JP2006186088A - 研磨装置および研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 研磨対象物の被研磨面への薬液の均一な供給と研磨対象物の面内における研磨速度の均一性を両立することができる研磨装置を提供する。
【解決手段】 研磨装置30は、研磨面32と、ウェハWを保持するトップリング36と、研磨面32とトップリング36に保持されたウェハWとを相対移動させるモータ46,56と、トップリング36に保持されたウェハWを研磨面32に対して押圧する上下動機構54と、研磨面32をコンディショニングするコンディショナ60とを備えている。この研磨装置30においては、コンディショナ60により研磨面32のコンディショニングを行いつつ、ウェハWを研磨面32に対して押圧する圧力と、研磨面32とウェハWとの相対速度との積に研磨速度が比例しない非プレストン領域内の条件下で研磨を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、研磨装置および研磨方法に係り、特に半導体ウェハなどの研磨対象物を平坦に研磨する研磨装置および研磨方法に関するものである。
半導体基板上に配線回路を形成するための配線材料としては、加工容易性、生産性等の観点からアルミニウムまたはアルミニウム合金が一般に用いられているが、半導体デバイスの微細化・高速化が進むにつれ、近年、銅を用いる動きが顕著になってきている。これは、銅の電気抵抗率は、1.72μΩcmとアルミニウムの電気抵抗率より40%近く低いので、信号遅延現象に対して有利となるばかりでなく、銅のエレクトロマイグレーション耐性が現用のアルミニウムより遙かに高い等の理由による。エレクトロマイグレーションとは、電流が流れることによって原子が移動し配線の断線が生じる現象である。
この銅材料にあっては、隣り合う絶縁材料への拡散が容易に起こりやすく、このため、この銅拡散を防止するための拡散防止膜(銅配線プロセスの場合、一般にバリアメタル(BM)と呼ばれる)が必要とされる。このため、銅配線形成プロセスとして、絶縁材料の上面(内部)に形成した配線溝やビアホールの表面にバリアメタル(バリア材料)を成膜(堆積)し、この配線溝やビアホールの内部に配線材料としての銅を埋め込んだ後、余分な金属を化学機械研磨法(CMP法)により除去する、いわゆるデュアルダマシンプロセスと呼ばれる方法が採用される。
ここで、配線材料に隣り合う絶縁材料として、高速化の観点から電気が漏れにくく、しかもデバイス構造に起因する余分な回路を形成しにくい低誘電率材料を使用することが望まれており、このような低誘電率材料としてlow-k膜またはultra low-k膜(ULK)が注目されてきている。つまり、従来のアルミニウム配線デバイスでは、一般に、絶縁材料としてSiO膜を使用していたが、SiOの比誘電率は4.1で、銅配線にはそれより低い比誘電率の絶縁膜を使用することが望まれている。一般に、low-k膜は、比誘電率が3.0以下の膜である。
この低誘電率材料として、無機系材料と有機系材料が開発されており、無機系材料としては、SiOF系FSG、SiOC系ブラックダイヤモンド(Applied Materials社の商標)やAurora(ASM International社の商標)などが、有機系材料としては、SiLK(Dow
Chemical社の商標)などが採用され始めている。さらに、低誘電率化を進めるため、これらの材料のポーラス化が検討され始めている。
ここで、デュアルダマシンプロセスによって半導体ウェハW内に銅配線を形成する工程を図1(a)から図1(f)を参照して説明する。まず、図1(a)に示すように、下層の完成した配線10上に積層した導電層12の上に、SiOからなる酸化膜やSiF、SiOH、ポーラスシリカ等のlow-k材(ULK材)膜等の絶縁膜(絶縁材料)14を堆積する。次に、図1(b)に示すように、レジスト16を用いたリソグラフィーおよびRIEなどのエッチング法によって、絶縁膜14の内部に配線溝やビアホール等の配線用凹部(配線パターン)18を形成する。その後、図1(c)に示すように、レジスト16を除去して洗浄する。
次に、図1(d)に示すように、配線溝やビアホール等の配線用凹部18の表面に、銅のシリコンへの拡散を抑える拡散防止膜としてのバリアメタル(バリア材料)20をスパッタリング法等で成膜する。そして、図1(e)に示すように、電解めっき法や無電解めっき法など(銅めっき法の一種)で、配線用凹部18の全てが埋め込まれるまでの必要厚さの銅めっきを行って、配線用凹部18の内部に、配線材料としての銅22を充填するとともに、絶縁膜14上に銅22を堆積させる。その後、化学的機械的研磨(CMP)により、絶縁膜14上の銅22およびバリアメタル20を除去して、配線用凹部18内に充填させた銅22の表面と絶縁膜14の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図1(f)に示すように、銅からなる配線(銅配線)24が形成される。
ここで、上述したように、最近では絶縁膜14の材料として機械的強度の弱いlow-k材などが使用されるため、CMP時の加工圧力を高くすることができず、低い加工圧力で研磨を行う必要がある。しかしながら、低い加工圧力でウェハを研磨する場合には、ウェハ全面への薬液(スラリ)の均一な供給とウェハの面内における研磨速度の均一性を両立することが困難であった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、研磨対象物の被研磨面への薬液の均一な供給と研磨対象物の面内における研磨速度の均一性を両立することができる研磨装置および研磨方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、研磨対象物の被研磨面への薬液の均一な供給と研磨対象物の面内における研磨速度の均一性を両立することができる研磨装置が提供される。この研磨装置は、研磨面と、表面に研磨すべき膜が形成された研磨対象物を保持するトップリングと、上記研磨面と上記トップリングに保持された研磨対象物とを相対移動させる駆動機構と、上記トップリングに保持された研磨対象物を上記研磨面に対して押圧する押圧機構とを備えている。さらに、研磨装置は、上記研磨面をコンディショニングするコンディショナを備えている。上記研磨対象物を上記研磨面に対して押圧する圧力と、上記研磨面と上記研磨対象物との相対速度との積に研磨速度が比例しない非プレストン領域内の条件下で上記研磨対象物の研磨を行いつつ、上記コンディショナにより上記研磨面のコンディショニングを行う。
本発明の第2の態様によれば、研磨対象物の被研磨面への薬液の均一な供給と研磨対象物の面内における研磨速度の均一性を両立することができる研磨方法が提供される。この研磨方法によれば、表面に研磨すべき膜が形成された研磨対象物と研磨面とを相対移動させつつ、上記研磨対象物を上記研磨面に対して押圧する。上記研磨面のコンディショニングを行いつつ、上記研磨対象物を上記研磨面に対して押圧する圧力と、上記研磨面と上記研磨対象物との相対速度との積に研磨速度が比例しない非プレストン領域内の条件下で上記研磨対象物の研磨を行う。
本発明の第3の態様によれば、研磨対象物の被研磨面への薬液の均一な供給と研磨対象物の面内における研磨速度の均一性を両立することができる研磨装置が提供される。この研磨装置は、研磨面と、表面に研磨すべき膜が形成された研磨対象物を保持するトップリングと、上記研磨面と上記トップリングに保持された研磨対象物とを相対移動させる駆動機構と、上記トップリングに保持された研磨対象物を上記研磨面に対して押圧する押圧機構とを備えている。さらに、研磨装置は、上記研磨面をコンディショニングするコンディショナを備えている。研磨前に上記コンディショナにより上記研磨面のコンディショニングを行う。上記研磨対象物を上記研磨面に対して押圧する圧力と、上記研磨面と上記研磨対象物との相対速度との積に研磨速度が比例しない非プレストン領域内の条件下で上記研磨対象物の研磨を行う。
本発明の第4の態様によれば、研磨対象物の被研磨面への薬液の均一な供給と研磨対象物の面内における研磨速度の均一性を両立することができる研磨方法が提供される。この研磨方法によれば、表面に研磨すべき膜が形成された研磨対象物の研磨前に研磨面のコンディショニングを行う。上記研磨対象物と上記研磨面とを相対移動させつつ、上記研磨対象物を上記研磨面に対して押圧する。上記研磨対象物を上記研磨面に対して押圧する圧力と、上記研磨面と上記研磨対象物との相対速度との積に研磨速度が比例しない非プレストン領域内の条件下で上記研磨対象物の研磨を行う。
本発明によれば、非プレストン領域内の条件下で研磨を行うことができる。したがって、研磨対象物の面内で加工圧力や相対速度が不均一となっても、研磨対象物の面内のいずれの点においても研磨速度が一定になるので、均一な研磨を実現することが可能となる。このように、相対速度にかかわらず一定の研磨速度が実現されるので、研磨対象物全面への薬液の均一な供給と研磨対象物の面内における研磨速度の均一性を両立することが可能となる。
また、非プレストン領域内の条件下で研磨をしながら、研磨面のコンディショニングを行うことができる(in-situコンディショニング)。あるいは、非プレストン領域内の条件下で研磨をする前に、研磨面のコンディショニングを行うことができる(ex-situコンディショニング)。
以下、本発明に係る研磨装置の一実施形態について図2から図17を参照して詳細に説明する。なお、図2から図17において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図2は、本発明の一実施形態における研磨装置30を示す模式図である。図2に示すように、研磨装置30は、上面に研磨面32を有する研磨テーブル34と、下面に研磨対象物としての半導体ウェハWを保持するトップリング36と、旋回軸38を中心に旋回可能なトップリングヘッド40と、研磨面32上に薬液(研磨液)を供給する薬液供給機構としての薬液供給ノズル42と、研磨装置30の運転を制御する制御部44とを備えている。研磨テーブル34の研磨面32は一般に樹脂で構成され、発泡ポリウレタンまたは砥粒を固定もしくは含浸させたもので構成されている。
研磨テーブル34は、研磨テーブル34の下方に配置されたモータ46に連結されており、このモータ46の駆動により回転するようになっている。このように、モータ46は研磨テーブル34および研磨面32を回転させる回転機構として機能する。また、トップリング36は、タイミングプーリ48および50を介してトップリングヘッド40内のモータ52に連結されており、このモータ52の駆動により回転するようになっている。このように、モータ52はトップリング36を回転させる回転機構として機能する。
これらのモータ46,52は制御部44に接続されており、制御部44は、研磨テーブル34およびトップリング36の回転速度を任意の回転速度に調整する。このように、モータ46,52は、研磨面32とトップリング36に保持されたウェハWとを任意の相対速度で相対移動させる駆動機構として機能する。
また、旋回軸38は上下動機構54に連結されており、この上下動機構54によりトップリングヘッド40およびトップリング36が上下動するようになっている。この上下動機構54は制御部44に接続されており、制御部44は、トップリング36に保持されたウェハWを研磨面32に対して押圧する圧力を任意の圧力に調整する。このように、上下動機構54は、トップリング36に保持されたウェハWを研磨面32に対して任意の圧力で押圧する押圧機構として機能する。
本実施形態においては、薬液供給ノズル42から供給される薬液(研磨液)は、シリカ、セリア、アルミナ、ジルコニアなどの金属酸化物や高分子材料粒子などの砥粒を純水に分散させた液であって、必要に応じて分散剤を加えた砥粒分散液と、過酸化水素水やアンモニアなどの銅を酸化させる酸化剤と、酸化された銅の錯体を生成するキレート剤とを含んでいる。また、薬液供給ノズル42は制御部44に接続されており、制御部44は、供給する薬液の量、濃度、温度を調整する。なお、上述した砥粒分散液、酸化剤、キレート剤に加えて、分散剤や選択比調整剤、防食剤などを薬液に添加してもよい。上述した砥粒は研磨面の物性や構造によって適宜、選択的に使用される。
例えば、500nm以上の厚さの膜を研磨する場合の研磨プロセスは、膜の酸化、膜の錯体化、錯体の除去というステップから構成される。このため、例えば砥粒や研磨屑、錯体などの研磨副生成物が研磨面32上に連続して発生し、多量の研磨副生成物が研磨面32に付着する。このように多量の研磨副生成物が研磨面32に付着すると、研磨面32の特性が変化して研磨性能が劣化する。したがって、研磨を安定的に行うためには、研磨面32の性能(物性)を安定させることが必要となる。
研磨中の研磨面32の性能の変化を抑えるためには、研磨面32のサイズを大きくして単位面積当たりの副生成物の付着量を少なくしたり、研磨面32に副生成物を排出するための溝を形成したり、副生成物の付着を防止する薬液を研磨面32に添加して副生成物の付着量を少なくしたり、研磨面32をコンディショニングするコンディショナを設けて副生成物を研磨面32から除去したりすることが有効である。本実施形態では、下面に取り付けられたコンディショニング部材を研磨面32に押圧して研磨副生成物を研磨面32から除去する機械的コンディショナ60を設けて、研磨面32に付着した研磨副生成物の除去と研磨面32全体の平坦化を行っている。なお、後述するように、機械的コンディショナ以外にも、溶解などを利用した化学的コンディショナや、電解・帯電制御などを利用した電気化学的コンディショナなどを用いることもできる。
ここで、一般に、研磨工程においては、加工速度(研磨速度)が以下のプレストンの式(1)に従うことが知られている。
R=kPV ・・・(1)
式(1)において、Rは加工速度、Pは研磨対象物を研磨面に対して押圧する圧力(加工圧力)、Vは研磨面と研磨対象物との相対速度、kはプレストン係数である。
式(1)からわかるように、研磨対象物を研磨面に対して均一の圧力で押圧して研磨する場合には、研磨速度を研磨対象物の面内で均一にするために、研磨面と研磨対象物との相対速度を研磨対象物の面内で均一にする必要がある。このためには、研磨テーブル34とトップリング36の回転方向を同一方向とし、トップリング36の回転速度に対する研磨テーブル34の回転速度の比を1にする、あるいは1に近づけることが好ましい。
すなわち、図3に示すように、研磨テーブル34の速度v、ウェハWの速度v、研磨テーブル34の回転速度をw、ウェハWの回転速度をw、研磨テーブル34の中心OとウェハWの中心Pとの間の距離をr、ウェハWの中心Pと任意の点hとの間の距離をrとすると、点hにおけるウェハWと研磨面の相対速度Vは、以下の式(2)で示される。
Figure 2006186088
したがって、上記式(2)からわかるように、研磨テーブル34の回転速度wとウェハWの回転速度wとを同一にすれば、ウェハW上の任意の点hにおける相対速度の大きさを均一にすることができる。
最近では、半導体デバイスの動作を高速にするために、半導体デバイスの絶縁膜として、例えばlow-k材などの低誘電率の材料が使用されるようになっている。このlow-k材は機械的強度が弱いため、半導体デバイスの被加工面の強度も弱くなる。したがって、CMPプロセスでは、加工圧力を高くできず、低圧、例えば6.9kPa(1.0psi)以下の圧力で研磨を行う必要がある。このような低圧の条件下で所定の加工速度を確保するためには、プレストンの式(1)からわかるように、研磨面と研磨対象物との相対速度を上げる必要がある。
この場合において、上述した研磨テーブル34とトップリング36の回転速度の比を1に近づけた状態で相対速度を上げようとすると、研磨テーブル34の回転速度とともにトップリング36の回転速度も上げなければならない。しかしながら、トップリング36の回転速度を上げると、ウェハWの被研磨面に供給される研磨液に遠心力が働き、研磨液がウェハWの中央部から外周側に排除され、研磨が阻害される。すなわち、ウェハWの中央部は遠心力の作用により研磨液が届きにくい領域となり、この結果、ウェハWの中央部が他の部分に比べて研磨されにくくなるという不具合が生じる。
このような不具合を防止するため、トップリング36の回転速度を低く設定し、研磨テーブル34の回転速度だけを上げれば、研磨液に作用する遠心力が弱まるので、研磨液をウェハWの中央部まで供給することが可能となる。しかしながら、この場合には、トップリング36の回転速度に対する研磨テーブル34の回転速度の比が非常に大きくなってしまい、ウェハWの外周部と中央部との間で相対速度に差が生じることとなる。すなわち、ウェハWの外周部における研磨速度がウェハWの中央部における研磨速度よりも大きくなってしまい、研磨が不均一になってしまう。
このように、低圧でウェハを研磨する場合には、ウェハ全面への研磨液の均一な供給とウェハの面内における研磨速度の均一性を両立することが難しい。本発明者等は、CMPなどの研磨が、研磨液(薬液)による酸化(エッチング)および錯体生成という化学的作用と、研磨面による錯体の除去という物理的作用とにより進行する点に着目し、ウェハ全面への研磨液の均一な供給とウェハの面内における研磨速度の均一性を両立できる技術を開発した。
例えば、銅を研磨する場合、銅の表面を薬液中の酸化剤により酸化すると同時に、この酸化した銅を薬液中のキレート剤により銅の錯体にする化学反応と、これらの銅錯体を研磨面により機械的に除去するプロセスとにより銅が研磨されていく。このため、機械的除去プロセスの速度(研磨速度)は、上記化学反応の速度以上にはならない。例えば、上記化学反応の速度がaであったとすると、加工圧力と相対速度の積(以下、PV積という)と研磨速度との関係は、図4に示すようになる。すなわち、研磨速度がaとなるxよりもPV積が小さい範囲では、研磨速度は上述したプレストンの式によりPV積に比例するが、PV積がxよりも大きい範囲においては、研磨速度は化学反応速度aを超えることなく一定となる。ここで、図4に示すグラフにおいて、PV積がxよりも小さい範囲を「プレストン領域」、PV積がxよりも大きい範囲を「非プレストン領域」と呼ぶ。
したがって、この非プレストン領域内の条件下で研磨を行えば、研磨対象物の面内で加工圧力や相対速度が不均一となっても、研磨対象物の面内のいずれの点においても研磨速度が一定(a)になるので、均一な研磨を実現することが可能となる。このように、相対速度にかかわらず一定の研磨速度が実現されるので、上述した低圧での研磨において、トップリング36の回転速度を低くし、研磨テーブル34の回転速度を高くしたとしても、ウェハWの外周部と中央部で研磨速度が同一になる。したがって、ウェハ全面への研磨液の均一な供給とウェハの面内における研磨速度の均一性を両立することが可能となる。
ここで、上記化学反応の速度aは、供給する各々の薬液の量、組成、濃度、温度などに依存する。したがって、供給する薬液の量、組成、濃度、温度などを適切に調整することで、所望の圧力において、ウェハ全面への薬液(研磨液)の均一な供給とウェハの面内における研磨速度の均一性を両立した研磨を行うことができる。
上述したように、非プレストン領域の条件下で研磨を行うことにより、トップリング36の回転速度を低くし、研磨テーブル34の回転速度を高くした状態で均一な研磨を行うことができる。本実施形態では、この非プレストン領域の条件下での研磨中にコンディショナ60による研磨面32のコンディショニングが行われる(in-situコンディショニング)。
通常、研磨面をコンディショニングするコンディショナは、研磨面を平坦に加工するため、研磨テーブルの回転速度の0.5〜2倍程度の回転速度で回転させる。上述したように、非プレストン領域内の条件下での研磨では、研磨テーブル34が高速で回転されるため、in-situコンディショニングを行うためには、コンディショナ60を研磨テーブル34の回転速度と同程度ないし2倍程度という高速で回転させる必要がある。しかしながら、コンディショナ60を高速で回転させると、研磨面32の減耗量が大きくなり、研磨面32の寿命が短くなってしまうおそれがある。また、研磨面32の平坦性の制御や表面粗さの制御などが難しくなってしまう。
例えば、コンディショナ60を高速で回転させると、コンディショナ60の回転中心の軌跡付近における研磨面32の研削量が多くなり、研磨面32が凹形状になってしまうことが考えられる。このように研磨面32が凹形状になると、研磨面32の凹部に押圧される半導体ウェハの内周部の面圧が低くなり、非プレストン領域の条件下での研磨ができない場合がある。一方、半導体ウェハの外周部では面圧が高くなり、機械的強度の弱いデバイス構造を有する半導体ウェハを研磨した場合に、そのデバイス構造を破壊してしまうおそれがある。
したがって、研磨面32の研削量が多くなりすぎないように、コンディショナ60の回転速度を研磨テーブル34の回転速度に対して遅くしたり、コンディショナ60の押圧力を非常に小さくしたり、研削速度が非常に低いコンディショナを使用したりするなどの工夫が必要となる。
図5は、コンディショナ60の構造を示す模式図である。本実施形態のコンディショナ60は、直径40〜125mmの小径の円板状コンディショナである。図5に示すように、コンディショナ60には中空シャフト62が取り付けられており、この中空シャフト62はモータ64に連結されている。したがって、モータ64の駆動によりコンディショナ60が回転するようになっている。
中空シャフト62はコンディショナヘッド66に取り付けられており、このコンディショナヘッド66は、モータ68により回転される旋回軸70の上端に取り付けられている。したがって、モータ68の駆動によりコンディショナ60が水平方向に揺動するようになっている。このように、モータ68、旋回軸70、およびコンディショナヘッド66は、コンディショナ60を研磨面32上で揺動させる揺動機構として機能する。
コンディショナヘッド66には、コンディショナ60の上下方向位置を調整するボールねじ72と、ボールねじ72を回転させるモータ74とが設けられている。このボールねじ72には、中空シャフト62の上端に取り付けられたナット76が螺合されており、モータ74の駆動によりコンディショナ60が上下動するようになっている。本実施形態では、上述したボールねじ機構によりコンディショナ60の高さを制御して、コンディショナ60の研磨面32に対する押圧を制御している(高さ制御)。なお、コンディショナ60が研磨面32に押圧する圧力を制御して、コンディショナ60の研磨面32に対する押圧を制御してもよい(圧力制御)。
例えば、ボールねじ機構によりコンディショナ60を下方に移動させ、コンディショナ60を研磨面32に接触させる。コンディショナ60が研磨面32に接触すると、コンディショナ60を回転させているモータ64に負荷がかかる。このモータ64にかかるトルクが検知され、このトルクに基づいてコンディショナ60の下方向への移動位置が制御される。すなわち、検知されるトルクが予め設定した閾値になるように、コンディショナ60の位置が制御され、これにより研磨面32の過剰な研削および不十分な研削が防止される。
このような高さ制御によりコンディショナ60の押圧を制御する場合、コンディショナ60を中空シャフト62に対して固定的に取り付けることにより、コンディショニング後の研磨面32を平坦にすることができる。例えば、コンディショナ60と中空シャフト62とをボールを介さずに接続し、中空シャフト62に対してコンディショナ60の下面がほぼ垂直になるように固定する。このようにすることで、半導体ウェハを押圧する面を平坦にできるので、研磨テーブル34を高速で回転させた場合であっても、振動が起きて研磨ができなくなることがない。また、ボールねじ機構によりコンディショナ60を下方向(または上方向)へ送った量を測定することによっても高さ制御を行うことができる。具体的にはモータ74を駆動させる電流(例えばパルス電流)の値をモニタリングすることによりコンディショナ60の高さ位置を制御する。
図6は、コンディショナ60の底面図である。図6に示すように、コンディショナ60は、下面にダイヤモンドを固定した複数の円分状コンディショニング部材78を備えている。これらのコンディショニング部材78は隣接する部材と所定の間隔を置いて配置されている。また、コンディショナ60の下面の回転中心近傍には、例えば4つの貫通孔80が形成されており、この貫通孔80は中空シャフト62内の中空部に連通されている。図5に示すように、中空シャフト62内の中空部にはコンディショニング液(例えば純水(DIW)や薬液)が供給されるようになっており、コンディショナ60の貫通孔80からコンディショニング液がコンディショナ60の下面に供給されるようになっている。なお、コンディショニング部材78の表面からコンディショニング液が供給されるように構成してもよい。
本実施形態では、複数の円分状コンディショニング部材78を用いた例について説明したが、これに限られるものではなく、リング状のコンディショニング部材や円板状のコンディショニング部材などを用いることもできる。
このようなコンディショナ60を回転させながら研磨面32に押圧し、コンディショニング部材78と研磨面32とを摺動させて研磨面32を平坦にコンディショニングする。このときのコンディショナ60の回転速度は、研磨テーブル34の回転速度に対して低くすることが好ましく、例えば研磨テーブル34の回転速度の1/2以下にすることが好ましい。また、コンディショナ60の押圧力は、例えば10N以下とし、低圧でコンディショニングすることが好ましい。
コンディショニング中には、コンディショナ60を研磨面32の中心部から外周側に揺動させてもよく、あるいは、研磨面32の外周部から内周側に揺動させてもよい。また、コンディショナ60を研磨面の中心部と外周部との間で往復揺動させてもよい。このようにコンディショナ60を揺動させる場合には、研磨面32を平坦かつ均一にコンディショニングするために、研磨面32の中心とコンディショナ60の中心との間の距離に応じてコンディショナ60を揺動させる速度(揺動速度)を変化させることが好ましい。
より具体的には、コンディショナ60の揺動速度Vが以下の式で表される値になるようにモータ68の速度を制御する。
V=A×R(−C)
ここで、Rはコンディショナ60の中心と研磨面32の中心との間の距離、AとCは定数である。ここで、定数Cは0.8〜1.2の範囲にあることが好ましい。
また、研磨テーブル34とコンディショナ60との回転速度の比、コンディショナ60の揺動速度、コンディショナ60による研磨面32の研削量などを適切に調整することにより、コンディショニング後の研磨性能を左右する研磨面32の表面粗さを研磨対象物に応じて好適化することができる。
コンディショナ60の形態は上述したものに限られるものではない。例えば、コンディショナ60としてロール型コンディショナを用いることもできる。例えば、図7に示すような円筒形状のコンディショナ60aや、図8に示すような円錐台形状のコンディショナ60b、あるいは、円錐形状のコンディショナを用いることができる。この場合には、円筒、円錐、または円錐台の外周面にダイヤモンドなどの砥粒や樹脂製のブラシが設けられる。このとき、円筒、円錐、または円錐台の回転軸を研磨面32に対して傾斜させてもよい。このようなコンディショナを用いることにより、研磨面をほぼ平坦にコンディショニングすることができる。
また、回転軸を中心としてロール型コンディショナを回転させてもよい。このとき、研磨面32の研削量が低減されるようにコンディショナの回転速度を制御することが好ましい。このように回転速度を制御することにより、研磨面32の寿命を長くすることができる。例えば、コンディショナが研磨面32に接触する部分の相対速度を高くすると研削量が多くなり、低くすると研削量が小さくなるので、コンディショナの回転速度を適切に調整して研磨面32の研削量を低減することが好ましい。
また、ロール型コンディショナを用いる場合には、コンディショナ60の研磨面32に対する位置を固定してコンディショニングを行ってもよい。この場合には、コンディショナ60の外周面(作用面)に付着する研削屑を除去する必要が生じる。このため、例えば、コンディショナ60の作用面にコンディショニング液を供給したり、超音波振動を与えたり、研削屑を外部に導くための溝を形成したり、あるいはコンディショナ60の作用面のうち研磨面32に接触していない部分を水洗したりして、コンディショナ60の作用面に付着する研削屑を除去してもよい。このように構成することにより、コンディショニングを連続的に行うことができる。
また、図9に示すような円分形状のコンディショナ60cを使用することもできる。このような円分形状のコンディショナ60cを研磨面32上の所定の位置に固定的に配置し、研磨面32に押圧することで、研磨面32をほぼ平坦にコンディショニングすることができる。この円分形状のコンディショナ60cの押圧制御は、圧力制御または高さ制御によって行うことができる。また、円分形状のコンディショナ60cに代えて、扇形形状のコンディショナを用いることもできる。
また、研磨面32の平坦性を悪化させないで研磨面32上の研磨副生成物(例えば錯体)を除去する方法は、上述した機械的コンディショナによるコンディショニングに限られない。例えば、純水や薬液によるジェット噴流を研磨面32に噴射して錯体を除去する方法、砥粒粉末を研磨面32に噴射して錯体を除去する方法、超音波振動を与えた純水や薬液を研磨面32に供給して錯体を除去する方法、超音波振動子を接触させて錯体を除去する方法、水、薬液、またはスラリを凍らせて固体にした粉末を研磨面32に噴射して錯体を除去する方法、アルゴン、酸素、二酸化炭素などの固定粉末を研磨面32に噴射して錯体を除去する方法などのように、研磨面32に物理力を与えて錯体を除去する方法を用いることができる。あるいは、光や赤外線などの電磁気力により研磨面32に熱衝撃を与えて錯体を除去する方法や、研磨面32に熱源を接触させ、研磨面32に熱衝撃を与えて錯体を除去する方法なども用いることもできる。なお、熱衝撃を与えて錯体を除去する場合には、熱衝撃を与える部分を好ましくは0〜30℃に冷却した後に熱衝撃を加えると効果的である。さらに、これらの方法のうちのいくつかの方法を組み合わせてもよい。
また、上述した機械式コンディショナなどにより研磨面32の表面から剥がされた錯体は、研磨テーブル34の回転により研磨テーブル34の外部に排出される。研磨液として粘性の高い液体を使用する場合には、除去された錯体を真空吸引したり、研磨面に純水や薬液を噴射したり、あるいは上述した固形粉末を研磨面32に噴射したりして錯体を研磨テーブル34の外部に排出してもよい。また、錯体が静電気を帯びている場合には、電極を近づけてこの電極に錯体を吸着および析出させてもよい。
また、図10に示すように、研磨面32にイオン交換樹脂90(例えばキレート樹脂)を接触させ、電気分解により研磨面32からイオン交換樹脂90に錯体を移動させてもよい。このイオン交換樹脂90には、図11に示すように、陽極92と陰極94とが交互に取り付けられており、回転方向の上流側には電解液供給口96が設けられ、下流側には電解液吸引口98が設けられている。このイオン交換樹脂90を、研磨を行っている領域とは異なる領域の研磨面32に接触させて研磨面32上の錯体を除去する。
また、研磨面32に薬液を添加して不溶解性錯体を溶解性錯体に変えて研磨液やコンディショニング液とともに研磨テーブル34の外部に排出してもよい。例えば、図12に示すように、研磨面32に薬液を噴射するノズル100を複数設け、薬液を研磨面32に噴射することで研磨副生成物を研磨面32から除去してもよい。例えば、クエン酸やシュウ酸などの有機酸を研磨面32に添加することにより、上述した効果を実現することができる。
また、キレート剤やキレート樹脂を薬液として使用することもできる。この場合、例えば、図13に示すように、研磨面32上に2つの遮蔽板102を配置し、これらの遮蔽板102で区画された領域にノズル104を介してキレート剤やキレート樹脂を供給する。これにより、研磨面32に付着する副生成物(錯体)をキレート剤またはキレート樹脂に吸着させて系外に排出することができる。
ここで、キレート剤またはキレート樹脂としては、好ましくはアミノカルボン酸型のキレート剤またはキレート樹脂、より好ましくはイミノジ酢酸型のキレート剤またはキレート樹脂、さらに好ましくはエチレンジアミンテトラ酢酸を用いることができる。
イミノジ酢酸型キレート樹脂では、Cu2+の金属イオンに対するキレート生成の安定度定数pK(25℃)が10.54であり(C. Eger, W. N. Anspach, J. A. Marinsky, J. Inorg. Nucl. Chem., 30, 1911(1968))、これより安定度定数の小さい錯体を吸着(置換)することができる。さらに、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)では、Cu2+の金属イオンに対するキレート生成の安定度定数pK(25℃)が18.83であり、より強力に錯体を吸着することができる。
また、公知文献(日本化学会編、「化学便覧応用化学編」、丸善、改訂3版、図10.122)に記載されているキレート樹脂の特性から、研磨副生成物に対する吸着性と研磨性能を高めるために、キレート樹脂を研磨面32に作用させる前に酸性雰囲気から弱酸性雰囲気に変え、弱酸性雰囲気で副生成物をキレート樹脂に吸着・置換した後、研磨に好適な酸性雰囲気に戻すことが好ましい。したがって、研磨に必要な酸化剤はキレート樹脂を研磨面32に作用させた後に供給することが効果的である。
ここで、研磨面32上の研磨副生成物の付着量をモニタし、研磨副生成物の付着量を上述したコンディショナ60の運転の制御にフィードバックすることが好ましい。図14は、図9に示す円分形状のコンディショナ60cをフィードバック制御する場合の構成を示す模式図である。図14に示すように、研磨面32の状態を測定する測定器110と、演算処理装置112と、プロセス管理装置114と、入力インターフェイス装置116と、コンディショナ60の押圧力、回転速度、高さなどを制御するコンディショナ制御装置118とを備えている。
例えば、測定器110により研磨面32に光を照射し、その反射光を測定することにより研磨副生成物の付着量をモニタしてもよいし、測定器110としてCCDカメラを用い、研磨面32の画像をCCDカメラによって取り込み、演算処理装置で画像を解析することにより、研磨副生成物の付着量をモニタしてもよい。あるいは、測定器110を受光素子とし、この受光素子における受光量の変化を光学的にモニタして研磨副生成物の付着量を測定してもよい。
フィードバック制御する対象としては、コンディショナ60の押圧力、コンディショニング時間、揺動速度、コンディショナ60の高さ(位置)、各種モータの回転速度などを挙げることができる。また、上述した機械的コンディショナ以外のコンディショナを用いる場合には、純水や薬液のジェット噴流の流量や、研磨面32に噴射する砥粒の量やその噴射圧力、超音波の振動数やその出力、研磨面32に噴射する各種粉末の量やその噴射圧力、サイズ、熱衝撃を与える加熱源の温度や加熱する時間などを制御対象とすることができる。
このような方法によれば、研磨副生成物の付着量の最大許容値を制御すること、あるいは、研磨副生成物の付着量を好適な量に制御することが可能となる。したがって、例えば、柔らかすぎる研磨パッドの表面を硬くするなど、研磨面32の物性を好適なものに制御することが可能となる。
また、一般に、銅配線を形成する際のCMP工程は、段差解消ステップ、バルク加工ステップ、銅クリアステップ、バリアメタル露出ステップなどからなるが、これらのステップごとに研磨面の物性をそれぞれのステップに最適な物性に制御することが好ましい。
また、研磨面32上の研磨副生成物の付着量を直接モニタせずに、例えば、ウェハが研磨される速度(研磨速度)をモニタし、この研磨速度から研磨面32上の研磨副生成物の付着量を推測してもよい。この推測された研磨副生成物の付着量をコンディショナ60の運転の制御にフィードバックすることができる。あるいは、経験的に算出された閾値または上記研磨速度から算出された閾値に基づいてコンディショナ60をフィードバック制御してもよい。
半導体ウェハの研磨速度を測定する測定器としては、例えば、半導体ウェハに光を照射して膜厚を測定する光学式モニタを用いることができる。例えば、光学式モニタに投光素子と受光素子を設け、投光素子から半導体ウェハの被研磨面に光を照射し、この被研磨面からの反射光を受光素子で受光するように構成することができる。図2に示す例では、半導体ウェハWの膜厚を測定する光学式モニタ56が研磨テーブル34に埋設されている。
研磨により半導体ウェハの導電性膜(銅膜)が所定の厚さの薄膜になってくると、光学式モニタの投光素子から被研磨面に照射された光の一部が導電性膜を透過する。したがって、導電性膜の下にある酸化膜(SiO)で反射した反射光と、導電性膜の表面で反射した反射光との2種類の反射光が存在することになる。この2種類の反射光を受光素子で受光し処理することにより導電性膜の膜厚を測定する。また、単色光だけでなく、白色光など複数の波長成分を含む光を利用し、波長ごとに測定することで、様々な光学特性を有する膜種(材料)に対応することができることは言うまでもない。
また、半導体ウェハに発生する渦電流を検出して膜厚を測定する渦電流式モニタや、研磨テーブルの回転トルクを検出して膜厚を測定するトルク検知モニタ、半導体ウェハに超音波を当てて膜厚を測定する超音波モニタなどを用いることもできる。
このように、研磨面32に付着した研磨副生成物の量を測定または推測してコンディショナ60の運転の制御にフィードバックすることにより、研磨面32上に付着する研磨副生成物の量を制御することが可能となる。このような制御は、上述した非プレストン領域の条件下での研磨に限らず、プレストン領域の条件下での研磨にも適用することができる。
ここで、研磨面32を構成する研磨パッドとしては、液の供給、排出、置換の観点から、複数の同心状の溝が形成された研磨パッドや螺旋状の溝が形成された研磨パッドを用いることが好ましい。また、研磨テーブル34が高速で回転される場合には、遠心力によって薬液が流出してしまい、均一な加工ができない場合があるので、溝が形成された研磨パッドはこのような場合に特に有効である。また、薬液を保持する上では、溝を同心状または螺旋状にすることが好ましい。また、研磨パッドの材質としても、薬液保持に有利な物性を有する材料が好ましく、親水性を有する材料も有効である。
図15は、螺旋状の溝が形成された研磨パッド120の一例を示す平面図である。図15に示す研磨パッド120は、アルキメデス渦巻線(アルキメデス螺線)で表される螺旋溝122を有している。このアルキメデス渦巻線は、
X=a×T×cos(T)
Y=a×T×sin(T)
で表される線である。なお、aは任意の定数である。
図15では、アルキメデス渦巻線を用いた例を示したが、対数渦巻線(対数螺線)を用いてもよい。研磨パッドの螺旋溝の形状としては、一般にアルキメデス螺線が好ましいが、等角螺線、すなわち、螺線上の任意の点と研磨パッドの中心とを結ぶ線と、この点における螺線の接線とがなす角が常に一定である螺線(ベルヌーイ螺線)であってもよい。このベルヌーイ螺線は、外周側において螺線間の幅が広がる性質を有しており、
X=a×exp(bT)×cos(T)
Y=a×exp(bT)×sin(T)
で表される線である。なお、a,bは任意の定数である。
ここで、図16に示すように、図8に示す円錐台形状のコンディショナ60bを用いた場合に、研磨面32に同心円状の溝124が形成されるように、コンディショナ60bの外周面にダイヤモンドなどの砥粒を配置してもよい。このようにすることで、コンディショナ60bによって研磨面32のコンディショニングをすると同時に、研磨面32に同心円状の溝124を形成することができる。なお、研磨面32に螺旋状の溝が形成されるようにダイヤモンドを配置してもよいことは言うまでもない。さらに、図17に示すように、棒材126の下部にダイヤモンドを配置したコンディショナ60dを用いて、研磨面32に同心円状の溝124または螺旋状の溝を形成してもよい。
なお、研磨面32をほぼ平坦にコンディショニングする場合には、研磨面32の中央部からトップリング36の半導体ウェハを保持する保持リングに至るまでの領域を他の領域よりも例えば1μm以上深く研削してもよい。このようにすることで、上述した同心円状の溝や螺旋状の溝がなくても、研磨液を半導体ウェハに供給することが容易になり、少量の研磨液で半導体ウェハの研磨を行うことが可能となる。また、このようにすることで、劣化しやすい研磨液を使用することも容易になる。
1000nm以下の厚さの膜を研磨する場合には、研磨中に研磨面に付着する研磨副生成物の量が少ないため、研磨中にコンディショナ60によるコンディショニングをすることなく加工を行うことができる。この場合には、半導体ウェハを研磨する前にコンディショナ60によるコンディショニング(ex-situコンディショニング)を行えばよい。このex-situコンディショニングにおいては、研磨テーブル34の回転速度に対して約0.5〜2倍で、かつ、低い回転速度でコンディショナ60を回転させてコンディショニングを行うことができる。また、このようなex-situコンディショニングを行うときには、多くの研磨副生成物が研磨面上に蓄積されているが、上述した研磨副生成物の付着量を測定あるいは推測してコンディショナ60の運転の制御にフィードバックさせる方法を適用することで、生産性を上げることができる。
なお、銅の加工には化学反応が大きく影響するため、温度を下げると加工を抑制することができる。一方、銅層の下にあるバリアメタル層については、物理的に加工するのが一般的である。したがって、銅クリアステップおよびバリアメタル露出ステップにおいては、研磨が行われる雰囲気、研磨面32、研磨液、半導体ウェハW、トップリング36などを例えば約0〜30℃に冷却することにより、銅配線部分のディッシングを抑制しつつ、バリアメタル層を加工することが可能となる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
図1(a)から図1(f)は、デュアルダマシンプロセスによって銅配線を形成する工程を示す図である。 本発明の一実施形態における研磨装置を示す模式図である。 図2のウェハと研磨テーブルとの関係を示す図である。 図2の研磨装置におけるPV積と研磨レートとの関係を示すグラフである。 図2の研磨装置におけるコンディショナの構造を示す模式図である。 図5のコンディショナの底面図である。 図2の研磨装置におけるコンディショナの変形例を示す斜視図である。 図2の研磨装置におけるコンディショナの他の変形例を示す斜視図である。 図2の研磨装置におけるコンディショナの他の変形例を示す斜視図である。 図2の研磨装置にイオン交換樹脂を設けた例を示す斜視図である。 図10のイオン交換樹脂の底面図である。 図2の研磨装置に薬液を供給するノズルを設けた例を示す斜視図である。 図2の研磨装置にキレート剤やキレート樹脂を供給するノズルを設けた例を示す斜視図である。 図9に示すコンディショナをフィードバック制御する場合の構成を示す模式図である。 本発明の研磨装置で用いる研磨パッドの一例を示す平面図である。 図8に示すコンディショナの変形例を示す斜視図である。 図2の研磨装置におけるコンディショナの他の変形例を示す斜視図である。
符号の説明
30 研磨装置
32 研磨面
34 研磨テーブル
36 トップリング
42 薬液供給ノズル(薬液供給機構)
44 制御部
46 モータ(回転機構)
54 上下動機構(押圧機構)
56 光学式モニタ
60 コンディショナ
78 コンディショニング部材
80 貫通孔
90 イオン交換樹脂
100,104 ノズル
102 遮蔽板
110 測定器
122,124 同心円溝

Claims (18)

  1. 研磨面と、
    表面に研磨すべき膜が形成された研磨対象物を保持するトップリングと、
    前記研磨面と前記トップリングに保持された研磨対象物とを相対移動させる駆動機構と、
    前記トップリングに保持された研磨対象物を前記研磨面に対して押圧する押圧機構と、
    前記研磨面をコンディショニングするコンディショナと、
    を備え、
    前記コンディショナにより前記研磨面のコンディショニングを行いつつ、前記研磨対象物を前記研磨面に対して押圧する圧力と、前記研磨面と前記研磨対象物との相対速度との積に研磨速度が比例しない非プレストン領域内の条件下で前記研磨対象物の研磨を行うことを特徴とする研磨装置。
  2. 前記研磨対象物の表面に形成された膜の厚さは500nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
  3. コンディショニング中に前記コンディショナを前記研磨面上で揺動させる揺動機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の研磨装置。
  4. 前記揺動機構は、Rを前記コンディショナの中心と前記研磨面の中心との間の距離、AとCを定数として、V=A×R(−C)で示される揺動速度Vで前記コンディショナを揺動させることを特徴とする請求項3に記載の研磨装置。
  5. 前記定数Cは0.8〜1.2の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の研磨装置。
  6. 表面に研磨すべき膜が形成された研磨対象物と研磨面とを相対移動させつつ、前記研磨対象物を前記研磨面に対して押圧し、
    前記研磨面のコンディショニングを行いつつ、前記研磨対象物を前記研磨面に対して押圧する圧力と、前記研磨面と前記研磨対象物との相対速度との積に研磨速度が比例しない非プレストン領域内の条件下で前記研磨対象物の研磨を行うことを特徴とする研磨方法。
  7. 前記研磨対象物の表面に形成された膜の厚さは500nm以上であることを特徴とする請求項6に記載の研磨方法。
  8. 前記研磨面に付着した研磨副生成物の量を測定し、
    前記測定の結果を前記研磨面のコンディショニングの制御にフィードバックすることを特徴とする請求項6または7に記載の研磨方法。
  9. 前記研磨面のコンディショニングの制御においては、前記研磨面に付着する研磨副生成物の量を制御することを特徴とする請求項8に記載の研磨方法。
  10. 多段の研磨ステップにおいて前記研磨面のコンディショニングを行い、前記研磨面に付着する研磨副生成物の量を研磨ステップごとに調整することを特徴とする請求項9に記載の研磨方法。
  11. 前記研磨面のコンディショニングにおいては、前記研磨面に物理力を与えることにより前記研磨面上の研磨副生成物を除去することを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の研磨方法。
  12. 前記研磨面のコンディショニングにおいては、前記研磨面にキレート剤またはキレート樹脂を供給することにより前記研磨面上の研磨副生成物を除去することを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の研磨方法。
  13. 前記研磨面のコンディショニングにおいては、前記研磨面に物理力を与えること、および、前記研磨面にキレート剤またはキレート樹脂を供給することにより前記研磨面上の研磨副生成物を除去することを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の研磨方法。
  14. 弱酸性雰囲気で前記研磨面にキレート剤またはキレート樹脂を供給して前記研磨面上の研磨副生成物を該キレート剤またはキレート樹脂に吸着し、
    酸性雰囲気で前記研磨対象物の研磨を行うことを特徴とする請求項12または13に記載の研磨方法。
  15. 研磨面と、
    表面に研磨すべき膜が形成された研磨対象物を保持するトップリングと、
    前記研磨面と前記トップリングに保持された研磨対象物とを相対移動させる駆動機構と、
    前記トップリングに保持された研磨対象物を前記研磨面に対して押圧する押圧機構と、
    前記研磨面をコンディショニングするコンディショナと、
    を備え、
    研磨前に前記コンディショナにより前記研磨面のコンディショニングを行い、
    前記研磨対象物を前記研磨面に対して押圧する圧力と、前記研磨面と前記研磨対象物との相対速度との積に研磨速度が比例しない非プレストン領域内の条件下で前記研磨対象物の研磨を行うことを特徴とする研磨装置。
  16. 前記研磨対象物の表面に形成された膜の厚さは1000nm以下であることを特徴とする請求項15に記載の研磨装置。
  17. 表面に研磨すべき膜が形成された研磨対象物の研磨前に研磨面のコンディショニングを行い、
    前記研磨対象物と前記研磨面とを相対移動させつつ、前記研磨対象物を前記研磨面に対して押圧し、
    前記研磨対象物を前記研磨面に対して押圧する圧力と、前記研磨面と前記研磨対象物との相対速度との積に研磨速度が比例しない非プレストン領域内の条件下で前記研磨対象物の研磨を行うことを特徴とする研磨方法。
  18. 前記研磨対象物の表面に形成された膜の厚さは1000nm以下であることを特徴とする請求項17に記載の研磨方法。
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