JP2006193940A - カウンタウェイトのドレン構造及びカウンタウェイトのドレン施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カウンタウェイトのドレン構造及びカウンタウェイトのドレン施工方法に関し、簡素な構成で、カウンタウェイト内におけるコンクリートからの吸湿・蒸発作用を阻害することなく、カウンタウェイト内部から水を排出する。
【解決手段】 カウンタウェイト10の外装板1の内部におもりとして充填された充填材からなる充填層2と、外装板1の内部において充填層2の上部に隙間として形成された中空層3と、カウンタウェイト10の下部において外装板1に穿孔されたドレン穴4と、充填層2を貫通して中空層3とドレン穴4とを連通する連通路5とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 カウンタウェイト10の外装板1の内部におもりとして充填された充填材からなる充填層2と、外装板1の内部において充填層2の上部に隙間として形成された中空層3と、カウンタウェイト10の下部において外装板1に穿孔されたドレン穴4と、充填層2を貫通して中空層3とドレン穴4とを連通する連通路5とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、作業機械のカウンタウェイト内で発生しうるガスを外部へ排出するのに用いて好適なドレン構造及びそのドレン施工方法に関する。
従来より、油圧ショベルやクローラクレーン等の作業機械には、ショベル装置や懸垂装置といった作業装置が搭載されている。このような作業機械では、作業機械全体の重量バランスをとるために、搭載された作業装置の能力(例えばショベル容量や最大揚重重量等)や車体重量に応じたおもりとしてのカウンタウェイトが車体後方に備えられている。
作業機械に備えられるカウンタウェイトは、コンパクトなサイズで必要な重量が得られるように、比較的比重の大きい材料が用いられて製造されており、溶融した金属を鋳型に流し込んで形成された鋳物タイプのものや、コンクリート(モルタル)の外周を板金で覆って形成されたもの、容器状のカウンタウェイト内に生コンクリート(生モルタル)等を充填して形成されたもの等が開発されている。おもりとしてのコンクリートを備えたコンクリートタイプのカウンタウェイトは、同じ重量の鋳物タイプのカウンタウェイトと比較すると若干サイズが大きくなるものの、製造にかかるコストがより安価であるという利点を持っている。
作業機械に備えられるカウンタウェイトは、コンパクトなサイズで必要な重量が得られるように、比較的比重の大きい材料が用いられて製造されており、溶融した金属を鋳型に流し込んで形成された鋳物タイプのものや、コンクリート(モルタル)の外周を板金で覆って形成されたもの、容器状のカウンタウェイト内に生コンクリート(生モルタル)等を充填して形成されたもの等が開発されている。おもりとしてのコンクリートを備えたコンクリートタイプのカウンタウェイトは、同じ重量の鋳物タイプのカウンタウェイトと比較すると若干サイズが大きくなるものの、製造にかかるコストがより安価であるという利点を持っている。
コンクリートタイプのカウンタウェイトには、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1には、鉄製の中空状の外殻体の内部に、砂鉄,セメント,水,速乾剤等を配合して作られるコンクリート充填材を充填して形成されたカウンタウェイトが記載されている。
ところでコンクリート等のセメント系材料は、硬化した後であっても、温度,湿度環境に応じて周囲の空気中の水分を吸湿したり、或いは、コンクリート中の水分を水蒸気ガスとして蒸発させたりすることが知られている。また、コンクリート周囲の温度,湿度環境にかかわらず、コンクリート内部では時間の経過とともに、化学反応によって水蒸気ガスが生じることも知られており、例えば、コンクリート中に含まれるケイ酸カルシウム水和物に代表されるようなセメント水和物は、大気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムやシリカ,水等を生成し、また、コンクリート中に含まれる水酸化カルシウムは、大気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムや水を生成する。
ところでコンクリート等のセメント系材料は、硬化した後であっても、温度,湿度環境に応じて周囲の空気中の水分を吸湿したり、或いは、コンクリート中の水分を水蒸気ガスとして蒸発させたりすることが知られている。また、コンクリート周囲の温度,湿度環境にかかわらず、コンクリート内部では時間の経過とともに、化学反応によって水蒸気ガスが生じることも知られており、例えば、コンクリート中に含まれるケイ酸カルシウム水和物に代表されるようなセメント水和物は、大気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムやシリカ,水等を生成し、また、コンクリート中に含まれる水酸化カルシウムは、大気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムや水を生成する。
そのため、一般にコンクリートタイプのカウンタウェイトにおいては、上述のようなコンクリートからの水蒸気ガスの吸湿・蒸発作用を妨げないように、コンクリート内部で発生したガスをカウンタウェイト外部へ排出するための通気口が設けられている。例えば、特許文献2には、中空の箱体の内部にコンクリート等の重量調整材を備えたカウンタウェイトであって、箱体を構成する前面板と上面板との接合部位に通気口としての隙間を設けた構成が記載されている。つまり、コンクリートを内包する容器を完全な密閉構造とせずに、カウンタウェイト内部と外部との間で空気が流通しうるようになっている。
特開平9−195318号公報
特開平10−237903号公報
しかし、上述のような内部へ連通する開口を有した従来のカウンタウェイトでは、通気口を介してカウンタウェイト内部へ雨水や車体洗浄時の洗浄水等が入り込んだり、また、コンクリート周囲の温度,湿度環境の変化により、コンクリートから蒸発した水蒸気がカウンタウェイト内部で貯まり水となることがある。そして、カウンタウェイト内に貯まった水が外装板の内側を錆び付かせたり、錆を含んだカウンタウェイト内の貯まり水が通気口から漏出してカウンタウェイトの外装の美観を損ねるおそれがある。
一方、カウンタウェイト内部への水分の進入を防止することを優先して通気口を設けなければ、コンクリートからの水蒸気ガスの吸湿・蒸発作用により、密閉されたカウンタウェイトの内圧変化が大きくなり、外装板が変形,破損するおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑み案出されたもので、簡素な構成で、カウンタウェイト内におけるコンクリートからの吸湿・蒸発作用を阻害することなく、カウンタウェイト内部から水を排出することができる、カウンタウェイトのドレン構造及びカウンタウェイトのドレン施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような課題に鑑み案出されたもので、簡素な構成で、カウンタウェイト内におけるコンクリートからの吸湿・蒸発作用を阻害することなく、カウンタウェイト内部から水を排出することができる、カウンタウェイトのドレン構造及びカウンタウェイトのドレン施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のカウンタウェイトのドレン構造(請求項1)は、カウンタウェイトの外装板の内部におもりとして充填された充填材からなる充填層と、該外装板の内部において該充填層の上部に隙間として形成された中空層と、該カウンタウェイトの下部において該外装板に穿孔されたドレン穴と、該充填層を貫通して該中空層と該ドレン穴とを連通する連通路とを備えたことを特徴としている。
また、該充填層は、充填材としてのセメント系材料を含むことが好ましい(請求項2)。
また、該連通路は、一端が該ドレン穴に接続され他端面が該充填層の上面で開口する円筒状の中空管によって形成されることが好ましい(請求項3)。
また、本発明のカウンタウェイトのドレン施工方法(請求項4)は、外装板の内部におもりとしての充填材を充填されたカウンタウェイトのドレン施工方法であって、該カウンタウェイトの下部において該外装板にドレン穴を穿孔し、円筒状の中空管を該外装板の内部に配置し、該中空管の一端を該ドレン穴に接続するとともに他端側を該外装板の内部に充填される充填材の上端よりも上方へ延設し、該カウンタウェイトの内部において該中空管の他端面の高さよりも低い位置まで該充填材を充填して充填層を形成するとともに、該充填層の上部に隙間としての中空層を形成することを特徴としている。
また、該連通路は、一端が該ドレン穴に接続され他端面が該充填層の上面で開口する円筒状の中空管によって形成されることが好ましい(請求項3)。
また、本発明のカウンタウェイトのドレン施工方法(請求項4)は、外装板の内部におもりとしての充填材を充填されたカウンタウェイトのドレン施工方法であって、該カウンタウェイトの下部において該外装板にドレン穴を穿孔し、円筒状の中空管を該外装板の内部に配置し、該中空管の一端を該ドレン穴に接続するとともに他端側を該外装板の内部に充填される充填材の上端よりも上方へ延設し、該カウンタウェイトの内部において該中空管の他端面の高さよりも低い位置まで該充填材を充填して充填層を形成するとともに、該充填層の上部に隙間としての中空層を形成することを特徴としている。
この場合、少なくとも該充填層の上面から該中空層側へ突出した部分の該中空管を切断することが好ましい(請求項5)。
また、該充填層の形成前に、該充填層の形成時において該中空管の内部へ該充填材が進入しないように該他端面を閉鎖する養生材を該中空管の他端に取り付けることによって、該他端面の高さを該充填材の上端よりも高くしておき、該充填層の形成後に、該養生材を取り除くことが好ましい(請求項6)。
また、該充填層の形成前に、該充填層の形成時において該中空管の内部へ該充填材が進入しないように該他端面を閉鎖する養生材を該中空管の他端に取り付けることによって、該他端面の高さを該充填材の上端よりも高くしておき、該充填層の形成後に、該養生材を取り除くことが好ましい(請求項6)。
本発明のカウンタウェイトのドレン構造(請求項1)によれば、中空層とドレン穴とを連通する連通路を備えているため、カウンタウェイト内部の充填材の吸湿・蒸発作用が阻害されず、カウンタウェイトの外装板の変形や破損を防止することができる。また、ドレン穴がカウンタウェイトの下部に設けられているため、充填材に含まれる貯まり水を排出させることができるとともに、外部からカウンタウェイト内部への水の進入を防止できる。
また、本発明のカウンタウェイトのドレン構造(請求項2)によれば、例えばコンクリートといったセメント系材料の吸湿・蒸発作用による、カウンタウェイトの内圧変化や、カウンタウェイト内への水分の残留を防止することができる。また、セメントの硬化収縮に伴って発生する水分をカウンタウェイトの外部へ排出することができる。
また、本発明のカウンタウェイトのドレン構造(請求項3)によれば、簡素な構成で容易に連通路を形成することができ、カウンタウェイトの施工性をより向上させることができる。
また、本発明のカウンタウェイトのドレン構造(請求項3)によれば、簡素な構成で容易に連通路を形成することができ、カウンタウェイトの施工性をより向上させることができる。
また、本発明のカウンタウェイトのドレン施工方法(請求項4)によれば、カウンタウェイト内部の排水効果に優れたドレンを、簡素な構成で確実に施工することができる。
また、本発明のカウンタウェイトのドレン施工方法(請求項5)によれば、少なくとも充填層の上面から中空層側へ突出した部分の中空管を切断することによって、充填層の上面に貯まり水を残さずに排水できるドレンを形成することができる。
また、本発明のカウンタウェイトのドレン施工方法(請求項5)によれば、少なくとも充填層の上面から中空層側へ突出した部分の中空管を切断することによって、充填層の上面に貯まり水を残さずに排水できるドレンを形成することができる。
また、本発明のカウンタウェイトのドレン施工方法(請求項6)によれば、充填層の形成時における円筒状の中空管の内部への充填材の進入を確実に防止できるとともに、充填層の形成後に養生材を取り除いた中空管の高さを充填層の上面よりも低くすることができ、充填層の上面の貯まり水を残すことなく排出可能なドレンを形成することができる。
以下、図面により、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図3は本発明の一実施形態としてのカウンタウェイトのドレン構造を示すもので、図1は本ドレン構造が適用されたカウンタウェイトの全体構成を示す断面図であり、(a)はカウンタウェイト内へ充填材を充填する前の状態を示す横断面図、(b)はカウンタウェイト内へ充填材が充填された後の状態を示す横断面図、図2は本ドレン構造が適用されたカウンタウェイトを示す側面図、図3は本ドレン構造が適用されたカウンタウェイトを備える作業機械の全体構成を示す模式図である。
図1〜図3は本発明の一実施形態としてのカウンタウェイトのドレン構造を示すもので、図1は本ドレン構造が適用されたカウンタウェイトの全体構成を示す断面図であり、(a)はカウンタウェイト内へ充填材を充填する前の状態を示す横断面図、(b)はカウンタウェイト内へ充填材が充填された後の状態を示す横断面図、図2は本ドレン構造が適用されたカウンタウェイトを示す側面図、図3は本ドレン構造が適用されたカウンタウェイトを備える作業機械の全体構成を示す模式図である。
[構成]
本発明のカウンタウェイトのドレン構造は、図3に示す作業機械に備えられたカウンタウェイトに適用されている。
この作業機械21は、図3に示すように、走行装置としての下部走行体22と、下部走行体22の上部に旋回可能に備えられた上部旋回体23と、上部旋回体23に設けられた掘削用の作業装置24とを備えて構成されている。また、上部旋回体23には、おもりとしてのカウンタウェイト10が車体後方に備えられている。
本発明のカウンタウェイトのドレン構造は、図3に示す作業機械に備えられたカウンタウェイトに適用されている。
この作業機械21は、図3に示すように、走行装置としての下部走行体22と、下部走行体22の上部に旋回可能に備えられた上部旋回体23と、上部旋回体23に設けられた掘削用の作業装置24とを備えて構成されている。また、上部旋回体23には、おもりとしてのカウンタウェイト10が車体後方に備えられている。
カウンタウェイト10は、図1(a),(b)に示すように、容器状に形成された鋼板製の外装板1の内部に、おもりとしてコンクリートやモルタル等、セメント系材料の充填材を充填された、コンクリートタイプのカウンタウェイトとして備えられている。
また、カウンタウェイト10の前面、すなわち、カウンタウェイト10における作業機械21のエンジンルーム側の面におけるカウンタウェイト10の下部には、図1(a),(b),図2に示すように、外装板1に穿孔されたドレン穴4が設けられており、このドレン穴4の内周面には螺旋状のネジ溝が形成されている。なお、本実施形態では、カウンタウェイト10の下部においてエンジンルーム側の面に左右一対のドレン穴4,4が設けられている。
また、カウンタウェイト10の前面、すなわち、カウンタウェイト10における作業機械21のエンジンルーム側の面におけるカウンタウェイト10の下部には、図1(a),(b),図2に示すように、外装板1に穿孔されたドレン穴4が設けられており、このドレン穴4の内周面には螺旋状のネジ溝が形成されている。なお、本実施形態では、カウンタウェイト10の下部においてエンジンルーム側の面に左右一対のドレン穴4,4が設けられている。
また、図2に示すように、カウンタウェイト10の上面を構成する外装板1には、カウンタウェイト10の製造時に内部へ充填材を充填するための充填口6,6が備えられている。これらの充填口6,6は、一対のドレン穴4,4の各々の略直上方に設けられている。なお、充填口6はカウンタウェイト10の製造過程においてのみ使用される開口であり、カウンタウェイト10の完成時には蓋6aによって完全に密閉されるようになっている。
図1(b)に示すように、カウンタウェイト10の内部には、前述の充填材が充填された充填層2と、該充填層の上部に隙間として形成された中空層3とが形成されている。充填層2は、充填された充填材の重量が予め設定された重量となる所定高さの位置まで充填されるようになっている。
また、充填層2の内部には、充填層2を貫通して中空層3とドレン穴4とを連通する連通路5が形成されている。ここでは、連通路5として塩ビパイプ(円筒状の中空管)5aが用いられており、その一端がドレン穴4内周面のネジ溝と螺合して接続固定されるようになっている。また、この塩ビパイプ5aは、ドレン穴4に接続された一端から略鉛直上方へ延設されて、その他端面が充填層2の上面で開口するようになっている。
また、充填層2の内部には、充填層2を貫通して中空層3とドレン穴4とを連通する連通路5が形成されている。ここでは、連通路5として塩ビパイプ(円筒状の中空管)5aが用いられており、その一端がドレン穴4内周面のネジ溝と螺合して接続固定されるようになっている。また、この塩ビパイプ5aは、ドレン穴4に接続された一端から略鉛直上方へ延設されて、その他端面が充填層2の上面で開口するようになっている。
なお、連通路5として用いられている塩ビパイプ5aは、カウンタウェイト10の製造行程において生コンクリートや生モルタルの充填打設時に、その流体圧によって変形したり破損しない程度の強度及び剛性を備えている。
また、図1(a)に示すように、塩ビパイプ5aは、カウンタウェイト10の製造時においては、その他端面を充填口6から突出させて飛び出すように配設されるようになっており、例えばカウンタウェイト10の内部に充填材を充填する際に、塩ビパイプ5aの中への充填材の進入を防止すべく充填材の上端よりも上方へ延設されるようになっている。そして、カウンタウェイト10の内部に充填材を充填した後に、図1(b)に示すように、充填層2から上方へ飛び出した塩ビパイプ5aの上部を切断するようになっている。
また、図1(a)に示すように、塩ビパイプ5aは、カウンタウェイト10の製造時においては、その他端面を充填口6から突出させて飛び出すように配設されるようになっており、例えばカウンタウェイト10の内部に充填材を充填する際に、塩ビパイプ5aの中への充填材の進入を防止すべく充填材の上端よりも上方へ延設されるようになっている。そして、カウンタウェイト10の内部に充填材を充填した後に、図1(b)に示すように、充填層2から上方へ飛び出した塩ビパイプ5aの上部を切断するようになっている。
なお、本実施形態では、連通路5としての塩ビパイプ5aが、一対のドレン穴4,4に対してそれぞれ接続されているが、ともに同一の構成を備えており、以下、特記なき限りいずれか一方を例に挙げて説明するものとする。
また、本カウンタウェイト10は前述の通り容器状に形成されており、本カウンタウェイト10の外装板1は、ドレン穴4及び充填口6以外の開口を持たず、カウンタウェイト10外部から内部へ雨水,洗浄水等が進入しないように隙間なく溶接されて密閉されている。
また、本カウンタウェイト10は前述の通り容器状に形成されており、本カウンタウェイト10の外装板1は、ドレン穴4及び充填口6以外の開口を持たず、カウンタウェイト10外部から内部へ雨水,洗浄水等が進入しないように隙間なく溶接されて密閉されている。
[作用・効果]
本実施形態におけるカウンタウェイトのドレン構造は上述のように構成されており、カウンタウェイトは製造過程において以下のように組み立てられる。
まず、カウンタウェイト10の外装板1が容器状に形成される。この際、図2に示されたように、カウンタウェイト10の下部にはドレン穴4が穿孔されるとともに、カウンタウェイト10の上部には内部へ充填材を充填するための開口として充填口6が設けられる。また、ドレン穴4の内周面にはネジ溝が形成される。つまりここでは、カウンタウェイト10が、ドレン穴4及び充填口6以外の開口を持たない密閉構造に形成される。
本実施形態におけるカウンタウェイトのドレン構造は上述のように構成されており、カウンタウェイトは製造過程において以下のように組み立てられる。
まず、カウンタウェイト10の外装板1が容器状に形成される。この際、図2に示されたように、カウンタウェイト10の下部にはドレン穴4が穿孔されるとともに、カウンタウェイト10の上部には内部へ充填材を充填するための開口として充填口6が設けられる。また、ドレン穴4の内周面にはネジ溝が形成される。つまりここでは、カウンタウェイト10が、ドレン穴4及び充填口6以外の開口を持たない密閉構造に形成される。
次に、カウンタウェイト10の内部において、ドレン穴4のネジ溝に対して連通路5としての塩ビパイプ5aの一端が螺合接続される。このとき、塩ビパイプ5aの他端側は、図1(a)に示すように、カウンタウェイト10の内部で上方へ延設されて、充填口6からカウンタウェイト10の外部へ飛び出すように配置される。これにより、充填口6から充填材を充填する際に充填材が塩ビパイプ5a内へ誤って入ることを防止できる。
そして、カウンタウェイト10の充填口6からコンクリートやモルタル等の充填材が充填打設される。このとき、カウンタウェイト10の内部において、予め設定された所定高さの位置まで充填材が充填される。これにより、カウンタウェイト10内には、充填材が充填された充填層2と、その上部に間隙としての中空層3とが形成されることになる。
その後、例えば充填した充填材がある程度硬化した後に、充填層2の上面から中空層3側へ突出した部分の塩ビパイプ5aが切断され、図1(b)に示すように、カウンタウェイト10上部の充填口6が蓋6aにより密閉される。これにより、塩ビパイプ5aが充填層2を貫通して中空層3とドレン穴4とを連通する連通路5として形成されることになる。
その後、例えば充填した充填材がある程度硬化した後に、充填層2の上面から中空層3側へ突出した部分の塩ビパイプ5aが切断され、図1(b)に示すように、カウンタウェイト10上部の充填口6が蓋6aにより密閉される。これにより、塩ビパイプ5aが充填層2を貫通して中空層3とドレン穴4とを連通する連通路5として形成されることになる。
したがって、カウンタウェイト10内部の充填層2を構成するコンクリートやモルタルの吸湿・蒸発作用が阻害されず、すなわち、セメント系材料から発生する水蒸気等のガスによって、カウンタウェイト10の内圧変化が大きくなったり、外装板が変形,破損するおそれがない。
また、カウンタウェイト10内において、充填層2から蒸発した水蒸気の凝結水(つまり、従来のカウンタウェイトにおける、貯まり水)を、連通路5を通してカウンタウェイト10の外部へ排出することができる。なお、例えば塩ビパイプ5a内(すなわち、連通路5内)で発生しうる結露水も、連通路5を通ってドレン穴4から排出されることになる。したがって、カウンタウェイト内部における外装板1の内側の錆び付きを防止することができる。また、ドレン穴4から排出された水は、カウンタウェイト10のエンジンルーム側の面から下部走行体22へと落下するため、排水による汚れ等が問題となることもない。
また、カウンタウェイト10内において、充填層2から蒸発した水蒸気の凝結水(つまり、従来のカウンタウェイトにおける、貯まり水)を、連通路5を通してカウンタウェイト10の外部へ排出することができる。なお、例えば塩ビパイプ5a内(すなわち、連通路5内)で発生しうる結露水も、連通路5を通ってドレン穴4から排出されることになる。したがって、カウンタウェイト内部における外装板1の内側の錆び付きを防止することができる。また、ドレン穴4から排出された水は、カウンタウェイト10のエンジンルーム側の面から下部走行体22へと落下するため、排水による汚れ等が問題となることもない。
また、カウンタウェイト10は、充填口6を密閉されると、カウンタウェイト10外部に対してドレン穴4以外の開口を持たないことになる。したがって、カウンタウェイト10外部から内部へ雨水,洗浄水等が進入せず、また、万が一、ドレン穴4から雨水,洗浄水等が進入したとしても、その水はドレン穴4から排出されることになり、結果として、外部からカウンタウェイト10内部への水の進入を防止できる。
このように、本ドレン構造によれば、簡素な構成で、カウンタウェイト10内部の排水効果に優れた、施工性の良好な排水構造を提供することができる。
また、上述のようなドレンの施工方法によれば、簡素な構成で、容易に連通路を形成することができ、カウンタウェイト10内部の排水効果に優れた構造を、簡素な構成で確実に施工することができる。
また、上述のようなドレンの施工方法によれば、簡素な構成で、容易に連通路を形成することができ、カウンタウェイト10内部の排水効果に優れた構造を、簡素な構成で確実に施工することができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、本実施形態では、連通路5として塩ビパイプ5aが用いられているが、これは、カウンタウェイト10の製造行程において生コンクリートや生モルタルの打設時に、その流体圧によって変形したり破損しない程度の強度を備えた中空管の部材として適用された一例であり、他の材質(樹脂製・金属製等)の中空管を用いてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、本実施形態では、連通路5として塩ビパイプ5aが用いられているが、これは、カウンタウェイト10の製造行程において生コンクリートや生モルタルの打設時に、その流体圧によって変形したり破損しない程度の強度を備えた中空管の部材として適用された一例であり、他の材質(樹脂製・金属製等)の中空管を用いてもよい。
また、上述の実施形態では、図1(a)に示すように、カウンタウェイト10の製造行程において、塩ビパイプ5aの他端側がカウンタウェイト10の内部で上方へ延設されて、充填口6からカウンタウェイト10の外部へ飛び出すように配置されるよう構成されているが、例えばカウンタウェイト10内へ打設する生コンクリート,生モルタルの充填量や充填高さに応じて、予め所定の長さに塩ビパイプ5aを切断しておいてもよい。
この場合、生コンクリート,生モルタルが連通路5の内部へ入らないように打設することで、又は、塩ビパイプ5aの内部へ充填材が入らないような養生を行うことで、上述の実施形態と同様のドレン構造を形成することが可能となる。
またこの場合、例えば塩ビパイプ5aの長さを充填層2の上面から飛び出さない長さとしておくとともに、塩ビパイプ5aの先端にゴムホース等の養生材を取り付けて、ゴムホースの先端を充填層2の上面よりも上方へ延設するように構成してもよい。つまり、養生材としてのゴムホースを塩ビパイプ5aの先端に取り付けることによって、塩ビパイプ5a内部への充填材の進入を防止するとともに、塩ビパイプ5aの高さを高くして生コンクリート,生モルタル充填時における塩ビパイプ5aの充填層2内への埋没を防止することができることになる。
またこの場合、例えば塩ビパイプ5aの長さを充填層2の上面から飛び出さない長さとしておくとともに、塩ビパイプ5aの先端にゴムホース等の養生材を取り付けて、ゴムホースの先端を充填層2の上面よりも上方へ延設するように構成してもよい。つまり、養生材としてのゴムホースを塩ビパイプ5aの先端に取り付けることによって、塩ビパイプ5a内部への充填材の進入を防止するとともに、塩ビパイプ5aの高さを高くして生コンクリート,生モルタル充填時における塩ビパイプ5aの充填層2内への埋没を防止することができることになる。
さらに、生コンクリート,生モルタル充填後にこのゴムホースを塩ビパイプ5aの先端から取り外すことによって、塩ビパイプ5aの先端が充填層2の上面よりも低い位置に埋設された状態の連通路5を形成することができ、貯まり水の残らない排水効果に優れたドレンとすることができる。
なお、中空円筒形状のゴムホースのように連通路5として機能しうるものを養生材として用いた場合には、充填層の形成後に取り外すのではなく充填層の上面から突出した部分を切断するようにしてもよい。この場合、例えば比較的切断が容易な材質の養生材を用いることによって、より施工性を向上させることができる。
なお、中空円筒形状のゴムホースのように連通路5として機能しうるものを養生材として用いた場合には、充填層の形成後に取り外すのではなく充填層の上面から突出した部分を切断するようにしてもよい。この場合、例えば比較的切断が容易な材質の養生材を用いることによって、より施工性を向上させることができる。
また、上述の実施形態では、充填した充填材がある程度硬化した後に、充填層2の上面から中空層3側へ突出した部分の塩ビパイプ5aが切断されるようになっているが、塩ビパイプ5aを切断する位置は、充填層2の表面に限られず、例えば充填層2の内部側で切断してもよい。この場合、充填層2を構成するセメント系材料の乾燥収縮によって、充填層2の表面が沈下した場合であってもカウンタウェイト10内の水を排出することができるドレン構造とすることができる。
なお、上述の実施形態において、充填層2の上面の形状を、例えば、連通路5の他端面を底頂部としたすり鉢上の形状に形成することにより、カウンタウェイト10内における水の排出作用がより確実なものとすることができる。
また、上述のドレン構造では、ドレン4がカウンタウェイト10の左右に一対設けられるようになっており、その取付位置については特に限定されていないが、例えば、ドレン4をカウンタウェイト10の左右両端部に設けるよう構成してもよく、この場合、カウンタウェイトの左右傾斜角度に関わらず、常に確実に排水することが可能なドレンを形成することができる。
また、上述のドレン構造では、ドレン4がカウンタウェイト10の左右に一対設けられるようになっており、その取付位置については特に限定されていないが、例えば、ドレン4をカウンタウェイト10の左右両端部に設けるよう構成してもよく、この場合、カウンタウェイトの左右傾斜角度に関わらず、常に確実に排水することが可能なドレンを形成することができる。
また、上述の実施形態では、塩ビパイプ5aがドレン4に接続された一端から略鉛直上方へ延設されるよう構成されているが、例えば、塩ビパイプ5aの延設方向を鉛直方向から所定角度だけ傾斜させてもよく、この場合、ドレン4の位置に対して、塩ビパイプ5aの他端面の位置、すなわち、カウンタウェイト10内部の充填層2上面における取水口(排水口の位置)を任意に設定することが可能となる。
1 外装板
2 充填層
3 中空層
4 ドレン穴
5 連通路
5a 塩ビパイプ
6 充填口
6a 蓋
10 カウンタウェイト
2 充填層
3 中空層
4 ドレン穴
5 連通路
5a 塩ビパイプ
6 充填口
6a 蓋
10 カウンタウェイト
Claims (6)
- カウンタウェイトの外装板の内部におもりとして充填された充填材からなる充填層と、
該外装板の内部において該充填層の上部に隙間として形成された中空層と、
該カウンタウェイトの下部において該外装板に穿孔されたドレン穴と、
該充填層を貫通して該中空層と該ドレン穴とを連通する連通路と
を備えたことを特徴とする、カウンタウェイトのドレン構造。 - 該充填層は、充填材としてのセメント系材料を含む
ことを特徴とする、請求項1記載のカウンタウェイトのドレン構造。 - 該連通路は、一端が該ドレン穴に接続され他端面が該充填層の上面で開口する円筒状の中空管によって形成される
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のカウンタウェイトのドレン構造。 - 外装板の内部におもりとしての充填材を充填されたカウンタウェイトのドレン施工方法であって、
該カウンタウェイトの下部において該外装板にドレン穴を穿孔し、
円筒状の中空管を該外装板の内部に配置し、
該中空管の一端を該ドレン穴に接続するとともに他端側を該外装板の内部に充填される充填材の上端よりも上方へ延設し、
該カウンタウェイトの内部において該中空管の他端面の高さよりも低い位置まで該充填材を充填して充填層を形成するとともに、該充填層の上部に隙間としての中空層を形成する
ことを特徴とする、カウンタウェイトのドレン施工方法。 - 少なくとも該充填層の上面から該中空層側へ突出した部分の該中空管を切断する
ことを特徴とする、請求項4記載のカウンタウェイトのドレン施工方法。 - 該充填層の形成前に、該充填層の形成時において該中空管の内部へ該充填材が進入しないように該他端面を閉鎖する養生材を該中空管の他端に取り付けることによって、該他端面の高さを該充填材の上端よりも高くしておき、
該充填層の形成後に、該養生材を取り除く
ことを特徴とする、請求項4又は5記載のカウンタウェイトのドレン施工方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005005098A JP2006193940A (ja) | 2005-01-12 | 2005-01-12 | カウンタウェイトのドレン構造及びカウンタウェイトのドレン施工方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006193940A true JP2006193940A (ja) | 2006-07-27 |
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ID=36800237
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006193940A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014167930A1 (ja) * | 2013-04-10 | 2014-10-16 | 株式会社クボタ | 作業車 |
-
2005
- 2005-01-12 JP JP2005005098A patent/JP2006193940A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014167930A1 (ja) * | 2013-04-10 | 2014-10-16 | 株式会社クボタ | 作業車 |
JP2014205368A (ja) * | 2013-04-10 | 2014-10-30 | 株式会社クボタ | 作業車 |
US9555843B2 (en) | 2013-04-10 | 2017-01-31 | Kubota Corporation | Work vehicle |
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