JP2006167519A - ロールコートユニットのロール間ギャップ制御方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ロールコートユニットに備えられ、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する2本のロール間のギャップを制御することでコーティング精度を向上するロール間ギャップ制御を提供する。
【解決手段】 スリットリーバスコートユニットにおいて、ウェブ7にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制するバックアップロール1とスクイズロール2の回転振れは、変位センサ11,12によって測定される。PLC31は、測定された回転振れから、ロール間のギャップσの変動量の予測値を演算し、演算した変動量を修正するようにモータ53を作動させる。モータ53が回動しボールネジ52が回動すると、ボールネジ52にセットされた直動ガイド51が移動し、直動ガイド51上に設置されたスクイズロール2の位置が移動することで、ギャップσの変動量を制御する。
【選択図】 図3
【解決手段】 スリットリーバスコートユニットにおいて、ウェブ7にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制するバックアップロール1とスクイズロール2の回転振れは、変位センサ11,12によって測定される。PLC31は、測定された回転振れから、ロール間のギャップσの変動量の予測値を演算し、演算した変動量を修正するようにモータ53を作動させる。モータ53が回動しボールネジ52が回動すると、ボールネジ52にセットされた直動ガイド51が移動し、直動ガイド51上に設置されたスクイズロール2の位置が移動することで、ギャップσの変動量を制御する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ロールコートユニットに備えられ、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する2本のロール間のギャップを制御する装置および方法に関する。
ウェブ等の基材に薄い膜を形成するコーティング技術は、磁気シートや液晶ディスプレイ部材等の様々な分野で応用され、コーディングされた基材を使用した製品に対する要求が高まるにつれて、高精度なコーティング技術が要求されている。
高精度なコーティングを実現するために、ダイヘッドを使用するコーティング方式であるダイヘッドコータにおいては、コーティング液を吐出するダイヘッドのリップ部先端とコーティング材の背面を支持するバックアップロール間のギャップがコーティング精度の重要なファクターとなるため、このギャップを測定・調整することで、高精度で再現のあるコーティングを提供する発明がすでに開示されている。(例えば、特許文献1、2)
また、少なくとも2本以上のロールを使用してコーティングするロールコータにおいては、2本のロール間のギャップに加えて、ロールの回転精度もコーティング精度の重要なファクターとなる。なぜなら、ロールの回転精度が悪いと、2本のロール間のギャップが変動し、コーティング品質に悪影響を及ぼすからである。
よって、ロールコータにおいてコーティング品質に関わるロール、とりわけ、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する2本のロールについては、真直度、円筒度等の加工精度が高められ、また、これらのロールが取り付けられる軸受けは、精度等級を上げる処置が施されている。本出願人は、高精度なロールの回転精度を実現するために、高精度なロール回転精度が得えら、かつ、組付け調整のための時間短縮を図ることができる軸受装置を、特許文献3で開示している。
特開2003−62506号公報
特開2003−80152号公報
特開2003−120666公報
しかしながら、コーティングする基材(例えば、ウェブ)の幅寸法が広がると、コーティング精度を実現するために必要な高精度な幅広のロールは大変高価になり、また製作期間も長くなってしまう問題がある。更には、より高精度なロール加工/ロール回転精度が要求されると、実際に要求された精度を満たすロールを加工/取付けできない場合もある。
そこで本発明は、上述した問題を鑑みて、少なくとも2本以上のロールを使用してコーティングするロールコータにおいて、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する2本のロールの加工/取付け精度が所望する精度が得られず、ロールに回転振れが生じる場合においても、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を一定にすることができるロール間ギャップ制御方法および装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する第1の発明は、ロールコートユニットに備えられ、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する第1のロールと第2のロール間のギャップを制御する方法であって、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れを測定するステップ、測定した前記回転振れに基づいて、前記ギャップの変動量の予測値を演算するステップ、演算した前記ギャップの変動量の予測値を修正するように、演算した前記ギャップの変動量が生じる第1のロールまたは第2のロールの回転位相にあわせ、前記第1のロール、及び/または、前記第2のロールを移動させ、前記ギャップを制御するステップを含むことを特徴とするロール間ギャップ制御方法である。なお、第1の発明において、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れを測定するステップにおいて、測定される前記回転振れは、前記第1のロールおよび前記第2のロールにおいて前記ギャップとはならない箇所の回転振れであることが望ましい。
更に第2の発明は、 ロールコートユニットに備えられ、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する第1のロールと第2のロール間のギャップを制御する装置であって、前記第1ロールおよび前記第2のロールの回転振れを測定する回転振れ測定手段と、前記第1ロールおよび前記第2のロールの回転位相を計測するロール回転位相検出手段と、前記回転振れ測定手段が測定した前記回転振れから、前記ギャップの変動量の予測値を演算するギャップ変動量演算手段と、第1のロール、及び/または、第2のロールを移動させるロール移動手段と、前記ギャップ変動量演算手段が演算した前記ギャップの変動量が生じる前記回転位相にあわせ、演算された前記ギャップの変動量を修正するように、前記ロール移動手段を用いて前記ギャップを制御するギャップ制御手段と、を備えていることを特徴とするロール間ギャップ制御装置である。
また、第2の発明において、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れをそれぞれ測定する前記回転振れ測定手段は、前記第1のロールおよび前記第2のロールにおいて前記ギャップとはならない箇所の回転振れを測定する手段で、前記ギャップ変動量演算手段は、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れと、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れを測定したそれぞれ時点の前記回転位相とから、前記時点より以降に発生する前記ギャップの予測値を演算する手段であることが望ましい。
更に、第2の発明において前記ロール移動手段は、前記第1のロールあるいは前記2のロールが設置され、設置されたロールの回転軸に対してラジアル方向に移動する直動ガイドと、前記直動ガイドを移動させるアクチュエータとから構成され、前記ロール移動手段は、前記ロールコートユニットの操作側と駆動側にそれぞれ独立して設置されている手段であることが望ましい。なお、前記ロール移動手段は上述した以外の手段でもよく、前記ロール移動手段は、前記第1のロールあるいは前記2のロールが設置され、設置されたロールの回転軸に対してラジアル方向に移動する一つの直動ガイドと、前記直動ガイドを移動させる一つのアクチュエータとから構成され、前記直動ガイドには、前記設置されたロールの回転軸を水平方向に傾斜させる手段が設けられている手段であってもよい。
上述したロール間ギャップ制御方法および制御装置によれば、ロールコートユニットに備えられ、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する2本のロール間の回転振れを測定し、ロール間のギャップが変動する前に、予めギャップの変動を予測し修正することで、2本のロール間の回転振れによって生じるギャップの変動を小さく抑えることができ、ロールコータユニットのコーティング精度を高めることができる。
更に、ロール間ギャップ制御方法および制御装置において、前記ギャップ以外の箇所の回転振れを測定することで、回転振れを測定した時刻と、測定した回転振れによって実際にギャップの変動が生じる時刻とに時間差が生じるため、この時間差を利用して、ギャップの変動量の予測値を演算し、ギャップの変動量を制御することができる。
更に、ロール間ギャップ制御装置がロールの傾斜角を変更することができる前記ロール移動手段を備えることで、ロール間のギャップを高精度で制御することができる。
ここから本発明をロールコータユニットの一つであるスリットリバースコートユニットに適用した実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。図1はスリットリバースコートユニットの外観図、図2はスリットリバースコートユニットに備えられたロール間ギャップ制御装置の機能ブロック図である。そして、図3はロール間ギャップ制御装置の側面からの模式図で、図4は上面からの模式図である。
図1に示したように、スリットリバースコートユニットとは、ダイヘッド6から吐出されたコーティング液がロール1上を走行するウェブ7に塗布され、そしてウェブ7に塗布されたコーティング液の膜厚を2本のロール1、2によって規制することで、ウェブ7にコーティング液を均一に高精度でコーティングするユニットである。これ以降、ウェブ7を走行させるためのロール1をバックアップロールと記載し、バックアップロール1と組み合わされコーティング液の膜厚を規制するロール2をスクイズロールと記述する。
本実施の形態においては、ウェブ7にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制するバックアップロール1とスクイズロール2は同径で、バックアップロール1はウェブ7と同速でウェブ7の進行方向に対して正回転し、スクイズロール2はウェブ7より低い速度(例えば、ウェブ7移動速度の90%)で、ウェブ7の進行方向に対して逆回転している。
図1に示したスリットリバースコートユニットのコーティング品質においては、背景技術で述べたようにダイヘッド6とバックアップロール1間のギャップも重要なファクターとなるが、バックアップロール1とスクイズロール2間のギャップも重要なファクターになる。このため、スリットリバースコートユニットには、コーティング精度を向上させるために、本発明を適用し、バックアップロール1とスクイズロール2間のギャップの変動量を抑え、ギャップを一定に保つ機能を備えている。
図1のスリットリーバスコートユニットが有するバックアップロール1とスクイズロール2間のギャップの変動量を制御機能について、図2、3および4を用いて説明する。図2に図示したように、この制御機能を実現するために、バックアップロール1およびスクイズロール2の回転振れを測定する回転振れ測定手段10と、バックアップロール1およびスクイズロール2の回転位相を検出するロール位相検出手段20と、回転振れ測定手段10が測定した回転振れからバックアップロール1とスクイズロール2間のギャップの変動量を演算するギャップ変動量演算手段30と、ギャップ変動量演算手段30が演算したギャップの変動量に基づいてギャップの変動量を制御するギャップ制御手段40と、ギャップ制御手段40の指示に従いスクイズロール2の位置を移動させるロール移動手段50とを備えている。なお、本実施の形態においては、上述した各々の同じ手段をスリットリバースコートユニットの操作側および駆動側で独立して有している。
ロール移動手段50とは、バックアップロール1の回転軸に対して、スクイズロール2の回転軸をラジアル方向に移動させ、バックアップロール1に対するスクイズロール2の相対位置を変化させる手段である。図1に示したスリットリーバスコートユニットにおいて、バックアップロール1の回転軸は固定であり、コーティング中のバックアップロール1とスクイズロール2のギャップの変動量を抑えるように、ロール移動手段50を用いてスクイズロール2の回転軸の位置を制御することで、コーティング品質を向上させる。
上述したロール移動手段50について、図3、4を用いて詳細に説明する。本実施の形態においてロール移動手段50を実現するために、スクイズロール2が設置される台座54は直動ガイド51上に設置され、直動ガイド51を移動させるアクチュエータとして、ボールネジ52とモータ53が備えられている。モータ53を回動させることで、ボールネジ53にセットさせた直動ガイド51が移動し、直動ガイド51に固定されたスクイズロール2の回転軸がバックアップロール1の回転軸に対してラジアル方向に移動する。そして、直動ガイド51のが移動した位置を測定し制御するために、位置センサ55が設置されている。なお、アクチュエータは上記構成でなくてもよく、なお、アクチュエータはリニアモータまたはピエゾ素子でも代用できる。
また、図4に示したように、本実施の形態において、ロール移動手段50は操作側と駆動側の両側にそれぞれ独立して設けられ、操作側と駆動側の両側に設けられたロール移動手段50を独立して動作させることで、スクイズロール1の回転軸の傾斜角をも変更することができる。
ここからは、前述したロール移動手段50を用いて、コーティング中のバックアップロール1とスクイズロール2間のギャップの変動量を制御する内容について詳細に説明する。
本発明において、コーティング中のバックアップロール1とスクイズロール2のギャップの変動量を制御するために必要な入力信号となる回転触振れは、図2に示した回転振れ測定手段10によって測定される。本実施の形態において、回転振れ測定手段10は変位センサとし、バックアップロール1およびスクイズロール2のそれぞれの回転振れを測定する変位センサ11,12は、それぞれ、図3、4に示しているよう設置されている。
ここで、ロールの回転振れを測定する変位センサ11,12としては、最小分解能がサブミクロン(例えば、0.05μm)の高速・高精度レーザ変位計が望ましいが、他の変位センサ(例えば、渦電流式変位センサ)でも構わない。
ロール位相検出手段20は、バックアップロール1およびスクイズロール2の回転位相を検出する手段である。ロール位相検出手段20で検出される位相は、ギャップ変動量演算手段30およびギャップ制御手段40に入力される。なお、本実施の形態において、ロール位相検出手段20はエンコーダとし、バックアップロール1およびスクイズロール2の回転位相を測定するエンコーダ31,32が設置されている。ここで、エンコーダとしては、回転位相の絶対値が測定できるアブソリュートエンコーダが望ましいが、スリップリバースコートユニットに原点復帰の機能がついているならば、回転位相の相対値を測定するインクリメンタルエンコーダでも実現できる。
ギャップ変動量演算手段30は、バックアップロール1およびスクイズロール2の回転振れセンサが測定した回転振れから、バックアップロール1とスクイズロール2間のギャップの変動量を事前にを演算する手段で、ギャップ制御手段40は、演算したギャップの変動量の予測値に基づいて直動ガイド51の位置を制御する手段である。本実施の形態において、ギャップ変動量演算手段30とギャップ制御手段40とは、プログラマブルコントロール31(以下、PLC;Programmable Logic Controller )で実現している。
ここでPLC31とは、シーケンス制御機能、演算機能および情報処理機能を備えたリアルタイム制御用のコントロールで、シーケンサとも呼ばれることがある。PLC31は、回転振れ測定手段10(変位センサ11,12)から各々のロールの回転振れを示すデータが入力されると、演算機能を用いて、バックアップロール1とスクイズロール2間のギャップ変動量の予測値を演算する。そして、予測値に基づいて、実際のバックアップロール1とスクイズロール2間のギャップ変動量がなくなるように直動ガイド51の位置を演算し、位置センサ55のデータを確認しながらモータ53を回動させ直動ガイド51を演算した位置に移動させる。
ここから、図を参照しながら、ギャップ変動量演算手段30が、バックアップロール1およびスクイズロール2のギャップ変動量を演算する内容について詳細に説明する。スリットリバースコートユニットにおいては、バックアップロール1およびスクイズロール2の回転に伴う正弦波形を基調とした回転振れが少なからず発生し、この回転振れによって、バックアップロール1およびスクイズロール2のギャップ(図3で示したσ)に変動が生じる。
図5は、バックアップロール1およびスクイズロール2の回転振れ、バックアップロール1およびスクイズロール2のギャップの変動を説明するための図である。図5(a)は、図3のA点におけるバックアップロール1の回転振れ、図5(b)は、図3のB点におけるスクイズロール2の回転振れ、そして、図5(c)は、図3のA点―B点間のギャップσの変動量を示している。
図5(a)、(b)に示しているように、各々のロールの回転振れは、正弦波形を基調としている。この回転振れの変位量は、精度の高い軸受(P4級程度)、精度の高いロール(φ250、l=1500 程度で真円度、円筒度共に1μm以内)の組み合わせにおいても、回転振れレンジは2〜3μm程度発生することもある。通常、ギャップσの変動量は、図5(a)と図5(b)が合成された図5(c)の波形となる。ギャップ制御手段30は、ロール位相検出手段20で測定される回転位相を参照し、このギャップσの変動に同調して、ギャップσの変動量を解消するようにロール移動手段50を制御する。
しかしながら、実際のスリットリバースコートユニットにおいては、点Aまたは点Bの回転振れを測定する変位センサを設置することは困難なため、本実施の形態においては、図3に示しているように、変位センサ11,12は取付け可能な場所に設置され、各々の変位センサ11,12が測定する点A′および点B′の回転振れから、点A、点Bの回転振れおよびギャップσが演算される。
上述した内容について、図6を用いて説明する。図6は、点A、Bの回転振れの演算を説明する図である。図6(a)は、点A′で計測される回転振れと、点A′の回転振れから演算される点Aの回転振れを示し、図6(b)は、点B′で計測される回転振れと、点B′の回転振れから演算される点Aの回転振れを示している。
図3を参照すればわかるように、点Aの位相は点A′の位相よりΘ_Aだけ遅れ、点Bの位相は点B′の位相よりΘ_Bだけ遅れているので、図6(a)、(b)に示しているように、時刻Tにおける点A′の回転振れは時刻T+Θ_A後に点Aで現れ、同様に、点B′の時刻Tにおける回転振れは時刻T+Θ_B後に点Bで現れることになる。
上述したように、回転触れを測定する地点と実際にギャップが発生する地点との位相ずれを考慮することで、A点およびB点で発生する回転触れを予測することができる。例えば、図6(a)において、時刻T1における点Aの回転触れは、Θ_A前に点A′で測定された回転触れとなり、時刻T1における点Bの回転触れは、Θ_B前に点B′で測定された回転触れとなる。
図6(c)に、ギャップ変動量演算手段30が演算するギャップの変動量の経時変化を示した一例である。を示す。図3に示したように、Θ_AおよびΘ_Bは回転振れ測定手段10(変位センサ11,12)の取付け位置によって決定され、回転振れ測定手段10(変位センサ11,12)が回転振れを測定した時点の回転位相は、各ロールに設置されたローラ位相測定手段20(エンコーダ21,22)の信号で判断できため、ギャップ変動量演算手段30(PCL31)はギャップの変動量の経時変化を予め演算することができる。例えば、T1におけるギャップの変動量(σ_T1)は、図6(a)に示したT1からΘ_A前の点A′で測定された回転振れと、図6(b)に示したT1からΘ_B前の点B′で測定された回転触れとから、T1より以前に演算される。
ギャップ制御手段40(PLC31)は、ギャップ変動量演算手段40が演算したギャップの変動量がなくなるようにスクイズロール2の移動量(直動ガイド51の移動量)を演算し、ロール移動手段50を作動させギャップの変動量を解消する。例えば、T1においては、予め、ギャップ変動量演算手段40が演算したギャップの変動量(σ_T1)が解消するように、スクイズロール2の位置を移動する。
これまでは、本発明をスリットリバースコートユニットに適用した実施の形態について説明したが、本発明はスリットリバースコーティング以外のコーティングにも適用できる。例えば、図7に示した3本のロールを用いたロールコーティングにおいては、ロール100とロール102間のギャップαを制御するときに、本発明は適用することができる。
また、スクイズロールを移動させるローラ移動手段50は、上述した機構でなくともよい。図8は、上述した構成以外でローラ移動手段50を実現する機構の一例である。図8(a)に示したように、スクイズローラ2aが設置された台座51aは回転テーブル56上に設置されている。回転テーブル56は直動ガイド51a上に設置され、直動ガイド51aを移動させるアクチュエータとして、ボールネジ52aとモータ53aが備えられている。
図8(b)に示したように、モータ53aが回動することでボールネジ52aが回動し、ボールネジ52aにセットされた直動ガイド51aが、スクイズローラ2aの中心軸に対してラジアル方向に移動する。また、回転テーブル56のターンテーブル56aが回動することで、スクイズローラ2aの中心軸の傾斜角を変更することができる。
ここから、本発明に関わる2本のロール間のギャップ制御方法について、図8を参照しながら詳細に説明する。ギャップ制御方法の最初のステップは、ロールコートユニットに備えられ、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する2本のロールの回転振れを測定するステップ(S10)である。図1に示したスリットリーバスコートユニットにおいては、バックアップロール1とスクイズロール2の回転振れが回転振れ測定手段10(変位センサ11,12)によって測定される。
次のステップは、測定した回転振れに基づいてギャップの変動量の予測値を演算するステップ(S20)である。図1に示したスリットリーバスコートユニットにおいては、PLC31の内部にて、変位センサ11,12が測定したバックアップロール1とスクイズロール2の回転振れおよび回転振れを測定したそれぞれの時点の回転位相から、前記時点以降で発生するギャップの変動量の予測値は演算される。
次のステップは、演算したギャップの変動量の予測値を修正するように、ローラの位相にあわせ、ロール間ギャップを制御するステップ(S30)である。図1に示したスリットリーバスコートユニットにおいては、PLC31は、演算したギャップの変動量の予測値を修正するようにスクイズロール1の位置を修正する。このステップをもって、ギャップ制御方法の基本的な手順は終了する。
実際のコーティングユニットにおいて、上述したギャップ制御方法の基本的な手順は、シーケンシャルに実行される。すなわち、ある一定のタイミング(例えば、エンコーダのパルスが一定パルスをカウントする)と自動的に回転振れを測定し、自動的に測定した時点から一定時間後のギャップ変動量を演算し、そして演算したギャップ変動量がなくなるように、ロールの回転位相に合わせてロールを移動させる。
1 バックアップロール
2 スクイズロール
10 回転振れ測定手段
11、12 変位センサ
20 ローラ位相測定手段
21、22 エンコーダ
30 ギャップ変動量演算手段
31 PLC
40 ギャップ制御手段
50 ローラ移動手段
51 直動ガイド
52 ボールネジ
53 モータ
2 スクイズロール
10 回転振れ測定手段
11、12 変位センサ
20 ローラ位相測定手段
21、22 エンコーダ
30 ギャップ変動量演算手段
31 PLC
40 ギャップ制御手段
50 ローラ移動手段
51 直動ガイド
52 ボールネジ
53 モータ
Claims (6)
- ロールコートユニットに備えられ、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する第1のロールと第2のロール間のギャップを制御する方法であって、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れを測定するステップ、測定した前記回転振れに基づいて、前記ギャップの変動量の予測値を演算するステップ、演算した前記ギャップの変動量の予測値を修正するように、演算した前記ギャップの変動量が生じる第1のロールまたは第2のロールの回転位相にあわせ、前記第1のロール、及び/または、前記第2のロールを移動させ、前記ギャップを制御するステップを含むことを特徴とするロール間ギャップ制御方法。
- 請求項1のロール間ギャップ制御方法において、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れを測定するステップにおいて、測定される前記回転振れは、前記第1のロールおよび前記第2のロールにおいて前記ギャップとはならない箇所の回転振れであることを特徴とするロール間ギャップ制御方法。
- ロールコートユニットに備えられ、基材にコーティングされるコーティング液の膜厚を規制する第1のロールと第2のロール間のギャップを制御する装置であって、前記第1ロールおよび前記第2のロールの回転振れを測定する回転振れ測定手段と、前記第1ロールおよび前記第2のロールの回転位相を計測するロール回転位相検出手段と、前記回転振れ測定手段が測定した前記回転振れから、前記ギャップの変動量の予測値を演算するギャップ変動量演算手段と、第1のロール、及び/または、第2のロールを移動させるロール移動手段と、前記ギャップ変動量演算手段が演算した前記ギャップの変動量が生じる前記回転位相にあわせ、演算された前記ギャップの変動量を修正するように、前記ロール移動手段を用いて前記ギャップを制御するギャップ制御手段と、を備えていることを特徴とするロール間ギャップ制御装置。
- 請求項3のロール間ギャップ制御装置において、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れを測定する前記回転振れ測定手段は、前記第1のロールおよび前記第2のロールにおいて前記ギャップとはならない箇所の回転振れを測定する手段で、前記ギャップ変動量演算手段は、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れと、前記第1のロールおよび前記第2のロールの回転振れを測定したそれぞれ時点の前記回転位相とから、前記時点より以降に発生する前記ギャップの予測値を演算する手段であることを特徴とするロール間ギャップ制御装置。
- 請求項3または請求項4に記載のロール間ギャップ制御装置において、前記ロール移動手段は、前記第1のロールあるいは前記2のロールが設置され、設置されたロールの回転軸に対してラジアル方向に移動する直動ガイドと、前記直動ガイドを移動させるアクチュエータとから構成され、前記ロール移動手段は、前記ロールコートユニットの操作側と駆動側にそれぞれ独立して設置されていることを特徴とするロール間ギャップ制御装置。
- 請求項3または請求項4に記載のロール間ギャップ制御装置において、前記ロール移動手段は、前記第1のロールあるいは前記2のロールが設置され、設置されたロールの回転軸に対してラジアル方向に移動する一つの直動ガイドと、前記直動ガイドを移動させる一つのアクチュエータとから構成され、前記直動ガイドには、前記設置されたロールの回転軸を水平方向に傾斜させる手段が設けられているを特徴とするロール間ギャップ制御装置。
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