JP2006178186A - 偏光制御素子、偏光制御素子の製造方法、偏光制御素子の設計方法、電子機器 - Google Patents

偏光制御素子、偏光制御素子の製造方法、偏光制御素子の設計方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 特性のより優れた偏光制御素子を得ることを可能とする技術を提供すること。
【解決手段】 第1の媒体中(10)に配置して用いられ、制御対象となる光の波長よりも小さい周期のストライプ構造を備える偏光制御素子の製造方法であって、上記第1の媒体の複素誘電率をe1、上記ストライプ構造を構成する第2の媒体(20)の複素誘電率をe2、上記第2の媒体の空間占有率をf(0<f<1)、複素数の実部をRe、虚部をImとそれぞれ表記したときに、Re[e1]>0、fRe[e1]+(1−f)Re[e2]<0、Im[e2]>0、の関係を満たすように素子条件を設定する第1過程と、上記第1過程において設定した上記素子条件を満たすように上記第2の媒体を選定し、上記ストライプ構造を形成する第2過程と、を含む、偏光制御素子の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、使用する光の波長よりも小さな構造(以下「サブ波長構造」と称する。)が生み出す偏光異方性を利用した偏光制御素子に関する。
近年、無機材料から構成された偏光制御素子が注目されている。このような偏光制御素子は、従来の高分子材料を用いるタイプの偏光制御素子よりも耐光性や耐熱性に優れており、偏光を応用したさまざまな光学機器への応用が期待されている。
これまでに、サブ波長構造から成る偏光制御素子の提案がいくつかある。例えば、米国特許第6122103号明細書(特許文献1)や米国特許第6243199号明細書(特許文献2)には、ガラス基板等の透明基板上に形成された周期的な金属格子パターン(ストライプ構造)が偏光制御素子として機能する旨が開示されている。また、これらの文献には、金属格子パターンを形成するための金属素材としては、アルミニウムや銀を採用し得る旨が記述されている。
しかし、上記の各文献では、金属格子パターンを形成するための金属素材を選択し、或いはその光学定数を設計する際の指針が開示されていない。素材の選択や光学定数の設計は試行錯誤の末に決定することとなるため、上記の各文献に例示されたアルミニウムや銀が真に最適なものかどうかは不明である。このため、サブ波長構造がもつ高いポテンシャルを有効に活用して特性のより優れた偏光制御素子を実現するためには、どのような特性を有する素材を選択し、あるいは新素材の開発を進めるべきかの指針が得られる技術の開発が望まれている。
米国特許第6122103号明細書 米国特許第6243199号明細書
そこで、本発明は、特性のより優れた偏光制御素子を得ることを可能とする技術を提供することを目的とする。
第1の態様の本発明は、第1の媒体(例えば、空気)中に配置して用いられ、制御対象となる光の波長よりも小さい周期のストライプ構造を備える偏光制御素子の製造方法であって、上記第1の媒体の複素誘電率をe1、上記ストライプ構造を構成する第2の媒体の複素誘電率をe2、上記第2の媒体の空間占有率をf(0<f<1)、複素数の実部をRe、虚部をImとそれぞれ表記したときに、
Re[e1]>0、
fRe[e1]+(1−f)Re[e2]<0、
Im[e2]>0、の関係を満たすように素子条件を設定する第1過程と、
上記第1過程において設定した上記素子条件を満たすように上記第2の媒体を選定し、上記ストライプ構造を形成する第2過程と、を含む、偏光制御素子の製造方法である。
本発明によれば、比較的に簡単な条件式に基づいて、サブ波長構造からなる偏光制御素子を実現するために必要な素材を選定するための指針が明らかとなる。したがって、構造設計の自由度が大きく広がり、限られた素材候補(例、アルミニウム、銀)の範疇で設計する必然性がなくなる。これにより、最適なサブ波長構造を実現し、特性のより優れた偏光制御素子を得ることが可能となる。
第2の態様の本発明は、第1の媒体中に配置して用いられ、制御対象となる光の波長よりも小さい周期のストライプ構造を備える偏光制御素子の設計方法であって、上記第1の媒体の複素誘電率をe1、上記ストライプ構造を構成する第2の媒体の複素誘電率をe2、上記第2の媒体の空間占有率をf(0<f<1)、複素数の実部をRe、虚部をImとそれぞれ表記したときに、
Re[e1]>0、
fRe[e1]+(1−f)Re[e2]<0、
Im[e2]>0、の関係を満たすように素子条件を設計する、偏光制御素子の設計方法である。
かかる方法によれば、特性のより優れた偏光制御素子の素子条件を設計することが可能となる。
第3の態様の本発明は、上記第1の態様の本発明にかかる製造方法を用いて製造される偏光制御素子である。具体的には、第2の態様の本発明は、第1の媒体中に配置して用いられ、制御対象となる光の波長よりも小さい周期のストライプ構造を備える偏光制御素子であって、上記第1の媒体の複素誘電率をe1、上記ストライプ構造を構成する第2の媒体の複素誘電率をe2、上記第2の媒体の空間占有率をf(0<f<1)、複素数の実部をRe、虚部をImとそれぞれ表記したときに、
Re[e1]>0、
fRe[e1]+(1−f)Re[e2]<0、
Im[e2]>0、の関係を満たすように、上記第2の媒体からなる上記ストライプ構造が形成されていることを特徴とする偏光制御素子である。
かかる条件式を満たすように偏光制御素子を形成すれば、特性のより優れた偏光制御素子を得ることが可能となる。
第4の態様の本発明は、上述した第1の態様の本発明にかかる製造方法によって製造される偏光制御素子を備える電子機器である。ここで、本発明にかかる偏光制御素子を備える電子機器としては、典型的には、当該光学素子を偏光素子として用いた液晶表示装置を含んでなる液晶プロジェクターなどが挙げられる。
以下、本発明の実施の態様について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の偏光制御素子の構造を模式的に説明する斜視図である。図1に示す本実施形態の偏光制御素子は、空気等の第1の媒体10の中に配置し、一方側から入射する光の偏光状態を制御するために用いられるものであり、図示のように周期的に配置された第2の媒体20からなるストライプ構造を備える。
本実施形態の偏光制御素子は、第1の媒体10の複素誘電率をe1、第2の媒体20の複素誘電率をe2、第2の媒体の空間占有率をf(0<f<1)、複素数の実部をRe、虚部をImとそれぞれ表記したときに、以下の各関係式を満たすように、第2の媒体20からなるストライプ構造が形成されている。ここで、空間占有率fとは、第2の媒体20の繰り返し周期L1と、各第2の媒体20の幅L2との比(L2/L1)として表され、その値は0<f<1の範囲をとる。
Re[e1]>0・・・(1−1)
fRe[e1]+(1−f)Re[e2]<0・・・(1−2)
Im[e2]>0・・・(1−3)
以下、上記(1−1)〜(1−3)の各式によって表される条件の正当性について説明する。
まず、光に対するサブ波長構造の挙動を知るために、その複素誘電率を求める。第1の媒体10の複素誘電率e1、第2の媒体20の複素誘電率e2のそれぞれを以下のように表現する。ここで、jは虚数単位である。
e1=a
e2=b+jc
Effective Medium Theory (Principles of Optics, 6th Ed. (Pergamom, New York, 1980), sect. 14.4.2)によれでば、入射する直線偏光に対する複素誘電率は近似的に以下の式で与えられる。
TE偏光に対して:
e(TE)=fe1+(1−f)e2
=f(a+b)+j(1−f)c・・・(2−1)
TM偏光に対して:
1/e(TM)=f[1/e1]+(1−f)[1/e2]
=f[1/a]+(1−f)[1/(b+jc)]・・・(2−2)
ここで、説明の便宜上、第1の媒体10を空気(a=1.0)、第2の媒体20を金属(b<0、c>0)と仮定し、空間占有率f=0.5とする。このとき、上記の複素誘電率はそれぞれ以下のように表される。
e(TE)=(1+b)/2+jc/2・・・(3)
e(TM)=2[(b2+b+c2)/((1+b)2+c2)]+j2[c/((1+b)2+c2)] ・・・・(4)
式(4)で与えられるe(TM)の虚部を第2の媒体20の複素誘電率e2の虚部cの関数g(c)とすると、その1次導関数g′(c)は以下のように求まる。
g′(c)=2[(1+b)+c][(1+b)−c]/[(1+b)2+c22・・・・(5)
これより、c=−(1+b)の時にg(c)は最大となり、その値gmaxは以下のように表される。
max=1/|1+b|・・・・(6)
以上のことから、光に対するサブ波長構造の挙動に関し、次のことがわかる。
TE偏光に対して:
式(3)から、(1+b)<0であれば、つねに、Re[e(TE)]<0となる。このことは、TE偏光に対して、サブ波長構造が“金属的”に応答することを意味する。すなわち、入射した光のほとんどが反射される。光の吸収損失の大小はcの大きさに依存する。
TM偏光に対して:
式(4)から、(1+b)<0であれば、つねに、Re[e(TE)]>0となる。このことは、TM偏光に対して、サブ波長構造が“誘電的”に応答することを意味する。すなわち、入射した光のほとんどが透過する。光の吸収損失の多少はcの大きさに依存し、この損失を小さくするには、式(6)から、|1+b|を大きくすればよいことがわかる。
上述した本実施形態に基づいて偏光制御素子の素子条件を設定し、当該素子条件を満たすように第2の媒体20を選定してストライプ構造を形成することの妥当性を検証する。以下では、3つの異なるモデルを比較することにより検証を行う。なお、ストライプ構造(サブ波長構造)の周期は140nm、空間占有率f=0.50、ストライプ構造を支持する基板はガラス(n=1.50、k=0.0)であるとし、当該条件は3つのモデル間で共通とする。
(条件1:1+b<0、c>0)
例として、第2の媒体20は、アルミニウムを素材として形成されているとする。使用する光の波長を650nmとした時に、アルミニウムの屈折率nと消衰係数kは、n+jk=1.57+j7.97である。これより、アルミニウムからなる第2の媒体20の複素誘電率はe2=−61.1+j25.0(b=−61.1、c=25.0)となる。
上述した式(3)及び式(4)に基づき、TE偏光とTM偏光に対する複素誘電率はそれぞれ以下のように求められる。
e(TE)=−30.53+j12.51
e(TM)=2.02+j0.0118
そして、それぞれの偏光に対するnとkは、TE:n+jk=1.110+j5.636、TM:n+jk=1.421+j0.004151と求まる。これらのnとkを使い、均一媒体として近似計算した反射光強度(SumR)と透過光強度(SumT)を媒体厚さ(深さ:Depth)の関数としてプロットした結果を図2(A)及び図2(B)に示す。
図2(A)から、TE偏光に対しては、アルミニウム格子(ストライプ構造)の応答が“金属的”であることがわかる。媒体深さが100nm以上の範囲では、反射光強度はほぼ一定である。このことは、光がアルミニウム中に侵入できる深さは100nm程度であることを意味する。TE偏光の照射により励起されたプラズモンにより、ほとんど(90%程度)の光が反射される。光が侵入できる深さ領域において生じる光の吸収による僅かな損失(10%程度)が存在する。他方、図2(B)から、TM偏光に対しては、アルミニウム格子の応答が“誘電体的”であることがわかる。
以上の計算結果に基づけば、本条件から決まるサブ波長構造は、偏光制御素子として機能することがわかる。このことを確認するために、アルミニウム格子の光学応答を厳密に計算した結果を図3(A)及び図3(B)に示した。TE偏光に関しては、均一媒体で近似した場合の結果(図2(A)参照)と厳密計算の結果(図3(A))とがよい一致を示している。他方、TM偏光に関しては、均一媒体で近似した場合の結果(図2(B))と厳密計算の結果(図3(B))は、絶対値の間に多少の隔たりはあるが、“誘電体的に応答する”という点に関して同じ傾向が得られている。なお、厳密計算の結果において、反射光強度曲線(SumR)ならびに透過光強度曲線(SumT)には極大、極小が現れているのは、アルミニウム格子とその周囲媒体(空気とガラス基板)の間に干渉が考慮されているからである。ここで、本明細書における「厳密計算」とは、サブ波長構造内外の電磁場を固有モード展開法によって求める手法をいう。固有モード展開法については、例えば、文献「M.G.Moharam and T.K.Gaylord, J.Opt. Soc. Am. 71, 811-818(1981)」に記述されている。
(条件2:1+b≒0、c>0)
例として、第2の媒体20は、モリブデンを素材として形成されているとする。使用する光の波長を650nmとしたときに、モリブデンの屈折率nと消衰係数kは、n+jk=3.731+j3.574である。これより、モリブデンからなる第2の媒体20の複素誘電率はe2=1.147+j26.67(b=1.147、c=26.67)となる。
上述した式(3)及び式(4)に基づき、TE偏光とTM偏光に対する複素誘電率はそれぞれ以下のように求められる。
e(TE)=1.07+j13.3
e(TM)=1.99+j0.075
そして、それぞれの偏光に対するnとkは、TE:n+jk=2.69+j2.48、TM:n+jk=1.41+j0.027と求まる。これらのnとkを使い、均一な媒体として計算した反射光強度(SumR)と透過光強度(SumT)を媒体厚さ(深さ:Depth)の関数としてプロットした結果を図4(A)及び図4(B)に示す。
図4(A)から、TE偏光に対しては、モリブデン格子(ストライプ構造)の応答が“金属的”であることがわかる。媒体深さが100nm以上の範囲では、反射光強度は50%弱程度でほぼ一定である。上述した条件1の場合と比べると、光の吸収損失がはるかに大きい。これは、TE偏光に対する複素誘電率の実部に起因する。条件1の場合では、fRe[e1]+(1−f)Re[e2]<0の関係が満足されている。他方、条件2では、上記関係が満足されていない。
他方、図4(B)から、TM偏光に対しては、モリブデン格子の応答が“誘電体的”であることがわかる。ただし、条件1の場合と比べると、光の吸収損失が格段に大きい、これは、TM偏光に対する複素誘電率の虚部に起因し、条件1における値よりも条件2における値のほうが6倍程度大きいことによる。
以上の計算結果に基づけば、本条件から決まるサブ波長構造は、偏光制御素子としては有効に機能しないことがわかる。このことを確認するために、モリブデン格子の光学応答を厳密に計算した結果を図5(A)及び図5(B)に示した。TE偏光に関しては、均一媒体で近似した場合の結果(図4(A)参照)と厳密計算の結果(図5(A)参照)はよい一致を示している。他方、TM偏光に関しては、均一媒体で近似した場合の結果(図4(B)参照)と厳密計算の結果(図5(B)参照)は、絶対値の間に多少の隔たりはあるが、“誘電体的に応答する”という点に関して同じ傾向が得られている。
なお、ここでは実在する素材の中から1+b=0を近似的に満たすものとしてモリブデンを選び計算結果を示したが、1+b=0を厳密に満足する条件で計算しても、モリブデンの場合とほぼ同じ結果が得られる。
(条件3:1+b>0、c>0)
例として、第2の媒体20は、石英ガラスを素材として形成されているとする。使用する光の波長を650nmとしたときに、石英ガラスの屈折率nと消衰係数kは、n+jk=1.459+j0.0である。これより、石英ガラスの複素誘電率はe2=2.129+j0.0(b=2.129、c=0.0)となる。
上述した式(3)及び式(4)に基づき、TE偏光とTM偏光に対する複素誘電率はそれぞれ以下のように求められる。
e(TE)=1.565+j0.0
e(TM)=1.361+j0.0
そして、それぞれの偏光に対するnとkは、TE:n+jk=1.251+j0.0、TM:n+jk=1.167+j0.0と求まる。これらのnとkを使い、均一な媒体として計算した反射光強度(SumR)と透過光強度(SumT)を媒体厚さ(深さ:Depth)の関数としてプロットした結果を図6(A)及び図6(B)に示す。
図6(A)から、TE偏光に対しては、石英ガラス格子(ストライプ構造)の応答が“誘電体的”であることがわかる。反射光強度曲線及び透過強度曲線のそれぞれに認められる極小、極大は、石英ガラス格子層と基板ガラスの間の干渉によるものである。
他方、図6(B)から、TM偏光に対しても、石英ガラス格子の応答が“誘電体的”であることがわかる。反射光強度曲線及び透過強度曲線のそれぞれに認められる極小、極大は、石英ガラス格子層と基板ガラスの間の干渉によるものである。
以上の計算結果に基づけば、本条件から決まるサブ波長構造は、偏光制御素子としては有効に機能しないことがわかる。このことを確認するために、石英ガラス格子の光学応答を厳密に計算した結果を図7(A)及び図7(B)に示した。偏光に関わらず、均一媒体で近似した場合の結果(図6(A)及び図6(B)参照)と厳密計算の結果とはよい一致を示している。
以上、3つの典型的な条件下で、サブ波長構造の光学応答を考察した。この考察から、本実施形態にかかる方法に基づいてサブ波長構造を設計することの妥当性が示される。なお、近似計算と厳密計算の一致精度に関するTE偏光、TM偏光間の差は、前者では媒体中のエバネッセント波を考慮していないが、後者ではそれを考慮して構造中のエバネッセント波を介した反射光と透過光の間の結合を正確に求めているという事実によると考えられる。
次に、偏光制御素子を製造する方法の一例を説明する。上述した条件1の関係を満たすように素子条件を設定し(第1過程)、当該素子条件を満たすように第2の媒体を選定し、ストライプ構造を形成する(第2過程)。第2過程については種々の加工方法を採用し得るが、以下ではその一例として、UVレ−ザーを用いた干渉露光とドライエッチングとを組み合わせた方法について説明する。
図8は、偏光制御素子の製造方法の一例について説明する工程断面図である。
図8(A)に示すように、基板100の一面に金属薄膜101と反射防止膜102とを形成する。本例では、基板100として板厚1mmのガラス基板を用いる。また、金属薄膜101として、スパッタや真空蒸着等の成膜方法によってアルミニウム膜を膜厚160nm程度に形成する。また、反射防止膜102は、スピンコート法などの成膜方法により膜厚75nm程度に形成する。
次に図8(B)に示すように、被加工体としての金属薄膜101の上側(本例では反射防止膜102の上面)に感光性膜103を形成する。本実施形態では、化学増幅型レジストを用い、これをスピンコート法などの成膜方法によって成膜することにより、膜厚450nm程度の感光性膜103を形成する。ここで、化学増幅型レジストは、樹脂、酸発生剤、溶媒からなる混合液であり、光化学反応で発生する酸を利用するため、アンモニアなどの微量のアルカリ系不純物にも敏感に影響を受け、特性が変動する。よって、本実施形態では、本工程及びその後の露光工程及び現像工程を行うときの雰囲気をアルカリ系不純物の濃度が1ppb以下となるようにする。
次に図8(C)に示すように、可視光波長よりも小さい波長(本例では266nm)の2本のビームB1、B2を所定角度で交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって感光性膜103を露光する。例えば、2本のビームB1、B2の交叉角度を62度とすることにより、周期150nmの干渉光が得られ、当該干渉光に対応した潜像パターン104が感光性膜103に形成される。
次に図8(D)に示すように、露光後の感光性膜103を焼成(ベーキング)し、その後に現像することにより、干渉光のパターンに対応する形状を感光性膜103に発現させる。これにより、金属薄膜101上に周期150nmのレジストパターンが得られる。
次に図8(E)に示すように、現像後の感光性膜103をエッチングマスクとして用いてエッチングを行い、被加工体としての金属薄膜101を加工する。これにより、金属薄膜101へレジストパターンが転写される。エッチング方法としては、原理的にはウェットエッチング、ドライエッチングのいずれも採用することが可能である。特に、ICP(誘導結合プラズマ)やECR(電子サイクロトロン共鳴)等の方法でドライエッチングすることが好適である。その後、図8(F)に示すように、反射防止膜102及び感光性膜103を除去する。これにより、アルミニウムからなる微細なストライプ構造を基板100上に配置してなる金属格子型の偏光制御素子が得られる。
図9は、上述した製造方法によって製造した偏光制御素子の光学特性の一例を示す図である。図中、実線は理論値、プロットは実測値である。この測定によれば、アルミニウム格子からなる偏光制御素子の透過率は80%、偏光度は400であり、実用にふさわしいことを示している。このような偏光制御素子は、偏光特性に加えて耐光性にも優れるので、例えば液晶プロジェクタなどの電子機器へ適用することができる。これまでの高分子を用いた偏光制御素子では高輝度ランプを長時間照射することによる特性の劣化が著しく、液晶プロジェクタの長寿命化の妨げとなっていたが、本実施形態の偏光制御素子を用いることにより、液晶プロジェクタの長寿命化を図ることが可能となる。
図10は、電子機器の具体例を説明する図である。図10(A)はリア型プロジェクターへの適用例であり、当該プロジェクター270は筐体271に、光源272、合成光学系273、ミラー274、275、スクリーン276、および本実施形態の偏光制御素子を含んでなる液晶パネル200を備えている。図10(B)はフロント型プロジェクターへの適用例であり、当該プロジェクター280は筐体282に光学系281および本実施形態の偏光制御素子を含んでなる液晶パネル200を備え、画像をスクリーン283に表示可能になっている。また、電子機器はこれらに限定されるものではなく、例えばこれらの他に、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイなども含まれる。
このように、本実施形態によれば、比較的に簡単な条件式に基づいて、サブ波長構造からなる偏光制御素子を実現するために必要な素材を選定するための指針が明らかとなる。したがって、構造設計の自由度が大きく広がり、限られた素材候補(例、アルミ、銀)の範疇で設計する必然性がなくなる。これにより、最適なサブ波長構造を実現し、特性のより優れた偏光制御素子を得ることが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
偏光制御素子の構造を模式的に説明する斜視図である。 条件1における偏光制御素子の偏光特性を説明する図である。 比較例の偏光制御素子の偏光特性を説明する図である。 条件2における偏光制御素子の偏光特性を説明する図である。 比較例の偏光制御素子の偏光特性を説明する図である。 条件3における偏光制御素子の偏光特性を説明する図である。 比較例の偏光制御素子の偏光特性を説明する図である。 偏光制御素子の製造方法の一例について説明する工程断面図である。 一実施形態の製造方法によって製造した偏光制御素子の光学特性の一例を示す図である。 電子機器の具体例を説明する図である。
符号の説明
10…第1の媒体、20…第2の媒体

Claims (4)

  1. 第1の媒体中に配置して用いられ、制御対象となる光の波長よりも小さい周期のストライプ構造を備える偏光制御素子の製造方法であって、
    前記第1の媒体の複素誘電率をe1、前記ストライプ構造を構成する第2の媒体の複素誘電率をe2、前記第2の媒体の空間占有率をf(0<f<1)、複素数の実部をRe、虚部をImとそれぞれ表記したときに、
    Re[e1]>0、
    fRe[e1]+(1−f)Re[e2]<0、
    Im[e2]>0、の関係を満たすように素子条件を設定する第1過程と、
    前記第1過程において設定した前記素子条件を満たすように前記第2の媒体を選定し、前記ストライプ構造を形成する第2過程と、
    を含む、偏光制御素子の製造方法。
  2. 第1の媒体中に配置して用いられ、制御対象となる光の波長よりも小さい周期のストライプ構造を備える偏光制御素子の設計方法であって、
    前記第1の媒体の複素誘電率をe1、前記ストライプ構造を構成する第2の媒体の複素誘電率をe2、前記第2の媒体の空間占有率をf(0<f<1)、複素数の実部をRe、虚部をImとそれぞれ表記したときに、
    Re[e1]>0、
    fRe[e1]+(1−f)Re[e2]<0、
    Im[e2]>0、の関係を満たすように素子条件を設計する、偏光制御素子の設計方法。
  3. 第1の媒体中に配置して用いられ、制御対象となる光の波長よりも小さい周期のストライプ構造を備える偏光制御素子であって、
    前記第1の媒体の複素誘電率をe1、前記ストライプ構造を構成する第2の媒体の複素誘電率をe2、前記第2の媒体の空間占有率をf(0<f<1)、複素数の実部をRe、虚部をImとそれぞれ表記したときに、
    Re[e1]>0、
    fRe[e1]+(1−f)Re[e2]<0、
    Im[e2]>0、の関係を満たすように、前記第2の媒体からなる前記ストライプ構造が形成されていることを特徴とする偏光制御素子。
  4. 請求項1に記載の製造方法によって製造される偏光制御素子を備える電子機器。
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