JP2006169968A - 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火時期の大幅な遅角と燃焼安定度とを両立させ、冷機時の排気ガス温度の昇温とHC排出量低減とを実現する。
【解決手段】暖機完了状態では、通常の成層燃焼運転および均質燃焼運転を行う。冷機状態では、触媒コンバータの活性化促進とHC排出量低減のために、上死点噴射運転モードとして、噴射開始時期ITSが圧縮上死点前、噴射終了時期ITEが上死点後となるように、上死点を跨いで燃料噴射が行われる。点火時期ADVは、上死点後となる。圧縮上死点では、スワールやタンブルが減衰して微小な乱れが活発化しており、ピストン3の位置変化も少ないので、安定した燃焼を実現できる。燃焼室壁温度が低い冷間始動直後から上死点噴射運転モードとすると、壁流増加により過渡的にHC生成量が大となるので、機関温度が所定温度に達するまでは、上死点噴射運転モードを禁止する。
【選択図】図1

Description

この発明は、筒内に燃料を直接に噴射する筒内直接噴射式火花点火内燃機関に関し、特に、その噴射時期および点火時期の制御に関する。
特許文献1には、排気浄化用の触媒コンバータが活性温度よりも低い未暖機状態にあるときに、圧縮行程中に燃料噴射を行い、かつ、点火時期を圧縮上死点よりも遅角させる技術が開示されている。
特開2001−336467号公報
内燃機関冷機時の触媒の早期活性化を図るべく排気ガス温度を昇温させるとともにHCを低減するためには、点火時期をなるべく大きく遅角させることが望ましいが、点火時期を大幅に遅角すると、燃焼安定度が悪化するため、燃焼安定度の観点から定まるある限界よりも遅角することはできない。特許文献1のような従来の技術では、特に冷機時のような条件下において、安定した燃焼の確保が難しく、燃焼安定度から定まる点火時期の遅角限界が比較的進み側にあり、十分な点火時期の遅角を実現することができない。
本発明は、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置において、所定の運転状態のとき、例えば冷機時のような排気ガス温度の昇温が必要な場合などに、上死点噴射運転モードとして、燃料噴射を、噴射開始時期が圧縮上死点前で噴射終了時期が圧縮上死点後となるように圧縮上死点を跨ぐ期間に行い、かつ、上記噴射開始時期から遅れた圧縮上死点後に点火を行うことを特徴としている。そして、特に、機関温度、例えば冷却水温度や潤滑油温度が所定の低温状態にある間は上記上死点噴射運転モードを禁止するようにしている。
図1は、本発明の上死点噴射運転モードにおける燃料噴射期間および点火時期を筒内圧変化とともに例示したものであり、噴射開始時期ITSが圧縮上死点(TDC)前、噴射終了時期ITEが圧縮上死点(TDC)後となる。その間の噴射期間Tの長さは、噴射量に相当する。点火時期ADVは、圧縮上死点(TDC)後であり、噴射開始時期ITSから所定クランク角(例えば10°CA〜25°CA)遅れた時期となる。この遅れ期間Dは、一般に、燃料噴射弁から点火プラグまでの距離に相関する。
なお、圧縮上死点(TDC)を中心として前半の圧縮上死点前の期間と後半の圧縮上死点後の期間とがほぼ等しくなるように、噴射開始時期ITSおよび噴射終了時期ITEを制御するようにしてもよい。
図2は、内燃機関の1サイクル中のピストンストロークによるピストン位置変化量と燃焼室の体積変化量とを示したものである。図示するように、単位クランク角当たりの変化量は、ストロークの中間位置付近で最も大きく、下死点(BDC)付近ならびに上死点(TDC)付近では、非常に小さい。従って、本発明で燃料噴射を行う圧縮上死点付近は、ピストン位置変化や体積変化が非常に小さく、ピストンの動き等に影響されない安定した場が形成され得る。
また、筒内には、吸気行程において、スワール流やタンブル流といった比較的大きな流れのガス流動が発生し、圧縮行程においても残存しているが、このようなスワール流やタンブル流といった大きな流れは、ピストンが圧縮上死点付近に達して燃焼室が狭小なものとなると、急激に崩壊する。図3は、種々の機関回転数の下での燃焼室内の大きな流れの流速変化を示したものであり、図示するように、回転数に応じた強さのスワール流ないしタンブル流が発生するが、圧縮上死点(360°CA)に達する前に、急激に崩壊する。従って、本発明において圧縮上死点付近で噴射された燃料噴霧は、スワール流やタンブル流のような大きな流れにより動かされることがなく、点火プラグに対し、常に安定した形で噴霧を形成することが可能である。
一方、上記のスワール流やタンブル流といった比較的大きな流れのエネルギは、その流れの崩壊に伴って、微小な乱れへと遷移する。従って、燃焼室内の微小な乱れは、圧縮上死点の直前に、急激に増大する。図4は、図3に示した流れの崩壊に伴って生じる微小な乱れの強さを、流速に換算していわゆる乱れ流速として示したものであり、図示するように、圧縮上死点直前に、乱れが大きく増加する。このような微小な乱れは、燃焼場の活性化に寄与し、燃焼改善作用が得られる。
つまり、燃料が噴射される圧縮上死点付近での燃焼室内の場は、噴霧を動かしてしまうような大きな流れが存在せず、かつ燃焼を活発化させる微小な乱れが多く存在し、しかも、ピストンの動きに対し非常に安定した場となる。従って、圧縮上死点よりも遅角した点火時期でもって、安定した燃焼が可能であり、燃焼安定度の上で制限される点火時期の遅角限界が、より遅角側となる。そのため、点火時期の大幅な遅角により、排気ガス温度を大幅に昇温させることができ、かつHC排出量が低減する。
ここで、上記の上死点噴射運転モードでは、ピストンが上死点付近にあるときに、その狭い筒内へ燃料が噴射されるので、燃焼室壁面つまりシリンダ壁面やピストン冠面に付着する壁流が増加する。そのため、燃焼室壁温度が非常に低い冷間始動直後の間は、この壁流の増加に伴い、逆に未燃HCの生成量が増加する傾向がある。しかも、このような冷間始動直後は、排気系温度も低いことから、排気通路内でのHCの酸化が十分に促進されず、筒内で生じた未燃HCがそのまま外部へ排出され易くなる。
そこで、本発明では、内燃機関の温度が所定の低温状態にある間は上記上死点噴射運転モードを禁止するようにしており、冷間始動の場合、内燃機関がある程度暖まった時点から、上死点噴射運転モードが許可される。これにより、冷間始動直後の壁流増加による過渡的なHC増加が回避される。
また本発明の一つの態様では、内燃機関の冷間始動後、機関温度が所定温度に達したときに上記上死点噴射運転モードを開始するが、上記機関温度が上記所定温度に達する前に、排気系に設けられた触媒コンバータが触媒活性温度に達した場合には、上死点噴射運転モードを行わない。
一方、上記のように点火時期を大幅に遅角させた上死点噴射運転モードにおいては、特許文献1などの従来の技術に比べて、排気温度が非常に高くなるため、仮に、触媒コンバータが完全な冷機状態(外気温に近い状態)にあるときに、機関の始動後直ちに上死点噴射運転モードに移行したとすると、触媒コンバータ内部の温度勾配が非常に急なものとなる。つまり、モノリス型セラミックス触媒担体などの上流側部分のみが急激に高温となり、熱歪が大きくなる懸念が生じる。
本発明では、内燃機関の温度が所定の低温状態にある間は上死点噴射運転モードを禁止し、内燃機関がある程度暖まった時点から上死点噴射運転モードが許可されるので、排気温度が非常に高くなる前に、触媒コンバータが多少余熱された状態となり、熱歪が緩和される。
本発明の一つの態様では、排気系に設けられた触媒コンバータが所定の低温状態にある間は、冷却水温度や潤滑油温度等の機関温度が低温状態である場合と同様に、上記上死点噴射運転モードを禁止する。例えば、触媒コンバータが触媒活性開始温度に達するまで上死点噴射運転モードを禁止する。触媒の活性が僅かでも開始すると、その発熱反応により触媒コンバータが内部から温度上昇しようとするため、上流から触媒コンバータへ流入する排気の温度が非常に高くなったとしても、触媒コンバータの温度勾配は、緩やかなものとなり、過度の熱歪を招来することがない。
この発明によれば、点火時期を圧縮上死点よりも大幅に遅角させた状態で安定した燃焼を得ることができ、例えば内燃機関の冷機時に、排気ガス温度を昇温させて触媒の早期活性化を図ることができるとともに、HC排出量の低減が可能となる。そして、シリンダ壁面等がある程度暖まった状態から上死点噴射運転モードが開始されるので、壁流の増加による過渡的なHCの増加を回避することができる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図5〜図7は、この発明が適用される筒内直接噴射式火花点火内燃機関の一実施例を示しており、特に、図5,図6は、一つの気筒の構成を示し、図7は機関全体のシステム構成を示している。
図5,図6に示すように、シリンダブロック1に形成されたシリンダ2にピストン3が摺動可能に配置されているとともに、シリンダブロック1上面に固定されたシリンダヘッド4と上記ピストン3との間に、燃焼室5が形成されている。上記シリンダヘッド4には、吸気弁6によって開閉される吸気ポート7と、排気弁8によって開閉される排気ポート9と、が形成されている。1つの気筒に対し、一対の吸気弁6と一対の排気弁8とが設けられており、これらの4つの弁に囲まれた燃焼室5天井面中心部に、点火プラグ10が配置されている。また、この実施例では、運転状態によってタンブル流を強化することができるように、吸気ポート7内に、該吸気ポート7内を上下2つの流路に区画する隔壁11が設けられているとともに、その下側の流路を上流端で開閉するタンブル制御弁12が設けられている。当業者には容易に理解できるように、タンブル制御弁12によって下側の流路を閉塞した状態ではタンブル流が強化され、タンブル制御弁12を開いた状態ではタンブル流が弱まる。なお、このタンブル制御弁12は本発明において必ずしも必須のものではなく、省略することも可能であり、また、これに代えて、公知のスワール制御弁を設けるようにしてもよい。
上記シリンダヘッド4の吸気ポート7の下側、より詳しくは一対の吸気ポート7の中間部の位置には、筒内へ燃料を直接噴射する燃料噴射弁15が配置されている。つまり、この燃料噴射弁15は、燃焼室5の吸気弁6側の側部に位置し、平面図上において図示せぬピストンピンと直交する方向に沿って燃料を噴射するように配置されているとともに、図5の断面図上において、斜め下方を指向して配置されている。但し、下方への傾斜角は比較的小さく、つまり水平に近い方向へ燃料を噴射する。
一方、ピストン3の頂部は、ペントルーフ型をなす燃焼室5天井面の傾斜に沿った凸部形状をなしているとともに、その中央部に、平面図上において略矩形をなす凹部16が形成されている。この凹部16の底面は、タンブル流に沿うように、所定の曲率半径の円弧面ないしは円弧に近似した湾曲面をなしている。
図7に示すように、この実施例の内燃機関は、例えば直列4気筒機関であり、各気筒の排気ポート9が接続された排気通路21に、排気浄化用の触媒コンバータ22が設けられており、その上流側に、酸素センサ等の空燃比センサ23が配置されている。また、各気筒の吸気ポート7が接続された吸気通路24は、その入口側に、制御信号により開閉される電子制御スロットル弁25を備えている。上記排気通路21と上記吸気通路24との間には、排気還流通路26が設けられており、その途中に、排気還流制御弁27が介装されている。また、各気筒のタンブル制御弁12は、ソレノイドバルブ28を介して導入される吸入負圧により動作する負圧式タンブル制御アクチュエータ29によって、一斉に開閉される構成となっている。
また、上記燃料噴射弁15には、燃料ポンプ31およびプレッシャレギュレータ32によって所定圧力に調圧された燃料が、燃料ギャラリ33を介して供給されている。従って、各気筒の燃料噴射弁15が制御パルスにより開弁することで、その開弁期間に応じた量の燃料が噴射される。なお、本実施例では、燃圧は常に一定に維持される。また、各気筒の点火プラグ10は、イグニッションコイル34に接続されている。
上記内燃機関の燃料噴射時期や噴射量、噴射率、点火時期等は、コントロールユニット35によって制御される。このコントロールユニット35には、アクセルペダル踏み込み量を検出するアクセル開度センサ30の検出信号や、クランク角センサ36の検出信号、空燃比センサ23の検出信号、冷却水温を検出する水温センサ37の検出信号、等が入力されている。さらに、本実施例では、触媒コンバータ22の温度状態を検出するために、該触媒コンバータ22のモノリス型セラミックス触媒担体の長手方向中央部に配置された触媒温度センサ38を備えている。
上記のように構成された内燃機関においては、暖機が完了した後の状態においては、通常の成層燃焼運転および均質燃焼運転が行われる。
すなわち、低速低負荷側の所定の領域では、通常の成層燃焼運転モードとして、基本的にタンブル制御弁12を閉じた状態の下で、圧縮行程の適宜な時期に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前の時期に点火が行われる。なお、この運転モードでは、圧縮上死点前に必ず燃料噴射が終了する。圧縮行程中にピストン3へ向けて噴射された燃料は、凹部16に沿って旋回するタンブル流を利用して点火プラグ10近傍へ集められ、ここで点火される。そのため、平均的な空燃比がリーンとなった成層燃焼が実現される。
また、暖機完了後の高速高負荷側の所定の領域では、通常の均質燃焼運転モードとして、基本的にタンブル制御弁12を開いた状態の下で、吸気行程中に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前のMBT点において点火が行われる。この場合は、燃料は筒内で均質な混合気となり、基本的に理論空燃比近傍で運転が行われる。
これに対し、内燃機関の暖機が完了していない状態においては、触媒コンバータ22の活性化つまり温度上昇の促進とHC排出量低減のために、基本的に、上死点噴射運転モードとなる。この上死点噴射運転モードでは、前述した図1に示したように、噴射開始時期ITSが圧縮上死点(TDC)前、噴射終了時期ITEが圧縮上死点(TDC)後となり、圧縮上死点を跨いで燃料噴射が行われる。点火時期ADVは、圧縮上死点(TDC)後となり、噴射開始時期ITSから10°CA〜25°CA遅れた時期に点火される。この遅れ期間の間に、燃料噴霧がちょうど点火プラグ10付近に到達し、点火プラグ10付近に可燃混合気を形成するので、確実に着火燃焼に至り、成層燃焼が行われる。このとき、燃料噴射量は、平均的な空燃比が理論空燃比となるように制御される。
本実施例では、上記の燃料噴射時期は、噴射開始時期ITSが所定のクランク角となるように制御され、噴射終了時期ITEは、この噴射開始時期ITSと燃料噴射量(噴射時間)とによって定まる。なお、燃料噴射期間における圧縮上死点前の期間と圧縮上死点後の期間とが等しくなるように、燃料噴射量に基づき、噴射開始時期ITSと噴射終了時期ITEとを求めるようにすることも可能である。
前述したように、この上死点噴射運転モードにおいて燃料が噴射される圧縮上死点付近での燃焼室内の場は、大きな流れの崩壊により噴霧を動かしてしまうような大きな流れが存在せず、かつ大きな流れの崩壊に伴い、燃焼を活発化させる微小な乱れが多く存在し、しかも、ピストンの動きに対し非常に安定した場となる。従って、圧縮上死点よりも遅角した点火時期でもって、安定した燃焼が可能であり、燃焼安定度の上で制限される点火時期の遅角限界が、より遅角側となる。そのため、点火時期の大幅な遅角により、排気ガス温度を大幅に昇温させることができ、かつHC排出量が低減する。
ここで、上記の上死点噴射運転モードにおいては、ピストン3が上死点付近にある状態で燃料が噴射されるため、筒内温度(換言すれば燃焼室壁温度)が非常に低い冷間始動直後の間は、燃料壁流が増加し、逆に未燃HCの生成量が増加する傾向がある。しかも、このような冷間始動直後は、排気系温度も低いことから、排気通路内でのHCの酸化が十分に促進されず、筒内で生じた未燃HCがそのまま外部へ排出され易くなる。
図10は、このような冷間始動後のHC生成量(いわゆるエンジン・アウトHC)の特性を触媒温度や機関温度(冷却水温度や潤滑油温度)の変化とともに示したものであり、つまり、冷間始動後、直ちに上死点噴射運転モードを開始した場合の特性を例示している。図示するように、始動後の時間経過に伴って機関温度は徐々に上昇し、かつ、触媒コンバータ22の触媒温度も、上死点噴射運転モードにより効果的に暖められた後、触媒活性が開始して速やかに上昇していくが、HC生成量は、筒内温度が非常に低い冷間始動直後の間は、壁流増加によって非常に大であり、その後、機関温度の上昇に伴って減少する。
そこで、本実施例では、図8に示すように、冷間始動後、機関温度(冷却水温度もしくは潤滑油温度)が所定温度T1に達するまでは、上死点噴射運転モードを禁止し、冷機時の通常制御を行う。この冷機時の通常制御は、壁流増加を伴わずにある程度の排気温度上昇を行うためのものであり、例えば、吸気行程中に燃料噴射を行うとともに、圧縮上死点前のMBT点よりも遅れた時期に点火を行う。あるいは、吸気行程噴射に加えて圧縮行程噴射を行うようにしてもよい。機関始動時に触媒コンバータ22が完全な冷機状態にあった場合、この冷機時の通常制御によって、触媒コンバータ22は徐々に暖められる。
上記のような冷機時の通常制御では、上死点噴射運転モードに比べて壁流が少なくなるので、始動直後のHC生成量は、図10の例に比べて減少する。
そして、機関温度が所定温度T1に達したら、上述した上死点噴射運転モードを開始する。これにより排気温度は急激に高くなり、触媒コンバータ22が加熱される。さらに触媒活性が開始することにより、触媒コンバータ22の温度は、速やかに昇温する。
HC生成量は、上死点噴射運転モードに移行した直後に僅かに上昇するが、図10の場合と同様に、機関温度の上昇に伴って速やかに減少する。
触媒温度センサ38によって検出される触媒コンバータ22の温度が、触媒活性温度に相当する所定温度T2に達したら、上死点噴射運転モードを終了し、暖機後の通常制御、つまり前述した暖機後の均質燃焼運転モードもしくは成層燃焼運転モードに移行する。
なお、図9に示すように、内燃機関の始動後、機関温度が所定温度T1に達する前に、触媒コンバータ22の温度が所定温度T2に達した場合には、上死点噴射運転モードは実行せずに、暖機後の通常制御に移行する。
このように、上記実施例では、冷間始動後、機関温度が所定温度T1に達してから上死点噴射運転モードに移行するので、機関温度が低い冷間始動直後における壁流増加に起因した過渡的なHCの増加を回避することができる。そして、上死点噴射運転モードに移行すれば、非常に高い排気温度が与えられ、触媒コンバータ22は速やかに温度上昇していくので、最終的な目標である触媒が活性化するまでの所要時間は、図10のように当初から上死点噴射運転モードとした場合と殆ど大差のないものとなる。
また、上死点噴射運転モードは排気温度が非常に高く得られることから、触媒コンバータ22が完全な冷機状態にある始動直後から上死点噴射運転モードを実行すると、触媒コンバータ22の熱歪の懸念がある。これに対し、本実施例では、上死点噴射運転モード開始前に触媒コンバータ22がある程度暖められ、その後、上死点噴射運転モードとなるので、上死点噴射運転モードにより触媒完全活性までの所要時間を短縮しつつ触媒コンバータ22の熱的劣化が抑制される。
なお、熱歪をより確実に抑制するために、触媒コンバータ22の触媒温度が、第2の所定温度(例えば触媒活性開始温度)に達するまでは、上死点噴射運転モードを禁止するようにしてもよい。つまり、機関温度が所定温度T1以上であり、かつ、触媒温度が第2の所定温度以上のときに、上死点噴射運転モードが開始される。触媒が活性し始めると、反応熱によりモノリス触媒担体の内部から温度上昇しようとするため、上死点噴射運転モードにより触媒コンバータ22上流側から非常に高温の排気が流入しても、モノリス触媒担体の前後温度差が大きくならず、熱歪によるモノリス触媒担体の破損や劣化を確実に防止することができる。
本発明の燃料噴射期間および点火時期の一例を示した特性図。 サイクル中のピストン位置変化量と体積変化量の特性図。 大きな流れのサイクル中の変化を示す特性図。 微小な乱れのサイクル中の変化を示す特性図。 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の一実施例を示す断面図。 同じく平面図。 この内燃機関全体のシステム構成を示す構成説明図。 冷間始動後の機関温度、触媒温度およびHC生成量の変化を示したタイムチャート。 触媒温度が先に所定温度T2に達した場合のタイムチャート。 始動直後から上死点噴射運転モードとした場合の参考例を示すタイムチャート。
符号の説明
3…ピストン
5…燃焼室
10…点火プラグ
15…燃料噴射弁
37…水温センサ
38…触媒温度センサ

Claims (5)

  1. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置において、所定の運転状態のときに、上死点噴射運転モードとして、燃料噴射を、噴射開始時期が圧縮上死点前で噴射終了時期が圧縮上死点後となるように圧縮上死点を跨ぐ期間に行い、かつ、上記噴射開始時期から遅れた圧縮上死点後に点火を行うように構成するとともに、機関温度が所定の低温状態にある間は上記上死点噴射運転モードを禁止することを特徴とする筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  2. 点火時期が、噴射開始時期から10°CA〜25°CA遅れた時期であることを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  3. 所定の運転状態として、排気ガス温度の昇温が要求されたときに、上記上死点噴射運転モードを実行することを特徴とする請求項1または2に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  4. 排気系に設けられた触媒コンバータが所定の低温状態にある間は、同じく上記上死点噴射運転モードを禁止することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  5. 内燃機関の冷間始動後、機関温度が所定温度に達したときに上記上死点噴射運転モードを開始するとともに、上記機関温度が上記所定温度に達する前に、排気系に設けられた触媒コンバータが触媒活性温度に達した場合には、上死点噴射運転モードを行わないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
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