JP2006174366A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 4箇所に放射スロットを並設してダイバーシティ効果を高めてもアイソレーション特性が良好で小型化も損なわれないアンテナ装置を提供すること。
【解決手段】 略正方形領域2a,2bの一隅どうしを連結した平面視形状を呈する金属平板2の4箇所に対象な位置関係で放射スロット3〜6を開設し、金属平板2の中央部には表面電流どうしの結合を抑制するために透孔15および突出片16を設ける。放射スロット3,4どうしは金属平板2の長手方向に延びる二等分線17に関して線対象に配置され、放射スロット5,6どうしも該二等分線17に関して線対象に配置される。また、これら2組の放射スロット3,4の対と放射スロット5,6の対は金属平板2の短手方向に延びる二等分線18に関して線対象に配置され、各放射スロット3〜6はいずれも略45度の角度をなして直線状に延びる第1スロット部と第2スロット部とからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の放射スロットを並設してダイバーシティアンテナを構成する小型のアンテナ装置に関する。
この種のアンテナ装置の従来例としては、図7に示すように、無線LANカード30の金属ケース31に一対の放射スロット32,33を開設し、各放射スロット32,33がそれぞれマイクロストリップ線路34,35との電磁結合よって給電されるように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。各放射スロット32,33は金属ケース31の外形に沿って延びるL字形状に開設され、放射スロット32の一端と放射スロット33の一端とを対向させているので、これら一対の放射スロット32,33は線対象な配置になっている。マイクロストリップ線路34,35は金属ケース31の内部に収納された回路基板36に形成されて図示せぬ給電回路と接続されており、一方のマイクロストリップ線路34が放射スロット32の給電位置と対向し、他方のマイクロストリップ線路35が放射スロット33の給電位置と対向している。
このように概略構成された従来のアンテナ装置は、マイクロストリップ線路34,35を介した給電によって放射スロット32,33を励振させると、各放射スロット32,33において放射電界が発生して電波が生成される。その際、放射スロット32で生成される電波の偏波方向と、放射スロット33で生成される電波の偏波方向とは異なるので、これら一対の放射スロット32,33によってダイバーシティアンテナを構成すれば、マルチパス等の影響で偏波方向にばらつきが生じる無線LANの信号電波が受信可能となる。
特開2003−234615号公報(第3−4頁、図1)
ところで、前述した従来のアンテナ装置において、放射スロットの数を倍増してダイバーシティ効果を高めることが考えられるが、図7に示す一対の放射スロット32,33をもう1組並設する構成では、装置全体が大型化してしまって現実的ではない。すなわち、共通の導体部材である金属ケース31に複数の放射スロット32,33を並設して励振させると、各放射スロット32,33の周囲を流れる表面電流どうしが結合しやすいため、所望のアイソレーション特性を確保しようとすると、両放射スロット32,33の間隔をあまり狭めることができなくなる。また、L字形状の放射スロット32,33を金属ケース31の外縁近傍に開設することで小型化を促進しようとすると、励振時に各放射スロット32,33で発生する電界が金属ケース31の側面へ回り込んで側方への放射が増大してしまうため、アイソレーション特性を確保するためには各放射スロット32,33を金属ケース31の外縁から十分に離しておく必要がある。したがって、放射スロット32,33と同様の配置で別の一対の放射スロットを金属ケース31に開設するとなると、極めて大型のアンテナ装置になってしまう。
なお、この種のアンテナ装置でアイソレーション特性が良好でないと、送信モードにおいて放射効率が悪くなるだけでなく、受信モードにおいても所望のビームパターンが形成できなくなってしまうので、送受信いずれの性能も低下する。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、4箇所に放射スロットを並設してダイバーシティ効果を高めてもアイソレーション特性が良好で小型化も損なわれないアンテナ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のアンテナ装置では、共通の導体部材の4箇所に開設されて2箇所ずつ対をなしている放射スロットと、これら4箇所の放射スロットをそれぞれ励振するための給電手段とを備え、前記4箇所の放射スロットどうしの位置関係を、対をなす2箇所の放射スロットどうしが第1の対象軸に関して線対象な配置で隣接すると共に、前記第1の対象軸と直交する第2の対象軸に関して相異なる2組の放射スロット対どうしが線対象に配置されるように設定し、かつ、各放射スロットが、一側縁が前記第1の対象軸に隣接する第1スロット部と、該第1スロット部の一端に連通して前記第1の対象軸から離反する向きに延びる第2スロット部とを有していると共に、対をなす一方の放射スロットで生成される電波の偏波方向と他方の放射スロットで生成される電波の偏波方向とが略直交するように設定した。
このように構成されたアンテナ装置は、第1の対象軸を挟んで線対象に並設された一方の放射スロットで生成される電波の偏波方向と他方の放射スロットで生成される電波の偏波方向とが略直交する設定にしてあるため、これら対をなす2箇所の放射スロットどうしの間隔が狭くても良好なアイソレーション特性を確保することができると共に、両放射スロットによって偏波ダイバーシティを構成することができる。しかも、これら対をなす放射スロットは、第1スロット部の一側縁どうしが向き合って第2スロット部が互いに離反する向きに延びるという背中合わせの配置になっているため、各放射スロットのうち少なくとも第1スロット部で発生する電界は側方へ放射されにくく、よってアイソレーション特性の劣化要因とはなりにくい。また、第2の対象軸を挟んで線対象に配置されている2組の放射スロット対によって、スペースダイバーシティを構成することができる。したがって、このアンテナ装置は、アイソレーション特性や小型化を損なわずにダイバーシティ効果を高めることが可能である。
上記の構成において、前記導体部材の外形が同等な大きさの2個の略正方形の一隅どうしを連結した平面視形状を呈し、その中心を通って長手方向に延びる二等分線と短手方向に延びる二等分線がそれぞれ前記第1の対象軸と前記第2の対象軸に合致していると共に、前記各放射スロットの前記第1および第2スロット部のなす角度を略45度に設定して該第1スロット部を前記第1の対象軸に対して平行に配置しておくと、対をなす2箇所の放射スロットは、略正方形の対角線に相当する第1の対象軸を挟んで各第1スロット部が平行に配置されて各第2スロット部が該略正方形の隣り合う2辺に沿って配置されることになるので、装置全体の小型化を飛躍的に促進することができて好ましい。この場合において、各放射スロットが、第1スロット部の第2スロット部と連通している側とは逆側の端部を前記第2の対象軸に向けた配置になっていると、2組の放射スロット対の表面電流どうしの結合が抑制しやすくなるため、一層好ましい。
また、上記の構成において、前記各放射スロットが、前記第2スロット部の前記第1スロット部と連通している側とは逆側の端部に連通して前記略正方形の外縁に沿って延びる第3スロット部を有する場合には、スペースファクタを損なうことなく各放射スロットの共振長を長くすることができるため、さらなる小型化が図れる。この場合において、第3スロット部が前記略正方形の面取り部の外縁に沿って延びていると、前記導体部材を該面取り部の分だけ小さくして装置全体の小型化が促進できる。また、かかる第3スロット部に加えて、各放射スロットが、第1スロット部の第2スロット部と連通している側とは逆側の端部に連通する第4スロット部を有する場合には、スペースファクタを損なうことなく各放射スロットの共振長を一層長くすることができるため、小型化という点で極めて有利な構成を実現できる。
また、上記の構成において、前記導体部材は金属板であっても金属膜であってもよいが、導体部材が金属板からなる場合には、前記第1および第2の対象軸が交差する領域に透孔を開設しておくことによって、相異なる2組の放射スロット対の表面電流どうしの結合を抑制することができるため、アイソレーション特性を向上させるうえで好ましい。その際、前記透孔の周縁を基端として切り起こされた突出片を前記金属板に設けておけば、2組の放射スロット対の表面電流どうしの結合を抑制する効果が高まるため、アイソレーション特性が一層向上する。
また、前記導体部材が金属板からなる場合に、前記各放射スロットの周縁部に前記給電手段として、該放射スロットを幅方向に挟む2箇所を基端として前記金属板の延出部分を折曲してなる2本の金属片を配設し、このうち一方の金属片を給電線路となし他方の金属片を接地線路となしておけば、給電手段を含めたアンテナ装置全体を板金のみによって形成することが可能となるため、製造コストを大幅に低減することができる。
また、前記導体部材が誘電体基板上に形成された金属膜からなる場合には、誘電体による波長短縮効果によって装置全体の小型化が促進できる。
本発明のアンテナ装置は、対をなす2箇所の放射スロットどうしの間隔が狭くても良好なアイソレーション特性を確保することができると共に、これら両放射スロットによって偏波ダイバーシティを構成することができ、また、相異なる2組の放射スロット対によってスペースダイバーシティを構成することもできる。それゆえ、4箇所に放射スロットを並設してダイバーシティ効果を高めても、アイソレーション特性が良好で小型化も損なわれない優れたアンテナ装置を実現できる。
特に、導体部材の外形が同等な大きさの2個の略正方形の一隅どうしを連結した平面視形状を呈し、その中心を通って長手方向に延びる二等分線と短手方向に延びる二等分線とによって4分割される各領域にそれぞれ放射スロットを開設すると共に、各放射スロットの第1および第2スロット部のなす角度を略45度に設定する構成にした場合には、アンテナ装置全体の小型化を飛躍的に促進することができる。
発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の第1実施形態例に係るアンテナ装置の平面図、図2は図1中のA部の構造を示す説明図、図3は該アンテナ装置の放射電界をベクトル表示した説明図、図4は該アンテナ装置のSパラメータを示す特性図である。
図1および図2に示すアンテナ装置は、天板部が金属平板2からなる金属ケース1と、この金属平板2の4箇所に開設された放射スロット3〜6と、各放射スロット3〜6の給電位置からそれぞれ下方へ延出する給電線路7〜10および接地線路11〜14とによって概略構成されており、金属平板2の中央部には透孔15とその切り起こし片である突出片16とが形成されている。
金属ケース1は板金をプレス加工したものであり、金属平板2の各辺から延出する複数の側板部(図示せず)が下向きに折り曲げられている。この金属ケース1は給電回路等の高周波回路を備えた図示せぬ回路基板上に載置されており、金属平板2の外形は同等な大きさの2個の略正方形領域2a,2bの一隅どうしを連結した平面視形状を呈している。
この金属平板2には、一方の略正方形領域2aに放射スロット3,4が開設され、他方の略正方形領域2bに放射スロット5,6が開設されている。放射スロット3,4どうしは、金属平板2の中心を通って長手方向に延びる二等分線17に関して線対象に配置されて偏波ダイバーシティを構成している。同様に、放射スロット5,6どうしも、二等分線17に関して線対象に配置されて偏波ダイバーシティを構成している。また、放射スロット3,4の対と放射スロット5,6の対は、金属平板2の中心を通って短手方向に延びる二等分線18に関して線対象に配置されてスペースダイバーシティを構成している。
略正方形領域2aの2箇所に開設された放射スロット3,4について詳しく説明すると、まず放射スロット3は、二等分線17に隣接して平行に延び一端を透孔15側に向けている第1スロット部3aと、一端が第1スロット部3aの他端に連通されており略正方形領域2aの外縁(図1中の右上辺)に隣接して平行に延びる第2スロット部3bとからなり、両スロット部3a,3bのなす角度は略45度となっている。同様に、放射スロット4は、二等分線17に隣接して平行に延び一端を透孔15側に向けている第1スロット部4cと、一端が第1スロット部4cの他端に連通されており略正方形領域2aの外縁(図1中の右下辺)に隣接して平行に延びる第2スロット部4dとからなり、両スロット部4c,4dのなす角度は略45度となっている。つまり、線対象な位置関係にある放射スロット3と放射スロット4は、第1スロット部3a,4cの一側縁どうしが二等分線17を挟んで向き合って第2スロット部3b,4dが互いに離反する向きに延びるという背中合わせの配置になっており、しかも第2スロット部3b,4dを略正方形領域2aの2辺に沿わせているので、限られた領域に効率良く放射スロット3,4が配置されている。
また、各放射スロット3,4は、第1および第2スロット部の長さの比や給電位置等を適宜選択することにより、励振時に図3にベクトルで示すような電界を発生するように設定されている。すなわち、同図において、放射スロット3の第1スロット部3aで発生する電界はEa、第2スロット部3bで発生する電界はEb、放射スロット4の第1スロット部4cで発生する電界はEc、第2スロット部4dで発生する電界はEdで示されている。ここで、電界EaとEcは向きが略平行で大きさが同等であり、電界EbとEdは向きが略直交して大きさが同等である。そして、電界EaとEbのなす角度(電界EcとEdのなす角度も同じ)がほぼ135度なので、電界EaとEbの大きさの比(電界EcとEdの大きさの比も同じ)がほぼ√2:1となるように設計することによって、放射スロット3の放射電界の合成ベクトルEvの向きと、放射スロット4の放射電界の合成ベクトルEhの向きとが、互いに略直交するようになっている。
なお、略正方形領域2bの2箇所に開設された放射スロット5,6の対は、前記放射スロット3,4の対と二等分線18に関して線対象な配置となっているため、各放射スロット5,6の構成や放射電界について詳細な説明は省略するが、図1に示すように、放射スロット5は第1スロット部5aと第2スロット部5bとからなり、放射スロット6は第1スロット部6cと第2スロット部6dとからなる。そして、放射スロット5の放射電界の合成ベクトルの向きは前記Evの向きと略直交し、放射スロット6の放射電界の合成ベクトルの向きは前記Ehの向きと略直交するようになっている。
金属平板2の中央部に開設された透孔15は、放射スロット3,4に対する給電によって略正方形領域2aを流れる表面電流と、放射スロット5,6に対する給電によって略正方形領域2bを流れる表面電流との結合を抑制するためのものである。この透孔15は二等分線17,18が交差する領域において二等分線18に沿って延びる長孔として穿設されている。また、突出片16は透孔15の周縁を基端として切り起こされた金属片であり、この突出片16を略正方形領域2a,2bの中間地点に配することによって、両領域2a,2bの表面電流どうしの結合は一層弱められている。
図2に示すように、給電線路7と接地線路11は、放射スロット3の第1スロット部3aを幅方向に挟む2箇所を基端として金属平板2の延出部分を下向きに折曲してなる金属片であって、両金属片の下端は前記回路基板に半田付けされている。すなわち、給電線路7の下端は給電回路に接続され、接地線路11の下端はグラウンドに接続されている。他の放射スロット4〜6の給電手段も同様に構成されており、放射スロット4の第1スロット部4cを幅方向に挟む2箇所に給電線路8と接地線路12が配設され、放射スロット5の第1スロット部5aを幅方向に挟む2箇所に給電線路9と接地線路13が配設され、放射スロット6の第1スロット部6cを幅方向に挟む2箇所に給電線路10と接地線路14が配設されている。
このように構成されるアンテナ装置は、給電線路7〜10を介した給電によってそれぞれ放射スロット3〜6が同時に励振されるようになっており、その動作周波数は同じなので、4箇所の放射スロット3〜6から同じ周波数の電波が同時に放射される。このとき、放射スロット3で生成される電波の偏波方向(合成ベクトルEvの振動方向)と、放射スロット4で生成される電波の偏波方向(合成ベクトルEhの振動方向)とは互いに略直交しているため、これら対をなす放射スロット3,4によって偏波ダイバーシティが構成される。同様に、対をなす放射スロット5,6によっても偏波ダイバーシティが構成される。また、放射スロット3,4の対と放射スロット5,6の対が、金属平板2の中心を通って短手方向に延びる二等分線18に関して線対象に配置されているため、所定の間隔を存して並設されたこれら2組の放射スロット対によってスペースダイバーシティが構成される。したがって、このアンテナ装置は、金属平板2の4箇所に対象な位置関係で開設した放射スロット3〜6によって、無線LANなどの信号電波を効果的に受信することができる。
上記の如く本実施形態例に係るアンテナ装置は、略正方形領域2aに開設された放射スロット3,4で生成される電波の偏波方向が互いに略直交すると共に、略正方形領域2bに開設された放射スロット5,6で生成される電波の偏波方向が互いに略直交するように設定してあり、かつ、両領域2a,2bの中間地点に透孔15および突出片16を設けて表面電流どうしの結合を抑制しているため、放射スロット3,4どうしの間隔や放射スロット5,6どうしの間隔が狭くても比較的良好なアイソレーション特性を確保することができる。すなわち、周波数に応じたSパラメータの変化をグラフ化した図4において、実線で示す特性曲線Rは各放射スロット3〜6のリターンロス(S11やS22等)、破線で示す特性曲線I1は対をなす放射スロット3,4どうし(または放射スロット5,6どうし)のアイソレーション(S21やS43)、2点鎖線で示す特性曲線I2は点対称な位置関係にある放射スロット3,6どうし(または放射スロット4,5どうし)のアイソレーション(S41やS32)をそれぞれ示している。同図に明らかなように、対をなす放射スロット3,4どうしの場合(放射スロット5,6どうしの場合も同様)、そのアイソレーションは−25dB以上と極めて良好である。また、点対称な位置関係にある放射スロット3,6どうしの場合(放射スロット4,5どうしの場合も同様)、生成される電波の偏波方向は略平行になってしまうが表面電流どうしの結合は弱いため、そのアイソレーションは−16dB程度に抑えられている。したがって、このアンテナ装置は、金属平板2の4箇所に放射スロット3〜6を配設することによってダイバーシティ効果を著しく高めているだけでなく、良好なアイソレーション特性が確保できるため送受信いずれにおいても高い性能が期待できる。
なお、対をなす放射スロット3,4どうしや対をなす放射スロット5,6どうしのアイソレーションが特に高い他の理由として、例えば放射スロット3,4の場合、第1スロット部3a,4cの一側縁どうしが向き合って第2スロット部3b,4dが互いに離反する向きに延びるという背中合わせの配置になっていることが挙げられる。つまり、第1スロット部3a,4cは略正方形領域2aが小さくなっても、その外縁から十分離れた位置に開設されることになるので、これら第1スロット部3a,4cで発生する電界は側方へ放射されにくく、よってアイソレーション特性の劣化要因とはなりにくい。対をなす放射スロット5,6の場合も同様に、第1スロット部5a,6cで発生する電界はアイソレーション特性の劣化要因とはなりにくい。
そして、このように略正方形領域2aにおいて放射スロット3,4を背中合わせに配置させてその第2スロット部3b,4dを該領域2aの外縁に沿わせ、かつ、略正方形領域2bにおいて放射スロット5,6を背中合わせに配置させてその第2スロット部5b,6dを該領域2bの外縁に沿わせているため、このアンテナ装置は、金属平板2の4箇所に効率よく放射スロット3〜6が配設されていて小型化が実現されている。
また、このアンテナ装置では、各放射スロット3〜6の給電手段として、金属平板2から延出した金属片からなる給電線路7〜10と接地線路11〜14を用いているため、給電手段を含めたアンテナ装置全体を板金のみによって形成することができる。したがって、このアンテナ装置は極めて安価に製造することができる。
なお、上記第1実施形態例では、各放射スロット3〜6が、第1スロット部(例えば3a)の両端部のうち、第2スロット部(例えば3b)と連通している側とは逆側の端部を二等分線18に向けた配置になっているため、略正方形領域2aと略正方形領域2bの表面電流どうしの結合が抑制しやすくなっているが、これとは逆に、第1および第2スロット部が連通している側を二等分線18に向けた配置にしても相応の効果は期待できる。
図5は本発明の第2実施形態例に係るアンテナ装置の平面図であって、図1と対応する部分には同一符号が付してあるため、重複する説明は省略する。
図5に示すアンテナ装置は、各放射スロット3〜6が、第2スロット部3b,4d,5b,6dの先端にそれぞれ第3スロット部3e,4f,5e,6fを有している点が、前述した第1実施形態例と大きく異なっている。すなわち、放射スロット3には、第1および第2スロット部3a,3bに加えて、第2スロット部3bの第1スロット部3aと連通している側とは逆側の端部に連通する短寸な第3スロット部3eが設けられており、この第3スロット部3eは略正方形領域2aの外縁(図5中の左上辺)に沿って延びている。同様に、放射スロット4には第2スロット部4dの先端に、略正方形領域2aの外縁(図5中の左下辺)に沿って延びる短寸な第3スロット部4fが設けられている。また、放射スロット5には第2スロット部5bの先端に略正方形領域2bの外縁(図5中の右上辺)に沿って延びる短寸な第3スロット部5eが設けられており、放射スロット6には第2スロット部6dの先端に略正方形領域2bの外縁(図5中の右下辺)に沿って延びる短寸な第3スロット部6fが設けられている。これにより、スペースファクタを損なうことなく各放射スロット3〜6の共振長を長くすることができるため、アンテナ装置のさらなる小型化が図れる。
図6は本発明の第3実施形態例に係るアンテナ装置の平面図であって、図1および図5と対応する部分には同一符号が付してあるため、重複する説明は省略する。
図6に示すアンテナ装置は、金属平板2の略正方形領域2a,2bが隅部を切除した面取り形状になっている点と、各放射スロット3〜6が第1スロット部3a,4c,5a,6cの先端にそれぞれ第4スロット部3g,4h,5g,6hを有している点とが、前述した第2実施形態例と大きく異なっている。このように略正方形領域2a,2bにそれぞれ面取り部2c,2dを設け、適当な面取り部2c,2dに沿って例えば第3スロット部3e,4f,5e,6fを設ける構成にしてあると、金属平板2を該面取り部2c,2dの分だけ小さくしてアンテナ装置全体の小型化を促進できる。また、各放射スロット3〜6がそれぞれ第3スロット部3e,4f,5e,6fに加えて第4スロット部3g,4h,5g,6hを有する構成にしてあると、スペースファクタを損なうことなく各放射スロット3〜6の共振長を一層長くすることができるため、小型化が一層促進できる。
なお、各放射スロット3〜6を金属板に設ける代わりに、誘電体基板上の金属膜に設けてもよい。その場合、前記二等分線17,18が交差する領域で金属膜にビアホールを設け、該ビアホールをグラウンドに短絡しておけば、前記透孔15や突出片16を設けなくても、略正方形領域2a,2bの表面電流どうしの結合を抑制することができる。また、こうして誘電体基板上の金属膜に各放射スロット3〜6を開設した場合、上述した各実施形態例と比べて製造コストは高くなるものの、誘電体による波長短縮効果によってアンテナ装置全体の小型化が促進しやすくなる。
本発明の第1実施形態例に係るアンテナ装置の平面図である。 図1中のA部の構造を示す説明図である。 第1実施形態例に係るアンテナ装置の放射電界をベクトル表示した説明図である。 第1実施形態例に係るアンテナ装置のSパラメータを示す特性図である。 本発明の第2実施形態例に係るアンテナ装置の平面図である。 本発明の第3実施形態例に係るアンテナ装置の平面図である。 従来例に係るアンテナ装置の平面図である。
符号の説明
2 金属平板
2a,2b 略正方形領域
2c,2d 面取り部
3〜6 放射スロット
3a,4c,5a,6c 第1スロット部
3b,4d,5b,6d 第2スロット部
3e,4f,5e,6f 第3スロット部
3g,4h,5g,6h 第4スロット部
7〜10 給電線路
11〜14 接地線路
15 透孔
16 突出片
17 二等分線(第1の対象軸)
18 二等分線(第2の対象軸)

Claims (11)

  1. 共通の導体部材の4箇所に開設されて2箇所ずつ対をなしている放射スロットと、これら4箇所の放射スロットをそれぞれ励振するための給電手段とを備え、
    前記4箇所の放射スロットどうしの位置関係を、対をなす2箇所の放射スロットどうしが第1の対象軸に関して線対象な配置で隣接すると共に、前記第1の対象軸と直交する第2の対象軸に関して相異なる2組の放射スロット対どうしが線対象に配置されるように設定し、
    かつ、各放射スロットが、一側縁が前記第1の対象軸に隣接する第1スロット部と、該第1スロット部の一端に連通して前記第1の対象軸から離反する向きに延びる第2スロット部とを有していると共に、対をなす一方の放射スロットで生成される電波の偏波方向と他方の放射スロットで生成される電波の偏波方向とが略直交するように設定したことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 請求項1の記載において、前記導体部材の外形が同等な大きさの2個の略正方形の一隅どうしを連結した平面視形状を呈し、その中心を通って長手方向に延びる二等分線と短手方向に延びる二等分線がそれぞれ前記第1の対象軸と前記第2の対象軸に合致していると共に、前記各放射スロットの前記第1および第2スロット部のなす角度を略45度に設定して該第1スロット部を前記第1の対象軸に対して平行に配置したことを特徴とするアンテナ装置。
  3. 請求項2の記載において、前記各放射スロットは、前記第1スロット部の前記第2スロット部と連通している側とは逆側の端部を前記第2の対象軸に向けた配置になっていることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 請求項2または3の記載において、前記各放射スロットが、前記第2スロット部の前記第1スロット部と連通している側とは逆側の端部に連通して前記略正方形の外縁に沿って延びる第3スロット部を有していることを特徴とするアンテナ装置。
  5. 請求項4の記載において、前記第3スロット部が前記略正方形の面取り部の外縁に沿って延びていることを特徴とするアンテナ装置。
  6. 請求項4または5の記載において、前記各放射スロットが、前記第1スロット部の前記第2スロット部と連通している側とは逆側の端部に連通する第4スロット部を有していることを特徴とするアンテナ装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項の記載において、前記導体部材が金属板からなることを特徴とするアンテナ装置。
  8. 請求項7の記載において、前記金属板には前記第1および第2の対象軸が交差する領域に透孔が開設されていることを特徴とするアンテナ装置。
  9. 請求項8の記載において、前記金属板には前記透孔の周縁を基端として切り起こされた突出片が設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項の記載において、前記各放射スロットの周縁部に前記給電手段として、該放射スロットを幅方向に挟む2箇所を基端として前記金属板の延出部分を折曲してなる2本の金属片を配設し、このうち一方の金属片を給電線路となし他方の金属片を接地線路となしたことを特徴とするアンテナ装置。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項の記載において、前記導体部材が誘電体基板上に形成された金属膜からなることを特徴とするアンテナ装置。
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