JP2006185270A - 視認対象物の視認性評価方法および評価装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】視点と視認対象物が設けられた対象空間において視点からの視認対象物の視認性を評価する視認性評価方法であって、視認対象物の表面に1つ以上の三角形メッシュなどの区分を設け、区分毎に、レイトレーシングにより視点からの視認性を評価する。例えば、メッシュの3つの頂点と視点とのレイトレーシングにより、2つ以上の頂点が可視であればメッシュが可視であるとする。次に、視認対象物の視認性として、区分毎の視認性の総和を算出する。
【選択図】図2
Description
(2)対象空間に他の面を反射または透過する面があったら、視認対象物は間接的に視認することができる。
(3)視認対象物は、以下の場合に、完全にまたは部分的に不可視となる。
(a)照明が存在しない、または、照明が弱い場合。
(b)視認対象物からカメラ(視点)までの距離が遠い場合、および/または、空気中の塵の濃度が濃い場合。
(c)人間などの移動する障壁物が存在する場合。
(4)視認性は、視認の状況に応じて評価されるべきである。
非特許文献2には、交通広告における広告ユニットの視認率が定義されているが、ここでは対象路線に乗車した人のうち、確かに見たか見たような気がするという人の割合を調査して、実験的かつ統計的に求めているものであり、実験が大がかりとなるので容易に視認率を求めることはできない。また、この視認率の値には、人間の印象といった主観的な要素も含まれており、必要としている広告媒体のみの客観的、定量的効果が分離されていない。
「計算による可視化」の観点からは、下記の内容によって視認性が得られることを見いだすことができる。
上記の(2)に対して、CGにおけるレイトレーシング(Ray Tracing)法(非特許文献3参照)と呼ばれるアルゴリズムは、鏡面反射/透過屈折を表現できる。
上記の(3)の(a)および(b)に対して、ほとんどのCGアルゴリズムは、光源、距離、塵などの影響を考慮できる。
上記の(3)の(c)に対して、与えられた地理情報で構成される対象空間に対して動く物体を構築し、それらの特性を定義し配置することができる研究(非特許文献4および5参照)がなされている。
上記の(4)に対して、CGはどんな視点からの画像を生成することができる。
Joseph O'Rourke, "Art Gallery Theorems and Algorithms", Oxford University press, (1987) 「交通広告調査レポート2002新効果指標と特性」、関東交通広告協議会、2003年 T. Whitted, "An improved illumination model for shaded display", Communications of the ACM, VOL.23, No6, pp. 343-349 (1980.6) Gorge B. Korte, "THE GIS BOOK; Understanding the value and Implementation of Geographic Information Systems, 4th ed.", On Word Press (1997) Craig W. Reynolds, "Flocks, Herds, and Schools: A Distributed Behavioral Model", SIGGRAPH 87 Conference Proceedings, pp. 25-34 (1987).
まず、視認対象物の表面に1つ以上の区分を設け、区分毎に、レイトレーシングにより視点からの視認性を評価し、視認対象物の視認性として、区分毎の視認性の総和を算出する。
さらに好適には、前記メッシュにおける視認性を評価する工程において、前記3つの頂点における視認性の平均値と前記メッシュ面積を乗じて前記メッシュにおける視認性とする。
また、好適には、前記区分毎の視認性の総和に、前記視認対象物の可視面積/全表面積の比に関連する係数を乗じて、前記視認対象物の視認性とする。
また好適には、前記対象空間内に反射および/または屈折性障害物が存在するときに、反射および/または屈折を1回以上経た後の視認性を間接の視認性として前記視認対象物の視認性に足し合わせる。さらに好適には、前記間接の視認性として、前記間接の視認性が与える影響の程度を示す係数を前記間接の視認性に乗じてから、前記視認対象物の視認性に足し合わせる。
演算手段は、視認対象物の視認性評価の演算処理を行うものであり、視認対象物の表面に1つ以上の区分を設け、区分毎に、レイトレーシングにより視点からの視認性を評価し、視認対象物の視認性として、区分毎の視認性の総和を算出する。
入力手段は視認対象物の条件を入力する。
結果表示手段は、演算の結果を表示する。
さらに好適には、前記演算手段において、前記メッシュにおける視認性を評価する際に、前記3つの頂点における視認性の平均値と前記メッシュ面積を乗じて前記メッシュにおける視認性とする。
また、好適には、前記演算手段において、前記区分毎の視認性の総和に、前記視認対象物の可視面積/全表面積の比に関連する係数を乗じて、前記視認対象物の視認性とする。
また、好適には、前記演算手段において、前記対象空間内に反射および/または屈折性障害物が存在するときに、反射および/または屈折を1回以上経た後の視認性を間接の視認性として前記視認対象物の視認性に足し合わせる。さらに好適には、前記演算手段において、前記間接の視認性として、前記間接の視認性が与える影響の程度を示す係数を前記間接の視認性に乗じてから、前記視認対象物の視認性に足し合わせる。
あるいは、好適には、前記視認性を前記視点の属性として評価する。
また、好適には、前記視認対象物が美術品である。
また、好適には、前記視認対象物が建築物内施設、建築物外施設、設備、備品および/または出入り口であり、前記視点が監視カメラおよび/または監視員の視点である。
あるいは好適には、前記視認対象物が広告である。
本実施形態の視認対象物の視認性評価方法および評価装置は、レイトレーシング法を用いた3D空間内における視認対象物に対する視認性を評価するものであり、空間内において最小数のカメラ/警備員の配置を求めるものではない。評価される視認性は、3D空間、 鏡面反射、透過屈折、塵効果や人間のような障壁物体による影響を計算に入れた視認レベルを与えているものである。
すべての視認対象物は、三角形メッシュから構成されるものとし、視認対象物の視認性を、当該視認対象物を構成するメッシュの各頂点についての視認性から算出するものである。
図1は、本実施形態において光学モデルとして用いるフォンモデルの模式図である。
本実施形態では、CGのレンダリング手法であるレイトレーシング法を基に視認性を定義しており、フォンモデルを用いて視認対象物の表面における点Vの色Cを次の式(1)から計算する。
cos α=−L1・N
cos β=2(L1・N)(N・L2)−L1・L2
であり、また、
s:入射光の強さ
df:ちり濃度
d1:光源LSから点Vまでの距離
d2:視点VPから点Vまでの距離
kd:拡散反射係数
ke:環境反射係数
ks:鏡面反射係数
n:鏡面反射の強度係数
Cs:物体の表面色
RGB=(0.0〜1.0,0.0〜1.0,0.0〜1.0)
Cw:ハイライト色
RGB=(0.0〜1.0,0.0〜1.0,0.0〜1.0)
L1:光源LSから点V への方向ベクトル
L2:視点VPから点V への方向ベクトル
N:点Vの法線ベクトル
である。
光と、2種類の物体である、視認される対象物(O1,O2,O3,…,On)と障害物(O'1,O'2,O'3,…,O'e)から対象物空間が構成されるものとする。対象物Oiは、メッシュ(Pij,j=1,2,3,…,Mi)で構成されているものとし、一方、障害物は1組のレイトレーシング法で扱うことができるメッシュおよび/または曲面であるものとする。ここでいう曲面とは平面も含んでいる。
図2は上記のメッシュのモデルであり、Vijk(k=1,2,3)はメッシュPijの頂点とする。
上記の判定により、少なくとも2つの頂点が可視であり、かつ、図3のカメラCAの可視範囲Llimitを示す模式図に示すように、2つの頂点がカメラなどの視点VPの特性で与えられる可視範囲内にあるときに、メッシュPijが可視であるとし、このときのメッシュPijの視認性Iijを以下のようにして求める。
また、式(4)中のσは、0から1までの値を持つ係数である。
図4は、視点VPからの対象物の可視領域VSと不可視領域IVを説明する模式的な例図である。例えば、図4ではriを0.5としている。このときσは、riの与える影響を緩和する働きがある。言い換えれば、σの値が小さい場合、対象物の一部のみしか視認できないとしても、視認性の値を大きくすることができる。
カメラ/警備員からの間接視認による視認性空間内に、反射屈折物体が存在している場合、鏡や透過体を通して間接的に視認対象物を視認することができる。この場合には、レイトレーシング法を用いて以下のように間接的な視認性を考慮する。
すべてのP'tに対してレイを追跡した後、視点からすべての対象物に対しての間接的な視認性I(ID)が、次式(9)に示すように、各視認性の合計値で定義される。
I(VPm)は、式(10)から計算された、一つの視点VPm(m=1,2,…,vp)からの視認性である。このとき、カメラ/警備員が複数存在する場合の複数の視点ならの総計の視認性Isumは、次式(11)のように定義される。また、視点1つあたりの平均の視認性Iaverageは、次式(12)に示すように、総計の視認性Isumを視点の数vpで割った値となる。また、単位コストあたりの視認性Icostは、総計の視認性Isumを各視点VPmに対するコストCost(VPm)の総和で割った値となる。
また、上記の本実施形態の視認対象物の視認性評価方法により視認性を評価すると、どのような手段が視認性を向上させるか容易に確認することができ、視認性の向上を容易に行うことができる。
従来の美術館問題では、取り扱いが2次元空間であるなど、現実世界と整合しておらず、監視装置における監視効果を算定することはできなかった。
本実施形態の視認対象物の視認性評価方法においては、現実空間が3次元空間であることや、対象空間に他の面を反射または透過する面があることなどを考慮して、現実世界と整合して、監視される絵画や彫刻などの美術品の視認性や、監視する視点を持つカメラや監視員の視認性を評価することができる。
例えば、ホームセキュリティシステムや、ビルにおけるセキュリティ上の問題において、防犯カメラや非常口の標識などの視認性を評価し、これを高めることで安全性をさらに向上できる。
従来定義されているユニット視認率は広告ユニットに対する視認率を実験的に求めているが、大がかりな実験となるので容易に視認率を求めることはできなかった。また、この視認率の値には、人間の印象といった主観的な要素も含まれており、必要としている広告媒体のみの客観的、定量的効果が分離されていない。
本実施形態に係る視認対象物の視認性の評価方法により、広告の視認性を客観的に評価することで、広告媒体効果(広告到達レベル)を算出することができ、これよって広告効果の合理的な根拠が得られ、適正な広告料の設定などの基準として用いることが可能である。
また、例えば、銀行のATMなどに設置されている監視カメラなどの視点側の視認性を評価し、向上させることで、安全性を向上させることができる。
さらに、交通標識の視認性を評価し、これを向上させることで、交通事故などの交通上の問題を抑制する効果を期待することができる。
例えば、上記のような演算プログラムを組み込んだコンピュータにより実現できる。
上記の実施形態に係る視認対象物の視認性の評価方法により視認性を評価するシミュレーションを行った。
本実施形態に係る視認性評価方法を実現する評価装置は、レイトレーシング法を用いて、与えられた情報に対し対話的に複数のカメラ/警備員からの見た情景の画像と視認性を同時に生成することができるシステムである。
上記の評価装置において、対話的に入力できる情報は、以下の通りとした。
1.フロアに対し、レンダリングするか否か。
2.視認距離の閾値。環境光、塵の影響。
3.カメラ/監視員の視界。
4.カメラワーク。
ここで、フロア上の視認対象物OBの近傍に障壁物BAを設置し、障壁物BAと視認対象物OB側に2つのカメラCA1,2をそれぞれ所定の高さで設置し、さらにフロア全体を視野に入れることができるように天井にカメラ3を設置した。
天井に設置したカメラからは、カメラの可視範囲Llimitを超えたところにしに対象物があるために、視認性は0として評価された。
障害物BAから、視認対象物OBの一部が見える状態とした。このときの視認性は、0.626475と評価された。
障害物BAから、視認対象物OBの全部が見える状態とした。このときの視認性は、36.269474と評価され、図6の場合よりも高い視認性であることが確認された。
このときの視認性は0と評価された。
例えば、美術館における美術品を監視するときの視認性を評価する方法のほか、病院などにおいて患者を監視するシステムにおける視認性を評価したり、広告の視認性を評価する方法に適用できる。
また、視点となるのは、カメラなどの撮像装置のほか、監視員などの人間の目として評価することができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
また、本発明の視認対象物の視認性評価装置は、美術館における絵画などの美術品や広告などの視認対象物の視認性を評価する装置に適用できる。
VP…視点
CA,CA1〜CA3…カメラ
OB…視認対象物
BA…障害物
Claims (19)
- 視点と視認対象物が設けられた対象空間において前記視点からの前記視認対象物の視認性を評価する視認性評価方法であって、
前記視認対象物の表面に1つ以上の区分を設ける工程と、
前記区分毎に、レイトレーシングにより前記視点からの視認性を評価する工程と、
前記視認対象物の視認性として、前記区分毎の視認性の総和を算出する工程と
を有する
視認対象物の視認性評価方法。 - 前記視認対象物の表面に1つ以上の区分を設ける工程において、前記視認対象物の表面に1つ以上の三角形のメッシュに区分し、
前記区分毎に視認性を評価する工程において、前記メッシュにおける3つの頂点における視認性を、前記視点並びに前記視認対象物の属性として評価し、3つの頂点のうちの2つ以上が可視であるときに前記メッシュが可視であるとし、前記メッシュにおける視認性を評価する
請求項1に記載の視認対象物の視認性評価方法。 - 前記メッシュにおける視認性を評価する工程において、前記3つの頂点における視認性の平均値と前記メッシュ面積を乗じて前記メッシュにおける視認性とする
請求項2に記載の視認対象物の視認性評価方法。 - 前記区分毎に視認性を評価する工程において、前記視点に可視範囲を設けて、前記視認対象物が前記可視範囲にあるときに、前記視認対象物が可視であるとする
請求項1に記載の視認対象物の視認性評価方法。 - 前記区分毎の視認性の総和に、前記視認対象物の可視面積/全表面積の比に関連する係数を乗じて、前記視認対象物の視認性とする
請求項1に記載の視認対象物の視認性評価方法。 - 前記対象空間内に反射および/または屈折性障害物が存在するときに、反射および/または屈折を1回以上経た後の視認性を間接の視認性として前記視認対象物の視認性に足し合わせる
請求項1に記載の視認対象物の視認性評価方法。 - 前記間接の視認性として、前記間接の視認性が与える影響の程度を示す係数を前記間接の視認性に乗じてから、前記視認対象物の視認性に足し合わせる
請求項6に記載の視認対象物の視認性評価方法。 - 視点と視認対象物が設けられた対象空間において前記視点からの前記視認対象物の視認性を評価する視認性評価装置であって、
前記視認対象物の視認性評価の演算処理を行う演算手段と、
前記視認対象物の条件を入力する条件入力手段と、
前記演算の結果を表示する結果表示手段とを有し、
前記演算手段は、
前記視認対象物の表面に1つ以上の区分を設け、
前記区分毎に、レイトレーシングにより前記視点からの視認性を評価し、
前記視認対象物の視認性として、前記区分毎の視認性の総和を算出する
視認対象物の視認性評価装置。 - 前記演算手段において、
前記視認対象物の表面に1つ以上の区分を設ける際に、前記視認対象物の表面に1つ以上の三角形のメッシュに区分し、
前記区分毎に視認性を評価する際に、前記メッシュにおける3つの頂点における視認性を、前記視点並びに前記視認対象物の属性として評価し、3つの頂点のうちの2つ以上が可視であるときに前記メッシュが可視であるとし、前記メッシュにおける視認性を評価する
請求項8に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記演算手段において、前記メッシュにおける視認性を評価する際に、前記3つの頂点における視認性の平均値と前記メッシュ面積を乗じて前記メッシュにおける視認性とする
請求項9に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記演算手段において、前記区分毎に視認性を評価する際に、前記視点に可視範囲を設けて、前記視認対象物が前記可視範囲にあるときに、前記視認対象物が可視であるとする
請求項8に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記演算手段において、前記区分毎の視認性の総和に、前記視認対象物の可視面積/全表面積の比に関連する係数を乗じて、前記視認対象物の視認性とする
請求項8に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記演算手段において、前記対象空間内に反射および/または屈折性障害物が存在するときに、反射および/または屈折を1回以上経た後の視認性を間接の視認性として前記視認対象物の視認性に足し合わせる
請求項8に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記演算手段において、前記間接の視認性として、前記間接の視認性が与える影響の程度を示す係数を前記間接の視認性に乗じてから、前記視認対象物の視認性に足し合わせる
請求項13に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記視認性を前記視認対象物の属性として評価する
請求項8に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記視認性を前記視点の属性として評価する
請求項8に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記視認対象物が美術品である
請求項8に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記視認対象物が建築物内施設、建築物外施設、設備、備品および/または出入り口であり、
前記視点が監視カメラおよび/または監視員の視点である
請求項8に記載の視認対象物の視認性評価装置。 - 前記視認対象物が広告である
請求項8に記載の視認対象物の視認性評価装置。
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