本発明の第1実施形態の紙幣処理機を図1〜図7を参照して以下に説明する。
第1実施形態の紙幣処理機11は、バラ紙幣の入金、収納、回収および出金等の紙幣に関する各処理を行うことが可能とされ、銀行等における出納機の一部として他の図示略の硬貨処理機等と組み合わせて用いられるものである。
図1に示すように、第1実施形態の紙幣処理機11は、その外側部分を構成する機体12が略直方体形状をなしており、機体12の左側面12Lの上部にはバラ紙幣が投入される入金口13が設けられ、機体上面12Uの左側面12Lおよび右側面12Rを結ぶ幅方向における中間部には機体12内からリジェクト紙幣が繰出されるリジェクト口14が設けられ、機体上面12Uの右側面12R側には機体12内から出金紙幣が繰り出される出金口15が設けられている。これら入金口13、リジェクト口14および出金口15は、いずれも機体前後方向の位置を合わせており、機体前後方向の略中央位置に設けられている。
入金口13には、入金口13に投入されたバラ紙幣を一枚ずつ分離して機体12内に繰り出す紙幣繰出部17が設けられており、この紙幣繰出部17には紙幣繰出部17から繰り出された紙幣を搬送する入金搬送部18が接続されている。なお、バラ紙幣は、長手方向を機体12の前後方向に沿わせた姿勢で積層状態で入金口13に投入されるとともに、常にこの姿勢を維持した状態で機体12内で移動し、この姿勢でリジェクト口14および出金口15へ繰り出される。
この入金搬送部18は、紙幣繰出部17から略水平に沿って右側面12R側に延出する右方延出部20とこの右方延出部20の末端から下方に延出する下方延出部21とこの下方延出部21の末端から左側面12L側に延出する左方延出部22とを有する搬送路23を具備しており、この搬送路23の右方延出部20には、紙幣の金種、真偽、正損および搬送異常の識別と計数とを行う識別部24が設けられている。
また、入金搬送部18は、搬送路23の右方延出部20における識別部24よりも右方(下流)側から分岐し上方に延出してリジェクト口14に接続されるリジェクト搬送路26を有しており、このリジェクト搬送路26は、識別部24で真紙幣かつ正紙幣で正常搬送と判別された入金可能紙幣以外のリジェクト紙幣をリジェクト口14に搬送する。
さらに、入金搬送部18は、搬送路23の下方延出部21における上部中間位置から分岐して左側面12L側に延出する分岐搬送路28と、この分岐搬送路28の途中位置から分岐して下方に延出する分岐搬送路29と、下方延出部21における下部中間位置から分岐して左側面12L側に延出する分岐搬送路30と、この分岐搬送路30の途中位置から分岐して下方に延出する分岐搬送路31と、搬送路23の左方延出部22の途中位置から分岐して下方に延出する分岐搬送路32とを有している。この入金搬送部18は全体にわたって、入金口13と機体前後方向の位置を合わせている。
そして、入金搬送部18のリジェクト搬送路26を除く各末端位置つまり、分岐搬送路28〜32の各末端位置および搬送路23の末端位置には、識別部24により真紙幣かつ正紙幣で正常搬送と識別された入金可能紙幣を金種別に分けて一時貯留させる複数具体的には六つの一時貯留部35a〜35fが接続されている。
つまり、搬送路23の下方延出部21における上部中間位置から分岐する分岐搬送路28の末端には一時貯留部35aが接続されており、この分岐搬送路28の途中から分岐する分岐搬送路29の末端には一時貯留部35aの機体右側面12R側において一時貯留部35bが接続されている。これら一時貯留部35a,35bは、互いに上下方向の位置を合わせるとともに、図2(a),(b)に示すように、機体前面12Fと機体後面12Bとを結ぶ機体前後方向の位置を互いに合わせている。
また、図1に示すように、これら一時貯留部35a,35bの下側において、搬送路23の下方延出部21における下部中間位置から分岐する分岐搬送路30の末端には一時貯留部35cが接続されており、この分岐搬送路30の途中から分岐する分岐搬送路31の末端には一時貯留部35cの機体右側面12R側において一時貯留部35dが接続されている。これら一時貯留部35c,35dは、互いに上下方向の位置を合わせるとともに、図2(a),(b)に示すように機体前後方向の位置を互いに合わせている。
さらに、図1に示すように、これら一時貯留部35c,35dの下側において、搬送路23の末端には一時貯留部35eが接続されており、この搬送路23の途中から分岐する分岐搬送路32の末端には一時貯留部35eの機体右側面12R側において一時貯留部35fが接続されている。これら一時貯留部35e,35fは、互いに上下方向の位置を合わせるとともに、図2(a),(b)に示すように互いに機体前後方向の位置を合わせている。ここで、最下段のこれら一時貯留部35e,35fは、機体前後方向の略中央位置である基本位置に位置固定で設けられている。
ここで、一時貯留部35a〜35fのうち、機体左側面12L側の一時貯留部35a,35c,35eは機体左右方向における位置を互いに合わせており、機体右側面12R側の一時貯留部35b,35d,35fも互いに機体左右方向における位置を合わせている。
以上により、機体左側面12L側の一時貯留部35a,35c,35eは、上下に複数段設けられるように配置されており、機体右側面12R側の一時貯留部35b,35d,35fも、上下に複数段設けられるように配置されている。なお、一時貯留部35a〜35fは、いずれも紙幣を上側から受け入れ上下方向に集積させた状態で一時貯留させることになり、このように一時貯留させた紙幣を下方に落下させる。
最上段の両一時貯留部35a,35bは、搬送路23における下方延出部21のこれら一時貯留部35a,35bと高さが合う部分構成部21aと、一時貯留部35a,35bに接続される分岐搬送路28,29とともに一体のユニット37とされている。このユニット37は図示略のガイドレールによって機体前後方向に水平移動可能に設けられており、このガイドレールを含む図3に示すスライド機構部(一時貯留部水平移動手段)38で駆動されて水平移動する。具体的に、このユニット37は、図2に示すように、機体前後方向の略中央位置にあって一時貯留部35aを最下段の一時貯留部35eに平面視において重ね合わせ、かつ一時貯留部35bを最下段の一時貯留部35fに平面視において重ね合わせる状態となる基本位置と、図4に示すように、機体前後方向一側の前面12F側にあって一時貯留部35a,35bを最下段の一時貯留部35e,35fに平面視で重ね合わせない状態となる前端位置との間で往復移動する。なお、ユニット37は、基本位置にあるときに、部分構成部21aを搬送路23の他の部分と紙幣の受け渡しが可能に接続させるようになっている。
最上段の両一時貯留部35a,35bを含むユニット37は、上記した前端位置にあるとき、さらに図示略のガイドレールによって上下に昇降移動可能に設けられており、このガイドレールを含む図3に示すエレベータ機構部(鉛直移動手段)39で駆動されてガイドレールに沿って昇降する。つまり、このユニット37の一時貯留部35a,35bは、水平移動し、さらに鉛直方向に移動可能となっている。ここで、ユニット37は、図4に示すように、上記した基本位置にあるときと同高さの上限位置と、図5に示すように、一時貯留部35a,35bを最下段の一時貯留部35e,35fと同高さとする下限位置との間で昇降する。
図1に示すように、中段の両一時貯留部35c,35dも、搬送路23における下方延出部21のこれら一時貯留部35c,35dと高さが合う部分構成部21bと、一時貯留部35c,35dに接続される分岐搬送路30,31とともに一体のユニット41とされている。このユニット41は図示略のガイドレールによって機体前後方向に水平移動可能に設けられており、このガイドレールを含む図3に示すスライド機構部(一時貯留部水平移動手段)42で駆動されて水平移動する。具体的に、このユニット41は、図2に示すように、機体前後方向の略中央位置にあって一時貯留部35cを最下段の一時貯留部35eに平面視において重ね合わせ、かつ一時貯留部35dを最下段の一時貯留部35fに平面視において重ね合わせる状態となる基本位置と、図4に示すように、機体前後方向逆側の後面12B側にあって一時貯留部35c,35dを最下段の一時貯留部35e,35fに平面視で重ね合わせない状態となる後端位置との間で往復移動する。なお、ユニット41は、基本位置にあるときに、部分構成部21bを搬送路23の他の部分と紙幣の受け渡しが可能に接続させるようになっている。
中段の両一時貯留部35c,35dを含むユニット41も、上記した後端位置にあるとき、図示略のガイドレールによって上下に昇降移動可能に設けられており、このガイドレールを含む図3に示すエレベータ機構部(鉛直移動手段)43で駆動されてガイドレールに沿って昇降する。つまり、このユニット41の一時貯留部35c,35dは、水平移動し、さらに鉛直方向に移動可能となっている。ここで、ユニット41は、図4に示すように、上記した基本位置にあるときと同高さの上限位置と、図5に示すように、一時貯留部35c,35dを最下段の一時貯留部35e,35fと同高さとする下限位置との間で昇降する。
以上により、スライド機構部38,42が、複数段の一時貯留部35a,35c,35eが平面視で重なる状態から平面視で重ならない状態まで、最下段の一時貯留部35eを除くその他の段の一時貯留部35a,35cを水平移動させるとともに、複数段の一時貯留部35b,35d,35fが平面視で重なる状態から平面視で重ならない状態まで、最下段の一時貯留部35fを除くその他の段の一時貯留部35b,35dを水平移動させる。また、エレベータ機構部39が、水平移動する一時貯留部35a,35bをさらに鉛直方向に移動させることになり、エレベータ機構部43が、水平移動する一時貯留部35c,35dをさらに鉛直方向に移動させることになる。さらに、ユニット37,41が、基本位置にあるとき、一側で複数段をなす一時貯留部35a,35c,35eがすべて平面視で重なるように上下に一列状に配置され、他側で複数段をなす一時貯留部35b,35d,35fがすべて平面視で重なるように上下に一列状に配置されている。なお、ユニット37,41が、基本位置にあるとき、入金搬送部18は全体にわたって機体前後方向における位置を合わせており、機体前後方向の所定幅(最も長手方向長さが長い紙幣の長さにほぼ等しい長さ)の範囲内に設けられている。
そして、すべて平面視で重ならない状態とされた各一時貯留部35a〜35fの下方に、一時貯留部35a〜35fに一時貯留された紙幣を入金確定操作後に金種別に収納する収納部45a〜45fが、一対一で配置可能に設けられている。ここで、収納部45a〜45fは、一時貯留部35a〜35fと同様に右側面12R側と左側面12L側の二列に配置されており、右側面12R側一列の収納部45b,45d,45fは、右側面12R側の一時貯留部35b,35d,35fと機体左右方向の位置が合い、左側面12L側一列の収納部45a,45c,45eも、左側面12L側の一時貯留部35a,35c,35eと機体左右方向の位置が合っている。
右側面12R側一列の収納部45b,45d,45fは、図示略のガイドレールによって一体的に機体前後方向つまり一時貯留部35b,35d,35fと同方向に水平移動可能に設けられており、このガイドレールを含む図3に示すスライド機構部(収納部水平移動手段)47で駆動されて水平移動することになり、左側面12L側一列の収納部45a,45c,45eも、図示略のガイドレールによって一体的に機体前後方向つまり一時貯留部35a,35c,35eと同方向に水平移動可能に設けられており、このガイドレールを含む図3に示すスライド機構部(収納部水平移動手段)48で駆動されて水平移動することになる。
ここで、収納部45a〜45fの全体が機体前後方向の略中央位置である基本位置に位置するとき、図4に示すように、位置固定の最下段の機体右側面12R側の一時貯留部35fの鉛直下方に収納部45fが、最下段の機体左側面12L側の一時貯留部35eの鉛直下方に収納部45eが、後端位置にある機体右側面12R側の一時貯留部35dの鉛直下方に収納部45dが、後端位置にある機体左側面12L側の一時貯留部35cの鉛直下方に収納部45cが、前端位置にある機体右側面12R側の一時貯留部35bの鉛直下方に収納部45bが、前端位置にある機体左側面12L側の一時貯留部35aの鉛直下方に収納部45aが、それぞれ設けられている。つまり、収納部45a〜45fが、機体前後方向に3列、機体左右方向に2列に配列されて設けられている。
すべての収納部45a〜45fは、機体12内に収納された状態で、下端部の高さ位置が同じとされており、上端部の高さ位置も同じとされている。つまり、高さが同じとされている。
ここで、右側面12R側一列の収納部45b,45d,45fおよび左側面12L側一列の収納部45a,45c,45eは、いずれも、図6に示すように、全体として機体前面12F側にあって機体後面12B側の収納部45c,45dを機体前後方向の略中央位置である出金位置に位置させる前端位置から、図2に示すように、機体前後方向中央の収納部45e,45fを機体前後方向の略中央位置である出金位置に位置させる基本位置を経て、図7に示すように、全体として機体後面12B側にあって機体前面12F側の収納部45a,45bを機体前後方向の略中央位置である出金位置に位置させる後端位置までの間で、往復移動する。収納部45a〜45fは出金位置にあるとき機体前後方向の同じ位置に配置される。
なお、各収納部45a〜45fは、一時貯留部35a〜35fのうち真上にあるものから紙幣を受け入れて上下方向に集積させた状態で収納することになり、すべての収納部45a〜45fの下部それぞれには、このように収納した紙幣を一枚ずつ繰出可能な出金部51が設けられている。
そして、収納部45a〜45fの下側には、機体前後方向の略中央位置に位置して出金搬送部52が設けられている。この出金搬送部52は、収納部45a〜45fのうち、機体前後方向の略中央位置である出金位置に位置するもの、つまり最下段の一時貯留部35e,35fの鉛直下方に位置するものの出金部51に対し位置があって紙幣を受け渡し可能に接続される。
出金搬送部52は、図1に示すように、左側面12L側の収納部45a,45c,45eのうち、出金位置に位置するものから出金された紙幣を搬送する搬送路53を有しており、この搬送路53は、機体右側面12R側に向けて水平に延出する右方延出部54とこの右方延出部54の末端から上方に延出して出金口15に接続される上方延出部55とを有している。出金搬送部52は、右側面12R側の収納部45b,45d,45fのうち、出金位置に位置するものから出金された紙幣を搬送する合流搬送路56を有しており、この合流搬送路56は搬送路53の右方延出部54に合流している。搬送路53の上方延出部55には、出金紙幣の判別を行う出金判別部57が設けられている。
また、出金搬送部52は、搬送路53の上方延出部55における出金判別部57よりも上方(下流)側から分岐し機体右側面12R側に延出してリジェクトボックス60に接続されるリジェクト搬送路61を有しており、このリジェクト搬送路61は、出金判別部57で二重送り等の出金不可と判別された出金不可紙幣をリジェクトボックス60に搬送する。
なお、出金搬送部52は全体にわたって、ユニット37,41が基本位置にあるときの入金搬送部18、一時貯留部35a,35bおよび一時貯留部35c,35dと、位置固定の一時貯留部35e,35fと、収納部45a〜45fのうちの出金位置にあるものとに、機体前後方向における位置を合わせており、機体前後方向の所定幅(最も長手方向長さが長い紙幣の長さにほぼ等しい長さ)の範囲内に設けられている。
最上段の一時貯留部35a,35bを含むユニット37を水平移動させるスライド機構部38と、このユニット37の前端位置および基本位置をそれぞれ検出するセンサ64と、このユニット37を昇降させるエレベータ機構部39と、このユニット37の上限位置および下限位置をそれぞれ検出するセンサ65と、中段の一時貯留部35c,35dを含むユニット41を水平移動させるスライド機構部42と、このユニット41の基本位置および後端位置をそれぞれ検出するセンサ66と、このユニット41を昇降させるエレベータ機構部43と、このユニット41の上限位置および下限位置をそれぞれ検出するセンサ67と、収納部45a,45c,45eの全体を水平移動させるスライド機構部48と、これら収納部45a,45c,45eの前端位置、基本位置および後端位置をそれぞれ検出するセンサ68と、収納部45b,45d,45fの全体を水平移動させるスライド機構部47と、これら収納部45b,45d,45fの前端位置、基本位置および後端位置をそれぞれ検出するセンサ69とが、図3に示すように、制御部70に接続されている。この制御部70には、各処理の操作がオペレータにより入力される操作部71、処理のガイドメニュー、処理状態および処理結果等を表示する表示部72、上記した紙幣繰出部17、入金搬送部18、識別部24、一時貯留部35a〜35f、収納部45a〜45f、出金搬送部52および出金判別部57が接続されている。
以上に述べた第1実施形態の紙幣処理機11は、処理を行わない待機状態においては、図2に示すように、最上段の一時貯留部35a,35bを含むユニット37および中段の一時貯留部35c,35dを含むユニット41が基本位置にあって、収納部45a〜45fが収納部45e,45fを出金位置に位置させる基本位置にあり、この待機状態から、入金口13にバラ紙幣が積層状態で投入され、操作部71に入金開始の操作入力がなされると、制御部70は、紙幣繰出部17で紙幣を一枚ずつに分離させて入金搬送部18に繰り出させ、入金搬送部18で搬送させる。その途中、識別部24で紙幣を識別させ、入金可能紙幣以外のリジェクト紙幣をリジェクト搬送路26を介してリジェクト口14に排出させる一方、入金可能紙幣を識別部24の識別結果に基づいて一時貯留部35a〜35fのうちの対応する金種のものに一時貯留させる。このようにして、紙幣が金種別に分類された状態で一時貯留部35a〜35fに一時貯留される。そして、入金口13の紙幣がすべてリジェクト口14あるいは一時貯留部35a〜35fに至ると、制御部70は、入金された紙幣の金種別の計数結果等を識別部24の識別結果に基づいて表示部72に表示させる。
この表示を見てオペレータが操作部71に入金承認の操作を入力すると、制御部70は、図4に示すように、最上段の一時貯留部35a,35bを含むユニット37をスライド機構部38によって前端位置に水平移動させた後、図5に示すように、エレベータ機構部39によって下端位置に下降させる。これと並行して、中段の一時貯留部35c,35dを含むユニット41をスライド機構部42によって後端位置に水平移動させた後、エレベータ機構部43によって下端位置に下降させる。
そして、すべての一時貯留部35a〜35fから金種別に分類したまま、基本位置にある収納部45a〜45fに紙幣を収納させる。つまり、一時貯留部35aの紙幣を収納部45aに、一時貯留部35bの紙幣を収納部45bに、一時貯留部35cの紙幣を収納部45cに、一時貯留部35dの紙幣を収納部45dに、一時貯留部35eの紙幣を収納部45eに、一時貯留部35fの紙幣を収納部45fに、それぞれ収納させる。この収納が完了すると、最上段の一時貯留部35a,35bを含むユニット37および中段の一時貯留部35c,35dを含むユニット41を、それぞれ、上限位置まで上昇させた後に、基本位置まで水平移動させて、待機状態に戻し、入金処理を終了する。
なお、一時貯留部35a,35bを含むユニット37および一時貯留部35c,35dを含むユニット41は、機体前方または側方に引き出し可能に設けられており、また、位置固定の一時貯留部35e,35fも引出ユニット74に組み込まれて一体に機体前方または側方に引き出し可能に設けられている。そして、オペレータが操作部71に上記入金承認の操作ではなく入金キャンセルの操作を入力すると、ユニット37,41および引出ユニット74のうち紙幣を一時貯留させたものが機体12に対するロックが解除されることで機体12から引き出し可能となり、その結果、一時貯留部35a〜35fの紙幣が取り出し可能となる。
他方、待機状態から、操作部71に出金操作入力がなされると、制御部70は、対応する金種の紙幣を収納部45a〜45fの対応するものから繰り出させる。このとき、図2に示すように、左側面12L側一列の収納部45a,45c,45eおよび右側面12R側一列の収納部45b,45d,45fがいずれも基本位置にあることから、この状態で出金位置にある出金搬送部52に接続される機体前後方向中央の収納部45e,45fからそれぞれの出金部51によって、必要枚数の紙幣を出金搬送部52に繰り出させ、出金搬送部52で搬送させる。その途中、出金判別部57で紙幣を判別し、二重送り等の出金不可紙幣をリジェクト搬送路61を介してリジェクトボックス60に収納させる一方、出金可能紙幣を出金口15に繰り出させる。
そして、機体前後方向中央の収納部45eから繰り出された必要枚数の紙幣が出金判別部57で確認されると、制御部70は、図6(a)に示すように、左側面12L側一列の収納部45a,45c,45eをスライド機構部48によって例えば前端位置に水平移動させることになり、この状態で出金位置にあって出金搬送部52に接続される機体前後方向後側の収納部45cから、上記と同様に、必要枚数の紙幣を出金搬送部52で出金口15に繰り出させる。
続いて、機体前後方向後側の収納部45cから繰り出された必要枚数の紙幣が出金判別部57で確認されると、制御部70は、図7(a)に示すように、左側面12L側一列の収納部45a,45c,45eをスライド機構部48によって後端位置に水平移動させることになり、この状態で出金位置にあって出金搬送部52に接続される機体前後方向前側の収納部45aから、上記と同様に、必要枚数の紙幣を出金搬送部52で出金口15に繰り出させる。
そして、機体前後方向前側の収納部45aから繰り出された必要枚数の紙幣が出金判別部57で確認されると、制御部70は、出金処理が完了したと判定して、図2(a)に示すように、収納部45a,45c,45eを基本位置に戻す。
他方、機体前後方向中央の収納部45fから繰り出された必要枚数の紙幣が出金判別部57で確認されると、制御部70は、図6(b)に示すように、右側面12R側一列の収納部45b,45d,45fをスライド機構部47によって例えば前端位置に水平移動させることになり、この状態で出金位置にあって出金搬送部52に接続される機体前後方向後側の収納部45dから、上記と同様に、必要枚数の紙幣を出金搬送部52で出金口15に繰り出させる。
続いて、機体前後方向後側の収納部45dから繰り出された必要枚数の紙幣が出金判別部57で確認されると、制御部70は、図7(b)に示すように、右側面12R側一列の収納部45b,45d,45fをスライド機構部47によって後端位置に水平移動させ、この状態で出金位置にあって出金搬送部52に接続される機体前後方向前側の収納部45bから、上記と同様に、必要枚数の紙幣を出金搬送部52で出金口15に繰り出させる。
そして、機体前後方向前側の収納部45bから繰り出された必要枚数の紙幣が出金判別部57で確認されると、制御部70は、出金処理が完了したと判定して、図2(b)に示すように、収納部45b,45d,45fを基本位置に戻す。
ここで、上記のように、左側面12L側一列の収納部45a,45c,45eおよび右側面12R側一列の収納部45b,45d,45fは、それぞれ単独で水平移動可能となっており、収納部45a,45c,45eについては、収納部45e、収納部45c、収納部45aの順に、収納部45b,45d,45fについては、収納部45f、収納部45d、収納部45bの順に、出金させることになるが、これら収納部のうち出金させる紙幣がないものについては出金位置に移動させずに次の収納部を出金位置に位置させることになる。
ここで、上記した収納部45a,45c,45eはスライド機構部48に、収納部45b,45d,45fはスライド機構部47に、それぞれ着脱不可となるように固定されている。
なお、収納部45a〜45fを各々が機体12から着脱可能なカセット式のものとしても良く、その場合、左右の列毎に機体前後方向に水平移動可能なベース部を設け、これらベース部に収納部45a〜45fをそれぞれ振り分けて着脱可能に設けることになる。
また、すべての収納部45a〜45fを一体的に水平移動させるようにしても良い。この場合、二つあったスライド機構部47,48が一つで済むことになり、コストを低減できる。この場合も、収納部45a〜45fを各々が機体12から着脱可能なカセット式のものにできる。つまり、機体前後方向に水平移動可能な一つのベース部を設け、このベース部にすべての収納部45a〜45fを着脱可能に設けるのである。
ここで、収納部45a〜45fが機体12に対し固定および着脱可能のいずれであっても、収納部45a〜45fおよび一時貯留部35a〜35fは上記と同様のベース部によって機体12から機体前方または側方に引き出し可能とされることになり、ジャム処理が行えるようになっている。この場合、図示略の操作キーの操作等によって機体12に対するベース部のロックを解除することでベース部の引き出しが可能となる。
上記した一時貯留部35a〜35fおよび収納部45a〜45fは、金種毎の収納量によって任意に金種を設定することが可能となっている。例えば、収納部45eを千円券用、収納部45fを万円券用、収納部45cを千円券用、収納部45dを万円券用、収納部45aを二千円券用、収納部45bを五千円券用とする。これに対応して、一時貯留部35eを千円券用、一時貯留部35fを万円券用、一時貯留部35cを千円券用、一時貯留部35dを万円券用、一時貯留部35aを二千円券用、一時貯留部35bを五千円券用とする。このように、流通量の多い千円券用に二つの収納部45e,45cを割り当て、同じく流通量の多い万円券用に二つの収納部45f,45dを割り当て、流通量の少ない二千円券用に一つの収納部45aを割り当て、同じく流通量の少ない五千円券用に一つの収納部45bを割り当てることで、収納効率を向上させることができる。
しかも、いずれも基本位置において出金搬送部52に接続されていて即座に出金が可能な収納部45eおよび収納部45fに、流通量の多い千円券および万円券を収納させることで、出金に要する時間を短縮できるようになっている。
加えて、いずれも基本位置において位置固定の一時貯留部35eおよび一時貯留部35fの下方にあって即座に一時貯留紙幣の受け取りが可能な収納部45eおよび収納部45fに、流通量の多い千円券および万円券を収納させ、これに対応して千円券および万円券を最下段の位置固定の一時貯留部35eおよび一時貯留部35fに一時貯留させることで、一時貯留部35eおよび一時貯留部35fを移動させることなく紙幣が収納可能となり、収納に要する時間を短縮できるようになっている。
さらに、残りの収納部45a〜45dについては、出金に要する時間は同じであるものの、収納時の下降距離が短く移動時間が短い一時貯留部35cおよび一時貯留部35dからの紙幣を収納する収納部45cおよび収納部45dに、流通量の多い千円券および万円券を収納させることになるため、収納時の移動に要する時間を極力短縮し、収納に要する時間を短縮するようになっている。そして、収納に要する時間が最も長い一時貯留部35aおよび一時貯留部35bからの紙幣を収納する収納部45aおよび収納部45bに、流通量の少ない二千円券および五千円券を収納させることになる。
ここで、収納部45a〜45fのうち機体前後方向の位置が合うもの同士で金種を入れ替えても同様である。つまり、収納部45eを万円券用、収納部45fを千円券用としても良く、収納部45cを万円券用、収納部45dを千円券用としても良く、収納部45aを五千円券用、収納部45bを二千円券用としても良い。
また、例えば、上記において最も流通量の少ない二千円券用とした収納部45a(または収納部45b)からの出金を禁止しこれを収納専用として、入金口13に投入され識別部24で真券かつ損券と判定された紙幣をこの収納部45a(または収納部45b)に収納させることも可能である。
さらに、万円券が特に多い場合、上記では千円券用とした例えば収納部45c(または収納部45d)に千円券と万円券を混合で収納させることも可能であり、この場合、この収納部45c(または収納部45d)からの出金は禁止する。この場合も、二千円券用とした収納部45a(または収納部45b)から出金を禁止しこれを収納専用として、損券をこの収納部45a(または収納部45b)に収納させることも可能である。
以上に述べた第1実施形態の紙幣処理機11によれば、一時貯留部35a,35c,35eが上下に複数段設けられており、スライド機構部38,42が、これら複数段の一時貯留部35a,35c,35eが平面視で重なる状態から平面視で重ならない状態まで、最下段の一時貯留部35eを除くその他の段の一時貯留部35a,35cを水平移動させることになり、同様に一時貯留部35b,35d,35fが上下に複数段設けられており、スライド機構部38,42が、これら複数段の一時貯留部35b,35d,35fが平面視で重なる状態から平面視で重ならない状態まで、最下段の一時貯留部35fを除くその他の段の一時貯留部35b,35dを水平移動させることになり、複数段の一時貯留部35a,35c,35eが平面視で重なる状態かつ複数段の一時貯留部35b,35d,35fが平面視で重なる状態で紙幣を受け入れるため、入金搬送部18を複雑にすることなく紙幣を複数の一時貯留部35a〜35fに受け入れることができる。そして、このようにして紙幣を受け入れた一時貯留部35a〜35fの所定のものを水平移動させて平面視で重ならない状態として、各一時貯留部35a〜35fの下方に一対一で設けられた収納部45a〜45fに紙幣を収納させるため、収納部45a〜45fの水平方向における配置の自由度が高くなる。よって、上記したように、入金搬送部18の紙幣搬送方向に沿う水平方向に対し直交する水平方向に収納部45a,45c,45eを分けて配置することができ、同方向に収納部45b,45d,45fを分けて配置することができるため、全体としてコンパクトになるように収納部45a〜45fを配置できる。したがって、入金搬送部18を複雑にすることなく全体をコンパクトに構成することができる。
また、水平移動する一時貯留部35a〜35dをエレベータ機構部39,43で鉛直方向に移動させるため、すべての収納部45a〜45fの高さを同じとしても、すべての一時貯留部35a〜35fから対応する収納部45a〜45fへの紙幣の円滑な受け渡しが可能となる。
加えて、すべての収納部45a〜45fの下部それぞれに内部の紙幣を一枚ずつ繰出可能な出金部51が設けられており、すべての収納部45a〜45fがスライド機構部47,48によって水平移動可能に設けられているため、収納部45a〜45fのうち、最下段の一時貯留部35e,35fの下方に位置するものの出金部51に対し位置があって接続される出金搬送部52に対して、収納部45a〜45fを水平移動させれば、すべての収納部45a〜45fを接続可能となる。したがって、出金搬送路52を複雑にすることなく、すべての収納部45a〜45fからの出金が可能となる。
さらに、スライド機構部47,48が収納部45a〜45fを一時貯留部35a〜35dと同方向に水平移動させるため、一時貯留部35a〜35dの移動範囲と収納部45a〜45fの移動範囲とを重ねることができ、さらなるコンパクト化が図れる。
加えて、上下に複数段状に配置されるすべての一時貯留部35a,35c,35eが平面視で重なるように上下に一列状に配置可能であり、上下に複数段状に配置されるすべての一時貯留部35b,35d,35fが平面視で重なるように上下に一列状に配置可能であるため、一時貯留部35a〜35fは平面視で重なる状態で紙幣を受け入れることができ、入金搬送部18を複雑にすることなく紙幣を複数の一時貯留部35a〜35fに受け入れることができる。したがって、確実に入金搬送部18を簡素化することができる。
さらに、流通量の多い金種の万円券および千円券を、水平移動しない最下段の一時貯留部35e,35fに一時貯留させることで、処理全体における一時貯留部35a〜35dの水平移動のための時間を短くでき、処理効率を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態の紙幣処理機を図8〜図12を参照して、第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第2実施形態においては、一時貯留部35a〜35dが水平移動のみ可能となっており、昇降移動しない点が第1実施形態と主に相違している。
つまり、最上段の両一時貯留部35a,35bを含むユニット37は、具体的に、図8に示すように、一時貯留部35aを最下段の一時貯留部35eに平面視において重ね合わせ、かつ一時貯留部35bを最下段の一時貯留部35fに平面視において重ね合わせる状態となる基本位置と、図9に示すように、一時貯留部35a,35bを最下段の一時貯留部35e,35fに平面視で重ね合わせない状態となる前端位置との間で、図10に示すスライド機構部(一時貯留部水平移動手段)38で駆動されて水平に往復移動する。他方、ユニット37を昇降させるエレベータ機構部および昇降位置を検出するセンサは設けられていない。
中段の両一時貯留部35c,35dを含むユニット41も、図8に示すように、一時貯留部35cを最下段の一時貯留部35eに平面視において重ね合わせ、かつ一時貯留部35dを最下段の一時貯留部35fに平面視において重ね合わせる状態となる基本位置と、図9に示すように、一時貯留部35c,35dを最下段の一時貯留部35e,35fに平面視で重ね合わせない状態となる後端位置との間で、図10に示すスライド機構部(一時貯留部水平移動手段)42で駆動されて水平に往復移動する。他方、ユニット41を昇降させるエレベータ機構部および昇降位置を検出するセンサも設けられていない。
そして、図9に示すように、収納部45a〜45fが、収納部45e,45fを出金位置に位置させる基本位置にあり、複数段の一時貯留部35a〜35fが平面視で重ならない状態とされたときに、最下段の一時貯留部35e,35fの鉛直下方にある収納部45e,45f、前端位置にある最上段のユニット37の一時貯留部35a,35bの鉛直下方にある収納部45a,45b、後端位置にある中段のユニット41の一時貯留部35c,35dの鉛直下方にある収納部45c,45dのそれぞれが、紙幣の受け渡しを良好にするべく各一時貯留部35a〜35fの直下に上端部が配置されるように、つまり各一時貯留部35a〜35fの下端部にそれぞれの上端部が近接配置されるように、それぞれの高さ、つまり上端部の高さ位置が異なっている。
具体的に、最下段の一時貯留部35e,35fの鉛直下方に配置される収納部45e,45fの上端部の高さ位置に対し、中段の一時貯留部35c,35dの鉛直下方に配置される収納部45c,45dの上端部の高さ位置が、一時貯留部35e,35fと一時貯留部35c,35dとの高さの差分高くなっており、収納部45c,45dの上端部の高さ位置に対し、最上段の一時貯留部35a,35bの鉛直下方に配置される収納部45a,45bの上端部の高さ位置が、一時貯留部35c,35dと一時貯留部35a,35bとの高さ位置の差分高くされている。言い換えれば、最下段の一時貯留部35e,35fの直下の収納部45e,45fの上端部の高さ位置を基準とし、この収納部45e,45fから水平方向に離間する収納部45a〜45dの上端部の高さ位置が高く設定されている。
また、収納部45a〜45fが、一体的に、図10に示す一つのスライド機構部80で水平移動させられることになり、センサ81の検出で前端位置、基本位置および後端位置に位置させられる。そして、このスライド機構部80が、一時貯留部35a〜35fをも一体に水平移動させるようになっている。つまり、収納部45a〜45fを前端位置に位置させて機体後面12B側の収納部45c,45dを出金搬送部52に接続させる場合、これら収納部45a〜45fを水平移動させるスライド機構部80で、これら収納部45a〜45fとともに、図11に示すように、一時貯留部35a,35c,35eを平面視で重なるように上下に一列状に配置した状態とし一時貯留部35b,35d,35fを平面視で重なるように上下に一列状に配置した状態としたまま、一時貯留部35a〜35fを一体に機体前面12F側に水平移動させることになる。また、収納部45a〜45fを後端位置に位置させて機体前面12F側の収納部45a,45bを出金搬送部52に接続させる場合、これら収納部45a〜45fを水平移動させるスライド機構部80で、これら収納部45a〜45fとともに、図12に示すように、一時貯留部35a,35c,35eを平面視で重なるように上下に一列状に配置した状態とし一時貯留部35b,35d,35fを平面視で重なるように上下に一列状に配置した状態としたまま、一時貯留部35a〜35fを、一体に機体後面12B側に水平移動させる。
なお、第1実施形態と同様に収納部45a,45c,45eと収納部45b,45d,45fとを別々に水平移動させることも可能であるが、その場合も、収納部45a,45c,45eに接続される一時貯留部35a,35c,35eを収納部45a,45c,45eと一体的に水平移動させる必要があり、収納部45b,45d,45fに接続される一時貯留部35b,35d,35fを収納部45b,45d,45fと一体的に水平移動させる必要があるため、一時貯留部35a,35c,35eと一時貯留部35b,35d,35fとを別々に水平移動可能に構成することになる。
ここで、一時貯留部35a〜35dの水平移動を考慮して各収納部45a〜45fへの収納紙幣の金種を第1実施形態と同様に設定しても良いが、第2実施形態では、収納部45a〜45fの高さが異なり収納量が異なることから、収納部45a〜45fの金種を変更することになる。例えば、収納時に水平移動が不要な一時貯留部35e,35fの鉛直下方の収納部45e,45fには、第1実施形態と同様に、流通量の多い千円券と万円券とを金種別に振り分けて収納させるものの、最も高さが高く収納量が多い収納部45a,45bにも流通量の多い千円券と万円券とを金種別に振り分けて収納させる(つまり、流通量の多い万円券および千円券を最上段の一時貯留部35a,35bに一時貯留させる)。そして、中間の高さの収納部45c,45dに二千円券と五千円券とを金種別に振り分けて収納させる。この場合も、第1実施形態と同様に、収納部45c,45dのうち二千円券のものを出金禁止としてこれに損券を収納させたり、万円券が特に多い場合に最も高さが高く収納量が多い収納部45a,45bのうちの千円券用のものを出金禁止として千円券と万円券とを混合させて収納させるようにすることが可能である。
以上に述べた第2実施形態の紙幣処理機によれば、複数段の一時貯留部35a〜35fが平面視で重ならない状態とされたとき、各一時貯留部35a〜35fの直下に各収納部45a〜45fの上端部が配置されるように収納部45a〜45fの高さが異なっているため、一時貯留部35a〜35dを水平移動させるだけで、一時貯留部35a〜35fから収納部45a〜45fへの紙幣の受け渡しが可能になり、エレベータ機構部が不要になるため、簡素化、小型化および低コスト化が図れる。
また、最下段の一時貯留部35e,35fの直下の収納部45e,45fの高さを基準とし、この収納部45e,45fから水平方向に離間する収納部45a〜45dの高さが高く設定されているため、最下段の一時貯留部35e,35fの直下の収納部45e,45fに対し水平方向に離間した収納部45a〜45dの収納量を大きくすることが可能になる。
さらに、流通量の多い金種の紙幣(万円券および千円券)を最上段の一時貯留部35a,35bに一時貯留させるため、これら一時貯留部35a,35bに対応する、高さを高くでき収納量を多くできる収納部45a,45bに流通量の多い金種の紙幣が収納されることになり、収納部の満杯による停止等の処理効率低下を防止できる。
なお、以上に述べた第1実施形態および第2実施形態においては、紙幣処理機11として、紙幣の入金および出金を行う紙幣入出金機を例にとり説明したが、紙幣を入金させるのみで出金させない紙幣入金機にも適用可能であり、その場合は、出金搬送部52が不要となるため、収納部45a〜45f用のスライド機構部47,48,80が不要となる。
また、以上に述べた第1実施形態および第2実施形態を紙幣結束機構を備えた出納機のバラ紙幣入出金部に適用することも可能であり、その場合、出金搬送部52から、バラ紙幣を結束する結束部への分岐搬送路が設けられることになる。