JP2006162903A - 電気泳動表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表示コントラストの低下による表示画像の劣化の発生を抑制することのできる電気泳動表示素子を提供する。
【解決手段】 所定間隙を開けた状態に配置される第1基板10及び第2基板20と、第1基板10及び第2基板20の間隙に配置された隔壁部材30とにより囲まれた空間S内に帯電粒子50と、帯電粒子50を分散させると共に空間Sの内壁表面上に液膜層を形成する分散媒40とにより構成され、画像を表示するための表示媒体55を配する。そして、この表示媒体55は、帯電粒子50を液膜層に沿って移動させることにより、画像の表示を行うと共に、画像を表示する状態を保持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気泳動表示素子に関し、特に画像を表示するための表示媒体に関する。
近年、電圧印加によって粒子を移動させることに基づき表示を行うようにした粒子移動型表示装置についての研究が盛んに行われているが、その中で、特に注目度が高いのが電気泳動表示装置である。そして、この電気泳動表示装置(EPD)は、絶縁性の分散媒中で帯電している帯電泳動粒子に電界を印加することにより、帯電泳動粒子を電気泳動によって変位させて表示を行う電気泳動表示素子を備えている。
ところで、このような電気泳動現象を利用した電気泳動表示素子は、帯電泳動粒子の集団の分布状態を表示に反映させるので表示コントラストが大きい。また、その表示状態は書き込み用の電気信号の印加を解除しても保持される例が数多く報告されている。
ここで、このように電気信号の印加を解除しても表示状態が保持されるという事は、帯電泳動粒子の積層構造が所定の位置に存在しつづけることに対応しており、このような積層構造を保持した状態を維持させるためには、帯電泳動粒子の変位を抑制するための構成が必要である。
そして、このように帯電泳動粒子の積層構造を保持するための構成として、帯電泳動粒子と電気泳動表示素子の画素を形成している固体表面との間に働く鏡像力を利用するもの(例えば、特許文献1参照)や、分散媒の粘性を利用するもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開2000−321605号公報(第19頁、図12/第22頁、図28) WO 02/079869(45頁、Fig.1A)
しかしながら、このように帯電泳動粒子の積層構造を鏡像力や粘性を利用して保持するようにした従来の電気泳動表示素子において、保持状態の維持が困難な場合があり、この場合、表示コントラストが低下し、表示画像の劣化が発生することがある。
次に、このようなコントラストの低下等について説明する。
図7は、固体表面上に帯電泳動粒子が積層している通常の状態を模式的に示した図であり、図7において、1300は表示面側の基板、1000は表示面側の基板1300の反対側にある基板、1100は分散媒、1200は分散媒中に分散する帯電泳動粒子である。ここで、図7の場合、帯電泳動粒子1200が表示面側の基板1300に近接して積層構造を形成しており、このため表示面側の基板1300側から電気泳動表示素子を観察すると、電気泳動表示素子は帯電泳動粒子1200の色を呈している様に見える。
図8は、図7に示した帯電泳動粒子1200の一部が積層構造から離れ、積層構造が部分的に崩壊している状態を模式的に示した図であり、図8の(a)に示すように積層構造が部分的に崩壊した状態の領域を表示面側の基板1300側から観察すると、電気泳動表示素子は帯電泳動粒子1200の色と分散媒1100の色が混ざったように見える。
これは、この領域を表示面側の基板1300側から観察すると、図8の(b)に示すように、基板1300に近接している帯電泳動粒子1200と同時に分散媒1100が見えるからである。なお、この図8の(b)において、1400は表示面側の基板1300に近接し、且つ互いに隣接する帯電泳動粒子間に形成される隙間であり、この隙間1400をとおして分散媒1100が見えるようになる。そして、このように分散媒1100が見えるようになると、表示コントラストは図7の場合の表示コントラストよりも小さくなる。
また、図9は、図8よりもさらに帯電泳動粒子1200の積層構造が崩壊している状態を模式的に示した図であり、この場合、表示面側の基板1300側から観察すると、電気泳動表示素子は図8の場合よりも、より帯電泳動粒子1200の色に分散媒1100の色が混ざった色を呈している様に見える。このため図9の表示コントラストは、図7の場合の表示コントラストよりも小さい。
ここで、このように帯電泳動粒子1200の積層構造を維持できない第1の理由は、鏡像力の大きさが2物体間、即ち基板表面(固体表面)と帯電泳動粒子の距離の2乗に反比するためである。つまり、この鏡像力の大きさは、例えば図7に示す基板1300に最近接している帯電泳動粒子1200の第1層目1200Aに作用する鏡像力よりも、第1層目1200Aに積層している帯電泳動粒子1200の第2層目1200Bに作用する鏡像力の方が小さいため、第2層目1200Bには、第1層目1200Aに近接して配置し続けるために十分な鏡像力が作用しにくい場合がある。
これにより、第2層目1200Bに基板表面(固体表面)から離れる方向に何らかの外乱、例えば電気泳動表示素子の落下衝撃や、分散媒1100の流動や熱揺らぎが作用すると、第2層目1200Bを構成する帯電泳動粒子1200は第1層目1200Aから離れ易くなる。この様な鏡像力の性質により、保持状態の維持が困難になる。
第2の理由は、帯電泳動粒子1200の分散媒中における変位に対する抵抗として機能し、この抵抗を利用して保持状態における帯電泳動粒子1200の変位を抑制している粘性が、引力相互作用を粒子間に作用させない事にある。このため、何らかの外乱、例えば電気泳動表示素子の落下衝突や分散媒1100の流動により帯電泳動粒子1200が変位すると、帯電泳動粒子1200は元の位置には戻らない。この結果、この変位が微小なものであっても、変位が複数回発生すると、大きな距離を移動する事となる。
更に、例えば、保持状態にある電気泳動表示素子を曲げようとした場合、分散媒1100の流動等が発生し、この流動等は帯電泳動粒子1200の積層状態を崩そうとする力として作用するが、この際、分散媒1100の高粘性化により保持状態を維持する構成の場合、帯電泳動粒子1200を元の位置に戻そうとする復元力が十分でないので、表示画像を復元できずに、表示画像の劣化を発生させる場合がある。
そこで本発明の目的は、このような現状に鑑みてなされたものであり、表示コントラストの低下による表示画像の劣化の発生を抑制することのできる電気泳動表示素子を提供することを目的とするものである。
本発明は、所定間隙を開けた状態に配置される第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び第2基板の間隙に配置された隔壁部材と、前記第1基板及び第2基板と前記隔壁部材とに囲まれた空間に配置された帯電粒子と、前記間隙に面して配置された第1電極及び第2電極とによって形成された複数の画素を備え、前記電極間に生じる電界により前記帯電粒子を移動させて画像の表示を行う電気泳動表示素子において、前記空間内に前記帯電粒子と、前記帯電粒子を分散させると共に前記空間の内壁表面上に液膜層を形成する分散媒とにより構成され、画像を表示するための表示媒体を配し、且つ前記表示媒体は前記帯電粒子を前記液膜層に沿って移動させるようにしたことを特徴とするものである。
本発明のように、第1基板、第2基板及び隔壁部材により囲まれた空間内に帯電粒子と、帯電粒子を分散させると共に空間の内壁表面上に液膜層を形成する分散媒とにより構成され、画像を表示するための表示媒体を配し、帯電粒子を液膜層に沿って移動させることにより、画像の表示を行うと共に画像を表示する状態を保持することができる。これにより、表示コントラストの低下による表示画像の劣化の発生を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電気泳動表示素子の構成を示す図であり、この電気泳動表示素子は、第1基板10と、第1基板10と所定間隙を開けて配置され、観察者側に配置される第2基板20と、これら第1及び第2基板10,20の間隙に、この間隙を一定に保持するように配置され、かつ間隙を仕切って画素を画定する隔壁部材である隔壁30とにより形成された空間である中空部Sを有している。
90は第1基板10の上面に形成された絶縁層であり、70は第1電極、80は隔壁内部に配置された第2電極である。なお、図1では、その他の素子構成要素、例えば、電極間に電気信号を印加する電気信号印加手段や、各中空部に対して配置した薄膜トランジスタTFTなどは省略している。
そして、この第1及び第2基板10,20と隔壁30とにより形成される中空部内に分散媒40と、この分散媒40内に分散された帯電泳動粒子50と閉じ込められている。なお、本実施の形態において、画素に画像を表示させるための表示媒体55は、少なくとも分散媒40と帯電粒子である帯電泳動粒子50から構成される。
ここで、分散媒40は、中空部Sの内壁表面上で液層膜を形成しており、帯電泳動粒子50は、分散媒40により表面が被覆されている。なお、以下、このように分散媒40により帯電泳動粒子50の表面を覆う膜を液膜という。
また、図1において符号60は、中空部Sにおける表示媒体以外の領域、つまり表示媒体55が存在しない領域を示している。なお、この領域60の構成は、所望の表示状態を発現できれば、特に制限はないが、液体でない事が好ましい。例えば、分散媒40の蒸気を含む空気をあげる事ができる。そして、このように領域60を構成することにより、帯電泳動粒子50は分散媒40によって形成された液層膜に沿ってのみ移動するようになっている。
ところで、この電気泳動表示素子は、帯電泳動粒子50の分布状態を表示状態に反映させるものであり、図1における右側の中空部Sでは、帯電泳動粒子50が第1基板10の面内方向に積層して分散している分布状態を示している。なお、以下の説明では、分散媒40及び表示媒体55以外の中空部Sの領域60は無色とする。そして、この領域60を第2基板20側から観察すれば、電気泳動表示素子は、帯電泳動粒子50の色を呈している様に見える。
一方、図1における左側の中空部Sでは、帯電泳動粒子50が隔壁30の表面上に集合した分布状態を示している。そして、この状態の領域60を第2基板20側から観察すれば、電気泳動表示素子は、第1電極70面又は絶縁層90の色、例えば第1電極70面又は絶縁層90の色が白色ならば、観察者には白色に見える。
そして、この表示状態を変化させるには、帯電泳動粒子50を変位させ、帯電泳動粒子50の分布状態を変化させればよい。例えば、第1電極70と第2電極80との間への電気信号の印加により、帯電泳動粒子50を電気泳動力で変位させることができる。なお、このような表示状態の変化に必要な帯電泳動粒子変位方法に特に制限はない。例えば、誘電泳動力、分散媒の電気流体力学的な流動、電気濡れ現象などを利用して、帯電泳動粒子50に所望の変位をさせても構わない。
また、これまでの説明では、帯電泳動粒子50は黒色で、第1電極70面(又は絶縁層90)は白色としたが、これに限定されるものではなく、例えば第1電極70面(又は絶縁層90)を適宜赤・緑・青色等に着色すると、カラー表示も可能となる。
さらに、図1では、第1基板10側に電極系を配置しており、この電極系によって形成される電界により帯電泳動粒子50を絶縁層90の面内方向に大きく変位させることができるが、所望の表示状態を形成できるならば、例えば帯電泳動粒子50を第1基板10の法線方向に大きく変位させるような電極構成でも構わない。
ところで、本実施の形態においては、液膜により帯電泳動粒子全体が覆われていなくとも、液膜により帯電泳動粒子50が部分的にしか被覆されていなくとも良いが、この場合には、少なくとも隣接する帯電泳動粒子や隣接する内壁表面との間に液膜が配置している事が好ましい。以下、この様な場合の液膜を液橋という。
図2の(a)は、それぞれ全体が液膜110により被覆されている隣接する帯電泳動粒子50の間に液橋100が形成されている様子を模式的に示したものであり、図2の(b)は全体が液膜110により被覆されている帯電泳動粒子50と中空部Sの内壁120との間に、液橋100が形成されている様子を模式的に示したものである。
図3は、液膜110により全面を被覆された帯電泳動粒子50が内壁120に近接配置され、2層積層構造を示している状態の模式図である。この場合、個々の帯電泳動粒子50を被覆している液膜110は、全体として帯電泳動粒子50の積層構造を内包する様な液膜を形成している。
図4の(a)は、帯電泳動粒子間に液橋100が形成されている1例を示す模式図であり、内壁120に近接している帯電泳動粒子50の第1層目50Aは、内壁120を被覆している液膜130中に、その一部を浸漬している。また、第1層50Aと第1層上に配置している帯電泳動粒子50の第2層目50Bとの間には、分散媒からなる液橋100が形成されている。さらに、第2層目50Aを構成する帯電泳動粒子間にも液橋100が形成されている。図4の(b)は、図4の(a)に示した帯電泳動粒子50が液膜110により全面を被覆されている状態を模式的に示している。
図5の(a)は、図4の(b)における内壁120に液膜130がない場合を示しており、液膜110により全面被覆された帯電泳動粒子同士が液橋100で連結された状態を示している。なお、図5の(b)は、液橋100のみにより帯電泳動粒子同士及び帯電泳動粒子50と内壁表面とが連結されている状態を示している。
ところで、本実施の形態に係る電気泳動表示素子は、画像形成用の電気信号の印加を解除しても、表示画像は保持されるようになっている。次に、このように表示画像を保持する構成について説明する。
表示画像を保持する構成の第1は、液膜に起因する引力相互作用を保持に利用する構成である。
ここで、この引力相互作用は、図2に示したように、二つの物体間(例えば、帯電泳動粒子間や帯電泳動粒子50と内壁120との間)に液橋100が存在する場合、両物体間には引力相互作用が働く。特に、物体表面が液橋100を構成する液体に対して濡れ易い場合、下記の式で記載されるような引力Fが働く。
F∝Rγ
なお、この式において、Rは帯電泳動粒子50の直径、γは液橋100を構成にする液体の表面張力である。そして、この式から明らかなように引力Fは液橋100を構成する液体の表面張力γに比例する。
また、図6に示すように、帯電泳動粒子50の直径が内壁表面を被覆している液膜130の厚さよりも大きい場合で、内壁表面を被覆している液膜130に帯電泳動粒子50が存在する場合にも、帯電泳動粒子間に引力相互作用を発現させる事が可能である。
この場合、帯電泳動粒子50が内壁表面側から離れようとすると、帯電泳動粒子50には液膜130及び液橋100の表面張力により内壁表面側に戻す方向の復元力が作用する。そして、本実施の形態においては、これら引力相互作用と復元力を、帯電泳動粒子同士及び帯電泳動粒子50と中空部S表面との間で発現させ、保持状態の維持に利用するようにしている。
なお、これらの力は、既述した鏡像力のように内壁表面からの距離の2乗に反比例するものではなく、従って外乱、例えば分散媒の流動に対して安定である。また、上記式で示した力は引力であるので、帯電泳動粒子50の層が変形しようとしても、この力が復元力として作用する。さらに、同時に既述した液膜130の復元力は、まさに復元力として機能する。
表示画像を保持する構成の第2は、保持状態における帯電泳動粒子50の可動範囲を制限することができる構成である。ここで、このような可動範囲の制限について説明する。
保持状態における分散媒40と帯電泳動粒子50からなる表示媒体55は、図1に示すように分散媒40による液層膜を形成しながら内壁表面近傍に局在しており、表示媒体55以外の中空部S60には、基本的に分散媒40の様な液体は充填されていない。例えば、分散媒40の蒸気と空気との混合物が存在している。このため、この非液体(例えば気体)領域に保持状態における帯電泳動粒子50が拡散していく事は困難である。
また、既述したように、帯電泳動粒子50は液膜等により内壁側に引き寄せられている。これらの理由により、中空部S全体に分散媒40が充填されている場合に比べて、保持状態における帯電泳動粒子50の可動範囲は制限されることとなる。
このため、何らかの外乱、例えば熱揺らぎや電気泳動表示素子の落下衝突時の衝撃が作用すると、従来のように中空部S全体に分散媒40が充填されている場合には、帯電泳動粒子50は中空部Sの中央部に変位して積層構造が崩壊し、この崩壊は保持状態の表示劣化等を誘起するが、本実施の形態のように分散媒40が中空部Sの内壁近傍に局在している場合には、外乱が作用しても帯電泳動粒子50が中空部Sの中央部に変位していくことは極めて困難となる。この結果、保持状態における帯電泳動粒子50の積層構造が崩れ難くなる。
このように、中空部S内に帯電泳動粒子50と、中空部Sの内壁表面上に液膜層を形成する分散媒40とにより構成され、画像を表示するための表示媒体55を配し、帯電泳動粒子50を液膜層に沿って移動させることにより、画像の表示を行うと共に画像を表示する状態を保持することができる。これにより、表示コントラストの低下による表示画像の劣化の発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態において、分散媒40としては絶縁性液体を使用する事ができる。そして、このような絶縁性液体としては、例えばイソパラフィン(例えば、商品名がアイソパーのエクソン社製の流体)、シリコーンオイル及びキシレン、トルエンやフッ素系溶媒等の有機溶媒をあげる事ができる。なお、既述した引力相互作用と復元力により帯電泳動粒子50の保持状態を維持するためには中空部Sの表面上の分散媒40からなる液膜の厚さは、帯電泳動粒子50の直径の5倍以下であることが好ましい。
また、帯電泳動粒子50も、所望の表示を行う事ができれば特に材料や粒子サイズや粒子の色等に制限はないが、着色されていて絶縁性液体中で正極性又は負極性の良好な帯電特性を示す材料が好ましい。例えば、各種の無機顔料や有機顔料やカーボンブラック、或いは、それらを含有させた樹脂を使用すると良い。
帯電泳動粒子50の平均粒径は通常0.01〜50μm程度のものを使用できるが、好ましくは、0.1〜10μm程度のものを用いる。また、帯電泳動粒子50は分散媒40に対して濡れ易い性質を有している事が好ましく、中空部Sの内壁表面も分散媒40に対して濡れ易い性質を有している事が好ましい。
さらに、これら分散媒中や帯電泳動粒子中に、帯電泳動粒子50の帯電を制御し、安定化させるための荷電制御剤を添加しておくと良く、係る荷電制御剤としては、コハク酸イミド、モノアゾ染料の金属錯塩やサリチル酸や有機四級アンモニウム塩やニグロシン系化合物などを用いると良い。更に分散媒中には、分散媒40の表面張力を調整するための界面活性剤を添加しても構わない。
また、第1及び第2第1基板10,20の種類には、特に制限はなく、例えばポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)等の柔らかい基板や、ガラス、石英、ステンレス等の硬い基板も使用できる。なお、表示面側に配置される基板は、透明である必要がある。
また、第1及び第2電極70,80の材料や配置も、所望の表示を実現できれば大きな制限はなく、電極材料としてはAl電極やITO電極を挙げる事ができる。また、電極配置としては、表示状態の変化に必要な所望の帯電泳動粒子変位を誘起できるものであれば、特に制限はない。
なお、第1電極70を光反射層としても利用する場合は、AgあるいはAl等の光反射率の高い材料を好適に使用する。また、この第1電極70を白色表示として使用する場合は、電極表面そのものに光が乱反射するように表面凹凸をつけるか、あるいは電極上に光散乱層を形成しておく。
次に、本実施の形態の実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例では、図1に示す様な電気泳動表示素子を作製した。なお、本実施例において、作製した電気泳動表示素子の1画素の大きさは、100μm×100μmであり、各画素は周囲を隔壁30によって囲まれている。ここで、隔壁30は格子状であり、幅8μm、高さ20μmである。また、第1電極70は、隔壁30に囲まれた領域直下に位置し、不図示のスイッチング素子に接続している。さらに、第2電極80は、隔壁30と第1基板10の間に位置する。なお、本実施例では、第2電極80は、全画素の共通電極としている。
次に、本実施例に関する電気泳動表示素子の製造方法を説明する。
先ず、公知のフォトリソグラフィー法を用いて、ステンレス製の第1基板10上にスイッチング素子、第1電極70、第2電極80、絶縁層90を形成し、この後、絶縁層90上に、隔壁30を公知のリソグラフィー法により形成する。
次に、絶縁層90と隔壁30が形成する中空部Sに、分散媒40と帯電泳動粒子50と帯電制御剤との混合物を充填し、この後、分散媒40の一部を蒸発させ、分散媒40と帯電泳動粒子50とからなる表示媒体55が、分散媒40により液層膜を形成しながら中空部Sの表面近傍に局在している状態を形成する。
ここで、本実施例では、分散媒40として炭化水素系溶媒(商品名:アイソパー、エクソン社製;表面張力23×10―3N/m)を用い、帯電制御剤としてはコハク酸イミド(商品名:OLOA1200、シェブロン社製)を用いた。なお、電化制御剤の添加濃度は0.8wt%である。また、帯電泳動粒子50としては、平均粒径3μm程度であるカーボンブラック含有のポリスチレン−ポリメチルメタクリレート共重合体樹脂からなるポリマービーズを使用した。
ここで、この中空部Sの表面近傍に局在した分散媒からなる液層膜の厚さは、レーザー干渉計で計測したところ、1μm程度であった。また、帯電泳動粒子50はその全面を液膜で被覆されていた。
次に、このように表示媒体55を中空部Sの表面近傍に局在させた状態を形成した後、透明な第2基板20を隔壁30上に設置し、分散媒40等を密閉した。なお、本実施例では第2基板20としてポリカーボネートと用いた。
そして、このようにして得られた電気泳動表示素子の第1電極70を接地し、第2電極80の電位を1ヘルツ(Hz)にて、+18V、−18Vと交互に変調した。その結果、黒表示状態と白表示状態が交互に出現した。
次に、表示状態の保持性について観察するよう第2電極への+18V印加を解除し、続いて素子の黒表示状態を観察したが、黒表示状態の劣化は観察されなかった。同様に、第2電極への−15V印加を解除し、続いて白表示状態を観察したが、白表示状態の劣化は観察されなかった。また、各状態における帯電泳動粒子50を光学顕微鏡で観察したが、積層状態を維持している事が確認できた。
更に、表示状態の外乱に対する安定性を観察するよう、白表示を示している保持状態の素子を1mの高さから10回落下させたが、白表示状態の劣化は観察されなかった。同様に、黒表示を示している保持状態の素子を1mの高さから10回落下させたが、黒表示状態の劣化は観察されなかった。また、各状態における帯電泳動粒子50を観察したが、積層状態を維持している事が確認できた。
次に、保持状態の電気泳動表示素子を曲げたり元の平面状の状態に戻す操作を10回繰り返したが、白表示及び黒表示の劣化は観察されなかった。
(実施例2)
本実施例では、電気泳動表示素子を、分散媒40をジメチルシリコーンオイル(表面張力16×10―3N/m)に変更した以外は、実施例1と同じ方法で作成した。このとき、中空部Sの表面近傍に局在した分散媒40からなる液膜の厚さは、レーザー干渉計で計測したところ、1μm程度であった。また、帯電泳動粒子50はその全面を液膜で被覆されていた。
そして、得られた電気泳動表示素子の第1電極70を接地し、第2電極80の電位を1ヘルツ(Hz)にて、+13V、−13Vと交互に変調した。その結果、黒表示状態と白表示状態が交互に出現した。
次に、表示状態の保持性について観察するよう第2電極80への+13V印加を解除し、続いて素子の黒表示状態を観察したが、黒表示状態の劣化は観察されなかった。同様に、第2電極への−13V印加を解除し、続いて素子の白表示状態を観察したが、白表示状態の劣化は観察されなかった。また、各状態における帯電泳動粒子50を光学顕微鏡で観察したが、積層状態を維持している事が確認できた。
更に、表示状態の外乱に対する安定性を観察するよう白表示を示している保持状態の素子を1mの高さから10回落下させたが、白表示状態の劣化は観察されなかった。同様に、黒表示を示している保持状態の素子を1mの高さから10回落下させたが、黒表示状態の劣化は観察されなかった。また、各状態における帯電泳動粒子を観察したが、積層状態を維持している事が確認できた。
次に、保持状態の電気泳動表示素子を曲げたり元の平面状の状態に戻す操作を10回繰り返したが、白表示及び黒表示の劣化は観察されなかった。
(実施例3)
本実施例では、帯電泳動粒子50と分散媒40との混合物を中空部Sに充填する前までは、実施例1と同じ方法で素子を製造する。ここで、本実施例では帯電泳動粒子50として公知のエレクトレット処理を施したポリメチルメタクリレート樹脂(直径3μm)からなるポリマービーズを使用した。
なお、このエレクトレット処理は以下のように行った。まず、電極間にビーズが配置している一対の平行電極を絶縁性オイル中に浸漬する。次に、オイル温度を90℃に加熱した後、電極間に17V/μmの電界を1時間印加し、この後、ビーズを室温まで冷却した。
次に、このようにして得られたビーズとアイソパーとの混合物を、隔壁等により構成されている中空部Sに充填し、この後、分散媒であるアイソパーを蒸発させた。なお、本実施例では、隣接する帯電泳動粒子間と中空部S表面とこれに近接する帯電泳動粒子間にのみ分散媒40からなる液橋が配置している状態にまでアイソパーを蒸発させた。この後、ポリカーボネートフィルムで中空部Sを塞いだ。
そして、得られた表示素子の第1電極70を接地し、第2電極80の電位を1ヘルツ(Hz)にて、+19V、−19Vと交互に変調した。その結果、黒表示状態と白表示状態が交互に出現した。
次に、表示状態の保持性について観察するよう第2電極80への+19V印加を解除し、続いて素子の黒表示状態を観察したが、黒表示状態の劣化は観察されなかった。同様に、第2電極80への−19V印加を解除し、続いて素子の白表示状態を観察したが、白表示状態の劣化は観察されなかった。また、各状態における帯電泳動粒子を光学顕微鏡で観察したが、積層状態を維持している事が確認できた。
更に、表示状態の外乱に対する安定性を観察するよう白表示を示している保持状態の素子を1mの高さから10回落下させたが、白表示状態の劣化は観察されなかった。同様に、黒表示を示している保持状態の素子を1mの高さから10回落下させたが、黒表示状態の劣化は観察されなかった。また、各状態における帯電泳動粒子を観察したが、積層状態を維持している事が確認できた。
次に、保持状態の素子を曲げたり元の平面状の状態に戻す操作を10回繰り返したが、白表示及び黒表示の劣化は観察されなかった。
本発明の実施の形態に係る電気泳動表示素子の構成を示す図。 上記電気泳動表示素子の隣接する帯電泳動粒子との間に液橋が形成されている様子を模式的に示した図。 上記帯電泳動粒子が内壁に近接配置され、2層積層構造を示している状態の模式図。 上記帯電泳動粒子の間に液橋が形成されている1例を示す模式図。 (a)は帯電泳動粒子同士が液橋で連結された状態を示す模式図、(b)は液橋のみにより帯電泳動粒子同士及び帯電泳動粒子と内壁表面とが連結されている状態を示す模式図。 上記帯電泳動粒子が内壁表面を被覆している液膜に存在する状態を示す模式図。 従来の固体表面上に帯電泳動粒子が積層している通常の状態を模式的に示した図。 従来の帯電泳動粒子の一部が積層構造から離れ、積層構造が部分的に崩壊している状態を模式的に示す図。 従来の帯電泳動粒子の一部がさらに積層構造から離れ、積層構造が部分的に崩壊している状態を模式的に示す図。
符号の説明
10 第1基板
20 第2基板
30 隔壁
40 分散媒
50 帯電泳動粒子
55 表示媒体
60 中空部Sにおける表示媒体以外の領域
70 第1電極
80 第2電極
100 液橋
110 液膜
120 内壁
130 液膜
S 中空部

Claims (8)

  1. 所定間隙を開けた状態に配置される第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び第2基板の間隙に配置された隔壁部材と、前記第1基板及び第2基板と前記隔壁部材とに囲まれた空間に配置された帯電粒子と、前記間隙に面して配置された第1電極及び第2電極とによって形成された複数の画素を備え、前記電極間に生じる電界により前記帯電粒子を移動させて画像の表示を行う電気泳動表示素子において、
    前記空間内に前記帯電粒子と、前記帯電粒子を分散させると共に前記空間の内壁表面上に液膜層を形成する分散媒とにより構成され、画像を表示するための表示媒体を配し、且つ前記表示媒体は前記帯電粒子を前記液膜層に沿って移動させるようにしたことを特徴とする電気泳動表示素子。
  2. 前記帯電粒子を前記分散媒からなる液膜により被覆することを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示素子。
  3. 隣接する帯電粒子間には、前記分散媒の液橋が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気泳動表示素子。
  4. 前記空間の内壁表面と前記空間の内壁表面に近接している前記帯電粒子との間に、前記分散媒の液橋が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電気泳動表示素子。
  5. 前記表示媒体の帯電粒子を、帯電粒子間及び該帯電粒子と前記空間の内壁表面との間に存在する前記液橋による引力相互作用と、前記液膜及び前記液橋の表面張力とにより画像を表示する状態を保持するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電気泳動表示素子。
  6. 前記空間における前記表示媒体以外の領域は、非液体からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電気泳動表示素子。
  7. 前記非液体が、少なくとも前記分散媒の蒸気からなることを特徴とする請求項6記載の電気泳動表示素子。
  8. 前記空間の内壁表面上の前記分散媒からなる液膜の厚さは、前記帯電粒子の直径の5倍以下であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示素子。
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