JP2006177312A - 内燃機関の燃料性状判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、排気浄化触媒の上流及び下流に設けられた上流側空燃比センサ及び下流側空燃比センサと、上流側空燃比センサより上流から排気浄化触媒へ向けて内燃機関の燃料を供給する燃料供給手段とを備えた内燃機関において、内燃機関の燃料を正確に判定することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、燃料供給手段が燃料供給を行ったときの下流側空燃比センサの出力とベース空燃比との偏差を積算するとともに上流側空燃比センサの出力とベース空燃比との偏差を積算し、下流側空燃比センサの出力に基づく積算値Σ△A/Fdが予め定められた下流側基準値Σ△A/Fdsと略同等であることを条件に、上流側空燃比センサの出力に基づく積算値Σ△A/Fと上流側基準値ΣA/Fsとを比較することにより内燃機関の燃料性状を判定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、内燃機関の燃料性状を判別する技術に関する。
内燃機関等の燃料としてエタノール、メタノール、メチルエステル等のバイオ燃料が知られている。このようなバイオ燃料と化石系燃料(軽油やガソリンなど)の混合燃料が使用される場合に、酸化触媒の前後に空燃比センサを配置し、これら空燃比センサの出力信号を選択的に用いて燃料噴射量の制御を行うことにより、バイオ燃料濃度の変動にかかわらず正確な空燃比制御を行おうとする技術が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
特開平5−209549号公報 特開2003−254037号公報 特許第2861377号公報
ところで、排気行程中に燃料噴射弁から燃料を噴射させ、或いは排気通路に設けられた燃料添加弁から燃料を噴射させることにより触媒へ未燃の燃料を供給する場合には、触媒上流端に燃料が付着し易い。触媒上流端に燃料が付着すると、触媒下流の空燃比(排気中の酸素濃度)が変化する。上記した従来の技術では触媒上流端に燃料が付着した場合に、混合燃料中のバイオ燃料濃度が変化したものとみなされて燃料噴射量が制御される可能性がある。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は燃料中の異種燃料濃度の変化を正確に把握することが可能な技術を提供することにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、排気浄化触媒の上下流に配置された上流側空燃比センサ及び下流側空燃比センサと、上流側空燃比センサより上流から排気浄化触媒へ向けて内燃機関の燃料を供給する燃料供給手段とを備えた内燃機関において、燃料供給手段が燃料供給を行ったときの下流側空燃比センサ出力とベース空燃比との偏差を積算するとともに上流側空燃比センサ出力をモニタし、その積算値が予め定められた基準値(下流側基準値)と略同等であることを条件に前記した上流側空燃比センサ出力をパラメータとして燃料性状を判定するようにした。
詳細には、本発明にかかる内燃機関の燃料性状判定装置は、燃料供給手段が正常に燃料供給を行ったときの下流側空燃比センサ出力とベース空燃比との偏差の積算値を下流側基準値として記憶する第1記憶手段と、予め想定された性状の基準燃料を燃料供給手段が正常に供給したときの上流側空燃比センサの出力を上流側基準値として記憶する第2記憶手段と、燃料供給手段が燃料供給を行ったときに下流側空燃比センサ出力とベース空燃比との偏差を積算する演算手段と、演算手段の演算値と下流側基準値の差が所定量以下であることを条件に上流側空燃比センサの出力と上流側基準値を比較し、両者の差が許容範囲を超えていれば現在の燃料性状が基準燃料とは異なる性状であると判定する判定手段と、を備えるようにした。ベース空燃比は、燃料供給手段から燃料が供給されていないときの排気空燃比であり、二次空気などの添加等が無い限り内燃機関の空燃比と同等となる。
バイオ燃料などの異種燃料が混合された燃料(以下、異種混合燃料と称する)は、異種
燃料が混合されていない燃料(基準燃料)とは異なる蒸発性(蒸発可能な温度)を有する。このため、燃料供給手段が異種混合燃料を供給した場合と基準燃料を供給した場合とでは、燃料供給量が同量であっても上流側空燃比センサの出力が異なるようになる。
例えば、燃料中のバイオ燃料濃度が高くなると燃料の蒸発性が低下するため、燃料供給手段から供給された燃料が上流側空燃比センサに到達するまでに蒸発しきれなくなる。供給燃料が上流側空燃比センサに到達するまでに蒸発しきれなくなると、上流側空燃比センサは実際の空燃比よりリーンな信号を出力する。この傾向は、燃料中のバイオ燃料濃度が高くなるほど顕著となる。
従って、上流側空燃比センサの出力が予め定められた上流側基準値とは異なる値を示している時には、内燃機関の燃料が基準燃料とは異なる燃料性状を有しているとみなすことができる。このように上流側空燃比センサの出力をパラメータとすることにより、排気浄化触媒の上流側端面に供給燃料が付着した場合等であってもその影響を受けることなく燃料性状を判定することが可能となる。
尚、比較対象となる上流側空燃比センサ出力及び上流側基準値としては、(1)燃料供給手段の燃料供給によって上流側空燃比センサ出力がベース空燃比よりリッチ側へ変化し始めた時から上流側空燃比センサ出力がベース空燃比に復帰するまでの期間(以下、上流側空燃比変化期間と称する)におけるベース空燃比と上流側空燃比センサ出力との偏差の積算値(以下、上流側空燃比積算偏差量と称する)、(2)上流側空燃比変化期間における上流側空燃比センサ出力の最小値、(3)上流側空燃比変化期間における上流側空燃比センサ出力とベース空燃比との偏差の最大値等を用いることができる。
ところで、上流側空燃比センサの出力は、燃料中の異種燃料濃度が変化した場合に加え、燃料供給手段が劣化や故障等によって規定量の燃料を供給できなくなった場合にも変化する。例えば、燃料供給手段の劣化や故障等によって実際の燃料供給量が目標供給量より多く又は少なくなると、燃料性状が同一であっても上流側空燃比センサの出力が基準値より低く又は高くなる。
このように燃料供給手段の劣化や故障等によって実際の燃料供給量が目標供給量と異なった場合に上記した燃料性状の判定が行われると、燃料性状が変化していないにも拘わらず燃料性状が変化したと誤判定される可能性がある。例えば、燃料供給手段の実際の燃料供給量が目標供給量を下回っている時に上記した燃料性状の判定が行われると、基準燃料より蒸発性の低い異種燃料の濃度が高いと誤判定される可能性がある。
従って、燃料性状を正確に判定するためには、上流側空燃比センサ出力と基準値との差が燃料添加弁の劣化に因るものであるか、或いは異種燃料濃度の変化に因るものであるか区別する必要がある。
これに対し、本発明の内燃機関の燃料性状判定装置は、燃料供給手段が正常に燃料供給を行ったときの下流側空燃比センサ出力とベース空燃比との偏差の積算値を下流側基準値として記憶する第1記憶手段と、燃料供給手段が実際に燃料供給を行った時に下流側空燃比センサ出力とベース空燃比との偏差の積算値(以下、下流側空燃比積算偏差量と称する)を演算する演算手段とを備え、下流側空燃比積算偏差量と下流側基準値の差が所定量以下であることを条件に上流側空燃比センサの出力と上流側基準値を比較するようにした。
燃料供給手段から供給された燃料量は、下流側空燃比センサ出力がベース空燃比より低く(リッチに)なり始めた時からベース空燃比へ復帰する時までの期間(以下、下流側空燃比変化期間と称する)における下流側空燃比センサ出力とベース空燃比との偏差を積算
した値(下流側空燃比積算偏差量)と相関する。この相関関係は、異種燃料濃度が変化した場合や排気浄化触媒の上流側端面に供給燃料が付着した場合であっても成立する。
これは、以下の要因に因ると考えられる。すなわち、異種燃料濃度の変化により燃料の蒸発性が変化した場合であっても、燃料供給手段から供給された燃料が排気浄化触媒を通過する際に該排気浄化触媒によって蒸発及び還元反応を誘発されるため、下流側空燃比センサの出力は燃料供給量に相応の値となる。また、供給燃料が排気浄化触媒の上流側端面等に付着した場合は、その付着量の分だけ下流側空燃比センサ出力が一時的に高くなる(リーン寄りの値となる)が、その付着燃料が排気浄化触媒によって蒸発及び還元反応を誘発されるため、下流側空燃比積算偏差量は付着燃料分も加味された値となる。
従って、下流側空燃比積算偏差量は燃料供給手段から実際に供給された燃料量に相応した量となるため、下流側空燃比積算偏差量と下流側基準値との差が所定量以下であれば、燃料供給手段が正常に燃料供給を行ったとみなすことができる。そして、下流側空燃比積算偏差量と下流側基準値との差が所定量以下であることを条件に上流側空燃比センサ出力と上流側基準値との比較が行われれば、燃料性状を正確に判定することができる。すなわち、燃料供給手段の劣化によって上流側空燃比センサの出力が変化した場合に、燃料性状が変化したと誤判定されることがなくなる。
本発明によれば、内燃機関の燃料中に異種燃料が混合された場合や異種燃料の濃度が変化した場合に、その事象を正確に判定することが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)である。
内燃機関1には、エキゾーストマニフォルド2が接続されている。エキゾーストマニフォルド2は、ターボチャージャ3のタービンハウジング30を介して排気管4に連通している。尚、エキゾーストマニフォルド2には、該エキゾーストマニフォルド2内を流れる排気中へ燃料を添加する燃料添加弁5が取り付けられている。
排気管4の途中には、吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレートフィルタ6が配置されている。パティキュレートフィルタ6より上流の排気管4には、上流側A/Fセンサ7が取り付けられている。パティキュレートフィルタ6より下流の排気管4には、下流側A/Fセンサ8が取り付けられている。パティキュレートフィルタ6より下流の排気管4には、排気温度センサ9が取り付けられている。
このように構成された内燃機関1には、ECU10が併設されている。ECU10には、前述した上流側A/Fセンサ7、下流側A/Fセンサ8、排気温度センサ9に加えアクセルポジションセンサ11、クランクポジションセンサ12、エアフローメータ13等の各種センサが電気的に接続されている。ECU10は、上記した各種センサの出力信号に基づいて燃料噴射制御等の既知の制御に加え、本発明の要旨となる燃料性状判定制御を実行する。
ECU10は、リッチスパイク制御やPM強制再生制御等のように燃料添加弁5から燃料添加が行われるときに燃料性状判定制御を実行する。尚、ECU10は、燃料添加弁5から燃料添加が行われるたびに燃料性状判定制御を実行してもよいが、燃料の給油が行われない限り燃料性状が変化することはないため給油後に初めて燃料添加が実行される時に
のみ燃料性状判定制御を実行すればよい。
燃料性状判定制御では、ECU10は、燃料添加弁5が燃料添加を行ったときの上流側A/Fセンサ7の出力をパラメータとして燃料性状を判定する。本実施例の燃料性状判定制御は、燃料中に含まれる異種燃料の濃度を判定することを主な目的としている。
圧縮着火式内燃機関1の基準燃料としては軽油が想定されているが、近年では排気エミッションの低減を目的としてバイオ燃料と軽油の混合燃料(異種混合燃料)が用いられることが予想される。
内燃機関1の燃料として異種混合燃料が用いられた場合、バイオ燃料の混合割合(濃度)によって燃料の蒸発性(蒸発可能な温度)が変動する。例えば、燃料中のバイオ燃料濃度が高くなると燃料の蒸発性が低下(蒸発可能な温度が上昇)するため、そのような燃料が燃料添加弁5から添加されると、添加燃料が上流側A/Fセンサ7へ到達するまでに蒸発し切れなくなる。
A/Fセンサは液状の燃料には反応し難いため、蒸発し切れていない添加燃料が上流側A/Fセンサ7を通過すると、上流側A/Fセンサ7の出力が実際の空燃比より高い(リーン)値を示すことになる。
図2は、バイオ燃料濃度が高い異種混合燃料と、バイオ燃料濃度が低い異種混合燃料と、基準燃料(軽油の濃度が100%の燃料)とを燃料添加弁5から各々同量添加した場合の上流側A/Fセンサ7の出力を示す図である。図中の実線はバイオ燃料濃度が低い異種混合燃料を添加した時の上流側A/Fセンサ7の出力A/F1を示し、図中の一点鎖線はバイオ燃料濃度が高い異種混合燃料を添加した時の上流側A/Fセンサ7の出力A/F2を示し、図中の点線は基準燃料を添加した時の上流側A/Fセンサ7の出力A/Fsを示している。
図2からも明らかなように、異種混合燃料が添加された時の上流側A/Fセンサ7の出力A/F1、A/F2は基準燃料が添加された時の出力A/Fsより総じてリーンな値を示しており、その傾向はバイオ燃料濃度が高くなるほど顕著となっている。
この現象を定量的に検出する方法としては、(1)上流側空燃比変化期間(図2中のt1からt2までの期間)における上流側空燃比積算偏差量Σ△A/F(図2中の斜線で示した部分の面積)を求め、同一条件下で基準燃料が添加された時の上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fsと比較する方法、(2)上流側空燃比変化期間における上流側A/Fセンサ7の出力A/Fの最小値A/F1min、A/F2minを求め、同一条件下で基準燃料が添加された時の最小値A/Fsminと比較する方法、(3)上流側空燃比変化期間における上流側A/Fセンサ7の出力A/Fとベース空燃比A/Fbとの偏差の最大値(A/Fb−A/F1min、A/Fb−A/F2min)を求め、同一条件下で基準燃料が添加された時の最大値(A/Fb−A/Fsmin)と比較する方法を例示することができる。
本実施例の燃料性状判定制御では、上記した(1)の方法を用いるものとする。その際、基準燃料が添加された場合の上流側空燃比積算変化量Σ△A/Fsを予め実験的に求めておき、その上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fsを上流側基準値としてECU10のROMに記憶しておくものとする。
上記した(1)の方法が用いられた場合に、ECU10は、上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fが上流側基準値ΣA/Fsより小さく且つ両者の差が許容範囲を超えていれば、
燃料中にバイオ燃料が混合されていると判定する。そして、ECU10は、上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fと上流側基準値ΣA/Fsの差が大きくなるほどバイオ燃料濃度が高いと判定する。
尚、燃料性状が同じであっても排気温度が異なると、上流側A/Fセンサ7の出力が変化するため、上流側基準値Σ△A/Fsは、排気温度をパラメータとする二次元マップとしてROMに記憶されていてもよい。その際にパラメータとして用いられる排気温度としては、排気温度センサ9の出力を用いることができる。
また、上記した上流側空燃比変化期間において内燃機関1の運転状態が変化すると、それに応じてベース空燃比A/Fbや燃料添加弁5に要求される添加燃料量が変化するため、内燃機関1が定常運転状態にあるとき、好ましくはアイドル運転状態にあるときに燃料性状判定制御が行われることが好ましい。
上記したような方法によれば、燃料添加弁5から供給された燃料がパティキュレートフィルタ6の上流側端面等に付着した場合であっても、その影響を受けることなくバイオ燃料濃度を判定することができる。
ところで、上流側A/Fセンサ7の出力は、バイオ燃料濃度の変化に加え、燃料添加弁5の劣化や故障などによっても変化する。すなわち、燃料添加弁5の劣化や故障などにより該燃料添加弁5から実際に添加される燃料量が目標添加量より多く又は少なくなると、燃料性状が同じであっても上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fが変化する。このため、燃料添加弁5の実際の添加燃料量が目標添加量と異なっている時に燃料性状の判定が行われると、誤判定を招く可能性がある。
例えば、燃料添加弁5の実際の添加燃料量が目標添加量より少なくなった場合に燃料性状の判定が実行されると、燃料中のバイオ燃料濃度が変化していないにも拘わらずバイオ燃料濃度が上昇した(或いは、実際のバイオ燃料濃度より高い)と誤判定される可能性がある。また、燃料添加弁5の実際の添加燃料量が目標添加量より多くなった場合に燃料性状の判定が行われると、燃料中のバイオ燃料濃度が上昇しているにも拘わらずバイオ燃料濃度が変化していない(或いは、実際のバイオ燃料濃度より低い)と誤判定される可能性がある。
このため、燃料性状を正確に判定するためには、上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fの変化が燃料添加弁5の劣化や故障に因るものであるか、或いはバイオ燃料濃度の変化に因るものであるか区別する必要がある。
そこで、本実施例では、ECU10は、上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fによる燃料性状の判定を行う前に、燃料添加弁5の劣化判定を行うようにした。
具体的には、ECU10は、燃料添加弁5が燃料添加を行ったときに、上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fに加え、下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdも演算し、その下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdをパラメータとして燃料添加弁5の劣化判定を行うようにした。
下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdは添加燃料の性状に関わらず燃料添加弁5の実際の添加燃料量と相関する。図3は、異種混合燃料と基準燃料とを燃料添加弁5から各々同量添加した場合の下流側A/Fセンサ8の出力を示す図である。図中の実線は異種混合燃料を添加した時の下流側A/Fセンサ8の出力A/Fdを示し、図中の点線は基準燃料を添加した時の下流側A/Fセンサ8の出力A/Fdsを示している。
図3において、異種混合燃料が添加された場合の下流側空燃比変化期間(図3中のt3からt5までの期間)は基準燃料が添加された場合の下流側空燃比変化期間(図3中のt3からt4までの期間)に対して長くなるものの、異種混合燃料が添加された場合の下流側A/Fセンサ8の出力の最小値A/Fdminは基準燃料が添加された場合の下流側A/Fセンサ8の出力の最小値A/Fdsminより高くなる。このため、異種混合燃料が添加された場合の下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fd(図3中の縦線で塗りつぶされた部分の面積)と基準燃料が添加された場合の下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fds(図3中の横線で塗りつぶされた部分の面積)とは略等しくなる。この相関関係は、異種混合燃料中のバイオ燃料濃度が変化しても成立する。
従って、燃料添加弁5が基準燃料を正常に添加した場合の下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdsを下流側基準値として予めROMに記憶しておき、その下流側基準値Σ△A/Fdsと燃料添加弁5が燃料添加を行った時に演算された下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdとを比較することにより、燃料添加弁5が劣化しているか否かを判定することができる。
以下、燃料性状判定制御について図4のフローチャートに沿って説明する。図4のフローチャートは、燃料性状判定制御ルーチンを示すフローチャートである。この燃料性状判定制御ルーチンは所定期間毎にECU10が繰り返し実行するルーチンである。
燃料性状判定制御ルーチンでは、ECU10は、先ず燃料添加フラグの値が“1”であるか否かを判別する。燃料添加フラグは、燃料添加弁5から燃料添加を開始するときに“1”がセットされ、燃料添加弁5からの燃料添加が終了されたときに“0”がリセットされるフラグである。
前記S101において否定判定された場合は、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。前記S101において肯定判定された場合は、ECU10はS102へ進み、アイドルフラグの値が“1”であるか否かを判別する。アイドルフラグは、内燃機関1がアイドル運転状態にあるときに“1”がセットされ、アイドル運転状態にないときは“0”がリセットされるフラグである。
前記S102において否定判定された場合は、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。前記S102において肯定判定された場合は、ECU10はS103へ進み、パティキュレートフィルタ6に担持された吸蔵還元型NOx触媒が活性状態にあるか否かを判別する。
前記S103において否定判定された場合は、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。これは吸蔵還元型NOx触媒が活性状態にないときは、該吸蔵還元型NOx触媒が燃料添加弁5から供給された燃料の蒸発及び還元反応を誘発させることができなくなり、あるいはパティキュレートフィルタ6の上流側端面に付着した添加燃料の蒸発及び還元反応を誘発することができなくなり、以て下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdと添加燃料量との相関が成立しなくなる可能性があるからである。
前記S103において肯定判定された場合は、ECU10は、S104へ進み、上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fと下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdを演算する。
S105では、ECU10は、予めROMに記憶されている上流側基準値ΣA/Fsと下流側基準値Σ△A/Fdsを読み込む。
S106では、ECU10は、下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdと下流側基準値Σ△A/Fdsとの偏差の絶対値(|Σ△A/Fd−Σ△A/Fds|)が所定量A以下であるか否かを判別する。所定量Aは、下流側A/Fセンサ8の検出誤差などに鑑みて設定される値である。
前記S106において肯定判定された場合(|Σ△A/Fd−Σ△A/Fds|≦A)は、ECU10は、S107へ進み、上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fと上流側基準値ΣA/Fsとの偏差に基づいて燃料中のバイオ燃料濃度を判定する。
例えば、ECU10は、上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fと上流側基準値ΣA/Fsの偏差が許容範囲内にあればバイオ燃料濃度が0%であると判定する。上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fが上流側基準値ΣA/Fsより小さく且つ両者の偏差が許容範囲を超えていれば、ECU10は、燃料中にバイオ燃料が混合されているとみなすとともに、前記した偏差をパラメータとしてバイオ燃料濃度を判定する。
上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fと上流側基準値ΣA/Fsの偏差(ΣA/Fs−ΣA/F)に基づいてバイオ燃料濃度を判定する場合に、ECU10は、前記偏差が大きくなるほどバイオ燃料濃度が高いと判定する。尚、バイオ燃料濃度と偏差との関係を予めマップ化しておき、そのマップと前記偏差からバイオ燃料濃度が算出されるようにしてもよい。
尚、上流側A/Fセンサ7又は下流側A/Fセンサ8の出力が目標空燃比となるように燃料添加弁5の添加燃料量がフィードバック制御される場合には、前記S107において判定されたバイオ燃料濃度に応じて上流側A/Fセンサ7又は下流側A/Fセンサ8の出力を補正するようにしてもよい。この場合、バイオ燃料濃度の変化に因り上流側A/Fセンサ7又は下流側A/Fセンサ8の出力が基準燃料添加時とは異なる値を示しても、添加燃料が適正量に制御される。
また、前記したS106において否定判定された場合(|Σ△A/Fd−Σ△A/Fds|>A)は、ECU10は、S108へ進み、燃料添加弁5が劣化していると判定する。
尚、燃料添加弁5が劣化していると判定された場合には、ECU10は、実際の添加燃料量が目標量と等しくなるように次回以降の目標量を補正するようにしてもよい。すなわち、ECU10は、下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdと下流側基準値Σ△A/Fdsの偏差を燃料量に換算し、その換算値により次回の燃料添加時における目標量を補正するようにしてもよい。この場合、次回の燃料添加時において下流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fdと下流側基準値Σ△A/Fdsとの偏差が所定量以下に減少していれば、バイオ燃料濃度を正確に判定することが可能となる。
以上述べた実施例によれば、上流側A/Fセンサ7の出力をパラメータとしてバイオ燃料濃度が判定されるため、添加燃料のパティキュレートフィルタ上流側端面に付着した場合であっても正確な判定を行うことができる。さらに、本実施例によれば、実際の添加燃料量が目標量と略同量になっている条件下でバイオ燃料濃度の判定が行われるため、燃料添加弁5の劣化による判定精度の低下を防止することも可能となる。
尚、本実施例では、基準燃料に対して異種混合燃料の蒸発性が低くなる例について説明したが、基準燃料に対して異種混合燃料の蒸発性が高く場合にも本発明を適用することが可能である。その場合は、燃料添加弁5から添加された燃料のうち上流側A/Fセンサ7へ到達するまでに蒸発する燃料量が基準燃料添加時より増加するため、上流側A/Fセン
サ7の出力が基準燃料添加時より低くい値(リッチ寄りの値)となる。
従って、(1)上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fが基準燃料添加時の上流側空燃比積算偏差量Σ△A/Fsより大きい、(2)上流側空燃比変化期間における上流側A/Fセンサ7の最小値A/Fminが基準燃料添加時の最小値A/Fsminより低い、或いは(3)上流側空燃比変化期間における上流側A/Fセンサ7の出力A/Fとベース空燃比A/Fbとの偏差の最大値(A/Fb−A/Fmin)が基準燃料添加時の最大値(A/Fb−A/Fsmin)よりり大きくなると、燃料中に異種燃料が混入されていると判定することができるとともに、上記(1)〜(3)の各々の差が大きくなるほど異種燃料濃度が高いと判定することができる。
本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図 燃料添加弁から燃料添加が行われたときの上流側A/Fセンサ出力を示す図 燃料添加弁から燃料添加が行われたときの下流側A/Fセンサ出力を示す図 燃料性状判定制御ルーチンを示すフローチャート
符号の説明
1・・・・・内燃機関
2・・・・・エキゾーストマニフォルド(排気通路)
4・・・・・排気管(排気通路)
5・・・・・燃料添加弁
6・・・・・パティキュレートフィルタ(排気浄化触媒)
7・・・・・上流側A/Fセンサ(上流側空燃比センサ)
8・・・・・下流側A/Fセンサ(下流側空燃比センサ)
13・・・・ECU

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、
    排気浄化触媒より上流の排気通路に設けられた上流側空燃比センサと、
    排気浄化触媒より下流の排気通路に設けられた下流側空燃比センサと、
    上流側空燃比センサより上流から排気浄化触媒へ内燃機関の燃料を供給する燃料供給手段と、
    燃料供給手段が正常に燃料供給を行ったときの下流側空燃比センサ出力とベース空燃比との偏差の積算値を下流側基準値として記憶する第1記憶手段と、
    予め想定された性状の基準燃料を燃料供給手段が正常に供給したときの上流側空燃比センサの出力を上流側基準値として記憶する第2記憶手段と、
    燃料供給手段が燃料供給を行った時に下流側空燃比センサ出力とベース空燃比との偏差を積算する演算手段と、
    演算手段の演算値と下流側基準値の差が所定量以下であることを条件に上流側空燃比センサの出力と上流側基準値を比較し、両者の差が許容範囲を超えていれば現在の燃料性状が基準燃料とは異なる性状であると判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料性状判定装置。
  2. 請求項1において、判定手段は、上流側空燃比センサの出力と上流側基準値の差が許容範囲を超えていれば、燃料中に異種燃料が混合されていると判定することを特徴とする内燃機関の燃料性状判定装置。
  3. 請求項2において、判定手段は、上流側空燃比センサの出力と上流側基準値の差が大きくなるほど、燃料中に含まれる異種燃料の濃度が高いと判定することを特徴とする内燃機関の燃料性状判定装置。
  4. 請求項1において、判定手段は、演算手段の演算値と下流側基準値の差が所定量を超えている場合には、燃料供給手段が劣化又は故障していると判定することを特徴とする内燃機関の燃料性状判定装置。
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