JP2006183610A - 流体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ギヤポンプ等の流体吐出装置で吐出される未加硫ゴム材等の流体が軸受へ漏洩することをシール部材を設けずに防止する。
【解決手段】 ケーシング2と、歯車3と、歯車3と一体に連結された回転軸4と、回転軸4を支承するための軸受5とを備えている。回転軸4は、軸方向中心側の部分4Aの外径の方が軸方向両端側の部分4Bの外径よりも大きく、両部分の境界には外径の差に相当する段差が形成されている。中心側の部分4Aの外周面とケーシング2との間には、隙間2Aに連通したチャンバー2B設けられている。歯車3により昇圧された未加硫ゴムの一部は隙間2Aを通ってチャンバー2Bに流れ込み、その内部で渦流Wを形成して滞留する。チャンバー2B内に流れ込んだゴム自身が未加硫ゴムをシールする。
【選択図】 図1
【解決手段】 ケーシング2と、歯車3と、歯車3と一体に連結された回転軸4と、回転軸4を支承するための軸受5とを備えている。回転軸4は、軸方向中心側の部分4Aの外径の方が軸方向両端側の部分4Bの外径よりも大きく、両部分の境界には外径の差に相当する段差が形成されている。中心側の部分4Aの外周面とケーシング2との間には、隙間2Aに連通したチャンバー2B設けられている。歯車3により昇圧された未加硫ゴムの一部は隙間2Aを通ってチャンバー2Bに流れ込み、その内部で渦流Wを形成して滞留する。チャンバー2B内に流れ込んだゴム自身が未加硫ゴムをシールする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ギヤポンプ(歯車ポンプ)やゴム押出機等のような流体吐出装置に関し、特にその回転軸の軸受方向への流体の漏洩をシール部材を設けずに可能にした流体吐出装置に関するものである。
ゴム製品成型のための未加硫ゴムを押し出すためのゴム押出装置として、押出ヘッドを持たないスクリュー押出機の先端にギヤポンプを取り付けたものがある。図3はこのようなゴム押出装置を水平方向に切断した断面図である。このゴム押出装置は、スクリュー押出機12と、その前端に取り付けられたギヤポンプ14と、その前端に取り付けられたヘッド18と、その前端に取り付けられた口金19とを備えている。スクリュー押出機12は、スクリュー駆動モータ17の回転軸に接続されたスクリュー13を内蔵している。また、ギヤポンプ14は互いにかみ合う一対のギヤ14A,14Bを備えており、その一方の回転軸に接続されたギヤポンプ駆動モータ(図示せず)により回転可能に構成されている。さらに、スクリュー押出機12の筐体の上方には、未加硫のゴム材料を投入するためのホッパー16が設けられている。
以上の構成を有するゴム押出装置において、ホッパー16にゴム材料を投入するとともに、スクリュー駆動モータ17及び図示されていないギヤポンプ駆動モータを回転させると、投入されたゴム材料は混練及び加圧されて前方のギヤポンプ14へ送出され、ギヤ14Aとギヤ14Bとの間を通り、ヘッド18の前端の口金19の開口19Aからリボン状ゴム20が押し出される。
このような未加硫ゴム部材を定量で吐出するギヤポンプにおいては、ギヤポンプで吐出されるゴム部材が外部に漏れ出さないように、ギヤの回転軸には各種のシール部材が配置されている。このような、ギヤポンプに用いるシール部材としては、図4(a)〜(d)に模式的に示すように種々のものが知られている。
即ち、(a)弾性体でできたシールを回転軸21の周りに密封状に配置したO−リング22を用いるもの(特許文献2参照)、(b)同様にギヤモータに用いた回転軸21の周りにオイルシールなどの弾性体23を密封状に配置したもの(特許文献3参照)、(c)回転軸21の周りに非弾性体24を密封状に配置し金属の弾性を利用したメタルシール、(d)回転軸21の周りにラビリンスシール25(特許文献4参照)を配置したもの等が知られている。
特開2003−39526号公報
特開平11−62852号公報
特開2003−214359号公報
特開平10−47260号公報
即ち、(a)弾性体でできたシールを回転軸21の周りに密封状に配置したO−リング22を用いるもの(特許文献2参照)、(b)同様にギヤモータに用いた回転軸21の周りにオイルシールなどの弾性体23を密封状に配置したもの(特許文献3参照)、(c)回転軸21の周りに非弾性体24を密封状に配置し金属の弾性を利用したメタルシール、(d)回転軸21の周りにラビリンスシール25(特許文献4参照)を配置したもの等が知られている。
しかしながら、未加硫ゴムなどの強粘性流体を、例えばギヤポンプにより定量で吐出するときに、これらのシールと回転軸収容部外壁との隙間から、未加硫ゴムなどの一部が漏れ出すことは避けられず、そのため漏れ出したゴムなどでギヤポンプの軸受(ベアリング)が破損するという問題がある。
本発明は、このような従来のギヤポンプ等の流体吐出装置におけるシール漏れの問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ギヤポンプ等の流体吐出装置で加圧状態にある未加硫ゴム材等の流体が、回転軸の軸受へ漏洩することをシール部材を設けずに確実に防止して、漏洩した前記流体による流体吐出装置のベアリングの破損等を無くすことである。
請求項1に係る発明は、ケーシング内に設けた回転体により、該ケーシング内の流体を吐出する流体吐出装置において、前記回転体の軸受方向に漏洩した前記流体を収容し、渦流を形成させて滞留させるチャンバーを、前記ケーシングの前記回転軸に対向する部分に設けたことを特徴とする流体吐出装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の流体吐出装置において、前記回転軸及びケーシングに、前記軸受方向に向かって外径及び内径が対応して段階的に小さくなるように段差を形成するとともに、前記チャンバーの入口を前記段差部の前記回転体側に設けたことを特徴とする流体吐出装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の流体吐出装置において、前記流体は未加硫ゴムであることを特徴とする流体吐出装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の流体吐出装置において、前記回転軸及びケーシングに、前記軸受方向に向かって外径及び内径が対応して段階的に小さくなるように段差を形成するとともに、前記チャンバーの入口を前記段差部の前記回転体側に設けたことを特徴とする流体吐出装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の流体吐出装置において、前記流体は未加硫ゴムであることを特徴とする流体吐出装置である。
(作用)
流体吐出装置の回転体により吐出される未加硫ゴム材等のような強粘性の流体の一部は回転軸の外周側の隙間を通って軸受方向に漏洩していき、チャンバーに流れ込み、その内部で滞留することにより、軸受方向に漏洩する流体をシールする。さらに、チャンバーの入口を回転軸及びケーシングの段差部の回転体側に設けることで、シールされずに軸受方向に漏洩する流体の流路を屈曲させ、軸受に至る漏洩を阻止している。
流体吐出装置の回転体により吐出される未加硫ゴム材等のような強粘性の流体の一部は回転軸の外周側の隙間を通って軸受方向に漏洩していき、チャンバーに流れ込み、その内部で滞留することにより、軸受方向に漏洩する流体をシールする。さらに、チャンバーの入口を回転軸及びケーシングの段差部の回転体側に設けることで、シールされずに軸受方向に漏洩する流体の流路を屈曲させ、軸受に至る漏洩を阻止している。
本発明によれば、チャンバーに収容された流体自身がシール手段として作用するため、機械的なシール手段を設けずに、流体の軸受への漏洩を確実に防止して、漏洩した前記流体による流体吐出装置のベアリングの破損等を無くすことができる。また、本発明によれば、機械的なシール手段を備えていないため、シール手段の劣化や破損等によるシール機能の低下が発生せず、長期間に渡ってシールを行うことができる。
本発明に係るシール手段の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態に係るギヤポンプの要部断面図である。このギヤポンプ1は、ケーシング2と、歯車3と、歯車3と一体に連結された回転軸4と、回転軸4を支承するための軸受(ベアリング)5とを備えている。回転軸4は、歯車3の側面から軸受5の方向に延びる軸方向中心側の部分4Aと、軸受4に支承されている軸方向両端側の部分4Bとからなる。そして、中心側の部分4Aの外径の方が両端側の部分4Bの外径よりも大きく、両部分の境界には外径の差に相当する段差が形成されている。
図1は本実施の形態に係るギヤポンプの要部断面図である。このギヤポンプ1は、ケーシング2と、歯車3と、歯車3と一体に連結された回転軸4と、回転軸4を支承するための軸受(ベアリング)5とを備えている。回転軸4は、歯車3の側面から軸受5の方向に延びる軸方向中心側の部分4Aと、軸受4に支承されている軸方向両端側の部分4Bとからなる。そして、中心側の部分4Aの外径の方が両端側の部分4Bの外径よりも大きく、両部分の境界には外径の差に相当する段差が形成されている。
また、回転軸4の外周面と回転軸4をケーシング4の収納している部分との間には、微小な隙間が設けられている。本実施形態では説明の便宜上、軸方向中心側の部分4Aの外周側の隙間2Aのみを図示しており、その中心側の部分4Aと両端側の部分4Bとの境界に隙間2Aよりも回転軸4の半径方向の距離の長い空間からなるチャンバー2Bを設けた。このチャンバー2Bは隙間2Aに連通して、中心側の部分4Aの外周側の周方向の全体(360°)に渡って形成されている。
図2は、図1における丸Pで囲んだチャンバー2B付近を拡大した断面図である。この図に示すように、チャンバー2Bの天井面は隙間2Aの天井面(図における上面)が回転軸4の段差部の手前(軸方向中心側、回転体3側)から徐々に高くなり、段差部を過ぎてから略卵形の内面を形成して、隙間2Aの底面(床面)に連続するように構成されている。つまり、チャンバー2Bの出入口2Cは段差部付近の軸方向中心側に配置されていると言える。
本実施形態に係るギヤポンプにおいて、歯車3を通って外部へ吐出される未加硫ゴムの一部は隙間2Aを通って軸受5の方向へ少しずつ漏洩していき、チャンバー2Bに流れ込む。そして、チャンバー2B内が漏洩した未加硫ゴムが滞留してくると、続いて流れ込む未加硫ゴムは、滞留している未加硫ゴムの内側を通り、スワール形状のチャンバー2B内で渦流Wを形成しながら詰まっていく。このため、未加硫ゴムがその後に隙間2Aを通って軸受4の方向へ進入しようとしても、チャンバー2B内に滞留した未加硫ゴム自体が一種のシールとなって、その進入を阻止する。また、回転軸4に段差を形成することで、回転体3の側面から回転軸5に至る距離が段差を形成しない場合と比較して段差分長くなり、かつ屈曲している。このため、軸受5の方向に漏洩した未加硫ゴムがチャンバー2B内の未加硫ゴムにシールされずに漏洩したとしても軸受5迄流動することは不可能である。さらに、回転軸4は、回転時に大きなトルクがかかる中心側の部分4Aが大径に構成されているため、回転軸4の耐久性を向上させることができるとともに、渦流の発生を促進することができる。
このように、本実施形態にギヤポンプによれば、回転軸4の外周側に形成されたチャンバー2B内に流れ込んだゴム自身が未加硫ゴムをシールするので、機械的なシール手段とは異なり、シール手段の劣化や破損等によるシール機能の低下が発生せず、1〜4年の長期間耐え得る(従来は2週間〜半年)シールが可能になる。
なお、以上の実施形態は、本発明をギヤポンプに適用したものであったが、本発明は例えばゴム押出機のフィードローラの回転軸に対しても適用できる。
1・・・ギヤポンプ、2・・・ケーシング、2B・・・チャンバー、3・・・歯車、4・・・回転軸、4A・・・回転軸の軸方向中心側の部分、4B・・・回転軸の軸方向両端側の部分、5・・・軸受。
Claims (3)
- ケーシング内に設けた回転体により、該ケーシング内の流体を吐出する流体吐出装置において、
前記回転体の軸受方向に漏洩した前記流体を収容し、渦流を形成させて滞留させるチャンバーを、前記ケーシングの前記回転軸に対向する部分に設けたことを特徴とする流体吐出装置。 - 請求項1記載の流体吐出装置において、
前記回転軸及びケーシングに、前記軸受方向に向かって外径及び内径が対応して段階的に小さくなるように段差を形成するとともに、前記チャンバーの入口を前記段差部の前記回転体側に設けたことを特徴とする流体吐出装置。 - 請求項1記載の流体吐出装置において、前記流体は未加硫ゴムであることを特徴とする流体吐出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004380024A JP2006183610A (ja) | 2004-12-28 | 2004-12-28 | 流体吐出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004380024A JP2006183610A (ja) | 2004-12-28 | 2004-12-28 | 流体吐出装置 |
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JP2006183610A true JP2006183610A (ja) | 2006-07-13 |
Family
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JP2004380024A Pending JP2006183610A (ja) | 2004-12-28 | 2004-12-28 | 流体吐出装置 |
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JP (1) | JP2006183610A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016187771A (ja) * | 2015-03-30 | 2016-11-04 | ブラザー工業株式会社 | 接着剤供給装置及び布接着装置 |
-
2004
- 2004-12-28 JP JP2004380024A patent/JP2006183610A/ja active Pending
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