JP2006193509A - ジヒドロクマリン誘導体、これを含む液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

ジヒドロクマリン誘導体、これを含む液晶組成物および液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はジヒドロクマリン環を有し、液晶化合物に必要な一般的な物性を有する液晶性化合物を提供することを目的とする。
【解決手段】式(1)で表される化合物。Rは水素又はアルキルである。A〜Aは1,4−シクロヘキシレン又は1,4−フェニレンである。Z〜Zは単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH−、−O(CHO−、−(CHCFO−、−(CHOCF−、−CFO(CH−、−OCF(CH−、−CH=CH−CHO−又は−OCH−CH=CH−である。Xは水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF又は−OCHF−である。Gは酸素又は硫黄である。n及びmは0、1又は2である。

Figure 2006193509

【選択図】 なし

Description

本発明は液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子に関する。さらに詳しくはジヒドロクマリン化合物、これを含有しかつネマチック相を有する液晶組成物およびこの組成物を含有する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、液晶の動作モードに基づく場合は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、BTN(Bistable twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)などに分類される。そして、素子の駆動方式に基づく場合には、液晶表示素子はPM(passive matrix)とAM(active matrix)とに分類される。PM(passive matrix)はスタティック(static)、マルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。
これらの素子は、液晶組成物を含有する。素子の特性を向上させるには、この組成物が適切な物性を有するのが好ましい。組成物の成分である化合物に必要な一般的物性は、次のとおりである。
(1)化学的な安定性と物理的な安定性。
(2)高い透明点。透明点は、液晶相−等方相の転移温度である。
(3)液晶相の低い下限温度。この液晶相は、ネマチック相、スメクチック相などを意味する。
(4)小さな粘度。
(5)適切な光学異方性。
(6)適切な誘電率異方性。大きな誘電率異方性を有する化合物は、大きな粘度を有することが多い。
(7)大きな比抵抗。
液晶組成物は多くの液晶性化合物を混合して調製される。したがって、これらの液晶性化合物は他の化合物とよく混和するのが好ましい。素子を氷点下の温度で使うこともあるので、低い温度で良好な相溶性を有する化合物が好ましい。高い透明点または液晶相の低い下限温度を有する化合物は、組成物におけるネマチック相の広い温度範囲に寄与する。好ましい組成物は、小さな粘度と素子のモードに適した光学異方性を有する。化合物の大きな誘電率異方性は、組成物の低いしきい値電圧に寄与する。このような組成物によって、使用できる温度範囲が広い、応答時間が短い、コントラスト比が大きい、駆動電圧が小さい、消費電力が小さい、電圧保持率が大きいなどの特性を有する素子を得ることができる。
従来、ジヒドロクマリン誘導体を液晶表示素子として応用した例はほとんど知られていない。液晶類似の構造を有する以下のような化合物群がこれまでに公知となっているが、いずれもその用途は液晶表示素子ではなく、これらの化合物の液晶としての特性、物性等については全く明らかでない。

Figure 2006193509
Oriental Journal of Chemistry (1987), 3(2), 174-8 Journal of Organometallic Chemistry (1990), 387(3), 381-90
本発明の第一の目的は、化合物に必要な一般的物性、小さな粘度、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、および他の液晶性化合物との優れた相溶性を有する液晶性化合物を提供することである。第二の目的は、この化合物を含有し、ネマチック相の広い温度範囲、小さな粘度、適切な光学異方性、および低いしきい値電圧を有する液晶組成物を提供することである。第三の目的は、この組成物を含有し、短い応答時間、小さな消費電力、大きなコントラスト、および高い電圧保持率を有する液晶表示素子を提供することにある。
上記の課題は、下記の[1]項に記載された化合物を特定発明とする本発明により解決される。
[1] 式(1)で表される化合物:

Figure 2006193509
ここに、Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
、A、およびAは独立して1,4−シクロヘキシレン、または1,4−フェニレンであり、1,4−シクロヘキシレンにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、1,4−フェニレンにおいて任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、そしてこれらの環において任意の水素はフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよく;
、Z、およびZは独立して単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH−、−O(CHO−、−(CHCFO−、−(CHOCF−、−CFO(CH−、−OCF(CH−、−CH=CH−CHO−、または−OCH−CH=CH−であり;
Xは水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFであり;
Gは酸素または硫黄であり;
nおよびmは独立して0、1または2であり;
そして、次の(i)〜(iii)のいずれかであるとき、Rは水素であってもよい。
(i)nおよびmの和が1または2である;
(ii)Xがフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである;
(iii)A、AおよびAの少なくとも1つが、任意の水素がフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられた1,4−フェニレンである。
本発明の化合物は、化合物に必要な一般的物性、熱、光などに対する安定性、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、他の液晶性化合物との優れた相溶性を有する。本発明の液晶組成物は、これらの化合物の少なくとも1つを含有し、そしてネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、低いしきい値電圧を有する。本発明の液晶表示素子は、この組成物を含有し、そして使用できる広い温度範囲、短い応答時間、大きなコントラスト比、低い駆動電圧を有する。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶性化合物は、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶性化合物、液晶組成物、液晶表示素子をそれぞれ化合物、組成物、素子と略すことがある。液晶表示素子は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。ネマチック相の上限温度はネマチック相−等方相の相転移温度であり、そして単に上限温度と略すことがある。ネマチック相の下限温度を単に下限温度と略すことがある。式(1)で表わされる化合物を化合物(1)と略すことがある。この略記は式(2)などで表される化合物にも適用することがある。式(2)から式(14)において、六角形で囲んだB、D、Eなどの記号はそれぞれ環B、環D、環Eなどを意味する。百分率で表した化合物の量は組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)である。
「任意の」は、位置だけでなく個数についても任意であることを示すが、個数が0である場合を含まない。任意のAがB、CまたはDで置き換えられてもよいという表現は、任意のAがBで置き換えられる場合、任意のAがCで置き換えられる場合および任意のAがDで置き換えられる場合に加えて、複数のAがB〜Dの少なくとも2つで置き換えられる場合をも含むことを意味する。例えば、任意の−CH−が−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよいアルキルには、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルケニルオキシアルキルなどが含まれる。なお、本発明においては、連続する2つの−CH−が−O−または−S−で置き換えられて、−O−O−、−O−S−または−S−S−になることは好ましくない。そして、アルキルにおける末端の−CH−が−O−または−S−で置き換えられることも好ましくない。
本発明は、上記の[1]項と下記の[2]〜[33]項で構成される。
[2] 式(1)で表される化合物:

Figure 2006193509
ここに、Rは炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、炭素数2〜15のアルコキシアルキルまたは炭素数2〜15のアルケニルであり;
、AおよびAは互いに独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、フッ素化1,4−フェニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;
Gは酸素または硫黄であり;
,ZおよびZは互いに独立して単結合、−(CH−、−CHO−、または−OCH−であり;
Xはフッ素または水素であり;
nおよびmは独立して0または1であり;
そして、次の(iv)〜(vi)のいずれかであるとき、Rは水素であってもよい。
(iv)nおよびmの和が1または2である、
(v)Xがフッ素である、
(vi)A、AおよびAの少なくとも1つが任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンである。
[3] Gが酸素であり、そしてZ,ZおよびZが単結合である、[2]項に記載の化合物。
[4] Gが酸素であり、Z,ZおよびZが単結合であり、そしてA、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンである、[2]項に記載の化合物。
[5] Gが酸素であり、Z,ZおよびZが単結合であり、A、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレンまたはフッ素化1,4−フェニレンであり、そしてRが炭素数1〜15のアルキルである、[2]項に記載の化合物。
[6] A、AおよびAのいずれか1つがフッ素化1,4−フェニレンである、[5]項に記載の化合物。
[7] Gが酸素であり、Z,ZおよびZが単結合であり、A、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンであり、そしてRが炭素数2〜15のアルケニルである、[2]項に記載の化合物。
[8] A、AおよびAのいずれか1つがフッ素化1,4−フェニレンである、[7]項に記載の化合物。
[9] Gが酸素であり、Z,ZおよびZが単結合であり、そしてA、AおよびAのいずれか1つが1,4−シクロへキシレンである、[2]項に記載の化合物。
[10] Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−CHO−または−OCH−である、[2]項に記載の化合物。
[11] Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−CHO−または−OCH−であり、そしてA、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンである、[2]項に記載の化合物。
[12] Gが酸素であり、そしてZ、ZおよびZのいずれか1つが−(CH−である、[2]項に記載の化合物。
[13] Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−(CH−であり、そしてA、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンである、[2]項に記載の化合物。
[14] Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−(CH−であり、A、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンであり、そしてRが炭素数1〜15のアルキルである、[2]項に記載の化合物。
[15] A、AおよびAのいずれか1つがフッ素化1,4−フェニレンである、[14]項に記載の化合物。
[16] Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−(CH−であり、A、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンであり、そしてRが炭素数2〜15のアルケニルである、[2]項に記載の化合物。
[17] A、AおよびAのいずれか1つがフッ素化1,4−フェニレンである、[16]項に記載の化合物。
[18] Gが硫黄である、[2]項に記載の化合物。
[19] 式(1a)〜式(1m)のいずれか1つで表される化合物:

Figure 2006193509
ここに、Rは炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、または炭素数2〜15のアルケニルであり、Y〜Yは独立して水素またはフッ素である。
[20] Rが炭素数1〜7のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜7のアルケニルである、[19]項に記載の化合物。
[21] Rが炭素数1〜7のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜7のアルケニルであり、そしてY〜Yのいずれか1つがフッ素である、[19]項に記載の化合物。
[22] 下記の式のいずれか1つで表される化合物:

Figure 2006193509
ここに、Rは炭素数1〜7のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜7のアルケニルである。
[23] [1]〜[22]のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1つ含有し、少なくとも2つの化合物からなる液晶組成物。
[24] 式(2)、式(3)および式(4)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、[23]項に記載の液晶組成物:

Figure 2006193509
ここに、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xはフッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFであり;環Bおよび環Dは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはフッ素化1,4−フェニレンであり、環Eは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたはフッ素化1,4−フェニレンであり;ZおよびZは独立して−(CH−、−(CH−、−COO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素である。
[25] 式(5)および(6)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、[23]項に記載の液晶組成物:

Figure 2006193509
ここに、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xは−CNまたは−C≡C−CNであり;環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;環Jは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたはフッ素化1,4−フェニレンであり;環Kは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Zは−(CH−、−COO−、−CFO−、−OCF−、または単結合であり;L、LおよびLは独立して水素またはフッ素であり;そしてb、cおよびdは独立して0または1である。
[26] 式(7)、式(8)、式(9)、式(10)および式(11)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、[23]項に記載の液晶組成物:

Figure 2006193509
ここに、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Rはフッ素または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Mおよび環Pは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたはデカヒドロ−2,6−ナフチレンであり;ZおよびZは独立して−(CH−、−COO−または単結合であり;そして、LおよびLは独立して水素またはフッ素であって、LとLの少なくとも1つはフッ素である。
[27] 式(12)、式(13)および式(14)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、[23]項に記載の液晶組成物:

Figure 2006193509
ここに、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたはフッ素化1,4−フェニレンであり;そしてZおよびZ10は独立して−C≡C−、−COO−、−(CH−、−CH=CH−、または単結合である。
[28] [25]項に記載の式(5)および式(6)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、[24]項に記載の液晶組成物。
[29] [27]項に記載の式(12)、式(13)および式(14)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、[24]項に記載の液晶組成物。
[30] [27]項に記載の式(12)、式(13)および式(14)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、[25]項に記載の液晶組成物。
[31] [27]項に記載の式(12)、式(13)および式(14)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、[26]項に記載の液晶組成物。
[32] 少なくとも1つの光学活性化合物をさらに含有する、[23]〜[31]のいずれか1項に記載の液晶組成物。
[33] [23]〜[32]のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
本発明の化合物は式(1)で表される化合物である。

Figure 2006193509
式(1)において、Rは炭素数1〜20のアルキルである。このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。例えば、CH(CH−において任意の−CH−を−O−、−S−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えた基の例は、CH(CHO−、CH−O−(CH−、CH−O−CH−O−、CH(CHS−、CH−S−(CH−、CH−S−CH−S−、CH=CH−(CH−、CH−CH=CH−(CH−、CH−CH=CH−CHO−、CH−CH≡CH−(CH−などである。
このようなRの例は、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルコキシ、アシル、アシルアルキル、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルキニル、アルキニルオキシ等である。これらの基において分岐よりも直鎖の方が好ましい。Rが分岐の基であっても光学活性であるときは好ましい。アルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。−CH=CHCH、−CH=CHC、−CH=CHC、−CH=CHC、−CCH=CHCH、および−CCH=CHCのような奇数位に二重結合をもつアルケニルにおいてはトランス配置が好ましい。−CHCH=CHCH、−CHCH=CHC、および−CHCH=CHCのような偶数位に二重結合をもつアルケニルにおいてはシス配置が好ましい。
アルキルの具体的な例は、−CH、−C、−C、−C、−C11、−C13、−C15、−C17、−C19および−C1021である。アルコキシの具体的な例は、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、および−OC15である。アルコキシアルキルの具体的な例は、−CHOCH、−CHOC、−CHOC、−(CHOCH、−(CHOC、−(CHOC、−(CHOCH、−(CHOCH、および−(CHOCHである。アルケニルの具体的な例は、−CH=CH、−CH=CHCH、−CHCH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHCH、−(CHCH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHC、−(CHCH=CHCH、および−(CHCH=CHである。アルケニルオキシの具体的な例は、−OCHCH=CH、−OCHCH=CHCH、および−OCHCH=CHCである。アルキニルの具体的な例は、−C≡CCHおよび−C≡CCである。
そして、Rの好ましい例は、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、炭素数2〜15のアルコキシアルキル、および炭素数2〜15のアルケニルである。Rのより好ましい例は、炭素数1〜7のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、および炭素数2〜7のアルケニルである。
好ましいRの具体的な例は、−CH、−C、−C、−C、−C11、−C13、−OCH、−OC、−OC、−CHOCH、−CH=CH、−CH=CHCH、−(CHCH=CH、および−(CHCH=CHCHである。
式(1)におけるA、AおよびAは、独立して1,4−シクロヘキシレン、または1,4−フェニレンである。この1,4−シクロヘキシレンにおける任意の−CH−は、−O−、−S−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよい。この1,4−フェニレンにおける任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよい。これらの定義による範囲に含まれる環の好ましい例は、下記の式(15−1)〜式(15−22)である。さらに好ましい例は、式(15−1)〜式(15−5)、式(15−14)〜式(15−18)、式(15−21)および式(15−22)である。

Figure 2006193509
上記の定義による範囲に含まれる環において、任意の水素はフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよい。任意の水素がフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられた環の好ましい例は、下記の式(16−1)〜式(16−37)である。さらに好ましい例は、式(16−1)〜式(16−4)、式(16−6)、式(16−10)〜式(16−14)、および式(16−35)である。

Figure 2006193509
、AまたはAの好ましい例は、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルおよびピリダジン−2,5−ジイルである。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はシスよりもトランスが好ましい。
、AまたはAの最も好ましい例は、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、およびピリミジン−2,5−ジイルである。
なお、本発明においては、左右非対称の2価の環は式(1)において逆向きに結合してもよい。
式(1)におけるZ、ZおよびZは結合基である。これらの結合基は、独立して単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH−、−O(CHO−、−(CHCFO−、−(CHOCF−、−CFO(CH−、−OCF(CH−、−CH=CH−CHO−、または−OCH−CH=CH−である。これらのうち−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CH−CHO−、および−OCH−CH=CH−のような結合基の二重結合に関する立体配置はシスよりもトランスが好ましい。
、ZまたはZの好ましい例は、単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−および−CH=CH−である。
式(1)において、Xは水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHFまたは−OCHFであり、Gは酸素または硫黄であり、そしてnおよびmは独立して0、1または2である。nとmの和は0、1または2であることが好ましい。
そして、次の(i)〜(iii)のいずれかであるとき、式(1)中のRは水素であってもよい。
(i)nおよびmの和が1または2である;
(ii)Xがフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである;
(iii)A、AおよびAの少なくとも1つが、任意の水素がフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられた1,4−フェニレンである。
本発明の化合物(1)についてさらに説明する。縮合環を1環と数えるとき、化合物(1)は2〜6環の化合物である。好ましい環数は2〜4である。この化合物は、素子が通常使用される条件下において物理的および化学的に極めて安定であり、そして他の液晶性化合物との相溶性がよい。この化合物を含有する組成物は素子が通常使用される条件下で安定である。この組成物を低い温度で保管しても、この化合物が結晶(またはスメクチック相)として析出することがない。この化合物は、化合物に必要な一般的物性、適切な光学異方性、そして適切な誘電率異方性を有する。
化合物(1)の末端基、環および結合基を適切に選択することによって、光学異方性、誘電率異方性などの物性を任意に調整することが可能である。末端基、環および結合基の種類が化合物(1)の物性に与える効果を以下に説明する。
化合物(1)は、誘電率異方性が正に大きい。大きな誘電率異方性を有する化合物は、組成物のしきい値電圧を下げるための成分として有用である。
Rが直鎖であるときは液晶相の温度範囲が広くそして粘度が小さい。Rが分岐鎖であるときは他の液晶性化合物との相溶性がよい。Rが光学活性基である化合物は、キラルドーパントとして有用である。この化合物を組成物に添加することによって、素子に発生するリバース・ツイスト・ドメイン(Reverse twisted domain)を防止することができる。Rが光学活性基でない化合物は組成物の成分として有用である。Rがアルケニルであるとき、好ましい立体配置は二重結合の位置に依存する。好ましい立体配置を有するアルケニル化合物は、高い上限温度または液晶相の広い温度範囲を有する。これらの情報については、Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 109、およびMol. Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 327に詳細な説明がある。
環の多くが任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであるときは、誘電率異方性が大きい傾向がある。環の多くが任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−3,6−ジイルであるときは、光学異方性が大きい傾向がある。環の多くが1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであるときは、光学異方性が小さい傾向がある。
少なくとも2つの環が1,4−シクロヘキシレンであるときは、上限温度が高く、光学異方性が小さく、そして粘度が小さい傾向がある。少なくとも1つの環が1,4−フェニレンであるときは、光学異方性が比較的大きく、そして配向秩序パラメーター(orientational order parameter)が大きい傾向がある。少なくとも2つの環が1,4−フェニレンであるときは、光学異方性が大きく、液晶相の温度範囲が広く、そして上限温度が高い傾向がある。
結合基の多くが単結合、−(CH22−、−CH2O−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−(CH2−であるときは粘度が小さい傾向がある。結合基の多くが単結合、−(CH22−、−OCF−、−CFO−、または−CH=CH−であるときは粘度がより小さい傾向がある。結合基に−CH=CH−が含まれるときは液晶相の温度範囲が広く、そして弾性定数比K33/K11(K33:ベンド弾性定数、K11:スプレイ弾性定数)が大きい傾向がある。結合基に−C≡C−が含まれるときは光学異方性が大きい傾向がある。
化合物(1)が2環または3環を有するときは粘度が小さい傾向がある。化合物(1)が3環または4環を有するときは上限温度が高い傾向がある。以上のように、末端基、環および結合基の種類、環の数を適当に選択することにより目的の物性を有する化合物を得ることができる。したがって、化合物(1)はPC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、VAなどの素子に用いられる組成物の成分として有用である。
化合物(1)の好ましい例は、本発明の[19]項に記載した化合物(1−a)〜化合物(1−m)である。より具体的な例は、下記の化合物(1−1)〜(1−45)である。これらの化合物におけるRは、[2]項に記載した記号と同一の意味を有する。

Figure 2006193509

Figure 2006193509

Figure 2006193509
化合物(1)のさらに好ましい具体例は下記の化合物である。

Figure 2006193509
これらの式におけるRは、炭素数1〜7のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜7のアルケニルである。
化合物(1)は有機合成化学における手法を適切に組み合わせることにより合成する。出発物に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、オーガニックシンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載されている。
結合基を生成する方法の一例に関して、最初にスキームを示し、次に項(I)〜項(XI)でスキームを説明する。このスキームにおいて、MSGまたはMSGは少なくとも1つの環を有する1価の有機基である。スキームで用いた複数のMSG(またはMSG)は、同一であってもよいし、または異なってもよい。化合物(1A)から(1K)は化合物(1)に相当する。

Figure 2006193509

Figure 2006193509

Figure 2006193509

Figure 2006193509

Figure 2006193509
(I)単結合の生成
アリールホウ酸(21)と公知の方法で合成される化合物(22)とを、炭酸塩水溶液とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反応させて化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で化合物(22)を反応させることによっても合成される。
(II)−COO−と−OCO−の生成
化合物(23)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(24)を得る。化合物(24)と、公知の方法で合成されるフェノール(25)とをDDC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって−OCO−を有する化合物も合成する。
(III)−CFO−と−OCF−の生成
化合物(1B)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(26)を得る。化合物(26)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CFO−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は化合物(26)を(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(DAST)でフッ素化しても合成される。W. H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって−OCF−を有する化合物も合成する。Peer. Kirsch et al., Anbew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 1480.に記載の方法によってこれらの結合基を生成させることも可能である。
(IV)−CH=CH−の生成
化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理した後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのホルムアミドと反応させてアルデヒド(28)を得る。公知の方法で合成されるホスホニウム塩(27)をカリウムtert−ブトキシドのような塩基で処理して発生させたリンイリドを、アルデヒド(28)に反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
(V)−(CH−の生成
化合物(1D)をパラジウム炭素のような触媒の存在下で水素化することにより、化合物(1E)を合成する。
(VI)−(CH−の生成
ホスホニウム塩(27)の代わりにホスホニウム塩(29)を用い、項(IV)の方法に従って−(CH−CH=CH−を有する化合物を得る。これを接触水素化して化合物(1F)を合成する。
(VII)−C≡C−の生成
ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、化合物(23)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物(30)を得る。ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(30)を化合物(22)と反応させて、化合物(1G)を合成する。
(VIII)−CF=CF−の生成
化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理したあと、テトラフルオロエチレンを反応させて化合物(31)を得る。化合物(22)をn−ブチルリチウムで処理したあと化合物(31)と反応させて化合物(1H)を合成する。
(IX)−CHO−または−OCH−の生成
化合物(28)を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元して化合物(32)を得る。これを臭化水素酸などでハロゲン化して化合物(33)を得る。炭酸カリウムなどの存在下で、化合物(33)を化合物(25)と反応させて化合物(1J)を合成する。
(X)−(CH23O−または−O(CH23−の生成
化合物(32)の代わりに化合物(34)を用いて、項(IX)の方法に従って化合物(1K)を合成する。
(XI)−(CF22−の生成
J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 5414.に記載された方法に従い、ジケトン(−COCO−)をフッ化水素触媒の存在下、四フッ化硫黄でフッ素化して−(CF22−を有する化合物を得る。
次に式(1)で表されるジヒドロクマリン化合物を合成する方法の具体例を下記のスキームに示す。初めにフルオロフェノール骨格を有する合成中間体(36)を出発物質としたジヒドロクマリン化合物(1)を合成する方法の一例を述べる。

Figure 2006193509
上記の各スキームにおいて、これらの化合物におけるR、A、A、A、Z、Z、およびZの意味は、[1]項に記載した記号の意味と同一である。R’およびR”の意味は図中に示した。出発物質であるフルオロフェノールはDE4137401A1などに記載の方法によって合成される。化合物(37)は、化合物(36)とハロゲン化物(R’X)と塩基を作用させることによって得られる。R’は保護基として使用するため後の操作で適宜除去できるものを選択して使用する。保護基の具体的種類、反応条件等はProtective Groups in Organic Synthesis 3rd ed., T.W. Green and P.G.M.Wuts, John Wiley & Sons, New York, NY, (1999)などの文献に記載の方法から適宜選択して用いる。臭素化物(38)は化合物(37)と臭素との反応によって合成する。これらの反応は好ましくは無溶媒または塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒中、−80℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。得られた化合物(38)をTHF等の非プロトン性極性溶媒中、ブチルリチウム、水素化カリウム等の塩基で処理した後、ジメチルホルムアミド、N−ホルミルピペリジン等のホルミル化剤と反応させることにより(39)のベンズアルデヒド誘導体を得る。あるいは化合物(39)は化合物(37)をTHF、ジエチルエーテル等の溶媒中、−100℃から室温の領域でブチルリチウム等の塩基を用いて処理した後に−100℃から室温の領域でジメチルホルムアミド、N−ホルミルピペリジン等のホルミル化剤と反応させることによって化合物(38)を経ずに直接合成することもできる。得られた化合物(39)はB.E.Maryanoff et al., Chem. Rev.,89,863(1989)などの文献に記載の方法に従ってTHF、ジエチルエーテル等の溶媒中でトリエチルホスホノアセテートおよび水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、水酸化カルシウム等の試薬と反応させることによって桂皮酸エステル誘導体(40)に変換できる。化合物(40)はパラジウム炭素、白金炭素、ロジウム炭素等の接触水素添加反応用不均一触媒存在下、水素ガスを用いて水素化することによりフェニルプロピオン酸エステル(41)へと変換する。この際に用いられる溶媒は水、エタノール、トルエン、酢酸等が好ましく、水素は必要によって加圧条件下で反応に供される。得られた化合物(41)はスキームの初期に導入された保護基R’を除去することにより化合物(42)へと変換される。この場合の除去条件はProtective Groups in Organic Synthesis 3rd ed., T.W. Green and P.G.M.Wuts, John Wiley & Sons, New York, NY, (1999)等に従う。化合物(42)はパラトルエンスルホン酸、硫酸等の酸触媒存在下、トルエン等の非極性溶媒中、加熱環流することにより環化し目的とする化合物(1)へ変換される。
化合物(1)は次に示す方法でも合成できる。

Figure 2006193509
(I)nが0であり、mが0であり、Zが単結合であり、そしてAが1,4−フェニレンである化合物;nが1であり、mが0であり、Zが単結合であり、そしてAが1,4−フェニレンである化合物;またはnが1であり、mが1であり、Zが単結合であり、そしてAが1,4−フェニレンである化合物:
R’がハロゲンである化合物(44)は、ジヒドロクマリンを直接臭素または酸化剤存在下にヨウ素と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくは無溶媒または塩化メチレン、またはクロロホルムなどの溶媒中、−75℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。R’がトリフルオロメタンスルホニル、またはトルエンスルホニルである化合物(44)は、後述する化合物(43)をトリフルオロメタンスルホニルクロリド、無水トリフルオロメタンスルホン酸またはトルエンスルホニルクロリド等のスルホニル化剤と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくは無溶媒または塩化メチレン、またはクロロホルムなどの溶媒中、−75℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(I)は、化合物(43)をホウ酸エステル化合物(45)と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはトルエン等の芳香族系炭化水素、エタノール等のアルコール系炭化水素、またはエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系炭化水素、またはこれらと水との混合液などの溶媒中、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、金属触媒を用いて室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。金属触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウム−カーボンなどが用いられる。
あるいは化合物(1)は次のような方法でも合成できる。すなわち化合物(44)を削り状マグネシウム、リチウム金属、あるいは亜鉛末等と反応させるか、THF等の溶媒中ブチルリチウム等で処理した後、ハロゲン化亜鉛溶液を加えて化合物(46)の溶液を調整する。この化合物(46)の溶液をTHF,エーテル、ジオキサン等の溶媒中、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムまたはジクロロジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム等の金属触媒存在下に化合物(47)と反応させることによっても合成できる。
(II)nが0、mが0であってZが−(CH−である化合物;nが1、mが0であってZが−(CH−である化合物;またはnが1、mが1であってZが−(CH−である化合物:

Figure 2006193509
化合物(49)は、化合物(46)をアルデヒド(48)と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−100℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(50)は、化合物(49)をp−トルエンスルホン酸、硫酸等の酸を用いて脱水することによって合成する。これらの反応は、好ましくはトルエンなどの溶媒中、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(1)は、化合物(48)をラネーニッケル、パラジウム−カーボン等の触媒を用いて水素添加することによって合成する。これらの反応は、好ましくはメタノール、エタノールなどのアルコール系炭化水素、トルエンなどの芳香族系炭化水素、ヘプタンなどの脂肪族系炭化水素またはこれらの混合液などの溶媒中、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。水素圧は常圧〜10気圧が好ましい。
化合物(1)は化合物(47)をトリフルオロ酢酸溶媒中または塩化メチレン中、四塩化チタン存在下にトリエチルシラン等のヒドロシランを作用させることによっても合成できる。この反応において反応温度は−50℃から室温程度が好ましい。
(III)nが0であり、mが0であり、Zが単結合であり、そしてAが1,4−シクロヘキシレンである化合物;nが1であり、mが0であり、Zが単結合であり、そしてAが1,4−シクロヘキシレンである化合物;またはnが1であり、mが1であり、Zが単結合であり、そしてAが1,4−シクロヘキシレンである化合物:
化合物(50)は、化合物(46)とシクロヘキサノン(51)と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−100℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(52)は、化合物(51)をp−トルエンスルホン酸、硫酸等の酸を用いて脱水することによって合成する。これらの反応は、好ましくはトルエンなどの溶媒中、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(1)は、化合物(53)をラネーニッケル、パラジウム−カーボン等の触媒を用いて水素添加することによって合成する。これらの反応は、好ましくはメタノール、エタノールなどのアルコール系炭化水素、トルエンなどの芳香族系炭化水素、ヘプタンなどの脂肪族系炭化水素またはこれらの混合液などの溶媒中、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。水素圧は常圧〜10気圧が好ましい。水素添加後の化合物(1)はシス体とトランス体の異性体混合物として得られるが、再結晶によりトランス体を主成分として得ることができる。あるいは化合物(1)は化合物(52)をトリフルオロ酢酸溶媒または塩化メチレン中、四塩化チタン存在下にトリエチルシラン等のヒドロシランを作用させることによっても合成できる。この反応において反応温度は−50℃から室温程度が好ましい。
(IV)Rがアルケニルである化合物

Figure 2006193509
既述のいずれかの方法で合成される化合物(54)を酸触媒存在下にケタールを開裂して化合物(55)を得る。化合物(55)はメトキシメチリデントリフェニルホスホランと反応させてメチルビニルエーテルとした後に希塩酸等の酸性条件下に脱保護して化合物(55)より1炭素伸長したアルデヒド(56)を得る。この方法を必要回数繰り返し、所望の炭素鎖を有する合成中間体である化合物(56)とした後、所望の鎖長を有するアルキリデントリフェニルホスホランと反応させることによって化合物(1)を得る。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−75℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(1)は、通常立体異性体の混合物として得られるが、必要に応じてベンゼンスルフィン酸、ヨウ素等を用いて異性化を行うか再結晶によって所望の立体のみを単離することもできる。または化合物(55)を、式(57)で示される炭素鎖伸長の為のホスホニウム塩とカリウム−tert−ブトキシド、水素化ナトリウム、ブチルリチウム等の塩基と反応させて発生するアルキリデンホスホランと反応させて生じる中間体を水素化し、酸で処理してケタールを開裂させることによって合成される化合物(56)にアルキルトリフェニルホスホニウム塩から発生されるアルキリデンホスホランを反応させることによっても製造できる。この場合も化合物(1)は、通常立体異性体の混合物として得られるが、必要に応じてベンゼンスルフィン酸、ヨウ素等を用いて異性化を行うか再結晶によって所望の立体のみを単離することもできる。

Figure 2006193509
(V)Gが硫黄である化合物(1)
Gが硫黄である化合物(1)は、Gが酸素である化合物(1)をローソン試薬等を用いて酸素を硫黄に変換することによって得られる。本反応はトルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素等の溶媒中室温から溶媒の沸点の領域で行うことが好ましい。必要な場合には封管、オートクレーブ等の加圧装置中で行うこともできる。
(VI)Xがフッ素である化合物(1)
Xがフッ素である化合物(1)はXが水素である化合物(1)をMEC試薬、(PhSO2)NF等のフッ素化材を用いて直接フッ素化することによって合成できる。この反応は塩化メチレン、THF等の溶媒存在下に−100℃から溶媒の沸点の領域で行われる。
(VII)Xがフッ素である化合物(44)の合成
前述の合成中間体である化合物(44)は例えば次のような合成スキームで合成される。
Figure 2006193509
すなわち、市販の3−フルオロ−4−ブロモフェノールを塩化メチレン等の溶媒中、トリアルキルシリルクロリド等の保護化試薬とイミダゾール等の適当な塩基存在下に水酸基をトリアルキルシリル基等で保護して化合物(58)とし、これをブチルリチウム等で金属試薬に変換した後、ホウ酸トリアルキル等を用いてホウ酸エステル誘導体(59)とする。この反応はTHF、エーテル等の溶媒中100℃から溶媒の沸点領域にて行われる。得られた化合物(59)は塩基性条件下に過酸化水素と反応させて化合物(60)へ変換する。この反応は通常、水酸化ナトリウム水溶液中に実施される。得られた化合物(60)はProtective Groups in Organic Synthesis 3rd ed., T.W. Green and P.G.M.Wuts, John Wiley & Sons, New York, NY, (1999)に記載の適当な保護基、例えばベンジル基、ベンゾイル基等で保護して化合物(61)とし、さらに無溶媒または塩化メチレン等の溶媒中臭素をもちいて臭素化して化合物(62)へと変換する。化合物(62)はDMF、NMP等の溶媒中、シアン化銅等のシアノ化剤を用いてシアノ化して化合物(63)へと変換した後、DIBAL等の還元剤を用いて還元してアルデヒド(64)とし、さらにトリエチルホスホノアセテートと水素化ナトリウム等の塩基を用いて桂皮酸エステル(65)へと変換する。化合物(66)は化合物(65)をラネーニッケル、パラジウム−カーボン等の触媒を用いて水素添加することによって合成する。これらの反応は、好ましくはメタノール、エタノールなどのアルコール系炭化水素、トルエンなどの芳香族系炭化水素、ヘプタンなどの脂肪族系炭化水素またはこれらの混合液などの溶媒中、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(67)はR’を残したままR”を除去できる条件を適用させて反応させる。たとえばR’がトリメチルシリル基であり、R”がベンジル基の場合水素添加条件にてベンジル基だけを除去することができる。化合物(68)は化合物(67)をトルエンスルホン酸等の酸で処理することにより得られる。化合物(43)は化合物(68)のR’基をProtective Groups in Organic Synthesis 3rd ed., T.W. Green and P.G.M.Wuts, John Wiley & Sons, New York, NY, (1999)に記載の方法にて除去することによって得られる。
本発明の組成物をさらに説明する。この組成物の成分は化合物(1)から選ばれた複数の化合物のみであってもよい。好ましい組成物は化合物(1)から選択された少なくとも1つの化合物を1〜99%の割合で含有する。この組成物は化合物(2)〜(14)の群から選択された成分を主として含有する。組成物を調製するときには、化合物(1)の誘電率異方性を考慮して成分を選択する。
誘電率異方性が正で大きい化合物(1)を含有する好ましい組成物は次のとおりである。この好ましい組成物は化合物(2)、化合物(3)および化合物(4)の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する。別の好ましい組成物は、化合物(5)および化合物(6)の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する。別の好ましい組成物は、このような2つの群のそれぞれから選択された少なくとも2つの化合物を含有する。これらの組成物は、液晶相の温度範囲、粘度、光学異方性、誘電率異方性、しきい値電圧などを調整する目的で、化合物(12)、化合物(13)および化合物(14)の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有してもよい。これらの組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(7)〜化合物(11)の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有してもよい。これらの組成物は、AM−TN素子、STN素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
別の好ましい組成物は化合物(12)〜化合物(14)の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(7)〜化合物(11)の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、AM−TN素子、STN素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
誘電率異方性が小さい化合物(1)を含有する好ましい組成物は次のとおりである。好ましい組成物は化合物(2)〜化合物(4)の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する。別の好ましい組成物は、化合物(5)および化合物(6)の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する。別の好ましい組成物は、このような2つの群のそれぞれから選択された少なくとも2つの化合物を含有する。これらの組成物は、液晶相の温度範囲、粘度、光学異方性、誘電率異方性、しきい値電圧などを調整する目的で、化合物(12)〜化合物(14)の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(7)〜化合物(11)の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、AM−TN素子、STN素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
別の好ましい組成物は、化合物(7)〜化合物(11)の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する。この組成物は、化合物(12)〜化合物(14)の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(2)〜化合物(6)の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、VA素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
化合物(2)〜化合物(4)は、誘電率異方性が正で大きいので、AM−TN素子用の組成物に主として用いられる。この組成物において、これらの化合物の量は1〜99%である。好ましい量は10〜97%である。より好ましい量は40〜95%である。この組成物に化合物(12)、化合物(13)または化合物(14)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい量は60%以下である。より好ましい量は40%以下である。
化合物(5)および化合物(6)は、誘電率異方性が正で非常に大きいので、STN素子用の組成物に主として用いられる。この組成物において、これらの化合物の量は1〜99%である。好ましい量は10〜97%である。より好ましい量は40〜95%である。この組成物に化合物(12)、化合物(13)または化合物(14)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい量は60%以下である。より好ましい量は40%以下である。
化合物(7)〜化合物(11)は、誘電率異方性が負であるので、VA素子用の組成物に主として用いられる。これらの化合物の好ましい量は80%以下である。より好ましい量は40〜80%である。この組成物に化合物(12)、化合物(13)または化合物(14)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい量は60%以下である。より好ましい量は40%以下である。
化合物(12)〜化合物(14)の誘電率異方性は小さい。化合物(12)は粘度または光学異方性を調整する目的で主に使用される。化合物(13)および化合物(14)は上限温度を上げて液晶相の温度範囲を広げる、または光学異方性を調整する目的で使用される。化合物(12)〜化合物(14)の量を増加させると組成物のしきい値電圧が高くなり、粘度が小さくなる。したがって、組成物のしきい値電圧の要求値を満たすかぎり多量に使用してもよい。
化合物(2)〜化合物(14)の好ましい例は、それぞれ化合物(2−1)〜化合物(2−9)、化合物(3−1)〜化合物(3−97)、化合物(4−1)〜化合物(4−33)、化合物(5−1)〜化合物(5−56)、化合物(6−1)〜化合物(6−3)、化合物(7−1)〜化合物(7−4)、化合物(8−1)〜化合物(8−6)、化合物(9−1)〜化合物(9−4)、化合物(10−1)、化合物(11−1)、化合物(12−1)〜化合物(12−11)、化合物(13−1)〜化合物(13−21)、および化合物(14−1)〜化合物(14−6)である。これらの化合物において、R、R、R、R、R、R、R、X、およびXは、式(2)〜式(14)におけるこれらの記号と同一の意味を有する。

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本発明の組成物は公知の方法によって調製される。例えば、成分である化合物を混合し、加熱によって互いに溶解させる。組成物に適当な添加物を加えて組成物の物性を調整してもよい。このような添加物は当業者によく知られている。メロシアニン、スチリル、アゾ、アゾメチン、アゾキシ、キノフタロン、アントラキノン、テトラジンなどの化合物である二色性色素を添加してGH素子用の組成物を調製してもよい。一方、液晶のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を与える目的でキラルドーパントが添加される。キラルドーパントの例は上記の光学活性化合物(Op−1)〜(Op−13)である。
キラルドーパントを組成物に添加してねじれのピッチを調整する。TN素子およびTN−TFT素子用の好ましいピッチは40〜200μmの範囲である。STN素子用の好ましいピッチは6〜20μmの範囲である。BTN素子用の好ましいピッチは1.5〜4μmの範囲である。PC素子用の組成物にはキラルドーパントを比較的多量に添加する。ピッチの温度依存性を調整する目的で、少なくとも2つのキラルドーパントを添加してもよい。
本発明の組成物は、PC、TN、STN、BTN,ECB、OCB、IPS、VAなどの素子に使用できる。これらの素子は駆動方式がPMであってもよいし、またはAMであってもよい。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymer dispersed)素子、例えばPN(polymer network)素子にも使用できる。
実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によって制限されない。No.1などの化合物番号は、後の表で示した化合物のそれと対応する。得られた化合物は核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトルなどで構造を同定した。
[実施例1]
<6−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロクマリン(No.72)の合成>
第1段:
4−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェノール(0.5g)を塩化メチレン(5ml)およびクロロベンゼン(1ml)の混合溶媒に溶解し氷冷下に撹拌しながら臭素(0.28g)の塩化メチレン(2ml)溶液を滴下した。滴下終了後、反応液を室温で30分撹拌した後、氷水に投じ、塩化メチレンで抽出した。有機層を水洗、チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メチレン溶液を減圧下に濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、2−ブロモ−4−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェノールの白色結晶(0.25g)を得た。
第2段:
上述の2−ブロモ−4−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェノール(250mg)、炭酸カリウム(109mg)およびベンジルクロリド(135mg)を混合し、DMF(2ml)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(20mg)を加えて30分加熱還流した。反応終了後、反応液を水に投じ、トルエンで抽出した。得られたトルエン層を水洗、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧下に濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、2−ブロモ−4−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル ベンジルエーテルの無色結晶(300mg)を得た。
第3段:
上述の2−ブロモ−4−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル ベンジルエーテル(0.8g)のTHF溶液に−60℃でsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(2.82ml、1.0M)を滴下した。滴下終了後、反応液を同温度で1時間撹拌しDMF(340mg)を滴下し、その後徐々に室温まで昇温した。反応終了後、反応液を氷水に投じトルエンで抽出し、水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、2−ホルミル−4−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル ベンジルエーテルの白色結晶(0.5g)を得た。
第4段:
ジエチルホスホノ酢酸エチル(220mg)のTHF溶液をー40℃に冷却しながらカリウムブトキシド(109mg)を添加し同温度でさらに1時間撹拌した。反応液に上述の2−ホルミル−4−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル ベンジルエーテル(340mg)のTHF溶液を滴下した。滴下終了後溶液を徐々に室温まで昇温した。反応終了後、反応液を氷水に投じトルエンで抽出し、水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、2−(2−ベンジルオキシ−5−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)桂皮酸エチルの白色結晶を得た。
第5段:
上述の2−ベンジルオキシ−5−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)桂皮酸エチル(400mg)にパラジウム炭素(5%、100mg)を加え、トルエン/ソルミックス=1/1混合溶媒(2ml)に溶解した後、常圧水素雰囲気下に20時間撹拌した。反応終了後、溶液からパラジウム炭素をろ過により除去し、減圧下に濃縮して3−(2−ヒドロキシ−5−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル)プロピオン酸エチルを得た。このものは更なる精製を行わずに次反応に使用した。
第6段:
上述の3−(2−ヒドロキシ−5−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル)プロピオン酸エチルをトルエンに溶解し、パラトルエンスルホン酸(100mg)を加え、ディーンスタークの装置を付し、加熱還流下に3時間撹拌した。反応終了後、反応液を水洗した後炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧下に濃縮したのちシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し表題化合物(100mg)を得た。このものは種々機器分析の結果、表題化合物であることを確認した。
[実施例2]
<6−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−3,4−ジヒドロクマリン(No.60)の合成>
4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニルボロン酸(1.3g)、6−ブロモ−3、4−ジヒドロクマリン(1.0g)、炭酸カリウム(1.2g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(51mg)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(10mg)をDME(10ml)に懸濁させて加熱還流下に3時間撹拌した.反応終了後反応液を氷水に投じ、トルエンで抽出した。有機層を水洗した後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧下に濃縮したのちシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し表題化合物(500mg)を得た。このものは種々機器分析の結果、表題化合物であることを確認した。
[実施例3]
<8−フルオロ−6−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロクマリン(No.75)の合成>
実施例1に記載の方法と同様に2−フルオロ−4−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェノール(0.5g)から表題化合物(0.1g)を合成した。
[実施例4]
<6−(2−(4−ペンチルフェニル)エチル)−3,4−ジヒドロクマリン(No.28)の合成>
第1段:
アルゴン気流下、−100℃に冷却した6−ブロモ−3,4−ジヒドロクマリン(4.5g)のTHF(50ml)溶液にブチルリチウム(16ml、1.5M)を滴下した。滴下終了後、反応液を−78℃まで昇温し、臭化亜鉛(4.5g)のTHF(100ml)溶液を滴下した。滴下終了後、反応液を−30℃まで昇温し、2−(4−ペンチル−2−フルオロフェニル)アセトアルデヒド(4.1g)のTHF(40ml)溶液を滴下した。滴下終了後、反応液を室温まで昇温し、18時間攪拌した。反応液を氷水に投じ、トルエンで抽出し、水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧下に濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、6−(1−ヒドロキシ−2−(4−ペンチル−2−フルオロフェニル)エチル)−3,4−ジヒドロクマリン(3g)を得た。
第2段:
6−(1−ヒドロキシ−2−(4−ペンチル−2−フルオロフェニル)エチル)−3,4−ジヒドロクマリン(4g)のトルエン(30ml)溶液にパラトルエンスルホン酸(0.4g)を加えディーンスタークの装置を付し、3時間加熱環流した。反応終了後、反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧下に濃縮して得られた黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し、6−(2−(4−ペンチルフェニル)エテニル)−3,4−ジヒドロクマリン(3.2g)を得た。
第3段:
6−(2−(4−ペンチル−2−フルオロフェニル)エテニル)−3,4−ジヒドロクマリン(3.2g)のエタノール(30ml)溶液にパラジウム炭素(5%、0.3g)を加え、水素雰囲気下に24時間攪拌した。反応液から触媒を濾過により除去し、得られた溶液を減圧下に濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し表題化合物の白色結晶(2.1g)を得た。
[実施例5]
<8−フルオロ−6−(4−(4−ビニルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロクマリン(No.77)の合成>
第1段:
アルゴン気流下、−100℃に冷却した6−ブロモ−8−フルオロ−3,4−ジヒドロクマリン(4.8g)のTHF(50ml)溶液にブチルリチウム(1.6ml、1.5M)を滴下した。滴下終了後、反応液を−78℃まで昇温し、臭化亜鉛(5g)のTHF(100ml)溶液を滴下した。滴下終了後、反応液を−30℃まで昇温し、4−(4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)シクロヘキシル)シクロヘキサノン(5.0g)のTHF(50ml)溶液を滴下した。滴下終了後、反応液を室温まで昇温し、18時間攪拌した。反応液を氷水に投じ、トルエンで抽出し、水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧下に濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、1−(8−フルオロ−3,4−ジヒドロクマリン−6−イル)−4−(4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)シクロヘキシル)シクロヘキサノール(4.5g)の無色結晶を得た。
第2段:
1−(8−フルオロ−3,4−ジヒドロクマリン−6−イル)−4−(4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)シクロヘキシル)シクロヘキサノール(4.5g)のトルエン(50ml)溶液にパラトルエンスルホン酸(0.5g)を加えディーンスタークの装置を付し、3時間加熱環流した。反応終了後、反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧下に濃縮して得られた黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し、6−(4−(4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)シクロヘキシル)シクロヘキセニル)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロクマリン(4g)を得た。
第3段:
6−(4−(4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)シクロヘキシル)シクロヘキセニル)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロクマリン(4g)のエタノール溶液にパラジウム炭素(5%、0.4g)を加え、水素雰囲気下に24時間攪拌した。反応液から触媒を濾過により除去し、得られた溶液を減圧下に濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、6−(4−(4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)シクロヘキシル)シクロヘキシル)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロクマリン(3.2g)を得た。
第4段:
6−(4−(4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)シクロヘキシル)シクロヘキシル)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロクマリン(3.2g)のトルエン(30ml)溶液に蟻酸(98%、5ml)を加え加熱環流下に5時間攪拌した。反応液を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、6−(4−(4−ホルミルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロクマリン(2.5g)を得た。
第5段:
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(3.5g)をTHF(30ml)に懸濁し、−30℃に冷却して攪拌しながらカリウムブトキシド(1.2g)を添加した。同温で30分攪拌した後、反応液に6−(4−(4−ホルミルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロクマリン(3.2g)のTHF(30ml)溶液を滴下した。滴下終了後、反応液を室温まで昇温した後、氷水に投じトルエンで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し、再結晶して表題化合物(2.1g)を得た。
[実施例6]
<6−(4−エチルシクロヘキシル)−クロマン−2−チオン(No.175)の合成>
6−(4−エチルシクロヘキシル)−3,4−ジヒドロクマリン(2.6g)、ローソン試薬(3g)をキシレン(50ml)に溶解し、加熱環流下5時間反応させた。反応液を氷水に投じ、トルエンで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、表題化合物の白色結晶(1.1g)を得た。
実施例1〜6および上記の合成法をもとに、下記の化合物No.1〜No.193を合成する。上限温度、粘度、光学異方性および誘電率異方性の測定手順は組成物例で説明する。

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本発明の代表的組成の一例を以下に示す。物性値の測定方法は後述する方法に従った。
[組成例1]
4つの化合物を混合して、ネマチック相を有する組成物A(母液晶)を調製した。4つの化合物は、
4−(4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリル、(24%)
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル(36%)、
4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル(25%)、
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4’−シアノビフェニル(15%)である。
組成物Aの物性値は次のとおりであった。上限温度(NI)=71.7℃;粘度(η20)=27.0mPa・s;光学異方性(Δn)=0.137;誘電率異方性(Δε)=11.0。
この組成物Aに実施例2に記載の6−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−3,4−ジヒドロクマリンを10重量%添加して物性値を測定した。その結果、上限温度(NI)=80.4℃;光学異方性(Δn)=0.143;誘電率異方性(Δε)=11.4であった。
さらに本発明の代表的な組成物を組成物例2〜13にまとめた。最初に、組成物の成分である化合物とその量(重量%)を示した。化合物は下記の表1の取り決めに従い、左末端基、結合基、環構造、および右末端基の記号によって表示した。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はトランスである。末端基の記号がない場合は、末端基が水素であることを意味する。次に組成物の物性値を示した。物性値の測定は、日本電子機械工業規格(Standard of Electronic Industries Association of Japan)、EIAJ・ED−2521Aに記載された方法、またはこれを修飾した方法に従った。
<表1> 記号を用いた化合物の表記方法

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ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。
ネマチック相の下限温度(T;℃):ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶(またはスメクチック相)に変化したとき、Tを<−20℃と記載する。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
化合物の相溶性:類似の構造を有する幾つかの化合物を混合してネマチック相を有する母液晶を調製した。測定する化合物とこの母液晶とを混合した組成物を得た。混合する割合の一例は、15%の化合物と85%の母液晶である。この組成物を−20℃、−30℃のような低い温度で30日間保管した。この組成物の一部が結晶(またはスメクチック相)に変化したか否かを観察した。必要に応じて混合する割合と保管温度とを変更した。このようにして測定した結果から、結晶(またはスメクチック相)が析出する条件および結晶(またはスメクチック相)が析出しない条件を求めた。これらの条件が相溶性の尺度である。
粘度(η;20℃で測定;mPa・s):粘度の測定にはE型粘度計を用いた。
光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビング(rubbing)したあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。試料が組成物のときはこの方法によって光学異方性を測定した。試料が化合物のときは、化合物を適切な組成物に混合したあと光学異方性を測定した。化合物の光学異方性は外挿値である。
誘電率異方性(Δε;25℃で測定):試料が化合物のときは、化合物を適切な組成物に混合したあと誘電率異方性を測定した。化合物の誘電率異方性は外挿値である。
1)誘電率異方性が正である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ツイスト角が80度の液晶セルに試料を入れた。このセルに20ボルトを印加して、液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。0.5ボルトを印加して、液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
2)誘電率異方性が負である組成物:ホメオトロピック配向に処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε‖)を測定した。ホモジニアス配向に処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):試料が化合物のときは、化合物を適切な組成物に混合したあとしきい値電圧を測定した。化合物のしきい値電圧は外挿値である。
1)誘電率異方性が正である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が(0.5/Δn)μmであり、ツイスト角が80度である、ノーマリーホワイトモード(normally white mode)の液晶表示素子に試料を入れた。Δnは上記の方法で測定した光学異方性の値である。この素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率が90%になったときの電圧の値を測定した。
2)誘電率異方性が負である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μmであり、ホメオトロピック配向に処理したノーマリーブラックモード(normally black mode)の液晶表示素子に試料を入れた。この素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率10%になったときの電圧の値を測定した。
[組成例2]
3−HBCro=O 3%
3−HHCro=O 3%
2−BEB(F)−C 5%
3−BEB(F)−C 4%
4−BEB(F)−C 12%
1V2−BEB(F,F)−C 16%
3−HB−O2 10%
3−HH−4 3%
3−HHB−F 3%
3−HHB−1 8%
3−HHB−O1 4%
3−HBEB−F 4%
3−HHEB−F 4%
5−HHEB−F 4%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
3−HB(F)TB−2 5%
NI=89.6℃;Δn=0.147;Δε=28.4;Vth=1.05V.
[組成例3]
3−HHCro(F)=O 5%
2−HB−C 5%
3−HB−C 12%
3−HB−O2 15%
2−BTB−1 3%
3−HHB−F 4%
3−HHB−1 8%
3−HHB−O1 5%
3−HHB−3 9%
3−HHEB−F 4%
5−HHEB−F 4%
2−HHB(F)−F 7%
3−HHB(F)−F 7%
5−HHB(F)−F 7%
3−HHB(F,F)−F 5%
[組成例4]
3−BB(F)Cro=O 3%
3−B(F)B(F)Cro=O 4%
3−BB(F)Cro(F)=O 3%
3−BEB(F)−C 8%
3−HB−C 8%
V−HB−C 8%
1V−HB−C 8%
3−HB−O2 3%
3−HH−2V 14%
3−HH−2V1 7%
V2−HHB−1 7%
3−HHB−1 5%
3−HHEB−F 7%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
3−H2BTB−4 5%
[組成例5]
3−HBCro=O 3%
3−HB(F)Cro(F)=O 4%
5−BEB(F)−C 5%
V−HB−C 11%
5−PyB−C 6%
4−BB−3 11%
3−HH−2V 10%
5−HH−V 11%
V−HHB−1 5%
V2−HHB−1 10%
3−HHB−1 9%
1V2−HBB−2 10%
3−HHEBH−3 5%
[組成例6]
3−H2HCro(F)=O 5%
3−BB(F)2Cro=O 5%
1V2−BEB(F,F)−C 6%
3−HB−C 18%
2−BTB−1 10%
5−HH−VFF 30%
3−HHB−1 3%
VFF−HHB−1 5%
VFF2−HHB−1 6%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
[組成例7]
3−HBCro=O 3%
2−HHCro=O 5%
5−HB−CL 16%
3−HH−4 12%
3−HH−5 4%
3−HHB−F 4%
3−HHB−CL 3%
4−HHB−CL 4%
3−HHB(F)−F 7%
4−HHB(F)−F 7%
5−HHB(F)−F 7%
7−HHB(F)−F 7%
5−HBB(F)−F 4%
1O1−HBBH−5 3%
3−HHBB(F,F)−F 2%
4−HHBB(F,F)−F 3%
5−HHBB(F,F)−F 3%
3−HH2BB(F,F)−F 3%
4−HH2BB(F,F)−F 3%
NI=119.5℃;Δn=0.097;Δε=3.9;Vth=2.70V.
上記組成物100部にOp−5を0.25部添加したときのピッチは60.5μmであった。
[組成例8]
3−HHCro(F)=O 3%
3−H2HCro(F)=O 3%
3−HHB(F,F)−F 9%
3−H2HB(F,F)−F 8%
4−H2HB(F,F)−F 8%
5−H2HB(F,F)−F 8%
3−HBB(F,F)−F 18%
5−HBB(F,F)−F 18%
3−H2BB(F,F)−F 10%
5−HHBB(F,F)−F 3%
5−HHEBB−F 3%
3−HH2BB(F,F)−F 2%
1O1−HBBH−4 3%
1O1−HBBH−5 4%
[組成例9]
3−BB(F)Cro=O 3%
3−BB(F)2Cro=O 4%
5−HB−F 12%
6−HB−F 9%
7−HB−F 7%
2−HHB−OCF3 7%
3−HHB−OCF3 7%
4−HHB−OCF3 7%
5−HHB−OCF3 5%
3−HH2B−OCF3 4%
5−HH2B−OCF3 4%
3−HHB(F,F)−OCF2H 4%
3−HHB(F,F)−OCF3 5%
3−HH2B(F)−F 3%
3−HBB(F)−F 6%
5−HBB(F)−F 7%
5−HBBH−3 3%
3−HB(F)BH−3 3%
[組成例10]
3−B(F)B(F)Cro=O 3%
3−BB(F)Cro(F)=O 4%
3−HB(F)Cro(F)=O 3%
5−HB−CL 11%
3−HH−4 8%
3−HHB−1 5%
3−HHB(F,F)−F 8%
3−HBB(F,F)−F 12%
5−HBB(F,F)−F 13%
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 3%
5−HHEB(F,F)−F 3%
2−HBEB(F,F)−F 3%
3−HBEB(F,F)−F 5%
5−HBEB(F,F)−F 3%
3−HHBB(F,F)−F 6%
[組成例11]
3−HHCro=O 5%
3−HHCro(F)=O 5%
3−HB−CL 6%
5−HB−CL 4%
3−HHB−OCF3 5%
3−H2HB−OCF3 5%
5−H4HB−OCF3 15%
V−HHB(F)−F 4%
3−HHB(F)−F 3%
5−HHB(F)−F 3%
3−H4HB(F,F)−CF3 8%
5−H4HB(F,F)−CF3 10%
5−H2HB(F,F)−F 5%
5−H4HB(F,F)−F 7%
2−H2BB(F)−F 4%
3−H2BB(F)−F 7%
3−HBEB(F,F)−F 4%
[組成例12]
3−BB(F)Cro=O 4%
3−BB(F)Cro(F)=O 4%
5−HB−CL 17%
7−HB(F,F)−F 3%
3−HH−4 10%
3−HH−5 5%
3−HB−O2 12%
3−HHB−1 6%
3−HHB−O1 4%
2−HHB(F)−F 6%
3−HHB(F)−F 6%
5−HHB(F)−F 6%
3−HHB(F,F)−F 7%
3−H2HB(F,F)−F 5%
4−H2HB(F,F)−F 5%
[組成例13]
3−B(F)B(F)Cro=O 3%
3−BB(F)2Cro=O 5%
5−HB−CL 3%
7−HB(F)−F 7%
3−HH−4 9%
3−HH−EMe 15%
3−HHEB−F 8%
5−HHEB−F 8%
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 5%
4−HGB(F,F)−F 5%
5−HGB(F,F)−F 6%
2−H2GB(F,F)−F 4%
3−H2GB(F,F)−F 5%
5−GHB(F,F)−F 7%
[組成例14]
3−HB(F)Cro(F)=O 4%
3−H2HCro(F)=O 5%
3−HH−4 8%
3−HHB−1 6%
3−HHB(F,F)−F 10%
3−H2HB(F,F)−F 9%
3−HBB(F,F)−F 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F 32%
1O1−HBBH−5 7%
2−HHBB(F,F)−F 3%
3−HHBB(F,F)−F 3%
3−HH2BB(F,F)−F 3%

Claims (33)

  1. 式(1)で表される化合物:

    Figure 2006193509
    ここに、Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
    、A、およびAは独立して1,4−シクロヘキシレン、または1,4−フェニレンであり、1,4−シクロヘキシレンにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、1,4−フェニレンにおいて任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、そしてこれらの環において任意の水素はフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよく;
    、Z、およびZは独立して単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH−、−O(CHO−、−(CHCFO−、−(CHOCF−、−CFO(CH−、−OCF(CH−、−CH=CH−CHO−、または−OCH−CH=CH−であり;
    Xは水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFであり;
    Gは酸素または硫黄であり;
    nおよびmは独立して0、1または2であり;
    そして、次の(i)〜(iii)のいずれかであるとき、Rは水素であってもよい。
    (i)nおよびmの和が1または2である;
    (ii)Xがフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである;
    (iii)A、AおよびAの少なくとも1つが、任意の水素がフッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられた1,4−フェニレンである。
  2. 式(1)で表される化合物:

    Figure 2006193509
    ここに、Rは炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、炭素数2〜15のアルコキシアルキルまたは炭素数2〜15のアルケニルであり;
    、AおよびAは互いに独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、フッ素化1,4−フェニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;
    Gは酸素または硫黄であり;
    ,ZおよびZは互いに独立して単結合、−(CH−、−CHO−、または−OCH−であり;
    Xはフッ素または水素であり;
    nおよびmは互いに独立して0または1であり;
    そして、次の(iv)〜(vi)のいずれかであるとき、Rは水素であってもよい。
    (iv)nおよびmの和が1または2である、
    (v)Xがフッ素である、
    (vi)A、AおよびAの少なくとも1つが任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンである。
  3. Gが酸素であり、そしてZ,ZおよびZが単結合である、請求項2に記載の化合物。
  4. Gが酸素であり、Z,ZおよびZが単結合であり、そしてA、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンである、請求項2に記載の化合物。
  5. Gが酸素であり、Z,ZおよびZが単結合であり、A、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンであり、そしてRが炭素数1〜15のアルキルである、請求項2に記載の化合物。
  6. 、AおよびAのいずれか1つがフッ素化1,4−フェニレンである、請求項5に記載の化合物。
  7. Gが酸素であり、Z,ZおよびZが単結合であり、A、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンであり、そしてRが炭素数2〜15のアルケニルである、請求項2に記載の化合物。
  8. 、AおよびAのいずれか1つがフッ素化1,4−フェニレンである、請求項7に記載の化合物。
  9. Gが酸素であり、Z,ZおよびZが単結合であり、そしてA、AおよびAのいずれか1つが1,4−シクロへキシレンである、請求項2に記載の化合物。
  10. Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−CHO−または−OCH−である、請求項2に記載の化合物。
  11. Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−CHO−または−OCH−であり、そしてA、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンである、請求項2に記載の化合物。
  12. Gが酸素であり、そしてZ、ZおよびZのいずれか1つが−(CH−である、請求項2に記載の化合物。
  13. Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−(CH−であり、そしてA、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンである、請求項2に記載の化合物。
  14. Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−(CH−であり、A、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンであり、そしてRが炭素数1〜15のアルキルである、請求項2に記載の化合物。
  15. 、AおよびAのいずれか1つがフッ素化1,4−フェニレンである、請求項14に記載の化合物。
  16. Gが酸素であり、Z、ZおよびZのいずれか1つが−(CH−であり、A、AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、またはフッ素化1,4−フェニレンであり、そしてRが炭素数2〜15のアルケニルである、請求項2に記載の化合物。
  17. 、AおよびAのいずれか1つがフッ素化1,4−フェニレンである、請求項16に記載の化合物。
  18. Gが硫黄である、請求項2に記載の化合物。
  19. 式(1a)〜式(1m)のいずれか1つで表される化合物:

    Figure 2006193509
    ここに、Rは炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、または炭素数2〜15のアルケニルであり、Y〜Yは独立して水素またはフッ素である。
  20. Rが炭素数1〜7のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜7のアルケニルである、請求項19に記載の化合物。
  21. Rが炭素数1〜7のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜7のアルケニルであり、そしてY〜Yのいずれか1つがフッ素である、請求項19に記載の化合物。
  22. 下記の式のいずれか1つで表される化合物:

    Figure 2006193509
    ここに、Rは炭素数1〜7のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜7のアルケニルである。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1つ含有し、少なくとも2つの化合物からなる液晶組成物。
  24. 式(2)、式(3)および式(4)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、請求項23に記載の液晶組成物:

    Figure 2006193509
    ここに、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xはフッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFであり;環Bおよび環Dは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、環Eは1,4−シクロヘキシレン、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;ZおよびZは独立して−(CH−、−(CH−、−COO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素である。
  25. 式(5)および(6)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、請求項23に記載の液晶組成物:

    Figure 2006193509
    ここに、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xは−CNまたは−C≡C−CNであり;環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;環Jは1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;環Kは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Zは−(CH−、−COO−、−CFO−、−OCF−、または単結合であり;L、LおよびLは独立して水素またはフッ素であり;そしてb、cおよびdは独立して0または1である。
  26. 式(7)、式(8)、式(9)、式(10)および式(11)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、請求項23に記載の液晶組成物:

    Figure 2006193509
    ここに、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Rはフッ素または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Mおよび環Pは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたはデカヒドロ−2,6−ナフチレンであり;ZおよびZは独立して−(CH−、−COO−または単結合であり;そして、LおよびLは独立して水素またはフッ素であって、LとLの少なくとも1つはフッ素である。
  27. 式(12)、式(13)および式(14)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、請求項23に記載の液晶組成物:

    Figure 2006193509
    ここに、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2,5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;そしてZおよびZ10は独立して−C≡C−、−COO−、−(CH−、−CH=CH−、または単結合である。
  28. 請求項25に記載の式(5)および式(6)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項24に記載の液晶組成物。
  29. 請求項27に記載の式(12)、式(13)および式(14)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項24に記載の液晶組成物。
  30. 請求項27に記載の式(12)、式(13)および式(14)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項25に記載の液晶組成物。
  31. 請求項27に記載の式(12)、式(13)および式(14)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項26に記載の液晶組成物。
  32. 少なくとも1つの光学活性化合物をさらに含有する、請求項23〜31のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  33. 請求項23〜32のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
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