JP2006169401A - 改質プラント及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質処理設備のランニングコストを抑える。
【解決手段】添加剤である水酸化ナトリウム(NaOH)を処理対象物と混合させる混合器1と、該混合器によって水酸化ナトリウム(NaOH)が混合された処理対象物を水熱反応によって脱硫する脱硫反応器4と、該脱硫反応器の処理物から油分を改質燃料として分離する油分分離器8と、該油分分離器から取り出された硫化ナトリウム(NaS)を酸化反応させ、硫酸ナトリウム(NaSO)を生成する酸化反応器9と、該酸化反応器9によって生成された硫酸ナトリウム(NaSO)を所定の水酸化合物と反応させて水酸化ナトリウム(NaOH)を生成させ、上記混合器へと供給する添加剤生成器10を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、改質プラント及び方法に関する。
例えば特開2000−212573号公報には、流動性が低く、かつ硫黄含有量が多いために、そのまま燃焼させることが困難な粗悪燃料(処理対象物)の改質処理技術が開示されている。この技術は、水熱反応器を2段構成とし、粗悪燃料を前段で軽質化した後、
後段で脱硫黄することによって改質するものであり、従来、個別の処理として行われていた粗悪燃料の軽質化処理と脱硫処理とを一連の処理設備として実現することにより、低コスト及び処理効率の向上を図るものである。
特開2000−212573号公報
しかしながら、上記従来技術では、設備面では低コスト化を図れるが、粗悪燃料に添加剤として加える必要のある水酸化ナトリウム(NaOH)が高額なためランニングコストが高いという問題がある。上記処理設備のランニングコストにおいて、水酸化ナトリウムのコストは大きなウエイトを占めている。従って、この水酸化ナトリウムのコストをいかに抑えるかが上記処理設備の運用上の問題として重要な課題となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、処理対象物を改質する設備のランニングコストを抑えることを目的とするものである。
第1の発明は、添加剤である水酸化ナトリウム(NaOH)を処理対象物と混合させる混合器と、該混合器によって水酸化ナトリウム(NaOH)が混合された処理対象物を水熱反応によって脱硫する脱硫反応器と、該脱硫反応器の処理物から油分を改質燃料として分離する油分分離器と、該油分分離器から取り出された硫化ナトリウム(NaS)を酸化反応させ、硫酸ナトリウム(NaSO)を生成する酸化反応器と、該酸化反応器によって生成された硫酸ナトリウム(NaSO)を所定の水酸化合物と反応させて、水酸化ナトリウム(NaOH)を生成し、上記混合器へと供給する添加剤生成器とを具備する改質プラントである。
第2の発明は、上記第1の発明において、脱硫反応器と油分分離器との間に、脱硫反応器の処理物をより高温の処理温度の水熱反応によって低粘度化する低粘度化反応器を具備する改質プラントである。
第3の発明は、上記第2の発明において、低粘度化反応器の処理物と脱硫反応器に供給される処理対象物とを熱交換することにより、脱硫反応器に供給される処理対象物を予熱する熱交換器を具備する改質プラントである。
第4の発明は、上記第1〜3の発明において、酸化反応器として、曝気槽を用いる改質プラントである。
第5の発明は、上記第1〜4の発明において、水酸化合物として水酸化カルシウム(Ca(OH))を用いる改質プラントである。
第6の発明は、上記第1〜5の発明において、処理対象物に揮発性のpH調整剤としてアンモニア(NH)を添加する改質プラントである。
第7の発明は、上記第1〜6の発明において、処理対象物として石油アスファルトを用いる改質プラントである。
第8の発明は、混合器によって添加剤である水酸化ナトリウム(NaOH)を混合した処理対象物を水熱反応によって脱硫処理し、該脱硫処理の処理物から油分を改質燃料として分離処理し、該分離処理から取り出された硫化ナトリウム(NaS)を酸化反応させ、硫酸ナトリウム(NaSO)を生成し、該酸化反応によって生成された硫酸ナトリウム(NaSO)を水酸化合物と反応させ、水酸化ナトリウム(NaOH)を生成し、上記混合器へと供給する改質方法である。
第9の発明は、上記第8の発明において、脱硫処理の後、より高温の処理温度の水熱反応によって低粘度化処理をした後、油分を改質燃料として分離する改質方法である。
第10の発明は、上記第9の発明において、低粘度化処理の処理物と脱硫処理に供される処理対象物とを熱交換することにより処理対象物を予熱する改質方法である。
第11の発明は、上記第8〜10の発明において、曝気槽を用いて硫化ナトリウム(NaS)を酸化反応させる改質方法である。
第12の発明は、上記第8〜11の発明において、水酸化合物として、水酸化カルシウム(Ca(OH))を用いる改質方法である。
第13の発明は、上記第8〜12の発明において、処理対象物に揮発性のpH調整剤としてアンモニア(NH)を添加する改質方法である。
第14の発明は、上記第8〜13の発明において、処理対象物として石油アスファルトを用いる改質方法である。
本発明によれば、処理対象物を改質処理した結果として得られる硫化ナトリウムを用いて、水酸化ナトリウムを生成し、該水酸化ナトリウムを処理対象物の脱硫に必要な添加剤として用いるので、外部から取得すべき水酸化ナトリウムの量を削減することができる。
また、硫化ナトリウムから水酸化ナトリウムを生成するためのコストは、簡単な処理によって水酸化ナトリウムを生成することができるので、外部から水酸化ナトリウムを取得する場合のコストよりも低い。従って、水酸化ナトリウムに要するコストを従来よりも削減することができるので、トータルとしてランニングコストを低減すること可能である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は、非在来型石油資源の1つである石油アスファルトを処理対象物とするものであり、重金属に加えて硫黄分をも分離除去した改質燃料を得るためのものである。処理対象物としての石油アスファルトは、高粘度であると共に燃料として利用する場合に不要となる硫黄分及び重金属(例えばニッケルNiやバナジウムV)を含んでいる。
図1は、本実施形態における非在来型石油資源改質プラントのシステム構成図である。
この図に示すように、本改質プラントは、混合器1、加圧ポンプ2、第1熱交換器3、脱硫反応器4、低粘度化反応器5、第2熱交換器6、圧力調節弁7、油分分離器8、曝気槽(酸化反応器)9、及び添加剤生成器10等から構成されている。
混合器1は、添加剤としての水酸化ナトリウム(NaOH)が含まれた水(すなわち水酸化ナトリウム水)を処理対象物としての石油アスファルトXに加熱しつつ混合させると共に、揮発性のpH調整剤としてのアンモニア(NH)を石油アスファルトXに混合させるものである。より具体的には、混合器1は、25°C、1気圧(atm)、1ton/hで供給される石油アスファルトXと25°C、1気圧(atm)、10ton/hで供給される水酸化ナトリウム水、アンモニア水とを682.5×10kcal/hの熱量で加熱しつつ攪拌することにより混合させて加圧ポンプ2に供給する。ここで、混合器1によって処理対象物に混合される水酸化ナトリウムは、外部から供給されたものと、添加剤反応器10から供給されたものからなる。
すなわち、本改質プラントでは、石油アスファルトXに対して約10倍(重量比率)となる多量の水を添加する。なお、上記水酸化ナトリウム水における水酸化ナトリウムの濃度(NaOH濃度)は7g/l(グラム/リットル)である。このような添加剤としての水酸化ナトリウムは、脱硫反応器4及び低粘度化反応器5における各反応を促進させるためのものである。また、アンモニア水を添加することによる石油アスファルトXのpHはpH10以上(好ましくはpH11程度)に調整される。
加圧ポンプ2は、混合器1から90°C、1気圧(atm)、11ton/hで供給される水添加石油アスファルトX1(水及び水酸化ナトリウムが添加されたもの)を380atmまで加圧して第1熱交換器3に出力する。第1熱交換器3は、水混合石油アスファルトX1を378°Cまで加熱して脱硫反応器4に供給するものである。より具体的には、第1熱交換器3は、加圧ポンプ2から供給された水混合石油アスファルトX1と低粘度化反応器5から排出される低粘度石油アスファルトX3とを熱交換することにより、水混合石油アスファルトX1を378°Cまで加熱する。
脱硫反応器4は、上記第1熱交換器3から供給された水混合石油アスファルトX1をさらに加熱することにより石油アスファルトXから硫黄分を除去(脱硫)し、脱硫石油アスファルトX2として低粘度化反応器5に供給するものである。この脱硫反応器4は、水混合石油アスファルトX1に1440×10kcal/hの熱量を加えて430°Cまで加熱することにより水分を超臨界水状態とする。そして、この超臨界水によって石油アスファルトXから硫黄分を脱離させる。なお、この硫黄分の脱離における上記アンモニア水の効果については後で詳しく説明する。
低粘度化反応器5は、脱硫反応器4から供給される脱硫石油アスファルトX2をさらに加熱することにより脱硫石油アスファルトX2を低粘度化し、低粘度石油アスファルトX3として第1熱交換器3に供給するものである。この低粘度化反応器5は、脱硫石油アスファルトX2に1300×10kcal/hの熱量を加えて480°Cまで加熱することにより水分をさらに高温の超臨界水状態とし、この高温の超臨界水によって脱硫石油アスファルトX2を軽質化して粘度を低下させる。
第1熱交換器3は、上記低粘度化反応器5から供給された低粘度石油アスファルトX3を325°Cまで冷却して第2熱交換器6に供給する。第2熱交換器6は、低粘度石油アスファルトX3から2740×10kcal/hの熱量を奪うことにより90°Cまで冷却して圧力調節弁7に供給する。すなわち、第2熱交換器6は、90°C、380atmの低粘度石油アスファルトX3を11ton/hの流量で圧力調節弁7に供給する
圧力調節弁7は、このような低粘度石油アスファルトX3を1atmに減圧して油分分離器8に供給する。油分分離器8は、低粘度石油アスファルトX3から油分と水分と固形物(硫化ナトリウム)を分離して、油分を外部に排出し、水分と固形物(硫化ナトリウム)を曝気槽9へ供給するものである。より具体的には、油分分離器8は、90°C、1atm、10ton/hの水分と、90°C、1atm、0.4ton/hの固形物である硫化ナトリウム(NaS)を曝気槽9へ供給し、90°C、1atm、0.6ton/hの油分X4を排出する。この油分X4は、硫黄含有率及び粘度においてA重油と同等の性状を持つ改質燃料である。
曝気槽9は、上記油分分離器8から供給された水と硫化ナトリウム(NaS)の混合物を空気を用いて酸化して、硫酸ナトリウム(NaSO)を生成し、添加剤生成器10に供給する。
添加剤生成器10は、上記曝気槽9より供給された硫酸ナトリウム(NaSO)と、水酸化合物の1つである水酸化カルシウム(Ca(OH))とを反応させて、水酸化ナトリウム(NaOH)と硫酸カルシウム(CaSO)を生成し、水酸化ナトリウムを混合器1に供給する。ここで、硫酸カルシウム(CaSO)は外部に排出される。
次に、このように構成された本改質プラントの動作について、図2〜図5をも参照して詳しく説明する。
本改質プラントでは、石油アスファルトXは、混合器1で水酸化ナトリウム水が混合されることによって水混合石油アスファルトX1となる。この水混合石油アスファルトX1は、石油アスファルトXと水酸化ナトリウム水との重量比率が1対10に設定されており、水分比率が極めて高いものである。このような水混合石油アスファルトX1は、加圧ポンプ2によって380atmまで加圧された後、第1熱交換器3を経由して脱硫反応器4に供給される。
すなわち、加圧ポンプ2から出力された90°Cの水混合石油アスファルトX1は、第1熱交換器3において480°Cの低粘度石油アスファルトX3と熱交換することによって378°Cまで予熱される。つまり、水混合石油アスファルトX1は、第2熱交換器6によって冷却されるばかりの低粘度石油アスファルトX3が有する利用性のない熱量を利用して予熱される。このような予熱によって、脱硫反応器4で水混合石油アスファルトX1に加える熱量を節約することが可能であり、よって石油アスファルトXの改質に要する消費エネルギーを節約できる。
そして、このような水混合石油アスファルトX1は、脱硫反応器4で脱硫処理された後に低粘度化反応器5で低粘度化処理される。このような脱硫処理と低粘度化処理の順番は、上述した従来技術と明確に相違する点である。従来技術では、低粘度化処理の後でなければ十分な脱硫率が得られないという観点から、低粘度化処理の後に脱硫処理を行っている。しかしながら、本改質プラントでは、処理対象物である石油アスファルトXに対する水分の充填率(水充填率)を従来よりも飛躍的に大きくした超臨界水を用いることにより十分な脱硫率を得ている。
図2〜図5は、脱硫反応器4における脱硫率の各パラメータに対する依存性(実験結果)を示すグラフである。図2は、上記水充填率に対する脱硫率の依存性を示している。この実験結果は、脱硫反応器4内における水充填率が40%以上あれば30%以上の脱硫率が得られることを示している。石油アスファルトXの場合、30%の脱硫率が可能になれば、A重油並の硫黄含有率となる。
続いて、図3は、脱硫反応器4における処理温度に対する脱硫率の依存性を示している。この実験結果によれば、処理温度を430°Cに設定すれば、30%の脱硫率が十分に得られることが分かる。また、図4は、上述したNaOH濃度に対する脱硫率の依存性を示している。本実施形態では、NaOH濃度を3mol/l(モル/リットル)としたが、この実験結果によれば、1.5mol/l(モル/リットル)程度から脱硫率が飽和することが分かる。
このように、脱硫反応器4における水充填率を従来よりも飛躍的に大きく設定することにより、石油アスファルトXに対して十分な脱硫率が得られる。石油アスファルトXは非在来型石油資源の中でも脱硫し難いものである。したがって、石油アスファルトXについて十分な脱硫率が得られたので、他の非在来型石油資源についても十分な脱硫率が得られる。
さらに、図5は、脱硫率のアンモニア(NH)濃度に対する依存性を示す実験結果である。このグラフは、NaOH濃度を7g/L(グラム/リットル)、12g/L(グラム/リットル)、15g/L(グラム/リットル)、また39g/L(グラム/リットル)に設定した場合において、NH濃度を0.001mg/L(ミリグラム/リットル)〜1000mg/L(ミリグラム/リットル)に亘って変化させた場合に、NaOH濃度が比較的低濃度の領域において、アンモニア(NH)という揮発性のpH調整剤で石油アスファルトXのpHを調整することによって脱硫率が顕著に向上することを示している。
すなわち、NaOH濃度を比較的高濃度の39g/L(グラム/リットル)とした場合、脱硫率は、NH濃度を変化させても大きな変化を見せない。しかしながら、NaOH濃度を15g/L(グラム/リットル)、12g/L(グラム/リットル)及び7g/L(グラム/リットル)に設定した場合には、NH濃度が約1mg/L(ミリグラム/リットル)以上の領域(つまりpH10以上の領域)において、脱硫率はNH濃度の増加に応じて徐々に上昇する。
この実験結果は、水酸化ナトリウム(NaOH)のような固形のpH調整剤ではなく、アンモニア(NH)という揮発性のpH調整剤を用いて石油アスファルトXのpHを10以上に設定することによって、脱硫反応器4における脱硫率を大幅に向上させ得ることを示している。これは、脱硫反応器4内では、水蒸気(気体)的な性質を有する超臨界水によって石油アスファルトXからの硫黄分の離脱処理が行われるので、揮発性を有することにより脱硫反応器4内で気化するアンモニア(NH)をpH調整剤として用いることにより、硫黄分の離脱がより一層促進されるものと考えられる。
例えば、70%以上の脱硫率を実現するためには、NaOH濃度を比較的高濃度の39g/L(グラム/リットル)に設定する必要があることを示しているが、NHを添加することで石油アスファルトXのpHを10以上に設定することによりNaOH濃度を39g/L(グラム/リットル)の半分以下の15g/L(グラム/リットル)の場合であっても、70%以上の脱硫率を実現することが可能であり、水酸化ナトリウム(NaOH)の使用量を抑えることができる。従って、NHをpH調整剤として添加することで、
ランニングコスト低減に寄与できる。
さて、このように脱硫反応器4において十分に脱硫された脱硫石油アスファルトX2は、処理温度が480°Cに設定された低粘度化反応器5において低粘度化されて第1熱交換器3に供給される。すなわち、本改質プラントでは、処理温度が低粘度化反応器5よりも低温の脱硫反応器4で脱硫処理した後に、低粘度化反応器5で軽質化処理するので、低粘度化反応器5では、脱硫石油アスファルトX2の熱量を有効利用して480°Cの処理温度を実現することが可能であり、これによっても石油アスファルトXの改質に要する消費エネルギーを節約できる。
また、このようにしてエネルギー効率良く改質処理された低粘度石油アスファルトX3は、第1熱交換器3及び第2熱交換器6で冷却され、さらに圧力調節弁7で大気圧まで減圧された後、油分分離器8によって油分X4と固形分としての硫化ナトリウム(NaS)と水分とに分離される。
油分分離器8から分離された油分X4は改質燃料として回収され、水分と硫化ナトリウム(NaS)とは、曝気槽9に供給され、空気中の酸素によって酸化されて、硫酸ナトリウム(NaSO)となる。この硫酸ナトリウムは、添加剤生成器10に供給され、水酸化カルシウム(Ca(OH))と反応することによって、水酸化ナトリウム(NaOH)と硫酸カルシウム(CaSO)となる。この水酸化ナトリウム(NaOH)は添加剤として混合器1へと供給され、硫酸カルシウム(CaSO)は外部へ排出される。
式(1)は、水酸化ナトリウムの生成反応式である。
NaSO+Ca(OH) →2NaOH+CaSO ・・・・(1)
ここで、石油アスファルトXを改質処理した結果として得られる硫化ナトリウムを用いて、水酸化ナトリウムを生成し、この水酸化ナトリウムを石油アスファルトXの脱硫に必要な添加剤として用いるので、外部から取得(購入)すべき水酸化ナトリウムの量を削減することができる。
また、水酸化ナトリウムは曝気槽9による曝気と、添加剤生成器10における廉価な水酸化カルシウムの添加という簡単な処理によって生成されるので、硫化ナトリウムから所定量の水酸化ナトリウムを生成するためのコストは、同量の水酸化ナトリウムを外部から購入する場合のコストよりも低い。
すなわち、本改質プラントによれば、添加剤として必要な水酸化ナトリウムを外部から購入する場合よりも低コストで生成する機能を備えているので、トータルとしてのランニングコストを従来よりも低減することができる。
さらには、水酸化ナトリウムの生成過程で生成される硫酸カルシウムは、土壌改良剤として利用できるものである。従って、この硫酸カルシウムを外部に売却することによって利益が得られるので、この利益によって本改質プラントのランニングコストを低減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態は処理対象物を石油アスファルトとしたものであるが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、石油アスファルト以外の非在来型石油資源、さらには一般に燃料と認定されているものの中で高粘度で硫黄分を含むものについても適用可能である。
(2)上記実施形態では、酸化反応器として曝気槽を用いたが、これは曝気槽が空気中の酸素を用いて簡単に酸化反応を起こすことができるため、ランニングコストが低いという理由から選択したもので、これに限定されるものではなく、酸化反応を起こすことができる他の方法を選択しても良い。
(3)上記実施形態では、水酸化合物として水酸化カルシウム(Ca(OH))を用いたが、これは、水酸化カルシウム(Ca(OH))自体が廉価なことと、硫酸ナトリウム(NaSO)との反応(式(1)参照)で生成される硫酸カルシウム(CaSO)が、土壌改良剤として利用できることから、コストメリットがあるという理由で選択したもので、これに限定されるものではなく、他の水酸化合物を用いても良い。
(4)上記実施形態では、揮発性のpH調整剤としてアンモニア(NH)を用いたが、揮発性のpH調整剤はアンモニア(NH)に限定されるものではなく、例えばヒドラジン(N)等の他の揮発性pH調整剤を用いても良い。
また、アンモニア(NH)は、これを添加することで脱硫率を上げることができ、水酸化ナトリウムの使用量を減らすことが可能になるため使用することが好ましいが、必ずしもアンモニアを添加する必要はない。
本発明の一実施形態に係わる非在来型石油資源改質プラントのシステム構成図である。 本発明の一実施形態において水充填率に対する脱硫率の依存性を示すグラフである。 本発明の一実施形態において処理温度に対する脱硫率の依存性を示すグラフである。 本発明の一実施形態においてNaOH濃度に対する脱硫率の依存性を示すグラフである。 本発明の一実施形態においてNH濃度に対する脱硫率の依存性を示すグラフである。
符号の説明
1…… 混合器
2…… 加圧ポンプ
3…… 第1熱交換器
4…… 脱硫反応器
5…… 低粘度化反応器
6…… 第2熱交換器
7…… 圧力調節弁
8…… 油分分離器
9…… 曝気槽(酸化反応器)
10…… 添加剤生成器

Claims (14)

  1. 添加剤である水酸化ナトリウム(NaOH)を処理対象物と混合させる混合器と、
    該混合器によって水酸化ナトリウム(NaOH)が混合された処理対象物を水熱反応
    によって脱硫する脱硫反応器と、
    該脱硫反応器の処理物から油分を改質燃料として分離する油分分離器と、
    該油分分離器から取り出された硫化ナトリウム(NaS)を酸化反応させ、硫酸ナトリウム(NaSO)を生成する酸化反応器と、
    該酸化反応器によって生成された硫酸ナトリウム(NaSO)を所定の水酸化合物と反応させて水酸化ナトリウム(NaOH)を生成し、前記混合器に供給する添加剤生成器と
    を具備することを特徴とする改質プラント。
  2. 脱硫反応器と油分分離器との間に、脱硫反応器の処理物をより高温の処理温度の水熱反応によって低粘度化する低粘度化反応器を備えることを特徴とする請求項1記載の改質プラント。
  3. 低粘度化反応器の処理物と脱硫反応器に供給される処理対象物とを熱交換することにより、脱硫反応器に供給される処理対象物を予熱する熱交換器を備えることを特徴とする請求項2記載の改質プラント。
  4. 酸化反応器として、曝気槽を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の改質プラント。
  5. 水酸化合物は、水酸化カルシウム(Ca(OH))であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の改質プラント。
  6. 処理対象物に揮発性のpH調整剤としてアンモニア(NH)を添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の改質プラント。
  7. 処理対象物は石油アスファルトであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の改質プラント。
  8. 混合器によって添加剤である水酸化ナトリウム(NaOH)を混合した処理対象物を水熱反応によって脱硫処理し、
    該脱硫処理の処理物から油分を改質燃料として分離処理し、
    該分離処理から取り出された硫化ナトリウム(NaS)を酸化反応させ、硫酸ナトリウム(NaSO)を生成し、
    該酸化反応によって生成された硫酸ナトリウム(NaSO)を水酸化合物と反応させて水酸化ナトリウムを生成し、前記混合器へと供給する
    ことを特徴とする改質方法。
  9. 脱硫処理の後、より高温の処理温度の水熱反応によって低粘度化処理をしてから、油分を改質燃料として分離することを特徴とする請求項8記載の改質方法。
  10. 低粘度化処理の処理物と脱硫処理に供される処理対象物とを熱交換することにより処理対象物を予熱することを特徴とする請求項9記載の改質方法。
  11. 曝気槽を用いて硫化ナトリウム(NaSO)を酸化反応させることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の改質方法。
  12. 水酸化合物は水酸化カルシウム(Ca(OH))であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の改質方法。
  13. 処理対象物に揮発性のpH調整剤としてアンモニア(NH)を添加することを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の改質方法。
  14. 処理対象物は石油アスファルトであることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の改質方法。
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