JP2006180504A - 超音波変換生成方法による音響再生スクリーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超音波変換再生方法による音響再生スクリーンは、音声信号の載せた超音波が入射されると音声信号を反射する振動体を備え、所定の体積を有する少なくとも1つのセルと、セルが連続的に連結されたマトリックス構造のスクリーンとを含む。
【選択図】図1
Description
超音波は可聴周波数より高い20kHz以上の周波数を有する音波のことを言う。音声信号を超音波に乗せて伝達する場合、通常の音声に比べて強度が高く、且つ方向性のある音源を得ることができる。
従来の超音波音源は音波を遠くへ伝送したり、特定の一点に向かうように指向性を持たせることができるが、超音波信号に載せられた音声信号のパワーの一部だけが実際に伝達されるものであり、一般のスピーカに比して強力な出力を出す必要がある。従って、一般の可聴帯域の音声信号のみを出力するスピーカに比べて人が聴取するための音源としては不適な部分がある。
好ましくは、前記スクリーンは、スクリーンの直径と音声信号の波長との比率であるウェーブサイズが1より大きく、音声信号の周波数は10Hzより大きく10kHzより小さいことが好ましい。
本発明の他の実施形態に係る前記セルは、前記超音波が入射すると前記超音波により振動しながら前記音声信号を反射するホーン(horn)と、前記ホーンの振動が伝わる方向の反対方向の変位を有し、前記ホーンを支持するシリンダあるいはドーム構造の弾性力のあるシェル(shell)と、前記ホーンおよび前記弾性力のあるシェルに連結され、前記ホーンの振動を前記弾性力のあるシェルに伝える支持体と、前記弾性力のあるシェルを支持し、前記入射する超音波による前記弾性力のあるシェルの振動が可能になるよう設けられる網構造の連続する穴を有す堅固なネットとを有することを特徴とする。
本発明の更なる実施形態に係る前記セルは、前記超音波が入射すると前記超音波により振動しながら前記音声信号を反射する、弾性力のある平板状の薄膜弾性体と、磁場が形成される所定空間が特定されるよう前記弾性体と前記空間を取り巻き、前記弾性体の振動により電流が誘導されるコイルと、前記コイルの両端末に連結され、前記コイルに誘導された電流が流れる方向に沿って前記弾性体の振動を制限するダイオードとを含むことを特徴とする。
本発明の更なる実施形態に係る前記セルは、前記超音波から変換された電気的な信号から前記超音波のエンベロープ(envelope)を抽出するデータ処理部と、前記超音波を受信し電気的な信号に変換し、前記エンベロープが伝達されて音声信号に変換し出力する振動部とを含むことを特徴とする。
また、前記データ処理部は、前記電気的な信号から所定周波数以上の信号を分離する高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタの出力から前記エンベロープを抽出する整流器と、前記整流器から出力される前記エンベロープで所定の周波数以下の信号を分離する低域通過フィルタとを含み、前記電気的な信号を所定の利得で増幅し前記高域通過フィルタに出力する第1増幅器と、前記低域通過フィルタの出力を願望する所定の出力を有するよう所定の利得で増幅する第2増幅器とを更に含むことができる。
また、仮想音響空間を極めて高い空間的解像度(resolution)を有するものとすることができる。即ち、これを介して1つのバンドの各楽器の位置を示すことができる。
第3に、音声スペクトラムの低周波領域の生成において際立つ特性を示す。
第4に、本発明の音響再生スクリーンは簡単な構造により製造され、壁紙のよう薄く製造することができるので設置および運用の容易性を確保できると共に、スクリーンの材質により映像スクリーンとしても活用できる。この場合、観覧者は例えば車や動物のような自分が見ているものの音源位置からの出力を正確に聴取できる。
本発明の音響再生スクリーン100はマトリックス(matrix)構造のスクリーン形状に形成され、簡単にスピーカとも呼ぶ。本発明のスクリーン100は、その正面以外の場所に位置してスクリーン100に超音波を放射する少なくとも1つのセットの小さい超音波音源(図示せず)と共に動作する。
スクリーン100は、単位セル101が連続し集積されたマトリックス構造であり、各セル101は所定の幅と面積を有している。
スクリーン100に達した超音波は、スクリーン100の各セル101の整流動作により変換されながら反射し、反射された音波は整流された形態で聴取者が聴取できる可聴帯域の音声信号を含む。なお、スクリーン100の各セル101は整流器として動作する。
スクリーン100によって反射される音声信号を含む超音波は、少なくとも1つの装置(図示せず)から生成されスクリーン100に向うように構成することができる。
受動装置および能動装置であるセルは、入射する超音波のエネルギーを音声信号のエネルギーに変換する。
受動装置は、スクリーンそのものであることからいかなるエネルギー供給も必要としない。係る受動装置の長所は、スクリーン100のセル101が比較的に単純であるところにある。
また、本発明のスクリーン100は、各セル101の動作に基づいて独立して動作するものと全体的に動作するものとに分けられる。
以下、本発明の音響再生スクリーン100の全体動作を説明し、このために超音波音源(図示せず)からの超音波信号を反射して音声信号を出力する各セル101を1つのコンパクトスピーカと見なして詳説する。
図1に図示された音声再生スクリーン100によると、スクリーン100裏側に位置する仮想の音源(図示せず)により生成される、真に迫った音響空間を再生することができる。係る効果はHuygens−Fresnel理論に基づく。
スクリーン100のセル101は2次元音源に当る。即ち、Huygens−Fresnel理論によると、実際の音源がスクリーンの裏に位置し、仮想の2次音源がスクリーンの前面に位置する一方、本発明によると、スクリーン100の裏に仮想の音源が存在し、スクリーン100にセル101という実際音源が存在する。各セル101での音声信号の振幅と位相を適切に選択調整すれば、聴取者に音源到達の効果は同一である。聴取者はスクリーン100の裏に存在する仮想の音源(図示せず)から音声信号が伝達されるよう感じられる。
理論的には人の聴取できる周波数fは約20kHzである。この周波数に対応する波長の長さは周波数fで音速(c=330m/s)を割ることによって算出することができる。その結果、約2cmである。
しかし1cmという大きさは実質的に大きいものである。実質的な可聴周波数の閾値ははるかに低い。少なくとも10kHzより低い周波数は、それが情報を有するものとみなすことができる。この場合、セル101の大きさは約2cmとなる。
以下、可聴帯域の音声信号のうち低周波領域での動作について説明する。
高周波数と低周波数の音声信号を生成する過程において主な違いは、スピーカの直径と波長の比率であるスピーカのウェーブサイズと関連する。ウェーブサイズが1より大きければスピーカの音声出力は効率的である。しかし、ウェーブサイズの値が1より小さければ、スピーカの音声出力の効率は著しく落ちる。この状況でスピーカに適用される空気負荷(Air load)は極めて低くなる。それは小さい質量に適用された強い力と同様、振動の振幅は大きく、空気の負荷により伝達されるエネルギーは小さくなる。
図2A、図2B、及び図2Cに示すように、超音波変換の再生方法による音響再生スクリーンの各セルの断面図である。
同図における音響再生スクリーン100は、各セル200が個別で機械的に動作し、外部電源によらない受動システムであって、FN(Film−Net)とも呼ぶ。各セル200は、その内部に別のスピーカを含んでいない。外部からの音声を超音波に載せてスクリーン100の前面に向わせた場合、スクリーン100は音声信号のみを反射する。図2A、図2B,および図2Cはそのセル200の断面を示したものである。
フィルム201とネット203を含むセル200の動作はダイオードと同様に、波の変位ξを整流することができる。入射波は振幅変調されたものとして見なす。入射波と反射波の変位ξを表すグラフは図3の通りである。
図3Aに示したように、低周波の音声信号が高周波である超音波に振幅変調されたことが分かる。図3Bのグラフはフィルム201のネット203側の変位が制限されることにより整流された波形を示す。
フィルム201は振動の振幅と同一振幅を有する超音波として振動する。このためにフィルム201は軽くなければならない。
フィルム201の厚さhを2×10-6mとする場合、フィルム201のインピーダンスは数2から求められる。
要するに、図2の音響再生スクリーン100は、約2ミクロン(micron)より小さい厚さを有するフィルム201と10-5mより大きい穴を有する堅固なネット203により具現される。フィルム201とネット203との間隔d1は超音波において波の変位より小さいことがよい。
図4Cは各セル410に含まれたシェル(shell)405の動きを説明するための図であって、半円のドーム構造のシェル405の頂点に超音波の入射による力が伝わった場合、シェル405が変位ξ1 だけの動きを表示する。
ホーン401のディスクは効果的な受信機または送信機として動作するためには空気中の波長に対応すべきサイズでなければならない。ディスクの共振周波数は搬送波である超音波周波数ωと同一でなければならない。ディスクの出力インピーダンスは支持体403に加えられた力と振動速度の比率であって、数4の通りである。
シェル405は非線形の弾性特性を有する表面を形成し、超音波信号に乗せられた音声信号を分離する。シェル405の変位ξ1は圧力に対する2次関数であり、それは2次非線形の応答を行う。シェル405はドーム構造でなくとも弾性力のあるシリンダー構造であればよい。
図5は本発明の更なる実施形態に係る超音波変換再生方法による音響再生スクリーンの単位セルの斜視図である。
セル510は磁場中に位置し、所定の六面体であり、空気が占めている空間505の前面に弾性力のある薄い膜501が覆われている。空間505と膜501とを取り囲むようにしてコイル503が巻回されている。コイル503の両端は半導体であるダイオード(図示せず)と連結されている。
図6Aおよび図6Bは、本発明の更なる実施形態に係る超音波変換再生方法により音響再生スクリーンの単位セルのブロック図である。
図6Bは、データ処理部620を示したものであり、第1増幅器621、高域通過フィルタ623、整流器625、低域通過フィルタ627、および第2増幅器629を含んでなる。
図6Aおよび図6Bの他の実施形態は、受信部601と送信部603が1つの装置である振動部(図示せず)として具現され、図7はその一例を示す。
同図に示したように、受信部601と送信部603は1つの構造物である振動部700から形成される。振動部700は、所定厚さの第1フィルム701、該第1フィルム701の内側および外側には第1および第2メタル層705、707が形成されている。内側の第2メタル層707の内側には振動モードを形成するための第2フィルム703が形成されている。第1フィルム701は圧電フィルムからなることが好ましく、第2フィルム703はポリエチレンフィルムであることが好ましい。
以上、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を図示および説明してきたが本発明の保護範囲は、前述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
101 セル
Claims (17)
- 音声信号を載せた超音波が入射されると前記音声信号を反射する振動体を備え、所定の体積を有する少なくとも1つのセルと、
前記セルが連続的に連結されたマトリックス構造のスクリーンと、
を含むことを特徴とする音響再生スクリーン。 - 前記スクリーンは、スクリーンの直径と前記音声信号の波長との比率であるウェーブサイズが1より大きく、前記音声信号の周波数は10Hzより大きく10kHzより小さいことを特徴とする請求項1に記載の音響再生スクリーン。
- 前記セルは、
前記超音波が入射すると前記超音波により振動しながら前記音声信号を反射する、弾性力のある平板状の薄膜弾性体と、
前記弾性体の振動の一方向の変位を制限するために、前記弾性体と所定間隔離れて前記弾性体と平行に設けられた網構造の連続する穴を有する堅固なネットと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の音響再生スクリーン。 - 前記弾性体は薄膜のフィルムを含むことを特徴とする請求項3に記載の音響再生スクリーン。
- 前記薄膜フィルムの厚さと、薄膜フィルムの密度および前記超音波の角速度とをかけた値である機械的なインピーダンスが、空気のインピーダンスとほぼ同一であることを特徴とする請求項4に記載の音響再生スクリーン。
- 前記セルは、
前記超音波が入射すると前記超音波により振動しながら前記音声信号を反射するホーン(horn)と、
前記ホーンの振動が伝わる方向の反対方向の変位を有し、前記ホーンを支持するシリンダあるいはドーム構造の弾性力のあるシェル(shell)と、
前記ホーンおよび前記弾性力のあるシェルに連結され、前記ホーンの振動を前記弾性力のあるシェルに伝える支持体と、
前記弾性力のあるシェルを支持し、前記入射する超音波による前記弾性力のあるシェルの振動が可能になるよう設けられる網構造の連続する穴を有す堅固なネットと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の音響再生スクリーン。 - 前記ホーンは、平板の円型ディスク状であることを特徴とする請求項6に記載の音響再生スクリーン。
- 前記支持体は、前記ホーンの中心と前記弾性力のあるシェルの中心に連結され、直線状の剛性部材で構成されることを特徴とする請求項7に記載の音響再生スクリーン。
- 前記セルは、
前記超音波が入射すると前記超音波により振動しながら前記音声信号を反射する、弾性力のある平板状の薄膜弾性体と、
磁場が形成される所定空間が特定されるように前記弾性体と前記空間を取り巻き、前記弾性体の振動により電流が誘導されるコイルと、
前記コイルの両端末に連結され、前記コイルに誘導された電流が流れる方向に沿って前記弾性体の振動を制限するダイオードと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の音響再生スクリーン。 - 前記弾性体は、弾性力のある膜を含むことを特徴とする請求項9に記載の音響再生スクリーン。
- 前記セルは、
前記超音波から変換された電気的な信号から前記超音波のエンベロープ(envelope)を抽出するデータ処理部と、
前記超音波を受信し電気的な信号に変換し、前記エンベロープが伝達されて音声信号に変換し出力する振動部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の音響再生スクリーン。 - 前記振動部は、
前記入射する超音波を受信し電気的な信号に変換し前記データ処理部へ出力する受信部と、
前記データ処理部から抽出された前記エンベロープを音声信号に変換して出力する送信部と、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の音響再生スクリーン。 - 前記データ処理部は、
前記電気的な信号から所定周波数以上の信号を分離する高域通過フィルタと、
前記高域通過フィルタの出力から前記エンベロープを抽出する整流器と、
前記整流器から出力される前記エンベロープで所定の周波数以下の信号を分離する低域通過フィルタと、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の音響再生スクリーン。 - 前記データ処理部は、
前記電気的な信号を所定の利得で増幅し前記高域通過フィルタに出力する第1増幅器と、
前記低域通過フィルタの出力が所望の所定出力となるように所定の利得で増幅する第2増幅器と、
を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の音響再生スクリーン。 - 前記振動部は、
前記超音波が入射すると前記超音波により振動しながら前記音声信号を反射する弾性力のある平板状の薄膜の第1フィルムと、
前記第1フィルムの内側および外側に取り付けられ、前記第1フィルムの振動により電気的な信号を誘起し、前記データ処理部に連結される第1および第2メタル層と、
前記第2メタル層に取り付けられ、前記第1フィルムの振動に共振を発生させる平面上の第2フィルムと、
前記データ処理部の出力に連結され、前記第2フィルムの内側に所定間隔の空間が形成されるべく前記空間の内側および外側に形成され、前記第2フィルムと平行し平面状である第3および第4メタル層と、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の音響再生スクリーン。 - 前記第1フィルムは圧電フィルムを含むことを特徴とする請求項15に記載の音響再生スクリーン。
- 前記第2フィルムはポリエチレンフィルムを含むことを特徴とする請求項15に記載の音響再生スクリーン。
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