JP2006165693A - イメージセンサおよびそれを用いる画像読取形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 密着型イメージセンサに鉛を含有しないロッドレンズアレーを使用する場合の高温・高湿環境下での白いレンズ析出物による画層読取品質劣化を解決する。
【解決手段】外部環境に接触する鉛フリーの円柱状レンズ302−1の上面に耐候保護層307を形成する。円柱状レンズ302−1の下面は樹脂筐体303と基板304で外部環境から保護する。以上の構成より、高温・高湿環境下で長期使用しても白い析出物の発生を抑制し、画層読取品質劣化を解決することができる。
【選択図】図2
【解決手段】外部環境に接触する鉛フリーの円柱状レンズ302−1の上面に耐候保護層307を形成する。円柱状レンズ302−1の下面は樹脂筐体303と基板304で外部環境から保護する。以上の構成より、高温・高湿環境下で長期使用しても白い析出物の発生を抑制し、画層読取品質劣化を解決することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、複写機等の画像読取部などに使用される密着型イメージセンサに関し、特に、鉛を含有しない光学結像素子を使用する密着型イメージセンサに関する。
従来、複写機等の画像読取部としては、原稿を照明する光源と、この光源により光が照射された原稿を読み取る光電変換素子と、原稿の情報を光電変換素子に結像する結像素子とを含む密着型イメージセンサ(以下CISと略す)が使用されている。このCISの等倍光学結像素子としては、例えば、公知の鉛を含むロッドレンズアレーが使用されていて、光源には、可視光以外に赤外光を発生するキセノンランプなどの光源あるいはLEDなどの可視光と赤外光とを発生する光源とが使用されている。このロッドレンズアレーを使用したCISとして、例えば、本出願人による特開2003-348297号公報がある。
特開2003-348297号公報
近年、地球環境に配慮した部品を複写機に使用することが求められてきており、一例として具体的にEUにおける有害物質に関する使用制限を定めたRoHS指令に対応し、本出願人もCISから有害物質である鉛成分の削除(以下、CISの鉛フリー化と称す)を数年に渡って取り組んできている。
しかしながら、上記説明した本出願人による特開2003-348297号公報の出願時点では、ロッドレンズアレーの鉛フリー化についての必要性が認識されていなかったため、その記載内容は、もっぱら、赤外カットの効果的な方法の記載にとどまっていた。
また、本出願に先立ち特許調査を行ったが、その特許調査結果の範囲においては、ロッドレンズアレーの鉛フリー化に関連する密着型イメージセンサの公開特許を見いだすことはできなかった。
そこで、本出願人は、CISからの鉛成分の削除(以下、CISの鉛フリー化と称す)に取り組むこととしたが、困難な課題に直面した。すなわち、ロッドレンズアレーの鉛フリー化を進めると、ロッドレンズアレーの高温・高湿度環境に対する耐久性(以下、耐候性と呼ぶ)が大きく低下した。
この点について以下詳しく説明すると、ロッドレンズアレーに含有する鉛は有効な特性を多く持っているが、そのひとつとして高温・高湿度環境に対する耐久性(以下、耐候性と呼ぶ)を大きく向上するという特性をもつ。すなわち、従来の鉛を含有するロッドレンズアレーは、例えば、温度60℃、湿度90%の高温・高湿度環境に1000時間放置したとしても、レンズの端面の変化は軽微であり、MTF(Modulated Transfer Function 光学系の伝達関数)等の光学特性の劣化がほとんどなく、複写機等に使用したとしてもその性能になんら懸念はなかった。
しかしながら、従来の鉛を含有するロッドレンズアレーに替えて鉛フリーのロッドレンズアレーを使用した場合には、上記の高温・高湿度環境(温度60℃、湿度90%、1000時間放置)において、レンズ端面に白い析出物が全面に発生した。このようにレンズ端面に白い析出物が全面に発生すると、容易に理解されるように、解像度、MTFの劣化、光学フレアが発生するため、鉛フリーのロッドレンズアレーを組み込んだCISユニットを使用したときに、複写機のコピー画像が全体的に白くぼやけ、高濃度パッチ部の端部が白く浮いた感じとなるという画像への実害が発生する。
ここで、白い析出物が全面に発生メカニズムについての解析結果について説明する。
ロッドレンズアレーは、イオン交換プロセスを経て、レンズ内部の屈折率分布を作ることでレンズとしての特性を発揮するように製造される。このためレンズ内部にはナトリウムなど様々な成分が含有されている。これらの成分はSiO2ガラスの内部に混在して存在している。そこで、これらの成分の一部は、上記の高温・高湿度環境において、レンズ内部からレンズの端面(表面)に移動しその表面に析出するものもある。
ここで、従来使用されてきた鉛を含有するロッドレンズアレーでは、その成分である鉛がロッドレンズを構成するガラス成分のSiO2と強固なネットワークを形成し、これがレンズ内部に存在するナトリウムなどの様々な成分が表面に析出するのを防止する析出防止網の役目を果たし、レンズ内部に存在するナトリウムなどの成分をレンズ外部に析出させず内部に保持する効果をもっていた。
しかしながら、地球環境に配慮する鉛フリーのロッドレンズアレーでは、鉛を取り除いたことにより、上記説明した鉛による析出防止網の効果がなくなったため、レンズ内部のナトリウムなどの成分が容易にレンズ端部に析出するようになる。
そのため、鉛フリーのロッドレンズアレーが、高温・高湿度環境下(例えば、温度60℃、湿度90%で1000時間)で放置されると、その表面に析出したナトリウムなどの成分は、高温・高湿度環境中において、その環境中に含まれる水分や空気中のガス成分と反応する一連の化学反応の過程を経てし、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を成分とする白い析出物として、レンズ端面に全面に付着することになった。
なお、この問題を解決するために、鉛を含むロッドレンズアレーの鉛の代替にバリウムなどを使用することも考えられるが、バリウムを使用した場合には、鉛と異なり形成されるネットワークが弱く、鉛のように析出防止網としての強固なネットワーク特性には及ばないので、上記の白い析出物の付着を防止できない。
本発明は、上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものであり、その目的は、高温・高湿度環境でも使用することができる鉛成分を含まない密着型イメージセンサおよびこのイメージセンサを用いる画像読取装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の密着型イメージセンサは、以下の構成を有する。すなわち、光源から原稿に光を照射し得られる前記原稿の情報を円柱状レンズで光電変換素子上に結像して前記原稿の情報を読み取るイメージセンサであって、鉛を含有しない円柱状レンズと、前記円柱状レンズの長手方向の前記原稿の情報が入力される側の第1表面に形成され、前記円柱状レンズを外部環境に触れないように保護する透光性保護膜と、前記第1表面の裏面の第2表面が外部環境に触れないようにして前記円柱状レンズを保持収容する保持収容部と、を有することを特徴とする。
ここで例えば、前記鉛を含有しない円柱状レンズは、同一平面上に一列に配列された複数の円柱状レンズから構成され、前記複数の円柱状レンズの各第1表面には透光性保護膜がそれぞれ形成され、前記保持収容部は、前記複数の円柱状レンズの各第2表面が外部環境に触れないようにして前記複数の円柱状レンズを保持収容していることが好ましい。
ここで例えば、前記透光性保護層は、波長400〜700nmで少なくとも70%の分光透過率を持つことが好ましい。
ここで例えば、前記透光性保護層は、蒸着により形成されることが好ましい。
ここで例えば、前記透光性保護層は、樹脂フィルムを接着することにより形成されることが好ましい。
ここで例えば、前記第2面の表面には、波長800〜1000nmの赤外光を分光透過率10%以下に除去する赤外光除去層が更に形成されていることが好ましい。
ここで例えば、前記透光性保護膜は、さらに波長800〜1000nmの赤外光を分光透過率10%以下に除去することが好ましい。
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像形成装置は、上記記載のイメージセンサと、原稿に対する前記イメージセンサの位置を変更する位置変更手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、高温・高湿度の環境でも使用することができる鉛成分を含まない密着型イメージセンサおよびこの密着型イメージセンサを用いる画像読取装置を提供できる。これは、密着型イメージセンサに、鉛を含有しない円柱状レンズを用いても、その表面を透光性保護膜などによって保護して鉛を含有しない円柱状レンズを高温・高湿度の外部環境と接触しないようにすることで実現できる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置について詳細に説明する。
以下、本発明の第1の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置について詳細に説明する。
[第1の実施形態の特徴]
本実施形態の密着型イメージセンサは、高温・高湿度の環境でも使用することができる鉛成分を含まない密着型イメージセンサであり、本実施形態の画像読取装置は、この密着型イメージセンサを用いている。本密着型イメージセンサでは、鉛を含有しない円柱状レンズを用いているが、その表面は、透光性保護膜などにより保護され、鉛を含有しない円柱状レンズ(鉛フリーロッドレンズ)を高温・高湿度の外部環境と直接接触しない構造とした点を特徴とする。
本実施形態の密着型イメージセンサは、高温・高湿度の環境でも使用することができる鉛成分を含まない密着型イメージセンサであり、本実施形態の画像読取装置は、この密着型イメージセンサを用いている。本密着型イメージセンサでは、鉛を含有しない円柱状レンズを用いているが、その表面は、透光性保護膜などにより保護され、鉛を含有しない円柱状レンズ(鉛フリーロッドレンズ)を高温・高湿度の外部環境と直接接触しない構造とした点を特徴とする。
このような構造にすることにより、たとえ高温・高湿度環境下で長期間、本実施形態の密着型イメージセンサが使用され、ナトリウムなどの成分がその表面に析出したとしても、それらの成分は外部環境に存在する水分や二酸化酸素と接触しないため、炭酸ナトリウムなどの白い析出物を生成することがない。そのためMTFの劣化、光学フレアの発生を防止できる。そのため、本実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置では、炭酸ナトリウムなどの白い析出物が生成したときに生じる、コピー画像の全体的な白いぼやけや高濃度パッチ部の端部が白く浮いた感じとなるなど画質を低下させないで原稿画像を高画質で読み取ることができる。以下、第1の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置について詳細に説明する。
[画像読取装置の構成:図1]
図1は、本実施形態の画像読取装置を説明する図である。本画像読取装置は、プラテンガラス205上に載置される原稿204−1、あるいは、自動原稿供給装置203を使って流し読みガラス208上に搬送される原稿204−2の情報を、密着型イメージセンサ300により読み取る。なお、プラテンガラス205上に載置された原稿204−1を読み取る場合には、密着型イメージセンサ300を副走査モータの駆動により、矢印方向に移動させることで原稿204−1の副走査を行うように構成されている。画像処理部150は、密着型イメージセンサ300から出力される画像信号に基づいてデジタル画像を生成する。また、基準白板206を読み取ることで上記画像信号の白レベルを調整する。
図1は、本実施形態の画像読取装置を説明する図である。本画像読取装置は、プラテンガラス205上に載置される原稿204−1、あるいは、自動原稿供給装置203を使って流し読みガラス208上に搬送される原稿204−2の情報を、密着型イメージセンサ300により読み取る。なお、プラテンガラス205上に載置された原稿204−1を読み取る場合には、密着型イメージセンサ300を副走査モータの駆動により、矢印方向に移動させることで原稿204−1の副走査を行うように構成されている。画像処理部150は、密着型イメージセンサ300から出力される画像信号に基づいてデジタル画像を生成する。また、基準白板206を読み取ることで上記画像信号の白レベルを調整する。
[第1実施形態の密着型イメージセンサ:図2、3]
図2は、本実施形態の密着型イメージセンサ300の一例を示す断面図であり、密着型イメージセンサ300は、原稿照明光源301a,301b、鉛フリーのロッドレンズアレー302、樹脂筐体303、基板304、光電変換素子305、透明な耐候保護層307により構成されている。なお、ロッドレンズアレーは従来鉛を含有する円柱状レンズを用いて作製されていたが、本実施形態の鉛フリーのロッドレンズアレー302は、地球環境保護を目的とするため鉛成分を含有しない鉛フリーの円柱状レンズを用いて作製されている点が特徴である。
図2は、本実施形態の密着型イメージセンサ300の一例を示す断面図であり、密着型イメージセンサ300は、原稿照明光源301a,301b、鉛フリーのロッドレンズアレー302、樹脂筐体303、基板304、光電変換素子305、透明な耐候保護層307により構成されている。なお、ロッドレンズアレーは従来鉛を含有する円柱状レンズを用いて作製されていたが、本実施形態の鉛フリーのロッドレンズアレー302は、地球環境保護を目的とするため鉛成分を含有しない鉛フリーの円柱状レンズを用いて作製されている点が特徴である。
この密着型イメージセンサ300について説明すると、原稿照明光源301a,301bは、原稿(不図示)を照明し、光を照射された原稿の光学情報は等倍結像素子である鉛フリーのロッドレンズアレー302により、原稿の情報を光電変換素子305に結像する。このようにして、光を照射された原稿の光学情報が密着型イメージセンサ300により読み取られる。本実施形態で使用する光源は、赤外光を発生しないまたは赤外光の発生が少ない光源であり、赤外光を発生しない光源の一例である3波長LED光源の特性を図3に示す。3波長LED光源は、図3に示されるように、400〜700nmの可視波長領域を3色のLEDで照明するものであり、赤外光は発生しない。
ここで、光電変換素子305は基板304上に実装され、樹脂筐体303で一体に形成された構造となっている。また、鉛フリーのロッドレンズアレー302の上面(第1表面)には、透明な耐候保護層307が形成されている。耐候保護層307は、照明などの光は透過するが、鉛フリーのロッドレンズアレー302の上面を例えば、高温・高湿などの外部環境に直接接触しないように設けられた保護膜であり、上記説明ような析出物の発生を防ぐため、水分およびまたは炭酸ガスを透過させない材質で形成されている。また、鉛フリーのロッドレンズアレー302の下面(第2表面)の表面には、耐候保護層は形成されていないが、鉛フリーのロッドレンズアレー302は樹脂筐体303と基板304とで一体に形成されるため、樹脂筐体303と基板304とによって囲まれた鉛フリーのロッドレンズアレー302の下面(第2表面)は高温・高湿などの外部環境に直接接触しない構造となっている。このような構造とすることにより、鉛フリーのロッドレンズアレー302の耐候性を確保することができる。
[鉛フリーのロッドレンズアレー:図4]
次に、図4を用いて本実施形態の鉛フリーのロッドレンズアレー302について詳しく説明する。図4は、図2に示す密着型イメージセンサ300において、鉛フリーのロッドレンズアレー302に透明な耐候保護層307を被覆前の部分のみを上から見た図である。被覆前の鉛フリーのロッドレンズアレー302は、鉛フリーの円柱状レンズ(ロッドレンズ)302−1の半径方向に沿って屈折率を連続的に変化させることにより、円柱の軸方向に進行する光に対しレンズとして働く鉛フリーの円柱状のレンズ302−1を、図2に示すように主走査長手方向にアレー状(直線状)に多数配列し、その周囲を例えば302−2に示す樹脂などで接着してブロック状に固定して形成されたものである。
次に、図4を用いて本実施形態の鉛フリーのロッドレンズアレー302について詳しく説明する。図4は、図2に示す密着型イメージセンサ300において、鉛フリーのロッドレンズアレー302に透明な耐候保護層307を被覆前の部分のみを上から見た図である。被覆前の鉛フリーのロッドレンズアレー302は、鉛フリーの円柱状レンズ(ロッドレンズ)302−1の半径方向に沿って屈折率を連続的に変化させることにより、円柱の軸方向に進行する光に対しレンズとして働く鉛フリーの円柱状のレンズ302−1を、図2に示すように主走査長手方向にアレー状(直線状)に多数配列し、その周囲を例えば302−2に示す樹脂などで接着してブロック状に固定して形成されたものである。
したがって、鉛フリーのロッドレンズアレー302は、図に示すように各鉛フリーの円柱状レンズ(ロッドレンズ)302−1の上面(第1表面)とその裏面である第2表面(下面)のみが外部に露出し、各鉛フリーの円柱状レンズ(ロッドレンズ)302−1の側面は樹脂などで被覆され外部に露出しない構造となっている。
[耐候保護層の作製方法:図2]
次に、透明な耐候保護層307を被覆した鉛フリーのロッドレンズアレー302の作製方法について説明すると、まず各鉛フリーの円柱状レンズの上面(第1表面)に、蒸着法による蒸着膜を形成するあるいは樹脂フィルムを接着するなどの方法で透明な耐候保護層307を被覆し、次に、透明な耐候保護層307が被覆された鉛フリーの円柱状レンズを図2に示すように主走査長手方向にアレー状(直線状)に多数配列し、その周囲を例えば樹脂板で挟みその隙間を樹脂剤を流し込んで固めて接着してブロック状に固定することにより、鉛フリーの円柱状レンズの上面に透明な耐候保護層307が被覆された鉛フリーのロッドレンズアレー302を形成する。
次に、透明な耐候保護層307を被覆した鉛フリーのロッドレンズアレー302の作製方法について説明すると、まず各鉛フリーの円柱状レンズの上面(第1表面)に、蒸着法による蒸着膜を形成するあるいは樹脂フィルムを接着するなどの方法で透明な耐候保護層307を被覆し、次に、透明な耐候保護層307が被覆された鉛フリーの円柱状レンズを図2に示すように主走査長手方向にアレー状(直線状)に多数配列し、その周囲を例えば樹脂板で挟みその隙間を樹脂剤を流し込んで固めて接着してブロック状に固定することにより、鉛フリーの円柱状レンズの上面に透明な耐候保護層307が被覆された鉛フリーのロッドレンズアレー302を形成する。
なお、透明な耐候保護層307を被覆した鉛フリーのロッドレンズアレー302の作製方法は上記説明した方法に限ることはなく、例えば、鉛フリーの円柱状レンズを図2に示すように主走査長手方向にアレー状(直線状)に多数配列し、その周囲を例えば樹脂などで接着してブロック状に固定しすることにより、鉛フリーのロッドレンズアレー302を作製した後に、各円柱状レンズの上面に透明な耐候保護層307を被覆することにより作製してもよい。次に、このようにして作製された透明な耐候保護層307を被覆した鉛フリーのロッドレンズアレー302を図2に示す構造となるように樹脂筐体303および基板304を用いて一体に形成することにより、密着型イメージセンサ300を形成する。
耐候保護層307について詳しく説明すると、この耐候保護層307は、原稿を照明する照明光を吸収せず透過し、図2に示すように各鉛フリーの円柱状レンズの上面(第1表面)の全体を保護するものであればどのような材料でも用いることができる。また、耐候保護層307は、どのような製造方法で形成しても良い。
一例を示すと、耐候保護層307は、たとえば、蒸着法によって鉛フリーの円柱状レンズ302−1上に照明光を吸収せず透過する蒸着膜を直接形成しても良い。例えば、MgF2を蒸着法により直接蒸着することにより形成しても良いし、TiO2、SiO2の2つの屈折率の異なる透光性金属酸化物膜を交互に多層コートしたものを使用してもよい。なお膜の厚さは使用条件によって変化するものであり、使用条件に適した厚みを選択すればよい。一例を示せば、0.5〜5μmである。
また、耐候保護層307としては、樹脂フィルムのようなフィルムを使用することもできる。樹脂フィルムは、鉛フリーの円柱状レンズ302−1上に接着剤を用いて接着しても良い。樹脂フィルムとしては、無色透明な薄膜の樹脂フィルムであって照明光を吸収せず透過する材料で形成されたフィルムであればどのようなものであっても良い。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂で製造された表面が平滑な樹脂フィルムなどを利用することができる。PETフィルムを用いる保護膜の厚さの一例を示せば、30〜100μmである。但し、耐候保護層307の厚さは使用条件によって変化するものであり、使用条件に適した材料と厚みを選択すればよい。なお、樹脂フィルムを用いる場合には、そのフィルムの裏面に接着剤を塗布して用いる。この接着剤は、照明光を吸収しない接着剤が望ましい。
[耐候保護層の透光性:図5]
図5は、本実施形態で使用した透明の耐候保護層307の分光透過率の一例を説明する図である。この耐候保護層307は、蒸着法で作製した透明な蒸着膜は例えば(膜厚0.5nm、膜材料MgF2)であり、図5に示すように可視光波長領域400nm〜700nmで、不要な吸収スペクトルをもたずフラットな分光透過率をもっているため、本実施形態の耐候保護層307として使用すると、照明光の分光透過率を80〜90%程度確保することができる。
図5は、本実施形態で使用した透明の耐候保護層307の分光透過率の一例を説明する図である。この耐候保護層307は、蒸着法で作製した透明な蒸着膜は例えば(膜厚0.5nm、膜材料MgF2)であり、図5に示すように可視光波長領域400nm〜700nmで、不要な吸収スペクトルをもたずフラットな分光透過率をもっているため、本実施形態の耐候保護層307として使用すると、照明光の分光透過率を80〜90%程度確保することができる。
本画像読取装置では、密着型イメージセンサとして原稿の良好な読み取り品質を確保するためには、少なくとも分光透過率70%以上を持つことが望ましいので、この要求を満足する耐候保護層を用いる必要があり、特にカラー読取の場合は、400nm〜700nmで、不要な吸収スペクトルをもたずフラットな特性が望ましいが、本実施形態の耐候保護層307は分光透過率が上記所望の特性を満足するものである。また、本実施形態の耐候保護層307は、水分を通さない膜であり、高温・高湿環境下での耐久性を有する。
[耐候試験でのMTF変化:図6]
図6は、本実施形態の密着型イメージセンサ300を温度60℃、湿度90%の高温・高湿度環境下で1000時間保持する耐候試験前後のMTF変化の測定結果を説明する図である。図6において、(1)は、鉛フリーロッドレンズアレー302に耐候保護層307を形成した時の高温・高湿度の耐候試験結果であり、(2)は比較のために行った鉛フリーロッドレンズアレー302に耐候保護層307を形成しないで行った同条件で行った耐候試験結果結果である。なお、MTFとは、光学系の伝達関数(Modulated Transfer Function)のことであり、像のコントラストがどれだけ減少して再現されるかを示す比率で、コントラストの伝達率、あるいは減少率を示すものであり、上記の試験では、白黒6本/ミリの線でのコントラストで測定した。
図6は、本実施形態の密着型イメージセンサ300を温度60℃、湿度90%の高温・高湿度環境下で1000時間保持する耐候試験前後のMTF変化の測定結果を説明する図である。図6において、(1)は、鉛フリーロッドレンズアレー302に耐候保護層307を形成した時の高温・高湿度の耐候試験結果であり、(2)は比較のために行った鉛フリーロッドレンズアレー302に耐候保護層307を形成しないで行った同条件で行った耐候試験結果結果である。なお、MTFとは、光学系の伝達関数(Modulated Transfer Function)のことであり、像のコントラストがどれだけ減少して再現されるかを示す比率で、コントラストの伝達率、あるいは減少率を示すものであり、上記の試験では、白黒6本/ミリの線でのコントラストで測定した。
図6の(2)の曲線から明らかなように、鉛フリーロッドレンズアレー302に耐候保護層307を被覆しないで、高温・高湿度の耐候試験を行った場合には、初期(0時間)のMTFは70%であったが、時間とともに低下し、1000時間後には半分の35%程度まで低下した(解像度が低下した)。このときの耐候試験後の密着型イメージセンサ300の鉛フリーのロッドレンズアレーの上面(第1面)は、白い析出物で覆われている状態であった。
一方、図6の(1)の曲線から明らかなように、鉛フリーロッドレンズアレー302に耐候保護層307を被覆して、高温・高湿度の耐候試験を行った場合には、初期(0時間)のMTFは70%であり、MTFは時間とともに低下することなく、1000時間後でも初期のMTF70%が維持された。このときの耐候試験後の密着型イメージセンサ300の鉛フリーのロッドレンズアレーの上面(第1面)は、白い析出物で被覆されることはなかった。
以上の結果から明らかなように、本実施形態の密着型イメージセンサ300では、鉛フリーロッドレンズアレー302の表面に耐候保護層を被覆するなどして、鉛フリーロッドレンズアレー302の表面を高温・高湿度の外部環境に露出させない構造とすることにより、高温・高湿度環境下で長期間、本実施形態の密着型イメージセンサが使用され、ナトリウムなどの成分がたとえその表面に析出したとしても、それらの成分は外部環境に存在する水分や二酸化酸素と接触しない構造とすることができた。
そのため、炭酸ナトリウムなどの白い析出物を生成することがないためMTFの劣化、光学フレアの発生を防止することができるので、本実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置では、高温・高湿度環境下で長期間使用された場合でも、画質を低下させずに原稿画像を高画質で読み取ることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置について詳細に説明する。なお、第2の実施形態の画像読取装置は、図1〜図6で説明した第1の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置と類似する構造を有する。そこで、以下の説明では、第2の実施形態の画像読取装置が第1の実施形態の画像読取装置と共通する説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。また、図の説明において、同じ部品については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
以下、第2の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置について詳細に説明する。なお、第2の実施形態の画像読取装置は、図1〜図6で説明した第1の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置と類似する構造を有する。そこで、以下の説明では、第2の実施形態の画像読取装置が第1の実施形態の画像読取装置と共通する説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。また、図の説明において、同じ部品については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
[第2の実施形態の特徴]
本実施形態の密着型イメージセンサが第1の実施形態の密着型イメージセンサと異なる点は、赤外光を比較的多く発生する光源、たとえば光源として比較的暗い蛍光ランプ、例えば、直径5ミリ程度の小径キセノンランプを用いる点である。一般的にキセノンランプは管径が小さくなるほど暗くなり、全体の光量にしめる赤外の割合が増えることが知られている。本実施形態の鉛フリーのロッドレンズアレーと光電変換素子を用いる場合には、このように原稿を照射するランプの照度が4000lux程度の比較的暗いランプも使用することができる。しかしながら、キセノンランプを使用する場合、可視光以外にも近赤外光も発光するため、近赤外光の影響によって画質が低下する。そのため本実施形態の密着型イメージセンサでは鉛フリーのロッドレンズアレーの一方の端面(第1表面)に耐候保護層を被覆し、他方の端面(第2表面)に赤外光カット層を被覆することにより、可視光以外にも近赤外光も発光するような比較的暗い光源(例えば、キセノンランプ)を使用できるようにしたものである。以下、第1の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置について詳細に説明する。
本実施形態の密着型イメージセンサが第1の実施形態の密着型イメージセンサと異なる点は、赤外光を比較的多く発生する光源、たとえば光源として比較的暗い蛍光ランプ、例えば、直径5ミリ程度の小径キセノンランプを用いる点である。一般的にキセノンランプは管径が小さくなるほど暗くなり、全体の光量にしめる赤外の割合が増えることが知られている。本実施形態の鉛フリーのロッドレンズアレーと光電変換素子を用いる場合には、このように原稿を照射するランプの照度が4000lux程度の比較的暗いランプも使用することができる。しかしながら、キセノンランプを使用する場合、可視光以外にも近赤外光も発光するため、近赤外光の影響によって画質が低下する。そのため本実施形態の密着型イメージセンサでは鉛フリーのロッドレンズアレーの一方の端面(第1表面)に耐候保護層を被覆し、他方の端面(第2表面)に赤外光カット層を被覆することにより、可視光以外にも近赤外光も発光するような比較的暗い光源(例えば、キセノンランプ)を使用できるようにしたものである。以下、第1の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置について詳細に説明する。
[第2実施形態の密着型イメージセンサ:図7]
図7は、本実施形態の密着型イメージセンサ350の一例を示す断面図であり、密着型イメージセンサ350は、原稿照明光源1301a,1301b、鉛フリーのロッドレンズアレー302、樹脂筐体303、基板304、光電変換素子305、透明な耐候保護層307、および赤外光カット層306により構成されている。
図7は、本実施形態の密着型イメージセンサ350の一例を示す断面図であり、密着型イメージセンサ350は、原稿照明光源1301a,1301b、鉛フリーのロッドレンズアレー302、樹脂筐体303、基板304、光電変換素子305、透明な耐候保護層307、および赤外光カット層306により構成されている。
密着型イメージセンサ350について説明すると、本実施形態の光源1301a,1301bは赤外光も発生する蛍光ランプ、例えば、キセノンランプで構成され、原稿照明光源1301a,1301bは、原稿(不図示)を照明し、光を照射された原稿の光学情報は等倍結像素子である鉛フリーのロッドレンズアレー302により、原稿の情報を光電変換素子305に結像する。このようにして、光を照射された原稿の光学情報が密着型イメージセンサ350により読み取られる。
また、鉛フリーのロッドレンズアレー302の上面(第1表面)には、透明な耐候保護層307が形成されている。この耐候保護膜307は、照明などの光は透過するが、鉛フリーのロッドレンズアレー302の上面を例えば、高温・高湿などの外部環境に直接接触しないように設けられた保護膜であり、上記説明ような析出物の発生を防ぐため、水分およびまたは炭酸ガスを透過させない材質で形成されている。また、鉛フリーのロッドレンズアレー302の下面(第2表面)には、赤外光をカットする赤外カット層が形成され、鉛フリーのロッドレンズアレー302は、樹脂筐体303と基板304とで一体に形成されるため、樹脂筐体303と基板304とによって囲まれた鉛フリーのロッドレンズアレー302の下面(第2表面)は高温・高湿などの外部環境に直接接触しない構造となっている。このような構造とすることにより、鉛フリーのロッドレンズアレー302の耐候性を確保しかつ赤外光の悪影響を排除することができる。ここで、赤外を発生する光源(キセノンランプなどの蛍光ランプ)を使用する場合に、赤外光カット層を用いることが有効な理由について、図8〜図10を用いて以下詳しく説明する。
[キセノンランプの発光スペクトル:図8]
図8は、本実施形態のキセノンランプの発光スペクトルを説明する図である。キセノンランプを光源として使用する場合、その照射光は、図8に示すように400〜700nmの可視光領域以外、すなわち700〜1000nmの赤外領域にも発光スペクトルを持っている。
図8は、本実施形態のキセノンランプの発光スペクトルを説明する図である。キセノンランプを光源として使用する場合、その照射光は、図8に示すように400〜700nmの可視光領域以外、すなわち700〜1000nmの赤外領域にも発光スペクトルを持っている。
[光電変換素子の分光感度特性:図9]
一方、図9は、本実施形態の光電変換素子305の分光感度特性を説明する図である。本実施形態の光電変換素子はカラー対応であり、図9に示すように赤色の光、青色の光、緑色の光に対してそれぞれ感度を持つとともに700〜1000nmに示す赤外領域においても感度を持つものである。
一方、図9は、本実施形態の光電変換素子305の分光感度特性を説明する図である。本実施形態の光電変換素子はカラー対応であり、図9に示すように赤色の光、青色の光、緑色の光に対してそれぞれ感度を持つとともに700〜1000nmに示す赤外領域においても感度を持つものである。
このように、第2の実施形態の密着型イメージセンサでは、図7の特性を持つキセノンランプの光源として使用し、図8の特性を持つ光電変換素子を受光素子として使用する。そのため、本実施形態の光電変換素子305では、赤外領域に青緑赤が同時に感度を持ち、キセノンランプの光源が赤外光を発生するため、色が混じってしまって原稿を読むことになり、色分解のクリアさが失われ、画像としては白く浮いてぼやけたねむい画像となってしまう。
[赤外カット層:図10]
そこで、図10に示す分光透過率の特性を持つ赤外光カット層、図7に示すロッドレンズ302の第2の表面に形成して赤外光をカットすることにより、色分解のクリアさが確保されたシャープな読取が可能となる。すなわち、図10に示すような本実施形態の赤外カット層では、800nm弱から1000nmまで分光透過率がほぼ0となっており、理想的にキセノンランプの発生する赤外光をカットすることができる。なお、本実施形態の赤外光カット層は図10に示すような特性を示すものであればどの様な材料でも使用することができる。
そこで、図10に示す分光透過率の特性を持つ赤外光カット層、図7に示すロッドレンズ302の第2の表面に形成して赤外光をカットすることにより、色分解のクリアさが確保されたシャープな読取が可能となる。すなわち、図10に示すような本実施形態の赤外カット層では、800nm弱から1000nmまで分光透過率がほぼ0となっており、理想的にキセノンランプの発生する赤外光をカットすることができる。なお、本実施形態の赤外光カット層は図10に示すような特性を示すものであればどの様な材料でも使用することができる。
なお、赤外カット層の製造方法としては、第1実施形態で説明したのと類似の方法で行うことができる。例えば、各鉛フリーの円柱状レンズの上面(第1表面)に、透明な耐候保護層307を被覆し、次に、各鉛フリーの円柱状レンズの下面(第2表面)に、赤外光カット層306を被覆し、次に、透明な耐候保護層307および赤外光カット層306が被覆された鉛フリーの円柱状レンズを図2に示すように主走査長手方向にアレー状(直線状)に多数配列し、その周囲を例えば樹脂などで接着してブロック状に固定しすることにより鉛フリーのロッドレンズアレー302を形成する。
なお、透明な耐候保護層307を被覆した鉛フリーのロッドレンズアレー302の作製方法は上記説明した方法に限ることはなく、例えば、鉛フリーの円柱状レンズを図2に示すように主走査長手方向にアレー状(直線状)に多数配列し、その周囲を例えば樹脂などで接着してブロック状に固定しすることにより、鉛フリーのロッドレンズアレー302を作製した後に、各円柱状レンズの上面に透明な耐候保護層307を被覆し、各円柱状レンズの下面に赤外光カット層306をそれぞれ形成してもよい。次に、このようにして作製された透明な耐候保護層307と赤外光カット層306を被覆した鉛フリーのロッドレンズアレー302を図7に示す構造となるように樹脂筐体303および基板304を用いて一体に形成することにより、密着型イメージセンサ350を形成する。
なお、赤外カット層306について説明すると、赤外カット層306は、原稿を照明する照明光のうち可視光を透過し赤外光のみをカットするものであればどのような材料でも用いることができる。また、赤外カット層306は、どのような製造方法で形成しても良い。一例を示すと、赤外カット層306は、たとえば、蒸着法によって鉛フリーの円柱状レンズ302−1上に直接形成しても良い。例えば、一層あたり0.1μm程度の膜厚の、TiO2、SiO2といった屈折率の異なる光透過性の金属酸化物膜を交互に多層形成した多層構造の赤外カット層を蒸着法により直接蒸着することにより形成しても良い。この場合には、蒸着材料を替えて繰り返し蒸着を行うことによって多層構造を有する赤外カット層を形成することができる。なお赤外カット層の厚さは使用条件によって変化するものであり、使用条件に適した厚みを選択すればよい。一例を示せば、2〜5μmである。
また、赤外カット層306としては、樹脂フィルムのような赤外カットフィルムを使用することもできる。赤外カットフィルムは、鉛フリーの円柱状レンズ302−1上に接着剤を用いて接着しても良い。赤外カットフィルムとしては、赤外光をカットし、照明光を吸収せず透過する材料で形成された公知の樹脂などで製造された表面が平滑な樹脂フィルムであればどのようなものであっても良い。赤外カット層306の厚さは使用条件によって変化するものであり、使用条件に適した材料と厚みを選択すればよい。なお、樹脂フィルムを用いる場合には、そのフィルムの裏面に接着剤を塗布して用いる。この接着剤は、照明光を吸収しない接着剤が望ましい。
なお、上記説明したように、カラー原稿の読取において赤外光カット層を用いないと、画質の劣化が顕著であることを説明したが、白黒原稿の読取においては、色分解の問題は発生しないものの赤外カットを行わない場合、白く浮いてぼやけたねむい画像となることは変わりがないため、白黒でも上記説明した赤外光カット層を用いて赤外光のカットを行うことが望ましい。そこで、本実施形態ではカラーのため赤外カット層を図7に示すようにロッドレンズ302の第2の表面に形成してある。
以上説明したように、本実施形態の密着型イメージセンサ350の構成では、赤外光カット層と耐候保護層との2つの層を独立して持つことにより、可視光以外に赤外光も発生する光源および鉛フリーのロッドレンズアレーを使用することができる。なお、本実施形態の密着型イメージセンサ350を用いる耐候試験を行ったところ、第1実施形態で説明した図6と同様の結果が得られた。このことから、耐候試験でもMTF劣化せず、レンズ表面に析出物がなく、かつ赤外の悪影響も受けない構成として実現できた。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置について詳細に説明する。なお、第3の実施形態の画像読取装置は、図1〜図10で説明した第1および第2の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置と類似する構造を有する。そこで、以下の説明では、第3の実施形態の画像読取装置が第1および第2の実施形態の画像読取装置と共通する説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。また、図の説明において、同じ部品については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
以下、第3の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置について詳細に説明する。なお、第3の実施形態の画像読取装置は、図1〜図10で説明した第1および第2の実施形態の密着型イメージセンサを用いる画像読取装置と類似する構造を有する。そこで、以下の説明では、第3の実施形態の画像読取装置が第1および第2の実施形態の画像読取装置と共通する説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。また、図の説明において、同じ部品については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
[第3の実施形態の特徴]
本実施形態の密着型イメージセンサは第2の実施形態の密着型イメージセンサと類似するものであるが、本実施形態の密着型イメージセンサが第2の実施形態の密着型イメージセンサと異なる点は、第2の実施形態の密着型イメージセンサでは、鉛フリーのロッドレンズアレーの一方の端面(第1表面)に耐候保護層を被覆し、他方の端面(第2表面)に赤外光カット層を被覆したが、本実施形態の密着型イメージセンサでは、赤外光カット機能を有する耐候保護層を鉛フリーのロッドレンズアレーの一方の端面(第1表面)にのみ被覆することによって、可視光以外にも近赤外光も発光するような比較的暗い光源(例えば、キセノンランプ)を使用できるようにしたものである。このように赤外光カット機能を有する耐候保護層を鉛フリーのロッドレンズアレーの一方の端面(第1表面)にのみ被覆することによって、製造工程の簡略化により製造コストを低減することができる。
本実施形態の密着型イメージセンサは第2の実施形態の密着型イメージセンサと類似するものであるが、本実施形態の密着型イメージセンサが第2の実施形態の密着型イメージセンサと異なる点は、第2の実施形態の密着型イメージセンサでは、鉛フリーのロッドレンズアレーの一方の端面(第1表面)に耐候保護層を被覆し、他方の端面(第2表面)に赤外光カット層を被覆したが、本実施形態の密着型イメージセンサでは、赤外光カット機能を有する耐候保護層を鉛フリーのロッドレンズアレーの一方の端面(第1表面)にのみ被覆することによって、可視光以外にも近赤外光も発光するような比較的暗い光源(例えば、キセノンランプ)を使用できるようにしたものである。このように赤外光カット機能を有する耐候保護層を鉛フリーのロッドレンズアレーの一方の端面(第1表面)にのみ被覆することによって、製造工程の簡略化により製造コストを低減することができる。
[第3実施形態の密着型イメージセンサ:図11]
図11は、本実施形態の密着型イメージセンサ360の一例を示す断面図であり、密着型イメージセンサ360は、原稿照明光源1301a,1301b、鉛フリーのロッドレンズアレー302、樹脂筐体303、基板304、光電変換素子305、赤外光カット機能を有する透明な耐候保護層308により構成されている。
図11は、本実施形態の密着型イメージセンサ360の一例を示す断面図であり、密着型イメージセンサ360は、原稿照明光源1301a,1301b、鉛フリーのロッドレンズアレー302、樹脂筐体303、基板304、光電変換素子305、赤外光カット機能を有する透明な耐候保護層308により構成されている。
密着型イメージセンサ360について説明すると、本実施形態の光源1301a,1301bは赤外光も発生する蛍光ランプ、例えば、キセノンランプで構成され、原稿照明光源1301a,1301bは、原稿(不図示)を照明し、光を照射された原稿の光学情報は等倍結像素子である鉛フリーのロッドレンズアレー302により、原稿の情報を光電変換素子305に結像する。このようにして、光を照射された原稿の光学情報が密着型イメージセンサ360により読み取られる。
また、鉛フリーのロッドレンズアレー302の上面(第1表面)には、赤外光カット機能を有する透明な耐候保護層308が形成されている。この耐候保護膜308は、照明などの光を透過し、赤外光をカットし、鉛フリーのロッドレンズアレー302の上面を外部環境に直接接触しない(水分およびまたは炭酸ガスを透過させない)ように設けられた保護膜である。このような機能を有する耐候保護層308で被覆することにより、高温・高湿などの外部環境に置かれた場合でも上記説明ような析出物の発生を防ぐことができる。また、鉛フリーのロッドレンズアレー302の下面(第2表面)には、耐候保護層308は形成されていないが、鉛フリーのロッドレンズアレー302は、樹脂筐体303と基板304とで一体に形成されるため、樹脂筐体303と基板304とによって囲まれた鉛フリーのロッドレンズアレー302の下面(第2表面)は高温・高湿などの外部環境に直接接触しない構造となっている。このような構造とすることにより、鉛フリーのロッドレンズアレー302の耐候性を確保しかつ赤外光の悪影響を排除することができる。
ここで、本実施形態で使用した赤外光カット機能を有する透明な耐候保護層308としては、例えば、第2の実施形態で示す赤外光カット機能を有し、かつ、水分を透過せず耐候特性もかね備える多層構造の赤外光カット層を使用することができる。
なお、多層構造の赤外光カット層とその製造方法の説明は、第2の実施形態で説明したのと類似するものであり、その説明は重複するのでここでの説明は省略する。
また、本実施形態の密着型イメージセンサ360を用いる耐候試験を行ったところ、第1実施形態で説明した図6と同様の結果が得られた。このことから、耐候試験でもMTF劣化せず、レンズ表面に析出物がなく、かつ赤外の悪影響も受けない構成として実現できた。
以上説明したように、本実施形態の画像読取装置は、鉛を含有しない鉛フリーの円柱状レンズを用いているが、その表面は、透光性保護膜などにより保護され高温・高湿度の外部環境と直接接触しない構造となっている。そのため、たとえ高温・高湿度環境下で長期間、本実施形態の密着型イメージセンサが使用され、ナトリウムなどの成分がその表面に析出したとしても、外部環境と接触しないため炭酸ナトリウムなどの白い析出物を生成することがない。そのためMTFの劣化、光学フレアの発生を防止でき、画質を低下させないで原稿画像を高画質で読み取ることができるので、市場での信頼性を確保できる。
300 密着型イメージセンサ
301a 原稿照明光源
301b 原稿照明光源
302 鉛フリーのロッドレンズアレー
302−1鉛フリーの円柱状(ロッド)レンズ
302−2樹脂
303 樹脂筐体
304 基板
305 光電変換素子
307 耐候保護層
301a 原稿照明光源
301b 原稿照明光源
302 鉛フリーのロッドレンズアレー
302−1鉛フリーの円柱状(ロッド)レンズ
302−2樹脂
303 樹脂筐体
304 基板
305 光電変換素子
307 耐候保護層
Claims (8)
- 光源から原稿に光を照射し得られる前記原稿の情報を円柱状レンズで光電変換素子上に結像して前記原稿の情報を読み取るイメージセンサであって、
鉛を含有しない円柱状レンズと、
前記円柱状レンズの長手方向の前記原稿の情報が入力される側の第1表面に形成され、前記円柱状レンズを外部環境に触れないように保護する透光性保護膜と、
前記第1表面の裏面の第2表面が外部環境に触れないようにして前記円柱状レンズを保持収容する保持収容部と、
を有することを特徴とするイメージセンサ。 - 前記鉛を含有しない円柱状レンズは、同一平面上に一列に配列された複数の円柱状レンズから構成され、前記複数の円柱状レンズの各第1表面には透光性保護膜がそれぞれ形成され、前記保持収容部は、前記複数の円柱状レンズの各第2表面が外部環境に触れないようにして前記複数の円柱状レンズを保持収容していることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
- 前記透光性保護層は、波長400〜700nmで少なくとも70%の分光透過率を持つことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイメージセンサ。
- 前記透光性保護層は、蒸着により形成されることを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
- 前記透光性保護層は、樹脂フィルムを接着することにより形成されることを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
- 前記第2面の表面には、波長800〜1000nmの赤外光を分光透過率10%以下に除去する赤外光除去層が更に形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のイメージセンサ。
- 前記透光性保護膜は、さらに波長800〜1000nmの赤外光を分光透過率10%以下に除去することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のイメージセンサ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のイメージセンサと、原稿に対する前記イメージセンサの位置を変更する位置変更手段とを有することを特徴とする画像読取形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004350300A JP2006165693A (ja) | 2004-12-02 | 2004-12-02 | イメージセンサおよびそれを用いる画像読取形成装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006227384A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Ricoh Co Ltd | 画像読み取り装置、画像形成装置および画像読み取り方法 |
US20150070735A1 (en) * | 2013-09-12 | 2015-03-12 | Creative Sensor Inc. | Contact image sensing device |
-
2004
- 2004-12-02 JP JP2004350300A patent/JP2006165693A/ja not_active Withdrawn
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