JP2006183968A - 線材を用いた搬送機構並びにそれを使用した熱処理炉及び熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線材の振動等による被熱処理物の位置ズレを効果的に防止し、安定した搬送を実現できるような搬送機構を提供する。
【解決手段】熱処理炉内で、複数の板状の被熱処理物400を順次搬送するために使用される搬送機構であって、被熱処理物400の搬送路に、互いに異なった動作をする2種の線材104、204が配設され、線材104、204は、搬送路の中央線Lの左右両側にそれぞれ複数本ずつ平行に配設されており、線材104、204の各々に、被熱処理物400の縁部とのみ接触して被熱処理物400を支持する支持具100、200が搬送方向に間隔を置いて複数個装着されており、支持具100、200は、線材104、204に装着された状態で、搬送路の中央線L側に向かって低くなるよう傾斜する傾斜部位を有し、傾斜部位は、各々傾斜角度が異なる急傾斜部と緩傾斜部とが連なった構造を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱処理炉内において、太陽電池基板のような板状の被熱処理物を順次搬送するために使用される搬送機構並びにそれを使用した熱処理炉及び熱処理方法に関する。
太陽電池基板の製造においては、基板の表面及び裏面に導電性の電極ペーストを所定のパターンで印刷形成した後、連続式の熱処理炉内を連続的又は間欠的に移動させながら熱処理(乾燥・焼成)する工程がある。従来、この太陽電池基板のような板状の被熱処理物を熱処理炉内において搬送するための手段としては、メッシュベルトコンベアが広く使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、メッシュベルトコンベアは熱容量が非常に大きいため、熱処理に要するエネルギーコストが高価であり、また、昇降温にも長い時間を要するので理想的なヒートパターンを実現するのが困難であるという問題がある。最近は、メッシュベルトコンベアに比して熱容量が小さく、熱処理に要するエネルギーコストの低減や、より迅速な昇降温が可能なウォーキングビームを前記のような目的で使用することも検討されている。また、ウォーキングビームよりも更に熱容量が小さい搬送機構として、先に本願出願人は、ワイヤー等の線材に所定の張力を与えて張り渡し、当該線材にウォーキングビーム的な動作をさせることで、当該線材上に載置された被熱処理物を搬送するようにした搬送機構を案出している(特許文献2参照。)。
この特許文献2に記載の搬送機構においては、線材に、被熱処理物の縁部とのみ接触して、その被熱処理物を支持する支持具が装着されている。このように、支持具によって被熱処理物の縁部とのみ接触するようにするのは、炉内温度が600℃を超えるような高温域における熱処理では、搬送機構上において被熱処理物を支持するための支持構造が被熱処理物の裏面と接触していると、その裏面の接触部において被熱処理物中の成分が析出したり、焼け跡が付いたりして、被熱処理物の性能や外観に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
この搬送機構における支持具の具体的な構造としては、線材に装着された状態で、搬送路の中央線側に向かって低くなるように一定の角度で傾斜する傾斜部位を有する構造となっており、当該傾斜部位にて、被熱処理物の縁部とのみ接触するようになっている。
しかし、本願発明者らが検証を行った結果、このような構造の支持具にて被熱処理物を線材上に支持した場合、搬送中の線材の振動等によって被熱処理物が位置ズレを起こしやすく、安定した搬送を行うことが困難であることが判明した。
特開2002−203888号公報 特開2004−286434号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、線材を動作させることにより被熱処理物の搬送を行う搬送機構において、線材に装着された支持具により、被熱処理物の縁部とのみ接触して被熱処理物を支持しつつ、線材の振動等による被熱処理物の位置ズレを効果的に防止し、安定した搬送を実現できるような搬送機構を提供することにある。
本発明によれば、板状の被熱処理物を熱処理する熱処理炉内で、複数の前記被熱処理物を順次搬送するために使用される搬送機構であって、前記熱処理炉の前記被熱処理物を搬送する搬送路に、互いに異なった動作をする2種の線材、又は一方が前記熱処理炉に固定されるとともに他方が前記熱処理炉に対して移動する2種の線材が、互いに所定間隔で配設され、前記2種の線材は、前記搬送路の中央線の左右両側にそれぞれ複数本ずつ平行に配設されており、前記2種の線材の各々に、前記被熱処理物の縁部とのみ接触して前記被熱処理物を支持する支持具が搬送方向に間隔を置いて複数個装着されており、前記支持具は、前記線材に装着された状態で、搬送路の中央線側に向かって低くなるよう傾斜する傾斜部位を有し、当該傾斜部位は、各々傾斜角度が異なる急傾斜部と緩傾斜部とが連なった構造を有するものである搬送機構が提供される。
また、本発明によれば、前記の搬送機構を備えた熱処理炉が提供される。
更に、本発明によれば、熱処理炉内で、前記の搬送機構を使用して被熱処理物の搬送を行いながら、前記被熱処理物の熱処理を行う熱処理方法が提供される。
本発明の搬送機構によれば、被熱処理物を支持するための支治具の傾斜部位を、傾斜角度の異なる急傾斜部と緩傾斜部とから構成して、段階的な傾斜変化を持たせたことにより、搬送中の線材の振動等による被熱処理物の位置ズレを効果的に防止し、安定した搬送を行うことができる。
本発明の熱処理炉は、炉内における被熱処理物の搬送機構として、前記本発明の搬送機構を備えているので、この熱処理炉を使用して被熱処理物の熱処理を行うことにより、前記本発明の搬送機構により得られる効果を、実際の熱処理において享受することができる。
また、本発明の熱処理方法は、熱処理炉内で、前記本発明の搬送機構を使用して被熱処理物の搬送を行いながら、被熱処理物の熱処理を行うものであるので、この熱処理方法を用いて被熱処理物の熱処理を行うことにより、同様に前記本発明の搬送機構により得られる効果を、実際の熱処理において享受することができる。
前記のとおり、本発明の搬送機構は、板状の被熱処理物を熱処理する熱処理炉内で、複数の前記被熱処理物を順次搬送するために使用される搬送機構であって、その特徴的な構成として、前記熱処理炉の前記被熱処理物を搬送する搬送路に、互いに異なった動作をする2種の線材、又は一方が前記熱処理炉に固定されるとともに他方が前記熱処理炉に対して移動する2種の線材が、互いに所定間隔で配設され、前記2種の線材は、前記搬送路の中央線の左右両側にそれぞれ複数本ずつ平行に配設されており、前記2種の線材の各々に、前記被熱処理物の縁部とのみ接触して前記被熱処理物を支持する支持具が搬送方向に間隔を置いて複数個装着されており、前記支持具は、前記線材に装着された状態で、搬送路の中央線側に向かって低くなるよう傾斜する傾斜部位を有し、当該傾斜部位は、各々傾斜角度が異なる急傾斜部と緩傾斜部とが連なった構造を有するものである。
本発明の搬送機構は、従来のウォーキングビームにおけるビーム(柱状部材)の代わりに、被熱処理物を支持可能な程度の張力を与えて張り渡したワイヤー、チェーン等の線材を用いるという発想に基づいて案出されたものであって、いわゆるダブルウォーキングビームのように、互いに異なった動作をする2種の線材からなるものでもよいし、一般的なウォーキングビームのように、一方が熱処理炉に固定される線材であり、他方が熱処理炉に対して移動する線材であるような2種の線材からなるものであってもよい。
図1は、本発明に係る搬送機構の実施形態の一例を示す説明図である。本例の搬送機構は、第一の線材104と第二の線材204という2種の線材を有する。第一の線材104と第二の線材204とは、被熱処理物400の搬送路の中央線Lの左右両側にそれぞれ2本ずつ平行に配設されており、これら2種の線材104、204の各々に、被熱処理物400の縁部とのみ接触して被熱処理物400を支持する支持具100、200が、搬送方向に間隔を置いて複数個装着されている。なお、本例の搬送機構を上方から見た場合、第一の線材104は、中央線Lの左右両側において、それぞれ2本の第二の線材204の間に位置するように設けられている。
第一の線材104の両端部は、図面上では省略されているが、バネを介して線材固定用ホルダーに固定され、一定の張力が付与された状態で炉長方向(搬送方向)に張り渡されている。第一の線材104の端部が固定された線材固定用ホルダーは、図示しない駆動機構に固定的に支持される。この駆動機構は、一定の移動ストロークで上昇、前進、下降、後退という動作を周期的に繰り返す、いわゆる一般的なウォーキングビームの動作をするものであり、この駆動機構の動作によって、第一の線材104も、同様に上述のウォーキングビーム的動作を周期的に繰り返すことになる。
第二の線材204の両端部も、図面上では省略されているが、バネを介して線材固定用ホルダー(前記第一の線材104の端部が固定されている物とは別の物)に固定され、一定の張力が付与された状態で炉長方向に張り渡されている。第二の線材204の端部が固定された線材固定用ホルダーは、図示しない駆動機構に固定的に支持される。この駆動機構は、一定の移動ストロークで前進、後退という動作を周期的に繰り返すものであり、この駆動機構の動作によって、第二の線材204も、同様の動作を周期的に繰り返すことになる。
図2(a)〜(e)は、本例に示す搬送機構の搬送動作の一例を示す説明図である。図中の三角印は、各動作の時点で被熱処理物を支持している支持具の位置を示している。また、白矢印は第一の線材104の移動方向を、黒矢印は第二の線材204の移動方向をそれぞれ示している。
まず、最初は、図2(a)に示すように、第一の線材104が下降した状態にあり、被熱処理物400は第二の線材204に装着された支持具200により支持されている。次いで、図2(b)に示すように、第二の線材204が所定のストローク分前進し、一方、第一の線材104は下降したまま所定のストローク分後退する。続いて、図2(c)に示すように、第一の線材104が所定のストローク分上昇し、その上昇過程において被熱処理物400は第一の線材104に装着された支持具100上に移載される。次に、図2(d)に示すように、第一の線材104が上昇したまま所定のストローク分前進し、一方、第二の移動線材204は所定のストローク分後退する。最後に、図2(e)に示すように、第一の線材104が下降し、その下降過程において被熱処理物400は第二の線材204に装着された支持具200上に移載され、各線材は当初の位置に戻る。これらの動作を繰り返すことで、被熱処理物400を搬送することができ、熱処理炉(図示せず)内を通過させながら、所定の熱処理を行うことが可能となる。
次に、第一の線材104と第二の線材204とにそれぞれ装着される支持具の構造について説明する。図3(a)〜(c)は、第一の線材104に装着される支持具100の構造の一例を示す平面図、側面図及び斜視図である。支持具100は、線材104に装着された状態で、搬送路の中央線L側に向かって低くなるよう傾斜する傾斜部位105を有する。傾斜部位105は、各々傾斜角度が異なる急傾斜部102と緩傾斜部101とが連なった構造を有する。図2(a)〜(e)に示したように、1枚の被熱処理物400は通常3つ以上の支持具100にて第一の線材104上に支持されるが、この際、被熱処理物400の縁部が各支持具100の緩傾斜部101に接触して水平に保たれている状態が、位置ズレのない正規の支持位置となる。線材の振動等により被熱処理物400が過度に傾くなどして、その縁部が一部の支持具100の急傾斜部102に乗り上げた状態となっても、急傾斜部102の傾斜と被熱処理物400の自重とによって、急傾斜部102に乗り上げていた被熱処理物400の縁部は、すぐに緩傾斜部101まで滑り降り、その結果、被熱処理物400の位置ズレは即座に解消されて正規の支持位置に戻される。
緩傾斜部101の傾斜角度としては、図3(b)に示す、水平線と緩傾斜部101とのなす角Aが15〜25゜であることが好ましく、19〜21゜であるとより好ましい。また、急傾斜部102の傾斜角度としては、図3(b)に示す、垂線と緩傾斜部101とのなす角Bが25〜35゜であることが好ましく、29〜31゜であるとより好ましい。
また、本例の支持具100には、搬送路の中央線Lの左右両側にそれぞれ配設される2本の第一の線材104の間隔Cに合わせて、4つのクランプ103が設けられており、このクランプ103を第一の線材104に対してかしめることにより、支持具100を第一の線材104に固定することができる。なお、支持具100の固定方法としては、かしめの他、第一の線材104に直接、ロウ付け、溶接などで固定してもよい。
支持具100の材質は、使用温度に対して耐熱性のあるものであればよく、例えばSUS310やインコネル(米国インコ社のニッケル系材料の商品名)等のステンレススチールが好ましい材質として挙げられる。支持具100を作製するにあたっては、平板からプレス抜き型で成形するか、平板をレーザー溶断し、曲げ加工して成形するのが好ましい。また、支持具100の肉厚は、0.8〜1.5mm程度が好ましい。厚すぎると、その重量により線材のカテナリー撓みが大きくなって、被熱処理物がその移動方向にズレやすくなり、薄すぎると、被熱処理物が載置された際に振動が発生したり、酸化減肉による損傷が生じたりしやすい。
なお、前述の特許文献2に記載されている支持具は、金属の線材を三次元的に折り曲げて作製するものであるので、精度良く作ることが困難で、個体毎に形状のバラツキが生じやすく、強度や耐久性も低い。また、線材に対する固定方法も、クリップのような挟み込み固定であるため、取り付け精度が低い。このため、実際に線材に取り付けて搬送に使用すると、被熱処理物の搬送状態が不安定になりやすい。それに対し、前記のように平板からプレス抜き型等で成形したものは、精度良く作製することができるとともに、強度や耐久性も高く、更に、前記のようなかしめ等の固定方式を用いることで取り付け精度も向上し、安定した搬送状態を得やすい。更に、特許文献2に記載されている支持具は、線材にて作製されているので、被熱処理物の縁部と支持具とは点接触となり、繰り返しの被熱処理物の移載及び搬送により支持具が磨耗するが、本例の支持具の場合は、被熱処理物400の縁部と傾斜部位105とは線接触となっているので、傾斜部位105の磨耗が少なく、支持具100の交換頻度を著しく減少できる。
図4(a)〜(c)は、第二の線材204に装着される支持具200の構造の一例を示す平面図、側面図及び斜視図である。前記支持具100と同様に、支持具200も、線材204に装着された状態で、搬送路の中央線L側に向かって低くなるよう傾斜する傾斜部位205を有する。傾斜部位205は、各々傾斜角度が異なる急傾斜部202と緩傾斜部201とが連なった構造を有する。図2(a)〜(e)に示したように、1枚の被熱処理物400は通常3つ以上の支持具200にて第二の線材204上に支持されるが、この際、被熱処理物400の縁部が各支持具200の緩傾斜部201に接触して水平に保たれている状態が、位置ズレのない正規の支持位置となる。線材の振動等により被熱処理物400が過度に傾くなどして、その縁部が一部の支持具200の急傾斜部202に乗り上げた状態となっても、急傾斜部202の傾斜と被熱処理物400の自重とによって、急傾斜部202に乗り上げていた被熱処理物400の縁部は、すぐに緩傾斜部201まで滑り降り、その結果、被熱処理物400の位置ズレは即座に解消されて正規の支持位置に戻される。
緩傾斜部201の傾斜角度としては、図4(b)に示す、水平線と緩傾斜部201とのなす角Dが15〜25゜であることが好ましく、19〜21゜であるとより好ましい。また、急傾斜部202の傾斜角度としては、図4(b)に示す、垂線と緩傾斜部201とのなす角Eが25〜35゜であることが好ましく、29〜31゜であるとより好ましい。
また、本例の支持具200には、搬送路の中央線Lの左右両側にそれぞれ配設される2本の第二の線材204の間隔に合わせて、4つのクランプ203が設けられており、このクランプ203を第二の線材204に対してかしめることにより、支持具200を第二の線材204に固定することができる。なお、支持具200の固定方法としては、かしめの他、第二の線材204に直接、ロウ付け、溶接などで固定してもよい。
支持具200の材質、作製方法、肉厚等の好適要件及びその理由は、前記支持具100と同様である。また、この支持具200は、上部が開口した篭型の形状となっており、図4(b)に示す、開口部の水平方向における寸法Fが、図3(a)に示す、第一の線材104の間隔Cよりも大きくなるように作製されている。これにより、図1のように、第一の線材104が第二の線材204の間に位置するように配設された状態において、支持具200が線材104の上下方向の動作を妨げないようになっている。
なお、支持具100の急傾斜部102と支持具200の急傾斜部202とで、その傾斜角度、寸法を同一とする、すなわち、支持具100と支持具200とを重ね合わせた時に、互いの急傾斜部102、202が一致するようにすれば、被熱処理物の搬送時の蛇行や急傾斜部への乗り上げを、より効果的に防止することができる。
第一の線材104と第二の線材204の各々において、搬送路の中央線Lの左右両側に配設する線材の本数をそれぞれ複数本(図1の例では2本ずつ)とするのは、それら線材に装着する支持具100、200の安定性を考慮してのことである。図1のように、支持具100、200を2本の線材に架け渡すようにして装着すれば、被熱処理物400が載置されても、その重量によって容易に位置が変異したりすることがなく、安定した支持が可能となる。なお、安定性をより向上させるため、第一の線材104と第二の線材204の各々において、搬送路の中央線Lの左右両側に配設する線材の本数をそれぞれ3本以上としてもよいが、本数を増やしすぎると、支持具100、200の装着安定性の向上と引き替えに、線材の熱容量が増加するので、図1に示す例のように2本ずつ配設するのが好ましい。
本発明においては、搬送機構の動作中に、2種の線材の内の一方に装着された支持具と他方に装着された支持具とが、互いに干渉し合わないように、支持具の装着位置、装着間隔、両線材の配設間隔、動作範囲等を設定する。
支持具の装着間隔(装着ピッチ)は、搬送機構上の各被熱処理物を常に3つ以上の支持具によって支持できるような装着間隔とすることが好ましい。各被熱処理物を支持する支持具が2つ以下では、被熱処理物を安定的に支持することが困難であり、搬送機構の動作中において常に被熱処理物を安定的に支持するには、少なくとも3つの支持具で支持(3点支持)する必要が有るからである。ただし、支持具の装着間隔を狭めて各被熱処理物を支持する支持具を増やしすぎると、支持の安定性が向上する代わりに、線材にかかる重量や搬送機構の熱容量が増大するというデメリットがあるので、前記のように安定的な支持が得られる最低限の個数である3つの支持具で各被熱処理物が支持されるように調整するのが理想的である。
また、このように安定的な支持が得られる最低限の個数である3つの支持具で各被熱処理物を支持している場合には、搬送の途中で被熱処理物が熱衝撃等で破損しても、その破損片が支持具に引っ掛かって炉内に滞留することが少なく、ほとんどの場合は炉の下方へ落下するので、破損片によって支持具や線材が損傷を受けたり、またその損傷により炉の運転を停止したりすることがなく、安定した運転が可能となる。
なお、図1のように、同種の線材に装着された支持具の位置関係として、搬送路の中央線Lの右側に配設された線材に装着された支持具と、搬送路の中央線Lの左側に配設された線材に装着された支持具とが、被熱処理物の搬送方向と直交する方向において対向する位置に存在しないような位置関係とすることが好ましい。このように、同種の線材に装着された支持具の位置関係として、中央線Lの右側と左側の支持具が対向する位置に存在しないように、搬送方向における装着位置をずらしてやることで、比較的広い装着間隔でも3つの支持具による被熱処理物の支持を確保できるようになるので、必要な支持具の個数を減少させて、熱容量のより一層の低減を図ることが可能となる。また、このような方法を用いることなどにより、支持具の装着間隔を線材の前後方向の移動ストロークよりも十分に広くすることができれば、2種の線材の内の一方の線材に装着された支持具と他方の線材に装着された支持具とが、搬送機構の動作中に、搬送方向において交差しないような位置関係とすることが可能となるので、支持具同士の物理的な干渉の防止が容易となる。
本発明において使用する線材としては、炉内温度に耐え得る耐熱性と、必要な張力を与えることができるものであれば、その材質や形状に特に制限はないが、例えば、インコネル、チタン等の金属のより線や、径が1〜2mmの細棒からなるワイヤー、あるいは、同様に耐熱性に優れた金属やセラミックからなるチェーンを挙げることができる。
本発明の熱処理炉は、炉内における被熱処理物の搬送機構として、前記本発明の搬送機構を備えたものであり、この熱処理炉を使用して被熱処理物の熱処理を行うことによって、前記本発明の搬送機構により得られる効果を、実際の熱処理において享受することができる。また、本発明の熱処理方法は、熱処理炉内で、前記本発明の搬送機構を使用して被熱処理物の搬送を行いながら、被熱処理物の熱処理を行うものであり、この熱処理方法を用いて被熱処理物の熱処理を行うことによって、同様に前記本発明の搬送機構により得られる効果を、実際の熱処理において享受することができる。
本発明は、熱処理炉内において、太陽電池基板のような板状の被熱処理物を順次搬送するために使用される搬送機構並びに当該搬送機構を用いた熱処理炉及び熱処理方法として、好適に使用することができる。
本発明に係る搬送機構の実施形態の一例を示す説明図である。 本発明に係る搬送機構の搬送動作の一例を示す説明図である。 本発明に係る搬送機構の搬送動作の一例を示す説明図である。 本発明に係る搬送機構の搬送動作の一例を示す説明図である。 本発明に係る搬送機構の搬送動作の一例を示す説明図である。 本発明に係る搬送機構の搬送動作の一例を示す説明図である。 第一の線材に装着される支持具の平面図である。 第一の線材に装着される支持具の側面図である。 第一の線材に装着される支持具の斜視図である。 第二の線材に装着される支持具の平面図である。 第二の線材に装着される支持具の側面図である。 第二の線材に装着される支持具の斜視図である。
符号の説明
100…支持具、101…緩傾斜部、102…急傾斜部、103…クランプ、104…第一の線材、105…傾斜部位、200…支持具、201…緩傾斜部、202…急傾斜部、203…クランプ、204…第二の線材、205…傾斜部位。

Claims (5)

  1. 板状の被熱処理物を熱処理する熱処理炉内で、複数の前記被熱処理物を順次搬送するために使用される搬送機構であって、
    前記熱処理炉の前記被熱処理物を搬送する搬送路に、互いに異なった動作をする2種の線材、又は一方が前記熱処理炉に固定されるとともに他方が前記熱処理炉に対して移動する2種の線材が、互いに所定間隔で配設され、前記2種の線材は、前記搬送路の中央線の左右両側にそれぞれ複数本ずつ平行に配設されており、前記2種の線材の各々に、前記被熱処理物の縁部とのみ接触して前記被熱処理物を支持する支持具が搬送方向に間隔を置いて複数個装着されており、前記支持具は、前記線材に装着された状態で、搬送路の中央線側に向かって低くなるよう傾斜する傾斜部位を有し、当該傾斜部位は、各々傾斜角度が異なる急傾斜部と緩傾斜部とが連なった構造を有するものである搬送機構。
  2. 前記2種の線材の内、一方の線材は一定の移動ストロークで上昇、前進、下降、後退という動作を周期的に繰り返すものであり、他方の線材は一定のストロークで前進、後退という動作を周期的に繰り返すものである請求項1に記載の搬送機構。
  3. 同種の線材に装着された前記支持具の位置関係として、前記搬送路の中央線の右側に配設された線材に装着された前記支持具と、前記搬送路の中央線の左側に配設された線材に装着された前記支持具とが、前記被熱処理物の搬送方向と直交する方向において対向する位置に存在しないような位置関係とした請求項1又は2に記載の搬送機構。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の搬送機構を備えた熱処理炉。
  5. 熱処理炉内で、請求項1ないし3の何れか一項に記載の搬送機構を使用して被熱処理物の搬送を行いながら、前記被熱処理物の熱処理を行う熱処理方法。
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