JP2006194601A - 水素ガス検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 湿度センサに依存することなく、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内の水素ガスの濃度を精度よく検出するようにした水素ガス検出装置を提供する。
【解決手段】 水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気内にて検出装置本体1000による水素ガスの検出濃度を補正するための補正係数βと温度センサ2000の検出温度との間の極大値を有する2次曲線関係を用いて、マイクロコンピュータ3000により、検出装置本体1000による水素ガスの検出濃度を温度センサ2000の検出温度に基づき補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素ガス検出装置に関するものである。
従来、この種の水素ガス検出装置としては、プロトン伝導層を採用してなる水素ガス検出装置がある。この水素ガス検出装置においては、プロトンが当該プロトン伝導層を伝導することにより生ずる電流、換言すれば、プロトンの伝導量に基づき、被測定ガス雰囲気中の水素ガスの濃度が検出されるようになっている。
このような構成の水素ガス検出装置に依る場合、プロトンがプロトン伝導層を伝導する際に水分を伴って伝導するため、プロトンの伝導量が被測定ガス雰囲気中の水分の濃度(即ち、湿度)の変化によって変化する。このことは、水素ガス検出装置としての検出精度が被測定ガス雰囲気中の水分の濃度の変化によって低下することを意味する。
これに対する対策として、下記特許文献1に開示された水素ガス検出装置が提案されている。この水素ガス検出装置においては、水素ガスの濃度を求めるにあたり、プロトン伝導層の内部抵抗値を予め検出しておき、この内部抵抗値でもって、プロトンが当該プロトン伝導層を伝導することにより生ずる電流を補正するようにしている。
特開2001−153837号公報
ところで、上述のように構成した特許文献1の水素ガス検出装置においては、プロトン伝導層の内部抵抗値が水素ガス検出装置の長期間の使用によって経時的に変化するおそれがある。
このため、被測定ガス雰囲気の水分の濃度が同一であっても、水素ガス検出装置の長期間の使用に伴い、プロトン伝導層の内部抵抗値が、当該水素ガス検出装置の使用初期におけるプロトン伝導層の内部抵抗値から変化してしまうおそれがある。
その結果、上記特許文献1の水素ガス検出装置に依る場合、水素ガスの濃度が、長期に亘っては、精度よく検出し得ないおそれがある。
これに対しては、別途、湿度センサを水素ガス検出装置に設け、当該湿度センサにより被測定ガス雰囲気中の水分の濃度(即ち、湿度)を検出して、この検出結果でもって水素ガスの濃度を補正することが考えられる。
しかし、水素ガスの濃度の検出時には、水素ガス検出装置が水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被測定ガス雰囲気内に晒される。このことは、湿度センサも、同様に、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内に晒されることを意味する。
ここで、湿度センサが、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内に長期に亘り晒されると、湿度センサの検出特性が劣化して、当該湿度センサによる湿度の検出精度が低下する。その結果、このような検出精度の低い湿度を利用しても、水素ガスの濃度が精度よく検出され得ないという不具合を招く。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、湿度センサに依存することなく、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内の水素ガスの濃度を精度よく検出するようにした水素ガス検出装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る水素ガス検出装置は、請求項1の記載によれば、
プロトン伝導層(1410)を有する検出装置本体(1000)を備えて、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内に上記検出装置本体を配置した状態でプロトンが上記被検出ガス雰囲気に含まれる水素ガスに応じプロトン伝導層を伝導することにより生ずる電流に基づき水素ガスの濃度を検出装置本体により検検出する。
当該水素ガス検出装置において、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気の温度を検出する温度センサ(2000)と、
水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内にて検出装置本体の検出濃度が温度センサの検出温度の上昇(或いは低下)に伴い増大(或いは減少)するという所定の関係を用いて、検出装置本体の検出濃度を温度センサの検出温度に基づき補正する補正手段(3300、3400)とを備えることを特徴とする。
このように、上記所定の関係を用いて検出装置本体の検出濃度を温度センサの検出温度で補正するので、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態内の水分の濃度に依存することなく、水素ガスの濃度を精度よく検出し得る。
ここで、温度センサは水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内に長期に亘り晒されても、当該温度センサの特性が湿度センサに比べて劣化し難い。このため、温度センサは長期に亘り精度よく温度を検出することができる。その結果、このような温度センサの検出温度を利用することで、検出装置本体の検出濃度が長期に亘り精度よく補正され得る。このことは、当該水素ガス検出装置によれば、水素ガスの濃度が長期に亘り精度よく検出され得ることを意味する。
また、本発明に係る水素ガス検出装置は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の発明において、この発明にいう補正手段に代えて、
水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内にて成立する検出装置本体の検出濃度を補正するための補正係数と温度センサの検出温度との間の極大値を有する2次曲線関係を用いて、上記補正係数を温度センサの検出温度に基づき決定する補正係数決定手段(3300)と、
この補正係数決定手段により決定される補正係数に基づき上記検出装置本体の検出濃度を補正する補正手段(3400)とを備えることを特徴とする。
このように、請求項1に記載の補正手段による補正に代えて、上記2次曲線関係を用いて温度センサの検出温度に基づき上記補正係数を決定し、この決定補正係数に基づき検出装置本体の検出濃度を補正するようにしても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が達成され得る。
また、本発明に係る水素ガス検出装置は、請求項3の記載によれば、請求項1に記載の発明において、この発明にいう補正手段に代えて、
水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内にて水分の濃度が温度の上昇(或いは低下)に伴い増大(或いは減少)するという第1の所定の関係を用いて、温度センサの検出温度に基づき、水分の濃度を算出する水分濃度算出手段と、
検出装置本体の検出濃度が、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内にて、水分の濃度の増大(或いは減少)に伴い増大(或いは減少)するという第2の所定の関係を用いて、水分濃度算出手段により算出される水分の濃度に基づき検出装置本体の検出濃度を補正する補正手段(3300、3400)とを備えることを特徴とする。
このように、上記第1の所定の関係を用いて温度センサの検出温度に基づき水分の濃度を算出し、かつ、上記第2の所定の関係を用いて上記水分の算出濃度に基づき検出装置本体の検出濃度を補正するようにしても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が達成され得る。
なお、請求項1〜3のいずれかの記載において、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態は、露点或いはその近傍に相当し、相対湿度でいえば、100(%)〜75(%)の範囲に相当する。
また、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の一実施形態を図面により説明する。
図1は、本発明に係る水素ガス検出装置の一実施形態を示している。当該水素ガス検出装置は、図1にて示すごとく、検出装置本体1000を備えている。この検出装置本体1000は、金属製筒体1100を有しており、この筒体1100の底壁1110の中央には、流入口部1111が形成されている。
また、この筒体1100は、その周壁1120にて、2つの流出口部1121を備えており、これら流出口部1121は、底壁1110の近傍において、周壁1120の周方向に沿い間隔をおいて形成されている。なお、図1にて、符号1130は、フランジを示しており、このフランジ1130は、周壁1120の先端側開口部から外方へ半径方向に延出形成されている。
また、当該検出装置本体1000は、図1にて示すごとく、筒体1100内に収容した下側支持部材1200、上側支持部材1300及び検出素子1400を備えている。
下側支持部材1200は、図2にて詳細に示すごとく、各円形状の下側、中間側及び上側の基板1210、1220及び1230を備えており、これら各基板1210、1220及び1230は、共に、セラミック材料でもって形成されている。
下側基板1210の裏面には、環状の下側電極層1240が、同軸的に積層されている。また、中間側基板1220は、円板状の中間側電極層1250を介し、下側基板1210の表面に同軸的に積層されている。ここで、中間側電極層1250は、下側基板1210にその板厚方向に形成したスルーホール1211を介し、下側電極層1240に電気的に接続されている。
また、上側基板1230は、円板状の中間側電極層1260を介し、中間側基板1220の表面に同軸的に積層されており、この上側基板1230の表面には、上側電極層1270が同軸的に積層されている。ここで、中間側電極層1260は、中間側基板1220にその板厚方向に形成したスルーホール1221を介し、中間側電極層1250に電気的に接続されている。また、上側電極層1270は、上側基板1230にその板厚方向に形成したスルーホール1231を介し、中間側電極層1260に電気的に接続されている。
このように積層した上側電極層1270、上側基板1230、中間側電極層1260、中間側基板1220、中間側電極層1250及び下側基板1210には、拡散律速孔部1280が、上側電極層1270から下側基板1210にかけて、同軸的に形成されている(図1及び図2参照)。
以上のように構成した下側支持部材1200は、その下側基板1210にて、下側電極層1240を介し、筒体1100の底壁1110の内面上に着座するように筒体1100内に収容されている(図1参照)。
一方、上側支持部材1300は、図2にて詳細に示すごとく、環状の下側基板1310、環状の中間側基板1320及び円形状の両上側基板1330、1340を備えており、これら各基板1310〜1340は、共に、セラミック材料でもって形成されている。
中間側基板1320は、下側基板1310の表面上に同軸的に積層されており、この中間側基板1320の外周部には、4つのスリット1321が形成されている。これら各スリット1321は、基板1320にその周方向に沿い等角度(90°)の間隔にて形成されて、基板1320内の中空部を当該基板1320の外方に連通させる。
上側基板1330は中間側基板1320の表面に同軸的に積層されており、この上側基板1330の裏面のうち中間側基板1320の中空部内に露呈する裏面部位には、円板状の下側電極層1350が積層されている。
上側基板1340は、中間側電極層1360を介し上側基板1330の表面に同軸的に積層されており、この上側基板1340の表面には、上側電極層1370が同軸的に積層されている。ここで、中間側電極層1360は、上側基板1330にその板厚方向に形成したスルーホール1331を介し、下側電極層1350に電気的に接続されている。また、上側電極層1370は、上側基板1340にその板厚方向に形成したスルーホール1341を介し、中間側電極層1360に電気的に接続されている。
このように構成した上側支持部材1300は、その環状の下側基板1310にて、検出素子1400のプロトン伝導層1410(後述する)の外周部上に着座している(図1参照)。
検出素子1400は、図1及び図2にて示すごとく、下側支持部材1200と上側支持部材1300との間に挟持されているもので、この検出素子1400は、プロトン伝導層1410及び正負両側電極1420、1430を備えている。
プロトン伝導層1410は、高分子電解質でもって、円板状に形成されており、このプロトン伝導層1410は、その外周部にて、環状シール1450(図1参照)を介し、両支持部材1200、1300の各外周部間に挟持されている。
本実施形態では、プロトン伝導層1410を形成する高分子電解質として、ナフィオン(登録商標)117が採用されている。なお、環状シール1450は、プロトン伝導層1410の外周部と下側支持部材1200の中間側基板1220の外周部との間に気密的に挟持されている。
正側電極1420は、負側電極1430と共に円板状に形成されており、当該正側電極1420は、その裏面にて、プロトン伝導層1410の正側面に当接している。また、当該正側電極1420は、下側支持部材1200の上側電極層1270とプロトン伝導層1410との間に挟持されている。
本実施形態において、正側電極1420は、貴金属触媒(Pt)をカーボンブラックに担持させたものをカーボンペーパーに塗布して形成されている。これにより、当該正側電極1420は、拡散律速孔部1280を通して導入される被検出ガスを拡散させてプロトン伝導層1410に案内する。
負側電極1430は、上側支持部材1300の下側基板1310及び中間側基板1320の両中空部内に嵌装されて、プロトン伝導層1410と上側支持部材1300の下側電極層1350との間に挟持されている。本実施形態において、負側電極1430は、正側電極1420と同様に、貴金属触媒(Pt)をカーボンブラックに担持させたものをカーボンペーパーに塗布して形成されている。
円柱状樹脂部材1500は、両環状シール1510、1520を介し、筒体1100内にその先端側開口部から同軸的に嵌装されており、当該樹脂部材1500は、上側支持部材1300を介し、検出素子1400を下側支持部材1200上に押圧している。なお、当該樹脂部材1500は、電気絶縁性合成樹脂でもって形成されている。
環状シール1510は、樹脂部材1500の下端部に形成した小径の環状ボス部1530に同軸的に嵌装されて、樹脂部材1500の大径部1540(図1参照)の環状下端面と上側支持部材1300の上側基板1340(図2参照)の外周部との間に気密的に挟持されている。また、環状シール1520は、樹脂部材1500における大径部1540の周壁の軸方向中間部位に環状に形成した溝部1541(図1参照)内に同軸的に嵌装されて、筒体1100の周壁1120と環状溝部1541との間に気密的に挟持されている。
正側接続端子1600は、クランク状のターミナルからなるもので、この正側接続端子1600は、その中間部位1610及び先端部位1620にて、樹脂部材1500の上面から外周面にかけてL字状に形成した凹所1550(図1参照)内に収容されている。ここで、当該正側接続端子1600は、その先端部位1620の中間部位に形成した凸状湾曲部1621(図1参照)でもって、筒体1100の周壁1120に当接することで、当該筒体1100に電気的に接続されている。
また、負側接続端子1700は、略L字状のターミナルからなるもので、この負側接続端子1700は、樹脂部材1500の貫通穴部1560及び凹所1570内に図1にて示すごとく挿通して収容されている。ここで、当該負側接続端子1700は、その脚部1710にて、凹所1570内において上側支持部材1300の上側電極層1370に当接することで、当該上側電極層1370と電気的に接続されている。
なお、上述した貫通穴部1560は、樹脂部材1500に同軸的に形成されている。また、凹所1570は、樹脂部材1500の下端部にて、貫通穴部1560とL字状に連通形成されている。また、本実施形態において、検出装置本体1000の筒体1100以外の各構成部材は、下側支持部材1200から正側接続端子1600にかけて順次筒体1100内に収容される。
また、当該水素ガス検出装置は、図1にて示すごとく、温度センサ2000及びマイクロコンピュータ3000を備えている。温度センサ2000は、被検出ガスの雰囲気(以下、被検出ガス雰囲気ともいう)内に配設されて、その検出部にて、当該被検出ガス雰囲気の温度を検出する。本実施形態では、温度センサ2000として、例えば、サーミスタが採用されている。
ここで、本実施形態において、湿度センサではなく、温度センサ2000を当該水素ガス検出装置に採用するにあたり、以下のことを検討してみた。
まず、本発明者等は、検出装置本体1000により検出される水素ガスの濃度が、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内の水分の濃度(湿度)とどのような関係を有するかについて検討してみた。
この検討にあたり、まず、検出装置本体1000の感度特性について、次の測定条件のもとに、被検出ガス雰囲気内の水分の濃度をパラメータとして調べてみた。なお、当該感度特性は、検出装置本体1000により検出される水素ガスの濃度と当該検出装置本体1000に流れる限界電流との関係で特定される。
上記測定条件は次の通りである。
ガス組成は、0(体積%)〜70(体積%)の範囲の濃度の水素ガス(H2)、20(体積%)の濃度の水分(H2O)及び窒素(N2)である。また、ガス温度は80(℃)であり、ガス流量は10(リットル/min)である。なお、測定初期において、水分の濃度が20(体積%)であるときに分析計の水素ガスの濃度が、検出装置本体1000により検出される水素ガスの濃度と一致するように調整される。
上記測定条件のもとに調べた結果、当該感度特性は、図5にて示すような非直線状のグラフとして得られた。これは、限界電流が非直線的に変化するためである。
なお、図5のグラフは、被検出ガス雰囲気内の水分(H2O)の濃度を20(体積%)として得られたものである。また、図5において、縦軸は、検出装置本体1000に流れる限界電流(以下、限界電流Ipともいう)を表わし、横軸は、被検出ガス雰囲気内に投入される水素ガスの濃度を表わす。また、当該投入水素ガスの濃度は分析計で測定したものである。
上記感度特性では、限界電流Ipが、上述のごとく、上記投入水素ガスの濃度との間において非直線状に特定されることから、この非直線状のままでは、不便である。このため、図5のグラフを、コンピュータにより解析処理でもって、直線状のグラフ12(図6参照)に変換した。
詳細には、検出装置本体1000により検出される水素ガスの濃度が、図5のグラフを根拠に、限界電流Ipの3次式で特定されることを考慮して、検出装置本体1000により検出される水素ガスの濃度と上記投入水素ガスの濃度との間の関係を、コンピュータによる解析処理でもって、直線的関係に変換することで、図6のグラフ12を得た。
このグラフ12によれば、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内の水分の濃度を20(体積%)としたとき、検出装置本体1000の検出濃度は、当該被検出ガス雰囲気内の水素ガスの濃度との間で、直線状グラフ12でもって特定されることが分かる。
次に、検出装置本体1000の感度特性について、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内の水分の濃度をパラメータとして、さらに、次の測定条件のもとに調べてみた。
当該測定条件は、次の通りである。
ガス組成は、0(体積%)〜70(体積%)の範囲の濃度の水素ガス(H2)、5(体積%)、10(体積%)、20(体積%)及び30(体積%)の各濃度の水分(H2O)及び窒素(N2)である。また、ガス温度は80(℃)であり、ガス流量は10(リットル/min)である。
このような測定条件のもとに調べた結果、上記感度特性は、図5の非直線状のグラフと同様の各グラフとして得られた。従って、このように非直線状に変化する各グラフを、上述と同様に、直線状のグラフに変換すれば、複数の直線状のグラフが、図7にて例示するように、得られる。
ここで、図7において、符号12は、図6のグラフを示す。また、符号13は、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内の水分の濃度を5(体積%)としたときの検出装置本体1000の検出濃度と上記投入水素ガスの濃度との関係を表すグラフを示す。
また、符号14は、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内の水分の濃度を10(体積%)としたときの検出装置本体1000の検出濃度と上記投入水素ガスの濃度との関係を表すグラフを示す。また、符号15は、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内の水分の濃度を30(体積%)としたときの検出装置本体1000の検出濃度と上記投入水素ガスの濃度との関係を表すグラフを示す。
これら各グラフ12〜15を相互に比較してみれば明らかなように、検出装置本体1000の感度特性は、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内の水分の濃度の変化に伴い互いに異なるように変化している。これは、各グラフ12〜15の勾配が相互に異なっているためである。
そこで、各水分の濃度における投入水素ガスの濃度と検出装置本体1000の検出濃度との間の関係(図7参照)を、勾配α及び切片0の直線式で近似的に表すと、水分の濃度毎に、水分の濃度と勾配αとの関係が次の表1で与えられる。
Figure 2006194601
この表1において、水分の濃度が20(体積%)であるときの勾配はα=1となるため、残りの水分の濃度毎においても、勾配α=1となるような補正係数βを導入すれば、この補正係数βを用いることで、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内の水分の濃度が変化しても、各グラフ13〜15の勾配をグラフ12の勾配(α=1)に実質的に一致させ得る。
ここで、上述の補正係数βは、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内の水分の濃度ごとに、次の(1)式で与えられる。
β=1/α・・・(1)
ちなみに、各水分の濃度と、各対応の勾配α及び補正係数βとの間の具体的な数値関係は、表1にて例示する通りである。
しかして、水蒸気が非飽和状態にある被検出ガス雰囲気においては、水分の濃度が変化しても、式(1)で求めた補正係数βを用いて、次の式(2)により検出装置本体1000の検出濃度を補正することができる。
水素ガスの補正濃度(体積%)=検出装置本体の検出濃度×補正係数β・・・(2)
この式(2)でもって検出装置本体1000の検出濃度を補正した結果、図8にて示すようなグラフが得られた。これによれば、図7の各グラフ13〜15がグラフ12にほぼ一致していることが分かる。
また、投入水素ガスの濃度が20(体積%)、40(体積%)及び60(体積%)である場合に、水分の濃度5(体積%)、10(体積%)、20(体積%)及び30(体積%)のとき、上述のような補正のない場合と補正した場合との誤差を調べたところ、次の表2のような結果が得られた。
Figure 2006194601
この表2によれば、水分の濃度が変化しても、検出装置本体1000の検出濃度を上述のように水分の濃度で補正することで、検出装置本体1000の検出濃度を補正しない場合に比べて、水素ガスの濃度のばらつきが非常に少ないことが分かる。
しかしながら、上述のように検出装置本体1000の検出濃度の補正に用いる水分の濃度を湿度センサでもって検出すると仮定した場合、本明細書の冒頭にて述べたように、水素ガスの濃度の検出にあたり、当該湿度センサは、検出装置本体1000と共に、水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気内に長期に亘り晒されるため、当該湿度センサの検出出力が低下する。従って、このように低下した湿度センサの検出出力を用いて検出装置本体1000の検出濃度を補正しても、この補正精度を表2のように良好には確保できない。
そこで、本発明者等は、被検出ガス雰囲気内において水分と温度とがどのような関係を有するかについて詳細に検討してみた。これによれば、被検出ガス雰囲気が水蒸気の飽和状態にある場合、当該被検出ガス雰囲気内の水分の濃度は、当該被検出ガス雰囲気の温度の上昇(或いは低下)に伴い増大(或いは減少)することが確認された。なお、飽和状態にある被検出ガス雰囲気の水分の濃度は当該被検出ガス雰囲気の温度(即ち、露点)によって決まる。
このように、水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気の水分の濃度と温度との関係が成立することから、水分の濃度に代えて、当該温度でもって、検出装置本体1000の検出濃度を補正すれば、この補正は、湿度センサに依存することなく、精度よく行えることが分かる。
以上のようなことから、被検出ガス雰囲気が水蒸気の飽和状態にある場合には、水分の濃度が温度の上昇(或いは低下)に伴い増大(或いは減少)することを利用して式(1)で算出される補正係数βは、水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気の温度との関係で特定され得ることが分かる。
ちなみに、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気の水分の濃度が5(体積%)、10(体積%)、20(体積%)及び30(体積%)にあるときに当該被検出ガス雰囲気をそれぞれ水蒸気の飽和状態にするに要する各温度(各露点)を算出してみた。
そして、これら温度との関係において、水蒸気の非飽和状態にある被検出ガス雰囲気内で水分の濃度が5(体積%)、10(体積%)、20(体積%)及び30(体積%)にあるときの各補正係数βをプロットしたところ、図9にて示すようなグラフが得られた。このグラフは、極大値を有する2次曲線で与えられることが分かった。
また、当該図9のグラフによれば、水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気の温度を独立変数tとすると、当該飽和状態における補正係数βを従属変数として、補正係数βは、温度tの2次関数式(3)で与えられる。
β=−0.000113t2+0.007964t+0.932520・・・(3)
但し、tが33(℃)よりも高いときに、2次関数式(3)が適用される。また、tが33(℃)以下であるとき、2次関数式(3)に依らず、β=1.072とする。また、2次関数式(3)における補正係数βは、式(1)における補正係数βと同一である。
以上より、水素ガスの濃度が、2次関数式(3)により求めた補正係数βを用いて、次の式(4)により補正され得ることが分かる。
水素ガスの濃度(体積%)=検出装置本体の検出濃度×補正係数β・・・(4)
但し、この式(4)において、補正係数βは、2次関数式(3)で求めたものである。
以上のような観点から、本実施形態では、水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気の温度に基づいて水素ガスの濃度を補正するために、温度センサ2000を採用した。
マイクロコンピュータ3000は、図3にて示すフローチャートに従い、コンピュータプログラムを実行し、この実行中において、検出装置本体1000の検出濃度及び温度センサ2000の検出温度に基づき、水素ガスの濃度の補正に必要な種々の処理を行う。
なお、マイクロコンピュータ3000は、直流電源(図示しない)からの給電に基づき作動状態となり、上記コンピュータプログラムの実行を開始する。また、当該コンピュータプログラムは、マイクロコンピュータ3000のROMに当該マイクロコンピュータにより読み出し可能に予め記憶されている。
このように構成した本実施形態において、当該水素ガス検出装置により水素ガスの濃度を検出するにあたっては、検出装置本体1000を、ガス配管10に電気的に絶縁した状態で取り付ける(図4参照)。
具体的には、検出装置本体1000の筒体1100をその底壁1110側からガス配管10の開口部(図示しない)に嵌装するとともにフランジ1130を当該開口部に着座させる。これにより、検出装置本体1000は、拡散律速孔部1280にて、筒体1100の底壁1110の流入口部1111を通して、ガス配管10内にて図4にて図示矢印11方向に流れる被検出ガスの雰囲気内に晒される。
また、温度センサ2000も同様にガス配管10に取り付ける(図4参照)。具体的には、温度センサ2000をその検出部側からガス配管10の他の開口部に嵌装して当該開口部に着座させる。このとき、温度センサ2000はその検出部にて被検出ガス雰囲気内に晒される。なお、現段階において、ガス配管10内の被検出ガス雰囲気は、水蒸気の飽和状態にあるものとする。また、図4にて、符号20は、上記直流電源に相当する直流電源を示す。
このような状態においては、ガス配管10内の被検出ガスは、筒体1100の流入口部1111及び下側支持部材1200の拡散律速孔部1280を通り検出素子1400の正側電極1420に到達する。これに伴い、当該被検出ガスに含まれる水素ガスは、正側電極1420により拡散された後、プロトン伝導層1410を介し負側電極1430に汲み出されて、上側支持部材1300の各スリット1321を通り筒体1100の各流出口部1121から外部に流出していく。
このような状態において、検出装置本体1000の負側接続1900を接地し、かつ当該検出装置本体1000の正側接続端子1600をマイクロコンピュータ3000の出力ポートに接続する。また、温度センサ2000の出力端子をマイクロコンピュータ3000の他の出力ポートに接続する。
しかして、直流電源20からマイクロコンピュータ3000に給電すると、当該マイクロコンピュータ3000は、図3のフローチャートに従い上記コンピュータプログラムの実行を開始する。
これに伴い、ステップ3100において、水素ガスの検出濃度の入力処理が次のようになされる。
上述のようなマイクロコンピュータ3000に対する給電のもと、直流電源20からの直流電圧が、検出装置本体1000の正側接続端子1600及び負側接続端子1700の間に、プロトンを伝導するためのポンプ電圧として印加される。このことは、当該ポンプ電圧が、検出素子1400の両電極1420、1430の間に印加されることを意味する。
しかして、上述のように水素ガスが正側電極1420に流入するに伴い、当該正側電極1420が、その電極材料による触媒作用を発揮して、水素ガスを解離、分解或いは反応させてプロトンを発生させる。
このように発生したプロトンは、正側電極1420からプロトン伝導層1410によりそのプロトン伝導作用でもって伝導されて負側電極1430へ汲み出される。このようなプロトンの汲み出しに伴い生ずる直流電流が、検出素子1400の負側電極1430、上側支持部材1300の下側電極層1350、スルーホール1331、中間側電極層1360、スルーホール1341及び上側電極層1370、負側接続端子1700、直流電源20、マイクロコンピュータ3000、正側接続端子1600、筒体1100の周壁1120及び底壁1110、下側支持部材1200の下側電極層1240、スルーホール1211、中間側電極層1250、スルーホール1221、中間側電極層1260、スルーホール1231及び上側電極層1270を通り正側電極1420に流れる。
このような直流電流は、ポンプ電圧に対応する限界電流であって、水素ガスの濃度に比例する。従って、この電流が、ステップ3100にて、検出装置本体1000による水素ガスの検出濃度としてマイクロコンピュータ3000に入力される。
以上のようにしてステップ3100における処理が終了すると、次のステップ3200において温度入力処理がなされる。この温度入力処理では、温度センサ2000により検出されるガス配管10内の被検出ガス雰囲気の温度がマイクロコンピュータ3000に入力される。
然る後、ステップ3300において補正係数βの算出処理がなされる。この算出処理では、補正係数βが検出温度tに基づき2次関数式(3)を用いて算出される。なお、温度tが33(℃)以下であれば、補正係数は、β=1.072と設定される。
ついで、ステップ3400において、水素ガスの検出濃度の補正処理がなされる。この補正処理では、ステップ3100において入力済みの水素ガスの検出濃度が、式(4)を用いて、2次関数式(3)で算出した補正係数βに基づき補正される。このように補正された水素ガスの検出濃度が当該水素ガス検出装置の検出出力となる。
ちなみに、2次関数式(3)で算出した補正係数βを用いて式(4)により検出装置本体1000の水素ガスの検出濃度を補正した結果によれば、図8のグラフと同様のグラフが得られた。これによれば、2次関数式(3)で算出した補正係数βを用いても、上述と同様に、図7の各グラフ13〜15がグラフ12にほぼ一致することが分かる。
以上述べたように、水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気内においては、検出装置本体1000の検出濃度が水分の濃度の増大(或いは減少)に伴い増大し、かつ、当該水分の濃度が温度の上昇(或いは低下)に伴い増大(或いは減少)する。
このため、水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気内においては、検出装置本体1000の検出濃度が温度の上昇(或いは低下)に伴い増大(或いは減少)する。このような関係を利用して、温度センサ2000の採用のもと、検出装置本体1000の検出濃度を、2次関数式(3)による補正係数βに基づき、式(4)を用いて補正した。これにより、検出装置本体1000の検出濃度を精度よく補正し得る。
また、この補正にあたり、水分の濃度に依存することなく、温度センサ2000の検出温度を利用することとした。
ここで、温度センサ2000は水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気内に長期に亘り晒されても、当該温度センサ2000の特性が湿度センサに比べて劣化し難い。このため、温度センサ2000は長期に亘り精度よく温度を検出することができる。その結果、このような温度センサ2000の検出温度を利用することで、検出装置本体1000の検出濃度が長期に亘り精度よく補正され得る。このことは、当該水素ガス検出装置によれば、被検出ガス雰囲気内の水素ガスの濃度が長期に亘り精度よく検出され得ることを意味する。
また、温度センサ2000は、湿度センサよりも低コストであるから、水素ガス検出装置としてのコストも、湿度センサを採用することに比べて、軽減し得る。その結果、長期に亘り高い検出精度を有する水素ガス検出装置が、安価に提供され得る。
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上述のように、水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気内においては、検出装置本体1000の検出濃度が水分の濃度の増大(或いは減少)に伴い、増大し、かつ、当該水分の濃度が温度の上昇(或いは低下)に伴い増大(或いは減少)する。従って、このような関係を利用して、上記温度を温度センサ2000により検出し、この検出温度でもって水分の濃度を求め、このように求めた水分の濃度でもって検出装置本体1000の検出濃度を補正するようにしてもよい。
この場合、水分の濃度は、上述のように、湿度センサに依存することなく求められるので、当該水分の濃度は、水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気内に長期に亘り晒されることに起因する湿度センサの劣化の影響を受けることがない。
その結果、温度センサ2000の検出温度に基づき求めた水分の濃度を利用することで、上記実施形態と同様に、検出装置本体1000の検出濃度を長期に亘り精度よく補正し得る。
(2)検出装置本体1000が水素ガスの検出にあたり晒される被検出ガス雰囲気は、水蒸気の飽和状態に限ることなく、この飽和状態に近い状態にあっても、上記実施形態と同様の作用効果が達成され得る。ここで、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態は、露点或いはその近傍に相当し、相対湿度でいえば、100(%)〜75(%)の範囲に相当する。
(3)支持部材1200に形成した拡散律速孔部1280は、複数の貫通孔部としてもよい。また、拡散律速孔部1280に代えて、多孔質材料からなる柱状部を採用してもよい。なお、当該柱状部や拡散律速孔部1280は、拡散律速部として把握してもよい。
(4)検出装置本体1000は、上記実施形態にて述べた構成のものに限ることなく、プロトン伝導層によりプロトンを伝導する構成を備える検出装置本体であれば、どのような検出装置本体であってもよい。
本発明に係る水素ガス検出装置の一実施形態を示す部分断面図である。 図1の検出装置本体の検出素子の部分拡大分解断面図である。 図1のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートである。 図1の水素ガス検出装置を用いて水素ガスの濃度を検出するための回路図である。 限界電流と投入水素ガスの濃度との関係を示すグラフである 図5のグラフを、検出装置本体の検出濃度と投入水素ガスの濃度との直線的関係に変換したグラフである。 水分の濃度をパラメータとして、検出装置本体の検出濃度と投入水素ガスの濃度との関係を示すグラフである。 補正係数でもって補正した後の検出装置本体の検出濃度と投入水素ガスの濃度との関係を示すグラフである。 補正係数と水蒸気の飽和状態にある被検出ガス雰囲気の温度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1000…検出装置本体、1410…プロトン伝導層、2000…温度センサ、
3000…マイクロコンピュータ。

Claims (3)

  1. プロトン伝導層を有する検出装置本体を備えて、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内に前記検出装置本体を配置した状態でプロトンが前記被検出ガス雰囲気に含まれる水素ガスに応じ前記プロトン伝導層を伝導することにより生ずる電流に基づき前記水素ガスの濃度を前記検出装置本体により検出するようにした水素ガス検出装置において、
    前記水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気の温度を検出する温度センサと、
    前記水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内にて前記検出装置本体の検出濃度が前記温度センサの検出温度の上昇(或いは低下)に伴い増大(或いは減少)するという所定の関係を用いて、前記検出装置本体の検出濃度を前記温度センサの検出温度に基づき補正する補正手段とを備えることを特徴とする水素ガス検出装置。
  2. プロトン伝導層を有する検出装置本体を備えて、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内に前記検出装置本体を配置した状態でプロトンが前記被検出ガス雰囲気に含まれる水素ガスに応じ前記プロトン伝導層を伝導することにより生ずる電流に基づき前記水素ガスの濃度を前記検出装置本体により検出するようにした水素ガス検出装置において、
    前記水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気の温度を検出する温度センサと、
    前記水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内にて成立する前記検出装置本体の検出濃度を補正するための補正係数と前記温度センサの検出温度との間の極大値を有する2次曲線関係を用いて、前記補正係数を前記温度センサの検出温度に基づき決定する補正係数決定手段と、
    この補正係数決定手段により決定される補正係数に基づき前記検出装置本体の検出濃度を補正する補正手段とを備えることを特徴とする水素ガス検出装置。
  3. プロトン伝導層を有する検出装置本体を備えて、水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内に前記検出装置本体を配置した状態でプロトンが前記被検出ガス雰囲気に含まれる水素ガスに応じ前記プロトン伝導層を伝導することにより生ずる電流に基づき前記水素ガスの濃度を前記検出装置本体により検出するようにした水素ガス検出装置において、
    前記水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気の温度を検出する温度センサと、
    水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内にて水分の濃度が温度の上昇(或いは低下)に伴い増大(或いは減少)するという第1の所定の関係を用いて、前記温度センサの検出温度に基づき、水分の濃度を算出する水分濃度算出手段と、
    前記検出装置本体の検出濃度が、前記水蒸気の飽和状態或いはこの飽和状態に近い状態にある被検出ガス雰囲気内にて、水分の濃度の増大(或いは減少)に伴い増大(或いは減少)するという第2の所定の関係を用いて、前記水分濃度算出手段により算出される水分の濃度に基づき前記検出装置本体の検出濃度を補正する補正手段とを備えることを特徴とする水素ガス検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013068567A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Gunze Ltd 水素ガスセンサの信号処理方法、及び信号処理装置

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