JP2006176286A - エレベータ装置 - Google Patents

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Hiroyuki Kimura
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Abstract

【課題】 単一の昇降路に複数の乗りかごを配置し、各乗りかごを独立に運行させる装置にあって、昇降路と機械室を合わせたエレベータ設置高さを極力低くできるエレベータ装置を提供する。
【解決手段】 単一の昇降路2に2台の乗りかご3a,3bを昇降させたエレベータ装置1Aにおいて、下方に配置された第1の乗りかご3aは、昇降路2のピット7に設置した油圧ジャッキ4の駆動力によって駆動し、上方に配置された第2の乗りかご3bは、昇降路2の壁と乗りかご3bの昇降エリアとの間のスペースに設置した巻上機5の駆動力をロープ8を介して伝達することによって駆動した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、単一の昇降路に複数の乗りかごを配置し、各乗りかごを独立に運行させるエレベータ装置に関する。
この種の従来のエレベータ装置としては、特許文献1及び特許文献2に開示されたものが提案されている。
特許文献1に記載されたエレベータ装置100は、図9に示すように、単一の昇降路101の上方に配置された機械室102を備えている。昇降路101内には3台の乗りかご103a,103b,103cが配置されている。最上方に配置された乗りかご103aは、機械室102に設置された巻上機104aの駆動力をロープ105aを介して伝達することによって駆動される。中間に配置された乗りかご103bは、昇降路101の上方に設置された巻上機104bの駆動力をロープ105bを介して伝達することによって駆動される。最下方の乗りかご103cは、昇降路101の中間に設置された巻上機104cの駆動力をロープ105cを介して伝達することによって駆動される。
各乗りかご103a,103b,103cと各巻上機104a,104b,104cの各ロープ105a,105b,105cは、互いに干渉しないようにそれぞれ異なる位置に配置されている。そして、各巻上機104a,104b,104cの綱車106a,106b,106cに掛けられたロープ105a,105b,105cは、各そらせ車107a,107b,107cを介してそれぞれ異なる位置に垂下されている。異なる位置に垂下された各ロープ105a,105b,105cの先端には、釣り合い重り108a,108b,108cがそれぞれ固定されている。
上記構成において、各乗りかご103a,103b,103cの駆動系は互いに非接触で駆動することができ、各乗りかご103a,103b,103cを昇降路101内で衝突しないように移動することによって3台の乗りかご103a,103b,103cを同一の昇降路101内で独立に運行することができる。
特許文献2に記載されたエレベータ装置110は、図10および図11に示すように、上下方向に配置された単一の昇降路111と、この上方に配置された機械室112とを備えている。昇降路111内には、2台の乗りかご113a,113bが配置されている。双方の乗りかご113a,113bは、機械室112に設置された各巻上機114a,114bの駆動力をロープ115a,115bを介して伝達することによって、それぞれ駆動されるようになっている。また、各ロープ115a,115bは互いに干渉しないように配置されている。上方乗りかご用の巻上機114aに掛けられたロープ115aは、後述する釣り合い重り116bの穴117を介して昇降路111内を垂下され、その垂下された先端に釣り合い重り116aが固定されている。下方乗りかご用の巻上機114bに掛けられたロープ115bは、両端が昇降路11の天壁118に固定されている。両端固定されたロープ115bは、下方の乗りかご113のシーブ119、巻上機114b、釣り合い重り116bのシーブ120に掛け渡されている。
上記構成において、各乗りかご113a,113bの駆動系は互いに非接触で駆動することができ、各乗りかご113a,113bが昇降路111内で衝突しないように移動させることによって2台の乗りかご113a,113bを同一の昇降路111内で独立に運行することができる。
特許第3252575号公報 特開昭59−133188号公報
しかしながら、上述した2つの従来例は、昇降路101,111やその上方に機械室102,112を設ける必要があるため、昇降路101,111と機械室102,112を合わせたエレベータ設置高さが高くなるという問題がある。
そこで、本発明は、単一の昇降路に複数の乗りかごを配置し、各乗りかごを独立に運行させる装置であって、昇降路と機械室を合わせたエレベータ設置高さを低くできるエレベータ装置を提供することを目的とする。
この発明の第1の特徴は、単一の昇降路内で複数の乗りかごを昇降させるエレベータ装置であって、最下位置に配置された前記乗りかごは、前記昇降路のピットに設置した油圧ジャッキの駆動力によって駆動され、最下位置に配置された前記乗りかごよりも上方に配置された前記乗りかごの1台は、前記昇降路の壁と前記乗りかごの昇降エリアとの間に設置した中間部巻上機の駆動力をロープを介して伝達することによって昇降駆動されることを要旨とする。
この発明の第2の特徴は、最下位置に配置された前記乗りかごよりも上方に配置された前記乗りかごは2台であり、且つ2台のうちの一方の前記乗りかごは、前記昇降路の上方に設置した上部巻上機の駆動力をロープを介して伝達することによって駆動され、他方の前記乗りかごは、昇降路の壁と前記乗りかごの昇降エリアとの間に設置した前記中間部巻上機の駆動力をロープを介して伝達することによって昇降駆動されることを要旨とする。
本発明によれば、油圧ジャッキは昇降路のピットに設置されるため昇降路を拡大せずに設置でき、巻上機は昇降路内に配置されるがそのうちの1台の巻上機は乗りかごの昇降軌跡と昇降路の壁との間に設置されるため昇降路を拡大せずに設置できる。このため、全ての乗りかごの昇降に最低限必要な昇降路の長さに対して昇降路を拡大することなく、しかも、昇降路の上方に機械室を設置する必要がないため、昇降路と機械室を併せたエレベータ設置高さを低くできる。
以下、本発明の実施の形態に係るエレベータ装置の詳細を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエレベータ装置1Aの概略構成図である。図1に示すように、エレベータ装置1Aは、建屋に設置された昇降路2と、この昇降路2に配置された2台の乗りかご3a,3bと、下方に配置された第1の乗りかご3aを駆動するための油圧ジャッキ4と、上方に配置された第2の乗りかご3bを駆動するための上部巻上機としての巻上機5とを備えている。
昇降路2には、左右側面に一対のかご用ガイドレール(図示せず)、背面側に重り用ガイドレール(図示せず)がそれぞれ設けられている。昇降路2の下部には、待機スペース2aが設置されている。第1及び第2の乗りかご3a,3bは、一対のかご用ガイドレール(図示せず)に沿って昇降自在に配置されている。釣り合い重り6は、重り用ガイドレール(図示せず)に沿って昇降自在に配置されている。
油圧ジャッキ4は、昇降路2のピット7内に埋設された油圧シリンダ4aと、この油圧シリンダ4aより上方に突出し、上下方向に伸縮するプランジャ4bとから構成されている。このプランジャ4bの上端には、第1の乗りかご3aの下端が固定されている。この第1の乗りかご3aは、油圧ジャッキ4のプランジャ4bの上下動によって直接駆動されるようになっている。
巻上機5は、昇降路2内の上方位置で、且つ第2の乗りかご3bの昇降エリアと昇降路2の壁(図示せず)との間のスペースに設置されている。巻上機5に掛けられたロープ8の一端側は、第2の乗りかご3bのシーブ9を介して昇降路2のヒッチ10に固定されている。巻上機5に掛けられたロープ8の他端側は、釣り合い重り6のシーブ11を介して昇降路2のヒッチ10に固定されている。ここで、巻上機5が駆動されるとロープ8が移動し、このロープ8の移動によって第2の乗りかご3bが駆動されるようになっている。
また、第1の乗りかご3aは、昇降路2の待機スペース2aより上方で、且つエレベータ昇降エリアの下方階のみをサービス階としている。第2の乗りかご3bは、第1の乗りかご3aを待機スペース2aに待機させることにより、エレベータ昇降エリアの全てをサービス階としている。
上記構成において、第1及び第2の乗りかご3a,3b同士が干渉しないように油圧ジャッキ4と巻上機5を駆動制御することによって、第1及び第2の乗りかご3a,3bを単一の昇降路2内で独立に運行させることができる。
この第1の実施の形態では、油圧ジャッキ4は昇降路2のピット7に設置されるため昇降路2を拡大せずに設置でき、巻上機5は昇降路2内に配置されるが第2の乗りかご3bの昇降スペースと昇降路2の壁(図示せず)との間に設置されるため、昇降路2を拡大せずに設置できる。このように、第1及び第2の乗りかご3a,3bの昇降に最低限必要な昇降路の長さに対して昇降路2を拡大することなく、しかも、昇降路2の上方に機械室を設置する必要がないため、昇降路2と機械室を併せたエレベータ設置高さを十分に低くできる。
本実施の形態に係るエレベータ装置では、例えば、鉄道の駅からの出入口のように乗客の流出入が多い階を第1及び第2の乗りかご3a,3bの共通のサービス階とし、そこから下のフロアに向かう乗客を第1の乗りかご3aが担当し、上のフロアに向かう乗客を第2の乗りかご3bが担当するようにすれば、エレベータ装置の運転効率を上げることができる。
また、この第1の実施の形態では、昇降路2内に第1の乗りかご3aの待機スペース2aを設けたことにより、第2の乗りかご3bのサービス階を拡大することができ、第2の乗りかご3bが全階床をサービス階とすることができる。従って、エレベータ装置1Aの運行バリエーションが増加する。例えば、乗客数が少ない時間帯には、第1の乗りかご3aを待機スペース2aに待機させて第2の乗りかご3bのみを運転することができる。このような運転方式を採ることによって、ダブルデッキエレベータの場合に較べて消費電力を約1/2にでき、省エネルギーを実現できる。
この第1の実施の形態では、第1及び第2の乗りかご3a,3bのサービス階は、少なくとも1階分が重なるようにしたことにより、第1の乗りかご3aと第2の乗りかご3bを乗り継いで目的階に行く場合に便利であり、エレベータ装置1Aを利用する乗客のスムーズな移動に寄与する。なお、第1及び第2の乗りかご3a,3bのサービス階は、待機スペース2aを利用することなく1階分が重なるように設定しても同様な効果が得られる。
この第1の実施の形態では、油圧ジャッキ4によって駆動される第1の乗りかご3aは、昇降路2の下方階のみをサービス階としたことにより、油圧ジャッキ4のプランジャ4bで乗りかご3aを直接昇降でき、駆動系を簡略化できる。さらに、上側のかごにはかご上にシーブ9を設置し、下側のかごは油圧ジャッキで駆動することで、かご間の距離を短くすることができるため、隣接する階(例えば、N+1階とN階)を上かごと下かごで同時にサービスすることができる。
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態に係るエレベータ装置1Bの概略構成図である。図2に示すように、第2の実施の形態に係るエレベータ装置1Bは、第1の実施の形態のものと比較して、油圧ジャッキ4の配置位置とその駆動伝達系が異なる。
つまり、油圧プランジャ4は、乗りかご3aの昇降エリアと昇降路2の壁(図示せず)の間のスペースを利用してピット7上に設置されている。油圧シリンダ4のプランジャ4bの先端にはシーブ14が固定されている。昇降路2のピット7に一端が固定されたロープ12がシーブ14に掛けられている。シーブ14に掛けられたロープ12の他端側が乗りかご3aのシーブ15に掛けられた後に昇降路2のヒッチ13に固定されている。
他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施の形態では、油圧ジャッキ4は乗りかご3aの昇降エリアと昇降路2の壁(図示せず)との間のスペースを利用してピット7に設置されるため、昇降路2を拡大せずに設置できる。巻上機(中間部巻上機)5は昇降路2内に配置されるが第2の乗りかご3bの昇降エリアと昇降路2の壁(図示せず)との間に設置されるため、昇降路2を拡大せずに設置できる。以上より、第1の実施の形態と同様に、第1及び第2の乗りかご3a,3bの昇降に最低限必要な昇降路の長さに対して昇降路2を拡大することなく、しかも、昇降路2の上方に機械室を設置する必要がないため、昇降路2と機械室を併せたエレベータ設置高さを十分に低くできる。
(第3の実施の形態)
図3は本発明の第3の実施の形態に係るエレベータ装置1Cの概略構成図である。図3に示すように、第3の実施の形態に係るエレベータ装置1Cは、第1の実施の形態のものと比較して、釣り合い重り6の配置の仕方が異なる。つまり、この第3の実施の形態では、釣り合い重り6が昇降路2の側面にそって昇降するよう配置されている。
他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、第1及び第2の乗りかご3a,3bの昇降に最低限必要な昇降路2の長さに対して昇降路2を拡大することなく、しかも、昇降路2の上方に機械室を設置する必要がないため、昇降路2と機械室を併せたエレベータ設置高さを十分に低くできる。
この第3の実施の形態は、釣り合い重り6を昇降路2の背面側に配置するスペースがなく、昇降路2の側面側に配置するスペースがある場合に適用される。
(第4の実施の形態)
図4は本発明の第4の実施の形態に係るエレベータ装置1Dの概略構成図である。図4に示すように、第4の実施の形態に係るエレベータ装置1Dは、第1の実施の形態のものと比較して、昇降路2内に3台の乗りかご3a,3b,3cが配置されている。
最下位置に配置された第1の乗りかご3aは、第1の実施の形態のものと同様の駆動系で駆動されるため、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
中間に配置された第2の乗りかご3bは、第3の乗りかご3cの昇降エリアと昇降路2の壁(図示せず)との間に配置された巻上機16を駆動力とし、この駆動力をロープ17を介して伝達することによって駆動される。ロープ17は、その両端が昇降路2のヒッチ10にそれぞれ固定されている。この両端固定されたロープ17が第2の乗りかご3bのシーブ18、巻上機16、2箇所のシーブ19,20、釣り合い重り21のシーブ22に掛け渡されている。
最上方に配置された第3の乗りかご3cは、この乗りかご3cの昇降エリアの上方位置に配置された巻上機23を駆動源とし、この駆動力をロープ24を介して伝達することによって駆動される。ロープ24は、その両端が昇降路2のヒッチ10にそれぞれ固定されている。この両端固定されたロープ24が第3の乗りかご3cのシーブ25、巻上機(上部巻上機)23、2箇所のシーブ26,27、釣り合い重り28のシーブ29に掛け渡されている。
この第4の実施の形態では、3台の乗りかご3a,3b,3cを運行させるものにあって、3台の乗りかご3a,3b,3cの昇降に最低限必要な昇降路2の高さに対して巻上機1台分の設置スペースの拡大のみで抑えることができる。以上より、昇降路2を極力拡大させることなく、しかも、昇降路2の上方に機械室を設置する必要ないため、昇降路2と機械室を併せたエレベータ設置高さを低くできる。
(第5の実施の形態)
図5は本発明の第5の実施の形態に係るエレベータ装置1Eの概略構成図である。図5に示すように、第5の実施の形態に係るエレベータ装置1Eは、第1の実施の形態のものと比較して、第2の乗りかご3bを駆動する巻上機5の配置位置とロープ8の掛け方が相違する。
つまり、第2の乗りかご3bの駆動源である巻上機(下部巻上機)5は、昇降路2のピット7に配置されている。巻上機5に掛けられたロープ8の一端側は、昇降路2の上方に配置されたシーブ30と、第2の乗りかご3bのシーブ31に掛け渡されて昇降路2のヒッチ10に固定されている。巻上機5に掛けられたロープ8の他端側は、昇降路2の上方に配置されたシーブ32と、釣り合い重り6のシーブ33を介して昇降路2のヒッチ10に固定されている。巻上機5の駆動でロープ8が移動し、このロープ8の移動によって第2の乗りかご3bが駆動される。
他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
この第5の実施の形態では、油圧ジャッキ4及び巻上機5は昇降路2のピット7に設置されるため、昇降路2を拡大せずに設置できる。以上より、第1の実施の形態と同様に、第1及び第2の乗りかご3a,3bの昇降に最低限必要な昇降路2の長さに対して昇降路2を拡大することなく、しかも、昇降路2の上方に機械室を設置する必要がないため、昇降路2と機械室を併せたエレベータ設置高さを十分に低くできる。
(第6の実施の形態)
図6は、本発明の第6の実施の形態に係るエレベータ装置1Fの概略構成図である。図6に示すように、第6の実施の形態に係るエレベータ装置1Fは、第5の実施の形態のものと比較して、第2の乗りかご3bの上方に第3の乗りかご3aが配置されている。つまり、合計3台の乗りかご3a,3b,3cが昇降路2内に配置されている。
最上方に配置された第3の乗りかご3cは、この乗りかご3cの昇降スペースの上方に配置された巻上機(上部巻上機)34の駆動力を利用し、この駆動力をロープ35によって伝達することによって駆動される。ロープ35は、その両端が昇降路2のヒッチ10にそれぞれ固定されている。この両端固定されたロープ35が第3の乗りかご3cのシーブ36、巻上機34、昇降路2の上方に配置されたシーブ37、釣り合い重り38のシーブ39に掛け渡されている。
また、第3の乗りかご3cには、第2の乗りかご用のロープ8の揺れを防止するロープ揺れ防止部40が設けられている。第2乗りかご用の釣り合い重り6には、第3乗りかご用のロープ35の揺れを防止するロープ揺れ防止部41が設けられている。
昇降路2には、その最下方側に待機スペース2aが設けられていると共に、最上方が側にも待機スペース2bが設けられている。
第1及び第2の乗りかご3a,3bの駆動系を含めた他の構成は、上述の第5の実施の形態と同様であるため、同一符号を付してその説明を省略する。
この第6の実施の形態では、3台の乗りかご3a,3b,3cを運行させるものにあって、3台の乗りかご3a,3b,3cの昇降に最低限必要な昇降路の高さに対して巻上機1台分の設置スペースの拡大のみで抑えることができる。以上より、昇降路2を極力拡大することなく、しかも、昇降路2の上方に機械室を設置する必要がないため、昇降路2と機械室を併せたエレベータ設置高さを低くできる。
この第6の実施の形態では、昇降路2の上方位置にも待機スペース2bを設けたので、第2の乗りかご3bのサービス階を拡大することができる。第2の乗りかご3bが全階床をサービス階とすることができる。従って、エレベータ装置1Fの運行バリエーションが増加する。
この第6実施の形態では、第3の乗りかご3cと第2乗りかご用の釣り合い重り6とにロープ揺れ防止部40,41をそれぞれ設けたので、ロープ8が第3の乗りかご3cや第2乗りかご用の釣り合い重り6に衝突することによる騒音等を防止できる。
(第7の実施の形態)
図7は本発明の第7の実施の形態に係るエレベータ装置1Gの概略構成図である。図7に示すように、第7の実施の形態に係るエレベータ装置1Gは、上述の第6の実施の形態のものと比較して、第2の乗りかご3bと第3の乗りかご3cの駆動系が相違する。
つまり、第2の乗りかご3bは、昇降路2の中間付近で、且つ、当該乗りかご3bの昇降エリアと昇降路2の壁(図示せず)との間のスペースに配置された巻上機(中間部巻上機)43の駆動力を利用し、この駆動力をロープ44によって伝達することによって駆動される。ロープ44は、その両端が昇降路2の中間位置のヒッチ42に固定されている。この両端固定されたロープ44が第2の乗りかご3bのシーブ45、巻上機43、釣り合い重り46のシーブ47に掛け渡されている。つまり、第2の乗りかご3bとその釣り合い重り46間のローピングは、釣り合い重り46の昇降距離と第2の乗りかご3bの昇降距離が同じになるようローピングされている。
第3の乗りかご3cは、当該乗りかご3cの昇降スペースの上方に配置された巻上機(上部巻上機)48の駆動力を利用し、この駆動力をロープ49によって伝達することによって駆動される。巻上機48に掛けられたロープ49の一端は、第3の乗りかご3cに固定されている。巻上機48に掛けられたロープ49の他端側は、昇降路2の上方に配置されたシーブ50、釣り合い重り51のシーブ52に掛け渡された後に昇降路2のヒッチ10に固定されている。つまり、第3の乗りかご3cとその釣り合い重り51間のローピングは、釣り合い重り51の昇降距離が第3の乗りかご3cの昇降距離の1/2になるようローピングされている。
また、第3の乗りかご用の釣り合い重り51は、昇降路2の最上方を昇降エリアとし、第2の乗りかご用の釣り合い重り46は、それより下方を昇降エリアとされている。
他の構成は、上述の第6の実施の形態と同様であるため、同一符号を付してその説明を省略する。
この第7の実施の形態では、3台の乗りかご3a,3b,3cを運行させるものにあって、3台の乗りかご3a,3b,3cの昇降に最低限必要な昇降路2の高さに対して巻上機1台分の設置スペースの拡大のみで抑えることができる。このように、昇降路2を極力拡大することなく、しかも、昇降路2の上方に機械室を設置する必要がないため、昇降路2と機械室を併せたエレベータ設置高さを低くできる。
この第7の実施の形態では、最上方に配置された第3の乗りかご3cと釣り合い重り間のローピングは、釣り合い重り51の昇降距離が第3の乗りかご3cの昇降距離の1/2になるようローピングされ、釣り合い重り51の移動エリアを最上位置に設定したことにより、第3の乗りかご用の釣り合い重り51の移動エリアを小さくできる。従って、昇降路2内で、且つ釣り合い重り51の移動エリアの下方を有効利用できる。そして、この第7の実施の形態では、釣り合い重り51の移動エリアより下方エリアを第2の乗りかご用の釣り合い重り46の移動エリアに利用した。このため、昇降路2内の釣り合い重り用の移動エリアを小さくできる。
(第8の実施の形態)
図8は、本発明の第8の実施の形態に係るエレベータ装置1Hの概略構成図である。図8に示すように、この実施の形態に係るエレベータ装置1Hは、上述の第7の実施の形態のものと比較して、第2の乗りかご3bを駆動する巻上機43の配置位置とロープ44の掛け方が相違する。
つまり、第2の乗りかご3bの駆動源である巻上機(下部巻上機)43は、昇降路2のピット7に設置されている。巻上機43に掛けられたロープ44の一端側は、昇降路2の中間位置に配置されたシーブ53と、第2の乗りかご3bのシーブ54に掛け渡されて昇降路2の中間位置のヒッチ42に固定されている。巻上機43に掛けられたロープ44の他端側は、昇降路2の中間位置に配置されたシーブ55と、釣り合い重り56のシーブ57を介して昇降路2の中間位置のヒッチ42に固定されている。巻上機43の駆動でロープ44が移動し、このロープ44の移動によって第2の乗りかご3bが駆動される。
他の構成は、上述の第7の実施の形態と同様であるため、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
この第8の実施の形態でも、3台の乗りかご3a,3b,3cを運行させるものにあって、3台の乗りかご3a,3b,3cの昇降に最低限必要な昇降路2の高さに対して巻上機1台分の設置スペースの拡大のみで抑えることができる。これにより、昇降路2を極力拡大することなく、しかも、昇降路2の上方に機械室を設置する必要がないため、昇降路2と機械室を併せたエレベータ設置高さを低くできる。
なお、各実施の形態では、昇降路2内に乗りかご3a,3b,3cを2台又は3台配置した場合を説明したが、4台以上の場合にも本発明を同様に適用できることはもちろんである。
本発明の第1の実施の形態に係るエレベータ装置の概略構成図。 本発明の第2の実施の形態に係るエレベータ装置の概略構成図。 本発明の第3の実施の形態に係るエレベータ装置の概略構成図。 本発明の第4の実施の形態に係るエレベータ装置の概略構成図。 本発明の第5の実施の形態に係るエレベータ装置の概略構成図。 本発明の第6の実施の形態に係るエレベータ装置の概略構成図。 本発明の第7の実施の形態に係るエレベータ装置の概略構成図。 本発明の第8の実施の形態に係るエレベータ装置の概略構成図。 従来例のエレベータ装置の概略構成図。 他の従来例のエレベータ装置の概略正面図。 他の従来例のエレベータ装置の概略側面図。
符号の説明
1A〜1H エレベータ装置
2 昇降路
2a,2b 待機スペース
3a 第1の乗りかご(最下位置の乗りかご)
3b 第2の乗りかご(最上位置の乗りかご、又は、最上位置より下方の乗りかご)
3c 第3の乗りかご(最上位置の乗りかご)
4 油圧ジャッキ
5,16,23,34,43,48 巻上機
6,21,28,38,46,51,56 釣り合い重り
7 ピット
8,12,17,24,35,44,49 ロープ

Claims (9)

  1. 単一の昇降路内で複数の乗りかごを昇降させるエレベータ装置であって、
    最下位置に配置された前記乗りかごは、前記昇降路のピットに設置した油圧ジャッキの駆動力によって駆動され、最下位置に配置された前記乗りかごよりも上方に配置された前記乗りかごの1台は、前記昇降路の壁と前記乗りかごの昇降エリアとの間に設置した巻上機の駆動力をロープを介して伝達することによって昇降駆動されることを特徴とするエレベータ装置。
  2. 単一の昇降路内で複数の乗りかごを昇降させるエレベータ装置であって、
    最下位置に配置された前記乗りかごは、前記昇降路のピットに設置した油圧ジャッキの駆動力によって駆動され、最上一に配置された前記乗りかごは、前記昇降路の上方に設置した上部巻上機の駆動力をロープを介して伝達することによって駆動され、残りの前記乗りかごは、昇降路の壁と前記乗りかごの昇降エリアとの間に設置した前記中間部巻上機の駆動力をロープを介して伝達することによって昇降駆動されることを特徴とするエレベータ装置。
  3. 単一の昇降路で複数の乗りかごを昇降させるエレベータ装置であって、
    最下位置に配置された前記乗りかごは、前記昇降路のピットに設置した油圧ジャッキの駆動力によって駆動され、最下位置に配置された前記乗りかごよりも上方に配置された前記乗りかごのうち少なくとも1台は、前記昇降路のピットに設置した下部巻上機の駆動力をロープを介して伝達することによって昇降駆動されることを特徴とするエレベータ装置。
  4. 最下位置に配置された前記乗りかごよりも上方に配置された前記乗りかごが複数あり、且つ最上位置の前記乗りかごは、前記昇降路の上方に設置した上部巻上機の駆動力をロープを介して伝達することによって昇降駆動
    されることを特徴とする請求項3に記載されたエレベータ装置。
  5. 最上位置に配置された前記乗りかごと、釣り合い重りとの間のロープは、前記釣り合い重りの昇降距離が、最上位置に配置された前記乗りかごの昇降距離の1/2になるように設定され、前記釣り合い重りの移動エリアの上端を前記昇降路内の最上位置に設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載されたエレベータ装置。
  6. 最上位置に配置された前記乗りかごの釣り合い重りの移動エリアよりも下方のエリアは、最上位置に配置された前記乗りかごよりも下方に配置された前記乗りかごの釣り合い重りの移動エリアとしたことを特徴とする請求項5に記載されたエレベータ装置。
  7. 最下位置に配置され、且つ前記油圧ジャッキによって昇降駆動される前記乗りかごは、前記昇降路の下方階のみをサービス階としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載されたエレベータ装置。
  8. 上下に隣接する各乗りかごのサービス階は、少なくとも1階分が重なるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載されたエレベータ装置。
  9. 前記昇降路内に、前記乗りかごの待機スペースを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載されたエレベータ装置。
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