本発明は、例えば映像信号等の情報に、例えば著作権保護情報等の独自情報を多重化するための情報多重装置及び方法、該独自情報を抽出するための情報抽出装置及び方法、並びに、これら情報多重装置及び情報抽出装置において実行されるコンピュータプログラムの技術分野に属する。
近年、デジタルメディアの普遍化、電子出版産業の急激且つ広範囲な成長、多様なマルチメディアコンテンツのデジタル化、及び、インターネット等のデジタル通信網の急速な発展等からも推測されるように、世の中は、アナログ時代からデジタル時代へと急速に転換している。また、これらによって、E−Book、インターネットTV、イメージ、ビデオ、MP3等のような多様なマルチメディアデータの伝送及び交換が可能になり、このような多様なマルチメディアを用いて、人々が求める情報を迅速且つ簡単に得ることができる。
しかしながら、デジタル時代への転換による様々な逆機能も出ている。特に、デジタルデータはデジタルという属性から原本と複製本の区分が不可能であり、このような特性からデジタルデータの不法複製、配布及び変形に対する著作権保護及び認証に対する解決策が、急速に要求されている。従って、このデジタルデータに対する複製を効果的に防止し、著作権を保護するための多様な複製防止技術が研究されており、このための方法としてデジタルデータ複製防止に効果があると知られている電子透かし方法に対する研究が活発に進められている。
このような複製防止技術の一具体例として、本件出願人により、映像信号における、例えばフレーム等の所定の周期単位毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値に、例えば著作権保護情報等の独自情報を重畳する方法が提案されている。
しかしながら、本件出願人により提案されている、例えばフレーム等の所定の周期単位毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値に、独自情報を重畳する方法においては、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group2)等の所定圧縮規格における、例えばIピクチャ(フレーム内符号化画像:Intra-coded Picture)等の基準画像との関係は考慮していないため、独自情報をより適切且つ効率的に多重化、或いは、多重化された独自情報を抽出することが困難であるという技術的な問題点を有している。
本発明は、例えば、上述した問題を鑑みなされたものであり、例えば映像信号等の情報信号に対して、例えば著作権保護情報等の独自情報をより適切且つ効率的に多重化することを可能ならしめる情報多重装置及び方法、情報抽出装置及び方法、並びに、コンピュータプログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の第1の情報多重装置は、静止画像を単位とした第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)で入力される映像信号に独自情報を重畳する情報多重装置であって、前記独自情報を保持する情報信号を生成する生成手段と、前記生成された情報信号を、前記映像信号に含まれる前記第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)に重畳する重畳手段と、前記生成された情報信号を、前記直流成分値に、所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像を単位とした第2周期(GOP:15フレーム(ピクチャ))に基づいて、重畳させるように前記重畳手段を制御する制御手段とを備える。
上記課題を解決するために、請求項2に記載の第2の情報多重装置は、静止画像を単位とした第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)で入力される映像信号に独自情報を重畳する情報多重装置であって、前記独自情報を保持する情報信号を生成する生成手段と、前記生成された情報信号を、前記映像信号に含まれる前記第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)に重畳する重畳手段と、前記生成された情報信号を、前記直流成分値に、所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像(GOP)に含まれる基準画像(Iピクチャ)を少なくとも2つ含む第3周期(Iピクチャが2つ)に基づいて、重畳させるように前記重畳手段を制御する制御手段とを備える。
上記課題を解決するために、請求項13に記載の第1の情報抽出装置は、請求項1に記載の情報多重装置により前記独自情報が多重化された前記映像信号から前記独自情報を抽出する情報抽出装置であって、前記独自情報を保持する前記情報信号を検出する検出手段と、前記独自情報を、前記検出された情報信号から、前記第2周期(GOP:15フレーム(ピクチャ))に基づいて抽出する抽出手段とを備える。
上記課題を解決するために、請求項14に記載の第2の情報抽出装置は、請求項2に記載の情報多重装置により前記独自情報が多重化された前記映像信号から前記独自情報を抽出する情報抽出装置であって、前記独自情報を保持する前記情報信号を検出する検出手段と、前記独自情報を、前記検出された情報信号から、前記第3周期(Iピクチャが2つ)に基づいて抽出する抽出手段とを備える。
上記課題を解決するために、請求項16に記載の第1の情報多重方法は、静止画像を単位とした第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)で入力される映像信号に独自情報を重畳する情報多重装置における情報多重方法であって、前記独自情報を保持する情報信号を生成する生成工程と、前記生成された情報信号を、前記映像信号に含まれる前記第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)に重畳する重畳工程と、前記生成された情報信号を、前記直流成分値に、所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像を単位とした第2周期(GOP:15フレーム(ピクチャ))に基づいて、重畳させるように前記重畳工程を制御する制御工程とを備える。
上記課題を解決するために、請求項17に記載の第2の情報多重方法は、静止画像を単位とした第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)で入力される映像信号に独自情報を重畳する情報多重装置における情報多重方法であって、前記独自情報を保持する情報信号を生成する生成工程と、前記生成された情報信号を、前記映像信号に含まれる前記第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)に重畳する重畳工程と、前記生成された情報信号を、前記直流成分値に、所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像(GOP)に含まれる基準画像(Iピクチャ)を少なくとも2つ含む第3周期(Iピクチャが2つ)に基づいて、重畳させるように前記重畳工程を制御する制御工程とを備える。
上記課題を解決するために、請求項18に記載の第1の情報抽出方法は、請求項1に記載の情報多重装置により前記独自情報が多重化された前記映像信号から前記独自情報を抽出する情報抽出装置における情報抽出方法であって、前記独自情報を保持する前記情報信号を検出する検出工程と、前記独自情報を、前記検出された情報信号から、前記第2周期(GOP:15フレーム(ピクチャ))に基づいて抽出する抽出工程とを備える。
上記課題を解決するために、請求項19に記載の第2の情報抽出方法は、請求項2に記載の情報多重装置により前記独自情報が多重化された前記映像信号から前記独自情報を抽出する情報抽出装置における情報抽出方法であって、前記独自情報を保持する前記情報信号を検出する検出工程と、前記独自情報を、前記検出された情報信号から、前記第3周期(Iピクチャが2つ)に基づいて抽出する抽出工程とを備える。
上記課題を解決するために、請求項20に記載の第1のコンピュータプログラムは、請求項1に記載の情報多重装置に備えられたコンピュータを制御する多重制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記生成手段、前記重畳手段、及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
上記課題を解決するために、請求項21に記載の第2のコンピュータプログラムは、請求項2に記載の情報多重装置に備えられたコンピュータを制御する多重制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記生成手段、前記重畳手段、及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
上記課題を解決するために、請求項22に記載の第3のコンピュータプログラムは、請求項13に記載の情報抽出装置に備えられたコンピュータを制御する抽出制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記検出手段、及び前記抽出手段のうち少なくとも一部として機能させる。
上記課題を解決するために、請求項23に記載の第4のコンピュータプログラムは、請求項14に記載の情報抽出装置に備えられたコンピュータを制御する抽出制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記検出手段、及び前記抽出手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
以下、発明を実施するための最良の形態としての本発明の実施形態に係る情報多重装置、情報抽出装置、情報多重方法、情報抽出方法、並びにコンピュータプログラムについて順に説明する。
(情報多重装置の実施形態)
本発明の情報多重装置に係る第1実施形態は、静止画像を単位とした第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)で入力される映像信号に独自情報を重畳する情報多重装置であって、前記独自情報を保持する情報信号を生成する生成手段と、前記生成された情報信号を、前記映像信号に含まれる前記第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)に重畳する重畳手段と、前記生成された情報信号を、前記直流成分値に、所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像を単位とした第2周期(GOP:15フレーム(ピクチャ))に基づいて、重畳させるように前記重畳手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の情報多重装置に係る第1実施形態によれば、先ず、映像信号と、著作権保護情報等の独自情報とが、当該情報多重装置に入力される。尚、情報多重装置に入力される映像信号は、アナログ方式の映像信号であってもよいし、デジタル方式の映像信号であってもよい。
次に、生成手段は、独自情報を保持する情報信号を生成する。
次に、制御手段の制御下で、重畳手段は、情報信号を、映像信号に含まれる第1周期毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)に、第2周期に基づいて重畳する。ここに、本願発明に係る「第2周期」とは、例えば、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)等の所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像の単位であるGOP(Group Of Picture)の周期に基づいた周期である。また、本願発明に係る「第1周期」とは、ディスプレイの表示方式の一例たるNTSC方式のフィールド周期である1/60秒を基準とした周期であってもよいし、フレーム周期の1/30秒を基準とした周期であってもよい。
特に、第1実施形態においては、例えばMPEG2等の所定圧縮規格におけるGOPを単位とした第2周期に基づいて、独自情報を保持する情報信号が直流成分値に重畳されている。従って、後述される情報抽出装置によって、少なくとも基準画像だけに基づいて、独自情報を抽出することが可能となる。即ち、例えばIピクチャ等の基準画像と、例えばBピクチャやPピクチャ等の予測画像との相対的なずれに影響されることなく、独自情報を抽出することが可能となる。
この結果、後述される情報抽出装置によって、基準画像の直流成分値が検出され、演算等の処理が行われることによって、独自情報を抽出し復元することが可能となる。また、例えばIピクチャ等の基準画像における画像処理は、基準画像から復元される、例えばPピクチャやBピクチャ等の予測画像における画像処理と比較して、複雑な制御が必要ないため処理時間を短縮することが可能である。
以上より、第1実施形態によれば、映像信号に対して、例えば著作権保護情報等の独自情報をより適切且つ効率的に多重化することが可能となる。
本発明の情報多重装置に係る第2実施形態は、静止画像を単位とした第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)で入力される映像信号に独自情報を重畳する情報多重装置であって、前記独自情報を保持する情報信号を生成する生成手段と、前記生成された情報信号を、前記映像信号に含まれる前記第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)に重畳する重畳手段と、前記生成された情報信号を、前記直流成分値に、所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像(GOP)に含まれる基準画像(Iピクチャ)を少なくとも2つ含む第3周期(Iピクチャが2つ)に基づいて、重畳させるように前記重畳手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の情報多重装置に係る第2実施形態によれば、その構成、及び作用は、前述した第1実施形態と概ね同様である。
特に、第2実施形態によれば、第3周期に基づいて、独自情報を保持する情報信号が直流成分値に重畳されている。ここに、本願発明に係る「第3周期」とは、基準画像(Iピクチャ)を少なくとも2つ含む周期である。従って、例えば情報抽出装置によって、再エンコードされた場合、どの基準画像が、独自情報を保持する正しい情報信号を示すのかを適切に識別することが可能である。
仮に、1つのGOPの単位の周期に基づいて、独自情報が重畳された場合、情報抽出装置によって抽出された基準画像(Iピクチャ)における直流成分値の推移によって、一のシンボル(例えば「1」)が重畳された時間間隔と、他のシンボル(「0」)が重畳された時間間隔との境界を識別することができなくなってしまう。
これに対して、第2実施形態によれば、少なくとも2つの基準画像(Iピクチャ)を含む第3周期に基づいて、独自情報を保持する情報信号が直流成分値に重畳されている。従って、例えば情報抽出装置によって、再エンコードされた場合、どの基準画像が、独自情報を保持する正しい情報信号を示すのかを適切に識別することが可能である。
以上より、第2実施形態によれば、例えば映像信号に対して、例えば著作権保護情報等の独自情報をより適切且つ効率的に多重化することが可能となる。
本発明の情報多重装置に係る第1及び第2実施形態の一の態様は、前記第2周期、又は前記第3周期においては、(i)前記独自情報が重畳された有効信号周期と、(ii)前記独自情報が重畳されない遷移周期とが有り、前記制御手段は、前記有効信号周期において、前記情報信号を前記直流成分値に重畳させるように前記重畳手段を制御する。
この態様によれば、有効信号周期においては、独自情報を分散させて、映像信号に重畳することが可能となる。従って、映像信号が視聴されても独自情報が視覚的に目立つことを殆ど防止することが可能となると共に、例えばフリッカ等の画面における輝度信号の劣化の影響を抑制することが可能となる。
この制御手段に係る態様では、前記制御手段は、(i)前記映像信号の伝送時間軸上において前記遷移周期の前に位置される一の有効信号周期における、前記情報信号が重畳された一の直流成分値と、(ii)前記遷移周期の後に位置される他の有効信号周期における、前記情報信号が重畳された他の直流成分値とが連続して遷移させるための緩衝信号を、前記情報信号として、前記遷移周期において重畳させるように前記重畳手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、遷移周期においては、当該遷移周期の前後に位置される一の有効信号周期と、他の有効信号周期とにおける重畳量の差の最大値である所定量を緩衝させて、連続して遷移させることが可能となる。従って、映像信号が視聴されても独自情報が視覚的に目立つことを殆ど防止することが可能となると共に、例えばフリッカ等の画面における輝度信号の劣化の影響を抑制することが可能となる。
更に、この制御手段に係る態様では、前記制御手段は、前記映像信号が走査される画面内の、前記直流成分値の単位時間当たりの変化率が平均変化率より大きい変化領域において、前記緩衝信号を重畳させるように前記重畳手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、映像信号が視聴されても独自情報が視覚的に目立つことを殆ど防止することが可能となる。
本発明の情報多重装置に係る第1及び第2実施形態の他の態様は、前記制御手段は、前記生成された情報信号を、前記直流成分値の増減に基づいて、前記第2周期、又は前記第3周期で、当該直流成分値に重畳させるように前記重畳手段を制御する。
この態様によれば、例えばフレーム等の静止画像における直流成分値の増減に基づいて、第2周期、又は第3周期で、独自情報が重畳される。従って、映像信号が視聴されても独自情報が視覚的に目立つことを殆ど防止することが可能となると共に、例えばフリッカ等の画面における輝度信号の劣化の影響を抑制することが可能となる。
この制御手段に係る態様では、前記生成手段は、前記独自情報として、2進数で表示可能な情報信号を生成し、前記制御手段は、(i)前記直流成分値が増加(プラス)される場合、前記情報信号を構成する一のシンボル(「1」)に対応して、所定量を前記直流成分値に加算させ、(ii)前記直流成分値が減少(マイナス)される場合、前記一のシンボル(「1」)に対応して、所定量を前記直流成分値から減算させるように構成してもよい。
このように構成すれば、例えばフレーム等の静止画像における直流成分値の変化の方向に沿って、独自情報が重畳される。従って、映像信号が視聴されても独自情報が視覚的に目立つことを殆ど防止することが可能となると共に、例えばフリッカ等の画面における輝度信号の劣化の影響を抑制することが可能となる。
更に、この制御手段に係る態様では、前記制御手段は、(iii)前記情報信号を構成する他のシンボル(「0」)に対応して、前記情報信号を、前記直流成分値に重畳させないように構成してもよい。
このように構成すれば、例えばフレーム等の静止画像における直流成分値の変化の方向を変えずに、独自情報を重畳することができる。従って、映像信号が視聴されても独自情報が視覚的に目立つことを殆ど又は完全に防止することが可能となると共に、例えばフリッカ等の画面における輝度信号の劣化の影響をより抑制することが可能となる。
更に、この制御手段に係る態様では、前記制御手段は、(iv)不連続に推移する直流成分値においては、前記一及び他のシンボルのうち一方から他方へ変化させる情報信号を、重畳させないように前記重畳手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、不連続に推移する直流成分値においても、後述される情報抽出装置によって、適切に独自情報が抽出されることが可能である。
更に、この制御手段に係る態様では、前記制御手段は、(iv)不連続に推移する直流成分値においては、前記一及び他のシンボルのうち一方から他方へ変化したことを示す所定規則に基づいて、前記情報信号を重畳させるように前記重畳手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、不連続に推移する直流成分値においても、後述される情報抽出装置によって、所定規則に基づいて、適切に独自情報が抽出されることが可能である。
この制御手段に係る態様では、前記制御手段は、(v)不連続に推移する直流成分値においては、前記情報信号を、延長された第2周期、又は第3周期で、重畳させるように前記重畳手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、不連続に推移する直流成分値においても、後述される情報抽出装置によって、延長された第2周期、又は第3周期で、適切に独自情報が抽出されることが可能である。
この制御手段に係る態様では、前記制御手段は、(vi)不連続に推移する直流成分値においては、前記不連続を緩衝するオフセット量を前記直流成分値に加算しつつ、前記情報信号を重畳させるように前記重畳手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、不連続に推移する直流成分値においても、後述される情報抽出装置によって、オフセット量によって、不連続が緩衝されるので、適切に独自情報が抽出されることが可能である。
(情報抽出装置の実施形態)
本発明の情報抽出装置に係る第1実施形態は、上述した本発明の情報多重装置に係る第1実施形態(但し、その各種態様を含む)により前記独自情報が多重化された前記映像信号から前記独自情報を抽出する情報抽出装置であって、前記独自情報を保持する前記情報信号を検出する検出手段と、前記独自情報を、前記検出された情報信号から、前記第2周期(GOP:15フレーム(ピクチャ))に基づいて抽出する抽出手段とを備える。
本発明の情報抽出装置に係る第1実施形態によれば、先ず、検出手段は、例えば、ビットストリーム、又はファイルに記録された符号化された映像信号を、例えば伸長し復号化する。と同時に又は相前後して、映像信号に含まれる、独自情報を保持する情報信号を検出する。
次に、抽出手段によって、例えば復号化され検出された情報信号から、独自情報が第2周期に基づいて抽出される。そして、例えば、映像信号と共に、例えばディスプレイモニタ等の受像管に表示される、又は、記録媒体に記録される。
特に、第1実施形態によれば、例えばデジタル映像信号の第2周期に含まれる、少なくとも基準画像だけに基づいて、独自情報を抽出することが可能となる。
この結果、第1実施形態によって、基準画像の直流成分値が検出され、演算等の処理が行われることによって、独自情報を抽出し復元することが可能となる。また、例えばIピクチャ等の基準画像における画像処理は、基準画像から復元される、例えばPピクチャやBピクチャ等の予測画像における画像処理と比較して、複雑な制御が必要ないため処理時間を短縮することが可能である。
以上より、第1実施形態によれば、映像信号から、例えば著作権保護情報等の独自情報をより適切且つ効率的に抽出することが可能となる。
尚、上述した本発明の情報多重装置に係る各種態様に対応して、本発明の情報抽出装置に係る第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報抽出装置に係る第2実施形態は、上述した本発明の情報多重装置に係る第2実施形態(但し、その各種態様を含む)により前記独自情報が多重化された前記映像信号から前記独自情報を抽出する情報抽出装置であって、前記独自情報を保持する前記情報信号を検出する検出手段と、前記独自情報を、前記検出された情報信号から、前記第3周期(Iピクチャが2つ)に基づいて抽出する抽出手段とを備える。
本発明の情報抽出装置に係る第2実施形態によれば、その構成、及び作用は、前述した第1実施形態と概ね同様である。
特に、第2実施形態によれば、第3周期に含まれる、少なくとも基準画像だけに基づいて、独自情報を抽出することが可能となる。従って、例えば第2実施形態によって、再エンコードされた場合、どの基準画像が、独自情報を保持する正しい情報信号を示すのかを適切に識別することが可能である。
以上より、第2実施形態によれば、映像信号から、例えば著作権保護情報等の独自情報をより適切且つ効率的に抽出することが可能となる。
本発明の情報抽出装置に係る第1及び第2実施形態の一の態様は、前記映像信号に含まれる前記第1周期毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値を測定する測定手段と、前記直流成分値に一のオフセット値を加算することが可能な加算手段とを更に備え、前記検出手段は、更に、(i)前記直流成分値が、不連続に推移する推移点を検出し、(ii)前記不連続を緩衝する前記一のオフセット値を前記直流成分値に加算させるように前記加算手段を制御しつつ前記情報信号を検出し、前記抽出手段は、前記独自情報を、前記検出された情報信号から、前記第2周期、又は前記第3周期に基づいて抽出する。
この態様によれば、不連続に推移する直流成分値においても、適切に独自情報を抽出することが可能である。尚、情報抽出装置は、例えばプレイバック等の再生の最中に、一のオフセット値を加算するようにしてもよい。
(情報多重方法の実施形態)
本発明の情報多重方法に係る第1実施形態は、静止画像を単位とした第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)で入力される映像信号に独自情報を重畳する情報多重装置における情報多重方法であって、前記独自情報を保持する情報信号を生成する生成工程と、前記生成された情報信号を、前記映像信号に含まれる前記第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)に重畳する重畳工程と、前記生成された情報信号を、前記直流成分値に、所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像を単位とした第2周期(GOP:15フレーム(ピクチャ))に基づいて、重畳させるように前記重畳工程を制御する制御工程とを備える。
本発明の情報多重方法に係る第1実施形態によれば、上述した本発明の情報多重装置に係る第1実施形態と同様の各種利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の情報多重装置に係る第1実施形態における各種態様に対応して、本発明に係る情報多重方法の第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報多重方法に係る第2実施形態は、静止画像を単位とした第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)で入力される映像信号に独自情報を重畳する情報多重装置における情報多重方法であって、前記独自情報を保持する情報信号を生成する生成工程と、前記生成された情報信号を、前記映像信号に含まれる前記第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)毎の輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)に重畳する重畳工程と、前記生成された情報信号を、前記直流成分値に、所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像(GOP)に含まれる基準画像(Iピクチャ)を少なくとも2つ含む第3周期(Iピクチャが2つ)に基づいて、重畳させるように前記重畳工程を制御する制御工程とを備える。
本発明の情報多重方法に係る第2実施形態によれば、上述した本発明の情報多重装置に係る第2実施形態と同様の各種利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の情報多重装置に係る第2実施形態における各種態様に対応して、本発明に係る情報多重方法の第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
(情報抽出方法の実施形態)
本発明の情報抽出方法に係る第1実施形態は、上述した本発明の情報多重装置に係る第1実施形態(但し、その各種態様を含む)により前記独自情報が多重化された前記映像信号から前記独自情報を抽出する情報抽出装置における情報抽出方法であって、前記独自情報を保持する前記情報信号を検出する検出工程と、前記独自情報を、前記検出された情報信号から、前記第2周期(GOP:15フレーム(ピクチャ))に基づいて抽出する抽出工程とを備える。
本発明の情報抽出方法に係る第1実施形態によれば、上述した本発明の情報抽出装置に係る第1実施形態と同様の各種利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の情報抽出装置に係る第1実施形態における各種態様に対応して、本発明に係る情報抽出方法の第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報抽出方法に係る第2実施形態は、上述した本発明の情報多重装置に係る第2実施形態(但し、その各種態様を含む)により前記独自情報が多重化された前記映像信号から前記独自情報を抽出する情報抽出装置における情報抽出方法であって、前記独自情報を保持する前記情報信号を検出する検出工程と、前記独自情報を、前記検出された情報信号から、前記第3周期(Iピクチャが2つ)に基づいて抽出する抽出工程とを備える。
本発明の情報抽出方法に係る第2実施形態によれば、上述した本発明の情報抽出装置に係る第2実施形態と同様の各種利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の情報抽出装置に係る第2実施形態における各種態様に対応して、本発明に係る情報抽出方法の第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
(コンピュータプログラムの実施形態)
本発明に係るコンピュータプログラムの第1実施形態は、上述した本発明の情報多重装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する多重制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記生成手段、前記重畳手段、及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明に係るコンピュータプログラムの第2実施形態は、上述した本発明の情報多重装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する多重制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記生成手段、前記重畳手段、及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明に係るコンピュータプログラムの第3実施形態は、上述した本発明の情報抽出装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する抽出制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記検出手段、及び前記抽出手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明に係るコンピュータプログラムの第4実施形態は、上述した本発明の情報抽出装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する抽出制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記検出手段、及び前記抽出手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明に係るコンピュータプログラムの第1から第4実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報多重装置、又は情報抽出装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の情報多重装置、又は情報抽出装置に係る第1及び第2実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る第1から第4実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以上説明したように、本発明の情報多重装置又は方法に係る第1及び第2実施形態によれば、生成手段及び工程、重畳手段及び工程、並びに制御手段及び工程を備える。従って、従って、後述される情報抽出装置によって、少なくとも基準画像だけに基づいて、独自情報を抽出することが可能となる。この結果、映像信号に対して、例えば著作権保護情報等の独自情報をより適切且つ効率的に多重化することが可能となる。
また、本発明の情報抽出装置又は方法に係る第1及び第2実施形態によれば、検出手段及び工程、並びに、抽出手段及び工程を備える。従って、第2周期、又は第3周期に含まれる、少なくとも基準画像だけに基づいて、独自情報を抽出することが可能となる。この結果、映像信号から、例えば著作権保護情報等の独自情報をより適切且つ効率的に抽出することが可能となる。
更に、また、本発明のコンピュータプログラムに係る第1から第4実施形態によれば、コンピュータを上述した本発明の情報多重装置、及び情報抽出装置に係る実施形態として機能させる。従って、情報多重装置をして、映像信号に対して、例えば著作権保護情報等の独自情報をより適切且つ効率的に多重化することが可能となる。加えて、情報抽出装置をして、映像信号から、例えば著作権保護情報等の独自情報をより適切且つ効率的に抽出することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
(1)本発明の概略
(1−1)情報多重装置及び情報抽出装置の概略
先ず、図1を参照して、本発明の情報多重装置及び情報抽出装置の概略について説明する。ここに、図1は、本発明に係る情報多重装置及び情報抽出装置を用いたシステムの概念的な構成図である。
図1に示されるように、先ず、映像信号10と、著作権情報等の独自情報20とが、情報多重装置100に入力される。次に、情報多重装置100は、独自情報20を映像信号10に重畳する。より詳細には、情報多重装置100は、独自情報20が重畳された映像信号10を、例えば、圧縮符号化し、ビットストリーム又はファイルとして、ネットワーク又はCDや、DVD等の記録媒体へと出力する。そして、例えばネットワークを介して伝送されるビットストリーム、又は記録媒体等に記録されたファイルが、情報抽出装置200に入力される。他方、情報抽出装置200は、前述したビットストリーム、又はファイルに記録された符号化された映像信号10を、例えば伸長し復号化する。そして、復号化された映像信号10から、重畳された独自情報は抽出されて、映像信号10と共に、モニターに表示される、又は、記録媒体に記録される。
(1−2)独自情報が多重される本発明に係る第1周期及び第2周期の概要
次に、図2及び図3を参照して、独自情報が多重される本発明に係る第1周期、及び第2周期の概略について説明する。ここに、図2は、本発明に係る映像信号、第2周期で重畳される独自情報、及び伝送時間軸を図式的に示した概念図である。図3は、本発明に係る独自情報が重畳される第2周期、及び第3周期の一具体例を図式的に示した概念図である。
図2に示されるように、独自情報20が、映像信号10に、例えば第2周期等の所定周期の単位で、伝送時間軸上において多重化される。より具体的には、独自情報20が、「1」、「0」、「1」、「1」、「0」、…、「1」として、動画像「A」、動画像「B」、動画像「C」、動画像「D」、動画像「A」、…、動画像「D」に夫々含まれる輝度信号の平均値を示す直流成分値に、第2周期、又は第3周期の単位で重畳される。
ここに、本願発明に係る「第2周期」とは、例えば、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)等の所定圧縮規格により定められている単独で再生可能な動画像の単位であるGOP(Group Of Picture)の周期に基づいた周期である。
具体的には、例えばGOPが、15フレーム(フレーム画像)によって構成され、1フレーム当たり1/30秒である場合、第2周期は、2つのGOPを構成する30フレームに相当する1.0秒(=15×2÷30)であるようにしてもよい。より具体的には、図3に示されるように、1つのGOPは、15のフレームの集合である例えば「IBBPBBPBBPBBPBB」を備えて構成されている。尚、符号「I」は、本発明に係る「基準画像」の一具体例を構成するIピクチャ(フレーム内符号化画像:Intra-coded Picture)を示し、符号「P」は、Pピクチャ(フレーム間順方向予測符号化画像:Predictive-coded Picture)を示し、符号「B」は、Bピクチャ(フレーム間両方向予測符号化画像:Bidirectionally predictive-coded Picture)を示す。従って、第2周期の一具体例である2つのGOPを構成する30フレームは、「IBBPBBPBBPBBPBB」に加えて「IBBPBBPBBPBBPBB」を備えて構成されている。
他方、本願発明に係る「第3周期」とは、基準画像(Iピクチャ)を少なくとも2つ含む周期である。具体的には、第3周期は、前述した第2周期と同じフレーム数で構成された場合、「PBBIBBPBBPBBPBB」に加えて「PBBIBBPBBPBBPBB」を備えて構成されるようにしてもよい。尚、本実施例では、1つのGOPは、15個のフレーム(ピクチャ)から構成されているが、MPEG2又はMPEG4における圧縮方式では、1つのGOPを構成するピクチャ数は任意に定めることができる。
また、第2周期、及び第3周期の単位で独自情報20が重畳される直流成分値(平均DC値、信号の重心)は、第1周期(秒/フレーム、秒/フィールド)毎の輝度信号の平均値を示すようにしてもよい。ここに、「第1周期」とは、ディスプレイの表示方式の一例たるNTSC方式のフィールド周期である1/60秒を基準とした周期であってもよいし、フレーム周期の1/30秒を基準とした周期であってもよい。或いは、PAL方式のフィールド周期である1/50秒を基準とした周期であってもよいし、フレーム周期の1/25秒を基準とした周期であってもよい。
更に、本発明に係る第2周期、及び第3周期の単位で、独自情報が重畳されることの効果については、後述される図9等において説明される。
(2)情報多重装置の第1実施例の詳細
次に、図4から図8を参照して、本発明の情報多重装置に係る第1実施例の基本構成及び動作原理について説明する。ここに、図4は、本発明の情報多重装置に係る第1実施例に係る基本構成を示したブロック図である。
(2−1)基本構成
図4に示されるように、本発明の情報多重装置に係る実施例は、A/D(Analog to Digital)変換器101、フレームメモリ102、平均DC演算器103、比較器104、VBI(Vertical blanking interval)検出器105、生成器106、制御器107、重畳器108、リミッタ(Limiter)109、及び、MPEGエンコーダ110を備えて構成されている。
A/D(Analog to Digital)変換器101においては、アナログ映像信号10aが入力される。尚、A/D変換器101においては、映像情報を含まない映像信号の走査線であるブランキングが除去されるように構成してもよい。
フレームメモリ102においては、A/D変換されたデジタル映像信号(ディジタル映像信号)10dが、記憶される。
平均DC演算器103においては、フレームメモリ102から出力されたデジタル映像信号10dに含まれるフレームの直流成分値の平均値が演算され、後述される制御器107へ出力される。
比較器104においては、(i)現在、入力された新しいフレームを構成する画素(ピクセル)における輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)と、(ii)新しいフレームより時間的に1フレームだけ古いフレームを構成する画素(ピクセル)における輝度信号の平均値を示す直流成分値との比較が行われる。従って、後述される制御器107は、この比較結果に基づいて、映像信号が走査される画面内において、直流成分値の単位時間当たりの変化率が平均変化率より大きい画素(ピクセル)を識別して、本発明に係る変化領域を特定することが可能となる。
VBI検出器105は、水平同期信号Hsync、及び垂直同期信号Vsyncを検出し、例えばNTSC方式のビデオにおける30フレームに相当する第2周期の単位を検出する。そして、VBI検出器105は、この検出した第2周期の単位のタイミングを、後述される制御器107へ通知する。
生成器106は、独自情報を保持する情報信号を生成する。尚、本発明に係る「生成手段」の一具体例を構成する。
制御器107は、各種手段を統括制御する。尚、制御器107は、本発明に係る「制御手段」の一具体例を構成する。
重畳器108は、独自情報を保持する情報信号を、例えば第2周期等の所定の周期で直流成分値に重畳する。尚、重畳器108は、本発明に係る「重畳手段」の一具体例を構成する。
リミッタ(Limiter)109は、出力振幅を所定値以下に抑制する。
MPEGエンコーダ110は、リミッタ109から出力された映像信号を、例えばMPEG2等の規格に基づいて、エンコード(符号化)する。
(2−2)動作原理
次に、図5から図8に加えて前述した図4を適宜参照して、本発明の情報多重装置に係る実施例の動作原理に加えて詳細構成について説明する。ここに、図5は、本発明の情報多重装置に係る実施例に係る動作原理を示したフローチャートである。
図5に示されるように、先ず、アナログ映像信号10aがA/D変換器101に入力される(ステップS10)。
次に、A/D変換器101において、アナログ映像信号10aのA/D変換が行われる(ステップS11)。尚、A/D変換器101においては、更に、アナログ映像信号10aが、例えばSビデオ(Y/C)信号と、基準ビデオ同期信号(具体的には、水平及び垂直同期信号)とに分離され、例えば、NTSC方式のビデオ等に対してはブランキング信号が除去されるようにしてもよい。尚、映画フィルム等に対しては、ブランキング信号の除去は不要であるようにしてもよい。
次に、A/D変換されたデジタル映像信号10dが、フレームメモリ102に記憶される(ステップS12)。
次に、平均DC演算器103によって、フレームメモリ102から出力されたデジタル映像信号10dに含まれるフレームの直流成分値の平均値が演算され、制御器107へ出力される(ステップS13)。特に、平均DC演算器103は、例えばメモリ等の記憶手段を備えるようにしてもよい。従って、制御器107は、この記憶手段に履歴として記憶されるフレーム単位の輝度信号の平均値に基づいて、直流成分値が、増加中であるのか、或いは、減少中であるのかを判定することが可能となる。
ステップS12、及びステップS13と同時に、又は、相前後して、比較器104によって、(i)現在、入力された新しいフレームを構成する画素(ピクセル)における輝度信号の平均値を示す直流成分値(平均DC値、信号の重心)と、(ii)新しいフレームより時間的に1フレームだけ古いフレームを構成する画素(ピクセル)における輝度信号の平均値を示す直流成分値との比較が行われる(ステップS14)。従って、制御器107は、この比較結果に基づいて、映像信号が走査される画面内において、直流成分値の単位時間当たりの変化率が平均変化率より大きい画素(ピクセル)を識別して、本発明に係る変化領域を特定することが可能となる。
続いて、ステップS12からS14と同時に又は相前後して、VBI検出器105によって、水平同期信号Hsync、及び垂直同期信号Vsyncが検出され、例えばNTSC方式のビデオにおける30フレームに相当する第2周期の単位が検出される(ステップS15)。そして、VBI検出器105は、この検出した第2周期の単位のタイミングを、制御器107へ通知する。
次に、制御器107の制御下で、生成器106によって生成された、例えば複製世代管理情報(CCI:Copy Control Information)等の独自情報20は、2進数表示における「1」であるか否かが判定される(ステップS16)。
ここで、独自情報20が「1」である場合(ステップS16:Yes)、更に、制御器107の制御下で、平均DC演算器103によって演算された、フレーム単位の輝度信号の平均値に基づいて、直流成分値が、増加しているか否かが判定される(ステップS17)。ここで、直流成分値が、増加している場合(ステップS17:Yes)、制御器107の制御下で、第2周期の単位で、重畳器108によって、独自情報を保持する情報信号として、所定量「α」だけ直流成分値に加算される(ステップS18)。ここに、本願発明に係る所定量「α」とは、直流成分値に重畳される重畳量の一単位である。この所定量「α」は、例えば、実験的、経験的又は理論的若しくはシミュレーション等により求めることが可能である。
ここで、図6、及び図7を参照して、重畳器108によって、直流成分値が増加している場合の、独自情報を保持する情報信号として、第2周期の単位で、直流成分値に重畳される重畳量の時間的な変化について説明する。ここに、図6は、本発明に係る映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移を示したグラフ(上側部分)、及び本発明に係る情報多重装置によって、直流成分値に重畳される重畳量の時間的な変化を示したグラフ(下側部分)である。図7は、本発明に係る情報多重装置によって、直流成分値が増加される場合において、第2周期の単位で重畳される重畳量の時間的な変化を示した図式的な模式図である。
図6中の部分「X1」及び「X2」に対応されるように、映像信号に含まれる直流成分値が増加している最中に、独自情報として「1」を重畳する場合、直流成分値に、所定量「α」だけ加算される。
より詳細には、図7に示されるように、例えば映像信号に含まれる直流成分値が増加している最中に、時間軸に沿って、独自情報として2進数表示における(i)「1」、(ii)「0」、(iii)「1」を重畳する場合、次のように、情報信号が直流成分値に重畳される。即ち、制御器107の制御下で、重畳器108によって、前述したように、2つのGOPに基づいて決定可能な第2周期の単位で、(i)に対応して、所定量「α」だけ加算され、(ii)に対応して、情報信号は、直流成分値に重畳されず、(iii)に対応して、所定量「α」だけ加算される。
再び、図5に戻る。
他方、直流成分値が、増加していない場合、即ち直流成分値が減少している場合(ステップS17:No)、制御器107の制御下で、第2周期で、重畳器108によって、独自情報を保持する情報信号として、所定量「α」だけ直流成分値から減算される(ステップS19)。
ここで、図8に加えて前述した図6を適宜参照して、重畳器108によって、直流成分値が減少している場合の、独自情報を保持する情報信号として、第2周期の単位で、直流成分値に重畳される重畳量の時間的な変化について説明する。ここに、図8は、本発明に係る情報多重装置によって、直流成分値が減少される場合において、第2周期の単位で重畳される重畳量の時間的な変化を示した図式的な模式図である。
前述した図6中の部分「Y1」及び「Y2」に対応されるように、映像信号に含まれる直流成分値が減少している最中に、独自情報として「1」を重畳する場合、直流成分値に、所定量「α」だけ減算される。
より詳細には、図8に示されるように、例えば映像信号に含まれる直流成分値が減少している最中に、時間軸に沿って、独自情報として2進数表示における(i)「1」、(ii)「0」、(iii)「1」を重畳する場合、次のように、情報信号が直流成分値に重畳される。即ち、制御器107の制御下で、重畳器108によって、前述したように、2つのGOPに基づいて決定可能な第2周期の単位で、(i)に対応して、所定量「α」だけ減算され、(ii)に対応して、情報信号は、直流成分値に重畳されず、(iii)に対応して、所定量「α」だけ減算される。
再び、図5に戻る。
他方、前述したステップS16の判定の結果、独自情報20が「1」でない場合、即ち、独自情報20が2進数表示における「0」である場合(ステップS16:No)、独自情報を保持する情報信号は、直流成分値に重畳されない(ステップS20)。
次に、リミッタ109によって、振幅制限をかけられる(ステップS21)。より具体的には、リミッタ109によって、情報信号が重畳された輝度信号に対して、振幅制限をかけるために、ダイナミックレンジ圧縮が行われるようにしてもよい。このダイナミックレンジ圧縮によって、独自情報を保持する情報信号の重畳によって輝度信号の飽和を抑制することが可能である。例えば重畳された輝度信号の最大値が「2」の場合、映像信号の最大値を「255−2」にクリップする(対応付ける)ことで実現できる。より高度な制御の下では、輝度信号の値を示す所定の範囲を、入出力を示す緩やかな曲線にクリップする(対応付ける)ことで実現できる。
次に、MPEGエンコーダ110によって、リミッタ109から出力された映像信号が、例えばMPEG2等の規格に基づいて、エンコード(符号化)される(ステップS22)。
(3)本発明の情報多重装置に係る作用効果の検討
次に、図9及び図10を参照して、本発明の情報多重装置によって、第2周期、又は第3周期の単位で、独自情報が重畳されることによる効果について説明する。ここに、図9は、本発明の情報多重装置によって、第2周期、又は第3周期の単位で、独自情報が重畳されることによって、基準画像(Iピクチャ)を有す映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移を示したグラフ(図9(a))、及び比較例に係る周期の単位で、独自情報が重畳されることによって、基準画像(Iピクチャ)を有す映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移を示したグラフ(図9(b))である。尚、縦軸は、直流成分値に重畳される重畳量を示し、横軸は、時間軸を示す。また、図9において、丸印は、例えば映画フィルムにおける基準画像(Iピクチャ)を示し、四角印は、例えばカムコーダーによって抽出された映像信号における基準画像(Iピクチャ)を示す。図10は、本発明に係る第2周期の基準となる映画フィルムにおけるフレーム単位の周期と、例えばDVD−Video規格に基づいたカムコーダーによって複製されたフレームにおける周期との比較を図式的に示した模式図である。尚、図10における映像「A」から映像「D」は、前述した図2における映像フレームと対応している。
本発明に係る情報多重装置によれば、例えばMPEG2等の所定圧縮規格におけるGOPを単位とした第2周期に基づいて、独自情報を保持する情報信号が直流成分値に重畳されている。従って、情報抽出装置によって、少なくとも基準画像だけに基づいて、独自情報を抽出することが可能となる。
この結果、本発明に係る情報抽出装置によって、基準画像の直流成分値が検出され、演算等の処理が行われることによって、独自情報を抽出し復元することが可能となる。また、例えばIピクチャ等の基準画像における画像処理は、基準画像から復元される、例えばPピクチャやBピクチャ等の予測画像における画像処理と比較して、複雑な制御が必要ないため処理時間を短縮することが可能である。
更に、本発明に係る情報多重装置によれば、少なくとも2つの基準画像(Iピクチャ)を含む第3周期に基づいて、独自情報を保持する情報信号が直流成分値に重畳されている。従って、例えば情報抽出装置によって、再エンコードされたとき、どの基準画像が、独自情報を保持する正しい情報信号を示すのかを識別することが可能である。
より具体的には、図9(a)の太い横線に示されるように、四角印で示されたカムコーダーによって抽出された基準画像(Iピクチャ)の推移によって、独自情報を保持する情報信号の変化を適切に識別することが可能となる。即ち、(i)独自情報を保持する情報信号を構成する一のシンボル(例えば「1」)が、少なくとも重畳された時間間隔、及び、(ii)他のシンボル(例えば「0」)が、少なくとも重畳された時間間隔を識別することができる。尚、詳細には、映画フィルムにおける映像信号における基準画像(Iピクチャ)が出現する周期と、例えばDVD−Video規格に基づいたカムコーダーによって複製された映像信号における基準画像(Iピクチャ)が出現する周期とは異なる。より具体的には、図10に示されるように、映画フィルムにおけるフレーム(ピクチャ)単位の周期は、1/24秒である。他方、カムコーダーによって複製されたフレーム(ピクチャ)における周期は、1/30秒である。従って、映画フィルムの4フレームの時間、即ち、4/24秒(1/6秒)と、カムコーダーによって複製された5フレームの時間、即ち、5/30秒(1/6秒)が等しい。
仮に、1つのGOPの単位の周期に基づいて、独自情報が重畳された場合、図9(b)における点線に示されるように、四角印で示されたカムコーダーによって抽出された基準画像(Iピクチャ)における直流成分値の推移によって、一のシンボル(例えば「1」)が重畳された時間間隔と、他のシンボル(「0」)が重畳された時間間隔との境界を識別することができなくなってしまう。
これに対して、本発明に係る情報多重装置によれば、少なくとも2つの基準画像(Iピクチャ)を含む第3周期に基づいて、独自情報を保持する情報信号が直流成分値に重畳されている。従って、例えば情報抽出装置によって、再エンコードされたとき、どの基準画像が、独自情報を保持する正しい情報信号を示すのかを識別することが可能である。
(4)情報多重装置の第2実施例の詳細
次に、図11を参照して、本発明の情報多重装置に係る第2実施例について説明する。即ち、例えば直流成分値が増加している場合の、第2実施例に係る制御器107の制御下で、第2周期、又は第3周期における遷移周期で、直流成分値に情報信号として、重畳される緩衝信号の時間的な変化について説明する。尚、第2実施例に係る基本構成、及び動作原理については、前述した第1実施例と概ね同様であるので省略する。ここに、図11は、本発明の情報多重装置に係る第2実施例によって、直流成分値が増加される場合において、第2周期、又は第3周期の単位で重畳される重畳量の時間的な変化を示した図式的な模式図である。
図11に示されるように、第2実施例においては、例えば映像信号に含まれる直流成分値が増加している最中に、時間軸に沿って、独自情報として2進数表示における(i)「1」、(ii)「0」を重畳する場合、次のように、情報信号が直流成分値に重畳される。即ち、制御器107の制御下で、重畳器108によって、2つのGOPに基づいて特定可能な第2周期の単位で、(i)に対応して、有効信号周期Z1において、所定量「α」だけ加算され、(ii)に対応して、有効信号周期Z2において、情報信号は、直流成分値に重畳されない。
特に、有効信号周期Z1と有効信号周期Z2との間に位置される遷移周期W1においては、有効信号周期Z1において重畳された所定量「α」の重畳量と、有効信号周期Z2における「0:ゼロ」の重畳量との階段形状の差を無くして、連続して遷移させるための緩衝信号が直流成分値に重畳される。
より具体的には、制御器107は、比較器104による比較結果に基づいて、映像信号が走査される画面内において、直流成分値の単位時間当たりの変化率が平均変化率より大きい画素(ピクセル)を含む変化領域において、重畳量を減算又は加算させることによって、緩衝信号を重畳するようにしてもよい。
或いは、画面全体における、例えば345600個(=720×480個)の画素(ピクセル)のうち、1個の画素における輝度信号を変化させることによって、「α/345600」の重畳量を減算又は加算させることが可能である。同様にして、2個から345600個の画素における輝度信号を変化させることよって、「2α/345600」から「345600α/345600」(=α)までの重畳量を減算又は加算させることが可能である。従って、遷移周期W1において、有効信号周期Z1から有効信号周期Z2に向かう方向で、重畳量は、「345600α/345600」、「345599α/345600」、「345598α/345600」、・・・、「3α/345600」、「2α/345600」、「α/345600」、「0」へと遷移させることが可能となる。
以上のようにして、第2実施例によれば、遷移周期W1においては、2つの有効信号周期Z1と有効信号周期Z2とにおける重畳量の差の最大値である所定量「α」を緩衝させて、連続して遷移させることが可能となる。
(5)情報多重装置の第3実施例の詳細
次に、図12から図14を参照して、本発明の情報多重装置の第3実施例に係る第1から第3変形例について説明する。即ち、第3実施例に係る第1から第3変形例においては、不連続に推移する直流成分値に対応することが可能となる。尚、第3実施例に係る基本構成、及び動作原理については、前述した第1実施例と概ね同様であるので省略する。ここに、図12は、本発明に係る映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移において、不連続に推移する推移点を示したグラフである。図13は、本発明に係る映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移において、不連続に推移する推移点において、オフセット量が加算された場合を示したグラフである。図14は、本発明に係る映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移において、不連続に推移する推移点において、所定規則に基づいて、情報信号が重畳された場合を示したグラフである。尚、図12から図13において、縦軸は、映像信号に重畳される直流成分値を示し、横軸は、時間軸を示す。
第3実施例に係る第1変形例においては、制御器107の制御下で、重畳器108は、図12に示されるように、不連続に推移する直流成分値においては、独自情報を保持する情報信号を構成する一のシンボル(「1」)及び他のシンボル(「0」)のうち一方から他方へ変化させる、即ち、情報信号を反転させないように構成してもよい。
また、第3実施例に係る第2変形例においては、制御器107の制御下で、重畳器108は、図13に示されるように、不連続に推移する直流成分値においては、不連続を緩衝するオフセット量を直流成分値に加算しつつ、情報信号を重畳させるように構成してもよい。
更に、また、第3実施例に係る第3変形例においては、制御器107の制御下で、重畳器108は、図14に示されるように、不連続に推移する直流成分値においては、一及び他のシンボルのうち一方(「1」)から他方(「0」)へ変化(反転)したことを示す所定規則に基づいて、情報信号を重畳させるように構成してもよい。
具体的には、図14(a)に示されるように、直流成分値が増加している際、不連続に推移する推移点において、独自情報が「1」から「0」へ変化(反転)した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の前に所定量「α」を直流成分値に加算するようにしてもよいし、推移点の後に情報信号を重畳しないようにしてもよい。
また、図14(b)に示されるように、直流成分値が増加している際、不連続に推移する推移点において、独自情報が「1」から「0」へ変化(反転)した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の前に所定量「α」を直流成分値に加算するようにしてもよいし、推移点の後に所定量「α」を直流成分値に加算するようにしてもよい。
また、図14(c)に示されるように、直流成分値が増加している際、不連続に推移する推移点において、独自情報が変化した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の後に、推移点の前と同様の、情報信号を直流成分値に重畳するようにしてもよい。より具体的には、(i)独自情報が「1」から「0」へ変化(反転)した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の前に所定量「α」を直流成分値に加算して、推移点の後にも同様に所定量「α」を直流成分値に加算するようにしてもよい。また、(ii)独自情報が「0」から「1」へ変化(反転)した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の前に情報信号を重畳しないで、推移点の後にも同様に情報信号を重畳しないようにしてもよい。
他方、図14(d)に示されるように、直流成分値が減少している際、不連続に推移する推移点において、独自情報が「1」から「0」へ変化(反転)した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の前に所定量「α」を直流成分値から減算するようにしてもよいし、推移点の後に情報信号を重畳しないようにしてもよい。
また、図14(e)に示されるように、直流成分値が減少している際、不連続に推移する推移点において、独自情報が「1」から「0」へ変化(反転)した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の前に所定量「α」を直流成分値から減算するようにしてもよいし、推移点の後に所定量「α」を直流成分値から減算するようにしてもよい。
また、図14(f)に示されるように、直流成分値が減少している際の不連続に推移する推移点において、独自情報が変化した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の後に、推移点の前と同様の、情報信号を直流成分値から減算するようにしてもよい。より具体的には、(i)独自情報が「1」から「0」へ変化(反転)した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の前に所定量「α」を直流成分値から減算して、推移点の後にも同様に所定量「α」を直流成分値から減算するようにしてもよい。また、(ii)独自情報が「0」から「1」へ変化(反転)した場合、制御器107の制御下で、重畳器108は、推移点の前に情報信号を重畳しないで、推移点の後にも同様に情報信号を重畳しないようにしてもよい。
特に、上述した第3実施例は、本発明に係る情報抽出装置に適用可能である。即ち、上述した第1から第3変形例の重畳手法に対応される抽出手法(これら重畳手法と逆のアプローチの抽出手法)によって、独自情報を抽出してもよい。或いは、情報抽出装置によって取得された後、再生される段階において、上述した第1から第3変形例の重畳手法に対応される抽出手法によって、独自情報を抽出してもよい。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう情報多重装置及び方法、情報抽出装置及び方法、並びに、多重制御用、及び抽出制御用のコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る情報多重装置及び情報抽出装置を用いたシステムの概念的な構成図である。
本発明に係る映像信号、第2周期で重畳される独自情報、及び伝送時間軸を図式的に示した概念図である。
本発明に係る独自情報が重畳される第2周期、及び第3周期の一具体例を図式的に示した概念図である。
本発明の情報多重装置に係る第1実施例に係る基本構成を示したブロック図である。
本発明の情報多重装置に係る実施例に係る動作原理を示したフローチャートである。
本発明に係る映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移を示したグラフ(上側部分)、及び本発明に係る情報多重装置によって、直流成分値に重畳される重畳量の時間的な変化を示したグラフ(下側部分)である。
本発明に係る情報多重装置によって、直流成分値が増加される場合において、第2周期の単位で重畳される重畳量の時間的な変化を示した図式的な模式図である。
本発明に係る情報多重装置によって、直流成分値が減少される場合において、第2周期の単位で重畳される重畳量の時間的な変化を示した図式的な模式図である。
本発明の情報多重装置によって、第2周期、又は第3周期の単位で、独自情報が重畳されることによって、基準画像(Iピクチャ)を有す映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移を示したグラフ(図9(a))、及び比較例に係る周期の単位で、独自情報が重畳されることによって、基準画像(Iピクチャ)を有す映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移を示したグラフ(図9(b))である。
本発明に係る第2周期の基準となる映画フィルムにおけるフレーム単位の周期と、例えばDVD−Video規格に基づいたカムコーダーによって複製されたフレームにおける周期との比較を図式的に示した模式図である。
本発明の情報多重装置に係る第2実施例によって、直流成分値が増加される場合において、第2周期、又は第3周期の単位で重畳される重畳量の時間的な変化を示した図式的な模式図である。
本発明に係る映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移において、不連続に推移する推移点を示したグラフである。
本発明に係る映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移において、不連続に推移する推移点において、オフセット量が加算された場合を示したグラフである。
本発明に係る映像信号に含まれる直流成分値の時間的な推移において、不連続に推移する推移点において、所定規則に基づいて、情報信号が重畳された場合を示したグラフである。
符号の説明
10…映像信号、10a…アナログ映像信号、10d…デジタル映像信号、20…独自情報、100…情報多重装置、101…A/D変換器、102…フレームメモリ、103…平均DC演算器、104…比較器、105…VBI検出器、106…生成器、107…制御器、108…重畳器、109…リミッタ、及び、110…MPEGエンコーダ、200…情報抽出装置