JP2006171657A - 車両のサウンド制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、吸気音や排気音等の疑似サウンドをスピーカ等から出力する車両のサウンド制御装置において、疑似サウンドの出力による乗員の煩わしさや疲労感を低減することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、疑似サウンドを出力装置9から出力させる車両のサウンド制御装置において、車両1の定常走行状態が所定時間Cbase以上継続した場合に、疑似サウンドの音量VoLを低下させるとともに、その際の車速Vに対するアクセル開度Accpの比αが大きくなるほど音量VoLの低下量を大きくすることにより、乗員が疑似サウンドに不要に曝される期間を低減し、以て乗員の煩わしさや疲労感を低減させることを特徴としている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の吸気音や排気音等の疑似サウンドをスピーカ等から出力させる車両のサウンド制御技術に関する。
近年、自動車等において内燃機関の吸気音や排気音などのサウンドを擬似的に発生させる技術が開発されている。そのような技術としては、電気自動車において乗員が任意に選択した疑似サウンドを車室内のスピーカから出力させる技術(例えば、特許文献1を参照)や、内燃機関を搭載した自動車において機関回転数に同調したサウンドの一次成分と高調波成分の音圧レベルを乗員の好みに応じて加工するとともに、加工されたサウンドを機関負荷に応じた音量でスピーカから出力させる技術(例えば、特許文献2を参照)などが提案されている。また、車両の走行状態や乗員の状態に応じた疑似サウンドをスピーカから出力させようとする技術も提案されている(例えば、特許文献3、4を参照)。
特開平11−288291号公報 特開平1−140199号公報 特開平11−94565号公報 特開2004−90724号公報 特開2000−172281号公報 特開2002−207737号公報
ところで、定常走行時のように同一の走行状態が連続したときには略同一の音色の疑似サウンドが出力されるため、そのような状態が比較的長く続くと乗員に煩わしさや疲労感を与える可能性がある。
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の吸気音や排気音等の疑似サウンドをスピーカ等の出力装置から出力する車両のサウンド制御装置において、疑似サウンドの出力による乗員の煩わしさや疲労感を低減可能な技術を提供することにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、以下のような手段を採用した。すなわち、本発明は、車両に設けられた出力装置から疑似サウンドを出力する車両のサウンド制御装置において、車両の走行状態を判別する走行状態判別手段と、前記走行状態判別手段により定常走行状態が所定時間以上継続していると判別された場合に前記出力装置から出力される疑似サウンドの音量を低下させる音量制御手段と、を備えるようにした。
このように構成された車両のサウンド制御装置では、車両が定常走行状態を所定時間以上継続すると、出力装置から出力される疑似サウンドの音量が自動的に低下させられる。
加速走行時や減速走行時のような過渡時は、走行状態の変化に伴って疑似サウンドの音色等が変化するため、乗員が高揚感や心地良さを感じ易い。しかしながら、定常走行状態が比較的長く継続された場合、すなわち略同一の走行状態が比較的長く継続した場合は、出力装置から出力される疑似サウンドの音色が略同一になるため、乗員に煩わしさや疲労感を与える可能性がある。
これに対し、定常走行状態が所定時間以上継続された場合に、疑似サウンドの音量が自動的に低下させられると、乗員に与える煩わしさや疲労感が低減されるようになる。
その際、音量制御手段は、定常走行状態の継続時間が長くなるにつれて音量を低下させるようにしてもよく、定常走行状態の継続時間が所定時間以上となった時点で疑似サウンドの出力を停止させてもよい。
ところで、車両が定常走行状態となる場合としては、車両が単独で平坦路を走行している場合に限られず、登坂路を走行している場合や、他車を牽引しながら走行している場合も考えられる。車両が登坂路走行時に定常走行状態となった時(以下、登坂路走行状態と記す)或いは車両が他車牽引走行時に定常走行状態となった時(以下、他車牽引走行状態と記す)は、車両の走行速度(車速)に対して車両の駆動源(内燃機関や電動モータ等)に係る負荷(負荷/車速)が高くなる傾向がある。
駆動源の負荷が高くなると、駆動源が実際に発生する音(例えば、吸気音、排気音、燃焼音、内燃機関の作動音、或いは電動モータの作動音など)が大きくなり易い上、疑似サウンドの音量も大きくなり易い。このため、車両が登坂路走行状態或いは他車牽引走行状態にある時は、車両が単独で平坦路を定常走行している時より乗員が煩わしさや疲労感を感じ易い。
そこで、本発明にかかる音量制御手段は、定常走行状態において車速に対する車両駆動源の負荷が高くなるほど、疑似サウンドの音量低下量を大きくするようにしてもよい。これにより、登坂路走行状態や他車牽引走行状態が継続された場合であっても、乗員の煩わしさや疲労感を軽減することが可能となる。
尚、本発明の音量制御手段は、定常走行状態が一定時間以上継続された場合に、疑似サウンドの音量を低下させるのに加え、疑似サウンドの音色を変化させるようにしてもよい。例えば、車両が登坂路走行状態又は他車牽引走行状態にある時は、駆動源が実際に発生する音の低周波成分(こもり音など)及び高周波成分(内燃機関の燃焼音、電動モータの作動音)の音圧レベルが高くなり易い。これに対し、音量制御手段は、疑似サウンドの音色を低周波成分および/または高周波成分の音圧レベルが低い音色へ変更し、或いは、前述した低周波成分や高周波成分と逆位相の周波数成分を疑似サウンドに含めるようにしてもよい。この場合、乗員の煩わしさや疲労感が一層軽減され易くなる。
本発明にかかる車両のサウンド制御装置によれば、疑似サウンドが不要に出力されることを抑制することができ、以て乗員の疲労感や煩わしさ等を低減することが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用する車両の概略構成を示す図である。図1において、車両1のエンジンルーム2には、本発明にかかる車両駆動源としての内燃機関3が配置されるとともに、内燃機関3が発生する音(吸気音、排気音、燃焼音、或いは内燃機関3本体の作動音)を集音するマイク4が配置されている。
車両1の車室(キャビン)5には、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等から構成される算術論理演算回路(ECU)6が配置されている。ECU6は、車速センサ10の出力信号(車速)、アクセルポジションセンサ11の出力信号(アクセル開度)、或いは機関回転数等をパラメータとして内燃機関3の運転状態(燃料噴射量やスロットル開度等)を制御する。
キャビン5には、コントローラ7、アンプ8、及びスピーカ9が配置されている。コントローラ7は、車両1の走行状態に応じた疑似サウンド信号を生成するとともに、生成された疑似サウンド信号をアンプ8にて増幅させた後にスピーカ9から出力させる装置である。
例えば、コントローラ7は、内燃機関3が発生する音(機関発生音)をマイク4により入力する。コントローラ7は、前記機関発生音の特定周波数成分(特定次数成分)の音圧レベルを増減させることにより、機関発生音の音色を変更する。コントローラ7は、音色変更後の機関発生音を疑似サウンドとしてアンプ8へ出力する。
尚、コントローラ7は、コントローラ7に内蔵された記憶装置或いは外部記憶装置に予め記憶されている機関発生音を疑似サウンドとして用いるようにしてもよい。その場合、コントローラ7は、記憶装置から疑似サウンドを読み込むとともに、ECU6から機関回転数信号を入力する。コントローラ7は、疑似サウンドの出力波形が機関回転数に同調するように加工し、加工された出力波形をアンプ8へ出力する。
ところで、車両1が高速道路を走行している場合等には、車両1が同一の走行条件で走行する状態(定常走行状態)が比較的長く継続され易い。車両が定常走行状態にあるときは、内燃機関3の運転状態(負荷や機関回転数)も略一定となるため、疑似サウンドの音色も略同一となる。従って、定常走行状態が継続されると、疑似サウンドが乗員に与える高揚感や心地良さが希薄化し、延いては乗員に煩わしさや疲労感を与える可能性がある。
これに対し、本実施例のコントローラ7は、定常走行状態が所定時間以上継続された場合には、スピーカ9から出力される疑似サウンドの音量を自動的に低下させることにより、乗員に与える煩わしさや疲労感を軽減するようにした。
尚、車両1が定常走行状態となる場合として、車両が単独で平坦路を走行している場合に限られず、車両が登坂路を定常走行している場合や他車を牽引しながら定常走行している場合も想定される。車両が登坂路を定常走行している状態(登坂路走行状態)又は他車を牽引しながら定常走行している状態(他車牽引走行状態)にあるときは、車速が低い割に内燃機関3の負荷(機関負荷)が高くなる傾向がある。
機関負荷が高いときは、実際の機関発生音の音量が大きくなり易い上、疑似サウンドの音量も大きくなり易い。従って、登坂路走行状態や他車牽引走行状態が長時間継続されると、乗員が比較的大きな音量の機関発生音や疑似サウンドに長時間曝されることになるため、車両1が平坦路を単独で定常走行している場合に比べ、乗員が煩わしさや疲労感を感じ易い。
そこで、コントローラ7は、車両1が登坂路走行状態或いは他車牽引走行状態にあるときは、車両1が平坦路を単独で定常走行している場合に比べ、疑似サウンドの音量低下量を大きくする。具体的には、コントローラ7は、定常走行時において車速に対する機関負荷の比が高くなるほど疑似サウンドの音量低下量を多くするようにした。
以下、疑似サウンドの音量制御について図2のフローチャートに沿って説明する。図2は、音量制御ルーチンを示すフローチャートである。この音量制御ルーチンは、予めコントローラ7内の記憶装置に記憶されており、該コントローラ7が一定時間毎に繰り返し実行するルーチンである。
音量制御ルーチンにおいて、コントローラ7は、先ずS101においてECU6から車
速Vとアクセル開度Accpを入力する。
S102及びS103では、コントローラ7は、S101で入力された車速V及びアクセル開度Accpに基づいて、車両1が定常走行状態にあるか否かを判別する。この判別方法としては、S101で入力された車速V及びアクセル開度Accpが本ルーチンの前回の実行時における車速Vold及びアクセル開度Accpoldと各々同一であれば、車両が定常走行状態にあると判定する方法を例示することができる。
但し、車速センサ10及びアクセルポジションセンサ11の出力信号は、車両1が定常走行状態にあっても、センサ自体の検出誤差や駆動輪が路面から受けるトルクの変化(外乱)などによって多少変動する。このため、車両1の走行条件が同一であっても、車速V及びアクセル開度Accpが前回の車速Vold及びアクセル開度Accpoldに一致しないことがある。
そこで、コントローラ7は、前記S101で入力した車速Vと前回の車速Voldとの差の絶対値(=|V−Vold|)が所定値Aより小さく、且つ、前記S101で入力したアクセル開度Accpと前回のアクセル開度Accpoldとの差の絶対値(=|Accp−Accpold|)が所定値Bより小さければ、車両1が定常走行状態にあるとみなすようにした。
尚、前記した所定値A、Bは、車速センサ10及びアクセルポジションセンサ11の各々の検出誤差に基づいて定められた値である。
前記S102及びS103において車両が定常走行状態にあると判定された場合は、コントローラ7は、S104において、カウンタCの値を一つインクリメントする。このカウンタCは、定常走行状態の継続時間を計測するカウンタである。
S105では、コントローラ7は、カウンタCの計測値が所定時間Cbase以上であるか否か、言い換えれば定常走行状態が所定時間Cbase以上継続しているか否かを判別する。
前記S105において否定判定された場合は、コントローラ7は、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、前記S105において肯定判定された場合は、コントローラ7は、S106へ進み、前記車速Vに対する前記アクセル開度Accpの比α(=Accp/V)を演算する。
S106では、コントローラ7は、車速Vとアクセル開度Accpの比αの大きさに基づいて疑似サウンドの出力音量を低下させる。具体的には、コントローラ7は、図3に示すような比αと定常走行状態の継続時間Cと疑似サウンドの音量VoLとの関係を示すマップに基づいて疑似サウンドの出力音量VoLを低下させる。
図3に示すマップでは、疑似サウンドの音量VoLは、定常走行状態の継続時間Cが長くなるほど低くなり、且つ、車速Vとアクセル開度Accpの比αが大きくなるほど低くなるように設定される。
図3に示すマップに従って疑似サウンドの音量VoLが低下させられると、定常走行状態が長時間継続された場合に乗員の煩わしさや疲労感を軽減することが可能となる。特に、車両が登坂路走行状態又は他車牽引走行状態にある場合は、疑似サウンドの音量VoLが速やかに低下させられるため、乗員が比較的大きな音量の機関発生音や疑似サウンドに曝される時間を短くすることができ、乗員の煩わしさや疲労感を軽減し易い。
また、前述したS102及びS103において車両1が定常走行状態にないと判定された場合、すなわち、S102において今回の車速Vと前回の車速Voldとの差の絶対値(=|V−Vold|)が所定値A以上であると判定された場合、又はS103において今回のアクセル開度Accpと前回のアクセル開度Accpoldとの差の絶対値(=|Accp−Accpold|)が所定値B以上であると判定された場合には、コントローラ7は、S108へ進み、カウンタの計測値Cを“0”にリセットして、本ルーチンを終了する。
以上述べた実施例によれば、定常走行状態が継続される場合に疑似サウンドが不必要に大音量で出力されることがなくなるため、疑似サウンドの出力に起因した乗員の煩わしさや疲労感を軽減することが可能となる。
尚、前述した実施例では、音量VoLの低下開始タイミングは、車速Vとアクセル開度Accpの比αの大きさに拘わらず、定常走行状態の継続時間Cが所定時間Cbase以上となったタイミングに固定されているが、図4に示すように、前記した比αが大きくなるほど音量VoLの低下開始タイミングが早くなるようにしてもよい。
このように音量VoLの低下開始タイミングが可変にされると、車速Vに対してアクセル開度Accp(機関負荷)が高くなるほど、音量VoLの低下開始タイミングが早くなる。すなわち、機関発生音が大きくなるほど疑似サウンドの音量VoLが早期に低下させられることになるため、乗員の煩わしさや疲労感を低減し易い。
本発明を適用する車両の概略構成を示す図 音量制御ルーチンを示すフローチャート 定常走行状態の継続時間Cと車速に対するアクセル開度の比αと疑似サウンドの音量VoLとの関係を定めたマップを示す図 定常走行状態の継続時間Cと車速に対するアクセル開度の比αと疑似サウンドの音量VoLとの関係を定めたマップの他の例を示す図
符号の説明
1・・・・・車両
3・・・・・内燃機関(車両駆動源)
4・・・・・マイク
6・・・・・ECU
7・・・・・コントローラ(走行状態判別手段、音量制御手段)
9・・・・・スピーカ(出力装置)

Claims (4)

  1. 車両に設けられた出力装置から疑似サウンドを出力する車両のサウンド制御装置において、
    車両の走行状態を判別する走行状態判別手段と、
    前記走行状態判別手段により定常走行状態が所定時間以上継続していると判別された場合に、前記出力装置から出力される疑似サウンドの音量を低下させる音量制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両のサウンド制御装置。
  2. 請求項1において、前記音量制御手段は、定常走行状態の継続時間が長くなるにつれて音量を低下させることを特徴とする車両のサウンド制御装置。
  3. 請求項1において、前記音量制御手段は、定常走行状態の継続時間が所定時間以上となった時点で疑似サウンドの出力を停止することを特徴とする車両のサウンド制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一において、定常走行状態における車両の走行速度に対する車両駆動源の負荷が高くなるほど音量の低下量を大きくすることを特徴とする車両のサウンド制御装置。
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