JP2006178581A - 高機能バーチャル助手を具備した携帯電話版中国語学習システム - Google Patents

高機能バーチャル助手を具備した携帯電話版中国語学習システム Download PDF

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Abstract

【課題】情報端末にコンテンツを配信する。
【解決手段】情報端末の仕様に依存することなく、コンテンツにのみ依存する処理を実行するロジック手段と、情報端末の仕様に基づいて定められた表示テンプレートを抽出し、ロジック手段による処理結果を、表示テンプレートに従って出力する表示手段と、情報端末から所定のコードが入力されると、コードに対応したビットマップデータを抽出し、ビットマップデータから情報端末に表示可能な画像データを作成して情報端末に送信する外字表示手段と、情報端末から所定のURLを含む表示リクエストを受信すると、表示リクエストに含まれたユーザID及びクッキー情報を抽出してクッキーテンポラリデータに記憶するとともに、所定のURLに該当するファイルを携帯電話に送信するときに、クッキーテンポラリデータから当該ユーザIDに関連づけられたクッキー情報とともに送信するクッキー機能提供手段を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、いつでもどこでも誰でも利用でき、かつ学習者が自分のペースでより手軽に自学自習できることを狙いとした携帯電話版中国語学習システムに関する。
近年、中国のWTO 加盟による日中間のビジネス機会増大や、留学・旅行・インターネットなどによる交流機会増大を背景として、日本では中国語学習への興味や関心が高くなり、中国語を習得したいというニーズが増えている。特に場所や時間の制約を受けず、効果的に中国語を学べる環境の整備が強く望まれている。筆者らは早稲田大学で行った大教室の中国語授業に「新・聞こえる中国語」をベースに作られたCD−ROM版の学習ソフトウェアを適用し、中国語4級試験への対応や聴解力・会話力の向上などの面において、この学習システムが有効であることを実証した。さらに、この学習システムを利用し、学習者が自分のペースで効果的に自学自習できるインターネットウェブ版中国語学習システムDig(以下はウェブ版Dig と言う)を開発した。その中で、インターネット上での中国語学習スタイルの考察を行い、独自のマルチメディア記述言語による豊富な教材形式も提供している。
ウェブ版Dig は2003 年度7 月に公表して以来、早稲田大学文学部やいくつかの企業での中国語学習コースに使用された。このシステムは従来の大教室授業スタイルを大きく変えるものであり、かつその学習時間を自由に作り出し、学習者が自分のペースで、語学学習において欠かせない発音練習と暗記の繰り返しを納得のいくまで行うことを可能とした。
発明者らはさらに多くの学習者がこの学習システムを手軽に利用し、より高い学習効果をあげられるように、新たに携帯電話版中国語学習システムを開発した。すなわち、普及率がもっとも高く、常時携帯でき、いつでもどこでもちょっとした時間に利用ができ、入手にもあまり費用のかからない携帯電話への適用を検討した。
従来の携帯電話では、機能上の制約から、ウェブ版Dig のサービスをほとんど提供できないという問題があった。最近、日本国内では第3世代携帯電話サービスが開始され、携帯電話はパソコンと比べ、軽量かつ持ち運びに便利な情報通信端末となり、ユーザーから最も支持されるモバイル機器になりつつある。
以上の経緯で、発明者らは今までの研究成果を携帯電話へ適用し、携帯電話版中国語学習システムDig(以下は携帯電話版Dig と言う)の開発に着手した。
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、情報端末にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置に関する。本発明の特徴に係るコンテンツ配信装置は、情報端末の仕様に依存することなく、コンテンツにのみ依存する処理を実行するロジック手段と、
情報端末の仕様に基づいて定められた表示テンプレートを抽出し、ロジック手段による処理結果を、表示テンプレートに従って出力する表示手段とを備える
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。以下、1。では携帯電話版Dig の開発目標、次に2。では実現技術、3。ではシステムの構成、4。ではシステムの評価に関する考察などについて述べる。
(最良の実施の形態)
1. 携帯電話版Dig の開発目標
1.1 携帯電話を用いる既存学習システムの課題
現時点では、携帯電話を用いた本格的な中国語学習システムは見受けられない。そこで、発明者らは携帯電話版Dig を開発するにあたり、まず、携帯電話を使う既存学習システムを参考として取り上げ、問題点の抽出を行った(表1)。
Aシステム は携帯電話上で利用できる学習システムであり、登録されたユーザーがサーバーにアクセスし、自分の学習レベルに応じた四択問題をダウンロードして練習ドリルとして利用できる。ただし、学習コンテンツとしては選択肢の練習問題しか提供していない。成績一覧機能は付いているが、学習進捗や、学習時間、アクセス回数、教材の利用状況など自学自習に必要な学習管理機能が不足している。
Bシステムは政治や経済、スポーツなど15の分野から選択・閲覧し、記事中の単語をクリックすると意味や同義語に関する問題が提示され、単語や文法を学べる仕組みとなっている。学習コンテンツとして音声・画像・テキストの教材とメールで配信される練習問題が含まれる。ただし、Aシステムと同様に、自学自習のための様々な学習管理機能が十分に提供されていない。
ラジオ英語レッスンでは現在携帯電話へのサービスがあり、登録された学習者は定期的に番組(週4回)をダウンロードして、学習したい時に、ローカル・フォルダから選択し、音声を中心とした教材の再生ができる。しかし、練習問題や、学習管理機能を提供していないため、学習者側の自学自習や教師側の情況把握に対して適切に対処できていない。
また、どの学習システムもほとんど一方通行の学習方法であり、学習者がより楽しく持続的に学習できるような学習支援機能の提供が不十分である。ただし、Bシステムでは問題を正解すると「コイン」を獲得でき、ポイントに応じてバーチャル世界旅行が体験できるというゲーム性を取り入れ、学習者に楽しい支援機能を提供している。今後の課題としては、学習中の学習者と教師との距離をより近いものとし、学習者の学習意欲を維持・向上させ、学習を促進させる学習支援機能の提供が不可欠であると言える。
1.2 携帯電話版Dig の開発目標
前節で述べた課題を考慮して、携帯電話版Dig の開発目標を以下のように定めた。
(1)より多彩なコンテンツが提供可能であること。
最新の第3世代携帯電話で可能となった動画などのマルチメデイアを積極的に取り入れた学習コンテンツを提供し、学習効果を上げることを狙いとする。
また本学習システムでは携帯電話上で中国語の表示を、より正確かつ容易なものとするため、新たに中国語フォント表示手法を開発する。
(2)学習者の学習意欲をより向上させうること。
一般に、学習効果をあげるためには、学習者の学習意欲を維持・向上させることが必要である。そこで、発明者らは、携帯電話の利便性を活かし、既にウェブ版Dig で導入しているバーチャル助手の支援機能をさらに高機能化することで、学習者の学習意欲をより高める環境の実現を図る。
(3)トータル・システムとして必要な学習管理システム、オーサリング・ツールを具備すること。
携帯電話を使う既存の学習システムでは学習管理システムやオーサリング・ツールを十分に具備したトータル・システムはほとんどない。本学習システムでは、学習進捗や学習成績など、学習者側・教師側双方が学習情況を正確に把握できる統合型学習支援システムとしての開発を行う。
2。 携帯電話版Dig の実現技術
前述した開発目標に向け、携帯電話を利用した中国語学習システムを実現する際には、携帯電話の汎用性、携帯電話用サーバーの構築、中国語フォント表示方式の技術開発などが課題となる。
2。1 携帯電話の汎用性の考察
語学学習システムにおいて、ビデオや音声などのマルチメディア・コンテンツの提供が非常に大切である。従来の携帯電話では技術上、通話サービスと電子メールに限られていたため、豊富なコンテンツの提供が不可能だった。2001年から日本では、 第3世代携帯電話を採用することにより高速通信が可能となり、ブロードバンドサービスへのアクセスも簡単となった。現在、W−CDMA方式、cdma2000 方式が主流である。パケット定額制サービスが開始され、携帯電話からインターネットへのアクセス通信料は定額で使い放題となり、大画面によるホームページの閲覧や動画などのマルチメディアへのサポートも充実されてきた。これにより、学習者は携帯電話版Dig を利用する時に、通信料を気にすることなく、豊富な学習コンテンツを自由に使用し、最大の学習効果を上げることが可能となった。
今回の実験では、まず表2に示す仕様に限定し、考察した。本携帯電話版Dig では、この仕様の範囲内でコンテンツ作成側の実現性と学習者側の利用性について検討した。
今後、他の第3世代携帯電話上で学習システムを実現する際には、この仕様内容が重要な要件となる。例えば、この仕様を他の第3 世代携帯電話と比較した場合、画面サイズや解像度などは標準化することで、仕様の統一が可能であると考えられる。また、ウェブページのフォーマットやビデオ、音声などの形式にも違いが存在しているが、サーバーで携帯電話の種類に応じた変換を行うことにより、各携帯電話への対応も可能である。
2.2 携帯電話用サーバー・アーキテクチャの提案
日本国内では現在、第3世代携帯電話からインターネットに接続し、インターネット上のウェブ・サーバーを実装すれば携帯電話用サーバーとして使える。Java(登録商標)アプレットとJava(登録商標)サーバー技術であるサーブレット(Servlet)を利用する手法で、携帯電話からデータベースへのアクセスや図表の作成などの機能が提供できる。ただし、携帯電話の種類によって機能が限定されるケースもあり、携帯電話対応のJava(登録商標)APIの違いも多く存在する。すなわち、ソースコードの作成やコンパイルなどが極めて難しいと言える。また、携帯電話上のJava(登録商標)Virtual Machine の制限から、実行スピードが遅くなる問題も指摘される。
そこで、発明者らは全てのOSがサポートするオープン・ソースのサーバー・スクリプト言語PHP(HypertextPreprocessor)をウェブ・サーバーに導入し、データベースと連携して、携帯電話毎に適切なページ表示を可能とした。PHP はサーバーでホームページを高速出力するほか、統計図表やアニメーションの出力などの描画拡張機能も装備している。出力されたものは標準のインターネット上のソース・フォーマットとなるため、Java(登録商標)より高速に携帯電話で表示可能である。
従来、PHP プログラムの作成手法ではホームページ表示の部分とロジック処理の部分が混在しているが、パソコンの場合はウェブ・ブラウザが標準化されたことで問題とならない。しかし、携帯電話の場合には、さまざまな表示基準が存在し、各端末に応じたソースコードの修正はまだ困難である。そこで、汎用性・拡張性を考慮し、サーバー・アーキテクチャを表示層とロジック層の二つの階層に分離することにした。ロジック層はサーバーのロジック処理など携帯電話の種類と関係なく共通の処理をする部分である。表示層は各携帯電話の種類によってカスタマイズする表示部分であるため、今後の各携帯電話端末への対応は表示層のみの修正を行うことで、プログラムの作成とメンテナンスの作業が容易となる。
図1に示すように、表示層は各携帯電話の種類によって、それぞれのページ・フォーマット(HTTP ヘッダ、タグ宣言など)、画面レイアウト、マルチメディア・クリップ(ビデオ、音声、画像ファイルなど)のリンクを記述する表示テンプレートを含む。ロジック層はユーザー認証、条件判断ロジック、データベースの接続、端末によって表示テンプレートから出力の設定、履歴の記録などのプロセス処理スクリプトを含む。ロジック層のプロセス処理スクリプトがPHP インタープリータで解析・実行される。端末からサーバーにアクセスする時、リクエストされたHTTP ヘッダ情報と一致した端末の表示テンプレートが選定され、その端末対応のコンテンツ(携帯の種類によってHTML、CHTML、WML、HTML などの形式がある)が出力される。
ウェブ版Dig の機能を全面的に提供するため、携帯電話版Dig サーバーではこの新しい分離手法を導入し、ウェブ版Dig のPHP ソースコードの利用を実現させた。すなわち、今回の携帯電話用サーバーの開発では、まず、ウェブ版Dig のソースコードを解析して、ロジック層と表示層の二つ階層に再整理した。ロジック層の部分において、ユーザー認証、条件判断ロジック、データベースの接続、履歴の記録などのプロセス処理はそのまま利用し、それぞれの端末に応じた表示テンプレートからの表示出力の設定を新しく設計した。ウェブ版Dig の場合は、クライアントパソコンのCookie機能を利用してそれぞれの学習者情報・状態を保存できるが、携帯電話の場合は、Cookie 機能がほとんどサポートされていないため、発明者らは学習者情報・状態のパラメータなどをページ遷移する時、サーバーのデータベースに記録・管理し、Cookie 機能に相当する仕組みをサーバー側で実装した。また、表示層の部分において、携帯電話用のページ・フォーマットと画面レイアウトを設計し、パソコンで利用したマルチメディア・クリップを携帯用のメディア形式に変換することで、各携帯電話に応じた表示層を新たに開発した。
今回の実験は表1に示したに限定して実装を行ったが、 ほかの第3世代携帯電話の場合もそれぞれの機種に対応する表示層を開発することでサポートができる。また、各第3世代携帯電話の仕様には共通部分も存在するため、それぞれの機種に応じた表示テンプレートの仕様の相違部分だけをカスタマイズすることで対応ができる。実際に、今回開発した学習コンテンツの再生を他の機種で実験してみた結果、文字サイズの調整とマルチメディア・クリップの再エンコーディングでコンテンツの利用が十分可能であることが判明した。
2.3 中国語フォント表示方式の提案
従来の語学学習システムを中国語教育に応用する場合には、簡体字表示などの技術的な問題点が多く、この技術的解決の試みはこれまであまりなされなかった。特に、携帯電話の場合、中国地域以外ではいまだに中国語の文字フォントがサポートされていないのが現状である。また、携帯電話の性能の限界もあり、携帯電話上での中国語学習環境を整えるのが不可能であった。
つまり、中国語漢字(簡体字)を日本の携帯電話にサポートするのは難しく、直接中国語フォントを表示できない状況であった。そこで、2003年7月に開発した携帯端末対応の中国語電子メールの送受信サポートサービスに注目してみた。しかし、その実装手法は中国語簡体字に応じた日本語漢字を使っており、中国語学習にはこの手法が最適と言えない。また、中国の南京航空航天大学では簡体字フォント・ライブラリを携帯電話ROMに入れることで、簡体字の表示技術を開発したが、携帯電話のROMサイズや携帯電話の種類の多様化などから日本の携帯電話での実現が難しいと考えられる。
従来、携帯電話画面に表示困難なコンテンツを画像として表示するアプローチがある。例えば、画像処理ソフトでそのコンテンツを画像ファイルに作成する手法を使っている。しかし、2万個以上もある中国語簡体字に対して、一つ一つの文字について画像を作成する作業は多くの手間がかかり、作成コストが膨大となる。
以上のことから、中国語フォントの表示に関しては、発明者らはサーバー上でPHP 描画機能を利用することで、パソコン用の中国簡体フォント・ライブラリにある字形ドットデータを画像に自動変換し、汎用的な携帯電話用中国語フォント表示方式を開発した。
パソコン上のドット・フォントタイプの簡体字フォント・ライブラリでは、表示サイズによってフォント・ライブラリは別々に分かれている。通常使われているのは8×8、16×16、24×24 のタイプがある。各文字はその文字のGB2312 コードによってフォント・ライブラリの指定位置に保存されている。保存される位置は以下の計算により求められる。
(1) GB2312 コードより簡体字の区・順コードを決める
区コード= GB2312 コードのハイ・バイト-A1H
順コード= GB2312 コードのロー・バイト-A1H
(2) 区・順コードを基に、その簡体字がフォント・ファイルにあるオフセットを計算する
オフセット=((区コード-m)*94+順コード)*n
m=フォント・ライブラリで最初の簡体字の保存位置
n=一つ簡体字を記述するバイト数。
そして、その簡体字の字形ドットデータはフォント・ライブラリから得られる。図2で24×24 の簡体字の具体例を説明する。ドットデータは列優先の順序であり、一列は24 ビットである。黒い部分は1、白い部分は0 で表示し、3 バイト(24 ビット)で上から下まで連続的に記述されている。例えば、斜線で囲まれている1 バイト(8 ビット)の部分は00010000 の表示である。つまり、一文字は3 バイト×24 列=72 バイトで記述される。
上記の方法で、図3に示すように、PHP のファイルエンジンを用いて、GB2312 コードによりフォント・ライブラリから字形ドットデータを読み、描画エンジンでそのドットデータを画像ファイルに出力することができる。また、XHTML と組み合わせることで、学習者の携帯電話に送ることができ、中国語の表示が可能となる。この手法により、画像変換作業は全部自動的に行い、低コストで中国語簡体字に応じた画像ファイルを作成が可能となった。さらに、この変換はすべてサーバーで行い、スピードも速く、作成された画像ファイルも非常に軽いため、携帯電話上で中国語学習コンテンツがスムーズに表示できる。
そのほか、中国語の入力システムに関しては学習者のためにピンイン(中国語音の表記)入力と漢字入力の二つの手法を試みた。ピンイン入力の場合、アルファベット・キーと数字を組合せれば簡単に表示できる。漢字入力の場合、図4で示すように、ピンインで入力したものをサーバーの簡体字/ピンインの対照テーブルで対応する簡体字を検出し、返信する仕組みとなっている。携帯画面上では検出された漢字が表示される。
現在、この対照テーブルには常用中国語文字(約3000文字)と教材対応の常用単語が入れてある。今後、さらに対照テーブルを充実し、より汎用的な入力ツールを研究していく予定である。
3. 携帯電話版Dig サーバーの構成
前述した実現技術を基に、携帯電話版Dig サーバーの開発を行った。図5に示すように主に学習コンテンツ部分と学習支援部分の二つから構成されている。
学習コンテンツ部分では、教師がオーサリング・ツールを使って、携帯電話対応のマルチメディア素材を編集・変換し、また「新・聞こえる中国語」に準拠したオン・デマンド型教材を作成する。そして、出力されたコンテンツとそれに関するメター情報(キーワード、難度、分野)を学習コンテンツのデータベースに登録する。学習者は携帯電話でサーバーにログインすることで、携帯電話対応のテンプレートによりPHP で解析されたページで学習コンテンツを学習できる。
学習支援部分は、ウェウ版Dig でも評判の高かったバーチャル助手を中心に設計されている。学習者が携帯電話で、サーバーにユーザー・プロフィルを登録すれば、学習している時の学習時間、進捗、成績などの情報が履歴としてサーバーのデータベースに記録される。また、教師側は、提示情報やQ&A、対話練習パターンなどの支援情報データベースを設定することができ、バーチャル助手はこれらの情報に基づいて、学習ポイントの提示、会話などの学習支援機能を提供するため、学習者は楽しく学習できる。
3.1 学習コンテンツ
携帯電話版Dig の学習コンテンツは、ウェブ版Digと同じように、「新・聞こえる中国語」の教材をベースとした20 課から構成されている。声調から、常用の単語、文型まで4 級レベルの中国語に準拠する内容が全部組み込まれている。
学習者が中国語の学習を無理なくスムーズに進められるように、20 課が学習内容の難易度にしたがってあらかじめ配列してある。さらに、学習者の学習履歴に基づいて、自動的に次の段階の学習へと進めるようにしてある。そして、過去の学習内容をいつでも復習できる仕組みになっている。
各課は学習内容の説明部分とドリル練習部分の二つに分かれている。
(1) 説明部分
学習者は必ず説明部分を読んで、ドリル練習に入る。説明部分は音声、スライド、映像などのマルチメディアを十分利用して作られている。図6に示すように教師による内容説明の録音や、バーチャル助手による補助説明(3。3で述べる)とそれに対応するスライドを同期しながら再生が可能である。また、画面の指示にしたがって、下のリンクをクリックすればその内容に関する説明添付ビデオも再生できる(図7)。例えば、「問路」(道を聞く)の表現を説明する時、実際の場面での映像模擬ストーリが画面上に出現する。
(2) ドリル練習部分
ドリル練習部分は、単語練習ブロック、文型練習ブロック、応用練習ブロックに分けられ、各ブロックごとに昇級テストを設けている。各ブロックの練習ドリルは主にピンイン選択、漢字選択、並べ替え選択、ピンイン入力、漢字入力、並べ替え入力がある。学習者は各ブロックの練習ドリルを経て、試験モードを選択し、試験を受ける。そして、合格すれば次のステップに進む仕組みとなっている。
図8及び図9 は、ピンイン選択、漢字選択の例である。学習者が質問を聞きながら、選択肢の中の正しい結果をクリックする。
図10は並べ替え入力の例である。ランダムに出題された複数の単語を正しい順番に並べ替えて入力する。これらのドリルの答えは全部データベースに保存され、学習の結果はPHP を利用してサーバーに送信する。そして、データベースの正解と検証の上、テストの結果を学習者に表示する(図11) 。
3.2 コンテンツの作成
パソコンや携帯電話のコンテンツの作成は素材、編集、変換、そしてページ作成、同期情報などの様々なプロセスが含まれている。本来、学習コンテンツの作成はページ・スクリプトの作成や各ツールの操作において手順が多く、専門知識が必要となるため、非効率的である。そこで、ウェブ版Dig では、筆者らが自作したマルチメディア記述言語をサポートするGUI オーサリング・ツールLML Writerを使った。そして、この開発したノウハウをさらに携帯電話用に発展させ、LML Writer for Mobile(Windows 版)を完成させた。具体的には、各素材変換コマンドの実行は各処理ごとに一つのボタンを押すことで可能となり、簡単に連続できる。また、GUI を使うことで、文節の情報、タイミングの情報、ページの作成が簡単に編集できる上、携帯電話の表示ページ・フォーマットへの変換もボタン一つの操作で行え、学習者により効果的かつ豊富な教材が提供できる。
図12 はこのツールの編集画面である。
(1) 教材のツリー構造である。教材のツリー構造をドラッグ&ドロップで作成できる。
(2) 該当教材の素材である(音声、スライド、ビデオ、ドリル練習問題)。例えば、並べ替え選択をクリックすれば、(2)B のようにドリルサブ画面が呼び出し、練習問題の種類によりテンプレートで練習データを入力する。
(3) 時間軸である。先生の音声説明と、バーチャル助手による説明、スライドの同期情報の編集を行う。また、ビデオなど参考のリンクも添付できる。
(4) プレビュー画面である。編集中の結果を直ちに表示できる。
(5) 変換・出力ボタンである。サーバー全部の編集が完了すれば、全部の素材を携帯電話対応の形式に変換する。(5)B はビデオ変換、音声変換ツールの引用を表示する。そして、ページの記述はPHP ソースコードに変換してサーバーに出力し、学習コンテンツデータベースに登録する。
今回作成された携帯電話版Dig の教材コンテンツはウェブ版Dig のものをベースに作成した。まず、元のタイミング情報や練習問題などのデータ(LML の記述情報)を自動的に導入し、そして画面のレイアウトをLML Writer for Mobile に含まれた表2のスペックに適合するテンプレートを利用して作成し、最後にビデオや音声などの素材を携帯電話用にエンコードし、携帯電話用のフォーマットでアウトプットすることにした。
編集ツールの導入は、教材を作成する手間を大幅に減少させた。例えば、長さ10分程度の説明部分を新規作成する場合、素材の変換、表示ページの作成、タイミングの調整、サーバーのアップロードなど各種作業は技術経験者でも2 時間以上かかる。しかし、この編集ツールを使えば、プログラムなど専門知識は必要でなく、全部の作業を画面上でドラッグ&ドロップで制御し、一般のユーザーでも1時間程度で手軽に作成ができる。さらに、修正やメンテナンスにも非常に便利である。
3.3 バーチャル助手の支援機能
語学学習の場合、支援システムの役割が非常に重要であり、従来の語学学習支援機能に関する研究では、自然言語処理で学習者の文法をチェックする支援システムや、対話シミュレーションシステムで学習意図を把握する支援システムなどの研究が行われてきた。しかし、中国語の表現は、他の言語と比べ、文法の状況依存性が強く、構文分析が複雑であるため、従来の支援システムでの実現は非常に難しい。さらに、技術的精度の限界もあって、いまだ実用のレベルに至っていない。
そこで、筆者らは今までの研究成果を基に、ウェブ版Dig で評判の高かったバーチャル助手の支援機能をさらに高機能化し、携帯電話用に適用することとした。すなわち、ウェブ版Dig で実装したバーチャル助手では授業の参考情報などの説明機能を実現したが、携帯電話上にも実装した。さらに、携帯電話はユーザーが個人的に所有していることが多いという特性を考慮し、提示情報、履歴分析やトラブル対応、会話練習などの個人的支援機能を充実させた。また、ウェブ版Dig のシステムでは合成音を使用し、携帯電話版Dig では人間の肉声も利用可能となった。このバーチャル助手の新たな支援機能は、学習者の学習意欲を向上させるだけでなく、楽しく持続的に学習できるための支援機能と言える。
図13で示すように、バーチャル助手のユーザー・インターフェースは3 つの部分に分けられている。
(1)はバーチャル助手の外観である。PHP の描画機能を利用して、あらかじめ表情や動作などのアニメーションを定義し、喜びやガッカリした表情を示すことで、学習者の進捗状況に応じて褒めたり、残念がったり、励ましたりするなどの表情を表現できる。
(2)バーチャル助手の提示情報を表示するもので助言やヒントを学習者に分かりやすく説明する。さらに、ナチュラル・スピードで500 パターンの常用言葉(中国語)が録音されており、場合によって命令や説明などを発話できる。それによって、楽しくコミュニケーションがとれるほか、よい聴解力の訓練にもなる。
(3)はバーチャル助手の支援メニューである。支援メニューを選ぶことで、それぞれの問題に必要とする事柄を利用できる。例えば、ドリルを練習する時に問題が発生した場合、メニューの「困った時」をクリックすれば、そのドリルに関するQ&A 情報が提供される。
また、上記のユーザー・インターフェースを利用して、以下の支援機能を実現した。
(1) 授業の説明
大教室の学習と違い、インターネットで自学自習する時、注意力が分散することがある。そして、学習者が一方的に画面の説明を聞いていると、飽きてしまうこともある。そこで、学習者のポイントや注意点、或いは学習者に興味を持たせるような説明をバーチャル助手と教師が会話をし、授業を進める形式にした。
以下はその一例である。
先生:「ここで、ちょっと休憩しましょう。今日の勉強はどうですか?」
助手:「う−ん、そうですね!全部覚えるように頑張りました。」
先生:「よかったですね。では、今日、もう一つ特別な単語を教えましょう。ワンパターン(和製英語)という言葉は知っていますね。同じ発音だけど、日本語と中国語ではまったく意味が違いますよ。」
助手:「ワンパターンは知っています。ワンパターンにならないようにいつも頑張っていま−す!」
先生:「中国語でもワンパターンと同じ発音をする言葉がありますよ。亀の卵の意味で人をバカにする時に使います。」
助手:「ははは〜、本当ですか!」
先生:「言葉って面白いでしょう。さぁ、今度は画面のボタンを押して、発音練習に入りましょう。」
これらの説明は3。2で述べたオーサリング・ツールで入力したものである。これらの内容は、あくまでも、大教室での教師の授業に基づき、ポイントをはっきり説明し、面白く授業を進行していくという原則で作成されている。
(2) 個人支援指導
バーチャル助手のサブメニューにより、具体的に以下のような機能を提供する。
ア)提示情報
教師からの連絡や学習者同士の連絡が一覧で表示されている。それと同時に、アラート 機能もついているので、学習者がシステムにログインした後に、緊急連絡のメッセージがあれば、バーチャル助手がすぐ知らせてくれる。また、最新教材がアップロードされる時や、学習者が長時間ログインしない時も、バーチャル助手はそれに応じた情報を提示してくれる(図14)。これらの情報はすべて中国語で提供している。
イ)履歴分析
本システムは、PHP スクリプトより学習者の各動作を全部サーバーのデータベースに記録することが可能である。履歴のテーブルでは、ユーザーID、利用年月日、利用時間、学習の課、成績、端末種類が記録される。これらのデータによって、アクセス回数や、学習進捗、学習成績、人気教材などの統計がとれる。また、学習者に分かりやすくするため、PHP でデータベースから統計情報を抽出し、描画エンジェンを利用して図表の形で表示する(図15)。さらに、学習者の成績が平均点数以下であれば、バーチャル助手は「加油」(頑張ってください)の言葉で学習者を励まし、3以上のランキングに入れば、「真了不起」(すばらしいですね)の言葉で学習者を褒める。
ウ)トラブル対応
問題が発生した時に、バーチャル助手が提供するメニューをクリックすれば、過去の類似した問題が一覧で表示される(図16)。これらの問題は単語、文法、学習方法、システムの利用方法などによって多岐の分野に分けられる。もし解決できなかった問題がある場合、その問題情報が学習者の個人情報とともに、バーチャル助手から教師に送信される。そして、教師はその質問の答えをバーチャル助手により学習者に返信する。この時点で学習者が「解決した」と認めれば、自動的に今回の経緯をQ&A データベースに記録し、次回のトラブル対応に利用する。
エ)会話練習
バーチャル助手は学習者との会話練習機能も提供する(図17)。この教材にある対話パターンはすべて録音されており、質問と回答のテキストとともに、対話練習パターン用のデータベースに保存されている(表3)。そこで、学習者が質問を入力する(質問音声リンクを介して、質問は音声で流れる)と、その入力された質問をデータベースから検索し、それに応じた答えを画面に表示する。同時に、回答音声リンクを介して、バーチャル助手は音声で発話する。バーチャル助手との模擬対話を通して、学習者は聴解力やパターン練習の訓練ができる。
4. システム評価に関する考察
4.1 携帯電話用サーバーの性能に関して
現時点では、各企業の開発技術は機密事項であることが多く、性能の面で他社の製品との比較は難しい。ただし、通常は200〜300 程度の同時アクセスを確保すれば、一般の学習ニーズを満たせると考えられる。そこで、以下の高負荷テストとして、大量の擬似的アクセスを発生させ、同時アクセス数で障害が起きないか、応答時間は問題ないかを検証した(図18)。
サーバーのCPU はPentium4 2。8G、メモリーは2GB、OS はFedora Linux Core 2 (カーネルは2。6)、ウェブ・サーバーはApache2。0。50、PHP のバージョンは 4。3。8、データベースはMYSQL4。0。18 である。また、カーネル、Apache、PHP、MYSQL に対して、ソースから再コンパイルして性能の最適化を図った。
そして、テストツールApache Bench を利用して携帯電話のアクセス・シミュレーションを行った。同時アクセス要求数は100 から100 ずつ増加させ、2000まで考察した。その上で、同じテストを20回実行して平均値を計算した結果、図18に示すように同時アクセス数が1800 以内であれば、3秒以内に反応し、かつ長時間連続してもサーバーの不安定は発生しないため、大規模な携帯電話群からの同時アクセスが可能であると言える。実際には、表2に示したデータ通信速度は仕様では、下り最大2。4Mbps であるが、現在ネットワークの制限で144kbps までに制約されている。また、場所によって携帯電話端末のデータ通信速度は異なるが、発明者らの測定ではこのような同時アクセスがあっても平均100Kbps 程度を確保できた。一方、同時アクセス数が1800 以上の場合、秒ごとに処理した要求数は急速に降下し、レスポンス時間は急速に増加する。その結果、反応速度も急降下する。また、一部のユーザーのアクセス要求に対応できない場合が生じることも判明した。
4.2 システム評価のための予備実験
本システムの有用性を明らかにするため、2004 年の春学期から、予備実験を開始し、その期間は12週(ウェブ版Dig の標準学習時間は一人70時間強)であった。前半の1-10 課の学習はウェブ版Dig のみを利用し、後半の11-20 課は携帯電話版Dig を導入した。また、後半の学習はパソコンと携帯電話の利用に制限がなく、両方とも使える自学自習の形で進めた。そして、パソコンと携帯電話のどちらを使っても、同じ学習履歴のデータベースに記録されるので、一貫性のある学習ができた。実験対象人数は、早稲田大学文学部と社会科学部語学科目「初級中国語」の受講生18名、社会人中国語学習コース「初級中国語」の受講生9名の全体で27名である。
(1) 利用時間
学習ログから分析した結果、受講生1人の前半と後半の平均学習時間は37。2 時間対39。6 時間だが、これに対して平均学習期間は5。8週対4。3週であり(学習終了後の学習時間は計上しない)、後半の学習期間が大幅に短縮できたことが判明した。また、受講生1人の週ごとの平均分布時間(図19)が示すように、携帯電話の導入が学習時間の増加、学習期間の短縮を可能とし、ほとんどの学習者が4週間以内で学習を終えることができた。
(2) 試験得点
前半の学習と後半の学習を終えるとそれぞれウェブ上で模擬試験が受けられる。結果は図20に示すように、後半の筆記試験の結果は前半よりやや高いが、ヒアリングの得点は83。8点で、前半の結果を明らかに上回った。
以上のデータから、携帯電話を使った場合、学習期間が短縮できたことがはっきり分かる。その中で、後半の学習10課分を2週間以内で終了させたユーザーが3人もいた。また、携帯電話版Dig の利用はヒアリングの学習効果をはっきりと向上させることもわかった。この結果を従来の学習方法で実現することは難しいと考える。つまり、携帯電話版Dig を導入することで明らかに学習期間が短縮され、より高い学習効果をあげられるとともに、いつでもどこでも手軽に学習できることを実現したと言える。
4.3 アンケート
最後に、この携帯電話版Dig を利用した27 名の学習者全員に携帯電話版Dig とウェブ版Dig のアンケートを行った。両方とも12項目を5段階評価で答えてもらい、利用に関する感想やコメントを自由に書いてもらった。結果は、図21で示す通りである。
(1) 項目1は平均4。6 対3。8である。ウェブ版Dig の場合、利用場所が変わると、プラグインの再インストールが必要の場合や、会社や大学のセキュリティ制限による一部のサービス(ビデオ・音声の再生)を利用できない場合がある。これに対して、携帯電話版はいつでも、どこでも利用でき、学習時間を調整ができる。特に、社会人の場合は、出張が多く、携帯電話版Dig の利用による利便性の高さが評価された。
(2) 項目2は平均3。6対4。1である。中国語フォントがきれいに携帯電話上で表示され、マルチメディアの活用による楽しい学習が評価された。一方、一部の学習者からパソコンに比べ、携帯電話版Dig の文字サイズが小さいと指摘された。
(3) 質問3は平均3。6対4。4である。携帯電話版Digの表示速度に対してはある程度満足でき、通常ページの表示は2 秒以内である。マルチメディア・コンテンツを再生する場合、バッファリングの待ち時間が5 秒までかかる場合もあるとユーザーからの意見があった。
(4) 項目4 は平均3。2対4。1である。パソコンのキーボードに対して、携帯電話のボタン操作による学習にもほぼ問題がないと評価された。しかし、入力する際、アルファベットと数字を合わせることが大変であるとの意見もあった。
(5) 項目5は平均3。9対4。1である。携帯電話でも読解能力を効果的に高めると評価された。
(6) 項目6は平均2。8対4。2である。一部の学習者から、携帯電話のボタン操作による入力ドリルは使いづらく、書く能力を身に付けるには不十分との意見もあった。
(7) 項目7は平均4。0対3。8である。パソコンに比べ、携帯電話版Dig の音質は良く、ヒアリング練習が継続でき、「携帯プレーヤー」のような感覚で学習できたと言われた。また、バーチャル助手の音声支援もヒアリングに役に立ったと評価された。
(8) 項目8は平均2。9対3。8である。携帯電話版Digのバーチャル助手との会話練習は学習者にとって有効な会話練習形式になると評価されたが、ウェブ版Dig のFace to Face ビデオ会議システムの実現も求められた。
(9) 項目9は平均4。3対3。9である。携帯電話版Digのバーチャル助手支援による学習は楽しく勉強できるとの高い評価が得られた。つまり、バーチャル助手の支援は学習意欲を向上させるだけでなく、非常にインパクトが強いキャラクターの音声と動きは学習者に楽しさをもたらし、持続学習に有効と認められる。携帯電話版Dig で実装したバーチャル助手の高機能をウェブ版Dig にも提供し直してほしいと意見もあった。
(10) 項目10は平均3。9対3。9である。ウェブ版Digと比べ、携帯電話版Dig の高機能化されたバーチャル助手の支援機能に対して高い評価が得られた。しかし、携帯電話はパソコンに比べ、画面が小さいため、文章を読む時にはキャラクターが画面上で邪魔になる場合もあるとの意見があった。また、動物など面白いキャラクターの提供も望まれている。なお、現時点では携帯電話の通信環境不備によって学習コンテンツが一時スムーズに切り替えられなかったことがあった。学習コンテンツの回復機能は各課のドリル内容に応じてブロックごとに設定されているので、学習者は学習が中断されてもそのブロックの初めに戻ることが可能である。しかし、ブロックのある特定の箇所で中断された場合、その中断箇所を詳細に記録する機能がないため、中断した箇所へ戻れないという意見もあった。
(11) 項目11は平均4。8対4。4である。普通、中国語を含め外国語を学習する時、楽しく持続的に学習を進めていくことはなかなか難しいことである。しかし、今回の高機能バーチャル助手の支援により持続的に学習を進められ、次の中級レベルの学習も引き続きしたいとの意見があった。特に携帯電話版Dig の利用者の中にその意見が多かった。
(12) 項目12は平均4。0対4。2である。総合評価として、満足のいく結果であった。以上のアンケートの結果を分析してみると、(1)、(5)、(7)、(9)、(10)、(11)で筆者らが予想した結果の通りに、学習者に認められたことは携帯電話版Dig の有効性を表していると言える。同時に、引き続き携帯電話版Digにはより使い易いユーザー・インターフェースの開発、通信環境の改善、バーチャル助手機能の進化などが求められる。
5. 画像変換
次に図22を参照して携帯電話に中国語を表示する処理について説明する。ビットマップデータファイルには、GBコードに基づいたビットマップデータが一つのファイルに格納されている。GBコードが入力されると、ビットマップデータファイルを読み出して、入力されたGBコードに基づいたビットマップデータを取得する。さらに、取得したビットマップデータに基づいて画像を作成し、画像データを出力する。この画像データをアイコンとして携帯電話に表示することにより、携帯電話の内部に備えていないフォントでも、画像データとして携帯電話に表示することができる。
6. クッキー情報の格納
次に図23を参照して、クッキー機能を持たない携帯電話に対して、クッキー機能と同様の機能を提供する方法を説明する。携帯電話から学習支援サーバに、所定のURLについて表示リクエストが送信される。この表示リクエストには、携帯電話を利用しているユーザを識別するユーザID、パスワード、クッキーとして格納するべき情報が含まれている。学習支援サーバは、表示リクエストを受信すると、RAMなどの一時記憶装置に、ユーザIDとクッキー情報を関連づけてクッキーテンポラリデータとして記憶する。更に、学習支援サーバから携帯電話に、表示リクエストに含まれたURLに該当するファイルを送信する際、学習支援サーバは、クッキーテンポラリデータを読み出して、当該ユーザに関連づけられたクッキーを抽出して、表示ファイルと共に携帯電話に送信する。
このような処理によりクッキー機能を持たない携帯端末にクッキーと同様の機能を提供することができる。
7. むすび
発明者らは、「新・聞こえる中国語」の学習システムに基に、この学習システムの効果をより高めることを狙いとして、いつでもどこでも誰でも利用でき、かつ自分のペースで自学自習できるようにする方法を摸索してきた。つまり、テキストCD−ROM版学習ソフトウェアを適用し、授業でその有効性を確認した上、ウェブ版Dig の開発を行い、語学学習に欠かせない学習時間の自由な創出を可能とした。そして、本論文で報告した携帯電話版Dig の開発でその有効性をさらに高めることができた。
携帯電話版Dig は、PHP スクリプトをウェブ・サーバーに導入し、データベースと連携したことにより、携帯電話端末に応じた適切なページの表示を可能とし、そして中国語フォントの新たな表示方式を実現したことを大きな特徴とする。また、学習者の学習支援として、学習者がモチベーションを維持し、学習を促進させることを狙いとして、ウェブ版Dig のバーチャル助手機能の更なる高機能化を図った。さらに、学習進捗や学習成績など、学習者側・教師側の双方が学習情況を正確に把握できる統合型学習支援システムとしての開発を行った。
今後の課題として、先ず開発した携帯電話版Digの本格的な評価実験が挙げられる。一般に学習システムの有用性の評価には教育現場での運用が不可欠であり、平成16年秋学期に東京大学、早稲田大学などの通常のクラスで、携帯電話版Dig を用いた授業を実施する準備を行っている。これらの実運用により、さらに多くの学習者を対象として、詳細かつ大量のデータを取得し、分析することで前章に述べた予備実験での結果を補強することを予定している。また、ITの技術革新による携帯電話の機能向上に合わせ、携帯電話版Dig により使い易いユーザー・インターフェースの開発、通信環境の改善、バーチャル助手機能の進化、Face to Face ビデオ会議システムの導入、全機種への対応を実現していくことである。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の最良の実施の形態とその変形例1乃至3によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
図1は、携帯電話版Digサーバーのアーキテクチャ(PHPによるページ表示の実現)を説明する図である。 図2は、字形ドットデータを説明する図である。 図3は、 PHPによる簡体字字形の表示を説明する図である。 図4は、ピンイン/簡体字入力変換を説明する図である。 図5は、サーバーの構成を説明する図である。 図6は、内容説明を説明する図である。 図7は、添付ビデオを説明する図である。 図8は、ピンイン選択を説明する図である。 図9は、漢字選択を説明する図である。 図10は、並べ替え入力を説明する図である。 図11は、テストの結果を説明する図である。 図12は、オーサリング・ツールを説明する図である。 図13は、バーチャル助手のユーザー・インターフェースを説明する図である。 図14は、提示情報を説明する図である。 図15は、 履歴(アクセス回数)を説明する図である。 図16は、Q&A 情報を説明する図である。 図17は、会話練習を説明する図である。 図18は、負荷テストを説明する図である。 図19は、平均利用時間を説明する図である。 図20は、平均試験得点を説明する図である。 図21は、アンケートの結果を説明する図である。 図22は、画像データの作成を説明する図である。 図23は、サーバでクッキー情報を保存する処理を説明する図である。

Claims (3)

  1. 情報端末にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置であって、
    前記情報端末の仕様に依存することなく、前記コンテンツにのみ依存する処理を実行するロジック手段と、
    前記情報端末の仕様に基づいて定められた表示テンプレートを抽出し、前記ロジック手段による処理結果を、前記表示テンプレートに従って出力する表示手段
    とを備えることを特徴とするコンテンツ配信装置。
  2. 前記情報端末から所定のコードが入力されると、前記コードに対応したビットマップデータを抽出し、前記ビットマップデータから前記情報端末に表示可能な画像データを作成して前記情報端末に送信する外字表示手段
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
  3. 前記情報端末から所定のURLを含む表示リクエストを受信すると、前記表示リクエストに含まれたユーザID及びクッキー情報を抽出してクッキーテンポラリデータに記憶するとともに、前記所定のURLに該当するファイルを前記携帯電話に送信するときに、前記クッキーテンポラリデータから当該ユーザIDに関連づけられたクッキー情報とともに送信するクッキー機能提供手段
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ配信装置。
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