JP2006184565A - 光学モジュールおよびこれを備えた撮影装置 - Google Patents

光学モジュールおよびこれを備えた撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型化され、レンズホルダの位置精度を向上することができる光学モジュールおよびこれを備えた撮影装置を提供する。
【解決手段】 圧電素子12a,12bに急激に上昇する電圧を印加して、圧電素子12a,12bを急激に伸ばし、重り13a,13bに衝撃的な慣性力を生じさせる。レンズホルダ11には、重り13a,13bの衝撃的な慣性力が加わり、レンズホルダ11は鏡筒15に対して被写体側に移動する。次に、圧電素子12a,12bに緩やかに下降する電圧を印加して、圧電素子12a,12bをゆっくりと縮ませると、重り13a,13bには小さな慣性力が生じる。レンズホルダ11には、重り13a,13bの小さな慣性力が加わるが、この慣性力は、レンズホルダ11と鏡筒15との間に生じる静止摩擦力を上回ることがなく、レンズホルダ11と鏡筒15との位置関係は保たれる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、カメラ等の撮影装置に搭載される光学モジュール、および、これを備えた撮影装置に関する。
カメラ等の撮影装置においては、レンズを保持するレンズホルダ等を移動させて、オートフォーカス等のフォーカス制御、あるいは、ズーム制御が行われる。レンズホルダを移動させるのに、従来の一例として、圧電素子にガイド棒を接着し、ガイド棒にレンズホルダを移動可能に支持させ、ガイド棒とレンズホルダとの間に摩擦力を発生させる板バネ等を備えた駆動装置が用いられていた(例えば、特許文献1)。この駆動装置は、圧電素子を伸縮させて、ガイド棒を長手方向に移動させることにより、板バネ等でガイド棒とレンズホルダとの間に摩擦力を発生させ、この摩擦力によってレンズホルダを光軸方向に移動させるものである。
特開平7−298656号公報
しかしながら、上述したようなレンズホルダの駆動装置では、ガイド棒及び圧電素子を支持する支持部材や、摩擦力付加部材として板バネ等を備えさせる必要があるので、大きくなってしまうとともに複雑な構成となってしまい、例えば携帯機器に搭載することができなくなってしまうという問題があった。
また、上述の駆動装置では、アクチュエータである圧電素子とレンズホルダとの間にガイド棒を介してレンズホルダを駆動させているので、レンズホルダの位置精度を確保しづらいという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、小型化が可能であり、かつレンズホルダの位置精度を向上することができる光学モジュールおよびこれを備えた撮影装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の光学モジュールは、
レンズを保持するとともに、前記レンズの光軸方向に移動可能なレンズホルダと、
内部に円筒部を有し、前記円筒部の内周面に前記レンズホルダを前記レンズの光軸方向へ摺動可能に支持するとともに、前記円筒部の内周面と前記レンズホルダの外周面との間に生じる静止摩擦力により、前記レンズホルダを前記レンズの光軸方向の任意の位置に保持するレンズホルダ支持体と、
伸びる速度と縮む速度とが異なるように電圧が印加され、かつ前記レンズの光軸方向に伸縮し、当該伸縮方向の一方の面が前記レンズホルダの前記レンズの光軸方向の一端部側の面に固定される圧電素子と、
前記圧電素子における前記伸縮方向の他方の面に固定された重りと備えたことを特徴とする。
また、前記レンズホルダは、つば部を有し、当該つば部に前記圧電素子における前記伸縮方向の一方の面が固定されるようにしてもよい。
また、前記圧電素子を前記レンズの光軸まわりに回転対称な位置に複数備えるようにしてもよい。
また、前記重りを前記レンズの光軸まわりに回転対称な位置に複数備えるようにしてもよい。
また、前記重りは、前記レンズの光軸と垂直方向の断面が前記レンズの光軸を中心とした円弧状であるようにしてもよい。
また、前記重りが固定される重り固定用部材を備え、前記圧電素子は前記重り固定用部材に固定されるようにしてもよい。
また、前記複数の圧電素子は、前記複数の重りの間にそれぞれ配置されるようにしてもよい。
また、前記圧電素子および前記重りがリング状であるようにしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の撮影装置は、上述した光学モジュールを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、小型化が可能であり、かつレンズホルダの位置精度を向上することができる光学モジュールおよびこれを備えた撮影装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る光学モジュールおよび光学モジュールを備えた撮影装置について、以下図面を参照して説明する。
この発明の実施形態に適用される光学モジュールの構成の一例が図1および図2に示されている。光学モジュール1は、図1および図2に示すように、三枚のレンズ10a〜10c等を保持するレンズホルダ11と、一対の圧電素子12a,12bと、一対の重り13a,13bと、重り固定用部材14と、鏡筒15と、基板16に配置された撮像素子17と、カバー18とを備えている。
三枚のレンズ10a〜10cは、被写体の光学画像を集光するものであり、図2に示すように、撮像素子17側から順に第1のレンズ10a、第2のレンズ10bおよび第3のレンズ10cにより構成されている。第1〜第3のレンズ10a〜10cは、光学特性の向上や光学モジュールの小型化などを考慮して設計されている。なお、被写体光量を調整するための2枚の絞り19a,19bが、それぞれ第1のレンズ10aと第2のレンズ10bとの間、第2のレンズ10bと第3のレンズ10cとの間に配置されている。
レンズホルダ11は、第1〜第3のレンズ10a〜10c及び絞り19a,19bを保持するとともに、光軸方向に前後に移動可能になっている。レンズホルダ11を光軸方向に前後に移動させることにより、第1〜第3のレンズ10a〜10cと撮像素子17の撮像面との間の距離を調整して、焦点調整または焦点位置調整が行われる。これにより、光学モジュール1を備えたカメラにおいて、オートフォーカス制御またはズーム制御が行われる。
レンズホルダ11は、円筒部11aおよびつば部11bが一体的に形成されて構成されている。円筒部11a内に、第1〜第3のレンズ10a〜10c及び絞り19a,19bが保持される。つば部11bは、円筒部11aの被写体側に環状に形成されている。つば部11bの撮像素子17側(被写体側と反対側)の面である下面には、圧電素子12a,12bを位置決めして取り付けるための取付溝111bが形成されている。取付溝111bには、圧電素子12a,12bそれぞれの伸縮方向(長手方向)と垂直な一方の面(伸縮方向片側の面(図1中、上側の面))が接着される。なお、レンズホルダ11は、光学フィルター等も備えているが、図面では省略している。
圧電素子12a,12bは、レンズホルダ11を光軸方向に移動させる駆動源となるアクチュエータである。圧電素子12a,12bは、例えば複数の圧電層を積層した積層型の圧電素子により構成されている。圧電素子12a,12bは、所定の電圧を印加することによって、光軸方向に伸縮する。圧電素子12a,12bに電圧を供給するためには、圧電素子12a,12bにハーネス(図示せず)を取り付けて鏡筒15の外部へ引き出して、基板16に半田付けして電気的に接続するようにしてもよいし、鏡筒15に設けられた立体配線により圧電素子12a,12bと基板16とを電気的に接続するようにしてもよい。
一対の重り13a,13bは、圧電素子12a,12bの急激な伸縮により発生する慣性力をレンズホルダ11に与えるものである。重り13a,13bは、光軸と垂直方向の断面が、光軸を中心とした円弧状に形成されている。重り13a,13bは、対向するように重り固定用部材14に固定される。重り13a,13bの重量を調整することによって、レンズホルダ11の移動動作を調整することができる。重り13a,13bの重量は、レンズホルダ11と比べた場合には、十分に重いものとする。
重り固定用部材14は、重り13a,13bを固定するとともに、圧電素子12a,12bが固定される。重り固定用部材14は、リング状の部材からなり、レンズホルダ11のつば部11bの下面と対向するように配置される。重り固定用部材14は、例えば重い(高比重)プラスチック材料もしくは重い金属材料により形成する。重り固定用部材14のレンズホルダ11のつば部11bの下面と対向する面には、一対の重り13a,13bが対向するとともに断面の円弧がリングの曲線に沿うように接着して固定される。また、重り固定用部材14の一対の重り13a,13bが固定された面には、一対の圧電素子12a,12bのそれぞれが、一対の重り13a,13bの間の中央に位置して対向するように固定される。一対の圧電素子12a,12bは、重り固定用部材14に、伸縮方向と垂直な他方の面(伸縮方向他方側の面(図1中、下側の面))が接着されて固定される。一対の圧電素子12a,12bおよび一対の重り13a,13bは、それぞれ光軸を中心として対称な位置に配置されている。圧電素子12a,12bを重り13a,13bの間に配置するのは、光軸方向の長さを短縮化する等のためである。
鏡筒15は、レンズホルダ11を支持するレンズホルダ支持体であるとともに、レンズホルダ11、圧電素子12a,12b、重り13a,13bおよび重り固定用部材14を収納するものである。鏡筒15は被写体側の上面が開口しており、鏡筒15の底面の中央には、中空の円筒部15aが突設されている。鏡筒15の円筒部15aの内周面に、レンズホルダ11の円筒部11aの外周面を光軸方向に摺動可能に嵌める。レンズホルダ11は、鏡筒15の円筒部15aの内周面とレンズホルダ11の円筒部11aの外周面との間に生じる静止摩擦力により、鏡筒15に対する位置が保持されている。鏡筒15の円筒部15aの内周面とレンズホルダの円筒部11aの外周面との少なくとも一方の面を、例えば、カーボンナノファイバー(CNF)部材を入れて形成したり、適切な長さの静電植毛を施したりすることにより、所望の静止摩擦係数を得るようにしてもよい。
撮像素子17は、第1〜第3のレンズ10a〜10cにより結像された被写体像を撮像して電気信号に変換するものである。撮像素子17は、例えばCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等により構成される。撮像素子17は、鏡筒15の円筒部15aの中央に位置するように配置される。撮像素子17は基板16に電気的に接続されている。なお、カバー18は、鏡筒15の被写体側の開口に取り付けられるリング状の蓋体である。
ここで、圧電素子12a,12bを駆動して、レンズホルダ11を光軸方向に移動させる方法について図3および図4を用いて説明する。まず、圧電素子12a,12bに電圧を印加していない状態では、レンズホルダ11は、図3(a)に示すように、鏡筒15の円筒部15aの内周面とレンズホルダの円筒部11aの外周面との間に生じる静止摩擦力により、鏡筒15に対して移動せずに、その位置が保持されている。
この状態で、図4(a)のaに示すように、圧電素子12a,12bに急激に上昇する電圧Vを印加すると、図3(b)に示すように、圧電素子12a,12bが急激に伸びる。圧電素子12a,12bの光軸方向の長さをLとすると長さがL+ΔLとなり、重り13a,13bには元の位置にとどまろうとする慣性力が被写体側方向(図3(b)において上方)に生じる。レンズホルダ11には、重り13a,13bの衝撃的な慣性力が圧電素子12a,12bを介して加わり、この慣性力は、レンズホルダ11と鏡筒15との間に生じる静止摩擦力を上回る。これにより、レンズホルダ11は鏡筒15に対して被写体側に移動する。
次に、図4(a)のbに示すように、圧電素子12a,12bに緩やかに下降する電圧Vを印加すると、図3(c)に示すように、圧電素子12a,12bはゆっくりと縮んで長さはLに戻り、重り13a,13bには小さな慣性力が撮像素子17方向(図3(c)において下方)に生じる。レンズホルダ11には、重り13a,13bの小さな慣性力が圧電素子12a,12bを介して加わるが、この慣性力は、レンズホルダ11と鏡筒15との間に生じる静止摩擦力を上回ることがない。よって、レンズホルダ11と鏡筒15との位置関係はほぼ保たれたまま、重り13a,13bが被写体側へ移動する。このように、圧電素子12a,12bの伸びる速度と縮む速度とを異ならせて、急激に伸ばして、ゆっくり縮める動作を繰り返すことにより、レンズホルダ11を光軸に沿って被写体側の所望の位置に移動させることができる。なお、図3において、レンズホルダ11の移動量をわかりやすくするために大きく示しているが、実際のレンズホルダ11の移動量は僅かである。
また、図4(b)のaに示すように、圧電素子12a,12bに緩やかに上昇する電圧Vを印加すると、圧電素子12a,12bはゆっくりと伸びるので、重り13a,13bには被写体側方向の小さな慣性力しか生ぜず、レンズホルダ11と鏡筒15との位置関係は保たれる。次に、図4(b)のbに示すように、圧電素子12a,12bに急激に下降する電圧Vを印加すると、圧電素子12a,12bは急激に縮むので、重り13a,13bに生じる撮像素子17方向の衝撃的な慣性力がレンズホルダ11に加わり、レンズホルダ11は鏡筒15に対して撮像素子17側に移動する。このように、圧電素子12a,12bをゆっくり伸ばして、急激に縮める動作を繰り返すことにより、レンズホルダ11を光軸に沿って撮像素子17側の所望の位置に移動させることができる。
光学モジュール1を備えた撮影装置であるカメラにおいて、レンズホルダ11を光軸方向に移動させて、アクティブ型のオートフォーカス制御またはズーム制御を行うための制御回路について図5を用いて説明する。カメラは、制御部30を有し、この制御部30は、CPU(Central Processing Unit)31とメモリ32とドライバ33と位置検出回路34とを備えている。CPU31は、レンズホルダ11全体の制御や演算処理等を行うものである。メモリ32には、レンズホルダ11を制御するためのプログラムや制御情報等が格納されている。ドライバ33は、CPU31からの制御信号に応じて、圧電素子12a,12bからなる圧電アクチュエータを駆動して、レンズホルダ11を光軸方向に移動させる。位置検出回路34は、位置検出センサ35からのレンズホルダ11の位置検出信号を受けてCPU31に位置検出信号を伝える。位置検出センサ35は、レンズホルダ11の光軸方向の位置を検出するセンサであり、例えば、フォトインタラプタやフォトリフレクタ等のフォトセンサ、圧電センサ、磁気センサ等により構成される。操作ボタン36は、CPU31に接続されている。赤外線投受光器37は、被写体までの自動測距を行うものであり、CPU31に被写体までの距離情報を伝えるものである。赤外線投受光器37の赤外線投光器から被写体に向かって光が投光され、被写体にあたって戻ってくる反射光を赤外線投受光器37の赤外線受光器で検出することにより、被写体までの距離測定が行われる。
ここで、この光学モジュール1を備えたカメラで、アクティブ型のオートフォーカス制御を行う方法について説明する。操作ボタン36が押されると、赤外線投受光器37等によって被写体までの距離情報が取得される。CPU31は、被写体までの距離情報に対応した位置となるようにレンズホルダ11を光軸方向に移動させるべく、圧電素子12a,12bからなる圧電アクチュエータを駆動するための出力をドライバ33に指示する。ドライバ33は、指示に従って、圧電素子12a,12bを駆動して、図3及び図4で説明したように、レンズホルダ11を光軸方向に移動させる。位置検出センサ35からは、レンズホルダ11の光軸方向の位置検出信号が位置検出回路34に供給され、位置検出回路34からCPU31へと伝えられる。
CPU31では、レンズホルダ11の位置検出信号に基づいて、レンズホルダ11(第1〜第3のレンズ10a〜10c)の位置が被写体までの距離に応じた位置に移動されたかどうかが判定される。そして、CPU31において、レンズホルダ11の位置が適切な位置に配置されたと判定された場合には、ドライバ33に圧電素子12a,12bの駆動を停止させる信号を出力する。このように光学モジュール1を備えたカメラでは、アクティブ型のオートフォーカス制御が行われる。
また、光学モジュール1を備えたカメラで、ズーム制御を行う場合には、操作ボタン36により所望の焦点距離情報がCPU31に入力される。CPU31はこの所望の焦点距離情報に対応した位置になるようにレンズホルダ11を光軸方向に移動させるべく、圧電素子12a,12bを駆動するための出力をドライバ33に指示する。ドライバ33は、指示に従って、圧電素子12a,12bを駆動して、図3及び図4で説明したように、レンズホルダ11を光軸方向に移動させる。
位置検出センサ35からは、レンズホルダ11の光軸方向の位置検出信号が位置検出回路34に供給され、位置検出回路34からCPU31へと伝えられる。CPU31では、レンズホルダ11の位置検出信号に基づいて、レンズホルダ11の位置が所望の焦点距離情報に応じた位置に移動されたかどうかが判定される。そして、CPU31において、レンズホルダ11の位置が適切な位置に配置されたと判定された場合には、ドライバ33に圧電素子12a,12bの駆動を停止させる信号を出力する。このように光学モジュール1を備えたカメラでは、ズーム制御が行われる。
光学モジュール1を備えたカメラにおいてパッシブ型のオートフォーカス制御等を行うための制御回路を図6に示す。図6に示した制御回路において、図5に示した制御回路の構成と実質的に同一な構成には同一の符号を付し、異なる構成についてのみ説明する。A/D変換器40は、撮像素子17からの像信号をデジタル信号に変換するものである。画像処理部41は、DSP(Digital Signal Processor)等により構成されており、入力されたデジタル信号から各画素の輝度信号を抽出してCPU31に出力する。
ここで、この光学モジュール1を備えたカメラで、パッシブ型のオートフォーカス制御を行う方法について説明する。操作ボタン36が押されると、撮像素子17によって、第1〜第3のレンズ10a〜10cにより結像された被写体像が撮像されて電気信号に変換される。A/D変換器40により、撮像素子17からの像信号がデジタル信号に変換されて、画像処理部41に出力される。画像処理部41では、入力されたデジタル信号に基づいて各画素の輝度信号が抽出され、この輝度信号はCPU31に出力される。CPU31では、メモリ32に記憶されたプログラムにしたがって、各画素の輝度信号に基づいて、コントラスト値が算出される。CPU31は、コントラスト値が最大値になり、合焦位置になるようにレンズホルダ11を光軸方向に移動させるべく、圧電素子12a,12bからなる圧電アクチュエータを駆動するための出力をドライバ33に指示する。ドライバ33は、指示に従って、圧電素子12a,12bを駆動して、図3及び図4で説明したように、レンズホルダ11を光軸方向に移動させる。位置検出センサ35からは、レンズホルダ11の光軸方向の位置検出信号が位置検出回路34に供給され、位置検出回路34からCPU31へと伝えられる。
CPU31では、レンズホルダ11の位置検出信号に基づいて、レンズホルダ11(第1〜第3のレンズ10a〜10c)の位置が被写体までの距離に応じた位置に移動されたかどうかが判定される。そして、CPU31において、レンズホルダ11の位置が適切な位置に配置されたと判定された場合には、ドライバ33に圧電素子12a,12bの駆動を停止させる信号を出力する。このように光学モジュール1を備えたカメラでは、パッシブ型のオートフォーカス制御が行われる。
本実施の形態の光学モジュールでは、レンズホルダ11を移動させるための部材を、圧電素子12a,12b、重り13a,13b、および、重り固定用部材14のみにより構成するようにしたので、部品点数を減らすことができるとともに、構造を簡単化することができる。
また、本実施の形態の光学モジュールでは、レンズホルダ11を移動させるための部材である圧電素子12a,12b、重り13a,13b、および、重り固定用部材14を、レンズホルダ11の光軸方向の撮像素子17側(被写体側と反対側)に設けるようにしたので、鏡筒15内に収納することができ、撮影装置に組み込むことが容易になるとともに、小型化することができ、例えば携帯機器に搭載することも容易になる。
また、本実施の形態の光学モジュールでは、圧電素子12a,12bの伸縮方向と垂直な一方の面(図1中、上側の面)をレンズホルダ11の被写体側と反対側の面に接着し、他方の面を重り13a,13bが固定された重り固定用部材14に接着すれば、レンズホルダ11を移動させる部材を取り付けることができるので、組み立てが容易である。
また、本実施の形態の光学モジュールでは、アクチュエータである圧電素子12a,12bが直接レンズホルダ11を移動させるようにしたので、レンズホルダ11の移動を制御しやすく、レンズホルダ11の位置精度を向上させることができる。
また、本実施の形態の光学モジュールでは、レンズホルダ11の移動動作を調整するのに、レンズホルダ11と鏡筒15との間の静止摩擦係数等を調整することの他に、重り13a,13bの重さを調整することにより、条件の合わせ込みが容易になり、仕様変更等があっても短時間で調整ができる。
本実施の形態の撮影装置では、小型化、構造が簡易化された光学モジュールを備えるようにしたので、省スペース化を図ることができ、簡易な構成にすることができる。また、このような撮影装置を携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯用電子機器に搭載することにより、携帯用電子機器の小型化、構成の簡易化等を図ることができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、本実施形態では、圧電素子12a,12bを2つ設ける例について説明したが、圧電素子は光軸周りに回転対称な位置に設ければ3つ以上設けることも可能である。また、圧電素子の形状は、光軸と垂直方向の断面が光軸を中心とした円弧状であるようにしてもよく、また、リング状のものとして1つ設けることも可能である。また、圧電素子12a,12bは、光軸方向に伸縮する構造のものであれば、積層型の圧電素子でなくてもよい。
また、本実施形態では、重り13a,13bを2つ設ける例について説明したが、重りは対称な位置に設ければ3つ以上設けることも可能である。また、重りの形状は、光軸と垂直方向の断面が光軸を中心とした円弧状である形状には限られず、例えば、リング状のものとして1つ設けることも可能である。圧電素子および重りをそれぞれリング状として、光軸方向に並設するように互いに接着すれば、重り固定用部材14を設ける必要がなくなる。
また、本実施形態では、重り固定用部材14を備えた例について説明したが、圧電素子のそれぞれに直接重りを固定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、撮像素子17を有する撮影装置について説明したが、いわゆるフィルムカメラ等の撮影装置についても適用することが可能である。
また、本実施形態では、レンズホルダ11の円筒部11aと鏡筒15の円筒部15aとの間で摩擦を生じる構成としたが、例えば、レンズホルダ11のつば部11bの外縁と鏡筒15を摩擦接触させるようにしてもよく、また、鏡筒15の円筒部15aを設けずに鏡筒の内壁とレンズホルダ11を摩擦接触させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、レンズホルダ11につば部11bを形成する例について説明したが、つば部11bを形成することなく、レンズホルダの底面(撮像素子17側の面)に圧電素子を接着するようにしてもよい。
また、本実施形態では、つば部11bを円筒部11aの被写体側に環状に形成する例について説明したが、必ずしも環状に形成する必要はなく、圧電素子12a,12bが固定される部分が形成されていればよい。
また、本各実施形態では、第1〜第3のレンズ10a〜10cの3枚のレンズを備えたレンズホルダ11について説明したが、レンズの数は3枚より少なくても、多くても本発明を適用することは可能である。
また、本各実施形態では、第1〜第3のレンズ10a〜10cの3枚のレンズを保持するレンズホルダ11について説明したが、複数のレンズを一枚ずつ保持する各レンズホルダについて、圧電素子、重り等の部材を備えさせ、独立して駆動させることもできる。
本発明の実施形態に係る光学モジュールの構成を表す分解斜視図である。 図1に示した光学モジュールの構成を表す斜視一部断面図である。 図1に示した光学モジュールが備えるレンズホルダの移動を説明するための断面図である。 図1に示した光学モジュールが備える圧電素子に印加する電圧の変化を表す説明図である。 図1に示した光学モジュールを備えたカメラにおいて、アクティブ型のオートフォーカス制御またはズーム制御を行うための制御回路のブロック図である。 図1に示した光学モジュールを備えたカメラにおいて、パッシブ型のオートフォーカス制御またはズーム制御を行うための制御回路のブロック図である。
符号の説明
1 光学モジュール
10a,10b,10c レンズ
11 レンズホルダ
11a 円筒部
11b つば部
12a,12b 圧電素子
13a,13b 重り
14 重り固定用部材
15 鏡筒
17 撮像素子

Claims (9)

  1. レンズを保持するとともに、前記レンズの光軸方向に移動可能なレンズホルダと、
    内部に円筒部を有し、前記円筒部の内周面に前記レンズホルダを前記レンズの光軸方向へ摺動可能に支持するとともに、前記円筒部の内周面と前記レンズホルダの外周面との間に生じる静止摩擦力により、前記レンズホルダを前記レンズの光軸方向の任意の位置に保持するレンズホルダ支持体と、
    伸びる速度と縮む速度とが異なるように電圧が印加され、かつ前記レンズの光軸方向に伸縮し、当該伸縮方向の一方の面が前記レンズホルダの前記レンズの光軸方向の一端部側の面に固定される圧電素子と、
    前記圧電素子における前記伸縮方向の他方の面に固定された重りとを備えたことを特徴とする光学モジュール。
  2. 前記レンズホルダは、つば部を有し、当該つば部に前記圧電素子における前記伸縮方向の一方の面が固定されたことを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール。
  3. 前記圧電素子を前記レンズの光軸まわりに回転対称な位置に複数備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の光学モジュール。
  4. 前記重りを前記レンズの光軸まわりに回転対称な位置に複数備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学モジュール。
  5. 前記重りは、前記レンズの光軸と垂直方向の断面が前記レンズの光軸を中心とした円弧状であることを特徴とする請求項4に記載の光学モジュール。
  6. 前記重りが固定される重り固定用部材を備え、前記圧電素子は前記重り固定用部材に固定されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学モジュール。
  7. 前記圧電素子は、前記複数の重りの間にそれぞれ配置されたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の光学モジュール。
  8. 前記圧電素子および前記重りがリング状であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学モジュール。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学モジュールを備えたことを特徴とする撮影装置。
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