JP2006194707A - 距離測定方法および距離測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的低いコストで実現でき、且つ、水晶時計のような低コストのタイマーを用いつつも高い精度で距離測定を行うことのできる距離測定方法を提供する。
【解決手段】 第1の地点において音波と電波とを同時に発し、第2の地点において第1の地点から発せられた電波が受信されると同時に計時を開始し、その後、第1の地点から発せられた音波を受信し、第2の地点における電波が受信されたときから音波が受信されるまでの経過時間を用いて、第1の地点と第2の地点間の距離を求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、距離測定方法に関する。
距離測定方法として一般に用いられている方法の一つは、光波の反射を利用したものである。このような、光波の反射を利用した距離測定については、例えば下記の特許文献1に記載されている。
また、電波の進行時間を測定することによって2地点間の距離を測定する方法も知られている。電波の進行時間を利用した距離測定を応用したシステムの一つは、GPS(Global Positioning System)測位システムである。
特開平11−109022
しかしながら、光波の反射を利用した距離測定については、反射鏡に高い精度が必要とされ、このことが測定機器のコストを引き上げるという問題がある。一方、電波の進行時間を利用した距離測定では、極めて高精度のタイマーを用いる必要があり、このことが測定の為のシステムのコストを増大させる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、比較的低いコストで実現でき、且つ、水晶時計のような低コストのタイマーを用いつつも高い精度で距離測定を行うことのできる距離測定方法および測定システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明の一つの側面によって提供される距離測定方法は、第1の地点において音波と電波とを同時に発し、第2の地点において第1の地点から発せられた前記電波が受信されると同時に計時を開始し、その後、第1の地点から発せられた前記音波を受信し、前記第2の地点における前記電波が受信されたときから前記音波が受信されるまでの経過時間を用いて、前記第1の地点と第2の地点間の距離を求めることを特徴とする(請求項1)。
この場合、前記音波は、超音波であっても良い(請求項2)。
また、本発明の別の側面によって提供されるのは、距離を測定する方法であって、第1の地点において電波を発信するとともに計時を開始し、第2の地点において、第1の地点から発せられた前記電波が受信されると同時に音波を発信し、第1の地点において前記第2の地点から発せられた音波を受信し、第1の地点における電波が発信されたときから音波が受信されるまでの経過時間を用いて、第1の地点と第2の地点間の距離を求めることを特徴とする(請求項3)。
また、本発明の別の側面によって提供される距離測定システムは、電波を発する送信部と、音波を発する音波出力部と、前記送信部および前記音波出力部を制御する第1の制御部とを有する送信装置と、電波を受信する受信部と、音波を検出する音波検出部と、タイマーと、前記受信部、前記音波検出部、および前記タイマーを制御する第2の制御部とを有する受信装置と、を備える距離測定システムである。この構成において、送信装置の第1の制御部は、前記送信部および音波出力部を介して電波と音波とを同時に発するよう制御する。受信装置の第2の制御部は、前記送信装置から発せられた前記電波が前記受信部で受信されると同時に前記タイマーによる計時を開始し、その後、前記送信装置から発せられた前記音波を前記音波検出部で受信する。前記受信装置における前記電波が受信されたときから前記音波が受信されるまでの経過時間を用いて、前記送信装置および受信装置が設置されている2地点間の距離を求める(請求項4)。
タイマーは、水晶発振器を用いたタイマーであっても良い(請求項5)。
また、本発明の別の側面により提供されるのは、複数の地点の位置を求める為の測量方法であって、位置が既知の第1の位置および第2の位置のそれぞれから同時に電波を発信すると共に計時を開始し、複数の地点のそれぞれにおいて前記電波を受信すると同時に音波を発し、第1の位置、第2の位置のそれぞれにおいて、前記複数の地点から発せられた音波を受信し、複数の地点のそれぞれから、前記第1の位置および第2の位置までの前記音波の到達時間に基づいて、前記複数の地点それぞれの位置を求めること、を特徴とする(請求項6)。
この測量方法によれば、複数の地点の位置を一斉に求めることができる。
また、本発明の別の側面により提供されるのは、複数の地点の位置を求める為の測量方法であって、複数の地点のそれぞれにおいて電波を発信すると同時に音波を発し、位置が既知の第1の位置および第2の位置のそれぞれにおいて、前記電波の受信を行うと同時に計時を開始し、その後、前記音波を受信し受信し、複数の地点のそれぞれから、第1の位置および第2の位置までの前記音波の到達時間に基づいて、複数の地点それぞれの位置を求めること、を特徴とする(請求項7)。
この測量方法によれば、複数の地点の位置を一斉に求めることができる。
本発明によれば、低コストでありながらも、確実かつ正確に距離を測定することができる。電波を測定開始の合図として使用し音波の到来時間により距離を測定しているので、水晶時計のような低コストの経時手段を用いたとしても正確な距離測定を行うことができる。
図1は、本発明の距離測定方法の原理を説明する為の図である。図1を参照して、本発明による距離測定方法について説明する。送信側は、電波と音を同時に発信する。受信側は、発信元からの電波を受信すると同時にタイマーをスタートさせる。電波の到来から間もなくして、受信側には送信側の発した音が到来する。タイマーがスタートしてから音が受信されるまでの時間を、音速で割ることで、送信側から受信側までの距離が求められる。電波は秒速約30万km/秒、音速は秒速約330m/秒であるので、電波を測定開始の合図として利用し、音の到達時間で距離を測定する、というのが本発明の距離測定の原理である。
図2は、本発明の実施形態としての測定システムの構成を表す図である。図2において、送信装置10は送信側に設置され、電波と音とを同時に発信するように構成されている。また、受信装置50は、受信側に設置され、送信装置10からの電波および音を受信して距離の算出を行う。
より詳細には、送信装置10は、装置全体の制御を司る制御部1と、電波の送信を行う送信部3と、音声出力を行う音声出力部5とを備える。距離測定の開始に当たり、制御部1は、送信部3および音声出力部5に同時に指令を行うことにより、送信部3を介して電波を発信するとともに、音声出力部5を介して音の出力を行う。なお、送信部3が発する電波は、例えば所定の周波数である等、装置10を特定できる特性を付与されている。音声出力部5が発する音としては、可聴帯域の音のみならず、超音波が用いられても良い。超音波の使用は、騒音を発しない為、市街地などで測定の際には特に好ましい。
受信装置50は、送信装置10の送信部3を介して発信される電波を受信する受信部53と、マイク56を介して受信される音声を検出する音声検出部55と、受信装置50全体の制御を司る制御部51とを備える。さらに、受信装置50は、水晶発振器により構成されるタイマー57を備えている。測定が開始され、受信部51によって送信装置10からの電波が受信されると、制御部51は、タイマー57をスタートさせるとともに、音声検出部55を起動させ、音の検出を待機する。
図3は、図2の測定システムで実行される距離測定方法の動作をフローチャートして表した図である。距離測定の開始に当たり、送信装置10側では、操作者が送信装置10を操作し、電波と音を同時に発信させる(ステップS1)。受信側では、受信部53によって電波が受信されると、制御部51は、タイマー57をスタートさせるとともに、音声検出部55を起動させることにより音の受信の待機を開始する(ステップS2)。電波の到来から間もなくして、受信側には音が到来する。音声検出部55によって、送信装置10からの音が検出されると、制御部51は、タイマー57を停止させる(ステップS3)。以上のステップにより、タイマー57がスタートしてから音が受信されるまでの経過時間が取得される。この経過時間を、音速で割ることで、送信側から受信側までの距離が求められる(ステップS4)。
以上が本発明の原理および実施形態についての説明である。上記の本発明の実施形態によれば、低コストでありながらも、確実かつ正確に距離を測定することができる。電波を測定開始の合図として使用し音波の到来時間により距離を測定しているので、水晶時計のような低コストの経時手段を用いて正確な距離測定を行うことができる。
次に、本発明による距離測定方法の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態による距離測定方法は、第1の実施形態による距離測定方法の変形例と位置付けることもできる。図4は、第2の実施形態による距離測定の原理を表す図である。送信側は、電波と発信するとともにタイマーをスタートさせる。受信側は、発信元からの電波を受信すると同時に音波を発信する。送信側では、電波の発信から間もなくして、受信側の発した音が到来する。タイマーがスタートしてから音が受信されるまでの時間を、音速で割ることで、送信側と受信側間の距離が求められる。
なお、この第2の実施形態による測定方法は、以下のような構成の第1の装置及び第2の装置を用いて実行することができる。第1の装置は、電波を発信する送信部と、音声を検出する音声検出部と、タイマーと、それらを制御する制御部とを有する。第2の装置は、電波を受信する受信部と、音声出力を行う音声出力部とそれらを制御する制御部とを有する。第1の装置の制御部は、送信部を介して電波の送信を行うと同時にタイマーを起動するよう制御する。第2の装置の制御部は、受信部を介して電波が受信されると、音声出力部を介して音声出力を行う。第1の装置では、音声検出部を介して音声が受信されると、タイマーを停止し、タイマーのスタートから停止までの経過時間を音速で割ることで、第1の装置および第2の装置が配置されている地点間の距離を求める。
次に、上記2地点間の距離測定を用いた測量方法について図5を参照して説明する。図5に示すように、測量を行いたい複数の地点P1、P2、P3があるものとする。各地点P1,P2,P3には、第2の実施形態で説明した第2の装置(以下、受信装置と記す)が設置される。一方、位置が既知の2地点B1,B2には、第2の実施形態で説明した第1の装置(以下、送信装置と記す)が設置される。地点B1,B2設置された第1の装置から、同時に、電波を発信することによって、地点P1、P2、P3の位置が一斉に求められる。
より具体的には、測量は、次のように行われる。例えば地点P3を例に取る。地点B1およびB2の送信装置から同時に電波を送信する。次に、地点B1、B2の送信装置は、地点P3の受信装置が発した音波を受信する。これによって、B1−P3間、およびB2−P3間の距離が求まる。B1、B2地点の位置は既知なので、P3の位置が求まる。なお、地点P3の位置を求める為に、B1−P3間、およびB2−P3間の距離を求めるのではなく、B1−P3間、およびB2−P3間の音波の到達時間の差分が用いられても良い。いずれの手法が用いられても、複数の地点(P1、P2、P3)の位置を一斉に求めることができる。したがって、測量の為の時間およびコストを削減することができる。なお、このような測量の為に、第1の実施形態で説明した送信装置10および受信装置50が用いられても良い。
なお、複数の地点の位置を一斉に求めることをより確実に実現するために、発信する電波や音波の周波数が地点ごとに異なっていても良い。すなわち、各地点P1、P2、P3に設置された受信装置は、異なる周波数の音波を発信する。送信装置側では、受信した音波の周波数を識別することによって、P1,P2,P3のうち地点からの音波であるかを認識する。
次に、第1の実施形態および第2の実施形態の距離測定方法を用いた変状検知について説明する。送信装置10および受信装置50は、低い消費電力で運用することができることに着目する。この場合、送信装置10および受信装置50は、ICチップのような非常に小さな装置として実現することができ、かつ小さなバッテリで運用することができる。したがって、建造物、法面、トンネル、コンクリート内部等に複数の送信装置を埋め込んでおき、1つ又は複数の受信装置を用いてこれらの建造物等の変状検知を行うことができる。
図6は、本発明による距離測定を用いた変状検知システムの構成を表す図である。図6では、変状検知の対象の法面95の地中に、バッテリ付のICチップとして実現された送信装置10が複数、埋め込まれている。受信装置50は、予め絶対位置が測定されている位置に設置される。
変状検知は、次のように行われる。上述の2点間の距離測定を用いて、法面95に埋め込まれた各送信装置10と受信装置50間の距離が測定される。このような、距離測定(各送信装置10と受信装置50間の距離測定)を定期的に行うことで、法面95の変状を検知することができる。
以上説明したように本発明による距離測定装置は、低コストで、且つICチップのような極めて小さな装置として実現することができることに注目しなければならない。変状検知システムのような、防災の観点から極めて有用なシステムを低コストで実現することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態による距離測定方法の原理を説明する為の図である。 図2は、本発明の実施形態としての測定システムの構成を表す図である。 図3は、図2の測定システムで実行される距離測定方法の動作をフローチャートして表した図である。 図4は、本発明の第2の実施形態による距離測定方法の原理を説明する為の図である。 図5は、本発明による測量方法を説明する為の図である。 図6は、本発明による距離測定を用いた変状検知システムの構成を表す図である。
符号の説明
1 制御部
3 送信部
5 音声出力部
10 送信装置
50 受信装置
51 制御部
53 受信部
55 音声検出部
56 マイク
57 タイマー

Claims (7)

  1. 距離を測定する方法であって、
    第1の地点において音波と電波とを同時に発し、
    第2の地点において、前記第1の地点から発せられた前記電波が受信されると同時に計時を開始し、その後、第1の地点から発せられた前記音波を受信し、
    前記第2の地点における前記電波が受信されたときから前記音波が受信されるまでの経過時間を用いて、前記第1の地点と第2の地点間の距離を求めることを特徴とする距離測定方法。
  2. 前記音波は、超音波であることを特徴とする請求項1に記載の距離測定方法。
  3. 距離を測定する方法であって、
    第1の地点において電波を発信するとともに計時を開始し、
    第2の地点において、前記第1の地点から発せられた前記電波が受信されると同時に音波を発信し、
    前記第1の地点において前記第2の地点から発せられた前記音波を受信し、
    前記第1の地点における前記電波が発信されたときから前記音波が受信されるまでの経過時間を用いて、前記第1の地点と第2の地点間の距離を求めることを特徴とする距離測定方法。
  4. 電波を発する送信部と、音波を発する音波出力部と、前記送信部および前記音波出力部を制御する第1の制御部とを有する送信装置と、
    電波を受信する受信部と、音波を検出する音波検出部と、タイマーと、前記受信部、前記音波検出部、および前記タイマーを制御する第2の制御部とを有する受信装置と、
    を備える距離測定システムであって、
    前記送信装置の第1の制御部は、前記送信部および音波出力部を介して電波と音波とを同時に発するよう制御し、
    前記受信装置の第2の制御部は、前記送信装置から発せられた前記電波が前記受信部で受信されると同時に前記タイマーによる計時を開始し、その後、前記送信装置から発せられた前記音波を前記音波検出部で受信し、
    前記受信装置における前記電波が受信されたときから前記音波が受信されるまでの経過時間を用いて、前記送信装置および受信装置が設置されている2地点間の距離を求めることを特徴とする距離測定システム。
  5. 前記タイマーは、水晶発振器を用いたタイマーであることを特徴とする請求項4に記載の距離測定システム。
  6. 複数の地点の位置を求める為の測量方法であって、
    位置が既知の第1の位置および第2の位置のそれぞれから同時に電波を発信すると共に計時を開始し、
    前記複数の地点のそれぞれにおいて前記電波を受信すると同時に音波を発し、
    前記第1の位置、第2の位置のそれぞれにおいて、前記複数の地点から発せられた音波を受信し、
    前記複数の地点のそれぞれから、前記第1の位置および第2の位置までの前記音波の到達時間に基づいて、前記複数の地点それぞれの位置を求めること、を特徴とする測量方法。
  7. 複数の地点の位置を求める為の測量方法であって、
    前記複数の地点のそれぞれにおいて電波を発信すると同時に音波を発し、
    位置が既知の第1の位置および第2の位置のそれぞれにおいて、前記電波の受信を行うと同時に計時を開始し、その後、前記音波を受信し受信し、
    前記複数の地点のそれぞれから、前記第1の位置および第2の位置までの前記音波の到達時間に基づいて、前記複数の地点それぞれの位置を求めること、を特徴とする測量方法。
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