JP2006184148A - 水質測定装置の標準液および水質測定装置用標準液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 例えば吸水管末モニタ装置などの多成分の分析機能を有する水質測定装置の各センサを一つの液で短時間で校正できると共に、水質測定装置を傷めることがなく、かつ、廃液処理などの取扱いが容易である水質測定装置の標準液および水質測定装置用標準液の製造方法を提供する。
【解決手段】 金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物78を含有し、被測定液の濁度を測定する測定部4および色度を測定する測定部3の両方を一液で校正可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物78を含有し、被測定液の濁度を測定する測定部4および色度を測定する測定部3の両方を一液で校正可能とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水質測定装置の標準液および水質測定装置用標準液の製造方法に関するものであり、例えば、ポーラログラフ法による残留塩素計、吸光光度法による色度計や濁度計、pH計あるいはそれらを用いた給水管末モニタなどのゼロ水精製部付き水質測定装置の標準液および水質測定装置用標準液の製造方法に関する。
上水道、簡易水道、専用水道などにおいては、水道水の色、濁り、残留塩素濃度の3項目を毎日検査することが法律で義務づけられており、それらの検査項目の連続自動測定を行なう給水管末モニタが開発され、実用に供されている。
給水管末モニタに組み込まれる残留塩素計としては、被測定液中に浸漬させた作用極と対極との間に電圧を印加し、両極間を流れる電流に基づき前記被測定液中の遊離残留塩素濃度を測定するようにしたポーラログラフ法による残留塩素計が、試薬を使用せずに遊離残留塩素濃度を測定でき、ランニングコストが安く、廃液処理も不要であるため、好適である。
給水管末モニタに組み込まれる色度計としては、連続自動測定を可能とするために、吸光光度法による色度計が用いられている。濁度計としては、吸光光度法の他、散乱光測定法や積分球式光電光度法などの測定方法もあるが、測定セルや受光素子の共用による色度計との複合化、それによるコストダウンや小型化などの観点から、色度計と同じ吸光光度法によるものが望ましい。
ところで、給水管末モニタなどの多成分モニタリング装置は定期的に各センサをそれぞれの校正液を用いて校正しなければならない。つまり、複数の特性を測定するセンサを有する水質測定装置の校正を行なうためには、複数の校正液を用いて、各センサの校正をそれぞれ行なう必要があった。このため、通常、標準液の調製からすべてのセンサを校正するには半日から1日という長時間を必要としていた。
また、多くの場合、水質測定装置が設置されている場所は、山岳地域などの環境条件の厳しい場所にあるために、この水質測定装置の校正に手間がかかることがあった。さらに、一般的な色度標準液には塩酸などの毒物または劇物が用いられるので、使用後の標準液に十分な廃液処理を施してから廃棄する必要が生じ、素人には扱いが困難であるという問題があった。
加えて、色度標準液として使われる塩化白金酸を、残留塩素計が備えられた水質測定装置に通水した場合、塩化白金酸が残留塩素の電極を白金メッキしてしまうことがあり、これによって残留塩素計の指示値が不安定になったり、指示値が高くシフトすることがあった。逆に、残留塩素計を校正するために用いられるの標準液が、水質測定装置内の他の部品(ステンレスなど)を腐蝕することがあった。
さらに、濁度標準液として広く使われているポリスチレンラテックス標準液は高価であるから校正に必要なランニングコストを引き上げるものとなる。そして、カオリン標準液が天然鉱物(カオリナイト:白とう土)から調製されて作成されているので、粒子径が均一でなく沈殿しやすいという欠点を持っている。さらに、次亜塩素酸を用いた残留塩素標準液は揮発性が高く、調製が難しいという問題がある。
そこで、水質測定装置内の複数のセンサを一度に校正できるような標準液の開発研究が行われている。特許文献1は水道水の濁度と色度の測定部を校正可能とした水道水着色評価用の標準液の製造方法を示すものである。すなわち、特許文献1には三酸化二鉄粒子や二酸化マンガン粒子のように水に対して非溶解性の金属酸化物粒子を用い、この金属酸化物粒子を界面活性剤のような分散剤を介して純水へ分散させることにより、重力による沈殿速度に対してブラウン運動による拡散速度が同等以上になるようにする水道水着色評価用標準液の製造方法が示されている。
特開平9−210786号公報
しかしながら、界面活性剤のような不純物の混入は種々の問題が発生する原因となっている。例えば、界面活性剤によって標準液内に気泡が混入しやすくなるだけでなく、不純物の添加に伴って標準液としての機能に悪影響を及ぼすことがあった。また、分散剤を混入した状態で気泡を発生させることなく金属酸化物粒子を純水に分散させるための工程が必要となり、これによって標準液の製造コストが引き上げられるという問題が生じる。
また、特許文献1に用いられる三酸化二鉄粒子や二酸化マンガン粒子は何れも赤褐色であり、WHOや厚生労働省が定めている色度の基準である黄色とは異なっているので、これらの粒子を用いた標準液では水質測定装置の濁度および色度の測定において正確な校正を行なうには、大幅な補正が必要であった。
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであって、その目的は、例えば給水管末モニタ装置などの多成分の分析機能を有する水質測定装置の各センサを一つの液で短時間で校正できると共に、水質測定装置を傷めることがなく、かつ、廃液処理などの取扱いが容易である水質測定装置の標準液および水質測定装置用標準液の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、第1発明の水質測定装置の標準液は、金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物を含有し、被測定液の濁度を測定する測定部および色度を測定する測定部の両方を一液で校正可能とすることを特徴としている(請求項1)。
前記金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物がα−FeOOH(ゲータイト)であってもよい(請求項2)。なお、ゲータイトは光触媒作用を持つので、褐色瓶のように外界の光を遮蔽できるものあるいは減衰させることができる容器に収容することが好ましい。また、ゲータイトを粉末の状態で保管することも可能であるが、既に液体に分散させた状態で保管することが望ましい。
前記金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物において、金属がビスマスであり、化学式がBim (NO3)m-y Om-x (OH)2x-y (ここで、1≦m≦7,−1≦x≦m,0≦y≦m,2x+y≧0)で表わされる化合物であってもよい(請求項3)。
中性リン酸塩を含有させることにより、水質測定装置内のpH測定部も一度に校正可能としてもよい(請求項4)
校正時において、密封容器に封入してなる、次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩を混合させることにより水質測定装置内の残留塩素計も一度に校正可能としてもよい(請求項5)。なお、前記密封容器は次亜塩素酸ナトリウムをセロニウム包装するものを用いることができる。また、次亜塩素酸ナトリウムは粉末(固体)または水溶液の状態で密封容器に封入されることが好ましく、特に一回の校正で一つの容器を開封する樹脂密封容器であることが望ましい。
第2発明の水質測定装置の標準液は、塩化白金酸カリウムおよび塩化コバルトを混合した標準液と、カオリン標準液またはポリスチレン標準液と、次亜塩素酸塩または沃素化合物とを混合してなり、被測定液の色度を測定する測定部と、濁度を測定する測定部と、残留塩素を測定する測定部の全てを一液で校正可能とすることを特徴としている(請求項6)。
第3発明の水質測定装置用標準液の製造方法は、金属原子を含む硝酸塩からその金属原子を含む水和物またはその金属原子を含む水酸化物を生成し、水に分散させることを特徴としている(請求項7)。
前記金属原子が鉄原子であり、鉄原子を含む硝酸塩をアルカリと反応させて鉄原子を含む水酸化物の結晶を生成し、得られた結晶を水に分散させてもよい(請求項8)。また、前記水酸化物の結晶がα−FeOOHであってもよい(請求項9)。
前記金属原子がビスマス原子であり、ビスマス原子を含む硝酸塩をアルカリと反応させて硝酸基(NO3 )を有するビスマスの水和物を生成し、得られた水和物を水に分散させてもよい(請求項10)。また、前記硝酸基(NO3 )を有するビスマスの水和物または水酸化物が塩基性硝酸ビスマスであってもよい(請求項11)。
前記水質測定装置用標準液の製造方法によって製造された標準液にさらに中性リン酸塩の粉末を加えることにより、pH7の緩衝機能を持たせてもよい(請求項12)。
次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩を密封容器に封入し、校正を行なう直前に密封容器を開封して、この密封容器内の次亜塩素酸ナトリウムを、前記水質測定装置用標準液の製造方法によって製造された標準液に、混合させることにより水質測定装置内の残留塩素計も一度に校正可能としてもよい(請求項13)。
請求項1に記載の水質測定装置の標準液では、水質測定装置内の濁度を測定する測定部と、色度を測定する測定部の両方を一度に校正することができるので、短時間(例えば10分など)で水質を表わす2つの属性(濁度と色度)の測定部を校正することができる。また、金属原子を含む水和物や金属原子を含む水酸化物は、何れも親水性を有するものであるから、水に対する親和性があり水によって容易に溶解させて、水中において容易に分散させることができるので、従来のように、粒子を分散させるための分散剤を必ずしも用いる必要がない。したがって、この水質測定装置の標準液には分散剤のような不純物の混入がないので、それだけ、より正確な校正を行なうことができる。
前記金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物がα−FeOOHである場合(請求項2)、水質測定装置の標準液の主成分であるα−FeOOH(ゲータイト)が化学的に安定しており、毒性が少ない物質であるから、従来の色度標準液のように塩酸などの劇物や毒物を用いる必要がない。したがって、廃液処理を簡単に行なうことができ、その取扱いが容易となる。また、ゲータイトは常温では化学的に極めて安定しているので、水質測定装置中の他の測定部に悪影響を及ぼすこともない。そして、ゲータイトの形状もコロイド鉄に近く、水に分散されやすく沈殿しにくいので、濾過工程を不要とすることができる。
また、ゲータイトの色は黄色(黄褐色)であり、WHOや厚生労働省が定めている色度の基準である黄色に近い色であるから、色度計の測定に用いられる波長390nmの近辺において光を吸収し易く、濁度計の測定に用いられる波長660nmの近辺において光を散乱し易い理想的な色であり、このゲータイトの色は濁度計と色度計の両方を校正するのに適している。そして、主原料が鉄であり稀少な物質が含まれていないので極めて安価にて製造することができる。
前記金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物において、金属がビスマスであり、化学式がBim (NO3)m-y Om-x (OH)2x-y (ここで、1≦m≦7,−1≦x≦m,0≦y≦m,2x+y≧0)で表わされる化合物である場合(請求項3)には、毒性が少ない化合物であり、従来の色度標準液のように塩酸などの劇物や強い毒物を用いる必要がないから、廃液処理も容易となり、その取扱いが容易である。また、該化合物は水溶性ともなっても常温では極めて安定であることから、水質測定装置中の他の測定部に悪影響を及ぼすこともない。該化合物の色は白色または黄色(黄褐色)である。ここで、該化合物が白色の場合はX線を照射することで色中心が移動することから黄色に変色しうる。よって、該化合物は色度の基準である黄色に近く、標準物質として適切である。そして、該号物はビスマスの硝酸塩から比較的容易に製造することができるため、比較的安価にて製造することができる。
中性リン酸塩を含有させることにより、水質測定装置内のpH測定部も一度に校正可能とする場合(請求項4)には、水質測定装置内にpH測定部が含まれている場合にも、一液で濁度、色度の測定部のみならず、pHの測定部も校正することができる。なお、中性リン酸塩は濁度および色度の測定値に全く悪影響を与えることがない。
校正時において、密封容器に封入してなる次亜塩素酸ナトリウムを混合させることにより水質測定装置内の残留塩素計も一度に校正可能とする場合(請求項5)には、水質測定装置内に残留塩素の測定部が含まれている場合にも、一液で濁度、色度の測定部のみならず、残留塩素の測定部も校正することができる。
請求項6に記載の水質測定装置の標準液では、色度を測定する測定部と、濁度を測定する測定部と、残留塩素を測定する測定部の全てを一度に校正することが可能であるから、短時間(例えば10分など)で水質を表わす3つの属性(濁度、色度、残留塩素)の測定部を校正することができる。
請求項7に記載の水質測定装置用標準液の製造方法によれば、金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物を生成することができ、この水和物または水酸化物は親水性を有するので、水に対する親和性があり、従来のような分散剤を用いることなく水に溶解させて、水中に容易に分散させることができる。そして、濁度と色度の測定部を一度に校正することができる水質測定装置用標準液を、容易に製造することができる。
前記金属原子が鉄原子であり、鉄原子を含む硝酸塩をアルカリと反応させて鉄原子を含む水酸化物の結晶を生成し、得られた結晶を水に分散させる場合(請求項8)には、比較的安価な金属原子を利用して水質測定装置用標準液を製造することができ、その製造コストを削減できるだけでなく、この水質測定装置用標準液は毒性が少ないので、その廃液処理が容易となる。
前記水酸化物の結晶がゲータイトである場合(請求項9)には、製造できる水質測定装置用標準液の主成分が化学的に安定しており、その毒性が少なく、その取扱いが容易である。そして、ゲータイトの形状もコロイド鉄に近く、水に分散されやすく沈殿しにくいので、濾過工程を不要とすることができる。さらに、生成されるゲータイトの色は黄色(黄褐色)であり、色度の基準である黄色に近い色である。
前記金属原子がビスマス原子であり、ビスマス原子を含む硝酸塩をアルカリと反応させて硝酸基(NO3 )を有するビスマスの水和物を生成し、得られた水和物を水に分散させる場合(請求項10)には、ビスマスも比較的毒性が少ない成分であるから、その廃液処理も極めて容易であり、その取扱いが容易となる。
前記硝酸基(NO3 )を有するビスマスの水和物または水酸化物が塩基性硝酸ビスマスである場合(請求項11)には、生成される水質測定装置用標準液の色が黄色(黄褐色)であり、色度の基準である黄色に近い色である。また、塩基性硝酸ビスマスはビスマス原子を含む硝酸塩から比較的容易に製造することができるため、比較的安価にて製造することができる。
前記水質測定装置用標準液の製造方法によって製造された標準液にさらに中性リン酸塩の粉末を加えることにより、pH7の緩衝機能をもたせる場合(請求項12)には、一液で濁度、色度の測定部のみならず、pHの測定部も校正できる水質測定装置用標準液を製造することができる。
次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩を密封容器に封入し、校正を行なう直前に密封容器を開封して、この密封容器内の次亜塩素酸ナトリウムを、前記水質測定装置用標準液の製造方法によって製造された標準液に、混合させることにより水質測定装置内の残留塩素計も一度に校正可能とする場合(請求項13)には、一液で濁度、色度の測定部のみならず、残留塩素の測定部も校正できる水質測定装置用標準液を製造することができる。
図1は本発明の水質測定装置の標準液を用いて校正する対象となる水質測定装置の一例である給水管末モニタ1の概略を示す図である。図1に示すように、給水管末モニタ1は例えば3つの異なる特性(被測定液の残留塩素,濁度,色度)を測定する測定部2〜4を備えたものである。より詳細には、給水管末モニタ1は、ポーラログラフ法により被測定液中の遊離残留塩素濃度を測定する残留塩素計2と、吸光光度法により被測定液の色度を測定する色度計3と、吸光光度法により被測定液の濁度を測定する濁度計4と、ゼロ水精製部5と、濾過フィルタ6とを備えている。
また、7はサンプル流路であり、供給口10から供給される被測定液を各測定部2〜4に流通させて、排水口11へと導くことができるように構成されている。なお、サンプル流路7中には各測定部2〜4の上流側において、分岐部7aを形成し、被測定液が、前記ゼロ水精製部5を通る流路7Aと、これを迂回する流路7Bの何れか一方を流通するように構成してある。同様に、測定部3,4の上流側のサンプル流路7中には、分岐部7bを形成し、被測定液が、前記中空糸フィルタ6を通る流路7Cと、これを迂回する流路7Dの何れか一方を流通するように構成してある。
前記残留塩素計2は、サンプル流路7に連通連結する測定セル20と、この測定セル20内の被測定液中に浸漬した金または白金からなる作用極21および銀/塩化銀からなる対極22を備えた残留塩素測定電極23とを有し、両極21,22間に電圧を印加した状態で、この間を流れる電流に基づいて、被測定液中の遊離残留塩素濃度を測定するものである。
24は前記残留塩素測定電極23の下端に設けられた作用極21を振動または回転させるモータであり、25は前記モータ24の動作に伴って作用極21にこすり合わせられて作用極21の表面を研磨するように測定セル20内に充填された研磨用ビーズである。
前記色度計3は、サンプル流路7に連通連結する測定セル30と、この測定セル30に特定波長(例えば波長390nm付近)の光を照射する光源31と、測定セル30を透過した光を受ける受光素子32と、光源31からの光を受光素子32に入射させるための鏡面33とを備えている。つまり、色度計3は吸光光度法により被測定液の色度を測定するものである。
前記濁度計4は、サンプル流路7に連通連結する測定セル40と、この測定セル40に特定波長(例えば波長660nm付近)の光を照射する光源41と、測定セル40を透過した光を受ける受光素子42と、光源41からの光を受光素子42に入射させるための鏡面43とを備えている。つまり、濁度計4は吸光光度法により被測定液の濁度を測定するものである。
前記ゼロ水精製部6は、例えば、光触媒aがコーティングされたビーズ(例えば、酸化チタンがコーティングされたシリカゲルビーズやセラミックスビーズやガラスビーズなどが使用される)bを充填したカラム61と、紫外線を照射する光源(例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ブラックライト、エキシマ、青色LEDなどを用いることができる)62とを備え、紫外線照射によるカラム61内での光触媒反応によって水中の有機成分等を分解し、ビーズbで濾過するように構成されている。
前記濾過フィルタ6は、例えば中空糸フィルタを用いることにより、サンプル流路7Cを流れる被測定液中の粒子状物質を取り除いて、下流側の色度計3と濁度計4に流通させる被測定液を精製できるように構成してある。
上記構成の給水管末モニタ1は、被測定液の特性(水質)を表わす3つの要素(遊離残留塩素濃度、色度、濁度)を一度にそれぞれ測定することができるので、水質測定を適正に行なうことができる。そして、本発明の水質測定装置の標準液は、水質を表わす各要素を測定する各測定部2〜4を一度に校正することができるものである。
上記の構成によれば、サンプル流路7A中に設けたガラス管の内面にコーティングされた光触媒部分に紫外線を照射するだけで、残留塩素のゼロ水を精製できる。また、光触媒部分は、光触媒反応によって超親水性が保たれるので、交換が不要であり、従来のゼロ水精製部付き残留塩素計のようなフィルタの定期的な交換が不要になるので、ランニングコストを低減できる。紫外線照射用の光源62をON・OFFするだけで、ゼロ水精製状態と残留塩素濃度の測定状態とに切り換えることができる。なお、本例ではサンプル流路7Aとは別の分岐流路や両流路を残留塩素の測定時とゼロ水精製時とで切り換えるための流路切換弁7aを設けているが、この流路切換弁7aおよび分岐流路7Bを省略してその製造コストを削減してもよい。
なお、本願発明の水質測定装置の標準液は少なくとも濁度、色度の測定部を有する水質測定装置の校正を行なうものであるが、本実施例の給水管末モニタ1は残留塩素計2を備えることにより、同時に遊離残留塩素濃度を測定するものである。また、図1には図示していないが、給水管末モニタ1内には、例えばISFETやガラス電極などからなるpH測定部が形成されている。
例えば、以下の説明に示す水質測定装置の標準液は残留塩素やpHの測定部も一液で校正するものである例を示す。しかしながら、本願発明の水質測定装置の標準液は残留塩素やpHの測定部の校正を一液で行なうことができるものであることに限定されるものではない。
つまり、本発明の水質測定装置用標準液によって校正される給水管末モニタ1は残留塩素計2やpHの測定部を省略したものであってもよい。逆に、図1には図示していないが、サンプル流路7中の何れかの位置に被測定液の溶存酸素濃度、導電率などを測定する測定部を介在させて、被測定液のpH,溶存酸素濃度、導電率などを同時に測定するものであってもよい。
次に、図2を用いて、本発明の水質測定装置用標準液に含有させる、金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物の一例としてのゲータイトの製造方法を説明する。なお、以下の各例に示す水質測定装置用標準液の製造方法は、説明が容易であるように、小規模の製造を行なう例を示しているが、この同じ方法で規模を大きくすることにより、多量の水質測定装置用標準液を製造することが可能である。
まず、水酸化カリウム(アルカリ)70を例えばメスフラスコ71に入れて、イオン交換水72と混合攪拌することにより、正確に所定の濃度(例えば2.5N)の水酸化カリウム水溶液73を生成する一方、金属原子の一例としての鉄原子を含む硝酸塩である硝酸鉄(III)9水塩74をイオン交換水75と混合攪拌させて、硝酸鉄(III)9水和物76を生成する。なお、鉄原子は多量に存在する金属であるから、原料となる硝酸鉄(III)9水塩74は安価である。
そして、前記水酸化カリウム水溶液73と硝酸鉄(III)9水和物76を混合して中和反応させ、FeOOH(鉄原子を含む水酸化物)の結晶77を生成する。すなわち、前記結晶77の生成は中和法で行われるので、生成される結晶77の粒径が極めて小さく、100〜300Åとなる。
次いで、前記結晶77を所定時間攪拌し、所定の時間以上静置して結晶77を層分離させたり、フィルタで分けるなどして、例えば符号77a〜77cに示すように分離し、一定の粒径範囲の層分の結晶77bだけを分取し、これを乾燥させることによりゲータイト(α−FeOOH)78を生成し、所定濃度の溶液を作ることができる。
このゲータイト78はコロイド鉄に近い形状であり、これを水に溶解させた状態で金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物であるから、水に対する親和性があり、分散剤を用いなくても容易に水に分散する。また、ゲータイト78は化学的に非常に安定しているので、このゲータイト78が前記残留塩素計2に悪影響を与えることがない。
上述の例では、反応により得られたゲータイトを乾燥して粉末にした後に、水に溶解させて水質測定装置用標準液を得ている。それ以外に、前記結晶77を所定時間攪拌した後の溶液中の前記ゲータイトをフィルタで濾過し、イオン交換水によって洗浄した後に、乾燥させずに、水で希釈することで水質測定装置用標準液とすることも可能である。この方法では、乾燥工程を省くことで製造上での手間を削減することが可能となる。
図3はゲータイト78による吸光特性を示す図である。図3に仮想線で示すように、ゲータイト78は濁度計4において照射される光の波長660nmにおいて吸光特性が波長390nmに比べて著しく低く、色度計3において照射される光の波長390nmにおいて比較的高い吸光特性を有する。つまり、ゲータイト78の色は黄色(黄褐色)であるから、WHOや厚生労働省が定めている色度の基準である黄色に近い色であり、色度の標準液として大幅な補正演算を行なう必要がない。ゆえに、それだけ色度計3の校正を正確に行なうことができる。
また、濁度計4において照射される660nmの光を吸収するので濁度計4の校正を正確に行なうことができる。
図1に示す例では、前記水質測定装置1が色度、濁度の測定部3,4のみならず遊離残留塩素濃度の測定部2およびpHの測定部(図示していない)を有する。したがって、これらの各測定部を一液で校正するために、本願発明の水質測定装置用標準液は、対象となる水質測定装置1の校正を行なう直前に、別途用意したリン酸水素カリウムやリン酸水素ナトリウムなどの中性リン酸塩を混合したり、別の密封容器に封入してなる次亜塩素酸ナトリウム(またはカリウム)を混合する。
図4は水質測定装置用標準液に中性リン酸塩を混合する手順を示す図である。図4に示すように、中性リン酸塩79は粉末の状態で保管し、水質測定装置を校正する直前に、ゲータイト78をイオン交換水などに溶解させ分散させた水質測定装置用標準液80に混合攪拌することが望ましい。すなわち、中性リン酸塩79を乾燥した粉末の状態で保管することにより、微生物によって腐蝕することを防止できる。このようにして生成された水質測定装置用標準液81はpH7の緩衝液となる。
なお、中性リン酸塩は粉末の状態で保管されて校正作業の直前に混合されるものだけでなく、溶液の状態で保管し、これに防腐処理を施してあってもよい。この場合、中性リン酸塩を始めからゲータイトが分散する水質測定装置用標準液80に混合させてあってもよい。この場合、中性リン酸塩とゲータイトを含む水質測定装置用標準液81を暗所に保管したり、この水質測定装置用標準液81を遮光作用のある容器に収容して、ゲータイトの光触媒作用によって中性リン酸塩が変質することがないようにすることが望ましい。
図5は次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩を溶液の状態で収容する密封容器の一例を示す図である。ここで、次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩としては、水溶液の状態で次亜塩素酸イオンを生成しうる化合物である。次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸カリウムまたは次亜塩素酸カルシウムを用いることができる。また、密封容器には図5で示している溶液だけでなく、粉末であっても適用できる。以下、実施例では次亜塩素酸塩の一例を次亜塩素酸ナトリウムとし、密封容器には溶液の状態で用いるものとするが、これに限定されることではない。
前記密封容器は、例えば、定まった量の次亜塩素酸ナトリウムの溶液82を外気から完全に密封した状態で、それぞれ封入する小容量の合成樹脂性からなる容器83であり、本例では複数の容器83を連結するように形成してある。
また、各容器83は次亜塩素酸ナトリウムの溶液82を収容する袋部83aと、この袋部83aの一端に連設するつまみ部83bとが形成されている。つまり、各容器83を他の容器83から切り離した後に、つまみ部83bを袋部83aに対して捩じることにより、容器83を開封すると共に次亜塩素酸ナトリウムの溶液82を取出すための開口83cが形成されるように構成してある。本例のように容器83が密封されているので、内部の次亜塩素酸ナトリウムが揮発によって濃度変化することを防止できる。また、この容器83にはとりわけ紫外線などの遮光作用があることが好ましい。
なお、本例で次亜塩素酸ナトリウムを溶液82の状態で密封容器に封入する例を示しているが、これを粉末の状態で収容するようにしてもよいことはいうまでもない。この場合の容器も密封できるものであることが好ましく、遮光作用があることが好ましい。
図6は本発明の水質測定装置用標準液を用いて水質測定装置を構成する方法を示す図である。図6において、84は水質測定装置1の給水口10に接続されたポリ容器である。図6に示すように、ポリ容器84内に前記水質測定装置用標準液81および次亜塩素酸ナトリウムの溶液82を混合攪拌して標準液85を生成し、この標準液85を水質測定装置1によって測定することにより、水質測定装置1を校正することができる。
なお、前記次亜塩素酸ナトリウムの溶液82はポリ容器84に移される前に水質測定装置用標準液81に混合攪拌されていてもよく、また、ポリ容器84内に幾らかのイオン交換水を収容することにより、標準液85の濃度を適宜調節してもよいことはいうまでもない。さらに、上述の例では、ゲータイトが分散する水質測定装置用標準液80に、まず中性リン酸塩79を混合し、その後、次亜塩素酸ナトリウムの溶液82を混合する例を示しているが、この順番が逆であってもよい。そして、水質測定装置1がpHや残留塩素の測定部を備えていない場合には、水質測定装置用標準液80に対する中性リン酸塩79や次亜塩素酸ナトリウムの溶液82の混合を行なう必要はない。
前記標準液85に含まれる中性リン酸塩や次亜塩素酸ナトリウムは、色度および濁度の測定部3,4における測定値に影響を及ぼすことはないが、色度の測定部3はゲータイトに波長660nmにおいても幾らかの吸光特性があるので、これを補正する必要が生じる。したがって、本発明の水質測定装置用標準液85を用いて水質測定装置1の校正を行なうときに、色度の測定値を受光素子32に入射する波長390nmの光の強さのみではなく、受光素子42に入射する波長660nmの光の強さを用いた四則演算の組み合わせによる補正演算によって補正する。
本例の標準液85を用いることにより、水質測定装置1を構成する残留塩素,色度,濁度,pHの各測定部を一液で校正することができる。したがって、水質測定装置1の校正にかかる時間を必要最小限に短くして、例えば10分程度で完了することができる。また、その手間を可及的に削減することができる。そして、標準液85の主成分であるゲータイトには親水性があるので、これを容易に水に分散させることができ、従来のように標準液85を水に分散させるための分散剤のような添加物を添加する必要がないので、各測定部の校正をより正確に行なうことができる。
さらに、標準液85には塩酸などの毒物または劇物が含まれていないので、この標準液85を簡単に処理して廃棄することができる。つまり、標準液85の取扱いを容易とすることができる。とりわけ、水質測定装置1を山岳地域などの環境条件の厳しい場所に設置している場合に、標準液85の廃液処理が簡単に行えることにより、校正にかかる手間を飛躍的に少なくすることができる。
上述の例では、金属原子を含む硝酸塩として硝酸鉄(III)9水塩74を用いた例を示しているが、この代わりに、ビスマス原子を含む硝酸塩を用いてもよい。この場合、前記結晶77の代わりに硝酸基(NO3 )を有するビスマスの水和物または水酸化物として、塩基性硝酸ビスマスの結晶を生成することが可能である。このようにして生成される塩基性硝酸ビスマスを水に分散させてなる水質測定装置用標準液は、塩基性硝酸ビスマスの色が黄色(黄褐色)であり、色度の基準である黄色に近い色である。ここで、塩基性硝酸ビスマスでも、攪拌した後の溶液を乾燥せずに、そのまま用い、水で希釈することで水質測定装置用標準液とすることも可能である。
塩基性硝酸ビスマスは親水性があるため、水に容易に分散するだけでなく、人体に接触したしても問題がない程度に無毒であり、劇物に属するものではないので、その廃液処理も容易に行なうことが可能である。
さらに、上述の各例では、金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物の例として鉄原子を含むゲータイトとビスマス原子を含むビスマス塩基性硝酸塩複合酸化物の例を挙げているが、その他の金属原子を含む水和物または水酸化物を用いてもよいことはいうまでもない。何れにしても、金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物は極性分子が配位した金属化合物であるから水に対する親和性に優れており、容易に分散するので、濁度および色度の測定部を校正する標準液の主要な構成要素として有用である。また、ゲータイトや塩基性硝酸ビスマスは金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物の結晶を形成するので、その光学的特性が良好である。
本事例で用いられる代表的なビスマス化合物としてはα−Bi2 O3 、α−Bi2 O3 ・5H2 O、BiONO3 、Bi(NO3)3 ・5H2 Oなどがある。
上述の各実施例では、金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物が、色度の測定部3と濁度の測定部4の両方を校正可能とする点において共通しているが、本発明は残留塩素と濁度と色度の測定部2〜4のそれぞれに対応する物質を混合して水質測定装置用標準液を構成してもよい。
すなわち、塩化白金酸カリウムおよび塩化コバルトを混合した標準液と、カオリン標準液またはポリスチレン標準液と、次亜塩素酸塩または沃素化合物とを混合して、残留塩素と濁度と色度の測定部2〜4を形成してもよい。この場合、カオリン標準液またはポリスチレン標準液は色度計3において用いる波長390nmの光にも吸収特性を有するので、色度計3の測定結果がカオリン標準液またはポリスチレン標準液による影響を受ける。そこで、色度計3の測定結果からカオリン標準液またはポリスチレン標準液による指示影響を除去するための簡単な一次式の四則計算による補正演算を行なう。
本実施例のように構成された水質測定装置用標準液を用いた場合、水質測定装置1を構成する残留塩素と濁度と色度の各測定部2〜4を一液で校正することができ、それだけ、校正にかかる手間や時間を節約することができる。なお、水質測定装置1がpHの測定部を有する場合には、前記標準液に中性リン酸塩などを混合することができる。
1 水質測定装置
2 残留塩素を測定する測定部(残留塩素計)
3 色度を測定する測定部(色度計)
4 濁度を測定する測定部(濁度計)
73 アルカリ(水酸化カリウム水溶液)
74 鉄原子を含む硝酸塩(硝酸鉄(III)9水塩)
78 金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物(α−FeOOH) 79 中性リン酸塩(リン酸水素カリウムおよびリン酸水素ナトリウム)
81,85 標準液
82 次亜塩素酸ナトリウム
2 残留塩素を測定する測定部(残留塩素計)
3 色度を測定する測定部(色度計)
4 濁度を測定する測定部(濁度計)
73 アルカリ(水酸化カリウム水溶液)
74 鉄原子を含む硝酸塩(硝酸鉄(III)9水塩)
78 金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物(α−FeOOH) 79 中性リン酸塩(リン酸水素カリウムおよびリン酸水素ナトリウム)
81,85 標準液
82 次亜塩素酸ナトリウム
Claims (13)
- 金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物を含有し、被測定液の濁度を測定する測定部および色度を測定する測定部の両方を一液で校正可能とすることを特徴とする水質測定装置の標準液。
- 前記金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物がα−FeOOHである請求項1に記載の水質測定装置の標準液。
- 前記金属原子を含む水和物または金属原子を含む水酸化物において、金属がビスマスであり、化学式がBim (NO3)m-y Om-x (OH)2x-y (ここで、1≦m≦7,−1≦x≦m,0≦y≦m,2x+y≧0)で表わされる化合物である請求項1に記載の水質測定装置の標準液。
- 中性リン酸塩を含有させることにより、水質測定装置内のpH測定部も一度に校正可能とする請求項1〜3の何れかに記載の水質測定装置の標準液。
- 校正時において、密封容器に封入してなる、次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩を混合させることにより水質測定装置内の残留塩素計も一度に校正可能とする請求項1〜4の何れかに記載の水質測定装置の標準液。
- 塩化白金酸カリウムおよび塩化コバルトを混合した標準液と、カオリン標準液またはポリスチレン標準液と、次亜塩素酸塩または沃素化合物とを混合してなり、被測定液の色度を測定する測定部と、濁度を測定する測定部と、残留塩素を測定する測定部の全てを一液で校正可能とすることを特徴とする水質測定装置の標準液。
- 金属原子を含む硝酸塩からその金属原子を含む水和物またはその金属原子を含む水酸化物を生成し、水に分散させることを特徴とする水質測定装置用標準液の製造方法。
- 前記金属原子が鉄原子であり、鉄原子を含む硝酸塩をアルカリと反応させて鉄原子を含む水酸化物の結晶を生成し、得られた結晶を水に分散させる請求項7に記載の水質測定装置用標準液の製造方法。
- 前記水酸化物の結晶がα−FeOOHである請求項8に記載の水質測定装置用標準液の製造方法。
- 前記金属原子がビスマス原子であり、ビスマス原子を含む硝酸塩をアルカリと反応させて硝酸基(NO3 )を有するビスマスの水和物を生成し、得られた水和物を水に分散させる請求項7に記載の水質測定装置用標準液の製造方法。
- 前記硝酸基(NO3 )を有するビスマスの水和物または水酸化物が塩基性硝酸ビスマスである請求項10に記載の水質測定装置用標準液の製造方法。
- 請求項7〜11の何れかに記載の水質測定装置用標準液の製造方法によって製造された標準液にさらに中性リン酸塩の粉末を加えることにより、pH7の緩衝機能を持たせる水質測定装置用標準液の製造方法。
- 次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩を密封容器に封入し、校正を行なう直前に密封容器を開封して、この密封容器内の次亜塩素酸ナトリウムを、請求項7〜12の何れかに記載の水質測定装置用標準液の製造方法によって製造された標準液に、混合させることにより水質測定装置内の残留塩素計も一度に校正可能とする水質測定装置用標準液の製造方法。
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2004
- 2004-12-28 JP JP2004378870A patent/JP2006184148A/ja active Pending
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