JP2006174933A - 滅菌紙 - Google Patents

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弘之 松原
Shinya Izumi
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Abstract

【課題】 熱圧着性を向上させる。
【解決手段】 滅菌袋を形成する際に熱可塑性フィルムが熱圧着され、熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下とすることで、熱圧着の面積を広くする。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱可塑性フィルムが熱圧着されて滅菌袋を形成する滅菌紙に関する。
注射器等の医療器具は、滅菌紙同士を重ね合わせたものや滅菌紙と熱可塑性フィルムとを重ね合わせたものの周囲を熱圧着して形成される滅菌袋に収容される。滅菌袋を用いて医療器具を滅菌する方法としては、例えばガス滅菌や蒸気滅菌、放射線滅菌等がある。
ガス滅菌では、医療器具が収容された滅菌袋を真空容器中に入れて容器内を減圧し、滅菌袋内の空気を排出させた後、エチレンオキサイドガス等を容器内に満たし、滅菌袋内にガスを浸透させることで滅菌処理された医療器具が滅菌袋内に収容された状態となる。蒸気滅菌では、オートクレーブ等を用いて医療器具が収容された滅菌袋を高温の水蒸気に曝し、減圧と加圧とを繰り返して医療器具を滅菌することで、滅菌処理された医療器具が滅菌袋内に収容された状態となる。放射線滅菌は、医療器具が収容された滅菌袋に放射線を放射することにより医療器具が滅菌された状態で滅菌袋に収容された状態となる。
滅菌袋に用いられる滅菌紙には、両更クラフトが用いられており、滅菌袋を形成する際に滅菌紙同士又は熱可塑性フィルムとの熱圧着性を向上させるために両更クラフト中に熱融着繊維を含有させたり、熱圧着される面に熱可塑性樹脂を塗工している。熱融着繊維を含有させたり、熱可塑性樹脂を塗工した滅菌紙を用いた場合には、この熱融着繊維や熱可塑性樹脂によってガスや蒸気の透過性が阻害されてしまう(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−290808号公報
そこで、本発明は、ガスや蒸気の透過性が良好であり、優れた熱圧着性を有する滅菌紙を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明に係る滅菌紙は、滅菌袋を形成する際に熱可塑性フィルムが熱圧着され、熱圧着される面のJIS P 8151に規定するプリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下となっていることを特徴とする。
本発明では、熱可塑性フィルムが熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下であることによって、表面全体に適度な凹凸が形成され、この表面に熱可塑性フィルムを熱圧着すると凹部部分まで熱可塑性フィルムが入り込み、凹凸に沿って熱可塑性フィルムが接着されるようになる。これにより、本発明では、熱可塑性フィルムとの接着面積が広くなり、優れた熱圧着性が得られる。
したがって、従来のように、両更クラフト中に熱融着繊維を含有させたりする必要がないため、ガス等の滅菌用の気体や空気の透過性が悪くなることを防止することができる。
以下、本発明を適用した滅菌紙について図面を参照して詳細に説明する。滅菌紙1は、例えば図1に示すように熱可塑性フィルム2と重ね合わされ、重ね合わせた周囲が熱圧着されることで内部に滅菌処理された医療器具を収容する滅菌袋を形成する。ここで、熱可塑性フィルム2は、特に限定されるものではないが、例えば厚さ12μmのポリエステル(PET)と厚さ30μmのポリプロピレン(PP)とを厚さ3μmのアクリル系粘着剤で貼合わせたポリエステル/ポリプロピレン複合基材である。
滅菌紙1には、例えば針葉樹パルプ(N)と広葉樹パルプ(L)とを混合した木材パルプが用いられている。なお、滅菌紙1には、NとLとを混合した木材パルプの他に、晒木材パルプや他の天然繊維、再生繊維、合成繊維等を含有させてもよい。また、滅菌紙1には、木材パルプ等の他に紙力増強剤や湿潤紙力増強剤等の添加剤が含有されている。
紙力増強剤としては、カチオン系及び両性のポリマー等を用いることができるが、これに限定されず、従来から一般に用いられているものを用いてもよい。湿潤紙力増強剤としては、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂やポリアミドピリアミン・エピクロルヒドリン樹脂等を用いることができるが、これに限定されず、従来から一般に用いられているものを用いてもよい。
滅菌紙1では、詳細を後述するNやLの配合割合や叩解度を調整した紙料を抄紙することで、熱圧着される面に凹凸が形成される。この凹凸は、滅菌紙1をヤンキードライヤーを備えた抄紙機で抄紙し、湿紙を乾燥する際にヤンキードライヤーの表面に強制的に押し当てながら乾燥することによって、熱圧着される面に凹凸が形成される。この凹凸は、湿紙にヤンキードライヤーを押し当てる際の圧力を調整することによって調整される。このような方法により、滅菌紙1は、熱圧着される面の表面粗さがJIS P 8151に規定するプリントサーフ表面粗さで2μm以上、5μm以下となっている。
滅菌紙1では、熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下となっていることによって、図2に示すように、熱圧着される面に熱可塑性フィルム2が熱圧着されると、この熱可塑性フィルム2が凹部1a部分に入り込み、凹凸に沿って熱可塑性フィルム2が接着される。滅菌紙1では、熱可塑性フィルム2が凹部1a部分の底まで入り込むことによって、熱可塑性フィルム2との接着面積が大きくなるため、熱可塑性フィルム2との接着強度が向上する。
一方、プリントサーフ表面粗さが2μmより小さい場合には、図3に示すように、凹凸が小さく、表面がほぼ平坦になるため、凹部1a部分に熱可塑性フィルム2が入り込むが、凹部1a部分の面積が小さいため、滅菌紙1と熱可塑性フィルム2との接着面積が小さくなってしまう。このため、プリントサーフ表面粗さが2μmより小さい場合には、滅菌紙1と熱可塑性フィルム2との熱圧着強度が小さくなり、滅菌紙1と熱可塑性フィルム2とが剥離しやすくなってしまう。
また、プリントサーフ表面粗さが5μmより大きい場合には、図4に示すように、凹凸が大きく、凹部1a部分の深さが深くなり過ぎるため、熱可塑性フィルム2を滅菌紙1に熱圧着した際に熱可塑性フィルム2が凹部1a部分の底まで入り込まなくなってしまう。これにより、プリントサーフ表面粗さが5μmより大きい場合には、滅菌紙1と熱可塑性フィルム2との接着面積が小さくなるため、滅菌紙1と熱可塑性フィルム2との熱圧着強度が小さくなり、滅菌紙1と熱可塑性フィルム2とが剥離しやすくなってしまう。
したがって、滅菌紙1では、熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さを2μm以上、5μm以下とすることによって、熱圧着される面に形成された凹凸の凹部1a部分の底まで熱可塑性フィルム2が入り込み、滅菌紙1と熱可塑性フィルム2との接着面積がプリントサーフ表面粗さを2μmより小さくした場合や5μmより大きくした場合と比べて大きくなるため、高い熱圧着強度を得ることができる。これにより、滅菌紙1では、熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さを調整することで熱圧着強度を高くすることができるため、熱融着繊維や熱可塑性樹脂を用いることなく、熱可塑性フィルム2と熱圧着により滅菌袋を形成することができる。
また、滅菌紙1では、熱融着繊維や熱可塑性樹脂を用いていないため、コストを削減することができる。また、滅菌紙1は、後述するNやLの配合割合や叩解度の調整、ヤンキードライヤーによる乾燥等により熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さを調整することができることから、熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下となるように容易に抄紙することができる。
また、滅菌紙1では、原料にNが70%以上含有されるようにNとLとを混合し、カナディアンスタンダードフリーネス(以下、「叩解度」という。)を300ml以上、400ml以下にする。原料中のNの含有量が70%未満の場合には、滅菌紙1の強度が低く、滅菌時や抄紙時に破れたり、裂けたりといった不具合が生じやすくなる。そこで、滅菌紙1では、原料中のNの含有量を70%以上とすることで、滅菌時や抄紙時に破れたり、裂けたりすることがない強度が得られ、また滅菌袋を開封する際に熱圧着フィルム2と引き剥がされても毛羽立つことを防止することができる。また、滅菌紙1では、Nの含有量が70%以上とすることで、滅菌袋を形成した際に、内部に収容した医療器具等によって破れたりすることを防止することができる。
滅菌紙1では、叩解度が300ml未満の場合、透気度が低下してしまい、滅菌時のガスや蒸気の透過性が悪くなり、適切な滅菌が施されなくなってしまう。一方、叩解度が400mlより大きい場合には、滅菌紙1の乾燥後の強度が低下してしまい、取扱う際に破れたり、裂けたりといった不具合が生じ、表面も毛羽立ちやすくなる。
そこで、滅菌紙1では、叩解度が300ml以上、400ml以下の範囲となるように叩解することで、滅菌時のガスや蒸気の透過性が良好であり、不具合が生じることのない強度が得られるようにしている。更に、滅菌紙1では、叩解度が300ml以上、400ml以下の範囲となるように叩解され、適度な量の湿潤紙力増強剤を含有させることにより、良好な湿潤強度を得ることができる。この湿潤紙力増強剤の配合量は、特に限定するものではなく、目的に応じて適宜調整して行う。
また、滅菌紙1では、米坪が60g/m以上、100g/m以下となるようにし、JIS P 8117に規定する透気度が100秒以下となるように抄紙される。滅菌紙1では、米坪が60g/mよりも小さい場合、強度が低下してしまい、破れたり、裂けたりといった不具合が生じやすくなる。一方、米坪が100g/mより大きい場合には、透気度が高くなり、滅菌時のガスや蒸気の透過性が低下したり、厚みが増すことにより取扱いにくくなる。そこで、滅菌紙1では、米坪を60g/m以上、100g/m以下とすることによって、透過性が良く、破れたり、裂けたりといった不具合が生じることのない強度が得られるようにしている。
また、滅菌紙1では、透気度を原料中のN、Lの混合割合や叩解度、米坪により調整する。透気度が100秒より遅い場合、ガスや蒸気の透過性が悪くなってしまう。そこで、透気度を100秒以下にすることによって、適度な透過性を有するようになり、ガスや蒸気を透過させるが、滅菌処理後に再汚染することを防止している。
以上のように滅菌紙1では、熱可塑性フィルム2と熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下であることから、熱圧着される面に形成された凹凸の凹部1a部分に熱可塑性フィルム2が入り込み、熱可塑性フィルム2との接着面積が広くなり、優れた熱圧着性が得られ、良好な密閉状態とすることができる。また、この滅菌紙1では、熱融着繊維や熱可塑性樹脂を用いずに、熱可塑性フィルム2と熱圧着することができるため、ガスや蒸気を透過性が良く、またコストも削減することができる。また、滅菌紙1では、NやLの配合割合や叩解度の調整、ヤンキードライヤーの平坦な表面を適当な圧力で押し当てて乾燥させることによって熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さを調整することができることから、プリントサーフ表面粗さを2μm以上、5μm以下となるように容易に抄造することができる。
加えて、滅菌紙1では、原料中のNの含有量を70%以上とし、叩解度を300ml以上、400ml以下とすることによって、強度が高く、取扱う際や滅菌袋に収容する収容物等によって、破れたり、裂けたりといった不具合を防止できる。また、この滅菌紙1では、高い強度を有することから、滅菌袋を開封する際等に熱圧着フィルム2が引き剥がされた面が毛羽立つことを防止することができる。
更に、滅菌紙1では、叩解度を300ml以上、400ml以下とし、米坪を60g/m以上、100g/m以下とし、JIS P 8117に規定する透気度を100秒以下とすることによって、高い強度を有し、且つ適度な透過性を有しているため、破れたり、裂けたりする不具合を防止することができると共に、ガスや蒸気の透過が良好である。
以下、本発明の好適な実施例を実験結果に基づいて説明する。
<サンプル1>
サンプル1では、原料中に針葉樹パルプ(N)と広葉樹パルプ(L)とを混合比70%:30%となるように混合し、カナディアンスタンダードフリーネス(以下、叩解度という)350mlに調整した紙料をヤンキードライヤーを備える抄紙機でプリントサーフ表面粗さ4.0μm、米坪65g/m、透気度50秒となるように抄紙し、滅菌紙を作製した。
<サンプル2>
サンプル2では、原料中にNのみを含有し、叩解度400mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ4.3μm、米坪70g/m、透気度30秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル3>
サンプル3では、原料中にNとLとを混合比80%:20%となるように混合し、叩解度350mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ5.0μm、米坪60g/m、透気度60秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル4>
サンプル4では、原料中にNとLとを混合比80%:20%となるように混合し、叩解度300mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ2.0μm、米坪100g/m、透気度100秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル5>
サンプル5では、原料中にNとLとを混合比80%:20%となるように混合し、叩解度300mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ4.0μm、米坪80g/m、透気度70秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル6>
サンプル6では、原料中のNとLとを混合比70%:30%となるように混合し、叩解度350mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ1.9μm、米坪65g/m、透気度60秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル7>
サンプル7では、原料中にNとLとを混合比70%:30%となるように混合し、叩解度360mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ5.1μm、米坪70g/m、透気度70秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル8>
サンプル8では、原料中にNとLとを混合比60%:40%となるように混合し、叩解度380mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ5.5μm、米坪110g/m、透気度110秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル9>
サンプル9では、原料中にNとLとを混合比60%:40%となるように混合し、叩解度280mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ6.0μm、米坪50g/m、透気度105秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル10>
サンプル10では、原料中にNとLとを混合比60%:40%となるように混合し、叩解度350mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ3.0μm、米坪70g/m、透気度70秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル11>
サンプル11では、原料中にNとLとを混合比60%:40%となるように混合し、叩解度290mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ3.5μm、米坪75g/m、透気度110秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル12>
サンプル12では、原料中にNとLとを混合比60%:40%となるように混合し、叩解度410mlに調整した紙料をプリントサーフ表面粗さ3.2μm、米坪70g/m、透気度50秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
<サンプル13>
サンプル13では、原料中にNとLとを混合比80%:20%となるように混合し、叩解度380mlに調整し紙料をプリントサーフ表面粗さ4.5μm、米坪110g/m、透気度105秒となるように抄紙したこと以外はサンプル1と同様に滅菌紙を作製した。
以上のようにして作製したサンプル1〜サンプル14の滅菌紙に対して、熱圧着強度、滅菌時の破れ、表面の毛羽立ちについて評価した。評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2006174933
表1において、熱圧着強度については、厚さ12μmのポリエステル(PET)と厚さ30μmのポリプロピレン(PP)とを厚さ3μmのアクリル系粘着剤で貼合わせた熱可塑性フィルム(ポリエステル/ポリプロピレン複合基材)を滅菌紙の表面に重ね合わせ、1.5kg/cmの荷重のもとで温度180℃に加熱したサーマルヘッドを3秒間押し付けることで、滅菌紙と熱可塑性フィルムとを熱圧着した。そして、引張り速度100mm/min、180度剥離を引張り条件にし、引張り試験機を用いて滅菌紙と熱可塑性フィルムとを引っ張り、滅菌紙と熱可塑性フィルムとの熱圧着強度を測定した。
また、表1において、滅菌時の破れの評価については、先ず、幅350mm、長さ450mmの滅菌紙と、同じ大きさの熱可塑性フィルム(ポリエステル/ポリプロピレン複合基材)とを重ね合わせ、重ね合わせた3辺を上述した熱圧着強度を測定する際に熱圧着した方法と同様の方法で熱圧着し、1辺が開口した滅菌袋を形成した。次に、形成した滅菌袋に医療器具を入れ、開口している1辺を熱圧着した後、この滅菌袋を蒸気圧2.5kg/cm、温度140℃の条件のオートクレーブ内で20分間滅菌処理した時の滅菌紙の状態を目視で評価した。
滅菌時の破れの評価において、滅菌紙に破れや裂け目がなく良好な状態であった場合には、表1中に○印で示し、一部破れが認められた場合には、表1中に△印で示し、破れや裂けが著しい場合には、表1中に×印で示した。
また、表1において、表面の毛羽立ちについては、上述した熱圧着強度の試験と同様の条件及び方法で滅菌紙と熱可塑性フィルムとを熱圧着し、熱圧着強度の試験と同様の条件及び方法の引張り試験機で滅菌紙から熱可塑性フィルムを引き剥がしたときの滅菌紙の表面の毛羽立ちを目視で評価した。
表面の毛羽立ちの評価において、毛羽立ちがなく良好な状態であった場合には、表1中に○印で示し、若干毛羽立ちが認められた場合には、表1中に△印で示し、毛羽立ちが著しかったり、破れてしまった場合には、表1中に×印で示した。
表1に示す結果から、サンプル1〜サンプル5の滅菌紙は、サンプル6〜サンプル9の滅菌紙と比べて、プリントサーフ表面粗さが2.0μm以上、5.0μm以下であり、表面に適度な凹凸が形成されているため、凹部部分に熱可塑性フィルムが入り込み、凹凸に沿って熱可塑性フィルムが接着されるため、熱可塑性フィルムとの接着面積が大きくなった。これにより、サンプル1〜サンプル5では、熱可塑性フィルムとの熱圧着強度が高くなり、熱圧着強度の評価が良好であった。
これに対して、サンプル6では、プリントサーフ表面粗さが1.9μmであり、2.0μmよりも小さいため、滅菌紙の表面の凹凸が小さく、熱可塑性フィルムとの接着面積が小さくなった。これにより、サンプル6では、熱可塑性フィルムとの熱圧着強度が低下し、熱圧着強度の評価が悪くなった。
また、サンプル7では、プリントサーフ表面粗さが5.1μmであり、サンプル8では、5.5μmであり、サンプル9では、6.0μmであり、各サンプルとも5.0μmよりも大きいため、滅菌紙の表面の凹凸が大きく、熱可塑性フィルムを熱圧着すると、凹部部分の底まで熱可塑性フィルムが入り込まず、熱可塑性フィルムとの接着面積が小さくなった。これにより、サンプル7〜サンプル9では、熱可塑性フィルムとの熱圧着強度が低下し、熱圧着強度の評価が悪くなった。
また、表1に示す結果から、サンプル1〜サンプル5の滅菌紙は、プリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下であることに加えて、原料中のNの含有量が70%以上であり、叩解度が300ml以上、400ml以下である。これにより、サンプル1〜サンプル5では、強度が高くなり、滅菌時に破れたり、裂けたりすることがなく、滅菌時の破れの評価が良好であった。また、サンプル1〜サンプル5の滅菌紙では、強度が高いため、熱圧着フィルムを引き剥がしても熱圧着面に毛羽立つが生じることなく、表面の毛羽立ち評価が良好であった。
これに対して、サンプル10は、プリントサーフ表面粗さが3μmであり、2μm以上、5μm以下であるが、原料中のNの含有量が60%であり、70%よりも少ないため、強度が低下し、滅菌時に一部が破れたり、裂けたりし、熱可塑性フィルムを引き剥がすと表面に著しく毛羽立ちが生じた。これにより、サンプル10では、滅菌時の破れの評価及び表面の毛羽立ちの評価が悪くなった。
サンプル11では、プリントサーフ表面粗さが3.5μmであり、2μm以上、5μm以下であるが、原料中のNの含有量が60%であり、70%よりも少なくいため、強度が低下し、滅菌時に一部が破れたり、裂けたりし、表面に著しく毛羽立ちが生じ、滅菌時の破れの評価及び表面の毛羽立ちの評価が悪くなった。更に、サンプル11では、叩解度が290mlであり、300mlよりも小さいため、透気度が110秒となり、透過性が低下した。
サンプル12では、プリントサーフ表面粗さが3.2μmであり、2μm以上、5μm以下であるが、原料中のNの含有量が60%であり、70%よりも少なく、叩解度が410mlであり、400mlよりも高いため、強度が低下し、滅菌時に一部が破れたり、裂けたりし、熱可塑性フィルムを引き剥がすと表面に著しく毛羽立ちが生じた。
また、表1に示す結果から、サンプル1〜5は、熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下であり、原料中のNの含有量が70%以上であり、叩解度が300ml以上、400ml以下であることに加えて、米坪が60g/m以上、100g/m以下であり、透気度が100秒以下であることから、高い強度を有し、滅菌時に破れたり、裂けたりすることがなく、滅菌時の破れの評価が良好であり、熱圧着フィルムを引き剥がしても表面に毛羽立つが生じることなく、表面の毛羽立ち評価が良好であった。また、サンプル1〜5では、透気度が100秒以下であることから、滅菌時のガスや蒸気の透過性が良好となった。
これに対して、サンプル13では、熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さが4.5μmであり、2μm以上、5μm以下であり、原料中のNの含有量が80%であり、70%以上であり、叩解度が380mlであり、300ml以上、400ml以下であるが、米坪が110g/mであり、100g/mよりも大きいことから、透気度が105秒となり、透過性が低下した。
また、サンプル6及びサンプル7は、プリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下の範囲ではないが、原料中のNの含有量が70%であり、70%以上含有され、叩解度が350ml、360mlで300ml以上、400ml以下の範囲であり、米坪が65g/m、70g/mであり、60g/m以上、100g/m以下の範囲であることから、表面の毛羽立ちが一部生じ、透過性も100秒以下であった。
また、サンプル6及びサンプル7に対して、このサンプル6及びサンプル7と同様にプリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下の範囲ではないサンプル8では、原料中のNの含有量が60%であり、70%よりも少ないため、サンプル6及びサンプル7と比べて滅菌時の破れや裂けが著しく、熱可塑性フィルムを引き剥がすと表面に毛羽立ちも著しく生じた。また、サンプル8では、米坪が110g/mであり、100g/m以上であることから、通気度が110秒となり、サンプル6及びサンプル7と比べて透過性が低下した。
また、サンプル9では、原料中のNの含有量が少ないことに加えて、米坪が50g/mであり、60g/mよりも小さいため、サンプル6及びサンプル7と比べて滅菌時の破れや裂けが著しく、表面に毛羽立ちも著しく生じた。また、サンプル9では、叩解度が280mlであり、300mlよりも小さいため、通気度が105秒となり、サンプル6及びサンプル7と比べて透過性が低下した。
以上のように、表面のプリントサーフ表面粗さを2.0μm以上、5.0μm以下し、原料中にNの含有量を70%以上にし、叩解度を300ml以上、400ml以下にし、米坪が60g/m以上、100g/m以下にし、透気度100秒以下とすることによって、高い熱圧着強度が得られ、滅菌時に破れたり、裂けたりすることがなく、表面の毛羽立ちが防止された滅菌紙が得られる。
本発明を適用した滅菌紙と熱可塑性フィルムとを貼り合わせた断面図である。 同滅菌紙と可塑性フィルムとを貼り合わせた部分を拡大した断面図である。 プリントサーフ表面粗さが2.0μmよりも小さい滅菌紙と可塑性フィルムとを貼り合わせた部分を拡大した断面図である。 プリントサーフ表面粗さが5.0μmよりも大きい滅菌紙と可塑性フィルムとを貼り合わせた部分を拡大した断面図である。
符号の説明
1 滅菌紙、1a 凹部、2 熱可塑性フィルム

Claims (3)

  1. 滅菌袋を形成する際に熱可塑性フィルムが熱圧着される滅菌紙において、
    上記熱圧着される面のJIS P 8151に規定するプリントサーフ表面粗さが2μm以上、5μm以下となっていることを特徴とする滅菌紙。
  2. 針葉樹パルプが70%以上含有され、カナディアンスタンダードフリーネスが300ml以上、400ml以下であることを特徴とする請求項1記載の滅菌紙。
  3. 米坪が60g/m以上、100g/m以下であり、JIS P 8117に規定する透気度が100秒以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の滅菌紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019172348A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 旭化成株式会社 ピール適性を有する滅菌包装材料用不織布

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