラ102からのファイル転送要求に対しては順次対応する。
(3)また、ディスク・システム100における処理状況を確認しつつ、ハード・ディスク装置103に一時保存されているファイルを圧縮しながら、そのデータ領域に書き込んでいく。著作権保護されたファイルの関しては、圧縮などのイメージをハード・ディスク装置103上に作成することはできない。この場合、ファイルの一部又はサムネイルをデータ領域に置くことで代替する。
図20には、ディスク・チェンジャ101にリムーバブル・ディスクが挿入されたときにディスク・システム100内で行なわれる一連の処理動作をフローチャートの形式で示している。
リムーバブル・ディスクが挿入されると(ステップS1)、その旨を表示してユーザに通知する(ステップS2)。
そして、挿入されたディスクの解析、並びにディスク内に格納されている各ファイルの解析を行なう(ステップS3)。
ここで、ファイルが既存のファイル形式かどうかを判別する(ステップS4)。既存のファイル形式であれば、割り振り先となる既存のフォルダの候補リストを作成する(ステップS5)。候補リストの作成方法については後述に譲る。また、既存のファイル形式でなければ、割り振り先となる新規のフォルダを作成する(ステップS6)。
次いで、ファイルの圧縮が可能であるかどうかを判別する(ステップS7)。そして、圧縮可能であれば、圧縮ファイル作成フラグをセットする(ステップS8)。
ここで、解析処理が終了していないファイルがまだディスクに残っていれば(ステップS9)、ステップS3に戻り、上記と同様の解析処理を繰り返し実行する。
挿入したディスクにおけるファイル解析が終了すると、続いて、当該ディスクを挿入した履歴がディスク・システム100に残っているかどうかを判別する(ステップS10)。挿入履歴が残っていれば、当該保存したデータを復帰することにより(ステップS20)、後続の処理をスキップして、本処理ルーチン全体を終了する。
一方、挿入履歴が残っていないディスクの場合、ファイル解析結果一覧を表示する(ステップS11)。そして、ディスク上の各ファイルに関して、ユーザ確認、修正入力、圧縮/非圧縮の確認、新規フォルダへの命名を行なう(ステップS12)。
次いで、修正入力を用いて、挿入されたディスク上のファイルの一覧表示を行なう(ステップS13)。このファイル一覧表示画面上で、ユーザが所望のファイルをクリックすると(ステップS14)、指定されたファイルの読み出しが行なわれる(ステップS15)。このようなファイル読み出し操作は、ファイル一覧表示がクローズされるまで繰り返し行なわれる(ステップS16)。
次いで、選択されたファイルのコピーが可能かどうかをチェックする(ステップS17)。コピーが可能であれば、ディスクからハード・ディスク装置103のキャッシュ領域へ、ファイルのコピーを行なう(ステップS18)。そして、これらの圧縮予約を設定し(ステップS19)、本処理ルーチン全体を終了する。
ハード・ディスク装置103のキャッシュ領域で、圧縮予約が設定されたファイルは、圧縮データの書き込み要求が発生したことに応答して、圧縮ファイルの作成並びにハード・ディスク装置103への圧縮ファイルの書き込み処理が起動する。
図21には、キャッシュ領域上で圧縮予約されたファイルの圧縮処理並びにハード・ディスク装置103のデータ領域への書き込み処理を行なうための処理手順をフローチャートの形式で示している。
ハード・ディスク装置103への書き込み要求が発生すると(ステップS31)、まず、そのデータ領域に十分な空き容量があるかどうかをチェックする(ステップS32)。
ここで、データ領域に十分な空き領域があることが確認された場合には、キャッシュ領域に一時保存されているファイルの圧縮処理を開始する(ステップS38)。そして、作成された圧縮ファイルをデータ領域に書き込んで(ステップS39)、本処理ルーチン全体を終了する。
一方、データ領域の容量が不足していることが判明した場合には(ステップS32)、データ領域に格納されているファイルに関する消去リストがあるかどうかをチェックする(ステップS33)。消去リストは、ディスク・チェンジャ101からリムーバブル・ディスクを取り外したときに作成される(後述)。そして、十分な容量を得るまで(ステップS35)、消去リスト中のファイルを最も古いものから順に消去していく(ステップS34)。
また、消去リストがない場合には、これに代えて、イジェクト・リスト中のファイルを古いものから消去する操作を(ステップS36)、十分な容量を得るまで繰り返し行なう(ステップS37)。
このようにして、ハード・ディスク装置103のデータ領域に十分な容量を得ると、キャッシュ領域に一時保存されているファイルの圧縮処理を開始する(ステップS38)。そして、作成された圧縮ファイルをデータ領域に書き込んで(ステップS39)、本処理ルーチン全体を終了する。
ファイルの再生処理は、ハード・ディスク装置103上の圧縮データ、あるいはリムーバブル・ディスク上の非圧縮データのいずれかを、PCなどのシステム・コントローラ102に転送して行なわれる。
図22には、ディスク・システム100上で、ファイルをシステム・コントローラ102へ転送する動作を模式的に示している。
(1)まず、アイコン操作(図13を参照のこと)などにより指定されたファイルの一部又はタイトルなどを、ハード・ディスク装置103のデータ領域から読み込んで、ユーザに提示する。これに並行して、ディスク・チェンジャ101側では、指定されたファイルの原版を格納するリムーバブル・ディスクへディスク・チェンジを行ない、ディスク再生記録ユニットへローディングする。ディスク・チェンジ動作は最長で10秒以上を要する。
(2)そして、該当ディスクのローディングが完了すると、データ転送元をハード・ディスク装置103のデータ領域からディスク・チェンジャ101のディスク再生記録ユニットに切り換え、システム・コントローラ102へデータ転送する。
著作権保護のかかったファイルやコンテンツに関しては、ハード・ディスク装置103にすべてをコピーすることはできない。しかし、そのまま該当するリムーバブル・ディスクからファイルを読み出すだけでは、ディスク・チェンジ並びにローディングなどを伴い、データ再生が可能になるまで長時間かかることがある。そこで、ハード・ディスク装置103のデータ領域には、ファイルの原版のイメージや圧縮された一部を置き、ディスク・チェンジャ101からデータ転送が可能になるまでは、ハード・ディスク装置103上のデータを利用して空白の期間をなくす。このように、ハード・ディスク装置103をキャッシュとして利用することで、利便性を高めることができる。
図23には、ハード・ディスク装置103上の圧縮ファイルをシステム・コントローラ102で利用する際の動作を模式的に示している。
デジタル・カメラで撮ったJPEGの写真画像などは、プリントしない限り、フルサイズのデータを使用する必要はない。閲覧程度であれば、圧縮ファイルでも十分なので、ハード・ディスク装置103から圧縮ファイルを読み出す方が、ディスク・チェンジャから原ファイルを取り出すよりも、高速で利便性が高い。また、エクセル・ファイルを始めアプリケーション用のファイルは圧縮してしまうと使用できなくなるので、非圧縮でハード・ディスク装置103に保存する。
図24には、ハード・ディスク装置103上の圧縮ファイルをシステム・コントローラ102で利用するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
ユーザがファイルを選択するなどして、データ読み出し要求が発生すると(ステップS41)、当該ファイルがハード・ディスク装置103上にあるかどうかを判別する(ステップS42)。
ここで、選択されたファイルについての圧縮(若しくは非圧縮)ファイルがハード・ディスク装置103上にある場合には、これを、ハード・ディスク装置103からシステム・コントローラ102へ転送し(ステップS43)、データ再生などを行なう。
また、選択されたファイルがハード・ディスク装置103上に存在しない場合には、ディスク・チェンジャ101内のリムーバブル・ディスクに格納されている原ファイルをシステム・コントローラ102へ転送し(ステップS44)、データ再生などを行なう。
ディスク・システム100には、ディスク・チェンジャ101にリムーバブル・ディスクを新規に挿入する以外に、PCなどのシステム・コントローラ102からファイルを書き込むことによっても、新規ファイルが投入される。図25には、システム・コントローラ102にファイルを書き込んだときの動作を模式的に示している。
(1)システム・コントローラ102に書き込まれたファイルはすべて、ハード・ディスク装置103内のキャッシュ領域に一旦保存する。
(2)続いて、キャッシュ領域内に一時保存されているファイルを解析し、圧縮または非圧縮いずれの形式でデータ領域に保存すべきかを判別し、データ領域に格納する。
(3)さらに、ディスク・チェンジャ101内に挿入されている各リムーバブル・ディスクの空き状況を確認しつつ、キャッシュ領域内に一時保存されている各ファイルを原版すなわち非圧縮のまま、リムーバブル・ディスクに振り分けながら書き込む。
図26には、システム・コントローラ102にファイルを書き込んだときの一連の処理動作をフローチャートの形式で示している。
システム・コントローラ102へファイルが転送されると(ステップS51)、ハード・ディスク装置103内のキャッシュ領域に一時保存される(ステップS52)。
そして、ファイルの格納先となるフォルダを自動識別することが可能かどうかを判別する(ステップS53)。自動識別フォルダであれば、続いて、当該ファイルを圧縮が可能かどうかをチェックし(ステップS68)、圧縮可能であれば圧縮作成フラグをセットする(ステップS69)。そして、書き込み予約を作成し(ステップS67)、本処理ルーチン全体を終了する。
一方、ファイルの格納先フォルダを自動識別することができない場合には(ステップS53)、ファイル解析を行ない(ステップS54)、ファイルが既存のファイル形式かどうかを判別する(ステップS55)。既存のファイル形式であれば、割り振り先となる既存のフォルダの候補リストを作成する(ステップS56)。候補リストの作成方法については後述に譲る。また、既存のファイル形式でなければ、割り振り先となる新規のフォルダを作成する(ステップS57)。
次いで、ファイルの圧縮が可能であるかどうかを判別する(ステップS58)。そして、圧縮可能であれば、圧縮ファイル作成フラグをセットする(ステップS59)。
ここで、解析処理が終了していない転送ファイルがまだキャッシュ領域に残っていれば(ステップS60)、ステップS54に戻り、上記と同様の解析処理を繰り返し実行する。
次いで、ファイル解析結果一覧を表示する(ステップS61)。そして、ディスク上の各ファイルに関して、ユーザ確認、修正入力、圧縮/非圧縮の確認、新規フォルダへの命名を行なう(ステップS62)。
次いで、修正入力を用いて、挿入されたディスク上のファイルの一覧表示を行なう(ステップS63)。このファイル一覧表示画面上で、ユーザが所望のファイルをクリックすると(ステップS64)、指定されたファイルの読み出しが行なわれる(ステップS65)。このようなファイル読み出し操作は、ファイル一覧表示がクローズされるまで繰り返し行なわれる(ステップS66)。そして、書き込み予約を作成し(ステップS67)、本処理ルーチン全体を終了する。
図19〜図20で示したシステム・オペレーションでは、ディスク・チェンジャ101に新規のリムーバブル・ディスクを挿入することによって、システム100にファイルが書き込まれる。ところが、ディスク・チェンジャ101側でディスクの交換を無制限に繰り返していくと、ハード・ディスク装置103の容量をオーバーするという事態を招来する。このため、LRU論理などを利用し、現時点から最も古く抜き出されたリムーバブル・ディスクに関連する圧縮ファイルなどのデータをハード・ディスク装置103から削除するようにしている。図21に示した実施形態では、イジェクト・リスト及び消去リストディスク・チェンジャ101から排出したリムーバブル・ディスクを管理している。
図27には、ディスク・チェンジャ101からリムーバブル・ディスクを排出したときの動作手順をフローチャートの形式で示している。
リムーバブル・ディスクの排出が行なわれると(ステップS71)、これが通常のディスク・イジェクト入力であったかどうかを判別する(ステップS72)。そして、通常のディスク・イジェクト入力であれば、排出されたリムーバブル・ディスクのディスク番号をイジェクト・リストに追加し(ステップS73)、そうでなければそのディスク番号を消去リストに追加する(ステップS74)。
リムーバブル・ディスクの挿入やシステム・コントローラ102へのファイル伝送などにより、ディスク・システム100に対するファイル書き込みが行なわれたとき、この新規ファイルが既存のファイル形式であった場合には、既存フォルダ候補リストが作成され、候補リスト中のファルダに圧縮ファイルが作成される(前述、並びに図20、図26を参照のこと)。また、システム100に書き込まれたファイルの原版はフォルダに対応するリムーバブル・ディスクにバックアップとして保存される。
図28には、既存フォルダ候補リストを作成する手順を示している。
まず、ハード・ディスク装置103上でのファイルの類似性の順に候補リストを作成する(ステップS81)。次いで、ハード・ディスク装置103上でのファイルの占有率の高い順に候補リストを作成する(ステップS82)。
例えば、ハード・ディスク装置103上に「写真フォルダ1」及び「写真フォルダ2」という既存フォルダが存在しているとする。そして、写真フォルダ1には25枚のJPEG画像ファイルと、「伊豆旅行の思い出」というアプリケーション・ファイルが2つ格納され、写真フォルダ2には20麻衣のJPEG画像ファイルが格納されている。
フォルダの内容比で順位付けすると、写真フォルダ1ではJPEGファイルの占有率が25/27であるのに対し、写真フォルダ2では100%となる。したがって、例えばDSC101.JPGというファイルがキャッシュ領域に一時保存されている場合、その格納先フォルダとして写真フォルダ2が第1候補、写真フォルダ1が第2候補となる。
また、アプリケーション・ファイルとJPEGファイルで構成される「京都旅行」というフォルダが一時保存されている場合、構成上の類似性の高い写真フォルダ1が第1候補、写真フォルダ2が第2候補となる。
既存フォルダ候補リストからフォルダを指定するユーザ操作について、図29〜図31を参照しながら説明する。
図29には、既存フォルダを一覧表示した画面構成例を示している。図示の例では、主に写真画像ファイルで構成される写真1フォルダと、主に音楽ファイルで構成される音楽1フォルダなど、複数のフォルダが一覧表示されている。写真1フォルダ内には、「伊豆旅行」フォルダと、写真ファイルDSC101.JPGが格納されている。また、音楽1フォルダ内には、「アーティストA」フォルダと、「アーティストB」フォルダが格納されている。同図中、伊豆旅行やアーティストAなど、2重に表示されたフォルダは圧縮ファイルが作られているもので、2重になっていないものは圧縮ファイルが作られていない。
ここで、伊豆旅行のフォルダをマウス・カーソルなどで触れると、図30に示すように、既存フォルダ候補リストの順にフォルダを配列したウィンドウが表示される。そして、所望のフォルダをつまんでファイルを挿入すれば、操作が終了する。
また、フォルダ一覧画面上で、あるフォルダの名前をクリックすると、フォルダ内のすべてのフォルダが表示される。図31には、写真1フォルダのフォルダ名をクリックしたときに、写真1フォルダ内の構成が詳細に表示されている様子を示している。フォルダの中の階層が表示されるので、その中でドラッグ・アンド・ドロップ操作することで、ファイルを挿入する場所を指示することができる。この場合のフォルダ分類の詳細表示例を図32に示しておく。
非圧縮のデータに関しては、バックアップ先として、ディスク・チェンジャ101内のRW系のディスクに優先的に割り振るようにする。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の記載を参酌すべきである。
100…ディスク・システム
101…ディスク・チェンジャ
102…システム・コントローラ
103…ハード・ディスク装置
101…ディスク・チェンジャ
102…システム・コントローラ
103…ハード・ディスク装置
Claims (35)
- 複数のリムーバブル・ディスクを用いてファイルの保存及び再生を行なうディスク・システムであって、
複数のリムーバブル・ディスクを交換可能に挿入し、そのうちの一部をローディングしてファイルの書き込み及び読み出しを行なうディスク・チェンジャと、
ファイルの書き込み及び読み出しが可能なハード・ディスク装置と、
前記ディスク・チェンジャ及び前記ハード・ディスク装置に対するファイルの操作及びファイルに対するデータ処理を行なう制御部を備え、
前記制御部は、当該システムに書き込まれたファイルについての圧縮ファイルを管理する圧縮ファイル管理部と、当該システムに書き込まれた元のファイルを管理する原ファイル管理部と、当該システムに書き込まれたファイルに関する圧縮ファイル及び原ファイルの格納先となるアドレス情報を管理するアドレス情報管理部を備える、
ことを特徴とするディスク・システム。 - 前記制御部は、前記ハード・ディスク装置に、前記圧縮ファイル管理部が管理する圧縮ファイルを格納するデータ領域と、前記アドレス情報管理部が管理するアドレス情報を格納するアドレス情報領域と、当該システムに書き込まれたファイルを一時的に保存するキャッシュ領域を設ける、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - 前記圧縮ファイル管理部は、前記ディスク・チェンジャへの新規リムーバブル・ディスクの挿入又はその他の手段により当該システムに新規にファイルが書き込まれたことに応答して、その圧縮ファイルを生成し、前記ハード・ディスク装置に保存する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - 前記圧縮ファイル管理部は、生成した圧縮ファイルを保存する容量が不足する場合には、前記ハード・ディスク装置内の最も古い圧縮ファイルの順又はその他の手法により選ばれたファイルを消去して容量を確保する、
ことを特徴とする請求項3に記載のディスク・システム。 - 前記原ファイル管理部は、前記ディスク・チェンジャへの新規リムーバブル・ディスクの挿入以外の手段により当該システムに新規のファイルが書き込まれたことに応答して、当該新規ファイルを非圧縮のまま、前記ディスク・チェンジャに挿入されているリムーバブル・ディスク上に保存する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - ファイル及びフォルダを格納する階層化フォルダ構造を持つファイル・システムを備え、
前記アドレス情報管理部は、当該システムに書き込まれた各ファイルに関し、前記圧縮ファイル管理部により前記ハード・ディスク装置に保存された圧縮ファイルのアドレス情報と、前記原ファイル管理部により前記ディスク・チェンジャ上に保存された元のファイルのアドレス情報と、ファイルを置くフォルダの情報を対応付けて管理する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - 7
ファイル及びフォルダを格納する階層化フォルダ構造を持つファイル・システムを備え、
前記アドレス情報管理部は、前記ディスク・チェンジャに挿入されている各リムーバブル・ファイルに対応するフォルダを前記ハード・ディスク装置のデータ領域に形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - 前記圧縮ファイル管理部は、前記ディスク・チェンジャに挿入されたリムーバブル・ディスクに格納されたファイルを圧縮し、当該リムーバブル・ディスクと対応するフォルダ内に当該圧縮ファイルを保存する、
ことを特徴とする請求項7に記載のディスク・システム。 - 前記アドレス情報管理部は、新規のフォルダを作成する際に、前記ディスク・チェンジャ側に未使用のリムーバブル・ディスクが存在しない場合には、使用済みのリムーバブル・ディスクの中から、残容量がより大きく、又は既に格納されている個々のファイルのサイズが小さいものを選ぶ、
ことを特徴とする請求項7に記載のディスク・システム。 - 前記制御部は、当該システムに新規にファイルが書き込まれたときに、当該ファイルを解析して圧縮可能か否かを判別し、
前記圧縮ファイル管理部は、圧縮可能と判断されたときには当該ファイルを圧縮して前記ハード・ディスク装置に保存するが、圧縮不能と判断されたときには当該ファイルの一部を用いて生成された情報を前記ハード・ディスク装置に保存する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - 前記原ファイル管理部は、前記ディスク・チェンジャ内の各リムーバブル・ディスクに保存されているファイルの種類、ファイルの大きさ、フォルダ内のファイルの組み合わせに基づいて、当該システムに書き込まれたファイルの保存先となるリムーバブル・ディスクを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - ファイル及びフォルダを格納する階層化フォルダ構造を持つファイル・システムを備え、
前記アドレス情報管理部は、当該システムに書き込まれた各ファイルの保存先となるフォルダを自動識別し、又は当該ファイルの解析結果に基づいて決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - 前記制御部は、当該システムに保存されているファイルを読み出して再生処理を行なうデータ再生部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - 前記圧縮ファイル管理部は、前記ディスク・チェンジャ内のリムーバブル・ディスクに格納されている原ファイルについての圧縮ファイル又は原ファイルの一部を前記ハード・ディスク装置上に保存しており、
前記データ再生部は、再生が指示されたファイルに対応する圧縮ファイル又は当該ファイルの一部を前記ハード・ディスク装置から読み出して再生し、次いで前記ディスク・チェンジャから転送された該当ファイルを用いて再生する、
ことを特徴とする請求項13に記載のディスク・システム。 - 前記アドレス情報管理部は、原ファイルとその圧縮ファイルとの対応関係を管理し、
前記制御部は、再生可能な各ファイルにつき、圧縮ファイル及び原ファイルをそれぞれ表象するアイコンを多重表示してユーザに提示するファイル提示部をさらに備え、
前記データ再生部は、圧縮ファイル又は原ファイルのうちユーザからアイコン選択された一方を用いてファイルの再生処理を行なう、
ことを特徴とする請求項13に記載のディスク・システム。 - 前記アドレス情報管理部は、前記ディスク・チェンジャ内のリムーバブル・ディスクに格納されている原ファイルと、前記ハード・ディスク装置に保存されている圧縮ファイルとの対応関係を管理し、
前記制御部は、前記ディスク・チェンジャからリムーバブル・ディスクが取り出されたときに、当該リムーバブル・ディスクを消去リストに登録する消去リスト管理部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク・システム。 - 前記制御部は、前記ハード・ディスク装置内の容量が不足する場合には、前記消去リスト内で最も古いリムーバブル・ディスク又はその他の手法により選ばれたリムーバブル・ディスクに関する圧縮ファイルを消去して容量を確保する、
ことを特徴とする請求項16に記載のディスク・システム。 - 交換可能に挿入されている複数のリムーバブル・ディスクの一部をローディングしてファイルの書き込み及び読み出しを行なうディスク・チェンジャと、ファイルの書き込み及び読み出しが可能なハード・ディスク装置とを併用したディスク・システムを用いてファイルの保存及び再生を行なうディスク管理方法であって、
当該システムに書き込まれたファイルについての圧縮ファイルを管理する圧縮ファイル管理ステップと、
当該システムに書き込まれた元のファイルを管理する原ファイル管理ステップと、
当該システムに書き込まれたファイルに関する圧縮ファイル及び原ファイルの格納先となるアドレス情報を管理するアドレス情報管理ステップと、
を具備することを特徴とするディスク管理方法。 - 前記ハード・ディスク装置に、前記圧縮ファイル管理部が管理する圧縮ファイルを格納するデータ領域と、前記アドレス情報管理部が管理するアドレス情報を格納するアドレス情報領域と、当該システムに書き込まれたファイルを一時的に保存するキャッシュ領域を設ける、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 前記圧縮ファイル管理ステップでは、前記ディスク・チェンジャへの新規リムーバブル・ディスクの挿入又はその他の手段により当該システムに新規にファイルが書き込まれたことに応答して、その圧縮ファイルを生成し、前記ハード・ディスク装置に保存する、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 前記圧縮ファイル管理ステップでは、生成した圧縮ファイルを保存する容量が不足する場合には、前記ハード・ディスク装置内の最も古い圧縮ファイルの順又はその他の手法により選ばれたファイルを消去して容量を確保する、
ことを特徴とする請求項20に記載のディスク管理方法。 - 前記原ファイル管理ステップでは、前記ディスク・チェンジャへの新規リムーバブル・ディスクの挿入以外の手段により当該システムに新規のファイルが書き込まれたことに応答して、当該新規ファイルを非圧縮のまま、前記ディスク・チェンジャに挿入されているリムーバブル・ディスク上に保存する、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 前記アドレス情報管理ステップでは、ファイル及びフォルダを格納する階層化フォルダ構造を持つファイル・システムを適用し、当該システムに書き込まれた各ファイルに関し、前記圧縮ファイル管理ステップにおいて前記ハード・ディスク装置に保存された圧縮ファイルのアドレス情報と、前記原ファイル管理ステップにおいて前記ディスク・チェンジャ上に保存された元のファイルのアドレス情報と、ファイルを置くフォルダの情報を対応付けて管理する、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 前記アドレス情報管理ステップでは、ファイル及びフォルダを格納する階層化フォルダ構造を持つファイル・システムを適用し、前記ディスク・チェンジャに挿入されている各リムーバブル・ファイルに対応するフォルダを前記ハード・ディスク装置のデータ領域に形成する、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 前記圧縮ファイル管理ステップでは、前記ディスク・チェンジャに挿入されたリムーバブル・ディスクに格納されたファイルを圧縮し、当該リムーバブル・ディスクと対応するフォルダに当該圧縮ファイルを保存する、
ことを特徴とする請求項24に記載のディスク管理方法。 - 前記アドレス情報管理ステップでは、新規のフォルダを作成する際に、前記ディスク・チェンジャ側に未使用のリムーバブル・ディスクが存在しない場合には、使用済みのリムーバブル・ディスクの中から、残容量がより大きく、又は既に格納されている個々のファイルのサイズが小さいものを選ぶ、
ことを特徴とする請求項24に記載のディスク管理方法。 - 当該システムに新規にファイルが書き込まれたときに、当該ファイルを解析して圧縮可能か否かを判別するファイル解析ステップをさらに備え、
前記圧縮ファイル管理ステップでは、圧縮可能と判断されたときには当該ファイルを圧縮して前記ハード・ディスク装置に保存するが、圧縮不能と判断されたときには当該ファイルの一部を用いて生成された情報を前記ハード・ディスク装置に保存する、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 前記原ファイル管理ステップでは、前記ディスク・チェンジャ内の各リムーバブル・ディスクに保存されているファイルの種類、ファイルの大きさ、フォルダ内のファイルの組み合わせに基づいて、当該システムに書き込まれたファイルの保存先となるリムーバブル・ディスクを決定する、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 前記アドレス情報管理ステップでは、ファイル及びフォルダを格納する階層化フォルダ構造を持つファイル・システムを適用し、当該システムに書き込まれた各ファイルの保存先となるフォルダを自動識別し、又は当該ファイルの解析結果に基づいて決定する、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 当該システムに保存されているファイルを読み出して再生処理を行なうデータ再生ステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 前記圧縮ファイル管理ステップでは、前記ディスク・チェンジャ内のリムーバブル・ディスクに格納されている原ファイルについての圧縮ファイル又は原ファイルの一部を前記ハード・ディスク装置上に保存しており、
前記データ再生ステップでは、再生が指示されたファイルに対応する圧縮ファイル又は当該ファイルの一部を前記ハード・ディスク装置から読み出して再生し、次いで前記ディスク・チェンジャから転送された該当ファイルを用いて再生する、
ことを特徴とする請求項30に記載のディスク管理方法。 - 前記アドレス情報管理ステップでは、原ファイルとその圧縮ファイルとの対応関係を管理し、
再生可能な各ファイルにつき、圧縮ファイル及び原ファイルをそれぞれ表象するアイコンを多重表示してユーザに提示するファイル提示ステップをさらに備え、
前記データ再生ステップは、圧縮ファイル又は原ファイルのうちユーザからアイコン選択された一方を用いてファイルの再生処理を行なう、
ことを特徴とする請求項30に記載のディスク管理方法。 - 前記アドレス情報管理ステップでは、前記ディスク・チェンジャ内のリムーバブル・ディスクに格納されている原ファイルと、前記ハード・ディスク装置に保存されている圧縮ファイルとの対応関係を管理し、
前記ディスク・チェンジャからリムーバブル・ディスクが取り出されたときに、当該リムーバブル・ディスクを消去リストに登録する消去リスト管理ステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項18に記載のディスク管理方法。 - 前記ハード・ディスク装置内の容量が不足する場合には、前記消去リスト内で最も古いリムーバブル・ディスク又はその他の手法により選ばれたリムーバブル・ディスクに関する圧縮ファイルを消去して容量を確保するステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項33に記載のディスク管理方法。 - 交換可能に挿入されている複数のリムーバブル・ディスクの一部をローディングしてファイルの書き込み及び読み出しを行なうディスク・チェンジャと、ファイルの書き込み及び読み出しが可能なハード・ディスク装置とを併用したディスク・システムを用いてファイルの保存及び再生を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
当該システムに書き込まれたファイルについての圧縮ファイルを管理する圧縮ファイル管理ステップと、
当該システムに書き込まれた元のファイルを管理する原ファイル管理ステップと、
当該システムに書き込まれたファイルに関する圧縮ファイル及び原ファイルの格納先となるアドレス情報を管理するアドレス情報管理ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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