JP2006180919A - 生体組織補填体製造補填キット - Google Patents

生体組織補填体製造補填キット Download PDF

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宏一 黒田
Akira Inoue
晃 井上
Naoyuki Matsuoka
直之 松岡
Makoto Oishi
誠 大石
Koichi Shibata
浩一 柴田
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Abstract

【課題】 生体組織補填材の有する気孔内の奥部まで、空気によって阻害されることなく骨髄液等の体液を浸透させ、患部の修復を迅速に行うことができる生体組織補填体を製造し、補填する。
【解決手段】 多孔質の生体組織補填材5と、該生体組織補填材5を収容する両端を開放された直筒状の容器2と、該容器2の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部2aを気密状態に密封するキャップ3と、容器2の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部2bを気密状態に密封する閉塞部材4とを備え、キャップ3に、シリンジ9先端または注射針8により気密状態を維持しつつ貫通可能な貫通部7が設けられ、生体組織補填材5を収容し、キャップ3と閉塞部材4とにより両端を気密状態に閉塞された容器2内部が、外部に対して減圧状態に維持されている生体組織補填体製造補填キット1を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多孔質の生体組織補填材の気孔内部にまで骨髄液等の体液を浸透させた生体組織補填体を製造し患部に補填するための生体組織補填体製造補填キットに関する。
従来、この種の補填キットとしては、非特許文献1に示される構造のものがある。
この補填キットは、着脱可能なキャップによって両端を閉塞した筒状の容器内にリン酸カルシウム等の生体組織補填材を充填した構造のものである。両端のキャップには、骨髄液を充填するための骨髄液注入孔または、骨髄液の充填時の空気抜き孔がそれぞれ設けられている。
この補填キットを使用するには、患者から採取した骨髄液を充填したシリンジの先端を前記骨髄液注入孔に接続し、シリンジのピストンを押すことにより、シリンジの先端から骨髄液注入孔を介して容器内に注入する。このとき、他のキャップに設けた空気抜き孔から容器内の空気が排出され、注入された骨髄液が生体組織補填材に浸透していくことになる。
"CELLPLEX(TM)TCP Synthetic CancellousBone"、[online]、平成15年、Wright MedicalTechnology Inc.、[平成16年7月9日検索]、インターネット<URL:http://www.wmt.com/Downloads/CellPlex_Brochure.pdf>
しかしながら、上記非特許文献1に示される構造の補填キットでは、シリンジにより容器内に注入された骨髄液が生体組織補填材に重力あるいは毛細管現象により浸透していくことになるが、生体組織補填材は多孔体である場合が多く、その場合には、生体組織補填材内の細かい気孔に閉じこめられた空気によって骨髄液の浸透が阻害される不都合がある。すなわち、非特許文献1の方法によれば、ほぼ大気圧状態あるいはシリンジによる若干の加圧状態において骨髄液の注入が行われるため、気孔内に空気を閉じこめた状態の骨髄液入り生体組織補填材が製造されてしまうことになる。このようにして製造された生体組織補填材は、骨髄液内の細胞が気孔内部まで浸透していないため、細胞の成長は表面近傍のみで行われることになり、患部の修復を迅速に行うことができない不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体組織補填材の有する気孔内の奥部まで、空気によって阻害されることなく骨髄液等の体液を浸透させ、患部の修復を迅速に行うことができる生体組織補填体を製造し、製造された生体組織補填体を患部に補填可能な生体組織補填体製造補填キットを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、多孔質の生体組織補填材と、該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を気密状態に密封するキャップと、前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を気密状態に密封する閉塞部材とを備えるとともに、前記キャップに、シリンジ先端または注射針により気密状態を維持しつつ貫通可能な貫通部が設けられ、前記生体組織補填材を収容し、キャップと閉塞部材とにより両端を気密状態に閉塞された容器内部が、外部に対して減圧状態に維持されている生体組織補填体製造補填キットを提供する。
本発明によれば、生体組織補填材を収容した直筒状の容器の両端がキャップと閉塞部材とによって気密状態に密封され、容器内部が外部に対して減圧状態に維持されているので、キャップに設けた貫通部に、骨髄液等の体液を充填したシリンジや輸血バッグ等に備えられた注射針を貫通させることにより、シリンジあるいは輸血バッグ内の体液が容器内に供給されることになる。体組織補填材を収容した直筒状の容器の両端がキャップと閉塞部材とによって気密状態に密封され、容器内部が外部に対して減圧状態に維持されているので、シリンジ先端または注射針を貫通部に貫通させると、体液が容器内に吸い込まれ、生体組織補填材に浸透することになる。
この場合において、減圧状態にされた容器内部においては、多孔質の生体組織補填材の各気孔内から空気が追い出されているので、容器内に吸い込まれた体液は空気に阻害されることなく気孔の奥部まで浸透する。したがって、生体組織補填材の内部まで細胞が浸透した生体組織補填体を製造することができる。
また、生体組織補填材の気孔の内部にまで細胞を浸透させた生体組織補填体が容器内に製造された後には、閉塞部材を取り外して容器の一端を開放し、その代わりに、例えば、ピストンを容器に挿入した状態で、容器の他端のキャップを取り外す。容器が直筒状に形成されているため、ピストンを押圧するだけで、容器内部の生体組織補填体を容器の他端から押し出して、そのまま患部に補填することが可能となる。
なお、体液に代えて、成長因子、栄養分等の薬剤等を注入した生体組織補填体を製造、補填する際に用いてもよい。
また、本発明は、多孔質の生体組織補填材と、該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を気密状態に密封するキャップと、前記容器の他端の開口部に挿入されて、該他端の開口部を気密状態に密封するピストンとを備え、前記キャップに、シリンジにより気密状態を維持しつつ貫通可能な貫通部が設けられ、前記ピストンが、前記キャップにより一端を気密状態に閉塞され、内部に生体組織補填材を収容した容器の長さ方向の途中位置まで押し込まれた状態に配されている生体組織補填材製造補填キットを提供する。
本発明によれば、生体組織補填材を収容した直筒状の容器の両端がキャップとピストンとによって気密状態に密封され、ピストンが容器の長さ方向の途中位置まで押し込まれた状態に配されているので、ピストンを容器から引き出す方向に移動させることにより、容器の内部を容易に減圧状態にすることができる。この状態で、キャップに設けた貫通部に、骨髄液等の体液を充填したシリンジや輸血バッグ等に備えられた注射針を貫通させることにより、シリンジあるいは輸血バッグ内の体液が容器内に供給されることになる。体組織補填材を収容した直筒状の容器内部が外部に対して減圧状態に維持されているので、シリンジ先端または注射針を貫通部に貫通させると、体液が容器内に吸い込まれ、生体組織補填材に浸透することになる。
この場合において、減圧状態にされた容器内部においては、多孔質の生体組織補填材の各気孔内から空気が追い出されているので、容器内に吸い込まれた体液は空気に阻害されることなく気孔の奥部まで浸透する。したがって、生体組織補填材の内部まで細胞が浸透した生体組織補填体を製造することができる。
また、生体組織補填材の気孔の内部にまで細胞を浸透させた生体組織補填体が容器内に製造された後には、容器の端部のキャップを取り外す。容器が直筒状に形成されているため、ピストンを押圧するだけで、容器内部の生体組織補填体を容器の端部から押し出して、そのまま患部に補填することが可能となる。
上記発明においては、前記ピストンを容器の他端の開口部を気密状態に密封したまま、外側に抜き出した状態に維持する保持部材を備えることが好ましい。ピストンを容器内から引き出す方向に移動させると、減圧状態になる容器の内部に引き戻す方向に力が作用するため、保持部材によってピストンを外側に抜き出した状態に維持することにより、その後の体液の注入作業を容易に行うことが可能となる。これにより、生体組織補填体の製造から補填作業までを一人で容易に行うことができる。
また、上記発明においては、前記キャップの貫通部が、シリコーンゴムにより構成されていることが好ましい。シリコーンゴムによれば、生体適合性を有するため、生体内に補填される生体組織補填体に接触しても有害ではなく、また、注射針によって容易に貫通することができるとともに、注射針を抜いた後は、孔を閉塞して内部の体液等が漏れないようにすることができる。
本発明によれば、多孔質の生体組織補填材の各気孔の奥部にまで細胞を浸透させた生体組織補填体を簡易かつ迅速に製造することができ、また、製造された生体組織補填体をそのまま患部に補填することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る生体組織補填体製造補填キットについて、図1〜図7を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1は、図1に示されるように、両端に開口する円筒状の容器2と、該容器2の両端をそれぞれ気密状態に閉塞する第1のキャップ3と第2のキャップ4とを備えるとともに、内部に生体組織補填材5を充填して構成されている。容器2は、例えば、ガラスや樹脂等の透明な材質からなっており、内部の状態を外部から観察することができるようになっている。
第1のキャップ3は、容器2の一端の開口部2aを気密状態に閉塞するもので、容器2の端部外面に形成された雄ネジ6aに締結される雌ネジ3aを備えている。また、第1のキャップ3は、容器2の開口部2aを閉塞する位置に配置される端板3bの中央部にシリコーンゴムからなる貫通部7を備えている。この貫通部7は、注射針8(図2参照)のような針状部材によって容易に貫通することができるとともに、一端貫通した注射針8を引き抜いた後には、開けられた貫通孔を閉じるように収縮して、気密状態を保持することができるようになっている。
また、第1のキャップ3には、容器2に取り付けられたときに、容器2内に配置される側に突出し、貫通部7に隣接して空間3cを形成する筒状部3dが設けられている。筒状部3dの先端には、前記貫通部7との間に空間3cを挟むように生体組織補填材5の粒径よりも小さな複数の小穴を有する網状部材3eが配置されている。これにより、空間3c内に生体組織補填材5が進入するのを防止して空間3cを空いたままの状態に確保し、貫通部7を貫通して容器2内に挿入される注射針8が、生体組織補填材5によって阻害されないようになっている。また、注射針8の先端から出射される液体が、網状部材3eを介して容易に容器2内に注入されるようになっている。なお、筒状部3dおよび網状部材3eを第1のキャップ3とは別部材により構成してもよい
また、第2のキャップ4は、容器2の他端の開口部2bを気密状態に閉塞するもので、容器2の端部外面に形成された雄ネジ6bに締結される雌ネジ4aを備えている。また、第2のキャップ4は、容器2の開口部2b内から所定深さにわたって嵌合する突起部4bを備えている。
容器2内に収容されている生体組織補填材5は、例えば、βリン酸三カルシウム(β−TCP)多孔体からなる顆粒状のものである。生体組織補填材5は、第1、第2のキャップ3,4によって両端の開口部2a,2bを閉塞された容器2内部の全体に充填されている。
また、本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1は、例えば、減圧状態に配された作業容器(図示略)内において組み立てられている。これにより、大気圧状態に置かれても、容器2内部は減圧状態に維持されている。減圧状態は、例えば、0.5気圧程度である。
このように構成された本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1を用いて生体組織補填体を製造し補填する方法について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1により生体組織補填体を製造するには、まず、図2に示されるように、患者の体内から採取した骨髄液、末梢血等の体液、成長因子や栄養分等の薬剤などからなる液体Aを収容したシリンジ9の注射針8を、第1のキャップ3の貫通部7に刺し入れる。
貫通部7はシリコーンゴムにより構成されているので注射針8は容易に貫通して内部に先端を配することができる。このとき、第1のキャップ3に設けた筒状部3dおよび網状部材3eによって空間3cが確保されているので、注射針8は生体組織補填材5によって邪魔されることなく容器2の内部に容易に挿入することができる。
そして、この状態でシリンジ9のピストン10を押圧し、あるいは解放することにより、シリンジ9内の液体Aを注射針8の先端から容器2内に供給することができる。容器2の内部は減圧状態に維持されているので、シリンジ9内の液体Aは容器2内に吸引され、容器2内部に充填されている生体組織補填材5に浸透することになる。
この場合において、容器2内部が減圧状態とされることにより、内部に収容されている生体組織補填材5の各気孔からは空気が追い出されており、そこに供給された液体Aは気孔内に浸透する際に、空気によってその浸透を阻害されることがない。したがって、液体Aは気孔内の奥部まで浸透することができることになる。
これにより、本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1によれば、図3に示されるように、液体Aが生体組織補填材5の気孔内部の奥部にまで十分に浸透した生体組織補填体11を製造することができる。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1により製造された生体組織補填体11は、液体Aが骨髄液等の細胞を含む体液である場合には、細胞が気孔の奥部まで浸透しているので、患部に補填された後に、生体組織補填体11の内部からも細胞を成長させて、患部の修復を迅速に行うことができる。
また、液体Aが薬液である場合には、気孔の奥部においてもその薬液を細胞に作用させることができるので、生体組織補填体11の内部においても細胞の増殖を促進することができる。
次に、このようにして製造された生体組織補填体11の患部への補填方法について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1を用いて製造された生体組織補填体11を患部に補填するには、まず、図4に示されるように、第2のキャップ4を容器2から取り外して、容器2の他端の開口部2bを開放する。第2のキャップ4は容器2内に突出する突起部4bを備えているので、第2のキャップ4を取り外すことにより、容器2内には突起部4bが配されていた空間が形成される。
この状態で、図5に示されるように、第2のキャップ4の突起部4bが配されていた空間にピストン12の先端を挿入する。
次いで、図6に示されるように、第1のキャップ3を容器2の端部から取り外して容器2の一端の開口部2aを開放する。
そして、図7に示されるように、容器2に対してピストン12を押し込むように移動させることにより、容器2内部に製造されていた生体組織補填体11が容器2外部に押し出される。したがって、容器2の一端の開口部2aを、患者の患部近傍に配置しておくことで、容器2外部に押し出された生体組織補填体11がそのまま患部に補填されることになる。
この場合に、顆粒状の生体組織補填材5は注入された液体Aによってまとめられており、顆粒状の生体組織補填材5をそのまま患部に補填する際には患部の周囲に付着してしまう不都合があるが、本実施形態によれば、液体Aにより一纏まりになることによって、生体組織補填体11の補填容易性が向上し、患部の周囲に付着する等の不都合を大幅に低減することができる。
また、ピストン12の押し出し量を変えることで、患部の大きさに合わせて、補填する生体組織補填体11の量を調節することができる。
なお、本実施形態においては、生体組織補填材5として、顆粒状のβ−TCP多孔体を採用したが、他の生体適合性材料からなる多孔質の任意の生体組織補填材5を採用することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット20について、図8〜図14を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1と構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット20は、図8に示されるように、シリンジのシリンダ状の容器21と、該容器21の一端の開口部21aを気密状態に閉塞するキャップ3と、前記容器21の他端側から長さ方向の途中位置まで押し入れられた状態で容器21の他端を気密状態に密封するピストン22と、内部に収容される多孔質の生体組織補填材5とを備えている。
キャップ3は、第1の実施形態における第1のキャップ3と全く同一である。
生体組織補填材5は、第1の実施形態と同様に、顆粒状のβ−TCP多孔体であるが、途中まで押し込まれた状態のピストン22とキャップ3とで挟まれる容器21内の一部の領域に充填されている。ピストン22は、例えば、容器21全体の容積の約半分の容積をキャップ3との間に囲む位置まで押し入れられており、生体組織補填材5は、その囲まれた容積全体に充填されている。
このように構成された本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット20を用いて生体組織補填体23を製造する場合について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット20を用いて生体組織補填体23を製造するには、まず、図9に示されるように、容器21に対してピストン22を容器21の他端側の開口部21bから引き出す方向に移動させる。
これにより、容器21内部が減圧状態とされ、容器21内部に配されている生体組織補填材5の気孔の内部の空気も希薄になる。ピストン22を容器21の他端の開口部21b近傍まで引き出すことにより、容器21内のピストン22とキャップ3とで囲まれた容積は約2倍になるので、容器21内の気圧は約0.5気圧に設定される。
この状態を手で維持してもよいが、減圧状態が高い場合には、維持することが困難になるので、図10および図11に示されるように、ピストン22の後端に設けられているフランジ22aと容器21の他端との間に保持部材23を挟むことにしてもよい。保持部材23は、例えば、断面V字状の板状体であり、フランジ22aと容器21との間に挟むことによってピストン22が容器21内に戻ることを防止して、容器21に対して引き抜いた状態に維持することができる。
次に、図12に示されるように、患者の体内から採取した骨髄液、末梢血等の体液、成長因子や栄養分等の薬剤などからなる液体Aを収容したシリンジ9の注射針8を、キャップ3の貫通部7に刺し入れる。
貫通部7はシリコーンゴムにより構成されているので注射針8は容易に貫通して内部に先端を配することができる。そして、この状態でシリンジ9のピストン10を押圧し、あるいは解放することにより、シリンジ9内の液体Aを注射針8の先端から容器21内に供給することができる。容器21の内部は減圧状態に維持されているので、シリンジ9内の液体Aは容器21内に吸引され、容器21内部に充填されている生体組織補填材5に浸透することになる。
この場合において、容器21内部が減圧状態とされることにより、内部に収容されている生体組織補填材5の各気孔からは空気が追い出されており、そこに供給された液体Aは気孔内に浸透する際に、空気によってその浸透を阻害されることがない。したがって、液体Aは気孔内の奥部まで浸透することができることになる。
これにより、本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット20によれば、液体Aが生体組織補填材5の気孔内部の奥部にまで十分に浸透した生体組織補填体11を製造することができる。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット20により製造された生体組織補填体11は、液体Aが骨髄液等の細胞を含む体液である場合には、細胞が気孔の奥部まで浸透しているので、患部に補填された後に、生体組織補填体11の内部からも細胞を成長させて、患部の修復を迅速に行うことができる。
また、液体Aが薬液である場合には、気孔の奥部においてもその薬液を細胞に作用させることができるので、生体組織補填体11の内部においても細胞の増殖を促進することができる。
次に、このようにして製造された生体組織補填体11の患部への補填方法について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット20を用いて製造された生体組織補填体11を患部に補填するには、まず、図13に示されるように、キャップ3を容器21の端部から取り外して容器21の一端の開口部21aを開放する。
そして、図14に示されるように、保持部材23を取り外して、容器21に対してピストン22を押し込むように移動させることにより、容器21内部に製造されていた生体組織補填体11が容器21外部に押し出される。したがって、容器21の一端の開口部21aを、患者の患部近傍に配置しておくことで、容器21外部に押し出された生体組織補填体11がそのまま患部に補填されることになる。
この場合に、顆粒状の生体組織補填材5は注入された液体Aによってまとめられており、顆粒状の生体組織補填材5をそのまま患部に補填する際には患部の周囲に付着してしまう不都合があるが、本実施形態によれば、液体Aにより一纏まりになることによって、生体組織補填体11の補填容易性が向上し、患部の周囲に付着する等の不都合を大幅に低減することができる。
また、ピストン22の押し出し量を変えることで、患部の大きさに合わせて、補填する生体組織補填体11の量を調節することができる。
なお、本実施形態の場合においては、ピストン22の引き出しにより容器21内に空間が形成されるため、キャップ3に代えて、筒状部3dおよび網状部材3eを有しないキャップを採用してもよい。
また、上記各実施形態においては、キャップ3に設けた貫通部7として、シリンジ9に取り付けた注射針8により貫通可能な貫通部7を例に挙げて説明したが、これに代えて、図15〜図18に示されるような貫通部30を有するキャップ3′を採用してもよい。
この貫通部30は、図15および図17に示されるように、注射針8を取り付けないシリンジ9の先端9aをほぼ気密状態に嵌合させる貫通孔31aを有する嵌合部31と、キャップ3の内側において貫通孔31aを密閉するように接着された蓋部材32とを備えている。蓋部材32は、図16に示されるように、貫通孔31aの全周にわたる接着部33により、キャップ3の内側に接着されているが、特に、その周方向の一部33aにおいて強固に接着されている。
このように構成された生体組織補填体製造補填キットによれば、図17に示されるように、シリンジ9の先端9aを貫通孔31aに嵌合させることで、外部に対してある程度の気密状態が達成される。そして、この状態から図18に示されるようにさらにシリンジ9を押し込むことにより、シリンジ9の先端9aによって蓋部材32の接着を破り、シリンジ9内の液体Aを容器2,21内に供給することが可能となる。この場合に、容器2,21内が減圧状態になっているので、液体Aは容器2,21内に吸引され、容器2,21内部に充填されている生体組織補填材5に浸透することになる。
蓋部材32は、その周方向の一部32aにおいてキャップ3′の内側に強固に接着されているので、シリンジ9の先端9aによって押されてもその部分のみが接着状態に維持されてキャップ3′から外れることが防止される。したがって、剥がれた蓋部材32が生体組織補填材5に混入しないように考慮されている。
本発明の第1の実施形態に係る生体組織補填体製造補填キットを示す縦断面図である。 図1の生体組織補填体製造補填キットを用いた生体組織補填体の製造を説明するための図である。 図1の生体組織補填体製造補填キットの容器内に生体組織補填体が製造された状態を示す図である。 図1の生体組織補填体製造補填キットの容器から第2のキャップを外した状態を示す縦断面図である。 図1の生体組織補填体製造補填キットの容器にピストンを挿入した状態を示す図である。 図5の生体組織補填体製造補填キットの容器から第1のキャップを外した状態を示す縦断面図である。 図6の生体組織補填体製造補填キットの容器から生体組織補填体を押し出して補填する状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る生体組織補填体製造補填キットを示す縦断面図である。 図8の生体組織補填体製造補填キットの容器内部を減圧するステップを説明する図である。 図8の生体組織補填体製造補填キットの容器とピストンとの間に保持部材を挟んだ状態を示す図である。 図10のピストン側から見た側面図である。 図8の生体組織補填体製造補填キットを用いた生体組織補填体の製造を説明するための図である。 図8の生体組織補填体製造補填キットの容器からキャップを外した状態を示す縦断面図である。 図13の生体組織補填体製造補填キットの容器から生体組織補填体を押し出して補填する状態を示す図である。 図1または図8の生体組織補填体製造補填キットのキャップの変形例を示す縦断面図である。 図15のキャップの貫通孔を閉塞する蓋部材を示す正面図である。 図15の生体組織補填体製造補填キットの作用を説明する図である。 図15の生体組織補填体製造補填キットを用いた生体組織補填体の製造を説明するための図である。
符号の説明
1,20 生体組織補填体製造補填キット
2,21 容器
2a,2b,21a,21b 開口部
3,3′ キャップ(第1のキャップ)
4 閉塞部材(第2のキャップ)
5 生体組織補填材
7,30 貫通部
8 注射針
22 ピストン
23 保持部材

Claims (4)

  1. 多孔質の生体組織補填材と、
    該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、
    該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を気密状態に密封するキャップと、
    前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を気密状態に密封する閉塞部材とを備えるとともに、
    前記キャップに、シリンジ先端または注射針により気密状態を維持しつつ貫通可能な貫通部が設けられ、
    前記生体組織補填材を収容し、キャップと閉塞部材とにより両端を気密状態に閉塞された容器内部が、外部に対して減圧状態に維持されている生体組織補填体製造補填キット。
  2. 多孔質の生体組織補填材と、
    該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、
    該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を気密状態に密封するキャップと、
    前記容器の他端の開口部に挿入されて、該他端の開口部を気密状態に密封するピストンとを備え、
    前記キャップに、シリンジ先端または注射針により気密状態を維持しつつ貫通可能な貫通部が設けられ、
    前記ピストンが、前記キャップにより一端を気密状態に閉塞され、内部に生体組織補填材を収容した容器の長さ方向の途中位置まで押し込まれた状態に配されている生体組織補填体製造補填キット。
  3. 前記ピストンを容器の他端の開口部を気密状態に密封したまま、外側に抜き出した状態に維持する保持部材を備える請求項2に記載の生体組織補填体製造補填キット。
  4. 前記キャップの貫通部が、シリコーンゴムにより構成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の生体組織補填体製造補填キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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