JP2006181513A - 人体装着用振動呈示装置 - Google Patents

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春生 野間
Yasuyuki Yanagida
康幸 柳田
Kenichi Hosaka
憲一 保坂
Yuichiro Kume
祐一郎 久米
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Abstract

【構成】 人体装着用振動呈示装置10はケース12を含み、ケース12は弾性物質14を介在して振動モータ16を内蔵する。たとえば、振動モータ16は弾性物質14に封止される。また、ケース12は人体に接触させるべき側の面に開口12aを有している。このような構成の振動呈示装置10は粘着テープ等の固定部材を用いて人体に固定(装着)される。振動モータ16は、固定部材に直接接することがなく、ケース12と振動モータ16との間には弾性物質14が介在される。
【効果】 ケースと振動モータとの間に弾性物質が介在するため、振動呈示装置の固定による圧力の影響をほとんど受けずに振動モータは作動するので、所望の振動を確実に呈示することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は人体装着用振動呈示装置に関し、特にたとえば、使用者に振動による情報を呈示する、人体装着用振動呈示装置に関する。
この種の従来の振動呈示装置の一例が特許文献1に開示される。この特許文献1によれば、たとえばシリコンゴムで形成されるバイブレータ保持体の内部に、モータ本体(バイブレータ)が挟持され、バイブレータが挟持されたバイブレータ保持体が携帯用電子機器の筐体を構成するリアケースの内面に嵌入される。これにより、バイブレータの駆動により発生される音を低減(消音)するとともに、バイブレータの振動がバイブレータ保持体を経てリアケース(筐体)に確実に伝達される。
特開平11−156297号
しかし、特許文献1では、バイブレータおよびバイブレータ保持体は、携帯用電子機器の筐体に内蔵されるため、携帯用電子機器(筐体)自体が振動呈示装置になっているのと同等である。したがって、この振動呈示装置(携帯用電子機器)をベルトなどで人体に直接装着して振動を与える場合には、その装着による筐体の人体に対する押圧力の程度によって、振動状態(振動周波数など)および振動の伝達が影響を受ける。つまり、同じ電気信号をバイブレータに与えても、筐体の固定方法(装着方法)によって振動の伝わり具合が異なってしまう。
それゆえに、この発明の主たる目的は、固定方法に拘わらず所望の振動を呈示することができる、人体装着用振動呈示装置を提供することである。
請求項1の発明は、振動子と、少なくとも人体に接触すべき面側に開口を有するケースとを備え、ケースは、弾性物質を介在して振動子を内蔵し、当該弾性物質より硬い材料で形成されることを特徴とする、人体装着用振動呈示装置である。
請求項1の発明では、人体装着用振動呈示装置は偏心モータのような振動子と、少なくとも人体に接触すべき面側に開口を有するケースとを備える。ケースは、弾性物質を介在して振動子を内蔵し、その弾性物質よりも硬い材料で形成される。たとえば、ケースには、振動子を封止した弾性物質が内蔵される。このような人体装着用振動呈示装置を人体に装着する場合には、たとえば、ケースを人体に向けて押し込むように粘着テープやベルトによって人体に固定する。ただし、少なくとも振動子とケースとの間には、弾性物質が介在しているため、振動子が発生する振動は、固定の仕方(荷重,強さ)の影響を受けることが少ない。
請求項1の発明によれば、振動子とケースとの間に弾性物質を介在させるため、固定の仕方に拘わらず所望の振動を呈示することができる。このため、振動の仕方を変化させることにより、様々な情報を呈示することができる。
請求項2の発明は請求項1に従属し、弾性物質は、シリコンゴムまたはウレタンゴムを含む。
請求項2の発明では、弾性物質としては、シリコンゴムまたはウレタンゴムを用いることができる。したがって、人体装着用振動呈示装置を人体に装着(固定)した場合には、シリコンゴムやウレタンゴムの硬さは人体に近似し、したがって、人体内に振動子を埋め込んだ状態と実質的に同等である。ただし、弾性物質としては、他の通常の合成ゴムやゲル状の物質(樹脂)を用いることもできる。
請求項2の発明によれば、シリコンゴムやウレタンゴムをケースと振動子との間に介在させるように、振動子をケースに内蔵するため、人体装着用振動呈示装置の固定方法にかかわらず、確実に振動を伝えることができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1(A)を参照して、この実施例の人体装着用振動呈示装置(以下、単に「振動呈示装置」という。)10は、金属(鉄、アルミ、ステンレスなど)或いはプラスチックで成形されたケース12を含む。つまり、ケース12は、後述する弾性物質14よりも堅い材料で成形される。図1(A),(B)および(C)から分かるように、ケース12は、その底面に開口12aを有し、たとえば、ドーム状(すり鉢を上下逆にした形状)に形成される。このケース12には、シリコンゴムやウレタンゴムのような弾性物質(粘弾性物質)14が収納される。したがって、弾性物質14の表面は開口12aから露出される。
弾性物質14としては、たとえば、人体の装着対象の部位の硬さに応じた硬さのものを用いることができる。たとえば、弾性物質14としてウレタンゴムを用いる場合には、硬度0度〜15度のものを用いることができ、具体的には、株式会社エクシールコーポレーションが提供する「人肌ゲル(商品名)」(http://www.exseal.co.jp/)を用いることができる。この人肌ゲルは、超軟質ウレタン造形用樹脂であり、その特長は、人肌そっくりの質感を持っていることである。また、硬度0の人肌ゲルは、赤ちゃんの肌または腹部程度の堅さ(柔らかめ)であり、硬度5では、顔または腕程度の堅さ(普通)であり、硬度15では、足の裏または背中程度の柔らかさ(堅め)である。
なお、この実施例では、弾性物質としてシリコンゴムやウレタンゴムを用いるようにしているが、これに限定される必要はなく、他の通常の合成ゴムやゲル状の物質(樹脂)などを用いることができる。
図1(B)のII−II断面図である図2を参照して、上述したように、ケース12に弾性物質14が収納される。また、図1(A),(B),(C)および図2に示すように、弾性物質14の内部には、振動子として、偏心モータのような振動モータ16が封止される。ただし、振動モータ16としては、ボイスコイル型のモータを用いることもできる。図1(B),(C)および図2からよく分かるように、振動モータ16は、ケース12の略中心に配置される。つまり、振動モータ16は、弾性物質14を介在してケース12に内蔵される。
また、振動モータ16には、電源(駆動電圧)の供給を受けるためのケーブル16aが設けられる。このケーブル16aは、弾性物質14を介して、ケース12の一部に設けた孔12b(図1(A)では、簡単のため、省略してある。)からケース12の外部に引き出される。図示は省略するが、このケーブル16aに電源制御部が接続され、所望の振幅および周波数で振動するように、電源が供給されるのである。
なお、図1(B)および図2においては、ケース12に設けられた孔12bを分かり易く示すために、ケーブル16aを省略してある。ただし、孔12bは、弾性物質14が露出された面(人体に接触すべき面)すなわちケース12の開口12a以外からケーブル16aを引き出せる位置に設ければよいため、図1(B),(C)および図2に示した位置に設ける必要はない。
このような構成の振動呈示装置10は、図3に示すように、たとえば、粘着テープや腕時計ベルト(バンド)のような固定部材18によって人体に固定される。図3では、振動呈示装置10(ケース12)全体を覆うように、固定部材18で振動呈示装置10を人体に固定している。また、図4に示すように、腕時計ベルトのような固定部材18をケース12に一体的に設けるようにすれば、腕時計を装着するように、振動呈示装置10を人体(たとえば、腕,脚,胴,首など)に固定することができる。
なお、図3および図4においては、簡単のため、ケーブル16aは省略してある。
このように、固定部材18で振動呈示装置10を人体に固定する場合には、振動呈示装置10の位置がずれないように、比較的強固に固定する必要がある。これは、振動を所望の箇所(位置)に呈示するためであり、たとえば、複数の振動呈示装置10を人体に装着する場合には、その位置や配列(分布)によって、振動による様々な情報を呈示するためである。
ここで、振動呈示装置10を強固に人体に固定した場合には、振動呈示装置10全体としては、人体に向けて比較的強い力で押し付けられることになる。しかし、振動呈示装置10では、振動モータ16と固定部材18とは直接接することがなく、しかもケース12と振動モータ16との間には弾性物質14が介在するため、振動呈示装置10の固定(装着)による圧力は弾性物質14で吸収され、振動モータ16に加わることがない。したがって、装着(装着の強度や圧力)による影響をほとんど受けずに、振動モータ16は駆動され、その振動が人体に伝わる。
また、この実施例では、振動モータ16を弾性物質14内に封止し、この弾性物質14の一部が人体に接触するようにしてあるため、弾性物質14が人体に接触する面では、一様に振動を与えることができる。このことは、振動呈示装置10の固定の仕方すなわち固定の強度や固定により振動呈示装置10に加わる圧力が多少変化しても同様である。さらに、弾性物質14(この実施例では、シリコンゴムやウレタンゴム)の硬さは人体に近く、振動モータ16を人体内に埋め込んだ状態と実質的に同等であり、振動エネルギが反射されることなく人体に伝達される。
したがって、振動モータ16として偏心モータを用いる場合には、これに与える駆動電圧、或いはPWM駆動の場合のデューティ比を変化させることにより、振動周波数を変化させることができる。また、振動モータ16としてボイスコイル型のモータを用いる場合には、これに与える正弦波信号の振幅と周波数を変化させることにより、振動周波数と振動強度を変化させることができる。上述したように、振動モータ16は、振動呈示装置10の装着による影響を受けることが少ないため、所望の振動周波数(および振動強度)で振動される。つまり、所望の振動を人体に伝達(呈示)することができるのである。
上述したように、この実施例では、振動呈示装置10(ケース12)をドーム状に形成し、弾性物質14を介在して、振動モータ16を内蔵するようにしたが、その形態は限定されるべきではない。たとえば、図5(A)および図5(B)に示すような形態にすることも可能である。
図5(A)に示す振動呈示装置10では、ケース12は、その断面が円形であり、筒状に形成され、その内部に円柱状の弾性物質14が収納され、その内部に振動モータ16が封止される。つまり、振動モータ16は、弾性物質14を介在してケース12に内蔵される。ただし、図5(A)では、人体に接触されるべき面すなわち開口12aを分かり易く示すために、開口12aが上面にくるように振動呈示装置10を示してある。
また、図5(B)に示す振動呈示装置10では、ケース12は、その断面が四角形であり、筒状に形成され、その内部に四角柱状の弾性物質14が収納され、その弾性物質14に振動モータ16が封止される。つまり、振動モータ16は、弾性物質14を介在してケース12に内蔵される。開口12aを分かり易く示すために、その開口12aが上面に来るように振動呈示装置10を図示している点は図5(A)の場合と同様である。
このように、振動呈示装置10の形態が変化しても、弾性物質14に振動モータ16が封止される点は同じであり、つまりケース12と振動モータ16との間には弾性物質14が介在するため、振動呈示装置10の装着方法(固定方法)による影響をほとんど受けず、振動モータ16の振動を確実に人体に伝達することができる。
なお、図5(A)および図5(B)では、簡単のため、振動モータ16のケーブル16aは省略してあるが、ケーブル16aは、弾性物質14が露出された面(開口12a)以外から引き出すようにすればよい。
また、この実施例では、1つの振動モータ16を弾性物質14に封止するようにしたが、複数の振動モータ16を弾性物質14に封止するようにしてもよい。かかる場合には、複数の振動呈示装置10を一度に複数装着しているのと同等である。つまり、振動呈示装置10の装着が簡単である。また、各振動モータ16を別個独立に駆動制御することにより、一部の振動モータ16または全部の振動モータ16を一度に振動させることができる。ただし、各振動モータ16の駆動電圧の振幅および周波数を異なる値に設定して、振動の仕方を変化させることが可能である。たとえば、図6に示すように、弾性物質14をいわゆるブレスレッド状(リング状)に形成し、たとえば、等間隔に、複数(ここでは、4つ)の振動モータ16を封止することができる。ただし、図6では、簡単のため、ケース12は省略してあるが、ケース12は、たとえば、弾性物質14の外周面に沿って固定されており、弾性物質14のうち人体に接触させるべき面(ここでは、内面)が少なくとも露出されるように、開口12a(または切り欠き)が設けられる。
なお、図示は省略するが、弾性物質14に複数の振動モータ16を封止する場合には、1の振動モータ16の振動が他の振動モータ16が配置される箇所へ伝達するのを防止するために、仕切りを設けるようにしてもよい。かかる場合には、弾性物質14とは異なる物質を混入させたり、弾性物質14の一部に孔を形成したりすることにより、仕切りを設けることができる。
この実施例によれば、弾性物質に振動モータを封止し、ケースと振動モータとの間に弾性物質を介在させるので、固定方法に拘わらず、所望の振動を呈示することができる。したがって、振動の振幅および周波数を変化させて、様々な情報を呈示することができる。
なお、上述の実施例では、振動モータ16と人体との間にも弾性物質14を介在させるようにして、振動呈示装置10と人体との間の硬さの差を無くすようにした。しかし、上述したように、振動呈示装置10では、ケース12と振動モータ16との間に介在された弾性物質14により、装着による圧力等を吸収していると考えられるため、振動モータ16と人体との間に弾性物質14を介在させなくても振動呈示装置10が発生する振動は、振動呈示装置10の装着方法に拘わらず、人体に伝達されると考えられる。つまり、振動モータ16と人体との間に弾性物質14を介在させることは必須ではなく、振動モータ16の一部が人体に接触するように設けてもよい。たとえば、図7に示すように、図1ないし図4に示した振動呈示装置10において、振動モータ16の筐体の一部がケース12の開口12aから露出するように、ケース12に内蔵するようにしてもよい。このことは、図5および図6に示した他の振動呈示装置10についても同様である。
また、上述の実施例では、ケース12は人体に接触されるべき側の面にのみ開口12aを設けるようにしたがこれに限定されるべきではない。たとえば、図5(A)および図5(B)に示した振動呈示装置10では、開口12aを下面(人体に接触されるべき面とは反対の面)にも設けるようにしてもよい。かかる場合であっても、振動呈示装置10を装着することによる圧力は弾性物質14により吸収される。したがって、上述の実施例と同様に、装着による圧力の影響をほとんど受けずに、振動モータ16は駆動し、その振動が人体に確実に伝達される。
図1はこの発明の人体装着用振動呈示装置の一例を示す斜視図、上面図および下面図である。 図2は図1に示す人体装着用振動呈示装置の断面図である。 図3は図1に示す人体装着用振動呈示装置を人体に装着する場合の装着例を示す図解図である。 図4は図1に示す人体装着用振動呈示装置を人体に装着する場合の他の装着例を示す図解図である。 図5はこの発明の人体装着用振動呈示装置の他の例を示す斜視図である。 図6はこの発明の人体装着用振動呈示装置のその他の例を示す斜視図である。 図7はこの発明の人体装着用振動呈示装置のさらに他の例を示す断面図である。
符号の説明
10 …人体装着用振動呈示装置
12 …ケース
14 …弾性物質
16 …振動モータ(振動子)
18 …固定部材

Claims (2)

  1. 振動子と、
    少なくとも人体に接触すべき面側に開口を有するケースとを備え、
    前記ケースは、弾性物質を介在して少なくとも1つの前記振動子を内蔵し、当該弾性物質より硬い材料で形成されることを特徴とする、人体装着用振動呈示装置。
  2. 前記弾性物質は、シリコンゴムまたはウレタンゴムを含む、請求項1記載の人体装着用振動呈示装置。
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